JP7268304B2 - Icチップ付き包装体 - Google Patents
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Description
ICタグは、一般に、個々の物品に対して、該物品自体、又は該物品を包装した後の包装体の表面に貼付したり、括り付けたりすることによって、取り付けられる。
[1]少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層された包装材料を備えた包装体であって、前記インレットは、インレット基材層、前記インレット基材層上に設けられたICチップ、及び前記ICチップに接続されたアンテナパターンを有し、前記包装体はヒートシール部を有し、前記インレット基材層が、前記ヒートシール部の領域の内外にわたって配置され、前記ICチップ及び前記アンテナパターンが、前記ヒートシール部の領域外に配置されている、ICチップ付き包装体。
[2]前記包装体がパウチである、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[3]前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記パウチの開封後に該パウチに残存する位置に配置されている、上記[2]に記載のICチップ付き包装体。
[4]前記包装体が、注出口部及び前記注出口部から拡径する筒状の肩部が一体化した頭部と、前記肩部が連設された筒状の胴部とを有するチューブ容器であり、前記胴部を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[5]前記包装体が、ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器であり、前記紙容器を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層され、前記第1基材層が紙基材層であり、前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記紙容器の側周面の罫線に達しない位置に配置される、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[6]前記包装体が、筒状の胴部と、前記胴部の開口部の一端に設けられた底部とを有する紙カップであり、前記第1基材層が紙基材層である、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[7]前記包装体が、開口部にフランジを有する容器本体と、前記フランジとヒートシールされて前記容器本体を閉封する蓋体とを有する蓋付き容器であって、前記蓋体を構成する包装材料が、少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
したがって、本発明によれば、包装体に対してICタグの後付けではなく、予めインレットが内蔵されたICチップ付き包装体を提供することができる。
また、前記ICチップ付き包装体は、インレット3が内蔵されていることにより、ICタグを後付けする手間を省くことができ、ICタグの脱落や不正に付け替えられる等による被包装物の物品情報の改ざん行為を抑制することもできる。
また、包装材料1の積層構成において、インレット3が第1基材層2よりも内側に設けられていることにより、ICタグを後付けする場合に比べて、インレット3がデザイン及び外形に及ぼす影響が抑制され、包装体の外観における意匠性の点でも優れている。
インレット3は、インレット基材層5上に、ICチップ6及びこれに接続されたアンテナパターン7を有するものである。インレット基材層5、ICチップ6及びアンテナパターン7のそれぞれの形状や大きさ等の形態は特に限定されるものではなく、また、インレット3は、公知の方法で形成することができる。
ICチップ6は、例えば、100~500μm四方、厚み20~100μmの超小型方形であり、アンテナパターン7に超音波接合される。
アンテナパターン7は、例えば、全体の外形が、縦及び横の長さ1~50mm、厚み5~100μmの矩形状の回路であり、インレット基材層5上に、アルミニウムや銅等からなる導電性箔を打ち抜き転写したり、導電性インキをスクリーン印刷したりすることにより形成することができる。あるいはまた、インレット基材層5上に積層されたアルミニウムや銅等からなる導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングすることにより形成することもできる。
インレット基材層5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド等のプラスチックフィルムからなる。また、印刷用紙又は紙基材であってもよい。本発明においては、ヒートシール部の領域には、ICチップ6及びアンテナパターン7が含まれることなく、インレット基材層5のみが含まれるように、すなわち、図1に示す領域Xが確保されるように、インレット3が形成される。
図2に、ヒートシール部が異なる態様である包装材料を示す。例えば、図2に示すように、ヒートシール部の領域Xが、ICチップ6及びアンテナパターン7に対して両側にあってもよい。また、ヒートシール部の領域外YにICチップ6及びアンテナパターン7が配置され、かつ、ヒートシール部の領域Xの内外にわたってインレット基材層5が配置される限り、ヒートシール部の領域Xは、1か所であっても、2か所以上であってもよく、また、ヒートシール部の領域外Yを連続的又は不連続的に囲むように形成されていてもよい。インレット基材層5の面積に対して、ヒートシール部の領域Xの合計面積が広いほど、包装体に対して、インレット3をより確実に固定することができる。
包装材料1は、インレット3が配置される部分のみ厚みが大きくなるため、インレット3が占める領域面積が小さいと、包装体の表面又は裏面でインレット3が配置された部分とその周囲とでの著しい段差(凹凸)が生じる場合がある。このような段差があると、包装体の製造過程において包装材料1を巻き取ったり、複数枚重ね置きしたりする際に、ずれが生じたり、また、ICチップ6が位置する出っ張り部分において、包装材料1に傷が付いたり、ICチップ6がダメージを受けたりしやすくなる。
インレット基材層5が、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4と略同幅であれば、インレット3によるこのような段差が緩和されるため好ましい。第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4の幅W1に対するインレット基材層5の幅W2の比(W2/W1)は0.90以上1.00以下であることが好ましく、より好ましくは0.92以上1.00未満、さらに好ましくは0.95以上0.99以下である。
インレット基材層5が、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4と略同サイズであり、包装材料1の略全面にわたるものであってもよい。この場合、包装体の外観の意匠性の観点から、インレット基材層5の幅(サイズ)は、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4の幅(サイズ)よりもやや小さくし、インレット3が包装体の外から見えないようにすることが好ましい。例えば、W2/W1が1.00未満であることが好ましく、より好ましくは0.99以下である。
前記包装体は、少なくとも一部に、上述した積層構成を有する包装材料1を備えたものであり、その形態は特に限定されるものではない。例えば、パウチ(包装袋)等の軟包装、プラスチック成形体、紙容器等の紙器等が挙げられる。前記包装体は、その最終製品に限らず、中間製品であってもよい。
前記軟包装の具体例としては、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のパウチ、蓋付き容器等が挙げられる。これらは、第1基材層2がプラスチックフィルム基材層で構成される。ただし、柔軟性のある薄い紙が中間基材等として用いられる場合もある。
前記プラスチック成形体の具体例としては、ラミネートチューブ等のチューブ容器等が挙げられる。
前記紙器の具体例としては、紙容器、紙カップ等が挙げられる。これらのうち、紙容器は、液体を収容する液体紙容器であってもよい。これらは、第1基材層2が紙基材層で構成される。
以下、これらの各種包装体について説明する。
図3に、パウチの一例を示す。図3に示すパウチは、スタンディングパウチの一例である。スタンディングパウチ10は、2枚の積層シートからなる胴部11、及び底部12が、ヒートシール部13a,13bで接合されて構成されている。
なお、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる(以下、同様。)。
スタンディングパウチ10は、胴部11を構成する包装材料(積層シート)1の最内層がシーラント層の第1熱可塑性樹脂層4である。また、包装材料1の第1基材層2がプラスチックフィルム基材層である。
スタンディングパウチ10は、化成品、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の包装に用いられ、液体の被包装物にも適用される。例えば、貼付剤の外袋や、液体洗剤、液体柔軟剤、液体石鹸等の詰替え容器等として使用される。
(A1)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/インレット/シーラント層
(A2)プラスチックフィルム基材層/ガスバリア層/絵柄印刷層/インレット/シーラント層
(A3)プラスチックフィルム基材層/ガスバリア層/絵柄印刷層/中間基材層/インレット/シーラント層
(A4)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/ガスバリア層/インレット/シーラント層
(A5)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/ガスバリア層/中間基材層/インレット/シーラント層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。
以下、各構成層の詳細について説明する。
第1基材層2であるプラスチックフィルム基材層は、前記パウチの主基材である。前記プラスチック基材層の内側にインレット3が形成されることにより、インレット3のICチップ6及びアンテナパターン7が外部と遮蔽されて保護される。前記プラスチックフィルム基材層の内側には、任意の層として絵柄印刷層を形成してもよい。この場合は、前記絵柄印刷層が外側から見えるように、前記プラスチックフィルム基材層は、光透過性を有するプラスチックフィルムで構成される。
前記プラスチックフィルムの材質の具体例としては、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐熱性や強度等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。前記プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、前記プラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいはまた、溶融押出しコーティング法で形成したものであってもよい。また、前記プラスチックフィルム基材層は、これら樹脂から選ばれる1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
なお、本明細書における包装体の各構成層の厚みは、該包装体を紙面に対して垂直方向に切断した断面の写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として求められた値である。
シーラント層は、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護するものである。また、インレット3と被包装物との接触を防止する役割も果たす。被包装物が液体を含む場合には、該液体が浸透しないような材質であることが好ましい。また、ヒートシール部を形成させるため、前記シーラント層の最内層が、ヒートシール性を有する第1熱可塑性樹脂層4で構成される。
前記PP系樹脂は、目的に応じて使い分けることが好ましい。具体的には、冷凍食品用等の耐寒性能を重視する場合には、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましい。また、透明性の観点からは、エチレン-プロピレンランダム共重合体が好ましく、耐熱性の観点からは、プロピレン単独重合体が好ましい。また、自動蒸通機構を備えた容器の場合、高温時にシール強度の低下により蒸気抜けをさせやすくする観点から、エチレン-プロピレンブロック共重合体が好ましい。
絵柄印刷層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン、ベタ印刷等を含む広い概念であり、必要に応じて任意に設けられる層である。前記絵柄印刷層は、前記プラスチックフィルム基材層の内側に配置されるインレット3を隠蔽して、該パウチの外観の意匠性を妨げないようにする役割も果たす。
前記絵柄印刷層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。また、前記絵柄印刷層は、前記プラスチックフィルム基材層に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。前記絵柄印刷層は、例えば、プロセスカラーによる単色又は多色印刷により形成することができ、また、それ以外の特色印刷等によって形成することもできる。
前記絵柄印刷層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8μm、より好ましくは0.7~5μmである。
中間基材層は、前記パウチの強度や加工適性の向上を目的として、また、風合いの変化等の意匠性の観点から、あるいはまた、他の層を形成するための基材として、必要に応じて任意に設けられる層である。
前記中間基材層の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルムや紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、上記プラスチックフィルム基材層の説明において例示したものと同様のものを用いることができる。また、紙は、賦形性や耐屈曲性、剛性等を付与することもでき、例えば、高サイズ性の晒又は未晒のクラフト紙、純白ロール紙、板紙、その他の種々の加工紙等が挙げられる。前記紙は、通常、坪量が50~600g/m2程度のものが好ましく、より好ましくは60~500g/m2、さらに好ましくは70~450g/m2である。また、意匠性の観点からは、坪量150g/m2未満のものも好適に用いられる。
ガスバリア層は、前記プラスチックフィルム基材層と前記シーラント層との間のいずれかに、必要に応じて任意に設けられる層である。前記ガスバリア層は、前記パウチの外側と内側とで、酸素や水蒸気等の透過を遮断し得るものである。また、前記ガスバリア層は、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性を付与するものとしてもよい。前記ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。前記ガスバリア層が前記絵柄印刷層の外側に形成される場合には、該ガスバリア層は、前記絵柄印刷層が外側から見えるように、光透過性を有する材料で構成される。
前記ガスバリア層を形成する表面は、該ガスバリア層の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。前記表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
ガスバリア性の向上の観点から、前記蒸着膜の表面に前記塗布膜が形成されることも好ましい。
前記蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
前記蒸着膜の膜厚は、形成材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5~200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~150nm、さらに好ましくは10~100nmである。例えば、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物の場合は、5~100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5~50nm、さらに好ましくは10~30nmである。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段を用いた方法等が挙げられる。1回又は複数回の塗布で、乾燥膜厚が0.01~30μm程度の塗布膜が形成されることが好ましく、前記乾燥膜厚は、より好ましくは0.05~20μm、さらに好ましくは0.1~10μmである。
前記パウチの各構成層は、層間の接合強度の向上の観点から、接着剤で接合して積層されていてもよい。すなわち、各層の間に接着剤層が介在していてもよい。前記接着剤としては、公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。ICチップ6及びアンテナパターン7への影響を考慮する場合には、無溶剤(ノンソルベント)タイプを適用することが好ましい。
前記ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化反応型)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン-ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
図4に、チューブ容器の一例を示す。図4に示すチューブ容器は、ラミネートチューブの一例である。ラミネートチューブ20は、注出口部22及び注出口部22から拡径する筒状の肩部23が一体化した頭部21と、肩部23が連設された筒状の胴部24とを備えている。胴部24を構成する包装材料は、例えば、図5に示すように、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層8、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層された包装材料(積層シート)100により構成される。すなわち、包装材料100は、図1又は2に示す包装材料1の第1基材層2の外側に第2熱可塑性樹脂層8が形成されているものである。胴部24を構成する包装材料100においては、第1基材層2は、プラスチックフィルム基材層である。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部25aの領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部25aの領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
注出口部22は、その形状に応じて、キャップを螺合や嵌合等することにより閉じられる。
チューブ容器20は、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練り辛子、練りわさび、クリーム、絵の具、軟骨、医薬品等の流動性を有する物品の容器として使用される。
また、チューブ容器20を構成する包装材料(積層シート)の積層構成は、パウチ10の包装材料のインレット3の形成部分以外と同様の積層構成とすることができる。
図6に、紙容器の一例を示す。図6に示す紙容器は、ゲーブルトップ型の紙容器の一例である。紙容器30は、四角形の底部(底面)31から立設される四角筒状の胴部32と、切妻屋根型の頭部33からなり、胴部32のヒートシール部34a、頭部33のヒートシール部34b及び底部31でヒートシールされて密閉されている、いわゆる牛乳パック型である。なお、頭部33に注出口を形成して、該注出口をキャップで閉じように構成されていてもよい。紙容器30を構成する包装材料は、例えば、図5に示すように、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層8、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層された包装材料100により構成される。すなわち、包装材料100は、図1又は2に示す包装材料1の第1基材層2の外側に第2熱可塑性樹脂層8が形成されているものである。紙容器30を構成する包装材料100において、第1基材層2は紙基材層である。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、折り曲げられてダメージを受けることを防止するため、紙容器30の胴部32の罫線(折曲げ線)35に達しない位置に配置される。ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部25aの領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部25aの領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器は、菓子、スープ、カレー、シチュー等の食品容器、また、日本酒や焼酎、ワイン等のアルコール類、牛乳等の乳飲料、ジュースやお茶等の清涼飲料、カーワックスやシャンプー、洗剤等の詰換え用液剤等の液体紙容器として用いられる。
(B1)絵柄印刷層/第2熱可塑性樹脂層/接着剤層/紙基材層/接着剤層/インレット/第1熱可塑性樹脂層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。例えば、前記絵柄印刷層の外側にトップコート層が形成されていてもよい。また、例えば、インレットと第1熱可塑性樹脂層との間にガスバリア層が形成されていてもよい。
以下、各構成層の詳細について説明する。
第1基材層2である紙基材層は、包装目的に応じた所望の賦形性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する紙によるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。一般紙器の場合には、加工性等の観点から、板紙が多く用いられる。板紙の種類としては、例えば、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙等の紙器用板紙として通常用いられるものが挙げられる。これらの中でも、マニラボール紙やコートボール紙等の白板紙が多用される。
トップコート層は、紙基材層に対して全面に形成されていても、一部に形成されていてもよい。前記トップコート層は、光透過性を有するものであり、前記絵柄印刷層の表面の傷や汚れを防止する表面保護、また、前記絵柄印刷層による装飾に光沢感あるいはマット感を付与し、高級感を高める等の観点から形成される。
前記トップコート層は、公知のトップコート剤(オーバーコート剤)により形成することができる。前記トップコート剤としては、例えば、光沢感を付与するOPニス(グロスニス)、艶消しのためのマットOPニス等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
前記トップコート層の厚みは、0.2~10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5~8.0μm、さらに好ましくは0.7~5.0μmである。
前記紙容器の絵柄印刷層、ガスバリア層及び接着剤層等の各構成層は、前記パウチの場合と同様に構成することができる。
図7に、紙カップの一例を示す。図7に示す紙カップは、2層構造の紙カップの一例である。紙カップ40は、筒状の胴部41と、胴部41の開口部の一端に設けられた底部42とを有している。胴部41の上部(他端の開口部)は、外側に丸められたフランジが形成されている。胴部41は、紙製の外筒(スリーブ)43が外嵌された2層構造である。このように胴部41と外筒43との間に空隙を有するように形成された2層構造の紙カップ40は、断熱性容器として、また、保温又は保冷用途に好適に使用される。
なお、本発明の紙カップは、特に、このような構造に限定されるものではなく、胴部が紙カップ本体のみからなる1層構造のものであってもよい。
なお、底部42も、包装材料1から切り出された円形状の底部ブランクの外周縁を折り曲げ加工し、胴部41と組み合わせてヒートシールにより接合されるが、ICチップ6及びアンテナパターン7は、前記折り曲げ加工が施される付近に配置されると、折り曲げや圧力によるダメージを受けるおそれがあることから、胴部41のヒートシール部44以外の領域に配置されることが好ましい。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部44の領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部44の領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
(B2)絵柄印刷層/接着剤層/紙基材層/接着剤層/インレット/第1熱可塑性樹脂層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。例えば、前記(B1)のように第2熱可塑性樹脂層を有する積層構成であってもよい。また、前記絵柄印刷層の外側にトップコート層が形成されていてもよい。また、例えば、インレットと第1熱可塑性樹脂層との間にガスバリア層が形成されていてもよい。
前記紙カップの包装材料の各構成層は、前記紙容器の場合と同様に構成することができる。
図8に、蓋付き容器の一例を示す。図8に示す蓋付き容器50は、開口部にフランジ52を有する容器本体51と、フランジ52とヒートシールされて容器本体51を閉封する蓋体53とを有している。
PPとしては、例えば、高結晶性のプロピレン単独重合体、また、プロピレンと、エチレン、ブテン-1、ペンテン-1、3-メチルブテン-1、4-メチルペンテン-1等のα-オレフィンとのランダム共重合体等が挙げられる。これらの中でも、高結晶性のプロピレン単独重合体が好ましい。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部55の領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部45の領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
イージーピール性を有する第1熱可塑性樹脂層は、2種以上の樹脂を用いて、容器本体51との密着性が良好である第1の樹脂と、容器本体51との密着性が良好ではなく、前記第1の樹脂と非相溶である第2の樹脂との混合物により形成することができる。前記樹脂の種類は、容器本体51の材質にもよるが、例えば、容器本体51の蓋体53との接合面がPPである場合、前記第1の樹脂としてPP、及び前記第2の樹脂として、PE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる1種以上の混合物により、前記シーラント層のヒートシール部55を形成することにより、イージーピール性を付与することができる。
イージーピール性を有する前記シーラント層は、1層で構成されていても、少なくとも最内層の第1熱可塑性樹脂層がイージーピール性を有している2層以上で構成されていてもよい。蓋体53のシーラント層は、開封しやすさを考慮すると、厚みが15~80μmであることが好ましく、より好ましくは20~60μmである。
2 第1基材層
3 インレット
4 第1熱可塑性樹脂層
5 インレット基材層
6 ICチップ
7 アンテナパターン
8 第2熱可塑性樹脂層
10 スタンディングパウチ
11 胴部
12 底部
13a,13b,25a,25b,34a,34b,44,55 ヒートシール部
14 切欠き部
20 ラミネートチューブ
21 頭部
22 注出口部
23 肩部
24 胴部
30 紙容器
31 底部
32 胴部
33 頭部
35 罫線
40 紙カップ
41 容器本体
42 底部
43 外筒
50 蓋付き容器
51 容器本体
52 フランジ
53 蓋体
54 摘持部
Claims (7)
- 少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層された包装材料を備えた包装体であって、
前記インレットは、インレット基材層、前記インレット基材層上に設けられたICチップ、及び前記ICチップに接続されたアンテナパターンを有し、
前記包装体は、前記包装材料における前記第1熱可塑性樹脂層により、前記インレット基材層が領域の内外にわたって配置され、かつ、前記ICチップ及び前記アンテナパターンが領域外に配置されるヒートシール部を有し、
前記第1熱可塑性樹脂層が、前記第1基材層側の全面にわたって配置されており、
前記第1基材層及び前記第1熱可塑性樹脂層の幅W1に対する前記インレット基材層の幅W2の比(W2/W1)が、0.90以上1.00以下である、ICチップ付き包装体。 - 前記包装体がパウチである、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
- 前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記パウチの開封後に該パウチに残存する位置に配置されている、請求項2に記載のICチップ付き包装体。
- 前記包装体が、注出口部及び前記注出口部から拡径する筒状の肩部が一体化した頭部と、前記肩部が連設された筒状の胴部とを有するチューブ容器であり、
前記胴部を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、請求項1に記載のICチップ付き包装体。 - 前記包装体が、ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器であり、
前記紙容器を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層され、前記第1基材層が紙基材層であり、
前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記紙容器の側周面の罫線に達しない位置に配置される、請求項1に記載のICチップ付き包装体。 - 前記包装体が、筒状の胴部と、前記胴部の開口部の一端に設けられた底部とを有する紙カップであり、
前記第1基材層が紙基材層である、請求項1に記載のICチップ付き包装体。 - 前記包装体が、開口部にフランジを有する容器本体と、前記フランジとヒートシールされて前記容器本体を閉封する蓋体とを有する蓋付き容器であって、
前記蓋体を構成する包装材料が、少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
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