JP2007313876A - レーザ印字方法、及び該方法で得られたレーザ印字を有する包装体、もしくはラベル - Google Patents

レーザ印字方法、及び該方法で得られたレーザ印字を有する包装体、もしくはラベル Download PDF

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紀文 渡辺
Kenshirou Shimada
健志郎 島田
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Abstract

【課題】商品、製品の製造管理、流通管理情報等の表示方法の提供。
【解決手段】
少なくとも印刷インキ、もしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体を使用することを特徴とする。
【構成】
少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体においてレーザ照射により製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、バーコード、RSSコード、2次元コードから選ばれる1種以上を印字するレーザ印字方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザ照射による印字方法、および該方法によるレーザ印字を有する包装体、もしくはラベルに関する。
PL法(製造物責任法)が施工され、包装体、ラヘ゛ル等には多種の印字が必要になっている。偽造、欠陥等の事故を防ぐ為にセキュリティー、あるいはトレーサビリティの観点から、表示の重要性が高まっている。
その分野は、医薬品のみならず、電子機器や電子部品の他、食品類や日用品、包装品に至るまでの多種多様な製品の包装、ラベル、キャップの他、ガラス瓶、金属缶、プラスティック容器に、印字が求められている。
かかる表示は、具体的にはその型式や規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、包装に関する表示であり、法で定められた情報の他、消費者が望む情報付加、生産者、販売者の商品戦略を反映した内容が必要になっている。
従来、包装資材、ラベル、キャップ、フィルム、容器等への印刷は、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法などの有版方式で行われてきた。また、賞味期限、製造年月日、ロット番号の日時や機械で変化する可変印字は、スタンプ印刷法、インクジェット印刷法、感熱転写リボン法、刻印印刷法等で行われている。
可変文字の他、産地表示、肥培管理表示、栄養表示、成分表示などを行う場合、可変印字ではないにしても、小さなロットになるのは避けられない。市場ニーズ、商品戦略を反映するためには少量多品種になるが、それを有版方式で行うことは、高価な版を多数用意することになり、版コストの他、版の管理など極めて高コストで煩雑な作業となる。
本発明は、積層体にレーザー照射により発色する層を形成し、レーザー照射により印字する方法、及び該方法によるレーザ印字を有する包装体、もしくはラベルについてである。レーザー照射は、フィルム積層体の表面もしくは裏面のフィルムから照射し、製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示の1種以上を印字する。
レーザマーキングによる印字は、レーザ照射によるレーザ発色層の炭化、分解、気化が起こりやすく、実際に製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示等を印字した場合、印字表面の膨れ、剥がれ発生しやすい。このような膨れ、剥がれは製品としての外観、見栄えを損なうばかりか、実際に使用される形態、例えば袋、箱、ラベルでの耐油性、耐水性、耐摩耗性等を著しく低下させる問題があった。
また、レーザ照射における条件を弱くすれば、表面の膨れ、剥がれは低減できるものの印字濃度が低下し、目的とする表示の視認性が低下する。
なし。
そこで、本発明は少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体において製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、製造年月日、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示の1種以上を印字するレーザ印字方法、及び該方法で印字された包装体、もしくはラベルを提供することを目的とする。
即ち、本発明は、少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体においてレーザ照射により製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、バーコード、RSSコード、2次元コードから選ばれる1種以上を印字するレーザ印字方法に関する。
また、本発明は、印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がアンカーコート層であり、かつ更にプラスチックフイルムと積層されていることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
また、本発明は、印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がオーバープリント層であることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
また、本発明は、オーバープリント層がシリコーン樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂、もしくはウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
また、本発明は、オーバープリント層がイソシアネートによる硬化性を有していることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
また、本発明は、積層体が紙基材を有していることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
さらに、本発明は、アンカーコート層の厚みが1μm以上であることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
さらに、本発明は、オーバープリント層の厚みが1μm以上であることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
さらに、本発明は、レーザ照射装置の光源が、炭酸ガス、YAGレーザ、YVO4レーザーの何れかであることを特徴とする上記レーザ印字方法に関する。
さらに、本発明は、上記方法で印字されたレーザ印字を有する包装体に関する。
さらに、本発明は、何れかの方法で印字されたレーザ印字を有するラベに関する。
本態様の少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体は、レーザ照射により発色する層が積層体の内部に存在する。そのため印字後の後加工なしに、優れた耐水性、耐油性、耐摩耗性を付与することができる。また、該積層体は印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がレーザ発色層と直接接しているため、印字後の濃度が透明層が存在しない場合に比べて著しく高い。そのためレーザ照射条件を強くしないでも適正な印字濃度を得ることが可能である。
また、少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体を包装体、もしくはラベルとして使用するとコントラストが鮮明な文字、図形、情報を有すコードを記録でき、商品、製品の製造管理、流通管理、販売において管理、広告、宣伝機能を十分に発揮することができる。
本発明をなす積層体は、その基本構成として、少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含んでおり、またこれら2層は直接接している。印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層はオーバープリント層、放射線硬化層等からなる。具体的な積層体構成としては、例えばオーバープリント層/レーザ発色層/プラスチックフイルム、オーバープリント層/レーザ発色層/紙等が挙げられる。
印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層は、必要に応じて表面保護層を有していても良い。表面保護層としてはプラスチックフイルムがある。この場合、印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層はアンカーコート層、もしくはプライマー層をなす。具体的な積層体構成は、例えばプラスチックフイルム/アンカーコート層/レーザ発色層/プラスチックフイルム、プラスチックフイルム/アンカーコート層/レーザ発色層/紙等がある。
これらの積層構成を基本とし、袋、箱としての包装体、もしくはラベルを製造することができる。包装体がプラスチックフイルムを主構成とする袋の場合、積層構成において少なくともヒートシール性フイルムを有していることが好ましい。
印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層は1)オーバープリント層、2)放射線硬化層等から形成される。オーバープリント層は印刷インキ、塗工液を、印刷、塗布後に乾燥することで得られる。放射線硬化層は同様に印刷、塗布、必要に応じて乾燥後、さらに紫外線、電子線照射硬化で形成する。
印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がオーバープリント層である場合、その厚みは特に限定されないが、好ましくは1μm以上である。厚みが薄いとレーザー照射した場合、レーザー波長、オーバープリント層の種類によってはレーザー照射に伴う熱でその表面がダメージを受け、積層体内部までが露出し、記録材としての印字性、耐溶剤性、耐摩耗性等が低下する。
オーバープリント層は、印刷インキ、塗工液から形成され、そののバインダー樹脂として、例えば水溶性の、セルロース、メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、カゼイン、ゼラチン、スチレン/無水マレイン酸共重合体塩、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体塩、ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン樹脂、アクリル/スチレン樹脂等が挙げられる。溶剤型樹脂としてはスチレン/マレイン酸、アクリル/スチレン樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネイト、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリアクリル酸エステル、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジエン/アクリル酸共重合体、ポリ酢酸ビニル等がある。好ましくは、耐熱性のあるシリコーン樹脂、エポキシ変性シリコーン樹脂、ポリエステル変性シリコーン樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂等を使用すればレーザ照射時の発熱による透明層の膨れ、剥がれ、飛散が更に低減できる。オーバープリント層の膜強度、耐熱性、耐水性、耐溶剤性等の向上を目的に硬化剤を併用することができる。硬化剤としてはイソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、エチレンイミン系等が使用できる。膜強度、膜物性の点からはイソシネート系硬化剤が好ましい。イソシアネート系硬化剤の中でも3官能以上のものが特に良好である。これらイソシアネート系硬化剤は水酸基を有する樹脂と組み合わせれば、耐レーザ照射性が向上し、表面状態の優れた印字物が得られる。オーバープリント層となる塗工液には、塗工性、皮膜物性向上のため必要に応じて消泡剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、硬化剤等の添加剤、また塗工性、印刷適性向上を目的にイソプロピルアルコール、メチルイソブチルケトン、1−メトキシ−2−プロパノール、トルエン等の溶剤も使用できる。
また、印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層として放射線硬化型の層を設ける場合、エチレン性不飽和結合を一つ以上有するモノマー、プレポリマーオリゴマー等を用いる。本発明に使用可能なモノマーとしては、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、スチレン、アクリルアミド、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートエチル、3−フェノキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能モノマー、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能モノマー、その他5官能以上のモノマーとしてジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等がある。放射線硬化型組成物としてモノマー、プレポリマー、オリゴマーを用いる場合3官能以上のモノマー、プレポリマー、オリゴマーは20〜95重量%以内で使用することが好ましい。20重量%以下では放射線硬化層の膜密度、膜強度が低く、場合によっては印字面の平滑性が低下したり、耐水性、耐油性、耐摩耗性等の物性も低下する。95重量%以上の場合、放射線硬化層が硬くなり過ぎ印字物を折れ曲げた時、オーバープリント層の剥離が起こりやすくなる。放射線硬化層の厚さは、特に制限はないが薄い場合、レーザー照射した場合、レーザー波長、オーバープリント層の種類によってはレーザー照射に伴う熱でその表面がダメージを受け、積層体内部までが露出し、記録材としての印字性、耐溶剤性、耐摩耗性等が低下する。好ましくは1μm以上である。
放射線硬化型組成物には、紫外線で硬化させる場合、光重合開始剤、必要に応じて増感剤が必要となる。光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、ベンゾイン系、ベンゾインメチルエーテル系等、増感剤としてはN−メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、P−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等のアミン系化合物、トリーn−ブチルホスフイン、ミヒラーケトン等を使用することができる。電子線硬化の場合上記の光重合開始剤、増感剤等が使用しなくても硬化させることが可能である。
放射線硬化型組成物を硬化させるには、1)紫外線照射として超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク燈、メタルハライドランプ等が使用される。2)電子線照射の場合、コックロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000eVのエネルギーを持つ電子を照射する。
印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層は、必要に応じて表面保護層を有していても良い。表面保護層としてはプラスチックフイルムがある。この場合透明層はアンカーコート層、プライマー層を成している。アンカーコート層、プライマー層の存在により印字濃度の向上、積層体表面の膨れ、剥がれの低減に効果がある。レーザ照射により発色する層と表面保護層、特にプラスチックフイルムが直接接しているのではなく、間にアンカーコート層、プライマー層を介している場合、その効果は顕著である。アンカーコート層、プライマー層の厚さは1μm以上が好ましい。1μm以下では印字濃度、表面の膨れ、剥がれに対する効果が乏しい。アンカーコート層、プライマー層としては、前述のオーバープリント層に使用したものがそのまま適用可能である。なかでもアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂をバインダー樹脂とする印刷インキ、塗工液、もしくは、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂も含めたイソシアネート系硬化剤と架橋可能な樹脂をバインダー樹脂とする印刷インキ、塗工液が好ましい。
印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層表面保護層としてのフイルムは通常の印刷、塗工に使用できる透明フイルムなら、特に制限はない。具体的には、低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリビニルアルコールフイルム等、及びポリ塩化ビニリデン等をコーテイングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフイルムも挙げられる。また、蒸着フイルム、例えばシリカなどを蒸着したPETフイルムも用いることができる。フイルムの厚みは特に限定されない。例えばPETの場合、12〜40μm、OPPの場合は20〜50μmが好適に用いられる。
レーザー発色層は、レーザ発色性印刷インキ、塗工液より形成される。好ましくは印刷インキである。レーザ発色印刷インキはレーザ発色性を有する材料から選ばれる1種以上の材料の他に、通常はバインダー樹脂を含有し、さらに必要に応じて、インキ適正、印刷適正などを向上させる添加剤などを含有する。
レーザ発色性を有する材料としては、無機材料、有機材料がある。本態様に用いられる無機材料は、例えば、1)金属単体、2)金属塩、3)金属水酸化物、4)金属の酸化物等を示す。
1)金属の単体としては、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
2)金属の塩としては、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銀、塩化亜鉛、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸銅、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸鉄、安息香酸コバルト、芳香環を有するホスホン酸銅などが挙げられる。
3)金属の水酸化物としては、水酸化銅、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンチモン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化ランタン等が挙げられる。
4)金属の酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化コバルト、酸化鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化モリブテン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ランタン、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、合成ゼオライト、天然ゼオライト、銅−モリブテン複合酸化物(42−903A、東缶マテリアル・テクノロジー株式会社製)等が挙げられる。 金属酸化物としては、層状構造を有する、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト等を用いることもできる。
無機材料の中では、銅化合物、モリブデン化合物、鉄化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、ジルコニウム化合物、またはアンチモン化合物から選ばれる1種以上の材料、より好ましくは、銅化合物、モリブデン化合物、クロム化合物、ニッケル化合物を有する材料、さらに好ましくは、銅−モリブデン複合酸化物などが挙げられる。特に、銅−モリブテン複合酸化物は自己発色性が強く、また銅−モリブデン複合酸化物自身の近傍の樹脂なども黒化させやすいため、視認性の優れた印字物が得られる。
レーザが照射されても無機材料自身の発色はなく、近傍のバインダー樹脂、添加剤などが炭化、分解、気化し発色する場合も有る。 レーザ発色層を有する積層体にレーザ照射することで鮮明性、コントラスト、視認性に優れた文字、図形を有する包装体、ラベルが得られる。
顔料は印字物のバックグランドとして鮮明性、コントラスト、視認性を向上させる機能がある。レーザ発色層はレーザ発色剤の他、黄色、紅色、藍色、もしくは白色顔料等を必要に応じて併用することにより視認性の高いレーザ発色性有する積層体を得ることができる。とりわけ白色顔料として酸化チタンを使用し、レーザ発色層を成す印刷インキの着色剤の一部、もしくは全部として用いると視認性の優れた印字物が得られる。酸化チタンとしてはアナターゼ、ルチル型共に使用できる。
レーザ発色性を有する有機材料として染料も使用することが出来る。染料としては、特に制限はないが、記録材の使用目的、用途、使用環境に合わせて適宜選択可能である。染料として、特に通常の感熱記録において使用される公知の発色剤や顕色剤を使用すれば視認性の高い印字物を得ることができる。
例えば発色剤としては通常の感熱記録において電子供与体として使われている発色性化合物が使用できる。例えば、フルオラン系、フェノチアジン系、スピロピラン系、トリフェニルメタフタリド系、ローダミンラクタム系等のロイコ染料が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ニトロフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(3−ジメチルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
顕色剤は通常、発色剤と共に用いられる。顕色剤としては、感熱記録体において電子受容体として使用される物質、例えばフェノール系化合物である4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシアセトフェノン、2,2−ジヒドロキシジフェニル、2,2−メチレンビス(4−クロロフェノール)、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4−イソプロピリデンジフェノール、4,4−イソプロピリデンビス(2−クロロフェノール)、4,4−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4−エチレンビス(2−メチルフェノール)等、その他酸性白土カオリン、ゼオライト、芳香族カルボン酸、その無水物、有機スルホン酸を用いることができる。なかでもフェノール系化合物が好ましい。
上記発色剤と顕色剤の比率は、発色剤1重量部に対して、顕色剤2〜10重量部が好ましい。また、発色剤と顕色剤の合計がレーザ発色層中で占める割合は30〜90重量%であることが好ましい。
ロイコ染料はレーザの熱による発色性が良好なことから、好適に用いられる。本態様において、特に染料を用いる場合は、記録材に表面保護層があっても、染料が溶出する可能性があるため、製品の製造工程でボイル、レトルト等がないことが好ましい。
レーザ発色層中でレーザ発色剤の合計が、レーザ発色層100重量部中に0.1〜90.0重量部含まれていると、レーザ発色層の皮膜強度、凝集力と発色性のバランスの点で好ましい。特に好ましくは、5.0〜60.0重量部である。0.1重量部未満では皮膜としての凝集力はあるものの発色性が劣る。また、90重量部を超えると、皮膜の強度、凝集力が低下し、レーザ照射により積層された記録材の折り曲げ耐性が低下し、場合によっては層間で剥離する。
次に、レーザ発色層を構成するバインダー樹脂としてはアクリル樹脂、アクリル変性ウレタン樹脂、 スチレン/アクリル樹脂、エチレン/アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種以上混合することで得られる。
これら樹脂の中でウレタン樹脂は特にフイルムへの密着性が良く、熱的緩和性にも優れていることから記録材として好適に用いられる。また、セルロース系樹脂、特にニトロセルロース樹脂は、レーザによる発色性が良好で、発色剤等のレーザ吸収性が乏しくても、印刷インキ皮膜層としての発色性を向上させる。
また、バインダー樹脂として光硬化性樹脂等も使用可能である。具体的には、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、スピラン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。これら樹脂と必要に応じて紫外線硬化性モノマーなどの各種モノマー、プレポリマー、光重合開始剤が使用される。
レーザー発色層中におけるバインダー樹脂の含有量は、レーザー発色層100重量部中に、10.0〜99.9重量部含まれていると、皮膜の凝集力、基材への密着性の点で好ましい。10.0重量部未満では樹脂分が少ないため皮膜の基材への密着性、皮膜の凝集力が劣るため、記録材としの耐折り曲げ性、経時安定性等の低下をまねく。また、99.9重量部を超えるとレーザ発色性が劣る。
添加剤としては、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、防錆剤、可塑剤、難燃剤、顕色剤などを挙げることができる。
これら添加剤は、特にレーザ発色性インキの印刷適性、印刷効果等の改善を目的に使用され、その種類、使用量は、印刷方法、印刷基材、印刷条件により適宜選択できる。
レーザ発色層は、積層体中で全体、或いは一部にベタ印刷し、使用に供される。そのレーザ発色性印刷インキ層は、レーザ発色性印刷インキをに印刷後、溶剤乾燥、放射線硬化などの過程を経て形成される。このようなレーザ発色性印刷インキは、例えば、グラビア印刷用インキ、オフセット印刷用インキ、フレキソ印刷用インキ、シルクスクリーン印刷用インキなどとして調整することができる。本態様の積層体では、レーザ発色性印刷インキから形成されるレーザ発色層が積層体の内部に存在しており印字時、使用中おいて印字面の剥離、飛散、摩耗等を防ぐことが可能となる。
また、本態様の積層体は、少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含んでおり、透明層は更にプラスチックフイルムといった表面保護層と積層されていても良い。 ここで言う表面保護層は、使用形態において視認する側の最上部に存在する層で積層体の積層、印刷、塗工順序には直接関係していない。この場合、透明層はアンカーコート層をなし、表面保護層に直接接している。 例えば透明フイルムを基材とし、印刷、塗工、貼り合わせ等により積層体を構成する場合、印刷、積層順序は透明基材の上に1)アンカーコート層、2)レーザー発色層、3)フイルムの順であり、ここでいう表面保護層とは視認する側であるからアンカーコート層側の透明フイルムとなる。また、紙も積層体の構成要素とする場合、印刷、塗工、積層順序は、例えば1)紙にレーザ発色性インキを印刷、塗工、2)アンカーコート層を印刷、塗工、3)最後に透明フイルムを貼り合わせる。この場合、視認する側は透明フイルム側からであるので、表面保護層とは一番最後に積層した透明フイルムとなる。
基材上にオーバープリント層、アンカーコート層、レーザー発色性印刷インキ層を設ける方法は特に限定されず、何れも液状の場合、インクジェット、浸漬、スピンコーティング、印刷などの方法を用いることができる。本態様に置いては印刷が好ましい。表面保護層がフイルムの場合、基材として印刷、塗工したり、場合によっては最後に貼り合わせて積層体にすることすることも可能である。
次に少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体の生産工程について一例を説明する。
・ レーザ発色性印刷インキの調整
印刷インキにレーザ発色剤を添加する場合、そのの種類によってはそのまま添加、攪拌しただけではインキ中への分散が不十分であったり、また分散した場合でも粒径が大き過ぎると印刷適性、印刷効果が劣ったり、或いは発色が不十分になりやすい。そのためレーザ発色剤の種類に応じて、予め分散剤、樹脂等を用いて有機溶剤、水等からなる液状溶媒に分散しておくことが好ましい。用いる樹脂、分散剤はレーザ発色剤の分散に適していることが必要がある。レーザ発色剤の使用量は添加後の最終印刷インキの全成分量に対して1〜60重量%が好ましい。より好ましくは2〜50重量%である。レーザ発色剤の含有量が60重量%を超えると分散不良を起こしやすく、記録材の記録特性を損なう可能性がある。1重量%未満の場合、発色性の低下が大きくなる。
レーザ発色剤を有機溶剤、水等の液状媒体中に分散して塗工液を調製する際に使用する分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)等が挙げられる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、スチレンビーズ等を用いることが好ましい。
有機溶剤としては、印刷用に用いられる公知の溶剤を用いることが可能であり、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、メチルイソブチルケトン、1−メトキシー2−プロパノール、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
該レーザ発色性印刷インキは必要に応じて他の印刷インキ、例えば黄色インキ、紅インキ、藍インキ、白色インキにそのまま添加することで、インキ色相の異なるレーザ発色性印刷インキを得る事が可能となる。特に、レーザ発色により黒化するレーザ発色剤を含むインキを製造し、白色印刷インキに添加した場合、レーザ発色によりコントラストの高い、視認性に優れた印字物が得られる。
2)フイルム、紙などで構成される基材への印刷
本態様に用いられる基材としては、プラスチックフイルム、紙が挙げられる。プラスチックフイルムとしては低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリビニルアルコールフイルム等、及びポリ塩化ビニリデン等をコーテイングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフイルムも挙げられる。また、蒸着フイルム、例えばシリカなどを蒸着したPETフイルムも用いることができる。紙としてはアート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙等が使用できる。
基材の厚みは特に限定されない。プラスチックフイルムの場合、通常印刷に用いられるフイルムがそのまま適用できる。例えばPETの場合、12〜40μm、OPPの場合は20〜50μmが好適に用いられる。
積層体の構成は、先ずこれら基材にアンカーコート層、もしくは他の層を積層する。アンカーコート層を最初に形成する場合は、この基材が表面保護層、すなわち使用形態においてこの基材側から視認する場合である。一般には基材に透明なフイルムを用いる場合に相当する。他の層、例えばレーザ発色層を積層する場合は、その基材が積層体の使用形態において視認する方向と逆に配置される場合である。この場合は、更に例えば、アンカーコート層を形成し、最後に表面保護層を形成する。 表面保護層がフイルム、蒸着フイルムである場合、接着剤等を用い貼り合わせる。積層体の構成は目的、用途により適宜選択される。
積層体の製造においては、レーザ発色性印刷インキと異なる色相の印刷インキをレーザ発色性印刷インキ層の直接の下地となるよう重ね刷りするとバックグランドとのコントラストで視認性の高い印字が得られる。また、レーザ発色性印刷インキを重ね刷りすることで印字濃度を向上させることができる。
上記の構成により得られた積層体のレーザ発色層の厚みは特に限定されないが、好ましくは1〜100μm/層である。1μm未満であると皮膜層が薄いことからレーザ発色濃度が低下し、視認性が劣る。100μmを超えると発色性は十分なものの皮膜層の強度が十分でないと記録材としての力学的耐性に問題が出る。
このようにして、得られたレーザ発色性を有する積層体の一部、或いは全面には、製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、バーコード、RSSコード、2次元コードから選ばれる1種以上をレーザ照射により印字できる。積層体の内部にレーザ発色剤層が存在しているので、従来の印刷物で問題となっていた印字の剥離、傷つきをなくすができ、また油、水分との接触による字のかすれを無くすることができる。
レーザによる印字は、英数字、ひらがな、漢字等で目的とする内容を表示する他、バーコード、或いは2次元バーコードとして、更に多量の各種情報を書き込むことも可能である。2次元コードとしては、QR(モデル1)、QR(モデル2)、マイクロQR、DataMatrix等がある。
次いで、本態様の記録方法について説明する。本態様に好適に使用できるレーザーとしては、例えば炭酸ガスレーザー(10640nm)、YAGレーザー(1064nm)、YVOレーザー(1064nm)等が挙げられる。
好ましくは、YAGレーザー、YVOレーザーであり、更に好ましくはレーザー光の強度分布がシングルモードのパワー分布であるYVOレーザーである。YAGレーザー、若しくはYVOレーザーは1)LD%、2)Q−スイッチ周波数、及び3)走査速度等の条件により対象物の印字品質を制御できる。
LD%は、レーザー出力を表す。LD%によりレーザーパワーを制御できるが、大きくし過ぎると表面保護層、オーバープリント層、放射線硬化層等がダメージを受けやすい。また、小さすぎると印字が不鮮明になる。
Q−スイッチは、パルスを発生させる周波数を表す。Q−スイッチも印字品質に影響を及ぼし、大きすぎても、小さすぎても印字品質が低下する。
走査速度は印字ドットの間隔、印字時間等を制御するもので遅過ぎると印字ドットが集中し、場合によってはレーザー発色層がダメージを受ける。また、早過ぎるとと、印字ドット間が広くなり場合によっては印字濃度、印字品質の低下がみられる。
レーザによる印字では、印字濃度と表面状態のバランスを取ることが重要である。レーザ発色層が内部にあるため、レーザ照射により積層体内で炭化、分解、気化が起こり、その表面に膨れ、剥がれを生じやすい。場合によっては耐溶剤性、耐水性、耐摩耗性等が低下する。そのため好ましい印字方法は積層体に記録したレーザの印字ドットが連続していなく、互いに独立していることである。印字ドットが連続すると印字濃度は向上するものの、その線上に沿って積層体内で剥離等が起こりやすく、積層体表面にも悪影響を及ぼす。
本発明はラベルにも有用で、表面保護層の膨れ、剥離がなく視認性の高いバーコードラベル、商品表示ラベル等、或いは類似の機能を有する荷物用タッグ、ワッペン、シール、ステッカー等が得られる。
ラベルの基本構成としては基材/粘着剤層/剥離紙である。基材としては本発明の記録方法が適用されるレーザ記録が可能な記録材がそのまま使用できる。粘着剤層は、天然ゴム、合成ゴム、ポリイソブチレン、2−エチルヘキシルアクリレート/n−ブチルアクリレート等を用いたアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の塗工液を塗工、乾燥した塗膜で形成される。塗工液には必要応じて、アビエチン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合体等の粘着付与剤、イソシアネート系、エポキシ系硬化剤を併用することができる。
剥離紙としては、紙基材にシリコーン系、フッ素系剥離剤を塗付した離型紙、ポリオレフイン系樹脂を被覆したラミネート紙等が利用できる。
レーザ記録は、ラベルを対象とするものに貼付する前、或いは貼付した後でも可能である。
[実施例]
以下、実施例に基づき本態様をさらに詳しく説明する。実施例中、部は重量部を表す。
(合成例1)ウレタン樹脂の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにポリテトラメチレングリコール(分子量2000、分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフイで測定される数平均分子量を示す)1000部とイソホロンジイソシアネート222部を仕込み、窒素雰囲気下、85℃で5時間反応させた。次いで、40℃に冷却後イソホロンジアミン82部、ジ−n−ブチルアミン7.8部、トルエン1244部、メチルエチルケトン1244部およびイソプロピルアルコール573部を添加し、攪拌下40℃で5時間反応させた。このようにして得られたウレタン樹脂の固形分は30%、粘度は350cps(25℃)であった。
(合成例2)アクリル樹脂の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにイソプロピルアルコール600部を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下で80℃迄昇温した。次に、予め調整して置いたアクリル酸28部、アクリル酸メチル20部、メタクリル酸メチル420部、アクリル酸ブチル130部およびアゾビスイソブチロニトリル12部の混合液を2時間で滴下した。滴下後1時間経て、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、更に2時間反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンで固形分の調整を行った。このようにして得られたアクリル樹脂の固形分は30%、粘度は340cps(25℃)であった。
(合成例3)フェニルホスホン酸銅の合成
水1350部に、フェニルホスホン酸130部を溶解させた。これに硫酸銅5水和物103部を添加し、室温下で2時間攪拌した。析出物を濾過し、水で洗浄を行い、100℃で減圧乾燥させ、フェニルホスホン酸銅35部を得た。
(実施例1)
合成例3で得たフェニルホスホン酸銅30部、合成例1で得たウレタン樹脂80部、メチルエチルケトン10部の混合物をペイントシェーカで練肉し、印刷インキを得た。得られた印刷インキを更に、メチルエチルケトン、酢酸エチル及びイソプロピルアルコールの混合溶剤(重量比50:40:10)で希釈し、ザーンカープ#3(離合社製)で17秒(25℃)に調整し、希釈インキを得た。
基材フイルムとしてコロナ放電処理PET(東洋紡績社製「エステルE5102」、膜厚12μm)の処理面側に、版深35μmのグラビア版を用いて印刷速度80m/分、乾燥温度60℃で印刷し、印刷物を得た。得られた印刷物に合成例1で得たウレタン樹脂のトルエン/メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール(=2/2/1)混合溶液で所定の濃度になるよう希釈し、版深30μmのグラビアコータでOPニスを塗工した。
(実施例2〜10、比較例1)
実験例2〜10、比較例1におけるにおける発色剤の種類、積層体構成について表1、表2に示す。アンカーコート層の塗工はオーバープリント層と同じである。また、PEのラミネートは、得られた印刷物に接着剤「EL540/CAT−RT80」(東洋モートン社製)を塗布し、乾燥させ、塗布面側に溶融ポリエチレンを中間層として低密度ポリエチレン「TUX−FCD」(トーセロ製、膜厚40μm)を貼り合わせる溶融押し出しラミネーションすることで行った。得られたラミネート印刷物は40℃で2日間エージングを施し、最終的にレーザー発色層がラミネートされた積層体を得た。
実施例10については、実施例5で得たOP層/発色剤層/紙に粘着剤「オリバインBPS−1109」(東洋インキ製造(株)製)を固形分量で30g/mになるよう塗工し、更に離型紙「ノンカール」(王子化工(株)製)を貼り合わせ、レーザ記録可能なラベルを作成した。
尚、比較例1は、印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がない場合である。
* OPP:「パイレンP2161」(東洋紡績社製、コロナ放電処理、膜厚20μm)
* Ny:「ON−RT」(ユニチカ社製)
実施例1〜10および比較例1で得られた積層体について、YVOレーザ「キーエンス社製MD-9600」、及びYAGレーザ「キーエンス社製MD―H9800」使用してレーザによる印字記録を行った。印字条件は
(1) 走査速度=1000mm/秒
・ Q−スイッチ周波数=15kHz
・ レーザパワー15%
である。
得られた記録材について上記の条件で印字を行い、視認性、表面状態を評価した。
印字内容 「賞味期限 12月31日」
各試験方法について以下に説明する。
視認性: 3段階で評価した。結果を表2に示す。
○:印字濃度が高く、視認性が良好。
△:印字濃度が高くない、また、視認性が良好でない。
×:印字濃度が殆どない、また、視認性が殆どない。
表面状態(膨れ、損傷):3段階で評価した。結果を表2に示す。
○:レーザー照射側の表面に膨れが全くない。
△:レーザー照射側の表面に膨れが僅かに見られる
×:レーザー照射側の表面に膨れが多く見られる。
Figure 2007313876
Figure 2007313876

Claims (11)

  1. 少なくとも印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層/レーザ照射により発色する層の構成を含む積層体においてレーザ照射により製品名、製造者名、製造年月日、ロット番号、規格、賞味期限、会社ロゴマーク、産地表示、肥培管理表示、遺伝子組み替え表示、添加物表示、アレルギーに関する表示、栄養表示、成分表示、バーコード、RSSコード、2次元コードから選ばれる1種以上を印字するレーザ印字方法。
  2. 印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がアンカーコート層であり、かつ更にプラスチックフイルムと積層されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ印字方法。
  3. 印刷インキもしくは塗工液から形成された透明層がオーバープリント層であることを特徴とする請求項1記載のレーザ印字方法。
  4. オーバープリント層がシリコーン樹脂、水酸基を有するアクリル樹脂、もしくはウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項3記載のレーザ印字方法。
  5. オーバープリント層がイソシアネートによる硬化性を有していることを特徴とする請求項3または4記載のレーザ印字方法。
  6. 積層体が紙基材を有していることを特徴とする請求項1から5何れか記載のレーザ印字方法。
  7. アンカーコート層の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1から6何れか記載のレーザ印字方法。
  8. オーバープリント層の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1から6何れか記載のレーザ印字方法。
  9. レーザ照射装置の光源が、炭酸ガス、YAGレーザ、YVO4レーザーの何れかであることを特徴とする請求項1〜8何れか記載のレーザ照射によるレーザ印字方法。
  10. 請求項1〜9何れかの方法で印字されたレーザ印字を有する包装体。
  11. 請求項1〜9何れかの方法で印字されたレーザ印字を有するラベル。


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