JP2023149326A - 積層体および積層体の製造方法 - Google Patents

積層体および積層体の製造方法 Download PDF

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靖也 飯尾
Seiya Iio
美香 平井
Mika Hirai
将弘 長尾
Masahiro Nagao
卓史 小松
Takushi Komatsu
翔太 斎藤
Shota Saito
美晴 茂呂
Miharu Moro
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Abstract

【課題】 デジタル印刷機により印刷された部分のインク密着性に優れ、耐熱性に優れた紙基材を有する積層体および積層体の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 本発明は少なくとも、外面から内面に向かって順に配置された第1基材層11と、アンカーコート層13と、接着層14と、第2基材層15と、シーラント層18とを備え、第1基材層11の内面側に静電インク層12を有し、接着層14は、押し出しポリオレフィン樹脂層である、積層体10とすることにより上記の課題を解決する。【選択図】 図1

Description

本開示は、積層体および積層体の製造方法に関する。
従来、包装材の印刷は、主にグラビア印刷やフレキソ印刷などの印刷版を用いた印刷方式で行われてきた。近年、小ロット印刷が可能なデジタル印刷が注目を集めている。デジタル印刷は、印刷版を必要とせず、直接印刷可能であるため、短納期、多品種生産が可能である点で有利である。
デジタル印刷による静電インク層を含む積層体として、第1基材、接着層、及び第2基材をこの順に備える積層体であって、第1基材及び第2基材の少なくとも一方と接着層との間に静電インク層を有し、接着層として、ポリオール、ポリイソシアネート、及びエポキシ化合物の重合体を含む2液型接着剤を用いる積層体が提案されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2021/024981号
ところで、プラスチック製の包装材は、防湿性等の点で優れているが、近年の環境問題の高まりにより、プラスチック基材の使用割合を減らす傾向にあり、紙基材を用いた包装材の開発が求められている。
本発明者らの検討によると、上述のデジタル印刷方式は、使用されるインク材料が限定されているため、従来の紙基材を有する包装材とは、デジタル印刷された部分の密着性、耐熱性が異なる。
本開示は、このような状況においてなされたものであり、その目的は、デジタル印刷機により印刷された部分のインク密着性に優れ、密着性、耐熱性に優れた紙基材を有する積層体および積層体の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、一実施の形態による積層体は、少なくとも、外面から内面に向かって順に配置された第1基材層と、アンカーコート層と、接着層と、第2基材層と、シーラント層とを備え、前記第1基材層の内面側に静電インク層を有し、前記接着層は、押し出しポリオレフィン樹脂層であり、前記第1基材層は、基材フィルム層であり、前記第2基材層は、紙基材層であり、前記シーラント層は、熱可塑性樹脂層である。
また、一実施の形態による積層体の製造方法は、少なくとも、外面から内面に向かって順に配置された第1基材層と、アンカーコート層と、接着層と、第2基材層と、シーラント層とを備え、前記第1基材層の内面側に静電インク層を有する積層体の製造方法であって、前記第1基材層が、基材フィルム層であり、前記接着層が、ポリオレフィン樹脂層であり、前記第2基材層は、紙基材層であり、前記シーラント層は、熱可塑性樹脂層であり、前記第1基材層の一方の面側に前記静電インク層を印刷して印刷面を得る工程と、前記第1基材層の前記印刷面上に前記アンカーコート剤を塗布してアンカーコート層を形成する工程と、前記第1基材層の前記アンカート層の塗布面と、前記第2基材層とを対向させ、前記アンカーコート層と前記第2基材層との間に、前記接着層である溶融ポリオレフィン樹脂を押し出しながら前記第1基材層の前記アンカーコート層の塗布面と、前記第2基材層の一方の面を貼り合わせる工程と、前記第2基材層の他方の面側に前記シーラント層を積層する工程を含む。
本開示によれば、デジタル印刷機により印刷された部分のインク密着性に優れ、耐熱性に優れた紙基材を有する積層体および積層体の製造方法を提供する。
実施形態による積層体の一例を示す断面図である。 実施形態による包装袋の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照して一実施の形態について説明する。図1乃至図2は一実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用できる。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
積層体10について説明する。
本開示のデジタル印刷機による静電インク層を有する積層体10は、デジタル印刷機により印刷された部分のインク密着性に優れ、耐水性、耐熱性を改善することを目的にした積層体である。
積層体10は、図1に示すように、外面19及び内面29を有する。内面29は、被包装物と接する側に位置する面であり、外面19は、内面29の反対側に位置する面である。積層体10は、外面19側に位置する第1基材層11と、アンカーコート層13と、接着層14と、第2基材層15と、接着層16と、ガスバリア層17と、シーラント層18を備える。また、第1基材層11の内面側に静電インク層12を有する。また、接着層14は、アンカーコート層13面に配置されてなる押し出しポリオレフィン樹脂層である。なお、本願においては、積層体10の面だけでなく各層の面についても、包装袋20の収容部23側に位置する面を内面29と称し、内面の反対側に位置する面を外面19と称する。
次に、積層体10を構成する各層を説明する。

第1基材層11は、包装袋20の外面19を構成する層となる場合、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂フィルムを用いることができる。また、第1基材層11は、透明な基材フィルムであると、内側の絵柄等の印刷層(静電インク層12)を明瞭に見せることができる。例えば、第1基材層11として、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系、ナイロン(Ny)などのポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系の樹脂を用いることができる。本実施形態においては、特に耐熱性・耐水性に優れる第1基材層11として、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂を好適に使用することができる。また、第1基材層11は、1軸方向または2軸方向に延伸した延伸フィルムであることが好ましい。第1基材層11の厚みは、8μm以上50μm以下とすることができ、9μm以上25μmとすることが好ましい。

第1基材層11の内面側には、静電インク層12が形成されている。 静電インク層を構成する静電インク組成物は、液体電子写真印刷、すなわち静電印刷に用いられるインク組成物であり、紙及びプラスチック等の基材上に印刷される。静電インク層12は、染料等の着色剤又は顔料、及び樹脂を含んでよい。また、これらに加えて、キャリア流体又はキャリア液体を含んでよい。さらに、チャージディレクタ、チャージアジュバント、界面活性剤、粘度調節剤、乳化剤及びその他の添加剤を含んでよい。
着色剤としては、例えば、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料、及びブラック顔料が挙げられる。樹脂としては、エチレンアクリル酸コポリマー、プロピレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、プロピレンメタクリル酸コポリマー、及びエチレン酢酸ビニルコポリマー等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
キャリア液体としては、炭化水素、シリコーンオイル、及び植物油等が挙げられる。炭化水素としては、脂肪族炭化水素、分岐鎖脂肪族炭化水素、及び芳香族炭化水が挙げられる。静電インク層12は、基材フィルム層11上に印刷された場合に、キャリア液体を実質的に含まないものであってよい。例えば、印刷中の電気泳動プロセス又は蒸発によってキャリア液体を除去してもよい。これによって実質的に固形分だけが第1基材層11に転写される。
チャージディレクタは、静電インク層12に含まれる粒子に十分な静電電荷を維持する作用を有する。チャージディレクタとしては、例えば、脂肪酸の金属塩、スルホスクシネートの金属塩、オキシホスフェートの金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸の金属塩、芳香族カルボン酸又は芳香族スルホン酸の金属塩等のイオン性化合物、並びにポリオキシエチレン化アルキルアミン、レシチン、ポリビニルピロリドン、多価アルコールの有機酸エステルのような双対イオン性及び非イオン性化合物が挙げられる。
チャージアジュバントは、静電インク層12に含まれる粒子の電荷を増大させる又は安定化させる作用を有する。チャージアジュバントとしては、例えば、バリウムペトロネート、カルシウムペトロネート、ナフテン酸Co塩、ナフテン酸Ca塩、ナフテン酸Cu塩、ナフテン酸Mn塩、ナフテン酸Ni塩、ナフテン酸Zn塩、ナフテン酸Fe塩、ステアリン酸Ba塩、ステアリン酸Co塩、ステアリン酸Pb塩、ステアリン酸Zn塩、ステアリン酸Al塩、ステアリン酸Cu塩、ステアリン酸Fe塩、及び金属カルボキシレート等が挙げられる。
また、印刷を施す前に、第1基材層11に対して予めプライマー処理やコロナ処理等の表面処理を行うことでインク密着を向上させることができる。
プライマー層の材料としては、例えば、塩素化ポリプロピレン系、エチル-酢酸ビニル系、スチレン-マレイン酸系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、有機チタネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリエステル系、アクリル系などの非硬化型または、硬化型のプライマーコート剤が挙げられる。
上記プライマー層は、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、デップコート、スプレーコート、その他のコーティング法などによりコーティングし、該コーティング膜を乾燥させて溶媒や希釈剤を除去し、更に必要に応じてエージング処理などを行って形成することができる。
アンカーコート層13は、第1基材層11に形成される静電インク層12の面上に設けられ、第1基材層11と接着層14との間の密着性能を向上させることができる。
上記の効果を奏するアンカーコート層13を構成するアンカーコートの材料としては、例えば、塩素化ポリプロピレン系、エチル-酢酸ビニル系、スチレン-マレイン酸系、イソシアネート系、ポリオレフィン系、有機チタネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系、ポリエステル系、アクリル系などが挙げられる。中でもアンカーコート層13は静電インク層12と密着性が良く、ヒートシール工程で、紙基材層由来の水分を吸着可能な水性樹脂が、好ましい。水性樹脂のアンカーコート剤13の中でも、ポリエチレンイミン系がより好ましい。
アンカーコート層13は、第1基材層11の印刷面側の表面上にコーティング液を塗布する工程を経て形成される。塗布方法としては、通常用いられるキャスト法、ディッピング法、ロールコート法、ラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法等の従来公知の方法を用いることが可能である。コーティング液の塗布によって形成された塗膜を加熱乾燥させることでアンカーコート層13が形成される。アンカーコート層13の厚さは例えば、0.01μm~2μm程度である。
接着層14としては、第1基材層11の静電インク層12面と第2基材層15を積層してラミネートするために使用する。中でも接着層14は、押し出しポリオレフィン樹脂層であると、ラミネート工程において衝撃や摩耗等が加わった際に静電インク層12を保護することができる。接着層14は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、アイオノマー、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂層を好適に使用することができる。
なお、本実施の形態において、接着層14の厚さは、3μm以上60μm以下であることが好ましい。
第2基材層15は、紙基材層を用いることができる。紙基材層は、例えば、片艶紙、強サイズ性の晒の紙、強サイズ性の未晒の紙、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の各種の紙を使用できる。なお、片艶紙は、一方の面が高光沢化された艶面となっており、艶面と反対側の面(更面)側は、艶面側よりも密度が低くなっている。
本実施形態で使用する紙基材層の秤量には制限はないが、坪量20g/m以上100g/m以下の範囲内が好ましい。上記の範囲内であると、適度な強度、加工適性に優れ、製袋後に被包装物が収納しやすい。
ガスバリア層17は、内容物の保存期間を延ばすために設けられるものであり、アルミニウム、同、亜鉛、金、銀およびこれらの合金の金属箔、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC)や、ナイロンMXD6等の芳香族ポリアミド等の、ガスバリア性を有する樹脂層等を用いることができる。中でも、ガスバリア層としてアルミニウム箔等の金属箔を使用する場合は、バリア層が遮光層を兼ねる場合がある。
ガスバリア層17の厚さは、4μm以上、12μm以下であることが好ましく、5μm以上、9μm以下であることがより好ましい。
また、任意の層上に、無機物または無機酸化物の蒸着膜を設け、バリア層としてもよい。蒸着膜を形成する材料としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物または無機酸化物が挙げられる。
無機酸化物の表記は、例えば、SiO、AlO等のようにMOX(ただし、式中、Mは、無機元素を表し、Xの値は、無機元素によってそれぞれ範囲がことなる。)で表される。Xの値の範囲としては、ケイ素(Si)は、0~2、アルミニウム(Al)は、0~1.5、マグネシウム(Mg)は、0~1、カルシウム(Ca)は、0~1、カリウム(K)は、0~0.5、スズ(Sn)は、0~2、ナトリウム(Na)は、0~0.5、ホウ素(B)は、0~1、5、チタン(Ti)は、0~2、鉛(Pb)は、0~1、ジルコニウム(Zr)は0~2、イットリウム(Y)は、0~1.5の範囲の値をとることができる。上記において、X=0の場合、完全な無機単体(純物質)であり、透明ではなく、また、Xの範囲の上限は、完全に酸化した値である。包装用材料には、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)が好適に使用され、ケイ素(Si)は、1.0~2.0、アルミニウム(Al)は、0.5~1.5の範囲の値のものを使用することができる。
上記のような無機物または無機酸化物の蒸着膜の厚さは、十分なバリア性を得るためには、100nm以上1000nm以下の範囲内で任意に選択して形成することができる。
シーラント層18は、熱によって溶融し相互に融着し得る熱可塑性樹脂であればよく、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、その他等の樹脂の1種ないしそれ以上からなる樹脂を使用できる。
本実施の形態において、シーラント層18は、例えば、上記の樹脂の1種ないし2種以上を主成分とし、これに、所望の添加剤を任意に添加して樹脂組成物を調製し、次いで、上記で調製した樹脂組成物を使用し、例えば、Tダイ法、インフレーション法、その他の成形法を用いてフィルムないしシートを成形することができる。
なお、シーラント層18の材料として、例えば、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、帯電防止剤、難燃化剤、無機ないし有機充填剤等を任意に添加したものを使用しても良い。
なお、本実施の形態において、シーラント層18の厚みは、好ましくは10μm以上100μm以下であり、更に好ましくは、20μm以上50μm以下である。
また、第2基材層15、ガスバリア層17、シーラント層18などを積層する方法としては、例えば、ウエットラミネーション法、ドライラミネ-ション法、無溶剤型ドライラミネーション法、押し出しラミネーション法、Tダイ共押し出し成形法、共押し出しラミネーション法、インフレーション法、その他の任意の方法で行うことができる。また、上述したラミネートを行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理を施すことができる。
内容物は、例えば、食品、医薬品、種苗を含む。ただし、内容物は、これらのものに限定されない。
次に、積層体10の製造方法の一例について説明する。
まず、上述の第1基材層11を準備する。続いて、第1基材層11の内面にデジタル印刷して静電インク層12を形成する。必要に応じて、第1基材層11の印刷面にアンカーコート層13を塗布する。次に、アンカーコート層13の塗布面と、第2基材層15とを対向させ、接着層14である溶融ポリオレフィン樹脂を押し出しながら第1基材層11のアンカーコート層13の塗布面と、第2基材層15の一方の面を貼り合わせる。次に、必要に応じて、第2基材層15の他方の面側に接着層16を介してガスバリア層17を貼り合わせ、更にシーラント層18を積層して貼り合わせる。このようにして、外面19側から内面29側へ順に第1基材層11と、静電インク層12と、アンカーコート層13と、接着層14と、第2基材層15と、接着層16と、ガスバリア層17と、シーラント層18を備える積層体10を得ることができる。
包装袋20は、積層体10をヒートシール等により製袋して形成される。シール部は、側部シール部21及び底部シール部22を含む。包装袋20は、側部シール部21及び底部シール部22によって囲まれた収容部23を形成し、この包装袋20を封止するように構成されている。側部シール部21には、ノッチ等の開封手段24を設けることができる。
本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。包装袋20は、例えば、上記積層体10を使用し、これを二つ折若しくは三つ折にするか、又は積層体10を2枚用意し、表側の積層体10のシーラント層18の面と裏側の積層体10のシーラント層18の面とを対向させて重ね合わせ、さらにその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型等のヒートシール形態によりヒートシールして、種々の形態の包装袋を製造することができる。
次に、上記実施の形態における具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
まず、第1基材層11として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚さ12μm)を準備した。このPETフィルムの一方面にコロナ放電処理を施してコロナ放電処理面を作成した。次に、このコロナ放電処理面にロールコート法にてアクリル系樹脂(マイケルマン社製 品名「DigiPrime050(登録商標)」)を用いて、厚み0.2μmのプライマー層を積層した。そして、デジタル印刷機(ヒューレット・パッカード社製,Indigo20000ラベル及びパッケージ用デジタル印刷機)を用いて、デジタル印刷を行い、静電インク層12を形成した。静電インク組成物としては、エチレンアクリル酸、及びエチレンメタクリル酸のコポリマーを含有する熱可塑性樹脂を含む静電インク組成物(HP Indigo エレクトロインキ)を使用した。静電インク層12の色としては、白(W)、黄色(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を用いた。
静電インク層12を形成した印刷面に対し、アンカーコート剤として、水性プライマー樹脂(ポリエチレンイミンを含有する樹脂、大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ACQ)を塗布してアンカーコート層13を形成した。水性ポリエチレンイミンの塗布量が0.10g/mとなるようにグラビアコートした。
アンカーコート層13を形成した塗布面に対し、押し出しラミネ一ト装置を用いて、接着層14である溶融ポリエチレン樹脂(厚さ15μm)を積層した。この際、溶融したポリエチレン樹脂の押し出し温度(加工温度)は280℃とした。
第2基材層15として、北越コーポレーション社製、商品名:紀州上質紙N(坪量52.3g/m)の紙基材を準備した。上記押し出しラミネ一ト装置を用い、接着層14(押し出しポリエチレン樹脂層)と第2基材層15(紙基材層)とが接触するようにして、第1基材層11のアンカーコート層13の塗布面側を接着層14に貼り合わせて積層体(中間体)を得た。
ガスバリア層17として、アルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製、厚さ7μm)を準備した。上記押し出しラミネ一ト装置を用い、接着層16(押し出しポリエチレン樹脂層)とガスバリア層17(アルミニウム箔)とが接触するようにして、中間体の第2基材層15側を接着層16に貼り合わせて積層した。
ガスバリア層17(アルミニウム箔)を形成した面に対し、押し出しラミネ一ト装置を用いて、シーラント層18である溶融エチレン-メタクリル酸共重合体(厚さ20μm)を積層して、積層体10を得た。この際、溶融したエチレン-メタクリル酸共重合体の押し出し温度(加工温度)は280℃とした。層構成は以下の通りである。
第1基材層11PETフィルム(12μm)/プライマー層(3μm)/静電インク層12(0.10g/m)/アンカーコート層13水性ポリエチレンイミン(0.10g/m)/接着層14押し出しポリエチレン樹脂(厚さ15μm)/第2基材層15紙基材(坪量52.3g/m)/接着層16押し出しポリエチレン樹脂(厚さ15μm)/ガスバリア層17アルミニウム箔(7μm)/シーラント層18エチレン-メタクリル酸共重合体(厚さ20μm)
(実施例2)
第2基材層15として、北越コーポレーション社製、商品名:紀州上質紙N(坪量64g/m)の紙基材を準備した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。なお、実施例2の積層体の層構成は以下の通りである。
第1基材層11PETフィルム(12μm)/プライマー層(3μm)/静電インク層12(0.10g/m)/アンカーコート層13水性ポリエチレンイミン(0.10g/m)/接着層14押し出しポリエチレン樹脂(厚さ15μm)/第2基材層15紙基材(坪量64g/m)/接着層16押し出しポリエチレン樹脂(厚さ15μm)/ガスバリア層17アルミニウム箔(7μm)/シーラント層18エチレン-メタクリル酸共重合体(厚さ20μm)
(比較例1)
第1基材層11の静電インク層12を形成した印刷面に対し、押し出しラミネ一ト装置の代わりに、ドライラミネート装置を用いて、接着剤を介して、第2基材層15を積層した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。接着剤は、2液硬化型接着剤(エーテル系、商品名:タケラックA-969V、硬化剤タケネートA-5、三井化学株式会社製)、接着剤の塗布量は、3.0g/m2とした。
(比較例2)
第1基材層11の静電インク層12を形成した印刷面に対し、押し出しラミネ一ト装置の代わりに、ドライラミネート装置を用いて、接着剤を介して、第2基材層15を積層した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。接着剤は、2液硬化型接着剤(エステル系、商品名:主剤RU77T、硬化剤H7、ロックペイント株式会社製)、接着剤の塗布量は、4.0g/mとした。
(比較例3)
第1基材層11の静電インク層12を形成した印刷面に対し、押し出しラミネ一ト装置の代わりに、ドライラミネート装置を用いて、接着剤を介して、第2基材層15を積層した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。接着剤は、2液硬化型接着剤(エポキシ系、商品名:主剤AD502、硬化剤CAT50、三井化学株式会社製)、接着剤の塗布量は、4.0g/mとした。
(比較例4)
第1基材層11の静電インク層12を形成した印刷面に対し、押し出しラミネ一ト装置の代わりに、ドライラミネート装置を用いて、接着剤を介して、第2基材層15を積層した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。接着剤は、2液硬化型接着剤(ウレタン系、商品名:主剤A-3210、硬化剤A-3075、三井化学株式会社製)、接着剤の塗布量は、0.1g/mとした。
なお、比較例1~4の積層体の層構成は以下の通りである。
第1基材層11PETフィルム(12μm)/静電インク層12(0.10g/m)/接着層14(4.0g/m)/第2基材層15紙基材(坪量52.3g/m)/接着層16押し出しポリエチレン樹脂(厚さ15μm)/ガスバリア層17アルミニウム箔(7μm)/シーラント層18エチレン-メタクリル酸共重合体(厚さ20μm)
<インク密着性の評価>
実施例及び比較例におけるデジタル印刷の印刷適性を以下のようにして評価した。
すなわち、デジタル印刷した積層体10の外面19側からシリコンシート(十川ゴム製、品名シリコーンゴムシート)を介して、ヒートシールバーでシール圧力、2kg/cm、シール温度160℃、シール時間0.5秒で、内面29同士を貼り付けた。その後、以下の基準に従ってデジタル印刷した積層体10の外面から目視により評価した。表1に結果を示す。
5:インクの凝集剥離が全くなかった。
4:インクの凝集剥離がわずかに発生した。
3:インクの凝集剥離が5割程度発生した。
2:インクの凝集剥離が8割程度発生した。
1:インクの凝集剥離が10割程度に発生した。
表1に示されたとおり、実施例1~2の積層体10は、ヒートシールバーによるインクの浮きが発生せずインクの密着性に優れるものであった。
これに対し、比較例1~4の積層体は、ヒートシールバーで熱と圧力を同時にかけると、紙基材中の水分が蒸発し、アルミニウム箔側に水分が移行しないため、印刷面側に水分が移行してしまい、インクの凝集剥離が発生し、インク滲みが観察された。
10 積層体
11 第1基材層
12 静電インク層
13 アンカーコート層
14 接着層
15 第2基材層
16 接着層
17 ガスバリア層
18 シーラント層
19 外面
20 包装袋
21 側部シール部
22 底部シール部
23 収容部
24 開封手段
29 内面

Claims (3)

  1. 少なくとも、外面から内面に向かって順に配置された第1基材層と、アンカーコート層と、接着層と、第2基材層と、シーラント層とを備え、
    前記第1基材層の内面側に静電インク層を有し、
    前記接着層は、押し出しポリオレフィン樹脂層であり、
    前記第1基材層は、基材フィルム層であり、
    前記第2基材層は、紙基材層であり、
    前記シーラント層は、熱可塑性樹脂層である、積層体。
  2. 前記第2基材層と、前記シーラント層の層間にさらにガスバリア層を備える、請求項1に記載の積層体。
  3. 少なくとも、外面から内面に向かって順に配置された第1基材層と、アンカーコート層と、接着層と、第2基材層と、シーラント層とを備え、前記第1基材層の内面側に静電インク層を有する積層体の製造方法であって、
    前記第1基材層が、基材フィルム層であり、
    前記接着層が、ポリオレフィン樹脂層であり、
    前記第2基材層は、紙基材層であり、
    前記シーラント層は、熱可塑性樹脂層であり、
    前記第1基材層の一方の面側に前記静電インク層を印刷して印刷面を得る工程と、
    前記第1基材層の前記印刷面上にアンカーコート剤を塗布して前記アンカーコート層を形成する工程と、
    前記第1基材層の前記アンカート層の塗布面と、前記第2基材層とを対向させ、前記アンカート層と前記第2基材層との間に、前記接着層である溶融ポリオレフィン樹脂を押し出しながら前記第1基材層の前記アンカート層の塗布面と、前記第2基材層の一方の面を貼り合わせる工程と、
    前記第2基材層の他方の面側に前記シーラント層を積層する工程を含む、積層体の製造方法。
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