JP7311246B2 - プレススルーパック用蓋材 - Google Patents
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Description
1. プレススルーパックに用いられる蓋材であって、
(1)前記蓋材は、少なくとも基材層、白着色層及び保護層を順に含む積層体から構成されており、
(2)前記保護層は、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂及びシリカの少なくとも1種を含む粒子を含有する、
ことを特徴とするプレススルーパック用蓋材。
2. 前記粒子の平均粒子径が0.1~30μmである、前記項1記載のプレススルーパック用蓋材。
3. 前記粒子の積層量が0.02~5g/m2である、前記項1又は2に記載のプレススルーパック用蓋材。
4. 保護層が最外層として配置されている、前記項1~3のいずれかに記載のプレススルーパック用蓋材。
5. 樹脂成分を含むマトリックス中に前記粒子が分散・固定されている、前記項1~4のいずれかに記載のプレススルーパック用蓋材。
6. 白着色層と保護層との間にさらに印刷層を含む、前記項1~5のいずれかに記載のプレススルーパック用蓋材。
7. 基材層における白着色層が積層された面の反対面に熱接着層をさらに含む、前記項1~6のいずれかに記載のプレススルーパック用蓋材。
8. 保護層表面から前記粒子が突出することによる複数の略球状凸部が保護層表面に形成されている、前記項1~7のいずれかに記載のプレススルーパック用蓋材。
12 基材層
14 白着色層
15a 文字図柄層
15b 文字図柄層
16 保護層
16a マトリックス
17 熱接着層(ヒートシール層)
18 粒子(保護用粒子)
20 PTP容器
22 収容部
30 PTP(包装体)
本発明のプレススルーパック用蓋材(本発明PTP蓋材)は、プレススルーパックに用いられる蓋材であって、
(1)前記蓋材は、少なくとも基材層、白着色層及び保護層を順に含む積層体から構成されており、
(2)前記保護層は、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂およびシリカの少なくとも1種を含む粒子を含有する、
ことを特徴とする。
本発明に用いる基材層は、公知のPTP蓋材で使用されている材料を採用することができる。例えば、アルミニウム箔、銅箔、金箔、銀箔、等の金属箔、紙、合成紙等の紙類、ポリエステル系フィルム、ポリオレフィン系フィルム等の樹脂フィルム等を単体又は2種以上の複合体で使用できる。また、前記の樹脂フィルムとして、着色樹脂フィルム等を用いることもできる。また、市販品のように、金属箔又は樹脂フィルムに予め種々の着色層、熱接着層等を積層したものも基材層として用いることができる。
白着色層は、少なくとも基材層上に備えられている。この場合、白着色層は、基材層表面上に直に隣接して形成されていても良いし、他の層(下地層等)を介して積層されていても良い。
白着色層の形成方法は、例えば白色顔料を含む塗工液を塗布し、乾燥する工程を含む方法によって実施することができる。
保護層は、白着色層の上に形成されている。保護層は、白着色層表面に直に隣接して形成されていても良いし、他の層(下地層等)を介して積層されていても良い。特に、本発明では、保護層は、白着色層表面に直に隣接して形成されていることが望ましい。
保護層の形成方法は、例えば保護用粒子を含む塗工液を塗布し、乾燥する工程を含む方法によって実施することができる。
本発明では、必要に応じて基材層(アルミニウム箔)と白着色層との間に下地層を設けることができる。下地層を形成することにより、文字図柄層の識別性をより高めることができる。
下地層の形成方法は、上記のような樹脂成分が有機溶媒に溶解又は分散した下地形成用塗工液を所定の表面上に塗布し、乾燥する工程を含む方法により実施することができる。
熱接着層(ヒートシール層)は、特にPTP容器との接着に際し、基材層における白着色層が積層された面の反対面に形成することができる。これにより、本発明PTP蓋材とPTP容器とを熱接着し、内容物が密封されたPTPを製造することができる。
熱接着層の形成方法としては、例えば1)樹脂成分を含む塗工液を塗布し、乾燥する工程を含む方法のほか、2)樹脂成分を用いて予め成形されたシーラントフィルムを積層する工程を含む方法等によって実施することができる。
本発明において、必要に応じて、基材層又は白着色層の少なくとも一部には、例えば文字、バーコード、絵柄等を印刷した文字図柄層が設けられていても良い。これらの文字図柄層は、PTPに充填する内容物に関する情報、製造者名及び商品名、賞味期限、キャラクタープリント等のほか、市販のPTPで印刷されている内容がいずれも含まれる。
文字図柄層は、公知の印刷インキを用いて公知の方法に従って設けることができる。例えばカーボンブラック等を着色剤(顔料)として含有した印刷インキをグラビア印刷法、フレキソ印刷法等により印刷することができる。
本発明のPTP蓋材は、PTP容器の蓋材として使用することができる。図1に示すように、シート状のPTP蓋材10をシート状PTP容器の収容部を閉じるように接着することによりPTPが作製される。PTP容器としては、公知又は市販のPTPで採用されているものと同様の容器を用いることができる。
厚み17μmのアルミニウム箔(1N30硬質材、東洋アルミニウム株式会社製)のツヤ面上に白インキ(マトリックス樹脂として塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、固形分基準で酸化チタン35.8重量%含有したもの)を全面に塗工することにより白着色層を形成した。白インキの塗工条件は、グラビア版を用いてグラビア印刷により乾燥後厚み約0.5μmとなるように設定した。
次いで、白着色層の上に、緑インキ(マトリックス樹脂として塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、固形分基準で24重量%含有したもの)を用い、グラビア版を用いてグラビア印刷により乾燥後厚み約1.5μmとなるように文字図柄層を設けた。
その後、ポリメタクリル酸メチルとスチレンの共重合化合物であるアクリル系樹脂ビーズ(平均粒子径:5μm、熱分解により形状が崩壊する温度:約250℃)を固形分基準で19.8重量%を含む保護層用ニス(調製ニス中固形分26.4重量%)を調製し、白インキを覆うようにグラビア版を用いて保護層(マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂、塗布量:乾燥後重量で2.1g/m2)を設け、表面の実体温度約180℃で乾燥時間約5秒の条件で乾燥させた。これにより、白インキ上に0.41g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした。なお、アクリル系樹脂ビーズは、ほぼ球状で、ほとんど透明であった。
続いて、アルミニウム箔のケシ面(前記文字図柄層と反対側の面)に、緑インキ(マトリックス樹脂として塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、固形分基準で24重量%含有したもの)を用い、グラビア版を用いてグラビア印刷により乾燥後厚み約0.8μmとなるよう文字図柄層を設けた。
次に、塩化ビニル-酢酸ビニル-マレイン酸共重合樹脂を主成分とする熱接着剤をグラビアコートにより乾燥後重量で5.5g/m2となるよう積層し、塗膜を表面の実体温度約150℃で乾燥時間約4秒の条件で乾燥して熱接着層とした。
このようにして、熱接着層/文字図柄層/アルミニウム箔/白着色層/文字図柄層/保護層が順に積層されたPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEM(電界放出形走査電子顕微鏡)により1000倍の倍率で観察した結果を図6に示す。図6から明らかなように、アクリル系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることがわかる。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス(調製ニス中固形分21.8重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で12.0重量%として白インキ上に0.26g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にアクリル系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のビーズをアクリル系樹脂ビーズからメラミン系樹脂ビーズ(平均粒子径3μm、形状が崩壊する温度:約300℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分21.8重量%)中のメラミン系樹脂ビーズ含有量を固形分基準で12.0重量%として白インキ上に0.27g/m2のメラミン系樹脂ビーズが積層された状態とし、熱接着層/文字図柄層/アルミニウム箔/白着色層/文字図柄層/保護層が順に積層された構造とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にメラミン系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
保護層用ニス中のビーズとしてアクリル系樹脂ビーズからメラミン系樹脂ビーズ(平均粒子径3μm、形状が崩壊する温度:約300℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分26.4重量%)中のメラミン系樹脂ビーズ含有量を固形分基準で19.8重量%として白着色層上に0.53g/m2のメラミン系樹脂ビーズが積層された状態とし、熱接着層/文字図柄層/アルミニウム箔/白着色層/文字図柄層/保護層が順に積層された構造とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にメラミン系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径8μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分21.8重量%)中のアクリル系樹脂ビーズ含有量を固形分基準で12.0重量%として白インキ上に0.28g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察した結果を図7に示す。図7から明らかなように、アクリル系樹脂ビーズによる略球状凸部が確認され、実施例1よりも大きな略球状凸部も複数形成されていることがわかる。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径6μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分21.8重量%)中のアクリル系樹脂ビーズ含有量を固形分基準で12.0重量%として白インキ上に0.28g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5と同様にアクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径6μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分32.1重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で12.0重量%として白インキ上に0.38g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様、アクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径6μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分30.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で6.7重量%として白インキ上に0.21g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様、アクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径8μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分30.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で6.7重量%として白インキ上に0.20g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様、アクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス(調製ニス中固形分30.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で6.7重量%として白インキ上に0.19g/m2のアクリルビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にアクリル系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径4μmのシリカビーズ(融点1260℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分26.4重量%)中のシリカ粒子の含有量を固形分基準で6.7重量%として白インキ上に0.19g/m2のシリカビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にシリカビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径6μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分29.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で3.5重量%として白インキ上に0.11g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様、アクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径8μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分29.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で3.5重量%として白インキ上に0.10g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様、アクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス(調製ニス中固形分29.4重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で3.5重量%として白インキ上に0.10g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1の場合と同様にアクリル系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径4μmのシリカビーズ(融点1260℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分27.3重量%)中のシリカ粒子の含有量を固形分基準で3.5重量%として白インキ上に0.10g/m2のシリカビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にシリカビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径6μmのものに代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分28.6重量%)中のアクリル系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で0.6重量%として白インキ上に0.02g/m2のアクリル系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例5の場合と同様にアクリル系樹脂ビーズによる比較的大きな略球状凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のビーズをアクリル系樹脂ビーズからメラミン系樹脂ビーズ(平均粒子径3μm、融点:345℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分17.6重量%)中のメラミン系樹脂ビーズの含有量を固形分基準で0.9重量%として白インキ上に0.02g/m2のメラミン系樹脂ビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にメラミン系樹脂ビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径4μmのシリカビーズ(融点1260℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分28.3重量%)中のシリカ粒子の含有量を固形分基準で0.7重量%として白インキ上に0.02g/m2のシリカビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、実施例1と同様にシリカビーズによる略球状の凸部が複数形成されていることが確認できた。
マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂を含み、かつ、ビーズを含まない保護層用ニス(調製ニス中固形分22.1重量%)を用い、乾燥後重量で2g/m2塗布した以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察した結果を図8に示す。図8に示すように、保護層表面はほぼ平滑な状態であった。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径8μmのポリエチレン(PE)ビーズ(融点105℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分23.0重量%)中のポリエチレンビーズの含有量を固形分基準で6.7重量%として白インキ上に0.17g/m2のポリエチレンビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察した結果を図9に示す。図9に示すように、保護層表面は凹部状の窪みが形成されていた。これは、ポリエチレンビーズを含有する塗膜を乾燥するに際してポリエチレンビーズの一部が溶融したことが示唆される。
白インキの酸化チタン含有量を固形分基準で51.2重量%とし、保護層用ニス中のアクリル系樹脂ビーズを平均粒子径8μmのポリエチレン(PE)ビーズ(融点105℃)に代え、保護層用ニス(調製ニス中固形分25.3重量%)中のポリエチレンビーズの含有量を固形分基準で3.5重量%として白インキ上に0.09g/m2のポリエチレンビーズが積層された状態とした以外は、実施例1と同様にしてPTP蓋材を作製した。得られたPTP蓋材の保護層表面を斜め方向からFE-SEMにより1000倍の倍率で観察したところ、比較例2と同様、保護層表面は凹部状の窪みが形成されていた。
CKD株式会社製ブリスター包装機「FBP-600E」を用いて、各実施例及び比較例で作製されたPTP蓋材と、塩化ビニル樹脂製のPTP容器材としてのシート(住友ベークライト株式会社製「VSS-F110」、シート厚み:200μm)とをヒートシールした。
ヒートシールの温度は260~280℃、シール圧力は0.3~0.4MPa、ショット速度を300ショット/分(シート速度約14m/分)とした。加熱ロールには、1辺0.8mmの正方形が格子状に整列するように、網目模様の凸条が施されている。その加熱ロールを用いて、図5に示すような層構成をもつPTP(包装体)30を作製した。PTP30は、幅200mm×長さ3000mmにカットして試験片とした。
得られた試験片について、暗所で光度1000ルクスの白LEDライトを光源として熱接着層側を光にあてるようにしてPTP蓋材を光にかざし、その裏面から目視にて光が透過した穴をアルミニウム箔におけるクラック発生によるピンホールとみなして、その穴の数をカウントした。表1に各温度及び圧力下におけるクラックの発生数を示す。
Claims (5)
- プレススルーパックに用いられる蓋材であって、
(1)前記蓋材は、少なくとも基材層、白着色層、文字図柄層及び保護層を順に含み、かつ、基材層における白着色層が積層された面の反対面に熱接着層をさらに含む積層体から構成されており、
(2)前記保護層は、アクリル系樹脂及びメラミン系樹脂の少なくとも1種を含む粒子を含有し、かつ、前記粒子の積層量が0.26~0.53g/m 2 であり、
(3)温度260~290℃及び圧力0.35~0.45MPaでヒートシールすることにより当該蓋材とPTP容器を接合するために用いられる、
ことを特徴とするプレススルーパック用蓋材。 - 前記粒子の平均粒子径が3~8μmである、請求項1記載のプレススルーパック用蓋材。
- 保護層が最外層として配置されている、請求項1又は2に記載のプレススルーパック用蓋材。
- 樹脂成分を含むマトリックス中に前記粒子が分散・固定されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のプレススルーパック用蓋材。
- 保護層表面から前記粒子が突出することによる複数の略球状凸部が保護層表面に形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載のプレススルーパック用蓋材。
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