JP2020033041A - Icチップ付き包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ICチップ及びこれに接続されたアンテナパターンが、ヒートシールされることなく、かつ、各種包装体に確実に固定されたICチップ付き包装体を提供する。【解決手段】少なくとも、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層された包装材料1を備えた包装体であって、インレット3は、インレット基材層5、インレット基材層5上に設けられたICチップ6、及びICチップ6に接続されたアンテナパターン7を有し、前記包装体はヒートシール部を有し、インレット基材層5が、前記ヒートシール部の領域の内外にわたって配置され、ICチップ6及びアンテナパターン7が、前記ヒートシール部の領域外に配置されている、ICチップ付き包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、ICチップのインレットを備えたICチップ付き包装体に関する。
近年、ICチップのインレットの高性能化及び小型化に関する技術開発が進んでいる。このインレットを利用したICタグ(「RFIDタグ」、「電子タグ」、「非接触タグ」等と呼ばれる場合もある。)は、小売店で販売される商品やその流通過程において、商品に関する様々な情報データを無線電波により非接触で読み書き可能であるという利便性から、トレーサビリティや商品の効率的な管理等の目的で、種々の業種や分野で普及しつつある。
ICタグは、一般に、個々の物品に対して、該物品自体、又は該物品を包装した後の包装体の表面に貼付したり、括り付けたりすることによって、取り付けられる。
これに対して、特許文献1に、インレットを所定の物品に一体的に付随させ、物品の物性等に関わりなく、該インレットの所定の機能を常に発揮させるべく、インレットを包装袋のヒートシール部に埋め込むことが提案されている。
特開2006−27711号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているような包装袋は、ヒートシール部にインレットを埋め込む際、インレットのICチップ及びこれに接続されたアンテナパターンに対してもヒートシールが施されることとなり、ICチップ及びアンテナパターンが圧着時に熱及び圧力によるダメージを受けるおそれがある。また、特許文献1では、ヒートシール部に区分シール部を設け、2つに分けたヒートシール部の間のスペースにインレットを配設してヒートシール部に埋め込むことも提案されているが、このような場合であっても、ヒートシール部の位置合わせ等、ヒートシールの工程作業が煩わしく、また、前記スペースには、インレットが移動可能な余裕があり、所定の位置に確実に固定されない場合もある。
このように、インレットがヒートシール部に埋め込まれる態様では、ICチップがヒートシールによってダメージを受けることなく、該インレットを包装袋に確実に固定することは難しい。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ICチップ及びこれに接続されたアンテナパターンが、ヒートシールされることなく、かつ、各種包装体に確実に固定されたICチップ付き包装体を提供することを目的とする。
本発明のICチップ付き包装体は、ICチップ及びこれに接続されたアンテナパターンがヒートシールされることを確実に回避すべく、ヒートシール部を有する包装体において、インレットを所定の配置で取り付けることとしたものである。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1]少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層された包装材料を備えた包装体であって、前記インレットは、インレット基材層、前記インレット基材層上に設けられたICチップ、及び前記ICチップに接続されたアンテナパターンを有し、前記包装体はヒートシール部を有し、前記インレット基材層が、前記ヒートシール部の領域の内外にわたって配置され、前記ICチップ及び前記アンテナパターンが、前記ヒートシール部の領域外に配置されている、ICチップ付き包装体。
[2]前記包装体がパウチである、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[3]前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記パウチの開封後に該パウチに残存する位置に配置されている、上記[2]に記載のICチップ付き包装体。
[4]前記包装体が、注出口部及び前記注出口部から拡径する筒状の肩部が一体化した頭部と、前記肩部が連設された筒状の胴部とを有するチューブ容器であり、前記胴部を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[5]前記包装体が、ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器であり、前記紙容器を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層され、前記第1基材層が紙基材層であり、前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記紙容器の側周面の罫線に達しない位置に配置される、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[6]前記包装体が、筒状の胴部と、前記胴部の開口部の一端に設けられた底部とを有する紙カップであり、前記第1基材層が紙基材層である、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
[7]前記包装体が、開口部にフランジを有する容器本体と、前記フランジとヒートシールされて前記容器本体を閉封する蓋体とを有する蓋付き容器であって、前記蓋体を構成する包装材料が、少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、上記[1]に記載のICチップ付き包装体。
本発明によれば、ICチップ及びこれに接続されたアンテナパターンが、ヒートシールされることなく、かつ、各種包装体に確実に固定されたICチップ付き包装体を提供することができる。
したがって、本発明によれば、包装体に対してICタグの後付けではなく、予めインレットが内蔵されたICチップ付き包装体を提供することができる。
本発明の包装体を構成する包装材料のインレット周辺の積層構成の一態様を説明するための概略断面図である。 本発明の包装体を構成する包装材料のインレット周辺の積層構成の他の態様を説明するための概略断面図である。 パウチの一例を示す斜視図である。 チューブ容器の一例を示す正面図である。 本発明の包装体を構成する包装材料のインレット周辺の積層構成の他の態様を説明するための概略断面図である。 紙容器の一例を示す斜視図である。 紙カップの一例を示す一部切り欠き斜視断面図である。 蓋付き容器の一例を示す斜視図である。
以下、本発明のICチップ付き包装体を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA〜BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
図1に、本発明のICチップ付き包装体を構成する包装材料1の積層構成の概略を示す。包装材料1は、少なくとも、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層されているものである。インレット3は、インレット基材層5、インレット基材層5上に設けられたICチップ6、及びICチップ6に接続されたアンテナパターン7を有している。そして、本発明のICチップ付き包装体は、ヒートシール部を有しており、インレット基材層5が、前記ヒートシール部の領域Xの内外にわたって配置され、ICチップ6及びアンテナパターン7が、前記ヒートシール部の領域外Yに配置されている。
このように、本発明のICチップ付き包装体は、これを構成する包装材料1において、インレット3のうち、ICチップ6及びアンテナパターン7にはヒートシールが施されず、インレット基材層5のみがヒートシールを施されて、インレット3が固定されている。これにより、ICチップ6及びアンテナパターン7は、ヒートシールでの圧着時の熱及び圧力によるダメージを受けることが防止され、かつ、包装体にICチップ6を確実に固定することができる。
また、前記ICチップ付き包装体は、インレット3が内蔵されていることにより、ICタグを後付けする手間を省くことができ、ICタグの脱落や不正に付け替えられる等による被包装物の物品情報の改ざん行為を抑制することもできる。
また、包装材料1の積層構成において、インレット3が第1基材層2よりも内側に設けられていることにより、ICタグを後付けする場合に比べて、インレット3がデザイン及び外形に及ぼす影響が抑制され、包装体の外観における意匠性の点でも優れている。
[インレット]
インレット3は、インレット基材層5上に、ICチップ6及びこれに接続されたアンテナパターン7を有するものである。インレット基材層5、ICチップ6及びアンテナパターン7のそれぞれの形状や大きさ等の形態は特に限定されるものではなく、また、インレット3は、公知の方法で形成することができる。
ICチップ6は、例えば、100〜500μm四方、厚み20〜100μmの超小型方形であり、アンテナパターン7に超音波接合される。
アンテナパターン7は、例えば、全体の外形が、縦及び横の長さ1〜50mm、厚み5〜100μmの矩形状の回路であり、インレット基材層5上に、アルミニウムや銅等からなる導電性箔を打ち抜き転写したり、導電性インキをスクリーン印刷したりすることにより形成することができる。あるいはまた、インレット基材層5上に積層されたアルミニウムや銅等からなる導電性箔にエッチングを施して所望の形状にパターニングすることにより形成することもできる。
インレット基材層5は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド等のプラスチックフィルムからなる。また、印刷用紙又は紙基材であってもよい。本発明においては、ヒートシール部の領域には、ICチップ6及びアンテナパターン7が含まれることなく、インレット基材層5のみが含まれるように、すなわち、図1に示す領域Xが確保されるように、インレット3が形成される。
なお、包装材料1は、図1に示すように、ヒートシール部の領域Xが、ICチップ6及びアンテナパターン7の一方の端部である場合に限られない。
図2に、ヒートシール部が異なる態様である包装材料を示す。例えば、図2に示すように、ヒートシール部の領域Xが、ICチップ6及びアンテナパターン7に対して両側にあってもよい。また、ヒートシール部の領域外YにICチップ6及びアンテナパターン7が配置され、かつ、ヒートシール部の領域Xの内外にわたってインレット基材層5が配置される限り、ヒートシール部の領域Xは、1か所であっても、2か所以上であってもよく、また、ヒートシール部の領域外Yを連続的又は不連続的に囲むように形成されていてもよい。インレット基材層5の面積に対して、ヒートシール部の領域Xの合計面積が広いほど、包装体に対して、インレット3をより確実に固定することができる。
また、図2に示すように、包装体を構成する包装材料1の両端に、ヒートシール部の領域Xがある場合、インレット基材層5は、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4と略同等の幅であることが好ましい。
包装材料1は、インレット3が配置される部分のみ厚みが大きくなるため、インレット3が占める領域面積が小さいと、包装体の表面又は裏面でインレット3が配置された部分とその周囲とでの著しい段差(凹凸)が生じる場合がある。このような段差があると、包装体の製造過程において包装材料1を巻き取ったり、複数枚重ね置きしたりする際に、ずれが生じたり、また、ICチップ6が位置する出っ張り部分において、包装材料1に傷が付いたり、ICチップ6がダメージを受けたりしやすくなる。
インレット基材層5が、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4と略同幅であれば、インレット3によるこのような段差が緩和されるため好ましい。第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4の幅Wに対するインレット基材層5の幅Wの比(W2/W1)は0.90以上1.00以下であることが好ましく、より好ましくは0.92以上1.00未満、さらに好ましくは0.95以上0.99以下である。
インレット基材層5が、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4と略同サイズであり、包装材料1の略全面にわたるものであってもよい。この場合、包装体の外観の意匠性の観点から、インレット基材層5の幅(サイズ)は、第1基材層2及び第1熱可塑性樹脂層4の幅(サイズ)よりもやや小さくし、インレット3が包装体の外から見えないようにすることが好ましい。例えば、W2/W1が1.00未満であることが好ましく、より好ましくは0.99以下である。
[包装体]
前記包装体は、少なくとも一部に、上述した積層構成を有する包装材料1を備えたものであり、その形態は特に限定されるものではない。例えば、パウチ(包装袋)等の軟包装、プラスチック成形体、紙容器等の紙器等が挙げられる。前記包装体は、その最終製品に限らず、中間製品であってもよい。
前記軟包装の具体例としては、スタンディングパウチ型、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のパウチ、蓋付き容器等が挙げられる。これらは、第1基材層2がプラスチックフィルム基材層で構成される。ただし、柔軟性のある薄い紙が中間基材等として用いられる場合もある。
前記プラスチック成形体の具体例としては、ラミネートチューブ等のチューブ容器等が挙げられる。
前記紙器の具体例としては、紙容器、紙カップ等が挙げられる。これらのうち、紙容器は、液体を収容する液体紙容器であってもよい。これらは、第1基材層2が紙基材層で構成される。
以下、これらの各種包装体について説明する。
(パウチ)
図3に、パウチの一例を示す。図3に示すパウチは、スタンディングパウチの一例である。スタンディングパウチ10は、2枚の積層シートからなる胴部11、及び底部12が、ヒートシール部13a,13bで接合されて構成されている。
なお、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる(以下、同様。)。
スタンディングパウチ10は、胴部11を構成する包装材料(積層シート)1の最内層がシーラント層の第1熱可塑性樹脂層4である。また、包装材料1の第1基材層2がプラスチックフィルム基材層である。
スタンディングパウチ10は、切欠き部14から横方向に切って、切取り線Cの上部のヒートシール部13bを含む部分を除去して開封することができる。通常、ヒートシール部13bは、開封時に廃棄される。開封後もスタンディングパウチ10内に残った食品等の物品(被包装物)を保管する場合には、残存した被包装物に対するICチップ6の記録情報の一体付随性を保持するため、ICチップ6及びアンテナパターン7は、開封後も残存し得る位置、すなわち、切取り線Cよりも下部、例えば、領域Pのヒートシール部13aの領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部13aの領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
スタンディングパウチ10は、化成品、医薬品、医薬部外品、化粧品、食品等の包装に用いられ、液体の被包装物にも適用される。例えば、貼付剤の外袋や、液体洗剤、液体柔軟剤、液体石鹸等の詰替え容器等として使用される。
スタンディングパウチ10の胴部11を構成する包装材料1の積層構成としては、外側から順に、下記(A1)〜(A5)の積層構成を例示することができる。ただし、積層構成は、本明細書の例示に限定されるものではない(以下、同様。)。なお、「/」は各層の境界を意味する(以下、同様。)。
(A1)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/インレット/シーラント層
(A2)プラスチックフィルム基材層/ガスバリア層/絵柄印刷層/インレット/シーラント層
(A3)プラスチックフィルム基材層/ガスバリア層/絵柄印刷層/中間基材層/インレット/シーラント層
(A4)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/ガスバリア層/インレット/シーラント層
(A5)プラスチックフィルム基材層/絵柄印刷層/ガスバリア層/中間基材層/インレット/シーラント層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。
以下、各構成層の詳細について説明する。
<プラスチックフィルム基材層>
第1基材層2であるプラスチックフィルム基材層は、前記パウチの主基材である。前記プラスチック基材層の内側にインレット3が形成されることにより、インレット3のICチップ6及びアンテナパターン7が外部と遮蔽されて保護される。前記プラスチックフィルム基材層の内側には、任意の層として絵柄印刷層を形成してもよい。この場合は、前記絵柄印刷層が外側から見えるように、前記プラスチックフィルム基材層は、光透過性を有するプラスチックフィルムで構成される。
前記プラスチックフィルムの材質の具体例としては、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。これらの中でも、汎用性の観点からは、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、耐熱性や強度等の観点からは、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。前記プラスチックフィルムは、一軸延伸又は二軸延伸されたものであってもよい。また、前記プラスチックフィルムは、インフレーション法、あるいはまた、溶融押出しコーティング法で形成したものであってもよい。また、前記プラスチックフィルム基材層は、これら樹脂から選ばれる1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。
前記パウチが電子レンジ用やレトルト用等の加熱用途に用いられる場合、前記プラスチックフィルムは耐熱性に優れているものが好ましく、このような用途に適した樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリエステルフィルムの単体、ナイロン等のポリアミドフィルムの単体、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムから選ばれる1種以上を含む複合フィルムが挙げられる。前記複合フィルムとしては、例えば、PET/Ny/PET、外側からPET/Ny等の構成からなる共押出し延伸フィルムが挙げられる。また、ポリエステルフィルム及びポリアミドフィルムから選ばれる1種以上と、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム及びポリ塩化ビニリデンフィルムから選ばれる1種以上とを組み合わせることも好ましい。
前記プラスチックフィルム基材層の厚みは、特に限定されるものではなく、前記パウチの用途に応じて適宜設定することができるが、通常、5〜50μm程度であることが好ましく、より好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは12〜25μmである。
なお、本明細書における包装体の各構成層の厚みは、該包装体を紙面に対して垂直方向に切断した断面の写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として求められた値である。
<シーラント層>
シーラント層は、内層側の面が被包装物と直接接触し、被包装物を保護するものである。また、インレット3と被包装物との接触を防止する役割も果たす。被包装物が液体を含む場合には、該液体が浸透しないような材質であることが好ましい。また、ヒートシール部を形成させるため、前記シーラント層の最内層が、ヒートシール性を有する第1熱可塑性樹脂層4で構成される。
前記シーラント層(第1熱可塑性樹脂層4)の構成材料としては、例えば、低密度PE(LDPE)や直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。前記シーラント層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。ヒートシールの際の収縮抑制の観点からは、前記シーラント層は、前記樹脂からなる無延伸フィルムであることが好ましい。
前記パウチが電子レンジ用やレトルト用等の加熱用途に用いられる場合、前記シーラント層は耐熱性に優れる樹脂から構成することが好ましく、具体的には、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のPP系樹脂が好ましい。
前記PP系樹脂は、目的に応じて使い分けることが好ましい。具体的には、冷凍食品用等の耐寒性能を重視する場合には、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。また、透明性の観点からは、エチレン−プロピレンランダム共重合体が好ましく、耐熱性の観点からは、プロピレン単独重合体が好ましい。また、自動蒸通機構を備えた容器の場合、高温時にシール強度の低下により蒸気抜けをさせやすくする観点から、エチレン−プロピレンブロック共重合体が好ましい。
前記シーラント層の厚みは、特に限定されるものではなく、前記パウチの用途及び被包装物の種類や性質等に応じて適宜設定されるが、通常、10〜200μm程度であることが好ましい。例えば、レトルトパウチの場合には、前記シーラント層の厚みは、20〜150μmであることがより好ましく、さらに好ましくは30〜100μmである。
<絵柄印刷層>
絵柄印刷層とは、例えば、文字(商品名、製品表示、品質表示等)、図形、写真、記号、模様、パターン、ベタ印刷等を含む広い概念であり、必要に応じて任意に設けられる層である。前記絵柄印刷層は、前記プラスチックフィルム基材層の内側に配置されるインレット3を隠蔽して、該パウチの外観の意匠性を妨げないようにする役割も果たす。
前記絵柄印刷層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。また、前記絵柄印刷層は、前記プラスチックフィルム基材層に対して全面印刷であっても、部分印刷であってもよい。前記絵柄印刷層は、例えば、プロセスカラーによる単色又は多色印刷により形成することができ、また、それ以外の特色印刷等によって形成することもできる。
前記絵柄印刷層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、0.2〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8μm、より好ましくは0.7〜5μmである。
前記絵柄印刷層の着色剤としては、汎用の染料や顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー等の無機顔料;キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料;カーボンブラックやチタンブラック等の汎用黒色顔料等)が挙げられる。また、アルミニウム、金、銀、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等の金属や合金の金属鱗片、及びパール顔料から選ばれる1種以上を含む光輝性顔料等も挙げられる。また、その他の黒色顔料として、例えば、ペリレンブラックやアゾメチンアゾ系顔料等の有機黒色顔料;マグネタイト型四酸化三鉄等の鉄酸化物や、銅やクロム、亜鉛等の複合酸化物等の無機黒色顔料等が挙げられる。
前記絵柄印刷層は、通常、バインダー樹脂や溶剤に、前記着色剤が添加混合された絵柄印刷層用インキを用いて印刷することにより形成される。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。
<中間基材層>
中間基材層は、前記パウチの強度や加工適性の向上を目的として、また、風合いの変化等の意匠性の観点から、あるいはまた、他の層を形成するための基材として、必要に応じて任意に設けられる層である。
前記中間基材層の構成材料としては、例えば、プラスチックフィルムや紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、上記プラスチックフィルム基材層の説明において例示したものと同様のものを用いることができる。また、紙は、賦形性や耐屈曲性、剛性等を付与することもでき、例えば、高サイズ性の晒又は未晒のクラフト紙、純白ロール紙、板紙、その他の種々の加工紙等が挙げられる。前記紙は、通常、坪量が50〜600g/m2程度のものが好ましく、より好ましくは60〜500g/m2、さらに好ましくは70〜450g/m2である。また、意匠性の観点からは、坪量150g/m2未満のものも好適に用いられる。
<ガスバリア層>
ガスバリア層は、前記プラスチックフィルム基材層と前記シーラント層との間のいずれかに、必要に応じて任意に設けられる層である。前記ガスバリア層は、前記パウチの外側と内側とで、酸素や水蒸気等の透過を遮断し得るものである。また、前記ガスバリア層は、可視光や紫外線等の透過を遮断する遮光性を付与するものとしてもよい。前記ガスバリア層は、1層で構成されていても、2層以上の多層で構成されていてもよい。前記ガスバリア層が前記絵柄印刷層の外側に形成される場合には、該ガスバリア層は、前記絵柄印刷層が外側から見えるように、光透過性を有する材料で構成される。
前記絵柄印刷層は、前記プラスチックフィルム基材層又は前記ガスバリア層の内側面に、裏刷り印刷することにより形成されることが好ましい。あるいはまた、前記中間基材層や前記シーラント層の外側面に表刷り印刷した後、前記プラスチックフィルム基材層や前記ガスバリア層に接着剤で貼り合わせて形成してもよい。
前記ガスバリア層は、ガスバリア性を有する蒸着膜や塗布膜として、公知の方法で形成することができる。
前記ガスバリア層を形成する表面は、該ガスバリア層の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。前記表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
ガスバリア性の向上の観点から、前記蒸着膜の表面に前記塗布膜が形成されることも好ましい。
前記蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機酸化物が挙げられ、これらのうち、ケイ素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物が好ましい。
前記蒸着膜の形成方法としては、例えば、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等が挙げられる。
前記蒸着膜の膜厚は、形成材料や要求されるガスバリア性能等によって異なるが、通常、5〜200nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜150nm、さらに好ましくは10〜100nmである。例えば、ケイ素酸化物やアルミニウム酸化物の場合は、5〜100nm程度であることが好ましく、より好ましくは5〜50nm、さらに好ましくは10〜30nmである。
前記塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体とを、ゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル−ゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50〜300℃で、0.05〜60分間加熱処理することにより形成することができる。
塗布方法としては、例えば、グラビアロールコーター等のロールコート、スプレーコート、スピンコート、ディッピング、刷毛、バーコート、アプリケータ等の塗布手段を用いた方法等が挙げられる。1回又は複数回の塗布で、乾燥膜厚が0.01〜30μm程度の塗布膜が形成されることが好ましく、前記乾燥膜厚は、より好ましくは0.05〜20μm、さらに好ましくは0.1〜10μmである。
<接着剤層>
前記パウチの各構成層は、層間の接合強度の向上の観点から、接着剤で接合して積層されていてもよい。すなわち、各層の間に接着剤層が介在していてもよい。前記接着剤としては、公知のドライラミネート用接着剤を用いることができる。ICチップ6及びアンテナパターン7への影響を考慮する場合には、無溶剤(ノンソルベント)タイプを適用することが好ましい。
前記ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化反応型)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
(チューブ容器)
図4に、チューブ容器の一例を示す。図4に示すチューブ容器は、ラミネートチューブの一例である。ラミネートチューブ20は、注出口部22及び注出口部22から拡径する筒状の肩部23が一体化した頭部21と、肩部23が連設された筒状の胴部24とを備えている。胴部24を構成する包装材料は、例えば、図5に示すように、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層8、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層された包装材料(積層シート)100により構成される。すなわち、包装材料100は、図1又は2に示す包装材料1の第1基材層2の外側に第2熱可塑性樹脂層8が形成されているものである。胴部24を構成する包装材料100においては、第1基材層2は、プラスチックフィルム基材層である。
包装材料100が筒状に形成され、その端部で、第1熱可塑性樹脂層4と第2熱可塑性樹脂層8とを重ね合わせ、その重ね合わせた部分でヒートシールすることにより接合されて、ヒートシール部25aが形成される。ヒートシール部25aは、筒状に形成した包装材料100の両端部の第2熱可塑性樹脂層8同士を重ね合わせて、ヒートシール部25aを形成するようにしてもよい。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部25aの領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部25aの領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
チューブ容器20は、胴部24の一方の開口部に、例えば、圧縮成形法等の公知の方法で頭部21を連設させる。そして、胴部24の他方の開口部から被包装物を充填し、該開口部をヒートシールして、底部となるヒートシール部25bを形成する。
注出口部22は、その形状に応じて、キャップを螺合や嵌合等することにより閉じられる。
チューブ容器20は、例えば、練り歯磨き、化粧品、糊、練り辛子、練りわさび、クリーム、絵の具、軟骨、医薬品等の流動性を有する物品の容器として使用される。
第2熱可塑性樹脂層8は、第1熱可塑性樹脂層4と同様の構成とすることができる。第2熱可塑性樹脂層8は、包装体の廃棄時の分別の手間やリサイクル等の環境配慮のためのモノマテリアル化の観点から、第1熱可塑性樹脂層4と同材質とすることが好ましい。
また、チューブ容器20を構成する包装材料(積層シート)の積層構成は、パウチ10の包装材料のインレット3の形成部分以外と同様の積層構成とすることができる。
(紙容器)
図6に、紙容器の一例を示す。図6に示す紙容器は、ゲーブルトップ型の紙容器の一例である。紙容器30は、四角形の底部(底面)31から立設される四角筒状の胴部32と、切妻屋根型の頭部33からなり、胴部32のヒートシール部34a、頭部33のヒートシール部34b及び底部31でヒートシールされて密閉されている、いわゆる牛乳パック型である。なお、頭部33に注出口を形成して、該注出口をキャップで閉じように構成されていてもよい。紙容器30を構成する包装材料は、例えば、図5に示すように、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層8、第1基材層2、インレット3及び第1熱可塑性樹脂層4が、外側から順に積層された包装材料100により構成される。すなわち、包装材料100は、図1又は2に示す包装材料1の第1基材層2の外側に第2熱可塑性樹脂層8が形成されているものである。紙容器30を構成する包装材料100において、第1基材層2は紙基材層である。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、折り曲げられてダメージを受けることを防止するため、紙容器30の胴部32の罫線(折曲げ線)35に達しない位置に配置される。ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部25aの領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部25aの領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
紙容器としては、フラットトップ型の紙容器30以外にも、頭部30が底部31と同様に平面状に形成されたフラットップ型でもよい。
ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器は、菓子、スープ、カレー、シチュー等の食品容器、また、日本酒や焼酎、ワイン等のアルコール類、牛乳等の乳飲料、ジュースやお茶等の清涼飲料、カーワックスやシャンプー、洗剤等の詰換え用液剤等の液体紙容器として用いられる。
前記紙容器の包装材料の胴部の積層構成としては、外側から順に、例えば、下記(B1)のような積層構成とすることができる。
(B1)絵柄印刷層/第2熱可塑性樹脂層/接着剤層/紙基材層/接着剤層/インレット/第1熱可塑性樹脂層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。例えば、前記絵柄印刷層の外側にトップコート層が形成されていてもよい。また、例えば、インレットと第1熱可塑性樹脂層との間にガスバリア層が形成されていてもよい。
以下、各構成層の詳細について説明する。
<紙基材層>
第1基材層2である紙基材層は、包装目的に応じた所望の賦形性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する紙によるものであれば、特に限定されるものではない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。一般紙器の場合には、加工性等の観点から、板紙が多く用いられる。板紙の種類としては、例えば、白板紙、黄板紙、チップボール、色板紙等の紙器用板紙として通常用いられるものが挙げられる。これらの中でも、マニラボール紙やコートボール紙等の白板紙が多用される。
前記紙基材層の厚みは、印刷や折曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、110〜860μmであることが好ましく、より好ましくは260〜640μmである。また、紙基材の坪量は、印刷や折曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、80〜600g/m2であることが好ましく、より好ましくは230〜550g/m2である。
<トップコート層>
トップコート層は、紙基材層に対して全面に形成されていても、一部に形成されていてもよい。前記トップコート層は、光透過性を有するものであり、前記絵柄印刷層の表面の傷や汚れを防止する表面保護、また、前記絵柄印刷層による装飾に光沢感あるいはマット感を付与し、高級感を高める等の観点から形成される。
前記トップコート層は、公知のトップコート剤(オーバーコート剤)により形成することができる。前記トップコート剤としては、例えば、光沢感を付与するOPニス(グロスニス)、艶消しのためのマットOPニス等が挙げられ、それぞれの目的に応じて選択して使用することができる。印刷方式としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷等が挙げられる。これらのうち、グラビア印刷が好ましい。
前記トップコート層の厚みは、0.2〜10μm程度であることが好ましく、より好ましくは0.5〜8.0μm、さらに好ましくは0.7〜5.0μmである。
<その他の構成層>
前記紙容器の絵柄印刷層、ガスバリア層及び接着剤層等の各構成層は、前記パウチの場合と同様に構成することができる。
(紙カップ)
図7に、紙カップの一例を示す。図7に示す紙カップは、2層構造の紙カップの一例である。紙カップ40は、筒状の胴部41と、胴部41の開口部の一端に設けられた底部42とを有している。胴部41の上部(他端の開口部)は、外側に丸められたフランジが形成されている。胴部41は、紙製の外筒(スリーブ)43が外嵌された2層構造である。このように胴部41と外筒43との間に空隙を有するように形成された2層構造の紙カップ40は、断熱性容器として、また、保温又は保冷用途に好適に使用される。
なお、本発明の紙カップは、特に、このような構造に限定されるものではなく、胴部が紙カップ本体のみからなる1層構造のものであってもよい。
紙カップ40を構成する包装材料1において、第1基材層2は紙基材層である。包装材料1で構成される胴部ブランクが第1熱可塑性樹脂層4を内側にして筒状に丸められ、その端部で重ね合わされた第1熱可塑性樹脂層4がヒートシールされて、ヒートシール部44が形成される。
なお、底部42も、包装材料1から切り出された円形状の底部ブランクの外周縁を折り曲げ加工し、胴部41と組み合わせてヒートシールにより接合されるが、ICチップ6及びアンテナパターン7は、前記折り曲げ加工が施される付近に配置されると、折り曲げや圧力によるダメージを受けるおそれがあることから、胴部41のヒートシール部44以外の領域に配置されることが好ましい。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部44の領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部44の領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
紙カップ40は、例えば、水や茶、ジュース、酒等の各種飲料、スナック菓子、容器内に熱湯を注いで調理するインスタント食品、電子レンジで調理する食品等の飲食品容器、また、水や液剤等の容器として用いられる。
前記紙カップを構成する包装材料は、外側から順に、例えば、下記(B2)のような積層構成とすることができる。
(B2)絵柄印刷層/接着剤層/紙基材層/接着剤層/インレット/第1熱可塑性樹脂層
上記の構成層以外にその他の層を有していてもよい。例えば、前記(B1)のように第2熱可塑性樹脂層を有する積層構成であってもよい。また、前記絵柄印刷層の外側にトップコート層が形成されていてもよい。また、例えば、インレットと第1熱可塑性樹脂層との間にガスバリア層が形成されていてもよい。
前記紙カップの包装材料の各構成層は、前記紙容器の場合と同様に構成することができる。
(蓋付き容器)
図8に、蓋付き容器の一例を示す。図8に示す蓋付き容器50は、開口部にフランジ52を有する容器本体51と、フランジ52とヒートシールされて容器本体51を閉封する蓋体53とを有している。
容器本体51は、開口部に向かって拡径する円筒状であるが、その形状は特に限定されるものではない。容器本体51の材質は、特に限定されるものではないが、蓋体53とのヒートシール性が良好であるようにするため、容器本体51のフランジ52の蓋体53と接合される箇所が熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。成形加工等の観点から、容器本体51全体が熱可塑性樹脂で形成されていることも好ましい。容器本体51は、最内層が熱可塑性樹脂で形成された紙容器、例えば、前記紙カップのような包装材料で構成された容器であることも好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。これらの中でも、容器内に収容される被包装物が、油分を含むもの、また、容器内で加熱されるものである場合には、耐油性及び耐熱性の観点から、PPが好適である。
PPとしては、例えば、高結晶性のプロピレン単独重合体、また、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとのランダム共重合体等が挙げられる。これらの中でも、高結晶性のプロピレン単独重合体が好ましい。
容器本体51の全体が熱可塑性樹脂で形成される場合は、例えば、真空成形、圧空成形、射出形成、ブロー成形、押出し成形、カレンダー成形、キャスト成形等の成形方法で形成することができる。容器本体51の被包装物に対する隠蔽性を高めるため、成形材料の熱可塑性樹脂に顔料等を添加してもよい。
蓋付き容器50は、蓋体53が包装材料1の構成を有している。蓋体53の包装材料1における第1基材層2は、プラスチックフィルム基材層であっても、紙基材層であってもよい。蓋体53の包装材料1は、前記パウチの場合と同様の積層構成、あるいはまた、前記紙カップの場合と同様の積層構成で形成することができる。
蓋付き容器50は、容器本体51に被包装物を収容した後、容器本体51のフランジ部52に沿って蓋体53がヒートシールされることにより、ヒートシール部55が形成されて閉封される。
ICチップ6及びアンテナパターン7は、例えば、領域Pのヒートシール部55の領域外に配置され、インレット基材層5が領域Pのヒートシール部45の領域の内外にわたって配置されていることが好ましい。
蓋付き容器50は、蓋体53の摘持部54を摘持して、蓋体53を容器本体51から剥離して開封される。蓋体53の容器本体51と接する第1熱可塑性樹脂層4(前記シーラント層の最内層)は、イージーピール性を有していることが好ましい。イージーピール性とは、例えば、前記蓋付き容器においては、開封時に、蓋体53を容器本体54から剥離しやすいという特性を言う。
イージーピール性を有する第1熱可塑性樹脂層は、2種以上の樹脂を用いて、容器本体51との密着性が良好である第1の樹脂と、容器本体51との密着性が良好ではなく、前記第1の樹脂と非相溶である第2の樹脂との混合物により形成することができる。前記樹脂の種類は、容器本体51の材質にもよるが、例えば、容器本体51の蓋体53との接合面がPPである場合、前記第1の樹脂としてPP、及び前記第2の樹脂として、PE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる1種以上の混合物により、前記シーラント層のヒートシール部55を形成することにより、イージーピール性を付与することができる。
イージーピール性を有する前記シーラント層は、1層で構成されていても、少なくとも最内層の第1熱可塑性樹脂層がイージーピール性を有している2層以上で構成されていてもよい。蓋体53のシーラント層は、開封しやすさを考慮すると、厚みが15〜80μmであることが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。
蓋付き容器50は、例えば、ヨーグルトやゼリー、プリン等の嗜好食品、スナック菓子、容器内に熱湯を注いで調理するインスタント食品、電子レンジで調理する食品等の飲食品容器、また、水や液剤等の容器として用いられる。
1,100 包装材料
2 第1基材層
3 インレット
4 第1熱可塑性樹脂層
5 インレット基材層
6 ICチップ
7 アンテナパターン
8 第2熱可塑性樹脂層
10 スタンディングパウチ
11 胴部
12 底部
13a,13b,25a,25b,34a,34b,44,55 ヒートシール部
14 切欠き部
20 ラミネートチューブ
21 頭部
22 注出口部
23 肩部
24 胴部
30 紙容器
31 底部
32 胴部
33 頭部
35 罫線
40 紙カップ
41 容器本体
42 底部
43 外筒
50 蓋付き容器
51 容器本体
52 フランジ
53 蓋体
54 摘持部

Claims (7)

  1. 少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層された包装材料を備えた包装体であって、
    前記インレットは、インレット基材層、前記インレット基材層上に設けられたICチップ、及び前記ICチップに接続されたアンテナパターンを有し、
    前記包装体はヒートシール部を有し、
    前記インレット基材層が、前記ヒートシール部の領域の内外にわたって配置され、前記ICチップ及び前記アンテナパターンが、前記ヒートシール部の領域外に配置されている、ICチップ付き包装体。
  2. 前記包装体がパウチである、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
  3. 前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記パウチの開封後に該パウチに残存する位置に配置されている、請求項2に記載のICチップ付き包装体。
  4. 前記包装体が、注出口部及び前記注出口部から拡径する筒状の肩部が一体化した頭部と、前記肩部が連設された筒状の胴部とを有するチューブ容器であり、
    前記胴部を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
  5. 前記包装体が、ゲーブルトップ型又はフラットトップ型の紙容器であり、
    前記紙容器を構成する包装材料は、少なくとも、第2熱可塑性樹脂層、前記第1基材層、前記インレット及び前記第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層され、前記第1基材層が紙基材層であり、
    前記ICチップ及び前記アンテナパターンは、前記紙容器の側周面の罫線に達しない位置に配置される、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
  6. 前記包装体が、筒状の胴部と、前記胴部の開口部の一端に設けられた底部とを有する紙カップであり、
    前記第1基材層が紙基材層である、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
  7. 前記包装体が、開口部にフランジを有する容器本体と、前記フランジとヒートシールされて前記容器本体を閉封する蓋体とを有する蓋付き容器であって、
    前記蓋体を構成する包装材料が、少なくとも、第1基材層、インレット及び第1熱可塑性樹脂層が、外側から順に積層されている、請求項1に記載のICチップ付き包装体。
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