JP2024013091A - 紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】収容物に紙容器の臭気が移ることを抑制し、長期間にわたり収容物の劣化を抑制できる紙容器を提供する。【解決手段】印刷層42と、紙基材層41と、バリア層43と、シーラント層44とをこの順番で積層した積層シート40にて形成される紙容器100である。積層シート40は、紙基材層41とバリア層43の間及びバリア層43とシーラント層44との間の少なくとも一方に臭気吸着層45が積層されている。【選択図】図2

Description

本発明は、紙容器に関する。
近年、酒、ジュース、牛乳等の収容物を供給する容器として、紙容器が広く用いられている。紙容器に充填された収容物に紙容器の臭気が移る場合があり、収容物の品質を低下させる一因となっている。
そこで、例えば、特許文献1に記載の包装体では、収容物と直接接触するシーラント層として、臭気成分の低透過性に優れ、かつ、収容物の香気の低吸着性に優れる環状オレフィン系の樹脂をシーラント層に用いている。このような構成とすることで、紙容器の臭気が収容物に移るのを抑制できる。
特開2020-49670号公報
紙容器を構成するシートは、筒体に巻き付けられて供給される。筒体に巻き付けられたシートは、紙容器の外面に形成される印刷層と、内面のシーラント層とが直接接触する。そのため、シーラント層に印刷の臭気成分が、シーラント層の収容物が接触する面に付着してしまい、紙容器を形成して収容物を充填したとき、印刷の臭気成分が収容物に移ってしまう場合がある。
そこで本発明は、収容物に紙容器の臭気が移ることを抑制し、長期間にわたり収容物の劣化を抑制できる紙容器を提供することを目的とする。
目的とする。
上記目的を達成するために本発明の紙容器は、印刷層と、紙基材層と、バリア層と、シーラント層とをこの順番で積層した積層シートにて形成される。前記積層シートは、前記紙基材層と前記バリア層の間及び前記バリア層と前記シーラント層との間の少なくとも一方に臭気吸着層が積層されている。
上記構成の紙容器において、前記臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する樹脂層である。前記臭気吸着剤は、臭気物質と化学反応を起こし結合する反応性官能基を有する化学吸着剤を担持した無機多孔体を含む。前記化学吸着剤は、ヒドロキシル基を有する化合物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、ポリアミン、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、リン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、カルボン酸の金属塩及び金属酸化物のうち少なくとも1種を含む。
上記構成の紙容器において、前記無機多孔体の平均粒子径が0.01μm~10μmである。
上記構成の紙容器において、前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を包含した印刷インキである。
上記構成の紙容器において、前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤の濃度が0.5質量%~15質量%であり、前記臭気吸着剤の固形塗布量が0.01g/m2~0.3g/m2である。
上記構成の紙容器において、前記積層シートは、環状オレフィン系低吸着シーラント層を有する。
上記構成の紙容器において、前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にバイオマスポリエチレン層が積層されている。
上記構成の紙容器において、前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にリサイクルポリエチレン層が積層されている。
上記構成の紙容器において、前記印刷層は、UVインキを用いている。
本発明の紙容器によると、収容物に紙容器の臭気が移ることを抑制し、長期間にわたり収容物の劣化を抑制できる紙容器を提供することができる。本発明の紙容器を用いることによって、商品である収容物の品質の劣化を抑制し、消費者の満足度を高めることができる。
紙容器の一実施の形態を示す斜視図である。 図1に示す紙容器に用いられる積層シートの拡大断面図である。 紙容器に用いられる積層シートの他の例の拡大断面図である。
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、紙容器100の一実施の形態を示す斜視図である。
<紙容器100>
図1に示す紙容器100は、上部に傾斜屋根部20を有する、いわゆる、切妻屋根型容器である。紙容器100は、胴部10と、傾斜屋根部20と、底部30と、を有する。紙容器100は、ブランク板を折り曲げて筒状に貼り合わせて胴部10を形成するとともに、胴部10の上端を折り曲げて貼り合わせて傾斜屋根部20を、下端を折り曲げて貼り合わせて底部30をそれぞれ形成する。なお、本実施形態では、紙容器100として、傾斜屋根部20を有する構成を例に説明しているが、これに限定されず、直方体形状の紙容器であってもよい。
<胴部10>
胴部10は、水平断面が矩形(ここでは、正方形)の筒状である。胴部10は、後面板11と、一対の側面板12と、前面板13と、を有する。一対の側面板12は左右に対向して配置され、後面板11と、前面板13と、を連結する。胴部10の上端部は、傾斜屋根部20によって塞がれる。また、胴部10の下端部は、底部30によって塞がれる。
<傾斜屋根部20>
図1に示すように、傾斜屋根部20は、後傾斜天板部21と、一対の側面天板部22と、前傾斜天板部23と、頂部24と、を有する。後傾斜天板部21は、後面板11の上端と連結され、上方に向かうにつれて前方に延びる。前傾斜天板部23は、前面板13の上端と連結され、上方に向かうにつれて後方に延びる。後傾斜天板部21及び前傾斜天板部23の上端が、貼り合わせられて頂部24が形成される。頂部24は、左右及び上下に延びる平板状である。
一対の側面天板部22は、それぞれ、一対の側面板12それぞれの上端に連結されている。一対の側面天板部22は二等辺三角形状であり、上方に向かうにつれて内側に延び、後傾斜天板部21と前傾斜天板部23との間に配置される。
<底部30>
底部30は、筒状の胴部10の下端部を折り曲げて接着して底部30を形成するため、収容物の外部への漏れを防止できる。なお、接着には、接着剤を用いた接着であってもよいし、ホットメルトを用いた接着であってもよい。例えば、紙容器100に液体を充填する場合、底部30から液体が漏れない程度に密に形成できる接着方法を広く採用することができる。
<積層シート40>
図2は、図1に示す紙容器100を構成する積層シート40の層構成の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、紙容器100を構成する積層シート40は、紙基材層41と、印刷層42と、バリア層43と、シーラント層44と、臭気吸着層45とを有する。図2に示すように、積層シート40は、印刷層42、第1接着層461、紙基材層41、第2接着層462、バリア層43、臭気吸着層45、第3接着層463及びシーラント層44が、この順番で積層されて形成される。
紙基材層41は紙が使用される。紙基材層41の外面には第1接着層461が積層されている。第1接着層461は熱可塑性を有するポリエチレン、リサイクルポリエチレン等の熱接着可能な樹脂が使用され、押出しラミネーション法等により紙基材層41の外面に積層される。
第1接着層461の外面には、所定位置に印刷層42が形成されている。印刷層42は、例えば、グラビア印刷、UV印刷等による印刷が採用される。印刷層42は、紙容器100の収容物のイメージ、法令等によって義務付けられている収容物の成分表示、賞味期限(消費期限)等を示す。
紙基材層41の内面には、第2接着層462が積層されている。第2接着層462として、例えば、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(EMAA樹脂)を挙げることができる。第2接着層462は、押出しラミネーション法等位より紙基材層41の内面に積層される。なお、第2接着層462としては、EMMA樹脂以外にも、例えば、エチレン―酢酸ビニル共重合体、エチレン―アクリル酸共重合体、エチレン―アクリル酸エチル共重合体、エチレン―メタクリル酸メチル共重合体、エチレン―プロピレン共重合体、アイオノマー樹脂等、バリア層43をしっかり接着できる部材を広く採用することができる。
第2接着層462の内面には、バリア層43が積層される。バリア層43は、防湿性、ガスバリア性を備える。これにより、紙容器100に充填される収容物の酸化劣化、味覚低下等を防止し化学的に保護する。バリア層43は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)にて形成された基材の上面にアルミニウム等の金属の蒸着膜や、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機酸化物の蒸着膜を形成したもの(以下、蒸着PETとする)である。また、バリア層43として、アルミニウム等の金属箔を用いてもよい。
バリア層43が金属箔で形成される場合、バリア層43の内面には、例えば、ドライラミネート及びPETで形成される接着層(不図示)が形成される。なお、バリア層43の内面に形成される接着層は、ドライラミネート及びPETに限定されず、バリア層43と臭気吸着層45とがしっかり接着する構成を広く採用することができる。
容器の臭気が収容物に移ると、収容物の品質の低下が問題になる可能性がある。紙容器100の臭気としては、例えば、印刷層42の臭い、接着剤の酸化臭等を挙げることができる。そこで、バリア層43の内面には、臭気吸着層45が積層される。臭気吸着層45は、臭気吸着剤451を包含する樹脂で形成される。臭気吸着層45を形成する樹脂としては、例えば、印刷インキ、練り込み樹脂等を挙げることができる。印刷インキを用いることで、印刷工程にて臭気吸着層45の積層が可能であり製造が容易である。
臭気吸着剤451は、上述の印刷層42に用いられる樹脂の臭気物質及び接着剤の酸化臭等の臭気物質と化学反応して結合する反応性官能基を有する化学吸着剤を、シリカ、アルミナ等の無機多孔体に担持させた構成を有する。上述の化学吸着剤としては、例えば、ヒドロキシル基を有する化合物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、ポリアミン、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、リン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、カルボン酸の金属塩、金属酸化物を挙げることができる。これらの物質のいずれか1つを用いてもよいし、2つ以上を混合して用いてもよい。
臭気吸着層45において、臭気吸着剤451は、印刷インキ中に0.5質量%~15質量%含まれている。そして、臭気吸着層45における化学吸着剤の固形塗布量は、例えば、0.01g/m2~0.3g/m2とすることができる。
臭気吸着層45の内面には、第3接着層463が積層される。第3接着層463は、臭気吸着層45と、内側のシーラント層44とを確実に接着させるために設けられる。第3接着層463としては、例えば、アンカーコートした後に、ポリエチレン、バイオマスポリエチレン等を押出しラミネート法で積層した構成を挙げることができる。また、ドライラミネートを用いてもよい。
シーラント層44は、積層シート40の最も内側に設けられる。シーラント層44は、熱可塑性を有する熱接着性樹脂が使用される。シーラント層44に用いられる熱接着性樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等の樹脂を挙げることができる。また、環状ポリオレフィン樹脂等を用いることも可能である。
シーラント層44は加熱接着可能である。積層シート40で形成されたブランク板を折曲して紙容器100を形成する際に、シーラント層44同士、及び、シーラント層44と別の層とが熱接着される。例えば、傾斜屋根部20及び底部30は、シーラント層44による接着にて形成される。
積層シート40は、以上示すような構成を有している。臭気吸着層45をバリア層43よりも内側に配置することで、バリア層43の内側の第3接着層463から発出される臭気成分が、臭気吸着層45に吸着される。これにより、第3接着層463の臭気が収容物に移ることを抑制し、収容物の品質の劣化を抑制できる。
積層シート40は、製造後、ロール状に巻かれて保管、運搬される。積層シート40をロール状に巻くことで、印刷層42とシーラント層44とが接触する。このとき、バリア層43の外側の第1接着層461及び第2接着層462もシーラント層44に接近して配置される。そのため、ロール状に巻かれた状態の積層シート40では、バリア層43の外側の印刷層42、第1接着層461及び第2接着層462の臭気成分がシーラント層44に移った場合でも臭気吸着層45に吸着される。これにより、紙容器100から収容物に臭気が移ることが抑制され、収容物の品質の劣化を抑制できる。
<変形例>
図3は、変形例の積層シート40aの層構成を示す概略断面図である。図3に示す積層シート40aの層構成は、臭気吸着層45aがバリア層43よりも外側に配置される。そして、臭気吸着層45aがバリア層43の外側に配置されることで、第2接着層462及び第3接着層463が接着する層が異なる。積層シート40aのこれ以外の点については、図2に示す積層シート40と同じであり、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、積層シート40aでは、臭気吸着層45aがバリア層43よりも外側に配置されている。紙基材層41と臭気吸着層45aとの間に、第2接着層462が積層されている。そして、臭気吸着層45aの内側にバリア層43が積層される。
バリア層43として、金属箔で形成される場合、バリア層43の外面には、例えば、ドライラミネート及びPETで形成される接着層(不図示)が形成される。なお、バリア層43の外面に形成される接着層は、ドライラミネート及びPETに限定されず、バリア層43と臭気吸着層45とがしっかり接着する構成を広く採用することができる。
積層シート40aは、以上示すような構成を有している。臭気吸着層45をバリア層43よりも外側に配置することで、バリア層43の外側の印刷層42、第1接着層461及び第2接着層462から発出される臭気成分が、臭気吸着層45に吸着される。これにより、印刷層42、第1接着層461及び第2接着層462の臭気が収容物に移ることを抑制し、収容物の品質の劣化を抑制できる。
積層シート40aは、積層シート40と同様、製造後、ロール状に巻かれて保管、運搬される。積層シート40aをロール状に巻くことで、印刷層42とシーラント層44とが接触する。そのため、ロール状に巻かれた状態の積層シート40aでは、バリア層43の外側の印刷層42の臭気成分がシーラント層44に移りやすい。積層シート40aでは、バリア層43の外側に配置される臭気吸着層45で印刷層42の樹脂から発出される臭気成分を吸着している。これにより、シーラント層44に印刷層42の樹脂からの臭気成分がシーラント層44に移りにくい。その結果、紙容器100から収容物に臭気が移ることを抑制し、収容物の品質の劣化を抑制できる。
本発明にかかる紙容器100の性能を調べるため、複数の実施例と比較例とを用いて試験を行った。各実施例、比較例及び試験の具体例、試験結果について以下に説明する。まず、積層する層の種類、順番等を替えて7種の実施例を作製した。また、特定の実施例と同じ層構成で、臭気吸着層45を備えないもの、臭気吸着層45の臭気吸着剤の固形分塗布量が規定量の下限値(0.01g/m2)よりも少ないもの、また、規定量の上限値(0.3g/m2)よりも多いものをそれぞれ比較例として作成した。
<実施例1>
無機多孔体である二酸化ケイ素(平均粒径5μm~30μm)に化学吸着剤であるポリアミン由来のアミノ基を担持させた臭気吸着剤(ケスモン:東亞合成(株)製、平均粒径3μm)と、印刷インキ(LパックNT:DIC株式会社製)とを混錬して臭気吸着層構成物質を作製した。なお、消臭効果を発揮できる程度に十分に化学吸着剤を担持させるため、無機多孔体の平均粒径を0.01μm~10μmとした。
紙(クリアウォータペーパーコーポレーション製、坪量約400g/m2)で構成された紙基材層41の外面にポリエチレン(LDPE:日本ポリエチレン株式会社製)の押出しラミネート法にて第1接着層461(厚さ15μm~30μm)を形成する。そして、さらにその外面にグラビア印刷(LパックNT:DIC株式会社製)による印刷層42(厚さ1μm~2μm)を形成した。また、PETフィルム(厚さ約12μm)上に物理気相成長法により酸化アルミニウム蒸着膜(厚さ7nm~30nm)を成膜した蒸着PET(IB-PET:大日本印刷株式会社製)をバリア層43として用いる。紙基材層41の内面には、エチレン・メタクリル酸共重合(EMAA)樹脂(N0908C:三井ダウポリケミカル株式会社製)の押出しラミネート法に形成される第2接着層462(厚さ20μm~30μm)を介してバリア層43が接着される。
さらに、バリア層43の内面には、グラビア印刷により臭気吸着層構成物質を塗布して臭気吸着層45(厚さ約1μm)を生成する。臭気吸着層45は、消臭効果を発揮するため、臭気吸着剤の濃度を0.5質量%~15質量%とした。臭気吸着層45における臭気吸着剤の固形塗布量は0.02g/m2~0.06g/m2である。臭気吸着層45の内面には、そして、臭気吸着層45の内面に熱可塑性を有する熱接着性樹脂(m-LLDPE:大日本印刷株式会社製)で形成されたシーラント層44(厚さ約40μm)が、アンカーコート剤(LX-500:DIC株式会社製)によるアンカーコート層及びポリエチレン(LDPE:日本ポリエチレン株式会社製)の押出しラミネート法によるラミネート層からなる第3接着層463(厚さ約20μm)を介して接着される。
以上のようにして、印刷層/第1接着層/紙基材層/第2接着層/バリア層/臭気吸着層/第3接着層/シーラント層の積層構成を有する積層シート40を製造した。
<実施例2>
実施例2の積層シート40は、アンカーコート層及びラミネート層の第3接着層463に替えて、ドライラミネート用接着剤(LX703VL:DIC株式会社製)を用いたドライラミネート法で形成した第3接着層463を用いた。これ以外の層については、実施例1と同じ構成である。
<実施例3>
実施例3の積層シート40は、バリア層43として、蒸着PETに替えて、PETフォルムの表面にドライラミネート(LX703VL:DIC株式会社製)を介してアルミニウム箔を接着した積層体を用いている。また、第3接着層463のラミネート層として、ポリエチレンに替えてバイオマスポリエチレン(SBC818:ブラスケム社製)を用いている。これ以外の層については、実施例1と同じ構成である。
<実施例4>
実施例4の積層シート40は、実施例3と同じバリア層43を有するとともに、実施例1と同じ第3接着層463を有する。そして、シーラント層44として、環状オレフィン系樹脂(CO-LA:大日本印刷株式会社製)を用いている。シーラント層44は、厚み約40μmである。これ以外の層については、実施例1と同じである。
<実施例5>
実施例5の積層シート40は、印刷層42としてグラビア印刷に替えて、UVインキ(UV液体紙容器:DIC株式会社製)を用いたUV印刷にて形成している。印刷層42は、厚み1μm~2μmである。また、実施例5の積層シート40は、臭気吸着層45がバリア層43の外側に配置されている。つまり、実施例5の積層シート40は、印刷層/第1接着層/紙基材層/第2接着層/臭気吸着層/バリア層/第3接着層/シーラント層の順番で積層された層構成を有する。各層の構成については、実施例1と同じである。
<実施例6>
実施例6の積層シート40は、印刷層42として実施例1と同じグラビア印刷により形成している。また、第3接着層463が実施例2と同様のドライラミネート法で形成している。これ以外の層については、実施例5と同じである。
<実施例7>
実施例7の積層シート40は、バリア層43として、実施例3と同様のPETフィルムにドライラミネートを介してアルミニウム箔を積層した積層体を用いている。また、印刷層42として実施例1と同じグラビア印刷により形成している。これ以外の層については、実施例5と同じである。
<比較例1>
比較例1の積層シート40は、実施例1の積層シート40から臭気吸着層45を省いた構成である。つまり、比較例1の積層シート40は、印刷層/第1接着層/紙基材層/第2接着層/バリア層/第3接着層/シーラント層の積層構成を有する。比較例1は、従来の収容物を提供するのに用いられる紙容器100を構成する積層シート40と同じ構成である。
<比較例2>
比較例2の積層シート40は、実施例1の積層シート40と同様の構成を有し、臭気吸着層45の臭気吸着剤の固形分塗布量を規定量の最小値(0.01g/m2)よりも小さい、0.005g/m2とした。その他の部分については、実施例1と同じ構成である。
<比較例3>
比較例3の積層シート40は、実施例5の積層シート40と同様の構成を有し、臭気吸着層45の臭気吸着剤の固形分塗布量を規定量の最小値(0.01g/m2)よりも小さい、0.005g/m2とした。その他の部分については、実施例5と同じ構成である。
<比較例4、5>
比較例4及び比較例5の積層シート40は、実施例1及び実施例5の積層シート40と同様の構成を有し、臭気吸着層45の臭気吸着剤の固形分塗布量を規定量の最大値(0.3g/m2)よりも大きい、0.4g/m2とした。その他の部分については、実施例1及び実施例5と同じ構成である。なお、比較例5、6については、臭気吸着層45の形成ができず、サンプル自体用意することができなかった。
<官能評価>
以上示した、実施例1~7及び比較例1~4それぞれの構成の積層シート40を2枚、シーラント層44同士が向かい合うように重ね合わせ、170℃、2kgf/cm2、2秒の条件でヒートシールして内寸16cm×24cmの三方シールパウチを作製した。そして、三方シールパウチに収容物(清酒)を150ml充填して1カ月間放置した後、収容物の臭気のチェックを行った。
臭気のチェックは、無作為に抽出された5人のテスター(テスターA~テスターE)による官能評価によって行った。官能評価としては、従来の紙容器に用いられる積層シート(比較例1)で形成された三方シールパウチ収容された収容物に対し、実施例1~7及び比較例2、3の積層シートで形成された三方シールパウチに充填された収容物に積層シートに起因する臭気変化を測定した。各テスターによる官能評価の評価基準は、「◎:臭気が無い又は大幅に減少した」、「〇:臭気が減少した」、「△:臭気が少し減少した」、「×:臭気が減少していない」とした。また、全てのテスターによる評価結果に基づいて総合評価を行った。総合評価は、「◎:特に優れた消臭効果を有する」、「〇:優れた消臭効果を有する」、「△」:消臭効果を有する」とした。評価結果を表1に示す。なお、比較例1は、基準であるため、評価なしとしている。
Figure 2024013091000002
本結果により、実施例1~実施例7の構成の積層シートを用いることで、積層シートに起因する臭気に対する消臭効果が高くなることがわかった。特に、臭気吸着層45をバリア層43よりも内側に積層した構成(実施例1~実施例4)が特に良好な消臭効果を有することがわかった。なお、実施例3では第3接着層463にバイオマスPE、実施例5では印刷層42にUV印刷を用いている。これらの材料は、他の材料に比べて強い臭気を発する。これらの強い臭気を発する材料を用いた場合であっても、十分な消臭効果を得ていることがわかった。
また、実施例1と比較例2、実施例5と比較例3とを比べてもわかるように、臭気吸着層45を設けた場合であっても、臭気吸着剤の固形分塗布量が0.005g・m2では、塗布量が少なく、十分な消臭効果を得られないことがわかった。
さらに、臭気吸着層45の臭気吸着剤の固形分塗布量を0.4g/m2とした場合、印刷インキ中に均一な混錬が不可能であったり、ビヒクルによる減反への転移が困難であったりして、臭気吸着層45の形成ができなかった。
以上のことより、十分な消臭性能を有する臭気吸着層45を確実に形成するため、臭気吸着層45における臭気吸着剤の固形分塗布量は、0.01g/m2以上、0.3g/m2以下である。
上述の積層シート40は、臭気吸着層45は、バリア層43の外側又は内側のいずれかに積層されているがこれに限定されない。臭気吸着層45は、バリア層43の外側及び内側の両方に積層されてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
<まとめ>
本発明にかかる紙容器は、以下の構成を有する。
(1)印刷層と、紙基材層と、バリア層と、シーラント層とをこの順番で積層した積層シートにて形成される紙容器であって、
前記積層シートは、前記紙基材層と前記バリア層の間及び前記バリア層と前記シーラント層との間の少なくとも一方に臭気吸着層が積層されている紙容器。
(2)
(1)に記載の紙容器であって、前記臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する樹脂層であり、
前記臭気吸着剤は、臭気物質と化学反応を起こし結合する反応性官能基を有する化学吸着剤を担持した無機多孔体を含み、
前記化学吸着剤は、ヒドロキシル基を有する化合物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、ポリアミン、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、リン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、カルボン酸の金属塩及び金属酸化物のうち少なくとも1種を含む。
(3)
(2)に記載の紙容器であって、前記無機多孔体の平均粒子径が0.01μm~10μmである。
(4)
(2)又は(3)に記載の紙容器であって、
前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を包含した印刷インキである。
(5)
(2)から(4)のいずれかに記載の紙容器であって、
前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤の濃度が0.5質量%~15質量%であり
、前記臭気吸着剤の固形塗布量が0.01g/m2~0.3g/m2である。
(6)
(1)から(5)のいずれかに記載の紙容器であって、
前記積層シートは、環状オレフィン系低吸着シーラント層を有する。
(7)
(1)から(6)のいずれかに記載の紙容器であって、
前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にバイオマスポリエチレン層が積層されている。
(8)
(1)から(7)のいずれかに記載の紙容器であって、
前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にリサイクルポリエチレン層が積層されている。
(9)
(1)から(8)のいずれかに記載の紙容器であって、
前記印刷層は、UVインキを用いている(1)から(8)のいずれかに記載の紙容器。
本発明の紙容器は、種類、ジュース、茶、シャンプー、リンス、トリートメント等、臭気が移ると品質が劣化する液体の収容容器として用いることができる。
10 胴部
11 後面板
12 側面板
13 前面板
20 傾斜屋根部
21 後傾斜天板部
22 側面天板部
23 前傾斜天板部
24 頂部
30 底部
40 積層シート
40a 積層シート
41 紙基材層
42 印刷層
43 バリア層
44 シーラント層
45 臭気吸着層
45a 臭気吸着層
100 紙容器
451 臭気吸着剤
461 第1接着層
462 第2接着層
463 第3接着層

Claims (10)

  1. 印刷層と、紙基材層と、バリア層と、シーラント層とをこの順番で積層した積層シートにて形成される紙容器であって、
    前記積層シートは、前記紙基材層と前記バリア層の間及び前記バリア層と前記シーラント層との間の少なくとも一方に臭気吸着層が積層されている紙容器。
  2. 前記臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有する樹脂層であり、
    前記臭気吸着剤は、臭気物質と化学反応を起こし結合する反応性官能基を有する化学吸着剤を担持した無機多孔体を含み、
    前記化学吸着剤は、ヒドロキシル基を有する化合物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、ポリアミン、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、リン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、カルボン酸の金属塩及び金属酸化物のうち少なくとも1種を含む請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記無機多孔体の平均粒子径が0.01μm~10μmである請求項2に記載の紙容器。
  4. 前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を包含した印刷インキである請求項2に記載の紙容器。
  5. 前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤を包含した印刷インキである請求項3に記載の紙容器。
  6. 前記臭気吸着層は、前記臭気吸着剤の濃度が0.5質量%~15質量%であり
    、前記臭気吸着剤の固形塗布量が0.01g/m2~0.3g/m2である請求項2から請求項5のいずれかに記載の紙容器。
  7. 前記積層シートは、環状オレフィン系低吸着シーラント層を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の紙容器。
  8. 前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にバイオマスポリエチレン層が積層されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の紙容器。
  9. 前記積層シートは、前記バリア層に対して前記臭気吸着層が積層される側にリサイクルポリエチレン層が積層されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の紙容器。
  10. 前記印刷層は、UVインキを用いている請求項1から請求項5のいずれかに記載の紙容器。
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