JP2017071430A - パウチの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有するパウチの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】C=O二重結合を有する最外層の熱可塑性樹脂フィルムと、C=O二重結合を有する中間層と、C=O二重結合を持たない最内層のポリオレフィン系樹脂フィルムとを、接着層を介して積層した積層体を、最内層同士を対向させて製袋したパウチであって、パウチ最内層側からのレーザー光線照射によって、中間層と最外層に脆弱加工を施してあり、脆弱加工は、パウチの最外層表面を貫通しないよう設けてあることを特徴とするパウチの製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明はパウチに関するものである。とくにレーザー光線照射によって易開封性を有するパウチの製造方法に関するものである。
包装袋の一種であるパウチはプラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成されるものが広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、現代生活にとっては不可欠なものとなっている。
例えば液体容器としても用いられ、飲料のほかレトルト食品などの食品分野でも広く用いられているほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。
液体容器のほかにも、様々な用途展開がなされている。また要求品質としてガスバリア性を求められる場合もあって、ガスバリア性を備えたパウチも、一般に広く用いられている。
パウチの利点は、缶や瓶などの容器に比べて、価格が安いことや、要求品質によってきめ細かい材料設計で対応できる点、あるいは内容物充填前および流通や保管においても、軽量で省スペースであることが挙げられる。
また表面から見える層への高精細の印刷によって、写真印刷により商品のイメージアップを図ることができ、文字情報によって内容物に関する必要な情報を表示することが可能であり、バーコードの印刷などは、商品の識別のほかに、商品の流通やマーケティング情報の源泉ともなっている。
従来より、液体や流動性を有する物質に用いられる容器として洗剤、漂白剤、柔軟剤、シャンプー、リンス、シロップ、調味料などの液体用のボトルは商品として日常生活に定着している。しかし、内容物を使いきった後、ボトルを使い捨てで廃棄するのは、経済的にも、環境保護の点からも好ましくないとされ、近年では詰め替え用のパウチが用いられる傾向にあり、発展してきた。
パウチは、新規のボトルや収納容器をその都度購入する場合に比べて割安であり、また廃棄物を減らすという観点からは環境適応型であるといえる。ボトルが空になったあとの、詰め替え用の容器として用いられる所以である。
しかしながら、パウチはプラスチックフィルムを基材としているため、パウチとしての強靭性を要求される一方、開封に際しては易開封や直線開封性も具備していなければならない。従来においては、最内層のシーラント層に脆弱加工を施して易開封性や直線開封性を付与する試みもなされたが、パウチの最内層に脆弱加工を施すことによって、接着剤などの内容物への溶出などのおそれがあった。
また、パウチの最外層から脆弱加工を施して易開封性や直線開封性を付与する試みもなされたが、パウチの最外層に脆弱加工を施すことによって、表層から異物が飛散するなどして内容物への混入やパウチ表面への付着のおそれがあった。
また特許文献1にはパウチの易開封性を材料面からの工夫で実現しようとする提案がな
されているが、材料選択の幅が狭まるうえに、直線開封性については担保されていないため、充分満足できるパウチの実現には充分とはいえない状態である。
特許文献2に関しては特殊な延伸加工に専用設備が必要であり、コストがかかることや、延伸後の物性変化が充填適性に影響を与える恐れが指摘されている。
特開2009−172902号公報 米国特許出願公開第2006/0216535号明細書
本発明はかかる状況に鑑みてなされたものであり、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有するパウチの製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、C=O二重結合を有する最外層の熱可塑性樹脂フィルムと、C=O二重結合を有する中間層と、C=O二重結合を持たない最内層のポリオレフィン系樹脂フィルムとを、接着層を介して積層した積層体を、最内層同士を対向させて製袋したパウチであって、パウチ最内層側からのレーザー光線照射によって、中間層と最外層に脆弱加工を施してあり、脆弱加工は、パウチの最外層表面を貫通しないよう設けてあることを特徴とするパウチの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、前記最外層の脆弱加工が、厚み方向に対して50%以上除去されていることを特徴とする請求項1に記載のパウチの製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、前記最外層には無機化合物による酸素バリア性が付与されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のパウチの製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、前記最外層と中間層の間の接着層が酸素バリア性を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のパウチの製造方法である。
本発明によれば、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有するパウチの製造方法を提供することが可能になる。
とくに請求項2に記載の発明によれば、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、より易開封性、直線開封性にすぐれたパウチの製造方法を提供することが可能になる。
とくに請求項3に記載の発明によれば、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有すると同時に酸素バリア性を備えたパウチの製造方法を提供することが可能になる。
とくに請求項4に記載の発明によれば、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有すると同時
に酸素バリア性を備えたパウチの製造方法を提供することが可能になる。
図1は本発明に係るパウチを構成する積層体の層構成および、積層体に対するレーザー光線による脆弱加工について説明するための部分断面模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図1を参照しながら詳細な説明を加える。ただし、本発明はここに示した例にのみ限定されるものではなく、請求項によってのみ限定が加えられる。
図1は本発明に係るパウチを構成する積層体の層構成および、積層体に対するレーザー光線による脆弱加工について説明するための部分断面模式図である。積層体(10)はプラスチックフィルムの積層体であって、最外層(1)、中間層(2)、最内層(3)を有しており、これら各層は接着層A(4)、接着層B(5)を介して積層されている。
本発明において、パウチの易開封性、直線開封性は、最外層(1)と中間層(2)とに跨って同一位置に設けられた脆弱加工によってもたらされるものであり、脆弱加工は最外層(1)および中間層(2)に対するレーザー光線照射によって行なうことができ、その影響は最外層(1)および中間層(2)の間にある接着層(4)にも及ぶ。しかも脆弱加工は、最外層(1)および中間層(2)のどちらも貫通することがなく、その間の位置にとどまる。
レーザー光線照射による樹脂材料の脆弱加工は、レーザー光線の出力波長域を、吸収波長域として含む樹脂層に照射することによって、照射部分が急激に発熱することで破壊され、空洞が生じるなどの脆弱加工が実現する。
たとえば、炭酸ガスレーザーを用いる場合に、C=Oの二重結合で表されるカルボニル基を有する樹脂層であれば、前記脆弱加工を行なうことができる。
本発明において、最外層(1)には熱可塑性樹脂フィルムとして、C=O二重結合を有するものを用いることを前提としており、また中間層(2)も同様である。反対に最内層のポリオレフィン樹脂フィルムは、C=O二重結合を持たない。
そのために、レーザー光線を最内層側から照射した場合においては、最内層(3)のポリオレフィン樹脂フィルムはレーザー光線を透過させるのみで、自身は変化せず、中間層(2)および最外層(1)においてのみ発熱、部分的破壊が生じて脆弱加工が行なわれる。
したがって、最内層(3)側からの、接着剤成分などの溶出が起こることは無く、最外層(1)を貫通してレーザー光線による破壊が起こらない限り、異物として飛散することもない。
最外層(1)に用いる熱可塑性樹脂フィルムには、たとえばポリエチレンテレフタレートフィルムを用いることができる。また中間層(2)には、たとえばポリアミドフィルムを用いることができる。これらはいずれもC=O二重結合を有する。
脆弱加工は層の発熱、部分的破壊に破壊されて、図1における脆弱加工A(6)および脆弱加工B(7)で示されている。両者の違いはレーザー光線によって加えられるエネルギーの違いで、これらはレーザー光線の出力エネルギーや、照射時間などによって制御す
ることができる。
本発明による脆弱加工は、脆弱加工A(6)のように積層体の最外層(1)および中間層(2)にわたって設けられていれば、易開封性および直線的な開封性が得られるが、脆弱加工B(7)のように、最外層(1)を貫通しない範囲で大きく設けてあれば、より容易で、より直線的な開封性が得られる。これはレーザー光線の出力エネルギーや照射時間を調整することによって実現できる。
本発明においては、積層体(10)の最内層(3)は、パウチの内側にあって、内容物と接するシーラント層である。レーザー光線はこのシーラント層側から、出力エネルギーや照射時間を調整し、直線状に走査させることによって、脆弱加工時の最外層(1)すなわち熱可塑性樹脂を外部へ飛散させることなく、脆弱加工A(6)または静寂加工B(7)を行なって、直進カット性を実現することができる。
またたとえば、脆弱加工B(7)のように表面を貫通しない範囲で、最外層(1)の深部までレーザー光線の照射により破壊されたとしても、最外層(1)を貫通しない限りは、外部への異物等としての飛散が生じることなく、直線状に脆弱加工を行なうことができる。
また本発明においては、最外層(1)に付随して酸素バリア層を設けることができる。これは主に、たとえば食品などの分野で長期保存などを目的とした、酸素をはじめとするガスバリア性を要求される場合には、必要かつ有効な措置である。
この場合でも、C=O二重結合をもたない最内層(3)はレーザー光線を透過させたので、酸素バリア層を設けた最外層(1)、中間層、に脆弱加工を行なうことができ、接着層(4)や酸素バリア層にもその影響は及ぶが、その度合いは少ないため、酸素バリア性は維持しつつ、直線的脆弱加工が可能である。
また最外層(1)に付随した酸素バリア層ではなく、接着層A(4)が酸素バリア性を付与されている場合においても、最外層(1)および中間層(2)に、脆弱加工を行なうことができ、接着層(4)にもその影響は及ぶが、その度合いは少ないため、酸素バリア性は維持しつつ、脆弱部A(6)または脆弱部B(7)のような、直線的脆弱加工が可能である。
これは、最外層(1)と中間層(2)の間にある接着層(4)が酸素バリア性を付与されている場合でも、たとえば脆弱加工B(7)のような場合においても、積層体(10)の成分が外部に飛散しない場合には、バリア性を付与するための成分は積層体内部に残留するため、酸素バリア性が維持されると考えられる。
最外層(1)と中間層(2)の間に存在する、接着層A(4)にもレーザー光線照射の影響が現れる理由については、接着層A(4)の光吸収が最外層(1)すなわち熱可塑性樹脂や中間層(2)よりよい場合や、該熱可塑性樹脂の光吸収度合いが中間層(2)を上回り、優先吸収されることが理由と考えられる。
以下本発明を構成する各要素についてさらに詳細な説明を加える。
(プラスチックフィルム)
プラスチックフィルムは高分子樹脂組成物からなるフィルムであって、たとえばポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロ
ンー6、ナイロンー66等)、ポリイミドなどが使用でき、用途に応じて適宜選択される。とくにポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとする場合は、フィルム強度と価格においてより好ましい。
本発明においては、最外層(1)に熱可塑性樹脂として、ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材フィルムとして用いることができる。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、二軸延伸されて製膜されたものを用いることが、機械的強度の点でもより好ましい。
また中間層(2)として、たとえばポリアミドフィルムを用いることができる。ポリアミドフィルムの使用は積層体に機械的強靭さを与え、コシや耐衝撃性を向上させる点で効果がある。ポリアミドフィルムは、延伸によって製膜されたフィルムが、機械的強度の点でより好ましい。
本発明においては、最内層(3)すなわちシーラント層には、ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いる。たとえば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂を用いることができる。シーラント層は、あらかじめ製膜されたフィルムを貼りあわせるのでもよく、押し出し機などを用いて、フィルムに製膜されたものを積層することもできる。
(シーラント層)
シーラント層の材質としては、熱可塑性樹脂のうちポリオレフィン系樹脂が一般的に使用され、具体的には、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂や、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂や、ホモポリプロピレン樹脂(PP)、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂等を使用することができる。
(酸素バリア性)
酸素バリア性をもつ酸素バリア層は、ガスバリア層のひとつとして考えてよい。ガスバリア層としてバリア性だけに注目すれば、たとえばアルミニウム箔などの金属箔、あるいはプラスチックフィルムに金属蒸着したフィルムを用いることが考えられる。しかし金属材料による欠点も存在しており、とくに本発明に係るレーザー光線の透過という点では不適当である。
あるいは、食品などの用途において調理に電子レンジを使用する場合にも、金属箔は適していない。それに対して、本発明においては無機化合物によって最外層にガスバリア性を付与することができるため、これらの問題を回避することが可能である。
またガスバリア層として無機化合物蒸着層、たとえばSiOなどを用いる場合には透明であるために、他に不透明層を設けない場合には、パウチの外側から内容物を視認することが可能である。
無機化合物蒸着層を形成する方法としては,SiOやAlOなどの無機酸化物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材すなわちプラスチックフィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機酸化物蒸着層を形成することができる。無機酸化物蒸着層の厚みは15nm〜30nmが良い。
あるいはアンカーコート層のほか、コロナ処理等の下地処理を加えてもよい。これによ
りガスバリア性皮膜層の密着性をより向上させることができる。
アンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
また、コーティングによって、無機化合物を含むガスバリア性被膜層もガスバリア層として用いることが可能である。ガスバリア性被膜層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物物蒸着層は真空蒸着法による製膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法によるガスバリア性被膜層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、ガスバリア層とすることができる。
これら二層の複合により、真空蒸着法による無機酸化物蒸着層とコーティング法によるガスバリア性被膜層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、パウチとしての適性も具備することができる。
あるいは、酸素バリア性のためのガスバリア層は、無機酸化物蒸着層、もしくはガスバリア性被膜層のどちらか一方でも構成することができる。
(酸素バリア性接着層)
積層体(10)の最外層(1)と中間層(2)の間の接着層(4)に、ガスバリア性化合物を配合することで、ガスバリア性を向上させることができる。たとえば無機層状化合物を用いることができる。
無機層状化合物の種類は、とくに限定するものではないが、一般的には、層状構造の層間に水溶性高分子成分や金属アルコキシド成分が入り込み、層間が拡大した複合被膜を得られやすい点から、スメクタイト族の無機層状化合物が適している。スメクタイト族の具体例としては、モンモリトロナイト、ヘクトライト、サポナイト等をあげることができる。
このように本発明によれば、パウチの最内層からの接着剤成分などの溶出のおそれがなく、最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有するパウチの製造方法を提供することが可能である。
以下実施例に基づいて、本発明をさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらの例にのみ限定されるものではない。
実施例1〜実施例6、および比較例1〜比較例5においてそれぞれの層構成で積層体を
作成し、パウチに製袋した。さらに開封時の「カットしやすさ」および「直進性」を目的として、それぞれの照射条件でレーザー光線照射を行なって、各評価項目について評価した。
使用したレーザー発振器は下記のとおりである。
使用レーザー:SUNX社製 LP−400series COレーザーメーカー クラス4レーザー製品。 出力波長は10.6μmである。
<実施例1>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード3000mm/秒、パワー70%。
<実施例2>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<実施例3>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード3000mm/秒、パワー70%。
<実施例4>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<実施例5>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/酸素バリア性接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード3000mm/秒、パワー70%。
<実施例6>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/酸素バリア性接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンフィルム側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<比較例1>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンテレフタレートフィルム側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<比較例2>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<比較例3>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)/接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンテレフタレートフィルム(酸素バリア層付き)側から、スキャンスピード3000mm/秒、パワー70%。
<比較例4>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/酸素バリア性接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンテレフタレートフィルム側から、スキャンスピード2500mm/秒、パワー70%。
<比較例5>
層構成:(最外装)/(接着層)/(中間層)/(最内層)
ポリエチレンテレフタレートフィルム/酸素バリア性接着層/ポリアミドフィルム/ポリエチレンフィルム。
レーザー光線照射条件:ポリエチレンテレフタレートフィルム側から、スキャンスピード3000mm/秒、パワー70%。
<評価項目>
(1.酸素バリア性):
測定値を評価する。単位はcc/m/day/atmとする。
(2.直進性):
開封に際して、開封が直線的にできるかを評価する。
評価基準は、◎:大変よい、○:よい、×:不可とする。
(3.カットしやすさ):
開封に際して、開封が大きな抵抗なく容易に行なうことができるかを評価する。
評価基準は、◎:大変よい、○:よい、×:不可とする。
(4.飛散防止性):
脆弱加工のためのレーザー光線を照射した後の、易開封線周辺への異物付着を評価する。評価基準は、◎:異物付着が見られない、〇:異物付着がわずかに見られる、×:異物付着が明らかに見られる、とする。
<評価結果>
評価結果を表1に示す。
表1に示した結果から、顕著に見られる特徴は、実施例1〜実施例6と比較例1〜比較例5の比較においてである。飛散防止性、すなわちレーザー光線を照射した後の、易開封線周辺への異物付着が、実施例1〜実施例6においては、いずれにおいても全くみられないのに対し、比較例1〜比較例5においては異物付着が明らかに見られるという点である。これは、本発明による、レーザー光線の照射を、パウチ最内層側から行なった効果である。
直進性やカットし易さの項目については、実施例においても比較例においても、不可の評価は出ていないが、レーザー光線の照射条件において、3000mm/秒の条件である実施例1、実施例3、実施例5に比べて、2500mm/秒の条件である実施例2、実施例4、実施例6において、「直進性」や「カットし易さ」の項目ともによりよい評価(◎)となっている。断面観察をした結果、最外層が厚み方向に50%以上除去されていることがわかる。
レーザー光線の照射条件は、2500mm/秒のほうが、3000mm/秒に比べて、加えられるエネルギーは大きくなる。したがって飛散防止性を満足する範囲内で、よりレーザー光線のエネルギーが強いほうが、最外層および中間層の破壊が大きくなり、脆弱加工がより効果的であることを示している。
酸素バリア性については、ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸素バリア層、もしくは酸素バリア性接着層を設けていない、実施例1、実施例2、比較例1においては5cc/m/day/atm以上を示している。
それに対し、酸素バリア層を最外層に設けた実施例3、および実施例4、比較例2および比較例3において、いずれも0.24〜1.03cc/m/day/atmの範囲で充分に低い値を示しており、酸素バリア性能が発揮されている。
最外層と中間層の間の接着層に酸素バリア性を持たせた、実施例5および実施例6、比較例4および比較例5も0.29〜1.23cc/m/day/atmの範囲で充分に低い値を示しており、同様に酸素バリア性能が発揮されている。
この結果からは、パウチに対するレーザー光線による脆弱加工を行なって、最外層および中間層の破壊を行なった場合でも、脆弱加工とガスバリア性を両立することが可能であることがわかる。
これらの評価結果から、本発明によれば、パウチの最内層からの接着剤の溶出のおそれや最外層からの異物の飛散防止性を損ねることなく、易開封性、直線開封性を有するパウ
チの製造方法を提供することか可能であることを検証することができた。
1・・・最外層
2・・・中間層
3・・・最内層
4・・・接着層A
5・・・接着層B
6・・・脆弱加工A
7・・・脆弱加工B
10・・・積層体

Claims (4)

  1. C=O二重結合を有する最外層の熱可塑性樹脂フィルムと、C=O二重結合を有する中間層と、C=O二重結合を持たない最内層のポリオレフィン系樹脂フィルムとを、接着層を介して積層した積層体を、最内層同士を対向させて製袋したパウチであって、
    パウチ最内層側からのレーザー光線照射によって、中間層と最外層に脆弱加工を施してあり、脆弱加工は、パウチの最外層表面を貫通しないよう設けてあることを特徴とするパウチの製造方法。
  2. 前記最外層の脆弱加工が、厚み方向に対して50%以上除去されていることを特徴とする請求項1に記載のパウチの製造方法。
  3. 前記最外層には無機化合物による酸素バリア性が付与されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のパウチの製造方法。
  4. 前記最外層と中間層の間の接着層が酸素バリア性を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のパウチの製造方法。
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