JP2013220611A - レーザマーキング用積層体 - Google Patents

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Jun Kaneda
潤 金田
Sayaka Masubuchi
紗矢加 増淵
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Abstract

【課題】表面保護層、レーザ発色層を有するレーザマーキング用積層体において、印字濃度が高く、視認性、及び耐水性が良好なレーザマーキング用積層体を提供すること。
【解決手段】基材上にレーザ発色層と透明プラスチックフイルムの表面保護層とを有するレーザマーキング用積層体であって、レーザ発色層が有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤とを含有することを特徴とするレーザマーキング用積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザ照射により発色するレーザマーキング用積層体に関する。
PL法(製造物責任法)が施工され、包装体、ラベル等には多種の印字が必要になっている。偽造、欠陥等の事故を防ぐセキュリティーの為、あるいはトレーサビリティの観点から、表示の重要性が高まっている。
その分野は、医薬品のみならず、電子機器や電子部品の他、食品類や日用品、包装品に至るまでの多種多様な製品の包装、ラベル、キャップの他、ガラス瓶、金属缶、プラスチック容器にもおよび、その製品、用途に見合った印字が求められている。
かかる表示は、具体的にはその型式や規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、包装に関する表示であり、法で定められた情報の他、消費者が望む情報付加、生産者、販売者の商品戦略を反映した内容であり、それぞれの製品、使用状況に応じた印字が必要になっている。
従来、包装資材、ラベル、キャップ、フイルム、容器等への印刷は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法などの有版方式で行われてきた。また、賞味期限、製造年月日、ロット番号の日時や機械で変化する可変印字は、スタンプ印刷法、インクジェット印刷法、感熱転写リボン法、刻印印刷法等で行われている。
可変文字の他、産地表示、肥培管理表示、栄養表示、成分表示などを行う場合、可変印字ではないにしても、小さなロットになるのは避けられない。市場ニーズ、商品戦略を反映するためには少量多品種になるが、それを有版方式で行うことは、高価な版を多数用意することになり、版コストの他、版の管理など極めて高コストで煩雑な作業となる。
本発明は、表面保護層、レーザ発色層を有するレーザマーキング用積層体についてである。該積層体のレーザ発色層は特定構造のレーザ発色剤を必須成分とし、ラベル、カード、シール、包装体に使用でき、レーザ照射により印字が可能となる。
レーザマーキングによる積層体への印字は、一般的にはレーザ照射によるレーザ発色層の炭化、分解、気化により起こる。実際に製品名、製造社名、製造年月日、ロット番号、規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示等を印字した場合、表刷り構成においてはフイルム、紙基材の表面保護層がないため特にインキ層表面の膨れ、剥がれ等が発生しやすい。このような膨れ、剥がれは製品としての外観、見栄えを損なうばかりか、実際に使用される形態、例えば袋、箱、ラベルでの耐油性、耐水性、耐摩耗性等を著しく低下させる問題があった。
また、レーザ照射における条件を弱くすれば、表面の膨れ、剥がれは低減できるものの印字濃度が低下し、目的とする表示の視認性が低下するため、印字濃度と印字部の膨れ、剥がれ等の抑制をともに満足するものが求められていた。
特開2006−26939号公報 特開2004−262015号公報 特開2002−321476号公報 特開2009−137236号公報委託
そこで、本発明は表面保護層、レーザ発色層を有するレーザマーキング積層体において印字濃度、耐水性に優れ、製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示等の印字が可能なレーザマーキング用積層体を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、基材上にレーザ発色層と透明プラスチックフイルムの表面保護層とを有するレーザマーキング用積層体であって、レーザ発色層が有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤とを含有することを特徴とするレーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、有機系難燃剤が、レーザ発色層中に1〜20重量%含有していることを特徴とする上記レーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、有機系難燃剤が、リン含有有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、および窒素含有有機化合物から選ばれる1種類以上からなることを特徴とする上記レーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、レーザ発色層が、更に、着色顔料を含有することを特徴とする上記レーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、レーザ発色層が、更に、ポリウレタン樹脂、および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種類以上の樹脂を含有することを特徴とする上記レーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、レーザマーキング用積層体の基材がプラスチックフイルムであることを特徴とする上記レーザマーキング用積層体に関する。
また本発明は、上記レーザマーキング用積層体を用いてなる包装体に関する。
本態様のレーザマーキング用積層体は、基材上にレーザ発色層、表面保護層を有し、当該レーザ発色層は、有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤を含有するため、印字濃度が非常に高い。また、基材にフイルム、紙、金属箔等を用いる積層体にすると、ラベル、カード、もしくは包装体等として使用することが可能となり、表面の膨れ、剥がれがなくコントラストが鮮明な文字、図形、情報を有すコード等を記録でき、商品、製品の製造管理、流通管理、販売において管理、広告、宣伝機能を十分に発揮することができる。
本発明をなすレーザマーキング用積層体は、基材上にレーザ発色層、透明プラスチックフイルムの表面保護層を形成することで得られる。レーザ発色層は特定構造のレーザ発色剤を含有するインキ、もしくは塗料を印刷、塗工することで形成される。
本態様に用いられる基材としては、プラスチックフイルム、紙、金属箔、ガラス、木材等が挙げられる。特に、プラスチックフイルム、紙、金属箔が好ましい。更に好ましくは、プラスチックフイルムである。プラスチックフイルムとしては低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリビニルアルコールフイルム等、及びポリ塩化ビニリデン等をコーテイングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフイルムも挙げられる。
プラスチックフイルムとして熱収縮フイルムを使用することもできる。熱収縮性フイルムとしては、ポリエステル系、スチレン系等がある。熱収縮によりフイルム基材の膨れがより低減される場合もあり、飲料用、調味料用、洗剤用等のプラスチック容器、ガラス容器の胴巻きラベルとして好適に使用できる。
また、フイルム等にアルミ、シリカ、金等を蒸着したフイルムも使用できる。
プラスチックフイルムの厚みは特に限定されないが、通常印刷に用いられるフイルムがそのまま適用できる。例えばPETの場合、12〜40μm、OPPの場合は20〜50μmが好適に用いられる。
紙としては、アート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙等が使用できる。また、剥離紙を使用し、さらに粘着剤層を設けると、本発明の積層体はラベルとしても使用できる。
アルミ箔としては、印刷に適した厚さのもの、例えば厚みが5〜150μmのものが使用できる。
表面保護層に用いる透明プラスチックフイルムとしては、前述した基材に用いたプラスチックフイルムの内、透明であればそのまま使用できる。特にポリエチレンテレフタレート、ナイロン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン等が好ましい。
本態様のレーザマーキング用積層体は、積層体の内部に直接印字できることにより、消字しないマーキングが可能となる。また、レーザ印字場所、字、図形、コード類の大きさによっては第3者が、その存在、或いはその内容を認識しがたいので偽造防止の機能も発揮できる。
レーザ発色層は、レーザ発色印刷インキ、または、塗工液より形成される。好ましくは印刷インキである。レーザ発色印刷インキは、有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤を含有していることが必要である。銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物は自己発色性が特に強く、また化合物近傍の樹脂なども黒化させやすいため、視認性の非常に優れた印字物が得られる。また、該レーザ発色剤に有機系難燃剤を併用することで、印字濃度を上げるためにレーザパワーを上げた場合に、レーザ発色剤近傍の樹脂の熱分解によるガス化を抑制し、表面保護層のプラスチックフィルムの大きな膨れや割れを抑制しながら印字濃度を上げることができる。
<有機系難燃剤>
本発明に用いる有機系難燃剤としては、リン含有有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、および窒素含有有機化合物から選ばれる1種類以上からなる。
リン含有有機化合物としては、リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、メラミンリン酸塩、リン酸アミド、フォスファゼン化合物等が挙げられる。
市販のリン酸エステル系難燃剤としては、例えば、
大八化学工業社製非ハロゲンリン酸エステルであるTMP(トリメチルホスフェート)、TEP(トリエチルホスフェート)、TPP(トリフェニルホスフェート)、TCP(トリクレジルホスフェート)、TXP(トリキシレニルホスフェート)、CDP(クレジルジフェニルホスフェート)、NDPP(2−ナフチルジフェニルホスフェート)、PX−110(クレジルジ2,6−キシレニルホスフェート)、
非ハロゲン縮合リン酸エステルであるCR−733S、CR−741、PX−200、DAIGUARD−580、DAIGUARD−610、DAIGUARD−880、
含ハロゲンリン酸エステルであるTMCPP(トリス(クロロプロピル)ホスフェート)、CR−900(トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート)、
含ハロゲン縮合リン酸エステルであるCR−504L、CR−570、DAIGUARD−540、
アクゾノーベルジャパン社製フォスフレックス112、112B、179Aといったフォスフレックスシリーズ、ファイヤロールフレックスRDP、BDP、4800、ファイヤクエル220、EHC、ファイロールDPN、6、DMMPといったファイロールシリーズ;
味の素ファインテクノ社製非ハロゲンリン酸エステルであるレオフォス35、50、65、95、110、TPP、RDP、BAPP、CDPといったレオフォスシリーズ、クロニテックスCDP、TCP、TXPといったクロニテックスシリーズ、レオモールTIBP、TOPといったレオモールシリーズ、レオルーブHYD−110、デュラッドCDP、TCP、TXPといったデュラッドシリーズ;
ADEKA社製縮合リン酸エステルであるアデカスタブPFR、FP−500、FP−600、FP−700といったアデカスタブシリーズ;
アルベマール日本社製縮合リン酸エステルであるNcendXP−30、含ハロゲンリン酸エステルであるAntiblazeTMCP、195、含ハロゲン縮合リン酸エステルであるAntiblazeV−6;
ケムチュラ・ジャパン社製非ハロゲンリン酸エステルであるReofosTPP、RDP、BAPPといったReofosシリーズ;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ポリリン酸アンモニウムとしては、ポリリン酸アンモニウム単体、もしくは該ポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物がある。
該ポリリン酸アンモニウムは、一般式(NH4r+2r3r+1(但し、rは20〜1000の整数)で表すことができる化合物であり、rが十分に大きいときはメタリン酸の式(NH4PO3r(ここでrは前記と同じ)で近似できる化合物である。
一方、該ポリリン酸アンモニウムを主成分とする化合物としては、該ポリリン酸アンモニウムを熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化したもの、メラミンモノマーや他の含窒素有機化合物等で該ポリリン酸アンモニウム表面を被覆したもの、界面活性剤やシリコーン化合物で処理したもの、あるいはポリリン酸アンモニウムを製造する過程でメラミン等を添加し難溶化したもの等がある。
市販ポリリン酸アンモニウム系難燃剤としては、例えば、市販のポリリン酸アンモニウム系難燃剤としては、例えば、クラリアント社製エキソリット(Exolit)−422、463、700、AP−750、モンサント社製フォスチェク(Phos−chek)−P/30、P/40、住友化学工業社製スミセーフ−P、PM、チッソ社製テラージュ(TERRAJU)−S10、S20、C60、C70、C80、アルベマール日本社製AntiblazeMC、PI等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ハロゲン含有有機化合物としては、臭素系と塩素系が挙げられる。
市販の臭素系難燃剤としては、例えば、
第一工業製薬社製ピロガードSR−102、SR−105、SR−245、SR−250、SR−460B、SR−600A、SR−720、SR−742、SR−743、SR−770といったピロガードシリーズ;
東ソー社製フレームカット110R、120G、121K、122Kといったフレームカットシリーズ;
アルベマール日本社製SAYTEX CP−2000、8010、BT−93/W、HP−7010、HP−3010、HP−900、102E、120、BC−48、BCL−462、HP−800、PB−49といったSAYTEXシリーズ;
ケムチュラ・ジャパン社製GreatLakespdbs−80、PBS−64HW、PHT4、DP−45、CD−75P、BA−59P、PE−68、BC−52、BC−58、PH−73FF、FF−680、DE−83RといったGreatLakesシリーズ;
帝人社製ファイヤーガード2000、3000、3100、3200、3600、7000、7500、8500といったファイヤーガードシリーズ;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
市販の塩素系難燃剤としては、例えば、
味の素ファインテクノ社製塩素化パラフィン、エンパラ40、70、K−43、K−45、K−47、K−50、AR−500といったエンパラシリーズ;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
窒素含有有機化合物としては、グアニジン化合物、トリアジン化合物、リンも含んだ複合化合物等が挙げられる。
市販の窒素系難燃剤としては、例えば、味の素ファインテクノ社製NH−12、日産化学工業社製MC−4000、MC−4500、MC−6000、PHOSMEL−200、ケムチュラ・ジャパン社製Reogard1000等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<モリブデンと銅との複合酸化物>
本発明に用いるモリブデン(Mo)および銅(Cu)を含有するMo/Cu複合酸化物は、レーザ光を吸収して発熱し、照射条件により自身が黒色変化するとともに、近傍の樹脂を炭化させて黒色発色させたり、更に樹脂の分解が進行しガス化させたりするものである。
Mo/Cu複合酸化物の体積平均粒径は、下限はサブミクロンオーダーが好ましい。より低い照射エネルギーで高い効果を得るためには、上限は4μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましい。体積平均粒径が小さいことにより、Mo/Cu複合酸化物の比表面積が大きくなり、レーザ光を吸収し発熱する能力が高くなるとともに、レーザ光の吸収ポイントあるいは照射ポイント(ドット)を精密に得ることができる。Mo/Cu複合酸化物の体積平均粒径は、さらに好ましくは2μm以下、特に好ましくは1.5μm以下である。
ここで、本発明でいう体積平均粒径とは、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装(株))で測定した積算値50%の粒度のことであり、たとえば、体積平均粒径0.2μmは、d50=0.2μmで示される。
このMo/Cu複合酸化物は、例えば、MoとCuを含む金属酸化物を均一な混合物にし、600℃以上の高温で数時間焼成して得ることができる。MoとCuが同量の場合は、モリブデン酸第二銅(CuMoO4)が形成される。焼成後、湿式または乾式粉砕により粒径を整え、更に比較的低温で仕上げ加熱処理を行って、複合酸化物粒子を得ることが好ましい。
Mo/Cu複合酸化物におけるMoおよびCuの含有量は、近赤外領域の波長の光を吸収し発熱する能力が高く、黒発色性が良好である観点から、それぞれが全金属含有量の20重量%以上であることが望ましく、それぞれが30重量%以上であることがより好ましい。市販品としては、Mo/Cu複合酸化物であるトマテック42−903A(東罐マテリアル・テクノロジー社製)、モリブデン酸銅(CuMoO4)(高純度化学研究所社製)等が挙げられる。
本発明に用いるMo/Cu複合酸化物には、分散性を改良する目的及び/又は表面活性をコントロールする目的で、公知の各種無機・有機化合物による表面処理を行ってもよい。また、Mo/Cu複合酸化物中に、色相調節、レーザ光吸収能の調節を目的として、MoとCu以外の金属元素を含有させてもよい。このような金属元素としては、例えば、Si,Al,Zn,Co,Fe,Ni,Cr,Mn,W,Ti,Zr,Y,Hf,V,Nb,Ta,Sb,Snが挙げられる。この場合は、MoとCu以外の金属を含んだMo/Cu複合酸化物が形成される。また、不純物として金属元素が含有されていても、本発明の効果を損なわない範囲であれば構わない。
<ネオジムを含むビスマス系酸化物>
本発明に用いるネオジムを含むビスマス系酸化物は、上記のMo/Cu複合酸化物同様、レーザ光を吸収して発熱し、照射条件により自身が黒色変化するとともに、近傍の樹脂を炭化させて黒色発色させたり、更に樹脂の分解が進行しガス化させたりするものである。
このネオジムを含むビスマス系酸化物は、酸化ビスマスと酸化ネオジムとの均一な混合物を焼成し得ることができる。酸化ビスマスと酸化ネオジムをそれぞれ所要量取り、これらを小型粉砕機(例えば協立理工社製SK−M型)で乾式混合する。その後、混合粉体を電気炉(例えば、アドバンテック東洋社製、KS−1503)にて700℃で1時間焼成する。さらに、焼成紛体を乳鉢で解砕する。得られたBi/Nd複合酸化物の体積平均粒径は、0.1〜3.0μmに調整することが好ましい。
ここで、本発明でいう体積平均粒径とは、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装(株))で測定した積算値50%の粒度のことであり、たとえば、体積平均粒径0.2μmは、d50=0.2μmで示される。
酸化ビスマスと酸化ネオジムの比率は、98.0:2.0〜99.9:0.1が好ましい。酸化ビスマスがさらに多くなるとレーザ発色性の特長が出にくくなり、また酸化ネオジムが多くなり過ぎてもレーザ発色性が劣る傾向にある。本発明に用いるネオジムを含むビスマス系酸化物は、酸化ビスマスに酸化ネオジムを微量添加し、焼成するところに特徴があり、優れたレーザ発色性が発現する。酸化ネオジムは、本来単独で使用すると印字性が劣るため、これを添加しただけでは印字性能の低下を招く。本発明においては、微量添加し、高温で焼成することにより際立った印字性能の向上が見られた。これは焼成により複合体が生成し、結晶構造の変化をもたらし印字性能が向上したものと思われる。
市販品としては、ネオジムを含むビスマス系酸化物であるトマテック42−920A(東罐マテリアル・テクノロジー社製)が挙げられる。
本発明に用いるネオジムを含むビスマス系酸化物には、分散性を改良する目的及び/又は表面活性をコントロールする目的で、公知の各種無機・有機化合物による表面処理を行ってもよい。
本発明におけるレーザ発色層には、有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤とを含有することが必須であるが、必要に応じて無機材料、例えば、1)金属単体、2)金属塩、3)金属水酸化物、4)金属の酸化物等を併用することが可能である。
1)金属単体としては、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
2)金属塩としては、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銀、塩化亜鉛、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸銅、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸鉄、安息香酸コバルト、芳香環を有するホスホン酸銅などが挙げられる。
3)金属水酸化物としては、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンチモン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化ランタン、銅−モリブテン複合水酸化物(42−910A、東缶マテリアル・テクノロジー株式会社製)等が挙げられる。
4)金属酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化コバルト、酸化鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化モリブテン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ランタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、合成ゼオライト、天然ゼオライト等が挙げられる。金属酸化物としては、層状構造を有する、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト等を用いることもできる。
レーザ発色層中で、有機系難燃剤が、レーザ発色層を形成するレーザ発色印刷インキ、もしくは塗工液の固形分100重量部中に0.5〜30重量部含まれていると、レーザ発色層の樹脂の熱分解によるガス化を抑制し、ラミネートフィルム表面の膨れ、割れなどを防止しながら黒色発色性を向上させられるため好ましい。特に好ましくは、1〜20重量部である。0.5重量部未満では、発色性を上げるためにレーザ光の強度を上げた際のガス化抑制効果が得られにくく、ラミネートフィルム表面の膨れ、割れなどを抑えにくい。また、30重量部を超えると、ラミネート接着性が低下し、場合によっては層間で剥離する。
一方、レーザ発色層中で、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤が、レーザ発色層を形成するレーザ発色印刷インキ、もしくは塗工液の固形分100重量部中に0.3〜50重量部含まれていると、レーザ発色層の皮膜強度、凝集力と発色性のバランスの点で好ましい。特に好ましくは、1〜40重量部である。
0.3重量部未満では皮膜としての凝集力はあるものの発色性が劣る。また、50重量部を超えると、皮膜の強度、凝集力が低下し、レーザ照射により積層された記録材の折り曲げ耐性が低下し、場合によっては層間で剥離する。
顔料は印字物のバックグランドとして鮮明性、コントラスト、視認性を向上させる機能もある。本発明に使用する銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤においては、黄色、紅色、藍色、もしくは白色顔料等の着色顔料を必要に応じて併用することにより視認性の高いレーザ発色性有する積層体を得ることができる。とりわけ白色顔料として酸化チタンを使用し、レーザ発色層を成す印刷インキの着色剤の一部、もしくは全部として用いると視認性の優れた印字物が得られる。酸化チタンとしてはアナターゼ、ルチル型共に使用できる。
レーザ発色剤と着色顔料の比率は30:70〜1:99が好ましい。レーザ発色剤の比率が1:99より少ないと発色性が劣る。また、レーザ発色剤の比率が30:70より多いと皮膜の強度、凝集力が低下し、レーザ照射により、積層体の折り曲げ耐性が低下し、場合によっては層間で剥離する。更に好ましくは15:85〜3:97である。
レーザ発色層を構成するバインダー樹脂として、例えば水溶性の、セルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カゼイン、ゼラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂等が挙げられる。溶剤型樹脂としてはスチレン/マレイン酸、アクリル/スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネイト、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体等がある。これらの樹脂は単独、または2種以上混合することで得られる。
これら樹脂の中でウレタン樹脂、若しくは塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種以上の樹脂を用いることが好ましい。特にウレタン樹脂はフイルムへの密着性が良く、熱的緩和性にも優れていることから積層体として好適に用いられる。また、塩化ビビル/酢酸ビニル共重合体樹脂は、レーザによる発色性が良好で、発色剤等のレーザ吸収性が乏しくても、印刷インキ皮膜層としての発色性を向上させる。
レーザ発色層の膜強度、耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の向上を目的に硬化剤を併用することができる。硬化剤としてはイソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、エチレンイミン系等が使用できる。膜強度、膜物性の点からはイソシネート系硬化剤が好ましい。イソシアネート系硬化剤の中でも3官能以上のものが特に良好である。これらイソシアネート系硬化剤は水酸基を有する樹脂と組み合わせれば、耐レーザ照射性が向上し、表面状態の優れた字物が得られる。
レーザ発色層を形成するレーザ発色印刷インキ、塗工液には,印刷適性、塗工適性、皮膜物性向上のため必要に応じて顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、滑剤、シランカップリング剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。
これら添加剤の種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
レーザマーキング用積層体の生産工程について一例を説明する。
1)レーザ発色印刷インキの調整
銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤を用いてレーザ発色印刷インキを調製する際は、レーザ発色剤を樹脂、分散剤、溶媒と共に分散することが好ましい。分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)等が挙げられる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、スチレンビーズ等を用いることが好ましい。
有機溶剤としては、印刷用に用いられる公知の溶剤を用いることが可能であり、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、1−メトキシー2−プロパノール、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
レーザ発色層をなすレーザ発色性印刷インキは必要に応じて他の印刷インキ、例えば黄色インキ、紅インキ、藍インキ、白色インキにそのまま添加することで、インキ色相の異なるレーザ発色性印刷インキを得る事が可能となる。特に、レーザ発色により黒化するレーザ発色剤を含むインキを製造し、白色印刷インキに添加した場合、レーザ発色によりコントラストの高い、視認性に優れた印字物が得られる。
視認性を高めるには、前述のレーザ発色層をなすレーザ発色印刷インキの色相を変える方法の他、レーザ発色層と異なる色相を有する印刷インキをレーザ発色層に直接重ね刷りし、着色インキ層を設け、コントラストを高めることでも可能である。レーザ発色自体の色相は、通常茶色、灰色、黒色が多いことから着色インキ層に白色インキ層を用いると視認性が良好となる。
レーザ発色層及び着色インキ層を同時に白色系にすると視認性が極めて良好になる。同様な効果は、レーザ発色層を黄色系に、着色インキ層を白色系、もしくは黄色系にすることでも達成される。
このようにして、得られたレーザ発色性を有するレーザマーキング用積層体において、熱融着性を有するフイルム(シーラントフイルム)を使用することにより公知の方法で包装体を作ることができる。例えば積層体の構成として、1)ナイロン/レーザ発色層/白色インキ層/接着剤層/ポリエチレンフイルム、2)ポリエチレンテレフタレート/レーザ発色層/黄色インキ層/接着剤層/無延伸ポリプロピレン等が挙げられる。これらを公知の方法で包装体にすることがでる。
包装体は、菓子、冷凍食品、調味料等を内容物とした場合、内容物の変質を抑制し、性質を保持するためにボイル、レトルト処理を施すことがある。本発明に用いたレーザ発色剤は耐水性に優れることから、ボイル、レトルト用の包装体に対しても使用することが可能である。
レーザ印字においては積層体、若しくは包装体の一部、或いは全面に製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、バーコード、RSSコード、2次元コード等を印字できる。
レーザによる印字は、英数字、ひらがな、漢字等で目的とする内容を表示する他、バーコード、或いは2次元バーコードとして、更に多量の各種情報を書き込むことも可能である。
次いで、本態様の印字方法について説明する。本態様に好適に使用できるレーザとしては、例えば炭酸ガスレーザ(10640nm)、YAGレーザ(1064nm)、YVO4レーザ(1064nm)等が挙げられる。
好ましくは、YAGレーザ、YVO4レーザであり、更に好ましくはレーザ光の強度分布がシングルモードのパワー分布であるYVO4レーザである。
YAGレーザ、若しくはYVO4レーザは1)LD%、2)Q−スイッチ周波数、及び3)走査速度等の条件により対象物の印字品質を制御できる。例えば、キーエンス社製のMD−V9600が挙げられる。
LD%は、レーザ出力を表す。LD%によりレーザパワーを制御できるが、大きくし過ぎるとレーザマーキング用積層体がダメージを受けやすい。また、小さすぎると印字が不鮮明になる。
Q−スイッチ周波数は、パルスを発生させる周波数を表す。Q−スイッチ周波数も印字品質に影響を及ぼし、大きすぎても、小さすぎても印字品質が低下する。
走査速度は印字ドットの間隔、印字時間等を制御するもので遅過ぎると印字ドットが集中し、場合によってはレーザマーキング用積層体がダメージを受ける。また、速過ぎると、印字ドット間が広くなり場合によっては印字濃度、印字品質の低下がみられる。
レーザによる印字では、印字濃度と表面状態のバランスを取ることが重要である。レーザ発色層が内部にあるため、レーザ照射により積層体内で炭化、分解、気化が起こるとその表面に膨れ、剥がれを生じやすい。場合によっては耐溶剤性、耐水性、耐摩耗性等が低下するため、レーザ印字に際しては、1)LD%、2)Q−スイッチ周波数、及び3)走査速度等のバランスをとる必要がある。
レーザ照射は、表面保護層側から行うが、基材が透明な場合、基材側から行うことも可能である。好ましくは透明な層、基材を通して直接レーザ発色性インキ層に印字することである。
以下、実施例に基づき本態様をさらに詳しく説明する。実施例中、部は重量部を表し、%は重量%を表す。
(合成例1)ウレタン樹脂の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに3−メチル−1,5―ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリエステルジオール(分子量2000、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフイで測定される数平均分子量を示す)1000部、とイソホロンジイソシアネート222部を仕込み、窒素雰囲気下、85℃で5時間反応させた。次いで、40℃に冷却後イソホロンジアミン82部、ジ−n−ブチルアミン7.8部、トルエン1244部、メチルエチルケトン1244部およびイソプロピルアルコール573部を添加し、攪拌下40℃で5時間反応させた。このようにして得られたウレタン樹脂(樹脂1)の固形分は30%、粘度は400cps(25℃)であった。
(合成例2)アクリル樹脂の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにイソプロピルアルコール600部を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下で80℃迄昇温した。次に、予め調整して置いたアクリル酸28部、メタクリル酸メチル430部、アクリル酸ブチル140部およびアゾビスイソブチロニトリル12部の混合液を2時間で滴下した。滴下後1時間経て、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、更に2時間反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンで固形分の調整を行った。このようにして得られたアクリル樹脂(樹脂2)の固形分は30%、粘度は340cps(25℃)であった。
(調整例1)塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体の調整
塩酢ビ樹脂SOLBIN C 30部(日信化学工業社製)をメチルエチルケトン70部に溶解し、30%溶液に調整した(樹脂3)。
(実施例1)
レーザ発色層をなすレーザ発色性印刷インキの調整
発色剤1として銅モリブデン複合酸化物であるトマテック42−903A(東罐マテリアル・テクノロジー社製)を20部、有機系難燃剤1としてリン酸エステル系難燃剤であるPX−110(大八化学工業社製)を3部、合成例1で得たウレタン樹脂(樹脂1)70部、メチルエチルケトン30部をペイントシェーカで練肉し、レーザ発色性印刷インキを得た。得られたインキをメチルエチルケトン、酢酸エチル及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(重量比50:40:10)で希釈し、ザーンカープ#3(離合社製)で17秒(25℃)に調整し、印刷用のレーザ発色性印刷インキを得た。
透明プラスチックフイルム基材としてコロナ放電処理PET(東洋紡績社製「エステルE5102」、膜厚12μm)の処理面側に、版深30μmのグラビア版を用いて印刷速度50m/分、乾燥温度60℃でレーザ発色性印刷インキを印刷した。
得られたPET印刷物を接着剤「TM250/CAT−RT80」(東洋モートン社製)を用いドライラミネーションにより低密度ポリエチレン「TUX−FCD」(トーセロ社製、膜厚40μm)を貼り合わせた。得られたラミネート物は40℃で3日間エージングを施し、最終的に透明プラスチックフイルム/レーザ発色性印刷インキより形成されたインキ皮膜層/接着剤/ポリエチレンを有するレーザマーキング用積層体を得た。
(実施例2〜16、比較例1〜7)
表1に実験例2〜16、比較例1〜7におけるレーザ発色層をなす発色剤の種類、発色剤/着色顔料の比率、着色顔料の種類、バインダー樹脂の種類、有機系難燃剤の種類、積層体構成について記す。レーザ発色層をなすレーザ発色性印刷インキの調整方法は実施例1と同じである。
・発色剤1:トマテック42−903A(東罐マテリアル・テクノロジー社製、銅モリブデン複合酸化物)
・発色剤2:トマテック42−920A(東罐マテリアル・テクノロジー社製、ネオジムを含むビスマス系酸化物)
・発色剤3:レーザフレア825(メルク社製、アンチモンドープ酸化スズ被覆マイカ)
・白色顔料:チタニックスJR805(テイカ社製)
・黄色顔料:LIONOL YELLOW1823G(トーヨーカラー社製)
・樹脂1:合成例1によるウレタン樹脂
・樹脂2:合成例2によるアクリル樹脂
・樹脂3:調整例1による塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体:SOLBIN C(日信化学工業社製)
・難燃剤1:PX−110(大八化学工業社製、リン酸エステル系難燃剤)
・難燃剤2:アルベマール日本社製SAYTEX−102E、臭素系難燃剤)
・難燃剤3:MC−4000(日産化学工業社製、窒素系難燃剤)
・PE:低密度ポリエチレンTUX−FCD(東セロ社製、膜厚40μm)
・紙:JETスター(日本大昭和板紙社製、ボール紙)
・アルミ箔:住軽アルミ箔社製、膜厚12μm
・PET:コロナ放電処理PET、エステルE5102(東洋紡績社製、膜厚12μm)
・Ny:ON−RT(ユニチカ社製、膜厚15μm)
実施例1〜16及び比較例1〜7で得られたレーザマーキング用積層体について、YVO4レーザ「キーエンス社製MD-9600」を使用してレーザによる印字を行った。印字条件は以下の通りである。
(1) 走査速度=500mm/秒
(2)Q−スイッチ周波数=10kHz
(3)レーザパワー30%
印字内容は、「Lot.ABC123」である。
得られた印字物について印字濃度、耐水性を評価した。
各試験方法について以下に説明する。
印字濃度:5段階で評価した。結果を表1に示す。
◎:印字濃度が極めて高く、視認性が極めて良好。
〇:印字濃度が高く、視認性が良好。
〇△:印字濃度が十分であり、視認性が比較的良好。
△:印字濃度が不十分であり、視認性が不良。
×:印字濃度が殆どなく、視認性が極めて不良。
尚、実用レベルは〇△以上である。
印字部の表面状態:レーザ印字した箇所を観察した。結果を表1に示す。
Figure 2013220611
表1から明らかな様に、レーザ印字後に、レーザマーキング用積層体表面の変化がなく、印字濃度に優れたレーザマーキング用積層体を提供できる。

Claims (7)

  1. 基材上にレーザ発色層と透明プラスチックフイルムの表面保護層とを有するレーザマーキング用積層体であって、レーザ発色層が有機系難燃剤と、銅とモリブデンとの複合酸化物およびネオジムを含むビスマス系酸化物から選ばれる1種類以上からなるレーザ発色剤とを含有することを特徴とするレーザマーキング用積層体。
  2. 有機系難燃剤が、レーザ発色層中に1〜20重量%含有していることを特徴とする請求項1記載のレーザマーキング用積層体。
  3. 有機系難燃剤が、リン含有有機化合物、ハロゲン含有有機化合物、および窒素含有有機化合物から選ばれる1種類以上からなることを特徴とする請求項1または2記載のレーザマーキング用積層体。
  4. レーザ発色層が、更に、着色顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のレーザマーキング用積層体。
  5. レーザ発色層が、更に、ポリウレタン樹脂、および塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種類以上の樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のレーザマーキング用積層体。
  6. レーザマーキング用積層体の基材がプラスチックフイルムであることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のレーザマーキング用積層体。
  7. 請求項1〜6いずれか記載のレーザマーキング用積層体を用いてなる包装体。
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