JP4947863B2 - 感温インキおよびそれを用いた温度履歴インジケータ - Google Patents

感温インキおよびそれを用いた温度履歴インジケータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の温度を超える温度履歴を経たかを記録するためのものであって、所定の温度で不可逆的に色調の変化する感温インキ、およびそれを用いた温度履歴インジケータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加工食品のように製造の際に所定の温度を超えて加熱しなければならない製品がある。また、医薬用の製品や食料品のように流通や保管の際に、所定の温度を超えると劣化したり分解したり腐敗したりする製品もある。モータのように使用の際の過熱により、故障や破損をしたり火災等の危険を生じたりする電気設備や電気部品等の製品もある。
【0003】
従来、製品が所定の温度を超える温度履歴を経たか否かの検知には、色調の変化で示す示温材が用いられていた。このような示温材として、例えば特開昭61−12783号公報および特開昭61−14284号公報には、熱溶融性物質と酸塩基指示薬とを含むものが開示されている。この示温材は、加熱による変色後、冷却されると元の色調に戻る可逆的なものである。そのため、監視を欠くときには、所定の温度を超えたか否かが検知できない。さらに温度履歴の記録として保存することができない。
【0004】
また、実公昭46−28235号公報に開示されている不可逆的なラベルは、立体的な構造物として生産しなければならず、適性が低い。
【0005】
そこで、本出願人は、特願2000−124431号において、粒状または粉末状の色素と、記録すべき温度に相当する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質とが混合されたものであって、加熱による色調の変化が不可逆的である感温組成物を出願している。
【0006】
この感温組成物は粒状または粉末状である。カード状のインジケータを製造するために、この組成物のまま基材表面に付すには、組成物を基材上で圧搾後、剥れないようにフィルムで被膜して一体としなければならず、面倒である。この組成物のままインキ化する際、熱溶融性物質と色素とを溶解しないビヒクルやビヒクル用溶媒を選択する必要があるうえ、得られたインキで印刷しても印刷適性や印刷後の保存安定性が十分とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、所定の温度を超える温度履歴を経たかを明瞭な色調の変化で正確に表示でき、さらに変化した色調のまま保存できる温度履歴インジケータを簡便に量産するため、使用される感温インキを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の感温インキは、記録すべき温度に相当する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質と、熱溶融した該物質への分散または溶解による拡散性がある粒状または粉末状の色素とを封入しているマイクロカプセルが10〜70重量%含まれている。マイクロカプセルは不均一に偏在している。
【0009】
熱溶融性物質は、変色温度を決定する成分であって、常圧下で記録すべき温度の融点を有しており、粒状または粉末状でマイクロカプセルに封入されている。熱溶融性物質は、融点以上に加熱されると熱溶融されて、粒状または粉末状から液状に変化する。熱溶融性物質は、脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、スルフィド誘導体から選ばれる少なくとも1種類が好適に用いられる。
【0010】
色素は、粒状または粉末状であって、熱溶融性物質と共にマイクロカプセルに封入されている。色素は、熱溶融した熱溶融性物質へ分散または溶解し拡散する。また色素は、熱溶融したこの物質によって色素の粒表面や粉末表面が湿潤されるものであってもよい。色素として、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散性染料、反応性染料、油溶性染料、バット染料、媒染染料、アゾイック染料、硫化染料の例示される染料、有機顔料や無機顔料の例示される顔料、着色体が挙げられる。この感温インキには広範囲の色素を使用することができる。これらの色素は、2種以上混合して用いてもよい。色素は、0.001μm〜5mmの径を有していることが好ましい。マイクロカプセル中、この色素は熱溶融性物質の100重量部に対して、0.001〜100重量部の比で含まれていることが好ましい。
【0011】
マイクロカプセルは、例えば均一な外壁を有し、粒状または粉末状の色素と熱溶融性物質とを封入した約0.01μm〜約10mmの微小体である。
【0012】
マイクロカプセルの外壁が、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、ゼラチン、メチルセルロース、ポリウレタン、ワックス、アラビアゴム、デキストリン、およびナイロンのうちのいずれかの高分子化合物で形成されていることで好適に実施される。
【0013】
マイクロカプセルは、例えば、界面重合法、In−situ法、相分離法、気中懸濁法、静電合体法、噴霧凝固法、液中乾燥法により調製される。
【0014】
感温インキ中に、このマイクロカプセルが10〜70重量%含まれていることが好ましい。10重量%未満であると色調変化が不明瞭であり、一方70重量%より多いと固着力が低下し基材への塗布や印刷ができない。
【0015】
感温インキには、インキビヒクルが含まれていることが好ましい。インキビヒクルは、例えばアクリル樹脂、フェノール樹脂、ナイロン、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。市販のインキビヒクルである、PAS800メジウム、アクアセットインキ(いずれも十条化工社製の商品名)、ハイセットマットメジウム(ミノグループ製の商品名)、VAR−000メジウム(帝国インキ製造社製の商品名)、ラミスターRメジウム(東洋インキ社製の商品名)であってもよい。
【0016】
インキビヒクルとして、シリカ系、エポキシ系、アミノ系、ウレタン系、ウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系、エーテルアクリレート系、アルキド系、ビニルアセタール系、アクリル系ポリエステル、アクリル系の紫外線硬化樹脂などが挙げられる。市販のビヒクルでは、ダイキュアAK(大日本インキ化学工業(株)製)、FDSニュー(東洋インキ製造(株)製)、レイキュアTU4400(十条ケミカル(株)製)、UVSPAクリヤー(帝国インキ製造(株)製)、UV8418((株)セイコーアドバンス製)を使用できる。
【0017】
感温インキには、インキビヒクルを溶解する溶媒が含まれていてもよい。このインキビヒクル用の溶媒は、例えば水、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸イソアミル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、ジエチルベンゼン、トルエン、ブチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ミネラルスピリット、さらにUV硬化樹脂を用いた場合には、感光性樹脂のモノマーが挙げられる。
【0018】
さらに、感温インキには、色素を一層分散させて色調変化が明瞭となるように、タルク、炭酸マグネシウム、シリカの例示される分散剤が含まれていてもよい。感温インキには、色調変化を増幅させるため、直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料、反応性染料、油溶性染料、建築染料、媒染染料、アゾイック染料、硫化染料の例示される染料、有機顔料、無機顔料のいずれかであって、色素の色調と対照色を示す色の助色剤が含まれていてもよい。また、感温インキには、インキの流動性や乾燥性を調整するワックスや界面活性剤が含まれていてもよい。
【0019】
本発明の温度履歴インジケータは、前記の感温インキを、基材に印刷したものである。
【0020】
基材には、普通紙、和紙、ケント紙の例示される紙;合成紙;檜材の例示される木材;ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂の例示されるプラスチック製のものが挙げられる。
【0021】
この温度履歴インジケータは、カード状、シート状または棒状であってもよく、裏面に粘着剤層を有するラベルであってもよい。
【0022】
印刷は、例えばスクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、刷毛塗りにより行われる。
【0023】
このインキを印刷して形成されたインキ層は、透明または半透明の樹脂製のラミネート材で覆われていてもよい。ラミネート材には、例えばポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂の例示されるプラスチック製のフィルム;アクリル樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シリカの例示されるラミネート用印刷メジウムが挙げられる。
【0024】
この温度履歴インジケータは、加熱前には粒状または粉末状の熱溶融性物質と粒状または粉末状の色素とが混合状態にあって、色素が熱溶融性物質と共にマイクロカプセルに封入されたものである。インジケータが、熱溶融性物質の融点以上に加熱されると、熱溶融性物質は熱溶融する。熱溶融した熱溶融性物質に色素が分散または溶解することにより拡散したり、また熱溶融したこの物質で色素の粒状または粉末状の表面が湿潤したりすることにより、インジケータは明瞭な色調の変化を起こす。
【0025】
拡散が不可逆的であるため、このインジケータは色調変化した後に温度が低下し熱溶融性物質が凝固しても、色調変化前の色調に戻らない。
【0026】
マイクロカプセル内の熱溶融性物質と色素とは、熱溶融性物質が熱溶融した後、マイクロカプセルの外壁から滲み出てインキビヒクルに拡散してもよい。
【0027】
マイクロカプセルを用いると、熱溶融性物質や色素のインキ中での安定性が向上し、耐環境性も向上する。さらに、インキ化に際して熱溶融性物質と色素とが溶解しないビヒクルやビヒクル用溶媒を選択しなくてもよく、印刷適性や印刷後の保存安定性が優れる。
【0028】
温度履歴インジケータは、温度履歴を検知すべき製品の近傍に載置されたり、製品に貼付されたりして使用される。なお、製品に感温インキが直接、印刷されていてもよい。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の感温インキおよびそれを用いた温度履歴インジケータの実施例について詳細に説明する。
【0030】
感温インキには、粒状または粉末状の熱溶融性物質と色素とが封入されたマイクロカプセルが含まれている。
【0031】
熱溶融性物質は、具体的にはミリスチン酸、パルミチン酸、アジピン酸、オクタン酸、トリコサン酸、テトラトリアコンタン酸、2,3−ジメチルノナン酸、23−メチルテトラコサン酸、2−ヘキセン酸、ブラシン酸、2−メチル−2−ドデセン酸、β−エレオステアリン酸、ベヘノール酸、cis−9,10−メチレンオクタデカン酸、ショールムーグリン酸、3,3’−チオジプロピオン酸−n−ドデシル、トリラウリン、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸アニリド、N−アセチル−L−グルタミン酸、カプロン酸−β−ナフチルアミド、エナント酸フェニルヒドラジド、アラキン酸−p−クロルフェナシル、ギ酸コレステリル、1−アセト−2,3−ジステアリン、チオラウリン酸−n−ペンタデシル、ステアリン酸塩化物、無水パルミチン酸、ステアリン酸−酢酸無水物、コハク酸、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩、2−ブロム吉草酸、α−スルホステアリン酸メチルナトリウム塩、2−フルオルアラキン酸が挙げられる脂肪酸誘導体;
オクタデシルアルコール、コレステリン、D−マンニット、ガラクチトール、ヘプタトリアコンタノール、ヘキサデカン−2−オール、1−trans−2−オクタデセノール、β−エレオステアリルアルコール、シクロエイコサノール、d(+)セロビオース、p,p’−ビフェノール、リボフラビン、4−クロロ−2−メチルフェノール、2−ブロモ−1−インダノールが挙げられるアルコール誘導体;
ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、シチジン、アデノシン、フェノキシ酢酸ナトリウム、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、アルミニウムトリエトキシドが挙げられるエーテル誘導体;
ステアリンアルデヒド、パララウリルアルデヒド、パラステアリンアルデヒド、ナフトアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒドが挙げられるアルデヒド誘導体;
ステアロン、ドコサン−2−オン、フェニルヘプタデシルケトン、シクロノナデカン、ビニルヘプタデシルケトン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ビス(2,4−ペンタンジオナイト)カルシウム、1−クロロアントラキノンが挙げられるケトン誘導体;
トリコシルアミン、ジオクタデシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ヘプタデカメチレンイミン、ナフチルアミン、p−アミノ安息香酸エチル、o−トリチオ尿素、スルファメタジン、硝酸グアニジン、p−クロロアニリン、プロピルアミン塩酸塩が挙げられるアミン誘導体;
ヘキシルアミド、オクタコシルアミド、N−メチルドデシルアミド、N−メチルヘプタコシルアミド、α−シアノアセトアミド、サリチルアミド、ジシアンジアミド、2−ニトロベンズアミド、N−ブロモアセトアミドが挙げられるアミド誘導体;
ペンタデカンニトリル、マルガロニトリル、2−ナフトニトリル、o−ニトロフェノキシ酢酸、3−ブロモベンゾニトリル、3−シアンピリジン、4−シアノフェノールが挙げられるニトリル誘導体;
ヘキサデカン、1−ノナトリアコンテン、trans−n−2−オクタデセン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、2−メチルナフタレン、ビセン、塩化シアヌル、1−フルオロノナデカン、1−クロロエイコサン、1−ヨードペンタデカン、1−ブロモヘプタデカン、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられる炭化水素誘導体;
ペンタデカンチオール、エイコサンチオール、2−ナフタレンチオール、2−メルカプトエチルエーテル、2−ニトロベンゼンスルフェニルクロリドが挙げられるチオール誘導体;
1,3−ジアチン、2,11−ジチア[3,3]パラシクロファン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4−ジピリジルスルフィド、4−メチルメルカプトフェノールが挙げられるスルフィド誘導体のうちの少なくとも1種類が用いられる。
【0032】
色素は、具体的にはC.I.ディレクト・オレンジ39、C.I.ディレクト・ブラウン2、C.I.アシッド・イエロー73、C.I.アシッド・レッド52、C.I.アシッド・バイオレット49、C.I.ベイシック・イエロー11、C.I.ベイシック・レッド38、カチオン・レッドSGLH、カチオン・レッドGTLH、カチオン・レッド4GH、カチオン・レッド7BNH(保土ヶ谷化学社製)、C.I.モルダント・レッド7、C.I.モルダント・ブラック38、C.I.アゾイック・ブルー9、C.I.アゾイック・ジアゾ・コンポーネント11、C.I.サルファー・ブラック1、C.I.サルファー・レッド5、C.I.バット・グリーン9、C.I.バット・バイオレット2、C.I.ディスパース・ブルー3、ディスチャージ・レッドBB(三井東圧染料社製)、C.I.リアクティブ・ブルー19、C.I.リアクティブ・ブルー15、レマゾールBrブルーR−KN(三菱社製)、C.I.ソルベント・オレンジ2、C.I.ソルベント・ブルー25、C.I.アシッド・グリーン1、フラビアニック・アジド・ジソジウム・ソールト、プリムリンスルホン酸が挙げられる染料;
4,10−ジブロムアントアントロン、ジベンゾアントロン、コチニールレーキ、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・グリーン10、C.I.ベイシック・レッド1−レーキ、C.I.アシッド・レッド87-レーキ、C.I.ピグメント・ブルー6、C.I.ピグメント・レッド179、C.I.ピグメント・レッド88、アリザリンレーキ、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・グリーン8、C.I.ピグメント・レッド53、C.I.ピグメント・イエロー23−レーキ、タンニン酸・没食子酸・鉄レーキ、C.I.ピグメント・イエロー34、C.I.ピグメントイエロー35が挙げられる有機顔料;カオリン、紺青、硫酸ストロンチウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、カーボンブラックが挙げられる無機顔料が用いられる。なお、前記C.I.は、カラー・インデックスの略字である。
【0033】
前記の熱溶融性物質と色素とを用い、以下のようにして感温インキは製造される。
先ず、界面重合法でマイクロカプセルを調製する。すなわちマイクロカプセルの外壁を形成する高分子化合物は溶解するが熱溶融性物質と色素とは溶解しない溶媒に、熱溶融性物質と色素とを、攪拌機、ディスパーサー、ホモジナイザー、ミキサー等の機具で攪拌することにより分散乳化させる。
【0034】
次いで乳化硬化剤等を添加し、マイクロカプセルの外壁を形成させた後、ろ過等によりマイクロカプセルと溶媒とを分離させると、熱溶融性物質と色素との封入されたマイクロカプセルが得られる。
【0035】
インキビヒクルとインキビヒクル用溶媒、およびマイクロカプセルを、混練機で混練すると、感温インキが得られる。
感温インキを基材表面に印刷すると、温度履歴インジケータが得られる。
【0036】
以下、本発明を適用する感温インキを用いて試作した温度履歴インジケータの例を実施例1〜7に示し、本発明を適用外のインキを用いて試作した例を比較例1に示す。
【0037】
(実施例1)
マイクロカプセルは、界面重合法により調製した。
先ず、熱溶融性物質であるミリスチン酸99.9%と色素であるアシッド・イエロー73の0.1%との混合物7重量部、マイクロカプセルの外壁を形成するエポキシ樹脂であるエピコート828(油化シェルエポキシ(株)社製の商品名)30重量部を混合した。これを、2%アルキン酸ナトリウム水溶液500重量部と、尿素樹脂であるユーラミンP−1500(三井東圧化学(株)社製の商品名)3重量部との混合した分散媒中に、分散させ、20分間攪拌して乳化させた。
【0038】
その後、硬化剤であるエピキュア(油化シェルエポキシ(株)社製の商品)30重量部を添加し、8時間攪拌し、マイクロカプセル壁を形成させた。この液をろ過すると、熱溶融性物質と色素との封入されたマイクロカプセルが得られた。
【0039】
このマイクロカプセル100重量部と、インキビヒクルであるPAS800メジウム50重量部と、インキビヒクル用溶媒であるブチルセロソルブ50重量部とを混練機で混練すると、感温インキが得られた。このインキを、スクリーン印刷により基材であるプラスチック合成紙の表面に印刷し、温度履歴インジケータを得た。
【0040】
(実施例2〜7、比較例1)
表1に記載された量の高分子化合物、熱溶融性物質、色素を用い、実施例1の界面重合法に代えて実施例2、4〜7では相分離法、実施例3では液中乾燥法により、比較例1では実施例1と同じく界面重合法により、それぞれマイクロカプセルを調製した。その後のインキの調製とインジケータの試作は実施例1と同様にして、インジケータを得た。
【0041】
【表1】
Figure 0004947863
【0042】
実施例1〜7および比較例1で試作したインジケータを恒温槽に入れて昇温したとき、その色調の変化が観察されるときの変色温度を調べた。その結果を表1に示す。
【0043】
表1から明らかなとおり、実施例1〜7の温度履歴インジケータは、所定の温度で明瞭に変色し、所定の温度履歴を経たことを表示することができた。また変色後に温度履歴インジケータを保存しても、いずれも変色後の色調のままであった。一方、比較例1のインジケータは、マイクロカプセルの配合量が少なすぎて、熱溶融性物質が熱溶融しても着色せずもとの色調のままであった。
【0044】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の感温インキは、形状を問わず、印刷加工に使用することが可能である。また、印刷による量産が可能であるから、コストの大幅に安いインジケータを製造することができる。さらに、異なる融点の熱溶融性物質を用いることにより、低温から高温までの様々な変色温度を設定することができる。
【0045】
この感温インキを印刷して得た温度履歴インジケータは、色調の変化が不可逆的であるので変色後の色調のまま保存することができる。マイクロカプセルを用いているので、熱溶融性物質や色素のインキ中での安定性、および耐環境性がよい。インキ化に際して熱溶融性物質と色素とが溶解しないビヒクルやビヒクル用溶媒を選択しなくてもよく、印刷適性や印刷後の保存安定性が優れる。
【0046】
温度履歴インジケータは、温度管理を必要とする加工食品等の製品の加熱工程において所定の温度以上に加熱されたことの確認、加熱を忌避すべき医薬用の製品、食料品、電気部品等の製品の流通時や保存時において所定の温度にまで加熱されなかったことの確認のために好適に使用される。
【0047】
インキビヒクルとして紫外線硬化硬化樹脂を使えば、ラミネート材で覆わなくても耐環境性の高い感温インキを得ることができる。また、ラミネート材で覆ったインジケータと比較した場合、製造工程を少なくすることが可能なため、生産性が高く安価なインジケータが提供されることになる。

Claims (4)

  1. 記録すべき温度に相当する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質と、熱溶融した該物質への分散または溶解による拡散性がある粒状または粉末状の色素とを封入しているマイクロカプセルが10〜70重量%含まれていることを特徴とする感温インキ。
  2. 前記マイクロカプセルの外壁が、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、ゼラチン、メチルセルロース、ポリウレタン、ワックス、アラビアゴム、デキストリン、およびナイロンのうちのいずれかの高分子化合物で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感温インキ。
  3. 前記熱溶融性物質が、脂肪酸誘導体、アルコール誘導体、エーテル誘導体、アルデヒド誘導体、ケトン誘導体、アミン誘導体、アミド誘導体、ニトリル誘導体、炭化水素誘導体、チオール誘導体、スルフィド誘導体から選ばれる少なくとも1種類であり、前記色素は、染料、または顔料であることを特徴とする請求項1に記載の感温インキ。
  4. 請求項1に記載の感温インキを、基材に印刷したことを特徴とする温度履歴インジケータ。
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