JP4356564B2 - 積層記録材 - Google Patents
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Description
このような問題に対して、レーザー感度を持ちながら熱で変色する無機素材を一緒に樹脂に添加し、樹脂成型物のレーザーマーキング性を向上させることが行われている。
また、本発明は、感熱発色層が芳香環を有するホスホン酸銅および担持体を含有することを特徴とする上記積層記録材に関する。
また、本発明は、感熱発色層が、無機材料、カーボンブラックまたはグラファイトから選ばれる一種以上の材料を含有することを特徴とする上記積層記録材に関する。
また、本発明は、芳香環を有するホスホン酸銅が、フェニルホスホン酸銅であることを特徴とする上記積層記録材に関する。
また、本発明は、無機材料が、銅原子を含有することを特徴とする上記積層記録材に関する。
また、本発明は、接着剤層若しくはアンカーコート剤層を有することを上記積層記録材に関する。
また、本発明は、感熱発色層が食品包装用積層体と一体となって形成されることを特徴とする上記積層記録材に関する。
また、本発明は、担持体がウレタン樹脂であることを特徴とする上記積層記録材に関する。
さらに、本発明は、表面保護層をなす放射線硬化モノマーのうち、3官能以上のモノマーが20〜95重量%であることを特徴とする上記積層記録材に関する。
さらに、本発明は、表面保護層がイソシアネートで硬化されることを特徴とする上記積層記録材に関する。
さらに、本発明は、基材層を有する上記積層記録材に関する。
さらに、本発明は、記録材の基材が紙であることを特徴とする上記積層記録材に関する。
さらに、本発明は、記録材の基材がプラスチックであることを特徴とする上記積層記録材に関する。
加えて、本発明は、上記積層記録材を加熱により記録することを特徴とする感熱記録方法に関する。
加えて、本発明は、感熱発色が、サーマルヘッドまたはレーザー光により行なわれることを特徴とする上記感熱記録方法に関する。
また、本発明の感熱発色層および表面保護層を有する積層記録材を用いた感熱記録方法によれば、安定した濃度・色彩をもつコントラストの高い感熱記録をすることができる。
1)感熱記録において使用される公知の発色剤、及顕色剤
2)芳香環を有するホスホン酸銅
を使用することができる。
発色剤としては感熱記録において電子供与体として使われている発色性化合物が使用できる。例えば、フルオラン系、フェノチアジン系、スピロピラン系、トリフェニルメタフタリド系、ローダミンラクタム系等のロイコ染料が挙げられる。ロイコ染料の具体例としては、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−アミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ニトロフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3,3−ビス(3−ジメチルアミノ)−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等が挙げられる。
発色剤と顕色剤の比率は、発色剤1重量部に対して、顕色剤2〜10重量部が好ましい。また、発色剤と顕色剤の合計が感熱発色層中で占める割合は30〜90重量%であることが好ましい。
金属の単体として具体的には、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
金属の塩として具体的には、炭酸カルシウム、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銀、塩化亜鉛、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸銅、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸鉄、安息香酸コバルト等が挙げられる。
特に、銅原子を含有する無機材料は、記録時の熱伝導性の向上、高い感熱発色性を持つことによるコントラストの高い画像の記録、熱源として用いられるレーザー光に対する感度の向上による感熱発色性の向上などの利点が得られるため好ましい。
1)感熱記録塗工液の調整は次の方法で行うことができる。
感熱発色剤を有機溶剤、水等からなる液状溶媒に分散剤、樹脂を用いて分散する。この場合、塗工液の全成分量に対して発色剤/顕色剤は5〜50重量%が好ましい。
また芳香環を有するホスホン酸銅を使用する場合、その塗工液中の含有量は0.5〜40重量%あることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。感熱発色剤の含有量が40重量%を超えると分散不良を起こしやすく、積層記録材の感熱記録特性を損なう可能性がある。
本発明に用いられる基材としては、フイルム、紙が挙げられる。フイルムとしては低密度ポリエチレン、無延伸および延伸ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネイト、ポリビニルアルコールフイルム等、及びポリ塩化ビニリデン等をコーテイングしたポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セロファン等のフイルムも挙げられる。また、蒸着フイルム、例えばシリカなどを蒸着したPETフイルムも用いることができる。紙としてはアート紙、コート紙、上質紙、和紙、合成紙等が使用できる。
本発明において、感熱発色層の形成はスクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷で行うことが好ましい。塗工液に溶剤を使用している場合、印刷後に乾燥機等により充分乾燥させる必要がある。
3)表面保護層の形成
上記の方法で得られた印刷物は、更に表面保護層を設けることで本発明の一つである積層記録材となる。その積層構成は種々の構成が適用できる。例えば基材がフイルムの場合
(A)フイルム/感熱発色層/フイルム。この場合ラミネートは感熱発色層自体の粘着性により、熱ロール等でラミネートすることができる。感熱発色時の熱、ガス発生等による積層体の剥離、膨れ等を防止するためには接着剤を使用した構成、乃ち(B)フイルム/感熱発色層/接着剤/フイルムの構成が好適に用いられる。接着剤の使用により表面保護層の剥離、膨れ等が低減できるため、印字、描画した時の鮮明性、コントラストが良好になる。アンカーコート剤でも同様な結果が得られる。
また、印字、描画の基材フイルムに対するコントラスト、美粧性を出すため白インキ、或いは色インキ等の着色インキも同時に印刷することもできる。その場合の構成は(C)フイルム/感熱発色層/着色インキ層/接着剤/フイルムとなる。この場合、着色インキ層を先に印刷した(D)フイルム/着色インキ層/感熱発色層/接着剤/フイルムの構成も可能である。(C)、(D)構成の使い分けは、使用形態、乃ちどちら側から印字物を見るかによる。その他の構成としてアルミ等のバリア層を有する構成、例えば(E)フイルム/感熱発色層/接着剤/アルミ/接着剤/フイルム、(F)シリカ蒸着フイルム/感熱発色層/接着剤/フイルムの構成も可能である。一般的には包装材に供される構成が本発明でも適用可能である。また、表面保護層は塗工液の皮膜からも形成可能である。
基材にフイルムを用いる場合、表面保護層としてフイルムの代わりに塗工液から形成される皮膜を用いることができる。その場合上記の構成例において表面保護層のフイルムを皮膜に変えた構成がそのまま適用できる。この場合基本的には接着剤層は不要である。例えば、(A)、(B)構成は共にフイルム/感熱発色層/皮膜となる。
また、印字、描画の基材フイルムに対するコントラスト、美粧性を出すため白インキ、或いは色インキ等の着色インキを先に印刷した(J)フイルム/着色インキ層/感熱発色層/(接着剤)/フイルムの構成も可能である。一般的には包装材に供される構成が本発明でも適用可能である。
また、アンカーコート剤としてポリエステル/イソシア系、ポリエーテル/イソシア系、エチレンイミン系、ブタジエン系、チタネート系を使用することができる。これらアンカーコート剤は印刷を施した面にグラビアコータ、ロールコータ等で塗布される。
感熱記録は、感熱発色層及び表面保護層を有する積層記録材に、加熱により記録することによって行う。印字は感熱発色層をなす1)発色剤/顕色剤、或いは2)芳香環を有するホスホン酸銅が熱により化学的に結合し、発色(1の場合)、酸化分解または炭化する(2の場合)ことで行われる。後者の場合、素材によっては芳香環を有するホスホン酸銅の周りに存在する樹脂等の担持体も熱により分解し変色することで、非常に鮮明なコントラストを持った記録を行うことができる。他の発色剤、例えば銅、モリブデン複合酸化物等も同様に周りの樹脂等を熱分解し、鮮明な記録を可能とする。記録する際のエネルギー量は、芳香環を有するホスホン酸銅の種類や量、記録部分の厚みなどによって異なるが、少なくとも芳香環を有するホスホン酸銅が酸化分解または炭化するためのエネルギー量は必要であり、記録時の加熱温度は250〜550℃であることが好ましく、300〜500℃であることがより好ましい。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、重量部および重量%をそれぞれ表す。
(合成例1)フェニルホスホン酸銅の合成
水1350部に、フェニルホスホン酸130部を溶解させた。これに、硫酸銅5水和物103部を添加し、室温下で2時間攪拌した。析出物をろ過し、水で洗浄を行い、100℃で減圧乾燥させフェニルホスホン酸銅35部を得た。
フェニルホスホン酸の代わりに4−エチルフェニルホスホン酸153部を使用した以外は合成例1と同様にして4−エチルフェニルホスホン酸銅を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにアジピン酸と3−メチルー1,5―ペンタンジオールから得られる分子量2,000のポリエステルジオール1,000部とイソホロンジイソシアネート222部を仕込み、窒素雰囲気下、85℃で5時間反応させた。次いで、40℃に冷却後イソホロンジアミン82部、ジ−n−ブチルアミン7.8部、トルエン1,244部、メチルエチルケトン1,244部およびイソプロピルアルコール573部を添加し、攪拌下40℃で5時間反応させた。このようにして得られたウレタン樹脂の固形分は30%、粘度は350cps(25℃)であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにイソプロピルアルコール600部を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下で80℃迄昇温した。次に、予め調整して置いたアクリル酸48部、メタクリル酸メチル420部、アクリル酸ブチル132部およびアゾビスイソブチロニトリル12部の混合液を2時間で滴下した。滴下後1時間経て、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、更に2時間反応させた。反応終了後、メチルエチルケトンで固形分の調整を行った。このようにして得られたアクリル樹脂の固形分は30%、粘度は350cps(25℃)であった。
攪拌機、温度計、還流冷却器、および窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコにイソプロピルアルコール600部を仕込み、攪拌下、窒素雰囲気下で80℃迄昇温した。次に、予め調整して置いたアクリル酸48部、メタクリル酸メチル420部、アクリル酸ブチル132部およびアゾビスイソブチロニトリル12部の混合液を2時間で滴下した。滴下後1時間経て、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え、更に2時間反応させた。反応終了後に50℃に冷却し、ジメチルエタノールアミン45部を加え、充分に攪拌した。更にイオン交換水を添加し、昇温を行い、脱溶剤を行った。このようにして得られた水性アクリル樹脂(C)の固形分は30%、粘度は400cps(25℃)、pH=7.9であった。
UVニス1:ペンタエリスリトールヘキサアクリレート3部/ペンタエリスリトールトリアクリレート3部/トリプロピレングリコールジアクリレート30部/3−フェノキシプロピルアクリレート8部/イルガキュアー184(チバガイギー社製)6部/IPA50部
UVニス2:ペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部/ペンタエリスリトールトリアクリレート10部/トリプロピレングリコールジアクリレート8部/3−フェノキシプロピルアクリレート6部/イルガキュアー184(チバガイギー社製)6部/IPA50部
UVニス3:ペンタエリスリトールヘキサアクリレート25部/ペンタエリスリトールトリアクリレート17部/トリプロピレングリコールジアクリレート1部/3−フェノキシプロピルアクリレート1部/イルガキュアー184(チバガイギー社製)6部/IPA50部
発色剤としてフェニルホスホン酸銅100部、樹脂としてウレタン樹脂200部をプレミックスし、ペイントシェーカ(ガラスビーズ使用)にて5時間分散した。次にウレタン樹脂200部、およびメチルエチルケトンを加え、固形分30%に調整した。こうして得られたインキをメチルエチルケトンで一律に50%希釈し、グラビア印刷用の感熱発色インキとした。印刷、ラミネートは実施例1と同様である。
実施例4〜15
用いた1)感熱発色インキを成す発色剤、添加剤および樹脂、2)印刷における基材フイルム、3)ラミネートにおけるラミネートの方法およびシーラントフイルムについて表1に記す。尚、実施例5〜8については添加剤ATO20部、カーボンブラック1部、グラファイト1部、炭酸銅20部を添加した。
実施例16
実施例3で得た印刷物に溶剤型のOPニス(ニトロセルロース系)を塗工、乾燥により、表面保護層を形成し、積層記録材を得た。
用いた1)感熱発色インキを成す発色剤、添加剤および樹脂、2)印刷における紙、3)UVニスについて表1に記す。UVニスを塗布、乾燥した。引き続きUV照射は80W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離で、コンベア速度10m/分で2パス通し、積層記録材を得た。
実施例20
実施例3で得た印刷物に溶剤型エチレン−酢酸ビニル共重合体接着剤を塗布、乾燥してOPPを貼り合わせ積層記録材を得た。
比較例1 実施例3の印刷物をそのまま記録材として用いた。この記録材の感熱発色層は皮膜、フイルムで保護されていない。
(記録方法A)
得られた積層記録材について、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1300Ωの大倉電機社製サーマルヘッド「TH−PMD」を具備するGIIIFAX試験機を使用して、感熱記録を行った。記録は、ヘッド電圧22V、通電時間1.2msで行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。感熱記録した結果を表2に示す。
得られた積層記録材について、YVO4レーザー「YVO社製i-Marker10W」(連続描画)を使用して感熱記録を行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。感熱記録した結果を表2に示す。
○:加熱側の表面に膨れが全くない。結果は表2にまとめた。
△: 〃 僅かに見られる
×: 〃 甚だしい。
○:加熱側の印字表面が全く取れない。
△: 〃 僅かに取られる
×: 〃 甚だしく取られる。
Claims (15)
- 芳香環を有するホスホン酸銅および担持体を含有する感熱発色層および表面保護層を有する積層記録材であって、さらに、当該芳香環を有するホスホン酸銅の塗工液中の含有量が0.5〜40重量%であることを特徴とする積層記録材。
- 感熱発色層が、無機材料、カーボンブラックまたはグラファイトから選ばれる一種以上の材料を含有することを特徴とする請求項1記載の積層記録材。
- 芳香環を有するホスホン酸銅が、フェニルホスホン酸銅であることを特徴とする請求項1または2記載の積層記録材。
- 無機材料が、銅原子を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の積層記録材。
- 接着剤層若しくはアンカーコート剤層を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の積層記録材。
- 感熱発色層が食品包装用積層体と一体となって形成されることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の積層記録材。
- 担持体がウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の積層記録材。
- 表面保護層が放射線硬化性であることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の積層記録材。
- 表面保護層をなす放射線硬化モノマーのうち、3官能以上のモノマーが20〜95重量%であることを特徴とする請求項1〜8記載の積層記録材。
- 表面保護層がイソシアネートで硬化されることを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の積層記録材。
- さらに基材層を有する請求項1〜10いずれか記載の積層記録材。
- 記録材の基材が紙であることを特徴とする請求項11記載の積層記録材。
- 記録材の基材がプラスチックであることを特徴とする請求項11記載の積層記録材。
- 請求項1〜13いずれか記載の積層記録材を加熱により記録することを特徴とする感熱記録方法。
- 感熱発色が、サーマルヘッドまたはレーザー光により行われることを特徴とする請求項14記載の感熱記録方法。
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