JP4269936B2 - 感熱記録組成物及びその利用 - Google Patents
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Description
このような問題に対して、レーザー感度を持ちながら熱で変色する無機素材を一緒に樹脂に添加し、樹脂成型物のレーザーマーキング性を向上させることが行われている(例えば特許文献1〜3参照。)。
そこで、本発明は、加工時の温度では発色せず、加工性や保存安定性において優れ、熱刺激によりコントラストの高い黒色発色を示す感熱記録組成物、および加熱によりコントラストの高い黒色画像を記録する感熱記録方法を提供することを目的とする。
また、本発明の感熱記録方法は、上記の感熱記録組成物を成型してなる成型物表面、または基材上に上記の感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録媒体に、加熱により記録することを特徴とする。
また、本発明の感熱記録組成物を用いた感熱記録方法によれば、安定した濃度・色彩をもつコントラストの高い感熱記録をすることができる。
本発明の感熱記録組成物に含有される芳香環を有するホスホン酸銅は、記録時の温度で酸化反応を起こしやすく、非常に着色力の高い黒色または褐色に発色するものである。例えば、フェニルホスホン酸銅、2−メトキシフェニルホスホン酸銅、4−メトキシフェニルホスホン酸銅、4−エチルフェニルホスホン酸銅、2−イソプロピルフェニルホスホン酸銅、3−ニトロフェニルホスホン酸銅、4−ニトロフェニルホスホン酸銅、2−メチル−4−ニトロフェニルホスホン酸銅、3−メチル−5−ニトロフェニルホスホン酸銅、2−クロロ−5−メチルフェニルホスホン酸銅、4−クロロフェニルホスホン酸銅、4−ブロモフェニルホスホン酸銅、2−ヨードフェニルホスホン酸銅、2−フルオロフェニルホスホン酸銅等が挙げられる。特に、フェニルホスホン酸銅は、高い耐熱性および疎水性を持つため熱可塑性樹脂などへの加工性が良好であり、また安価に合成できるため好ましい。芳香環を有するホスホン酸銅は、二種類以上を混合して用いてもよい。
金属の単体として具体的には、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
金属の塩として具体的には、炭酸カルシウム、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム、塩化銅、塩化鉄、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化銀、塩化亜鉛、リン酸銅、リン酸鉄、リン酸コバルト、ピロリン酸銅、硫酸銅、硫酸鉄、硫酸コバルト、シュウ酸銅、シュウ酸鉄、シュウ酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸鉄、安息香酸コバルト等が挙げられる。
特に、銅原子を含有する無機材料は、記録時の熱伝導性の向上、高い感熱発色性を持つことによるコントラストの高い画像の記録、熱源として用いられるレーザー光に対する感度の向上による感熱発色性の向上などの利点が得られるため好ましい。
熱硬化性樹脂として具体的には、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
光硬化性樹脂として具体的には、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、スピラン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノアルキッド系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
感熱記録は、感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、または基材上に感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録媒体に、加熱により記録することによって行う。
成型物の製造に用いられる感熱記録組成物には、得られる成型物の感熱記録特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤および防曇剤等を添加しても良い。
塗工液には、塗工性の向上等を目的として、填料、界面活性剤、滑剤等を添加してもよい。
基材としては、紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属箔、またはこれらの積層体が用いられる。
基材と感熱発色層との間には、発色性向上の目的からアンダーコート層を設けることも可能である。アンダーコート層は、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂等で形成される球状樹脂微粒子や無機顔料等を結着樹脂に添加することにより構成される。
また、本発明の感熱記録組成物を成型してなる成型物に対して、加熱源としてレーザー光を用いて記録をし、加熱により記録すると同時に樹脂成型物が溶融および固形化する機構を利用して、二つの樹脂成型物の間を融着させ繋げることもできる。
(合成例1)
水1350部に、フェニルホスホン酸130部を溶解させた。これに、硫酸銅5水和物103部を添加し、室温下で2時間攪拌した。析出物をろ過し、水で洗浄を行い、100℃で減圧乾燥させフェニルホスホン酸銅35部を得た。
(合成例2)
フェニルホスホン酸の代わりに4−エチルフェニルホスホン酸153部を使用した以外は合成例1と同様にして4−エチルフェニルホスホン酸銅を得た。
(合成例3)
フェニルホスホン酸の代わりにエチルホスホン酸90部を使用した以外は合成例1と同様にしてエチルホスホン酸銅を得た。
・マスターバッチの作成方法
表1に示すポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂80部と、合成例で得られたホスホン酸銅単独またはホスホン酸銅と無機材料の混合品(混合重量比率80:20)20部とを溶融混練機にて混練することにより、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
・フィルム成型方法
得られたマスターバッチ50部と、マスターバッチの作成に用いたのと同様のポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂50部とを混合し、220〜260℃で溶融押出し、厚さ200μmの感熱記録フィルムを得た。
水195部、合成例で得られたホスホン酸銅単独またはホスホン酸銅と無機材料の混合品(混合重量比率80:20)40部、10%ポリビニルアルコール水溶液90部および炭酸カルシウム20部を攪拌混合し、塗工液を調製した。坪量40g/m2の原紙に、得られた塗工液をワイヤーバーで塗工量(固形分)6g/m2となるように塗工し、乾燥した後スーパーカレンダーで加圧処理して感熱記録材料を得た。
得られた成型物および感熱記録材料について、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1300Ωの大倉電機社製サーマルヘッド「TH−PMD」を具備するGIIIFAX試験機
を使用して、感熱記録を行った。記録は、ヘッド電圧22V、通電時間1.2msで行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
得られた成型物および感熱記録材料について、YVO4レーザー「YVO社製i-Marker10W」(連続描画)を使用して感熱記録を行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
Claims (7)
- 芳香環を有するホスホン酸銅および担持体を含有することを特徴とする感熱記録組成物。
- さらに、無機材料、カーボンブラックまたはグラファイトから選ばれる一種以上の材料を含有することを特徴とする請求項1記載の感熱記録組成物。
- 芳香環を有するホスホン酸銅が、フェニルホスホン酸銅であることを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録組成物。
- 無機材料が、銅原子を含有することを特徴とする請求項2または3記載の感熱記録組成物。
- 請求項1ないし4いずれか1項に記載の感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録することを特徴とする感熱記録方法。
- 基材上に請求項1ないし4いずれか1項に記載の感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法。
- 加熱が、サーマルヘッドまたはレーザー光により行われることを特徴とする請求項5または6記載の感熱記録方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006069086A (ja) * | 2004-09-03 | 2006-03-16 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | 積層記録材 |
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