JP7047303B2 - 表示付き包装体の製造方法および表示付き包装体 - Google Patents
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Description
以下、本発明の第1実施形態に係る表示付き包装体について、図面を参照しながら説明する。本明細書において、「フィルム」、「シート」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「フィルム」はシートとも呼ばれるような部材も含む意味で用いられる。図1は本実施形態に係る表示付き包装体の平面図であり、図2は図1の表示付き包装体を構成する積層体の断面図であり、図3は本実施形態に係る表示付き包装体の製造工程を模式的に示した図である。
図1に示される表示付き包装体10(以下、単に「包装体10」と称することもある。)は、平置き形式のパウチである。包装体10は、平置き形式のパウチであるが、自立可能なスタンディングパウチであってもよい。
第1表示11および第2表示12は、後述する表面フィルム13に形成されているが、裏面フィルム14に形成されていてもよい。
表面フィルム13および裏面フィルム14は、図2に示される積層体20から構成されている。積層体20は、基材層21、印刷層22、接合層23、バリア層24、接合層25および熱可塑性樹脂層26を包装体10の外側からこの順で備える。ただし、積層体20は、基材層21および印刷層22を備えればよく、接合層23、25、バリア層24および熱可塑性樹脂層26の少なくともいずれかを備えていなくともよい。
基材層21としては、例えば、プラスチックフィルムが好ましい。プラスチックフィルムとしては、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、シリカ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミナ蒸着延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム、またはポリプロピレン/エチレン-ビニルアルコール共重合体共押共延伸フィルム、またはこれらの2以上のフィルムを積層した複合フィルムを用いることができる。
印刷層22は、少なくとも白色インキ層22Eを含む複数のインキ層22A~22Eから構成されている。具体的には、例えば、印刷層は、外側から内側に向けて、墨色インキ層/藍色インキ層/紅色インキ層/黄色インキ層/白色インキ層の順で形成されている。印刷層22は、グラビア印刷等の印刷によって形成することができる。
白色インキ層22E以外の各インキ層22A~22Dは、色材およびバインダ樹脂を含んでいる。各インキ層22A~22Dは、その他、任意の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、滑剤、ブロッキング防止剤、充填剤、硬化剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、特に印刷適正、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
色材は、特に限定されず、公知の顔料や染料を用いることができ、所望の色に合わせて適宜選択する。
バインダ樹脂としては、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ゴム、環化ゴム、(メタ)アクリレート化合物の重合体、または、これらの混合物が挙げられる。
白色インキ層22Eは、白色顔料およびバインダ樹脂を含んでいる。白色インキ層22Eは、鮮明な第2表示12を得る観点から、発色剤をさらに含むことが好ましい。白色インキ層22Eは、その他、任意の添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、発色補助剤、滑剤、ブロッキング防止剤、充填剤、硬化剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤等が挙げられる。これらの添加剤は、特に印刷適正、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
白色顔料としては、特に限定されないが、例えば、酸化チタンを用いることができる。白色インキ層22E中の白色顔料の含有量は、5質量%以上90質量%以下であることが好ましい。白色顔料の含有量が、5質量%以上であれば、レーザー光の照射により白色インキ層22にバインダ樹脂の炭化による変色域を形成することができ、鮮明な第2表示12を得ることができ、また90質量%以下であれば、インキ層22Dに対する充分な密着性を得ることができる。上記白色顔料の含有量の下限は20質量%以上であることが好ましく、また上限は50質量%以下であることが好ましい。
白色インキ層22Eを構成するバインダ樹脂は、示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、少なくとも1つの吸熱ピークを有することが好ましい。バインダ樹脂が上記吸熱ピークを有することにより、結晶性樹脂がレーザー光の照射時にレーザー光のエネルギーを吸収して軟化(融解)するので、基材層21へのダメージが緩和され、基材層21の表面におけるピンホールの発生等を抑制できる。上記吸熱ピークを有するバインダ樹脂は、結晶性樹脂を含むことにより得ることができる。本明細書における「結晶性樹脂」とは、示差走査熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、少なくとも1つの吸熱ピークを有する樹脂である。なお、一般的に、白色インキ層には、非晶性樹脂のみからなるバインダ樹脂が用いられることが多く、示差走査熱量計による吸熱曲線において、非晶性樹脂のガラス転移による緩やかなカーブのみが観測され、吸熱ピークが観察されないことが多い。
発色剤は、レーザー光の照射により発色し、かつ発熱効率を向上させる機能を有する。第2表示12が製品情報であることを考えると、発色剤は、レーザー光の照射により黒色に発色することが好ましい。
発色補助剤は、発色効率を向上させる機能を有する。発色補助剤として、無機化合物を用いることができる。このような無機化合物としては、例えば、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ニッケル、酸化スズ、酸化ネオジム等の金属酸化物、マイカ、ゼオライト、カオリナイト、銅系化合物、モリブデン系化合物、銅・モリブデン複合酸化物、銅・タングステン化合物、金属塩等が挙げられる。
接合層23、25としては、例えばそれ自体既知のドライラミネート法にて一般に用いられる接着剤を用いることができ、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、アミノ樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤等を用いることができる。ポリウレタン系接着剤とは、ポリオール化合物とイソシアネート化合物との硬化物のことである。
バリア層24は、ガスバリア性に優れ、かつ透明または半透明の樹脂層である。バリア層24を構成する樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、高密度ポリエチレン系樹脂(HDPE)などのポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂(PP)、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、エチレン-α・β不飽和カルボン酸およびそのエステル化合物共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-ビニルアルコール(EVOH)、ナイロン6フィルム、ナイロン66フィルム、ナイロン12フィルム、ナイロンMXD6フィルム、Cナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PETなど)、ポリブチレンテレフタレート系(含変性)樹脂(PBTなど)、塩化ビニリデン-メチルアクリレート共重合体(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)がある。特に、酸素バリア性のある結晶性ポリアミドであるMXD6ナイロン(NY)が好適である。ここに、酸素バリア性のある結晶性ポリアミドとしてのナイロンMXD6フィルムは、メタキシレンジアミン(MXDA)とアジピン酸との重縮合反応から得られる結晶性のポリアミドであり、ナイロン6、ナイロン66などとは異なり、主鎖中に芳香族環を有するため、ガスバリア性が良く、強度があり、2次加工適性が良好である特性がある。バリア層24としては、上記樹脂の1種からなる単層に限られず、2種以上の樹脂を共押出しした多層フィルムであってもよい。
熱可塑性樹脂層26は、表面フィルム13と裏面フィルム14同士を重ね合わせて対向する周縁近傍をヒートシールして、周縁シール部を形成するためのものである。このため、表面フィルム13および裏面フィルム14においては、熱可塑性樹脂層26が最も収容空間側となり、かつ熱可塑性樹脂層26同士が接触するように配置されている。表面フィルム13等をこのように配置した状態で、加熱および加圧することにより、熱可塑性樹脂層26同士をヒートシールすることができるので、周縁シール部15を形成することができる。
上記表示付き包装体10は、例えば、以下のようにして得られる。まず、図3(A)に示されるように、第1表示11を有する包装体10Aを準備する。ただし、この状態では、内容物は封入されていないので、内容物を収容するため、表面フィルム13および裏面フィルム14の上部は開口している。
以下、本発明の第2実施形態に係る表示付き包装体について、図面を参照しながら説明する。図4は本実施形態に係る表示付き包装体の平面図であり、図5は図4の表示付き包装体を構成する積層体の断面図である。なお、図5において、図2と同じ符号が付されている部材は、図2で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
図4に示される表示付き包装体30(以下、単に「包装体30」と称することもある)は、蓋材である。蓋材である包装体30は、カップ形状の包装容器、特に、カップラーメンやカップ焼きそば等の熱湯を注ぎ加食化するインスタント食品、電子レンジで加熱する食品その他の即席食品、加温された飲料、電子レンジで加熱する飲料、スナック菓子、菓子、ゼリーなどの内容物を密封するための包装容器の蓋材として好適に使用することができる。
第1表示31の面積は、包装体10の欄で記載した理由と同様の理由から、第2表示32の面積よりも大きくなっていることが好ましい。また、第1表示11および第2表示12の欄で記載した理由と同様の理由から、第1表示31としては、製品間で共通する共通情報表示であることが好ましく、第2表示32としては、製品毎に異なる可変情報表示であることが好ましい。第1表示31および第2表示32は、第1表示11および第2表示12と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
積層体40は、基材層21、印刷層22、接合層23、バリア層24、接合層25、基材層41、接合層42および熱可塑性樹脂層26を包装体40の外側からこの順で備える。ただし、積層体40は、基材層21および印刷層22を備えればよく、接合層23、25、42、基材層41、および熱可塑性樹脂層26の少なくともいずれかを備えていなくともよい。また、基材層41は基材層21と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
上記表示付き包装体30は、例えば、以下のようにして得られる。まず、複数のインキ層22A~22Eによって形成された第1表示31を有する包装体を準備する。次いで、第1表示31を有する包装体にレーザー光を包装体の外面側から照射し、白色インキ層22Eの構成物を炭化させて、包装体に第2表示32を形成する。これにより、包装体30が得られる。
以下、本発明の第3実施形態に係る表示付き包装体について、図面を参照しながら説明する。図6は本実施形態に係る表示付き包装体の平面図であり、図7は図6の表示付き包装体を構成する積層体の断面図である。なお、図7において、図2と同じ符号が付されている部材は、図2で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
図6に示される表示付き包装体50(以下、単に「包装体50」と称することもある)は、チューブ容器である。包装体50は、内容物を収容する収容空間(図示せず)を有している。内部物としては、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練り辛子、練りわさび、クリーム、絵の具、軟骨、医薬品等が挙げられる。
第1表示51および第2表示52は、後述する筒状胴部54に形成されている。第1表示51の面積は、包装体10の欄で記載した理由と同様の理由から、第2表示52の面積よりも大きくなっていることが好ましい。また、第1表示11および第2表示12の欄で記載した理由と同様の理由から、第1表示51としては、製品間で共通する共通情報表示であることが好ましく、第2表示52としては、製品毎に異なる可変情報表示であることが好ましい。第1表示51および第2表示52は、第1表示11および第2表示12と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
積層体60は、外側熱可塑性樹脂層である熱可塑性樹脂層61、接合層62、基材層21、印刷層22、接合層23、バリア層24、接合層25および内側熱可塑性樹脂層である熱可塑性樹脂層26を包装体60の外側からこの順で備える。ただし、積層体60は、基材層21および印刷層22を備えればよく、接合層23、25、62、バリア層24および熱可塑性樹脂層26、61の少なくともいずれかを備えていなくともよい。また、熱可塑性樹脂層61は、熱可塑性樹脂層26と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
上記表示付き包装体50は、例えば、以下のようにして得られる。まず、複数のインキ層22A~22Eによって形成された第1表示51を有する包装体を準備する。次いで、第1表示51を有する包装体にレーザー光を包装体の外面側から照射し、白色インキ層22Eの構成物を炭化させて、包装体に第2表示52を形成する。これにより、包装体50が得られる。
以下、本発明の第4実施形態に係る表示付き包装体について、図面を参照しながら説明する。図8は本実施形態に係る表示付き包装体の斜視図であり、図9は図8の表示付き包装体を構成する積層体の断面図である。なお、図9において、図2と同じ符号が付されている部材は、図2で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
図8に示される表示付き包装体70(以下、単に「包装体70」と称することもある)は、液体紙容器である。包装体70は、内容物を収容する収容空間(図示せず)を有している。内部物としては、例えば、日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール類、牛乳などの乳飲料、オレンジジュースやお茶等の清涼飲料等の食品、カーワックス、シャンプーや洗剤等の化学製品等の液体が挙げられる。
第1表示71および第2表示72は、後述する胴部73等に形成されている。第1表示71の面積は、包装体10の欄で記載した理由と同様の理由から、第2表示72の面積よりも大きくなっていることが好ましい。また、第1表示11および第2表示12の欄で記載した理由と同様の理由から、第1表示71としては、製品間で共通する共通情報表示であることが好ましく、第2表示72としては、製品毎に異なる可変情報表示であることが好ましい。第1表示71および第2表示72は、第1表示11および第2表示12と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
図9に示される積層体80は、外側熱可塑性樹脂層である熱可塑性樹脂層81、接合層82、印刷層22、基材層83、接合層23、バリア層24、接合層25および内側熱可塑性樹脂層である熱可塑性樹脂層26を包装体70の外側からこの順で備える。ただし、積層体80は、基材層83および印刷層22を備えればよく、接合層23、25、82、バリア層24および熱可塑性樹脂層26、81の少なくともいずれかを備えていなくともよい。また、熱可塑性樹脂層81は、熱可塑性樹脂層26と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
上記表示付き包装体70は、例えば、以下のようにして得られる。まず、複数のインキ層22A~22Eによって形成された第1表示71を有する包装体を準備する。次いで、第1表示71を有する包装体にレーザー光を包装体の外面側から照射し、白色インキ層22Eの構成物を炭化させて、包装体に第2表示72を形成する。これにより、包装体70が得られる。
以下、本発明の第5実施形態に係る表示付き包装体について、図面を参照しながら説明する。図10は本実施形態に係る表示付き包装体の斜視図であり、図11は図10の表示付き包装体を構成する積層体の断面図である。なお、図11において、図2と同じ符号が付されている部材は、図2で示した部材と同じものであるので、説明を省略するものとする。
図10に示される表示付き包装体90(以下、単に「包装体90」と称することもある)は、紙カップである。包装体90は、内容物を収容する収容空間90Aを有している。内部物としては、例えば、日本酒、焼酎、ワインなどのアルコール類、牛乳などの乳飲料、オレンジジュースやお茶等の清涼飲料等の食品が挙げられる。
第1表示91および第2表示92は、後述する胴部93に形成されている。第1表示91の面積は、包装体10の欄で記載した理由と同様の理由から、第2表示92の面積よりも大きくなっていることが好ましい。また、第1表示11および第2表示12の欄で記載した理由と同様の理由から、第1表示91としては、製品間で共通する共通情報表示であることが好ましく、第2表示92としては、製品毎に異なる可変情報表示であることが好ましい。第1表示91および第2表示92は、第1表示11および第2表示12と同様であるので、ここでは説明を省略するものとする。
上記表示付き包装体90は、例えば、以下のようにして得られる。まず、複数のインキ層22A~22Eによって形成された第1表示91を有する包装体を準備する。次いで、第1表示91を有する包装体にレーザー光を包装体の外面側から照射し、白色インキ層22Eの構成物を炭化させて、包装体に第2表示を形成する。これにより、包装体90が得られる。
白色インキ層として、白色顔料の他、結晶性樹脂を含むバインダ樹脂および発色剤を含む白色インキ層を用いた場合の優位性について、以下に参考例を挙げて説明する。
下記に示す組成となるように各成分を配合して、白色インキ組成物を得た。なお、白色インキ組成物1、2の後述する混合溶剤としては、メチルエチルケトン:酢酸n-プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比)を用いた。
・酸化チタン:40質量%
・結晶性ウレタンアクリレート:10質量%
・混合溶剤:50質量%
・酸化チタン:40質量%
・非晶性ウレタンアクリレート:10質量%
・混合溶剤:50質量%
下記に示す組成となるように各成分を配合して、発色インキ組成物を得た。なお、発色インキ組成物1、2の後述する混合溶剤としては、メチルエチルケトン:酢酸n-プロピル:イソプロピルアルコール=3:5:2(質量比)を用いた。
(発色インキ組成物A)
・ウレタン系樹脂:15質量%
・酸化ビスマス:5質量%
・酸化チタン:20質量%
・混合溶剤:50質量%
・ウレタン系樹脂:15質量%
・アンチモンドープ酸化スズ:10質量%
・酸化チタン:15質量%
・混合溶剤:60質量%
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる基材層の一方の面に、グラビア印刷機を用いて、白色インキ組成物Aを95質量部に対し、発色インキ組成物Aを5質量部および硬化剤としてのイソシアネート系硬化物を3質量部混合したインキ組成物1を塗布し、乾燥させて、膜厚1.5μmの白色インキ層を形成した。次いで、白色インキ層の表面に、白色インキ組成物Aを塗布し、乾燥させて、膜厚1.5μmの下地層を形成した。そして、下地層上に、ポリプロピレン樹脂を押出コーティング法により、厚さ13μmの熱可塑性樹脂層を形成し、これにより、基材層、白色インキ層、下地層、および熱可塑性樹脂層をこの順に備える積層体を得た。
参考例2においては、白色インキ組成物Aを95質量部に対し、発色インキ組成物Aを5質量部混合したインキ組成物2を用い、かつ下地層上に2液硬化型ウレタン接着剤(塗布量3g/m2(乾燥時))を介して、厚さ30μmの無延伸ポリプロピレンフィルムからなる熱可塑性樹脂層をドライラミネートした以外は、参考例1と同様にして、基材層、白色インキ層、下地層、接着剤、および熱可塑性樹脂層をこの順に備える積層体を得た。
参考例3においては、インキ組成物2の代わりに、インキ組成物1を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例4においては、インキ組成物1の代わりに、白色インキ組成物Aを95質量部に対し、発色インキ組成物Bを5質量部および硬化剤としてのイソシアネート系硬化物を3質量部混合したインキ組成物3を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、積層体を得た。
参考例5においては、インキ組成物2の代わりに、白色インキ組成物Aを95質量部に対し、発色インキ組成物Bを5質量部混合したインキ組成物4を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例6においては、インキ組成物2の代わりに、インキ組成物3を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例7においては、インキ組成物1の代わりに、白色インキ組成物Aを80質量部に対し、発色インキ組成物Bを20質量部および硬化剤としてのイソシアネート系硬化物を3質量部混合したインキ組成物5を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、積層体を得た。
参考例8においては、インキ組成物2の代わりに、白色インキ組成物Aを80質量部に対し、発色インキ組成物Bを20質量部混合したインキ組成物6を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例9においては、インキ組成物2の代わりに、インキ組成物5を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例10においては、インキ組成物1の代わりに、白色インキ組成物Bを95質量部に対し、発色インキ組成物Aを5質量部および硬化剤としてのイソシアネート系硬化物を3質量部混合したインキ組成物7を用いたこと以外は、参考例1と同様にして、積層体を得た。
参考例11においては、インキ組成物2の代わりに、白色インキ組成物Bを95質量部に対し、発色インキ組成物Aを5質量部混合したインキ組成物8を用いたこと以外は、参考例2と同様にして、積層体を得た。
参考例12においては、インキ組成物1の代わりに、インキ組成物7を用いたこと以外は、参考例3と同様にして、積層体を得た。
参考例1~12に係る積層体において、基材層と白色インキ層の間のラミネート強度を測定した。ラミネート強度は、積層体から幅15mmに切り出した測定サンプルを用いて、JIS K6854-1:1999に準拠して、テンシロン引張試験装置を用いて引張速度50mm/分で、基材層から印刷層を90度方向に剥離することによって測定した。ラミネート強度は、5回測定することによって得られた値の算術平均値とした。
参考例1~12に係る積層体に対し、ファイバーレーザー機(型番「LP-Z250」、パナソニックデバイスSUNX株式会社製)を用いて、スキャンスピード2000mm/分および印字パルス周期40μsの条件で、基材層側からレーザー光(波長1060nm、レーザーパワー30%および60%)を照射し、積層体に印字線を形成した。得られた印字線について、着色線幅および着色濃度を評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:着色線幅が0.5mmを超え、印字色も濃く、視認性に優れていた。
○:着色線幅が0.1mm以上0.5mm以下であり、印字色も濃く、視認性が良好であった。
×:着色線幅が0.1mm未満であり、印字色も薄く、視認性が不良であった。
11、31、51、71、91…第1表示
12、32、52、72、92…第2表示
21、83…基材層
22…印刷層
22E…白色インキ層
Claims (10)
- 外面から視認可能な表示を有する表示付き包装体の製造方法であって、
基材層と、少なくとも白色インキ層を含む複数のインキ層を備える印刷層とを備え、かつ前記複数のインキ層によって形成された第1表示を有する包装体を準備する工程と、
前記包装体にレーザー光を照射し、前記白色インキ層の構成物を炭化させて、前記包装体に第2表示を形成する工程と、を備え、
前記白色インキ層が、示差走査熱量計で測定される昇温時の吸熱曲線の55℃~80℃の範囲において、少なくとも1つの吸熱ピークを有するバインダ樹脂を含み、
前記バインダ樹脂が、結晶性ウレタン(メタ)アクリレートの重合体を含む、表示付き包装体の製造方法。 - 前記包装体に内容物を封入する工程をさらに備える、請求項1に記載の表示付き包装体の製造方法。
- 基材層と、印刷層とを備え、かつ外面から視認可能な表示を有する表示付き包装体であって、
前記印刷層が、少なくとも白色インキ層を含む複数のインキ層から構成されており、
前記包装体が、第1表示と第2表示を有し、
前記第1表示が、前記複数のインキ層から構成され、
前記第2表示が、前記白色インキ層の構成物の炭化物で構成されており、
前記白色インキ層が、示差走査熱量計で測定される昇温時の吸熱曲線の55℃~80℃の範囲において、少なくとも1つの吸熱ピークを有するバインダ樹脂を含み、
前記バインダ樹脂が、結晶性ウレタン(メタ)アクリレートの重合体を含む、表示付き包装体。 - 前記第1表示の面積が、前記第2表示の面積よりも大きい、請求項3に記載の表示付き包装体。
- 前記第2表示が、名称、原材料名、賞味期限、消費期限、内容量、栄養成分表示、使用方法、および加熱時間の具体的内容、ならびにバーコードの少なくともいずれかを含む、請求項3または4に記載の表示付き包装体。
- 前記包装体が、前記基材層と前記印刷層と熱可塑性樹脂層を外側から順に備える積層体、または外側熱可塑性樹脂層と前記印刷層と前記基材層と内側熱可塑性樹脂層を外側から順に備える積層体で構成されている、請求項3ないし5のいずれか一項に記載の表示付き包装体。
- 前記包装体が、パウチ、蓋材、チューブ容器、または紙容器である、請求項3ないし6のいずれか一項に記載の表示付き包装体。
- 前記パウチが、レトルトパウチである、請求項7に記載の表示付き包装体。
- 前記第2表示がバーコードを含んでおり、前記バーコードの高さが25mm以下である、請求項3ないし5のいずれか一項に記載の表示付き包装体。
- 前記表示付き包装体内に内容物が封入されている、請求項3ないし9のいずれか一項に記載の表示付き包装体。
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---|---|---|---|
JP2017184507A JP7047303B2 (ja) | 2017-09-26 | 2017-09-26 | 表示付き包装体の製造方法および表示付き包装体 |
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