JP5343403B2 - ラミネート用粘着フィルムおよびレーザーマーキングラベル - Google Patents
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Description
本発明のラミネート用粘着フィルムに使用する樹脂フィルムはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの汎用的に入手できる透明樹脂フィルムが使用でき、必要に応じてシリカや炭酸カルシウムなどの不活性無機粒子を添加した艶消しにしたポリエチレンテレフタレートや高密度ポリエチレンを添加することによって艶消しにしたポリプロピレンなどの半透明樹脂フィルムを使用しても良い。より好ましくは、粘着剤層までレーザー光を通しやすく、表面強度が高い二軸延伸されたポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートの透明樹脂フィルムである。樹脂フィルムの厚さは、表面の擦れに対して粘着剤層まで破壊されて印字が欠損しない厚さが望ましく、10〜30μmの厚さが望ましい。当該厚さの範囲であると、移送時や長期にわたる使用状況に際しても粘着剤層への外的衝撃が伝わりにくくなり、粘着剤層の変形が生じにくく、印字のゆがみや欠損を抑制できる。また、小型電子機器の電池パックの外装ラベルのような折れ曲がりが多い被着体へ貼付する場合に、フィルムの反発力によるオーバーラミネートの剥がれや、オーバーラミネートを施したラベルの剥がれが生じにくい。
本発明に使用するレーザー発色性を有する発色剤としては、レーザー光によって暗色、好ましくは黒色に変色する公知の発色剤を使用できる。当該発色剤としては、金属化合物を用いた無機粒子を主成分とする発色剤や、ロイコ染料等の発色成分とフェノールメチロール化合物等の顕色剤とを含有し、感熱によって黒色発色する反応系の発色剤などが例示でき、レーザー光に対して感度が高く、経時的な発色の安定性を有する発色剤として、金属化合物を用いた無機粒子を主成分とする発色剤を好ましく使用できる。中でも銅、モリブデン等の金属複合酸化物を用いた発色剤粒子や、キレート形成が可能な金属化合物を含有する無機粒子表面に、レーザー照射時の熱刺激によって黒色発色性が良好なアミノ基を有する炭化水素化合物を配位させた発色剤粒子を好適に使用できる。
本発明に使用するレーザー発色性粘着剤層は、上記レーザー発色性を有する発色剤を含有する粘着剤層であり、レーザー発色性を有する発色剤を含有する粘着剤組成物から形成される層である。当該粘着剤層を形成する粘着剤組成物としては、公知のアクリル系、ゴム系、ビニルエーテル系、シリコーン系の粘着剤組成物中にレーザー発色剤を分散させた粘着剤組成物を使用することができる。それらの中でもレーザー発色剤を均一に分散しやすいアクリル系の粘着剤組成物を使用することが好ましい。特に、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤組成物が好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート等であり、単独或いは2種以上を併用して用いることができる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はそれらを併用した単量体を主成分とすることが好ましく、その使用量はアクリル系共重合体中の単量体成分量中の50〜99質量%であることが好ましく、95〜99%質量%であることがより好ましい。更に、レーザー発色剤を含有させた場合にも貼付時に好適なタック性を確保しやすいことから、ガラス転移温度(Tg)が低いn−ブチルアクリレートを主たる単量体成分として使用したアクリル系共重合体を含有する粘着剤組成物が好ましい。
本発明のラミネート用粘着フィルムは、上記樹脂フィルムの片面に上記レーザー発色性粘着剤層が積層された粘着フィルムである。従来のレーザー印字可能なラベルにおいては、インキ層のレーザー照射部位のインキを蒸散させて書き込みを行うものであったため、レーザー印字を行う部分の最表層には、レーザー蒸散可能な印刷層を設けなければならないという制限が生じる。更に、完全なレーザー蒸散には至らず、印刷層の燃え残りが発生する場合、モバイル電子機器の充電式電池等に燃え残りが付着し、モバイル電子機器の汚れや誤動作を誘発する可能性がある。これに対し本発明のラミネート用粘着フィルムは、ラベル自体の印刷は制限を受けないため、インキの選択性が多く、各種意匠性の付与に極めて優位性が高い。更に、印字部の欠損の防止に際しても、インキ層の蒸散によるラミネート層の膨れや、不鮮明な印字等の問題を生じることがない。更に、モバイル電子機器の充電式電池等を作成しているメーカー等においては、印刷済みのラベルを充電式電池本体に貼り付けて電池パックとし、当該電池パックに印字する工程を有する場合があるが、印字に不具合があった際にもラミネート用粘着フィルムやこれを使用したレーザーマーキングラベルを貼り替えれば良いため、電池パックの筐体に直接レーザー印字する場合に比べ、コストの低減を図ることができる。
本発明のラミネート用粘着フィルムを使用したレーザーマーキングラベルの好適な構成としては、樹脂基材の一方の面に隠蔽層と粘着剤層が積層され、樹脂基材の他方の面に上記ラミネート用粘着フィルムが積層されたレーザーマーキングラベル(図1)を例示できる。
本発明のラミネート用粘着フィルムが積層される樹脂基材として、粘着フィルムの基材として使用される樹脂基材を適宜使用でき、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルムなどが好ましく例示できる。樹脂基材は高隠蔽性を得やすい着色樹脂基材が好ましく、白色樹脂基材がより好ましい。白色樹脂基材として、白色着色剤を含有させた樹脂基材を使用でき、具体的には白色着色剤を含有する白色ポリエチレンテレフタレートフィルム、白色ポリオレフィンフィルム、白色ポリスチレンフィルム等が挙げられる。添加する白色着色剤としては特に限定はなく、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、クレー等の公的に用いられる白色着色剤を使用できる。白色の着色方法として、白色着色剤の添加だけでなく、ポリエチレンテレフタレートフィルムにポリメチルペンテン等のポリエステル樹脂と非相溶な樹脂を添加するなどした後、二軸延伸を行い、内部に微細な気泡を形成させる方法を併用するなどしても良い。また、樹脂基材表面上に、紫外線硬化型インキを使用する凸版印刷や熱転写印刷等の印刷方式によって印刷する場合には、樹脂基材表面にインキを密着させるためのアンカーコート層を設けても良い。
本発明のレーザーマーキングラベルに使用する隠蔽層は、隠蔽性を確保できるものであれば特に制限されず、黒色の着色剤を含有する黒色層や、金属薄膜層などが好ましい。特に高隠蔽性を確保できることから黒色層であることが好ましい。
本発明のレーザーマーキングラベルの粘着剤層に使用する粘着剤組成物としては、上記のラミネート用粘着フィルムに使用する粘着剤組成物同様、公知のアクリル系、ゴム系、ビニルエーテル系、シリコーン系の粘着剤組成物を使用することができる。それらの中でもアクリル系共重合体を主成分とするアクリル系粘着剤組成物が好ましい。アクリル系共重合体としては、単量体成分として炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含有するアクリル系共重合体が好ましい。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート等であり、単独或いは2種以上を併用して用いることができる。中でも、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、又はそれらを併用した単量体を主成分とすることが好ましく、その使用量はアクリル系共重合体中の単量体成分量中の50〜99質量%であることが好ましく、95〜99%質量%であることがより好ましい。
レーザーマーキングラベルの粘着剤層表面には剥離ライナーが設けられていても良く、当該剥離ライナーとしては、従来公知のものを用いることができる。例えば、上質紙、クラフト紙、グラシン紙及びクルパック紙のいずれかの上にポリエチレンをラミネートし、その上に離型処理を施したものや、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂フィルム上に離型処理を施したもの等が挙げられる。これらの中でも、生産性、貼り作業性の点から、上質紙、クラフト紙、グラシン紙及びクルパック紙のいずれかの上にポリエチレンをラミネートし、その上に離型処理を施したものが好ましい。離型処理としては、従来公知のシリコーン処理、長鎖アルキル処理及びフッ素処理等を挙げることができるが、シリコーン処理が好ましい。
本発明のレーザーマーキングラベルの隠蔽率は98%以上が好ましく、99%以上がより好ましい。隠蔽率は、粘着ラベルを隠蔽率試験紙の白色面および黒色面に貼付し、JIS−Z−8722に規定される色の測定方法で、白色面および黒色面に貼付した粘着ラベルの三刺激値のうち明るさを示すY値をそれぞれ測定し、測定したY値を次式に当てはめ、隠蔽率を測定する。隠蔽率(%)=(黒色面に貼付したラベルのY値/白色面に貼付したラベルのY値)×100%。隠蔽率がこの範囲にあると、電池パック等の模様が透けてラベル表面から見えることが無い。また、レーザーマーキングラベルのフィルム面から見た場合の白色性は、JIS−Z−8722に規定される色測定方法の三刺激値XYZのうち、明るさを示すY値とJIS−Z−8715で規定される白色度指数Wで規定される。本発明のレーザーマーキングラベルの白色性は特に限定されるものではないが、Y値は40以上が好ましく、60以上がより好ましい。白色度指数Wは70以上が好ましく、75以上がより好ましい。Y値が40以上であり、白色度指数が70以上であると黒色の印刷や印字を行った場合に印字面の表示が読みとりやすい。
[レーザー発色剤A]
酸化銅(II)を28%担持したシリカ粒子「SC−1」(堺化学工業社製)3.0部、ベンジルアミン(和光純薬社製)3.0部をトルエン80部に添加し、ジルコニアビーズを分散材としてペイントシェイカーを用いて約5時間分散し、沈殿物をろ過後、トルエンでリスラリー洗浄を行い、110℃で減圧乾燥させレーザー発色剤Aを2.8部得た。
[粘着剤A]
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗および窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート92.8部、酢酸ビニル5部、アクリル酸2部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.2部と重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2部を酢酸エチル100部に溶解し、80℃で8時間重合して、質量平均分子量60万のアクリル共重合体溶液を得た。さらに、前記アクリル共重合体溶液の固形分100部に対し、石油樹脂系粘着付与樹脂(三井化学社製「FTR−6100」)を15部、ロジンエステル系粘着付与樹脂(荒川化学工業社製「ペンセルA」)を5部添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合して固形分45%の粘着剤主剤溶液aを得た。粘着剤主剤溶液aを攪拌しながら、粘着剤主剤溶液aの100部に対し、前記レーザー発色剤Aを10部添加し、20分間攪拌した。得られた前記の粘着剤組成物の溶液100部(固形分55%)へ、イソシアネート系架橋剤(DIC社製「バーノックNC−40」)を1.8部添加し、15分間攪拌して粘着剤Aを得た。
前記レーザー発色剤Aの代わりにレーザー発色剤Bを用いたこと以外は、粘着剤Aと同様にして粘着剤Bを得た。
前記レーザー発色剤Aを添加しないこと以外は、粘着剤Aと同様にして固形分45%の粘着剤Cを得た。
[ラミネート粘着フィルムA]
ポリエチレン樹脂20g/m2を片面に溶融押し出しラミネートしたグラシン紙のポリエチレンラミネート側表面にシリコーン化合物の剥離層を形成した剥離ライナーに、粘着剤Aを塗工して90℃で90秒間乾燥し厚さ15μmの粘着剤層を形成した。片面艶消しOPPフィルム25μm「MAM−430」(王子特殊製紙社製)と粘着剤層とを貼り合わせることにより、ラミネート粘着フィルムAを作製し、得られた粘着フィルムは40℃で2日間養生した。
粘着剤Bを用いること以外はラミネート粘着フィルムAと同様にして、ラミネート粘着フィルムBを作製した。
粘着剤Aと貼り合わせる透明フィルムとして、両面艶OPPフィルム20μm「FOR」(フタムラ化学社製)を使用したこと以外は、ラミネート粘着フィルムAと同様にしてラミネート粘着フィルムCを作製した。
粘着剤Aと貼りあわせる半透明フィルムとして、艶消しPETフィルム26μm「E130」(三菱樹脂社製)を使用したこと以外は、ラミネート粘着フィルムAと同様にしてラミネート粘着フィルムDを作製した。
粘着剤Cを用いること以外はラミネート粘着フィルムAと同様にして、ラミネート粘着フィルムEを作製した。
[白色樹脂基材]
押出機に、180℃4時間真空乾燥した平均粒径0.25μmの二酸化チタン18質量%を含有するポリエチレンテレフタレート共重合体を290℃で溶融押出し、このシートを表面温度20℃の鏡面冷却ドラム上でキャストして未延伸シートとした。このシートを90℃に加熱されたロール群で予熱し、95℃で長手方向に3.5倍延伸した。その後、シート端部をクリップで把持して105℃に加熱されたテンター内に導き予熱後、連続的に110℃の雰囲気中で幅方向に4.2倍延伸した。更に連続的に225℃の雰囲気中で8秒間の熱処理を行い、厚さ10μmの白色樹脂基材を得た。得られた白色樹脂基材を500mm×500mmの大きさに断裁し、70℃雰囲気下、無加重状態で48時間の長時間熱処理をし、白色樹脂基材Hを得た。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂をバインダーとする墨色インキ「パナシアCVL−SP R805墨」(DIC社製)100部、イソシアネート系架橋剤「CVLハードナーNo.10」(DIC社製)4部、希釈剤「ダイレジューサーVNo.20」(DIC社製)35部を添加して黒インキを調製した。
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂をバインダーとする白色インキ「パナシアCVL−SP 709白」(DIC社製)100部、イソシアネート系架橋剤「CVLハードナーNo.10」(DIC社製)2部、希釈剤「ダイレジューサーVNo.20」(DIC社製)35部を添加して白インキを調製した。
白色樹脂基材Hの片面の濡れ指数が500μN/cmになるようコロナ処理し、コロナ処理した面に乾燥後の塗工量が4.0g/m2になるようグラビアコーターにて白インキを塗布した。さらに白インキ層の上に乾燥後の塗工量が2.0g/m2になるようグラビアコーターにて黒インキを塗布し、隠蔽基材を得た。
(実施例1)
ポリエチレン樹脂20g/m2を片面に溶融押し出しラミネートしたグラシン紙のポリエチレンラミネート側表面にシリコーン化合物の剥離層を形成した剥離ライナーに、粘着剤Cを塗工して90℃で90秒間乾燥し厚さ20μmの粘着剤層を形成した。隠蔽基材の黒色層と粘着剤層とを貼り合わせることにより、粘着フィルムを作製し、得られた粘着フィルムは40℃で2日間養生した。得られた粘着フィルムの白色表面側にラミネート粘着フィルムAを貼付し、レーザーマーキング用粘着ラベルAを得た。
ラミネート粘着フィルムBを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例2のレーザーマーキング用粘着ラベルBを作製した。
ラミネート粘着フィルムCを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例3のレーザーマーキング用粘着ラベルCを作製した。
ラミネート粘着フィルムDを使用した以外は、実施例1と同様にして実施例4のレーザーマーキング用粘着ラベルDを作製した。
ラミネート粘着フィルムEを使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1の粘着ラベルEを作製した。
ラミネート粘着フィルムを使用せず、隠蔽基材の表面へUV硬化性インキ「ダイキュアRT−V墨」(DIC社製)を2μmの厚さで全面に渡って印刷したこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の粘着ラベルFを作製した。
隠蔽基材の表面へUV硬化性インキ「ダイキュアRT−V墨」(DIC社製)を2μmの厚さで全面に渡って印刷し、その表面にラミネート粘着フィルムEを貼付したこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の粘着ラベルGを作製した。
PETフィルム50μm上に、シリコーン化合物の剥離層を形成した剥離ライナーへ粘着剤A〜Cを塗布し、90℃で90秒間乾燥し乾燥重量15g/m2の粘着剤組成物を形成した。同様に塗布して作製した粘着剤組成物と貼り合わせを重ねることにより、剥離ライナー間に挟まれた厚さ400μmの粘着剤組成物を作製した。幅10mm、長さ70mmの試験片を準備し、23℃・50%RHの環境で、300mm/分の引っ張り速度にて引張破断強度と引張破断伸度を測定した。測定機器として、エー・アンド・ディ社製テンシロン万能試験機「RTA−100」を使用し、つかみ具間距離30mm、つかみ部分長さ上下各20mmとした。
25mm幅、100mm長さにカットした粘着ラベルA〜Gを0.5mm厚さのアルミ板へ貼付し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中で、ラミネート用粘着フィルムのみを白色樹脂基材の表面から300mm/分の引っ張り速度で180°方向へ引っ張り、180°ピール接着力を測定した。測定機器として、エー・アンド・ディ社製テンシロン万能試験機「RTA−100」を使用した。
剥離ライナーを剥がした状態で、得られたラミネート用粘着フィルムA〜Eを、反射・透過率計「HR−100」(村上色彩技術研究所社製)を用いて、JIS−K−7136に規定される試験方法にてD65光源における全光線透過率%を測定した。
得られた粘着ラベルA〜F表面に、FAYb方式レーザー「LPV−10U」(SUNX社製)を用いて、波長1064nm、平均出力3.6Wのパルス発振レーザー光にてマーキングを行い、マーキングの鮮明性を目視判断した。非常に鮮明に印字でき、ラミネート粘着フィルムの膨れが無いものを「○」、非常に鮮明に印字できるが、燃え残りが発生するものを「△」、鮮明に印字できないか、鮮明に印字できてもラミネートの膨れが発生するものを「×」で示した。
学振型磨耗堅牢度試験機「AB−301」(テスター産業社製)により、レーザーマーキングされた粘着ラベルA〜F表面を取り付け、スチールウール#0000にて5Nの荷重で20往復表面を摩擦し、マーキングの脱落が無いものを「○」、マーキングの脱落があるものを「×」で示した。
粘着ラベルの印刷加工後の粘着剤はみ出し性を調べるため、幅100mmの粘着ラベルをシール印刷加工機(OPM−W150、恩田製作所社製)にて、上記粘着ラベルを80mm幅×50mm長さの形状にハーフカットした後、カス取りを行い、5kgの張力でロール形状に巻き取った。23℃、50%の環境下に1日間放置した後、粘着ラベルを繰り出してブロッキングの有無を評価した。
レーザーマーキングを施していない粘着ラベルを、隠蔽率試験紙(日本テストパネル工業社製)の白色面および黒色面に貼付し、JIS−Z−8722に規定される色の測定方法で、白色面および黒色面に貼付した粘着ラベルの三刺激値のうち明るさを示すY値をそれぞれ測定した。測色光沢計「CM−3500d」(ミノルタ社製)を使用し、2度視野における標準光Cについて測定した。測定したY値を下記式に当てはめ、隠蔽率を測定した。
隠蔽率(%)=(黒色面に貼付したラベルのY値/白色面に貼付したラベルのY値)
×100%
レーザーマーキングを施していない粘着ラベルを隠蔽率試験紙(日本テストパネル工業社製)の白色面に貼付し、JIS−Z−8722に規定される色測定方法の三刺激値XYZのうち、明るさを示すY値を測定した。また、Y値、色度座標x値、y値の測定値から、JIS−Z−8715で規定される白色度指数Wを算出した。測色光沢計「CM−3500d」(ミノルタ社製)を使用し、2度視野における標準光Cについて測定した。測定したY値、x値、y値を下記式に当てはめ、白色度指数を測定した。
白色度指数W=Y値+800(0.3127―x値)+1700(0.3290−y値)
温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中で、化学的あるいは物理的な表面処理を施していない平滑なポリプロピレン板に、幅25mmの本発明のレーザーマーキングラベルを接着させ1時間放置した後、その粘着ラベルの基材端部(遊び部分)に0.98Nの定荷重を試験板から90度方向に載荷し、30分間放置した時の粘着ラベルの剥がれた距離を測定した。
2 レーザー発色性粘着剤層
3 ラミネート用粘着フィルム
4 樹脂基材
5 隠蔽層
6 粘着剤層
7 剥離ライナー
Claims (7)
- レーザーによりマーキングが可能なレーザーマーキングラベルであって、
樹脂基材の一方の面に隠蔽層と粘着剤層が積層され、樹脂基材の他方の面にラミネート用粘着フィルムが積層され、前記ラミネート用粘着フィルムが、透明または半透明樹脂フィルムの片面に、レーザー発色性を有する発色剤を含有するレーザー発色性粘着剤層を有することを特徴とするレーザーマーキングラベル。 - 前記レーザー発色性を有する発色剤が、アミノ基を含有する炭化水素化合物で処理されたキレート金属を表面に有する無機粒子である請求項1に記載のレーザーマーキングラベル。
- 前記レーザー発色性粘着剤層が、前記レーザー発色性を有する発色剤を10〜60質量%含有したアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層である請求項1又は2に記載のレーザーマーキングラベル。
- 前記樹脂基材が白色樹脂基材であり、前記隠蔽層が黒色インキ層または金属薄膜層が積層された隠蔽層である請求項1〜3のいずれかに記載のレーザーマーキングラベル。
- 白色度指数が70以上である請求項1〜4のいずれかに記載のレーザーマーキングラベル。
- 前記レーザー発色性粘着剤層を形成する粘着剤組成物が、厚さ400μmの膜状に成型し、温度23±2℃、相対湿度50±5%雰囲気中で、300mm/分で引っ張った際の引っ張り破断伸度が200〜1500%、引っ張り破断強度が0.4〜1.0MPaである請求項1〜5のいずれかに記載のレーザーマーキングラベル。
- 小型電子機器のパック電池の外装に貼り付けられる請求項1〜6のいずれかに記載のレーザーマーキングラベル。
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