JP2019199503A - 紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム、包装材及び包装体 - Google Patents
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Description
しかしながら、内面が金属薄膜でコーティングされた包装体は、X線検査ができないため、内容物を可視化できず、異物検査を十分に行うことができないおそれがある。したがって、紫外線遮蔽性と可視光を透過する透明性とを併せ持つ包装体が求められる。
また、特許文献3には、プラスチックフィルムに平均一次粒径0.03μm以下の酸化亜鉛微粒子を練り込むことにより、透明性を担保したまま紫外線遮蔽性を付与する技術が開示されている。
本発明の他の態様は、基材上に、上記一態様に係る紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルムが積層された包装材である。さらに、本発明の他の態様は、上記包装材を有する包装体である。
各図は模式的に示したものであり、各部の大きさや形状等は理解を容易にするために適宜誇張して示してある。また、各図において、説明の便宜上、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。また、以下に説明する実施形態は、本発明の一例を示したものであり、本発明はその実施形態に限定されるものではない。さらに、本実施形態では種々の変更又は改良を加えることが可能であり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれる。
本実施形態の熱可塑性樹脂は、極性が無いあるいは極性が小さい非極性樹脂と、上記非極性樹脂よりも極性が大きい極性樹脂との混合からなる。
また、紫外線遮光剤として、無機系の材料である酸化亜鉛粒子が含有されていることが好ましい。
また、極性樹脂の酸含有率が10%以上40%以下であることが好ましい。
また、紫外線遮光剤の90質量%以上が酸化亜鉛粒子からなる場合には、その酸化亜鉛粒子の80質量%以上が、粒子径0.4μm以下の粒子からなることが好ましい。
このような構成の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1は、生産性が良好でかつ紫外線遮蔽性、及び可視光透過性を示す透明性を有する。
本実施形態の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を用いた包装体10は、優れた紫外線遮蔽性を有しているため、紫外線の影響を受けやすい食品、医薬品、精密機器等が内容物である場合でも、包装体10において紫外線が遮蔽され、内容物において変質、変色、劣化等が生じにくい。
更に、本実施形態の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1、包装材6、及び包装体10について説明する。
紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1の紫外線遮蔽層4、5に含有される熱可塑性樹脂は、適度な柔軟性を有するとともに、特に、押出機による加工適性を有していれば良い。このような樹脂組成物を押出成形法により製膜し、適宜貼り合わせることで、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を製造することができる。
ここで、「極性小さい」とは、「原子の電気陰性度の差が無いあるいは小さい」ことであり、本明細書では、例えば、原子間の結合の電気陰性度の差δが0.0以上0.3未満の場合を指す。
このとき、熱可塑性樹脂における電荷の偏りの大小は、極性に依存する。すなわち、元素の電気陰性度の指標に準ずる。一般に知られるように、化合物を構成する元素同士の結合に着目すると、電気陰性度の差が大きいほど極性が大きく、このとき極性が大きいといわれる。一方、電気陰性度の差が、同等とみなすことのできるもの、あるいは差が小さいものについては、極性が小さいといわれる。
紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1が透明性と紫外線遮蔽性を長期に安定して兼ね備えるために、本実施形態の紫外線遮蔽層4は、無機系の紫外線遮蔽剤を含有している。
無機系の紫外線遮蔽剤としては、酸化亜鉛粒子、酸化チタン粒子等が挙げられる。コスト面、衛生面から、紫外線遮蔽剤として酸化亜鉛粒子を選択することが好ましい。
ここで、酸化亜鉛粒子はシリコーン処理されており、Si原子とO原子が分極するため(電気陰性度の差δ=1.5程度)極性が大きい化合物に属す。そのため、無極性樹脂よりも極性樹脂の方が相性良く相溶する傾向にあると考えられる。
ここで、紫外線遮蔽剤としては、無機系の紫外線遮蔽剤の他に、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の有機系紫外線遮蔽剤がある。この有機系紫外線遮蔽剤が配合された包装材用シーラントフィルムは、透明性を有する紫外線遮蔽性シーラントフィルムとして適用できるが、経時変化によって有機系紫外線遮蔽剤がフィルム表面へブリードアウトしやすく、内容物の汚染や紫外線遮蔽性低下の懸念がある。そのため、本実施形態では、透明性と紫外線遮蔽性を長期に安定して備える無機系の紫外線遮蔽剤を使用する。
紫外線遮蔽層4、5に添加される酸化亜鉛粒子のうち、直径0.4μm以下の粒子の割合が80質量%未満、すなわち直径0.4μm超過の粒子の割合が20質量%を超えると、光の波長の関係から、可視光領域に大きな影響を与える光分散が生じるおそれがある。その結果、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1のヘイズ値が20%よりも大きくなり、透明性が失われるおそれがある。
すなわち、原料として用いる酸化亜鉛粒子の平均一次粒径は不問であり、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1の透明性を過度に悪化させないためには、最終的に紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1中に存在する全ての酸化亜鉛粒子のうちの80質量%以上が直径0.4μm以下であることが望ましい。
本実施形態の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を作製する方法は、特に制限されるものではなく、公知の方法を使用することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂に有機系粒子又は無機系粒子及び有機滑剤を添加し、例えば高温に加温可能な押出機を用いてフィルム製膜することで、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を作製することができる。フィルム製膜方法としても、公知の方法を用いることができる。例えば、エアチャンバー、エアナイフ、バキュームチャンバー、又は、それらのうち複数を組み合わせて用いて製膜することが可能である。
図3に示すように、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1と基材7を積層することにより、包装材6を得ることができる。その際には、ヒートシールされるシール層5の裏面に、基材7を積層する。
紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1に基材7とともに他の層を積層して、包装材6としてもよい。例えば、図3や図4に示すように、印刷層、バリア層といった機能層8を紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1と基材7との間に介在させてもよい。
図3の包装材6は、紫外線遮蔽層4、基材7、機能層8の三層構造を示しているが、包装材6を構成する層の数は特に限定されるものではなく、二層としてもよいし四層以上としてもよい。例えば、包装材6は、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1と基材7の二層構造でもよいし、図3の包装材6の基材7上にさらに紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を積層した四層構造でもよい。
基材7は、包装材6の支持体として機能する層である。基材7の種類は、内容物の種類や充填後の加熱処理の有無など使用条件によって適宜選択されるが、例えば、プラスチック等の樹脂を主とするフィルムがあげられる。樹脂の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(6ナイロン、66ナイロン等)などが使用される。さらに、基材7は、上記材料のうちの1つの材料からなる単層であってもよいし、こうした単層の積層によって上記材料の複数の材料が組み合わされた層であってもよい。
機能層8としては、例えば、印刷層やバリア層が挙げられる。バリア層は、空気中に含まれる酸素等の気体や水蒸気、封入した内容物等から包装材6を保護するためのバリア性を高める機能を有する層である。バリア層の材料としては、例えば、EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂)やフィラーなどが挙げられる。
本実施形態の包装材6における紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1の周縁部同士をヒートシール等によって溶着することで、上述した本発明の効果を備えた包装体10を得ることができる。本実施形態の包装体10としては、スタンディングパウチ、包装袋、口栓付きパウチ、ラミチューブ、バッグインボックス等が挙げられるが、この他にも様々な用途の包装体に適用可能である。
包装体10の一例として、本実施形態の包装材6をスタンディングパウチ11に加工した場合の構造及び製造方法を、図5、図6を参照して説明する。スタンディングパウチとは、液体洗剤、柔軟剤、シャンプー、リンスなどのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒー、酒などの食品等、液体、粉体、固体を問わず収納可能な容器の一種であり、袋の底にヒダを付けて袋自体が自立できる特徴がある袋である。
また、スタンディングパウチ11は、上述の包装体10と同様の製袋方法で製造可能であることに加えて、紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1を底テープ20として、本体表面と本体裏面の間に挿入して、本体の周縁部と共にシールすることで、容易に自立可能である。図5は、スタンディングパウチ11の断面図であり、図6は、スタンディングパウチ11形成前の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム1のウェブ搬送時の状態を示した模式図である。
さらに、底テープ20を別途形成し、パウチ表面12とパウチ裏面13の間に挿入して周縁部をシールすることで、自立性を付与することができる。
注出ノズル16には、先端をヒートシールした注出ノズル先端シール部25が形成されており、注出ノズルシール部24に設けられた開封用切目線17によって分離形成された開封つまみ18として機能する。すなわち、スタンディングパウチ11の使用者は、開封つまみ18を持ち、予め形成されたハーフカット線19に沿って切り離すことにより注出口(図示せず)を形成することができる。なお、本方法に限らず、樹脂等で形成された口栓付キャップを別途設けておき、口栓を開閉することによって抽出口の機能を付与してもかまわない。
スタンディングパウチ11の製造方法の一例としては、図6に示すように、スタンディングパウチ11を自立させた際の高さの約2倍強の幅を持った包装材6をウェブ状に繰り出し、ハーフカット線19を形成する。その後、包装材6を折り曲げ部稜線21で折り曲げて、パウチ表面12とパウチ裏面13を合わせる共に底テープ20を挿入して周縁部のヒートシールを行い、所定の形状に打ち抜くことでスタンディングパウチ11を形成することができる。
以上、本発明について例示したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本実施形態の技術的思想を逸脱しない限り、包材としての用途を考慮し、要求されるその他の物性である剛性、強度、衝撃性等を向上する目的で、他の層や構造を任意に形成できることは言うまでもない。
実施例1の包装材用シーラントフィルムの構成は、図1に示したような単層フィルムとして、熱可塑性樹脂を2種類混合する系とした。
紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルムの熱可塑性樹脂の1つとしては、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(密度0.931g/cm3、MFR(メルトフローレート)3.2)と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MFR1.0)を質量比で8:2の割合で混合したものを用いた。
もう一方の熱可塑性樹脂は、EMMA(エチレン・メタクリル酸メチル共重合物、酸含有率11%)を用いた。このとき、2つの熱可塑性樹脂は質量比で、ポリエチレン:EMMA=9:1の割合で混合した。
紫外線遮蔽層用の樹脂組成物とのシール層用の樹脂組成物とを、それぞれ200℃に加熱溶融し、単軸共押出機を用いてTダイキャスト法にて、厚さ100μmの包装材用シーラントフィルムを製膜した。
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EVA(酢酸ビニル含有率33%)=9:1の比率である以外は、実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例3)
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EVA(酢酸ビニル含有率33%)=8:2の割合である以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EVA(酢酸ビニル含有率33%)=7:3の割合である以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例5)
混合熱可塑性樹脂の一方として用いたEVAの酢酸ビニル含有率を14%とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子の平均粒径が0.06μmである点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、この酸化亜鉛粒子については、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は80質量%である。
(実施例7)
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子を、平均粒径0.04μmの酸化亜鉛粒子と平均粒径0.06μmの酸化亜鉛粒子を1:1で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、これら酸化亜鉛粒子を1:1で混合したものについては、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は85質量%である。
熱可塑性樹脂の1つである直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.920g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例9)
熱可塑性樹脂の1つである直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.940g/cm3とした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(実施例10)
熱可塑性樹脂の1つであるポリエチレンについて、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で9:1の割合で混合したものとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EMMA=10:0の割合である以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例2)
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EVA=10:0の割合である以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
熱可塑性樹脂の混合について、質量比で、ポリエチレン:EVA=3:7の割合である以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例4)
ブレンド熱可塑性樹脂の一方として用いたEVAの酢酸ビニル含有率を9%とした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
ブレンド熱可塑性樹脂の一方として用いたEVAの酢酸ビニル含有率を44%とした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例6)
紫外線遮蔽層に添加する酸化亜鉛粒子の平均粒径を2.0μmとした点以外は実施例1と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。なお、この酸化亜鉛粒子については、走査型電子顕微鏡による観察画像の二値化処理によって直径が0.4μm以下とされる粒子の割合は15質量%である。
熱可塑性樹脂の1つである直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.890g/cm3とした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例8)
熱可塑性樹脂の1つである直鎖状低密度ポリエチレンの密度を0.940g/cm3とした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
熱可塑性樹脂の1つであるポリエチレンについて、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で10:0の割合で混合したものとした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
(比較例10)
熱可塑性樹脂の1つであるポリエチレンについて、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を質量比で0:10の割合で混合したものとした点以外は実施例2と同様にして、包装材用シーラントフィルムを作製した。
紫外線遮蔽層としての第一層4の構成及び評価結果を、表1に示す。
フィルム成形性は、厚さ100μmを狙い値として成形した包装材用シーラントフィルムの幅を測定し、Tダイの幅と比較することにより評価した。具体的には、Tダイの幅と包装材用シーラントフィルムの幅が同じだった場合を100%としたときに、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の75%以上であった場合は、フィルム成形性が非常に良好と評価し、表1においては「○」印で示した。また、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の70%以上75%未満であった場合は、フィルム成形性が良好と評価し、表1においては「△」印で示した。さらに、包装材用シーラントフィルムの幅がTダイの幅の70%未満であった場合は、フィルム成形性が不十分と評価し、表1においては「×」印で示した。
曲げ剛性評価は、株式会社東洋精機製作所製のループステフネステスタを用いて、曲げ応力を測定することにより行った。このときの曲げ応力は、包装材用シーラントフィルムのMD(Machine Direction)方向に対してそれぞれ3回測定し、それらの平均値を測定結果とした。曲げ応力の測定条件は、圧縮速度3.3mm/sec、サンプル幅15mm、ループ長85mmである。
曲げ応力の測定結果が15g以上であった場合は、曲げ剛性が非常に良好と評価し、表1においては「○」印で示した。また、曲げ応力の測定結果が10g以上15g未満であった場合は、曲げ剛性が良好と評価し、表1においては「△」印で示した。さらに、曲げ応力の測定結果が10g未満であった場合は、曲げ剛性が不十分と評価し、表1においては「×」印で示した。
引裂き性評価は、JIS K7128−2に規定されているエルメンドルフによる引裂法により行った。このとき、引裂き性は、包装材用シーラントフィルムのMD方向に対してそれぞれ3回測定し、それらの平均値を測定結果とした。
引裂き性の測定結果が5N以下であった場合は、引裂き性が非常に良好と評価し、表1においては「○」印で示した。また、引裂き性の測定結果が5N超過10N以下であった場合は、引裂き性が良好と評価し、表1においては「△」印で示した。さらに、引裂き性の測定結果が10N超過であった場合は、引裂き性が不十分と評価し、表1においては「×」印で示した。
ヒートシール性評価は、テスター産業株式会社製のヒートシーラー(型番TP−701−B)を用いて、2枚の包装材用シーラントフィルムをシールすることにより行った。具体的には、シール層同士が接するように2枚の包装材用シーラントフィルムを重ね、シール圧力0.2MPa、シール時間1sec、シール幅10mm、シール温度100℃以上としてシールを行った。シール温度については、100℃から10℃間隔で上昇させながら複数の温度においてシールを行った。
ヒートシール発現温度が120℃以下であった場合は、ヒートシール性が非常に良好と評価し、表1においては「○」印で示した。また、ヒートシール発現温度が120℃超過140℃以下であった場合は、ヒートシール性が良好と評価し、表1においては「△」印で示した。さらに、ヒートシール発現温度が140℃超過であった場合は、ヒートシール性が不十分と評価し、表1においては「×」印で示した。
酸化亜鉛粒子の存在状態観察は、包装材用シーラントフィルムの紫外線遮蔽層の表面をO2プラズマ処理することにより酸化亜鉛粒子を露出させた後に、株式会社日立ハイテクノロジーズ製の走査型電子顕微鏡(型番S−4800)を用いて10,000倍に拡大して表面観察することにより行った。得られた形態画像を、画像処理ソフトを用いて二値化処理し、酸化亜鉛粒子のアウトラインを引いた。そして、面積値によって、全ての酸化亜鉛粒子のうち、直径が0.4μm以下の粒子の割合を算出した。
全ての酸化亜鉛粒子のうち、直径が0.4μm以下の粒子の割合が90質量%以上である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が非常に良好と評価し、表1で「○」印を示した。また、全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合が80質量%以上90質量%未満である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が良好と評価し、表1で「△」印を示した。さらに、全ての酸化亜鉛粒子のうち直径が0.4μm以下の粒子の割合が80質量%未満である場合は、酸化亜鉛粒子の存在状態が不良と評価し、表1で「×」印を示した。
包装材用シーラントフィルムの透明性は、JIS K7136に規定されているヘイズ値の測定方法に従って、株式会社村上色彩技術研究所製のヘイズメーター(型番HM−150)を用いて測定したヘイズ値によって評価した。
測定されたヘイズ値が15%以下であった場合は、透明性が非常に良好と評価し、表1で「○」印を示した。また、ヘイズ値が15%超過20%以下であった場合は、透明性が良好と評価し、表1で「△」印を示した。さらに、ヘイズ値が20%超過であった場合は、透明性が不十分と評価し、表1で「×」印を示した。
包装材用シーラントフィルムのUV遮蔽率は、株式会社島津製作所製の分光光度計(型番UV−2450)を用いて評価した。
実施例及び比較例の包装材用シーラントフィルムを幅50mm、長さ100mmの長方形状に切出した。切出した包装材用シーラントフィルムを分光光度計に撓みがないように固定して、800nm〜200nmの測定波長領域でUV透過率の測定を行った。そして、400nm〜200nmの領域でのUV透過率(%)を100(%)から差し引くことにより、UV遮蔽率(%)に変換した。
得られたUV遮蔽率が80%以上であった場合は、UV遮蔽率が非常に良好と評価し、表1で「○」印に示した。また、UV遮蔽率が60%以上80%未満であった場合は、UV遮蔽率が良好と評価し、表1で「△」印に示した。さらに、UV遮蔽率が60%未満であった場合は、UV遮蔽率が不良と評価し、表1で「×」印に示した。
上記の各評価の結果、以下の5つ全てを満たす包装材用シーラントフィルムを、特性が総合的に非常に優れていると評価し、表1で「○」印に示した。すなわち、フィルム成形性が「○」印であること、ヒートシール性が「△」又は「○」印であること、酸化亜鉛粒子の存在状態が「△」又は「○」印であること、透明性が「△」又は「○」印であること、UV遮蔽率が「△」又は「○」印であることである。
ただし、5つの評価項目のうち2つ以上に「△」があった場合、本発明の効果が得られ、特性が総合的に優れているが、特性が若干劣ると評価して、表1で「△」印に示した。また、これら5つの評価項目のうち1つでも「×」であった場合は、特性が総合的に不良であると評価し、表1で「×」印に示した。
各実施例、各比較例について上述の評価試験を実施した結果を、表1〜表7に示す。なお、表2〜7は、表1の評価結果を比較しやすいように一部の結果を抜き出して示したものである。すなわち、表2はポリエチレンとEMMAの混合比を変化させたものを示している。表3はポリエチレンとEVAの混合比を変化させたものを示している。表4はEVAの酸含有率を変化させたものを示している。表5は酸化亜鉛粒子のサイズを変化させたものを示している。表6はLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)の密度を変化させたものを示している。図7は、LLDPEとLDPE(低密度ポリエチレンの混合比を変化させたものを示している。
2 ・・・フィルム表面
3 ・・・フィルム裏面
4、5 ・・・紫外線遮蔽層
6 ・・・包装材
7 ・・・基材
8 ・・・機能層
10 ・・・包装体
11 ・・・スタンディングパウチ
12 ・・・パウチ表面
13 ・・・パウチ裏面
16 ・・・注出ノズル
17 ・・・開封用切目線
18 ・・・開封つまみ
19 ・・・ハーフカット線
20 ・・・底テープ
21 ・・・折り曲げ部稜線
22 ・・・サイドシール部
23 ・・・ボトムシール部
24 ・・・注出ノズルシール部
25 ・・・注出ノズル先端シール部
26 ・・・エンボス加工部
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂とその熱可塑性樹脂に配合した無機系の紫外線遮光剤とを有する紫外線遮蔽層を1層若しくは2層以上有し、
上記熱可塑性樹脂は、極性が無いあるいは極性が小さい非極性樹脂と、上記非極性樹脂よりも極性が大きい極性樹脂との混合からなることを特徴とする紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム。 - 上記極性樹脂がエステル骨格を有し、
上記熱可塑性樹脂は、上記非極性樹脂と上記極性樹脂が、9:1〜7:3の質量比で混合されていることを特徴とする請求項1に記載した紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム。 - 上記紫外線遮光剤として、酸化亜鉛粒子が含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム。
- 上記極性樹脂の酸含有率が10%以上40%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム。
- 上記紫外線遮光剤は酸化亜鉛粒子であり、その酸化亜鉛粒子の80質量%以上が、粒子径0.4μm以下の粒子からなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルム。
- 基材上に、請求項1から5のいずれか1項に記載の紫外線遮蔽包装材用シーラントフィルムが積層された包装材。
- 請求項6に記載の包装材を有する包装体。
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