JP2002128142A - 多層フィルムからなる液体用容器 - Google Patents

多層フィルムからなる液体用容器

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JP2002128142A
JP2002128142A JP2000319047A JP2000319047A JP2002128142A JP 2002128142 A JP2002128142 A JP 2002128142A JP 2000319047 A JP2000319047 A JP 2000319047A JP 2000319047 A JP2000319047 A JP 2000319047A JP 2002128142 A JP2002128142 A JP 2002128142A
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polypropylene resin
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Hiroshi Kawarada
博 川原田
Hiroshi Takaoka
博 高岡
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SunAllomer Ltd
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SunAllomer Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性を有し、耐ピンホール性、耐衝撃性、
耐熱性、低臭性に優し、特にバッグインボックス用の内
袋として好適な液体用容器を提供する。 【解決手段】 液体用容器に使用するフィルムとして、
内層、中層、及び外層を含む多層フィルムを使用する。
多層フィルムの内層は、ポリプロピレン系樹脂からな
り、中間層は、軟質ポリプロピレン系樹脂からなり、外
層は、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂か
らなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン系
樹脂又はポリエチレン系樹脂及び軟質ポリプロピレン系
樹脂からなる多層フィルムを使用した液体用容器に関
し、特に、塗料や、写真現像液、液体調味料、ミネラル
ウォーター等の液体を収容するのに適した液体用容器に
関する。特に、本発明は、柔軟で、耐ピンホール性、耐
衝撃性、耐熱性、低臭性に優れるヒートシール可能なフ
ィルムで形成された液体用容器であって、特にバッグイ
ンボックスの内袋に使用される液体容器用フィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】バッグインボックスは、軽量でかつ省ス
ペース等の理由から主にポリエチレン系の樹脂フィルム
の4方をヒートシールして形成されるフィルムタイプが
増える傾向にある。バッグインボックスの内袋に使用さ
れるフィルムとして、高圧法ポリエチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合
体等の単層フィルム又は、これらフィルムと延伸ナイロ
ンフィルム、EVOH等と組み合わせて積層化し、Tダ
イ成形、又はインフレーション成形により共押出し、又
は、ドライラミネーションにより貼り合わせて用いられ
る。
【0003】バッグインボックスの内袋用フィルムの要
求特性として、耐衝撃性、耐ピンホール性、耐折れ性、
耐擦過性等があり、高い強度レベルが求められる。さら
に、内容物等へフィルムの臭気及び低分子量物及び添加
剤の移行の無いことが重要であり、特に近年ミネラルウ
ォーターや天然水の需要増加に伴い、内容液の高温殺菌
充填適性が必要となり、フィルムの低臭性、低分子量物
及び添加剤の低溶出性が求められる。これまでバッグイ
ンボックスの内袋に用いられてきた、高圧法ポリエチレ
ンは耐ピンホール性、耐衝撃性が劣るため、エチレン−
酢酸ビニル共重合体の単層フィルム又はエチレン−α−
オレフィン共重合体フィルムと積層し、貼り合わせる手
法が用いられてきた。さらに、近年シングルサイト系触
媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合
体のフィルムも同様に使用されている。
【0004】しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体
は、酢酸ビニル臭が強く、低臭性を求められる用途では
問題となり、エチレン−α−オレフィン共重合体及びシ
ングルサイト系触媒を用いて重合されたエチレン−α−
オレフィン共重合体のフィルムにあっても、耐衝撃性、
耐ピンホール性が充分とは言えず、特に60℃以上の高
温雰囲気下及び5℃以下の低温雰囲気下にあっては、強
度低下が著しく、バッグインボックスの内袋としては、
強度的に不充分である。さらに、これらのフィルムで高
温殺菌充填を行った場合、熱によるフィルム同士の融着
が外観不良をきたし、強度低下も大きくなり、また低分
子量物質や添加剤が内容液に溶出し、ポリエチレン臭や
添加剤臭が発生し、商品価値を失う恐れがあった。
【0005】特開平9-314769号公報は、食品包装用に使
用できる3層構造のシーラントフィルムについて開示す
る。この3層は、中間層としてのポリプロピレン系軟質
樹脂フィルムの両面に、直鎖状低密度ポエチレンフィル
ムが積層されている。しかしながら、このシーラントフ
ィルムを液体用の容器として使用する場合、液体と接触
する面は、直鎖状低密度ポエチレンフィルムからなる層
となり、この場合、液体を入れた容器において、特に液
体の入っていない空間部分では、容器の内層同士が接触
する場合があり、このような場合、液体の殺菌のために
加熱を行うと、内層同士が融着する問題がある。この融
着が生じると、その部分で材質の強度が低下し、その部
分から、容器が壊れたり、ピンホール等を生じることが
あり、好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、従
来技術の有する問題点を解消し、高温殺菌充填や低温雰
囲気下で使用しても、強度特性や耐熱性を損なわない液
体容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するため、鋭意検討した結果、液体用容器を、内
層、中層、及び外層を含む多層フィルムから形成し、そ
の内層に、ポリプロピレン系樹脂を使用し、中間層に、
軟質ポリプロピレン系樹脂を使用し、そして、外層に、
ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂を使用す
ることによって、上記課題を達成できることを見出し、
本発明に到達したものである。即ち、本発明は、内層、
中層、及び外層を含む多層フィルムから形成された液体
用容器であって、前記内層が、ポリプロピレン系樹脂か
らなり、前記中間層が、軟質ポリプロピレン系樹脂から
なり、前記外層が、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピ
レン系樹脂からなることを特徴とする液体用容器に関す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の液体用容器は、液体と接触する内側から
の層構成で言うと、内層、中層及び外層を含有する多層
フィルムから形成されている。内層に使用されるプロピ
レン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体でもよ
く、プロピレンと一種以上のα−オレフィンとの共重合
体や、ポリエチレン単位を含むブロックタイプポリプロ
ピレンなどが挙げられる。
【0009】プロピレン−α−オレフィン共重合体を構
成するα−オレフィンの炭素数は、通常、2〜20(3を
除く)であり、特に、好ましくは、2〜10(3を除
く)であることが適当である。α−オレフィンとして
は、具体的には、エチレンや、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネ
ン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1、4−メ
チルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が
好ましいものとして挙げることができる。これらのモノ
マーうち、特に、共重合性や、入手のしやすさの観点か
ら、エチレンや、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルペンテ
ン−1が好ましい。特に、エチレン、ブテン−1が好ま
しい。また、プロピレン−α−オレフィン共重合体を構
成するα−オレフィンは、2種類以上併用してもよい。
例えば、エチレンとブテン-1を使用すれば、プロピレン
-エチレン-ブテン-1ターポリマーを構成する。α−オレ
フィンの重合割合は、共重合体においては、プロピレン
の割合は、例えば、0.1〜20質量%、好ましくは、
0.5〜15質量%とすることが適当である。
【0010】必要により、その他の重合性のモノマーを
併用してもよい。このようなモノマーとしては、例え
ば、ビニルシクロヘキサンなどのビニルシクロアルカン
等を挙げることができる。ブロック状のプロピレン−α
−オレフィン共重合体としては、例えば、ポリエチレン
単位を含むエチレン−プロピレンブロック共重合体が挙
げられ、このような共重合体としては、プロピレンと、
エチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィンと
からなる2段以上の重合反応で得られるブロック共重合
体が好適に挙げられる。α−オレフィンとしては、例え
ば、ブテン−1や、4−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1などが挙げられる。エチレン及びα
−オレフィンの割合は、例えば、5〜35質量%、好ま
しくは、10〜25質量%とすることが適当である。
【0011】内層に使用されるポリプロピレン系樹脂
は、単独で使用してもよいし、複数のポリプロピレン系
樹脂からなるブレンドでもよい。内層に使用されるポリ
プロピレン系樹脂のMFR(メルトフローレイト)は、
例えば、0.01〜30、好ましくは0.1〜20、さ
らに好ましくは0.4〜10g/10分であることが適
当である。MFRの測定方法は公知であり、例えば、J
IS K7120の方法により、230℃において測定
される。内層の厚みは、例えば、2〜75μm、好まし
くは、4〜50μmとすることが適当である。
【0012】本発明の液体用容器を構成する中間層に使
用される軟質ポリプロピレン系樹脂は、上記で説明した
ポリプロピレン系樹脂の内、ASTM D790による
曲げ弾性率が、400MPa以下であり、25℃におけ
るキシレンに可溶性の成分を25〜80%含むポリプロ
ピレン系樹脂が好適に挙げられる。このような軟質ポリ
プロピレン系樹脂を製造する方法は、特に制限されない
が、例えば、特開平6−25367号公報に示されるよ
うな多段重合法によって得られるものを挙げることがで
きる。この多段重合法では、第一段階のプロピレンの単
独重合又はプロピレンと少量のエチレンとのランダム共
重合段階と、次のエチレンと1種類以上の炭素数3以上
のα−オレフィンとの共重合段階を含む重合工程からな
る。この重合法により得られた樹脂は、各段階で生成す
る樹脂成分が重合時のリアクター中でブレンドされるた
め、従来の重合後にブレンドする方法と違い非晶成分が
非常に微細に分散し、薄肉成形可能で、柔軟性、耐引裂
き性、突刺し強度に優れたフィルムを得ることが可能と
なる。
【0013】キシレン可溶分の測定は、例えば、以下の
ようにして行われる。樹脂2.5gを攪拌しながら13
5℃のキシレン250mlに溶解する。20分後溶液を
攪拌しながら25℃まで冷却し、ついで30分沈降させ
る。沈殿をろ過し、ろ液を窒素流下で蒸発させ、残さを
恒量に達するまで80℃において真空下で乾燥する。残
さを秤量して、キシレン可溶分の重量%を計算によって
求める。軟質ポリプロピレン系樹脂のASTM D79
0による曲げ弾性率は、400MPa以下であり、好ま
しくは300Mpa以下、さらに好ましくは200MP
a以下である。400MPaを超えると、フィルムが固
くなり、容器にした時のハンドリングの悪化及び、特に
低温での耐衝撃強度が低下し易い。
【0014】25℃におけるキシレンに可溶性の成分
は、25〜80%であり、好ましくは40から70%で
ある。25%未満では、柔軟性が得られ難く、液体用容
器にした時のハンドリングが悪化し易く、特に低温での
耐衝撃強度が低下し易い。一方、この可溶性成分量が、
80%を超えるものは、軟質ポリプロピレン系樹脂の製
造自体が困難となり易い。本発明において用いられる軟
質ポリプロピレン系樹脂の230℃におけるMFRは、
例えば、0.01〜30g/10分、好ましくは0.1
〜20g/10分、さらに好ましくは0.4〜10g/
10分であることが適当である。中間層の厚みは、例え
ば、12〜230μm、好ましくは、20〜200μmと
することが適当である。
【0015】本発明の液体用容器の外層は、ポリエチレ
ン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂から形成される。エ
チレン系(共)重合体には、例えば、高・中・低圧法及
びその他の公知の方法によるエチレン単独重合体又はエ
チレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体
が挙げられる。この中にはいわゆるメタロセン系触媒あ
るいはシングルサイト系触媒を用いて重合されたものも
含まれる。ポリエチレン系樹脂としては、具体的な例と
して、高密度ポリエチレンや、線状低密度ポリエチレ
ン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が好
適に挙げられる。
【0016】高密度ポリエチレンは、密度が0.94〜
0.97g/cm3、好ましくは0.95g/cm3以上
であり、公知のチーグラー触媒等を用いてスラリー法、
溶液法又は気相法による公知のプロセスにより製造され
るエチレン単独重合体又はエチレンと炭素数3〜12の
α−オレフィンとの共重合体及びそれらの混合物であ
り、具体的なα−オレフィンとしては、プロピレンや、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−ドデセン等を挙げることができ
る。これらのα−オレフィンのうち特に好ましいもの
は、炭素数3〜8のα−オレフィンである。
【0017】線状低密度ポリエチレンとしては、密度が
0.91〜0.94g/cm3、好ましくは0.91〜
0.93g/cm3の範囲のエチレン−α−オレフィン
共重合体を好適に挙げることができる。線状低密度ポリ
エチレンの製造に使用されるα−オレフィンとしては、
炭素数3〜20、好ましくは、炭素数4〜12、さらに
好ましくは、炭素数6〜12の範囲のα−オレフィンが
好適に挙げられ、具体的には、プロピレンや、1−ブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン等が挙げられる。
【0018】低密度ポリエチレンは、密度は0.91〜
0.94g/cm3、好ましくは0.912〜0.93
5g/cm3、さらに好ましくは0.912〜0.93
0g/cm3の範囲で選択される。これら低密度ポリエ
チレンの製法は、公知の高圧ラジカル重合法により製造
され、チューブラー法や、オートクレーブ法等の各種の
製造方法により製造することができる。
【0019】上記超低密度ポリエチレンとしては、密度
が0.86〜0.91g/cm3、好ましくは0.88
〜0.905g/cm3の範囲のエチレン−α−オレフ
ィン共重合体を好適に挙げることができる。超低密度ポ
リエチレンは、線状低密度ポリエチレンと、エチレン−
α−オレフィン共重合体ゴム(EPR、EPDM)の中
間的な性状を示すポリエチレンであり、線状低密度ポリ
エチレンが示す高結晶部分とエチレン−α−オレフィン
共重合体ゴムが示す非晶部分とを合わせ持つ樹脂であ
り、前者の特徴である耐衝撃性、耐熱性などと、後者の
特徴であるゴム状弾性、耐低温衝撃性などがバランスよ
く共存している。
【0020】本発明の外層に用いられるポリエチレン系
樹脂の190℃におけるMFRは、例えば、0.01〜
30、好ましくは、0.1〜20、さらに好ましくは、
0.4〜10であることが適当である。また、外層の厚
みは、例えば、2〜75μm、好ましくは、4〜50μm
とすることが適当である。なお、本発明の外層に用いら
れるポリプロピレン系樹脂は、内層で使用されるポリプ
ロピレン系樹脂と同様である。
【0021】本発明で使用する多層フィルムには、上記
内層、中層及び外層ととも、内層と中層との間や、中層
と外層との間に更に付加的な層を設けてもよい。本発明
の多層フィルムの総厚みは、例えば、10〜500μm
が好ましいが、フィルムの機械的強度や、ハンドリング
面から、例えば、40〜250μmであることが適当で
ある。多層フィルムにおいて、内層、中間層及び外層の
厚みの割合は、強度及び柔軟性の面から、多層フィルム
の全体の厚みに対して、内層は、例えば、5〜30%、
好ましくは、10〜20%であり、中間層は、例えば、
30〜90%、好ましくは、50〜80%であり、外層
は、例えば、5〜30%、好ましくは、10〜20%で
あることが適当である。
【0022】多層フィルムは、Tダイフィルム成形法
や、空冷インフレーションフィルム成形法、水冷インフ
レーションフィルム成形法等により、個々に押出し成形
されたものを、ラミネーター等で積層してもよく、また
内層と中間層又は中間層と外層を多層押出成形で成形し
た後、押出ラミネーションで外層又は内層を積層しても
よい。さらに、内層、中間層及び外層を、多層Tダイ押
出成形や、多層インフレーション押出成形等、共押出で
一度に積層しても良い。このとき各層間は使用上充分な
接着強度を有するが、内層と中間層、及び外層と中間層
の間に接着性樹脂を介在させて5層構成としても良い。
また、必要に応じてEVOH等ガスバリア性樹脂を内層
と中間層及び、又は外層と中間層の間に1層又は2層介
在させて、接着層を含めて、7層又は9層とすることも
出来る。
【0023】多層フィルムの成形法は、特に限定されな
いが、インフレーションフィルム成形法では、Tダイフ
ィルム成形法と比較して、成形温度が低温で成形できる
ため、酸化防止剤や、スリップ剤、アンチブロッキング
剤等の添加量を少なくできるうえ、機械的強度の高い、
分子量の大きな樹脂を使用でき、さらに成形法の特性
上、フィルムの縦及び横方向の分子配行バランスが良い
製品が得られることなどから、高強度でかつ低臭のフィ
ルムが成形できるので、本発明の液体用容器の製造に優
れている。前述のようにして得られたフィルムをチュー
ブ状のまま、又は2枚以上重ね合わせた状態で、上下2
箇所又は四方をヒートシールバーや、インパルスシーラ
ー等により、熱接着し、袋状液体用容器を形成する。な
お、容器の片面又は両面又は端面に、別に形成した内容
物の取り出し口を熱溶着等により取り出すことができ
る。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例を参照しながら、本
発明について、更に詳細に説明する。まず、以下におい
て、実施例及び比較例で採用される評価方法について説
明する。
【0025】衝撃強度 JIS K7124に準拠し、ダートインパクトA法に
より測定を行った。多層フィルムを縦、横200mmの
大きさに切り、東洋精器製ダートインパクトテスター
の、内径φ125mm±2mmの大きさのサンプル固定
部にフィルムを固定する。直径38mm±1mmのアル
ミニウム製ダートからなる打撃部に、直径30mmで質
量間隔30gの真鍮製分銅を必要枚数取り付け、試験高
さ66cm±1cmより固定された多層フィルムサンプ
ル面中央部に前記ダートを自然落下させ打撃を加える。
打撃により多層フィルムが破壊しなければ○とし、分銅
を1枚増やす。反対にフィルムが破壊したら×とし分銅
を1枚減らす。一度打撃を加えたフィルムは破棄し、再
び使用しない。この操作を○及び×の数がそれぞれ10
個になるまで繰り返す。このようにして得られたデータ
から次式によって50%破壊質量(衝撃強度)を求め
る。
【0026】 M50=M1+ΔM[Σ(i・n1)/N−1/2] M50:50%破壊質量(g) M1:質量水準(i)がゼロのときの試験質量であっ
て、試験片が破壊することが予想される質量(g) ΔM:試験質量を上下させるときの質量間隔(g) i:M1のときをゼロとし、ひとつずつ増減する質量水
準(i=−3、−2、−1、0、1、2、3…) n1:各水準において破壊した試験片の数 N:破壊した試験片の総数(N=Σn1) 上記方法にて−20℃、常温(23℃)、100℃のそ
れぞれの雰囲気下で測定を行う。
【0027】耐ピンホール性 多層フィルムを縦210mm、横300mmの大きさに
切り、試験機(ゲルボフレックステスター:テスター産
業社製)の円盤に円筒状に取り付け、常温雰囲気下にて
ねじり角度440度、往復ストローク178mmで20
00回揉む。その後、試験フィルムを平滑なテフロン
(登録商標)シートの上に置いた濾紙の上に重ねて置
き、エタノール100重量%に対し、フクシン2重量%
を溶いた溶液を該フィルムの上から刷毛で塗布し、貫通
孔の有無を検査する。試験はn=3で行い貫通孔の数を
平均値をデータとする。
【0028】臭気及び味覚の試験 多層フィルムを縦300mm、横400mmの大きさに
切り、3方をヒートシールにより融着して液体用容器を
作り、LC用蒸留水を1リットル充填し、ヒートシール
で密封する。75℃恒温槽に24時間保管後、取り出
し、常温にて自然冷却した後、充填された蒸留水をパネ
ラー7名にて臭気、味覚について官能評価する。臭気、
味覚が悪いと思われるほうに1ポイントつける。ポイン
ト数が高いものが臭気、味覚が劣る。
【0029】耐熱性 多層フィルムを幅15mm、長さ150mmの大きさに
切り、東洋精機製ヒートシーラーに取り付けたシールバ
ー、上部:幅5mm、長さ300mm、下部:シリコー
ンゴムにて多層フィルムの内層面同士を合わせたもの
を、シールバー温度を段階的に調整し、圧力0.1MP
a、時間2.0秒で加圧した後、自然冷却し、多層フィ
ルムを手で引き剥がし、溶着が見られなければ○、溶着
が見られれば×とした。溶着が見られないものが耐熱性
が高いことになる。
【0030】実施例1 内層樹脂としてモンテル・エスディーケイ・サンライズ
(株)社製「サンアロマ―PF430A」(プロピレン−
エチレンコポリマー、MFR=1.8g/10分、密度
=0.900g/cm3)、中間層としてモンテル・エ
スディーケイ・サンライズ(株)社製「アドフレックス
KS−353P」(プロピレン−エチレンコポリマー
と、エチレン−プロピレン共重合ゴムとのブレンド、曲
げ弾性率85MPa、キシレン可溶分 68%、MFR
=0.45g/10分、密度=0.9g/cm3)を使用
し、外層樹脂として日本ポリオレフィン(株)社製「ハー
モレックスNC574R」(線状低密度ポリエチレン、M
FR=3.5g/10分、密度=0.918g/cm3
を使用して、トミーφ40多層インフレーション共押出
し成形機を用い、内層/中間層/外層の厚みをそれぞれ
12μm/36μm/12μmに調整した3層積層フィ
ルムを得た。また、この多層フィルムを縦300mm、
横400mmの大きさに切り、3方をヒートシールによ
り融着して液体用容器を作成し、LC用蒸留水を1リッ
トル充填し、ヒートシールで密閉した。
【0031】実施例2 内層樹脂としてモンテル・エスディーケイ・サンライズ
(株)社製「アドシル7221XCP」(プロピレン−エ
チレン−ブテン−1からなるターポリマー、MFR=
1.5g/10分)、中間層としてモンテル・エスディ
ーケイ・サンライズ(株)社製「アドフレックス KS−
353P」(プロピレン−エチレンコポリマーと、エチ
レン−プロピレン共重合ゴムとのブレンド、曲げ弾性率
85MPa、キシレン可溶分 68%、MFR=0.4
5g/10分、密度=0.9g/cm3)を使用し、外層
樹脂として日本ポリオレフィン(株)社製「ハーモレッ
クスNC574R」(線状低密度ポリエチレン、MFR=
3.5g/10分,密度=0.918g/cm3)を使用
して、トミー40mmφ多層インフレーション共押出成
形機を用いて、内層/中間層/外層の厚みをそれぞれ1
2μm/36μm/12μmに調整した3層積層フィル
ムを得た。また、この多層フィルムを縦300mm、横
400mmの大きさに切り、3方をヒートシールにより
融着して液体用容器を作成し、LC用蒸留水を1リット
ル充填し、ヒートシールで密閉した。
【0032】実施例3 内層樹脂及び外層樹脂としてモンテル・エスディーケイ
・サンライズ(株)社製「アドシル 7221XCP」
(プロピレン−エチレン−ブテン−1からなるターポリ
マー、MFR=1.5g/10分)、中間層としてモン
テル・エスディーケイ・サンライズ(株)社製「アドフレ
ックス KS−353P」(プロピレン−エチレンコポ
リマーと、エチレン−プロピレン共重合ゴムとのブレン
ド、曲げ弾性率85MPa、キシレン可溶分 68%、
MFR=0.45g/10分、密度=0.9g/cm3
を使用し、トミー40mmφ多層インフレーション共押
出成形機を用いて、内層/中間層/外層の厚みをそれぞ
れ12μm/36μm/12μmに調整した3層積層フ
ィルムを得た。また、この多層フィルムを縦300m
m、横400mmの大きさに切り、3方をヒートシール
により融着して液体用容器を作成し、LC用蒸留水を1
リットル充填し、ヒートシールで密閉した。
【0033】比較例1 内層、中間層、外層樹脂として日本ポリオレフィン(株)
社製「ハーモレックスNC574R」(線状低密度ポリエ
チレン、MFR=3.5g/10分、密度=0.918
g/cm3)を用いてトミーφ40多層インフレーショ
ン共押出し成形機にて、内層/中間層/外層の厚みをそ
れぞれ12μm/36μm/12μmに調整した3層積
層フィルムを得た。また、この多層フィルムを縦300
mm、横400mmの大きさに切り、3方をヒートシー
ルにより融着して液体用容器を作成し、LC用蒸留水を
1リットル充填し、ヒートシールで密閉した。比較例2 一般のLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン樹脂)と
して日本ポリオレフィン(株)社製「ジェイレクス AF
331R」(MFR=0.8g/10分、密度=0.9
22g/cm3)をプラコー55mφ単層インフレーシ
ョン成形機で厚み60μmのフィルムを得た。このフィ
ルムを、縦300mm、横400mmの大きさに切り、
3方をヒートシールにより融着して液体用容器を作成
し、LC用蒸留水を1リットル充填し、ヒートシールで
密閉した。
【0034】比較例3 従来技術に関する特開平9−314769号公報の明細
書の実施例1に記載された3層フィルムを形成した。即
ち、内層樹脂及び外層樹脂として、出光石油化学社製
「モアテック0128N」(LLDPE、MFR=1.
0g/10分、密度=0.915g/cm3)を使用し、
中間層としてモンテル・エスディーケイ・サンライズ
(株)社製「アドフレックス KS−081P」(プロピ
レン単独重合体と、エチレン−プロピレン共重合ゴムと
のブレンド、曲げ弾性率270MPa、キシレン可溶分
68%、MFR=0.45g/10分、密度=0.9g
/cm3)を使用し、トミー40mmφ多層インフレー
ション共押出成形機を用いて、内層/中間層/外層の厚
みをそれぞれ12μm/36μm/12μmに調整した
3層積層フィルムを得た。この多層フィルムを縦300
mm、横400mmの大きさに切り、3方をヒートシー
ルにより融着して液体用容器を作成し、LC用蒸留水を
1リットル充填し、ヒートシールで密閉した。
【0035】比較例4 内層に日本ポリオレフィン(株)社製「ハーモレックス N
C574R」(線状低密度ポリエチレン、MFR=3.
5g/10分、密度=0.918g/cm3)、中間層
(接着層)に日本ポリオレフィン(株)社製「アドテック
スER332F」(接着性変性ポリオレフィン、MFR
=11g/10分、密度=0.89g/cm3)を使用
し、外層に東レ(株)社製のナイロン「アミラン CM1
021」(比重=1.12〜1.14)を使用して、山
口製作所 3層水冷インフレーション成形機にて内層/
中間層(接着層)/外層の厚みがそれぞれ、50μm/
10μm/20μmの3層共押出し多層フィルムを得
た。この多層フィルムを縦300mm、横400mmの
大きさに切り、3方をヒートシールにより融着して液体
用容器を作成し、LC用蒸留水を1リットル充填し、ヒ
ートシールで密閉した。
【0036】次に、前記評価法にて各種多層フィルム及
び液体用容器を評価した結果を以下の表1に記す。表1
からもわかるように実施例1〜3では、各温度下におい
て耐衝撃強度が高く、特に高温になっても、強度を保持
していることがわかる。また、耐ピンホール性について
は、比較例1〜4のように従来バッグインボックス内袋
に使用されてきた多層フィルム又はこれから形成された
液体用容器と比較して明らかに性能が向上していること
がわかる。さらに、内容物への臭いの移行や、多層フィ
ルム又はそれから形成された液体用容器の耐熱性につい
ても優れており、高温充填にも耐えられることが判っ
た。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の多層フィルムにより形成された
液体用容器は、低温から高温までにわたって、優れた耐
衝撃性及び耐ピンホール性を示す。また、高温充填を行
っても低分子量成分や添加剤臭の移行を低レベルに抑制
できるため、内容液のポリ臭等により商品価値の低下を
起こす心配がなく、バッグインボックスの内袋として優
れている。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E064 AA01 AA05 BA27 BA28 BA30 BA60 BB03 BC01 BC18 BC20 EA05 EA07 EA17 EA18 EA21 FA03 GA01 GA06 HN05 HN65 3E067 AA03 AA04 AB26 AB28 AB96 BA12B BA12C BB15C BB16B BB16C CA07 CA17 CA24 FA03 FB15 FC01 GC01 3E086 AA23 AB01 AC07 AD01 BA04 BA15 BB90 CA01 CA11 CA29 4F100 AK04C AK05C AK06C AK07A AK07B AK07C AK62C AK63C AK64A AK64B AK65A AK66A AL05B AN02B BA03 BA10A BA10C DA01 EC03 EH20 EJ38 JA06A JJ03 JK07B JK10 JK13B JK14 JL00 YY00A YY00B

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内層、中層、及び外層を含む多層フィルム
    から形成された液体用容器であって、前記内層が、ポリ
    プロピレン系樹脂からなり、前記中間層が、軟質ポリプ
    ロピレン系樹脂からなり、前記外層が、ポリエチレン系
    樹脂又はポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とす
    る液体用容器。
  2. 【請求項2】前記内層のポリプロピレン系樹脂が、ホモ
    ポリプロピレン、又はプロピレンと1種以上の炭素数2
    以上(3を除く)のα−オレフィンとの共重合体であ
    り、前記中間層の軟質ポリプロピレン系樹脂が、AST
    M D790による曲げ弾性率が400MPa以下であ
    り、25℃におけるキシレンに可溶性の成分を25〜8
    0%含む樹脂であり、前記外層のポリエチレン系樹脂
    が、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂
    又はエチレン-α−オレフィン共重合体である請求項1
    に記載の液体用容器。
  3. 【請求項3】前記内層に使用されるポリプロピレン系樹
    脂が、プロピレンと、1種以上の炭素数2以上(3を除
    く)のα−オレフィンとの共重合体であって、230℃
    におけるメルトフローレートが、0.01〜30g/1
    0分の範囲にある請求項2に記載の液体用容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002205362A (ja) * 1999-11-10 2002-07-23 Japan Polychem Corp 積層体及び医療用袋
JP2018104030A (ja) * 2016-12-27 2018-07-05 大日本印刷株式会社 保冷容器および生鮮物の輸送方法

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JP2002205362A (ja) * 1999-11-10 2002-07-23 Japan Polychem Corp 積層体及び医療用袋
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