JP2002365145A - 温度履歴インジケータ - Google Patents

温度履歴インジケータ

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JP2002365145A
JP2002365145A JP2001177324A JP2001177324A JP2002365145A JP 2002365145 A JP2002365145 A JP 2002365145A JP 2001177324 A JP2001177324 A JP 2001177324A JP 2001177324 A JP2001177324 A JP 2001177324A JP 2002365145 A JP2002365145 A JP 2002365145A
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Hiromichi Mizusawa
弘道 水沢
Daisuke Harumoto
大介 春本
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Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
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Nichiyu Giken Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】所定の温度を超える温度履歴を経たかを明瞭な
色調の変化で正確に表示し、変化後の色調のまま保管で
き、簡便な温度履歴インジケータを提供する。 【解決手段】温度履歴インジケータ1は、脂肪酸類、脂
肪酸塩類、脂肪酸トリグリセリド類、脂肪酸無水物類、
ハロゲン含有脂肪酸類、アルコール類、エーテル類、ア
ルデヒド類、ケトン類、アミン類、アミド類、ニトリル
類、不飽和基含有炭化水素類、ハロゲン含有炭化水素
類、チオール類、スルフィド類から選ばれる少なくとも
一種類の熱溶融性物質と、色素とを含んで着色している
熱溶融層4が基材5上に付され、熱溶融した該物質と該
色素とを不可逆的に吸収する不透明な吸収層3が熱溶融
層4を覆い、吸収層3が透明な保護フィルム2で被覆さ
れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の温度を超え
る温度履歴を経たかを、不可逆的な色調の変化によって
表示する温度履歴インジケータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気設備や電子機器等の製品は使用の
際、異常に過熱されると破損してしまう。また、冷蔵食
品等の製品は輸送や保存の際、高温に曝されると品質の
低下を招いてしまう。
【0003】これらの製品が所定の温度を超える温度履
歴を経たか否かについての確認のために、温度履歴イン
ジケータが用いられる。
【0004】温度履歴インジケータには例えば、色調の
変化で温度履歴を表示し、変化後の色調のまま保管でき
るサーモラベル(日油技研工業(株)製の商品名:登録商
標)がある。これは、インキビヒクル中に熱溶融性物質
を分散して調製されたインキが、着色した吸収層上に印
刷されたものであり、所定の温度に曝されると、熱溶融
性物質が溶融して吸収層に浸透し、吸収層の着色が現
れ、色調の変化が目視できるようになるというものであ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】熱溶融性物質を含むイ
ンキの調整や印刷のような面倒な工程の必要がなく、一
層簡便に製造できる温度履歴インジケータが望まれてい
た。
【0006】本発明は前記の課題を解決するためなされ
たもので、所定の温度を超える温度履歴を経たかを明瞭
な色調の変化で正確に表示し、変化後の色調のまま保管
できる簡便な温度履歴インジケータを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めになされた本発明の温度履歴インジケータ1は、実施
例に対応する図1を参照して説明すると、脂肪酸類、脂
肪酸塩類、脂肪酸トリグリセリド類、脂肪酸無水物類、
ハロゲン含有脂肪酸類、アルコール類、エーテル類、ア
ルデヒド類、ケトン類、アミン類、アミド類、ニトリル
類、不飽和基含有炭化水素類、ハロゲン含有炭化水素
類、チオール類、スルフィド類から選ばれる少なくとも
一種類の熱溶融性物質と、色素とを含んで着色している
熱溶融層4が基材5上に付され、熱溶融した該物質と該
色素とを不可逆的に吸収する不透明な吸収層3が熱溶融
層4を覆い、吸収層3が透明な保護フィルム2で被覆さ
れたものである。
【0008】吸収層3は、紙であることが好ましい。吸
収層3は、インジケータ1が所定の温度を超えていない
ときには熱溶融層4の着色を隠蔽し、一旦所定の温度を
超えた後には溶融した熱溶融性物質を色素とともに吸収
してその色調が変化するものである。
【0009】吸収層3を形成する紙は、天然パルプや化
学パルプを用いたシート状のもので、例えばアート紙、
薄葉印刷紙、グラシン紙、クラフト紙、ケント紙、合成
紙、コート紙、更紙、上質紙、水溶紙、セラミックペー
パー、中質紙、中性紙、バライタ紙、半紙、コピー機用
普通紙、プレスボード、ボンド紙、ラグペーパー、石綿
板紙、プレス用紙、濾紙、ガラス繊維濾紙が挙げられ
る。
【0010】吸収層3は、その厚さが10μmより薄い
と吸収層3は半透明になってしまい溶融前の熱溶融層4
の着色を隠蔽し難くなり、熱溶融した熱溶融性物質や色
素を吸収した前後での色調の変化が小さくなる結果、イ
ンジケータが変色していないと誤認してしまう。一方1
mmより厚いと、これらが吸収されても吸収層の観察面
にまで達せず、インジケータの色調の変化が目視できな
い。
【0011】熱溶融層4は、熱溶融性物質と色素とが直
接凝固したもの、もしくは熱溶融性物質と色素とが、
紙、繊維、海綿状シート、または粉末状無機化合物に担
持されたものであってもよい。この熱溶融層4は、予め
一旦溶融させて色素を加えた熱溶融性物質が、溶融され
たまま、紙・繊維の網目や、海綿状シートの間隙へ浸透
された後に放冷され凝固して担持されたものであり、ま
たは粉末無機化合物に混合されて流動性を低下させて担
持されたものである。担持のために用いられる紙として
濾紙が挙げられ、繊維としてプラスチック繊維やガラス
繊維が挙げられ、海綿状シートとしてスポンジが挙げら
れ、粉末状無機化合物として炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ベン
トナイト、カオリン、クレー、ホワイトカーボン、ブラ
ックカーボン、マイカが挙げられる。
【0012】熱溶融層4は、図2および図3に示すよう
に、予め一旦溶融されたまま色素の加えられている溶融
性物質が、基材5上へのシルクスクリーン印刷用スキー
ジにより印刷されたり、アプリケータにより一定厚に塗
布されたり、またはマイクロシリンジにより分注された
りした後、放冷することにより形成されたものである。
【0013】熱溶融性物質は、例えば脂肪酸類として、
ミリスチン酸、パルミチン酸、アジピン酸、オクタン
酸、トリコサン酸、テトラトリアコンタン酸、2,3−
ジメチルノナン酸、23−メチルテトラコサン酸、2−
ヘキセン酸、ブラシン酸、2−メチル−2−ドデセン
酸、β−エレオステアリン酸、ベヘノール酸、cis−
9,10−メチレンオクタデカン酸、ショールムーグリ
ン酸、N−アセチル−L−グルタミン酸、コハク酸、エ
ルカ酸のような脂肪酸、ミリスチン酸メチル、パルミチ
ン酸メチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチ
ル、パルミチン酸イソブチルのような脂肪酸アルキルエ
ステルが挙げられ、脂肪酸塩類として、ステアリン酸亜
鉛、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩、α−スルホス
テアリン酸メチルナトリウム塩が挙げられ、脂肪酸トリ
グリセリド類として、トリラウリン、1−アセト−2,
3−ジステアリンが挙げられ、脂肪酸酸無水物類とし
て、無水パルミチン酸、ステアリン酸−酢酸無水物が挙
げられ、ハロゲン含有脂肪酸類として、アラキン酸−p
−クロルフェナシル、ステアリン酸塩化物、2−ブロム
吉草酸、2−フルオロアラキン酸が挙げられ、アルコー
ル類として、オクタデシルアルコール、コレステリン、
D−マンニット、ガラクチトール、ヘプタトリアコンタ
ノール、ヘキサデカン−2−オール、1−trans−
2−オクタデセノール、β−エレオステアリルアルコー
ル、シクロエイコサノール、d(+)セロビオース、
p,p’−ビフェノール、リボフラビン、4−クロロ−
2−メチルフェノール、2−ブロモ−1−インダノー
ル、ギ酸コレステリル、アルミニウムトリエトキシドが
挙げられ、エーテル類として、ジヘキサデシルエーテ
ル、ジオクタデシルエーテル、シチジン、アデノシン、
フェノキシ酢酸ナトリウム、1,3−ビス(4−ヒドロ
キシフェノキシ)ベンゼンが挙げられ、アルデヒド類と
して、ステアリンアルデヒド、パララウリルアルデヒ
ド、パラステアリンアルデヒド、ナフトアルデヒド、p
−クロロベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、4−ニ
トロベンズアルデヒドが挙げられ、ケトン類として、ス
テアロン、ドコサン−2−オン、フェニルヘプタデシル
ケトン、シクロノナデカン、ビニルヘプタデシルケト
ン、4,4−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、ビス
(2,4−ペンタンジオナイト)カルシウム、1−クロ
ロアントラキノンが挙げられ、アミン類として、トリコ
シルアミン、ジオクタデシルアミン、N,N−ジメチル
オクチルアミン、ヘプタデカメチレンイミン、ナフチル
アミン、p−アミノ安息香酸エチル、o−トリチオ尿
素、スルファメタジン、硝酸グアニジン、p−クロロア
ニリン、プロピルアミン塩酸塩が挙げられ、アミド類と
して、パルミチン酸アニリド、ステアリン酸アミド、ヘ
キシルアミド、オクタコシルアミド、N−メチルドデシ
ルアミド、N−メチルヘプタコシルアミド、α−シアノ
アセトアミド、サリチルアミド、ジシアンジアミド、2
−ニトロベンズアミド、N−ブロモアセトアミド、サリ
チル酸アニリド、カプロン酸−β−ナフチルアミド、エ
ナント酸フェニルヒドラジドが挙げられ、ニトリル類と
して、ペンタデカンニトリル、マルガロニトリル、2−
ナフトニトリル、o−ニトロフェノキシ酢酸、3−ブロ
モベンゾニトリル、3−シアンピリジン、4−シアノフ
ェノールが挙げられ、不飽和基含有炭化水素類として、
ヘキサデカン、1−ノナトリアコンテン、trans−
n−2−オクタデセン、ヘキサトリアコンチルベンゼ
ン、2−メチルナフタレン、ビセンが挙げられ、ハロゲ
ン基含有炭化水素類として、塩化シアヌル、1−フルオ
ロノナデカン、1−クロロエイコサン、1−ヨードペン
タデカン、1−ブロモヘプタデカン、1,2,4,5−
テトラキス(ブロモメチル)ベンゼンが挙げられ、チオ
ール類として、ペンタデカンチオール、エイコサンチオ
ール、2−ナフタレンチオール、2−メルカプトエチル
エーテル、2−ニトロベンゼンスルフェニルクロリド、
チオラウリン酸−n−ペンタデシルが挙げられ、スルフ
ィド類として、1,3−ジアチン、2,11−ジチア
[3,3]パラシクロファン、ビス(4−ヒドロキシ−3
−メチルフェニル)スルフィド、4,4−ジピリジルス
ルフィド、4−メチルメルカプトフェノール、3,3’
−チオジプロピオン酸−n−ドデシルが挙げられる。
【0014】この熱溶融性物質は、−20℃〜150℃
の温度幅の間に、固有な一定値の融点を有するもので、
インジケータ1が変色する温度を決定する成分である。
この物質は、一旦熱溶融が始まると直ちに完全に溶融
し、色素とともに迅速に吸収層3へ吸収されて、明瞭な
変色を引起す。その結果、インジケータ1は、正確に温
度履歴を表示することができる。
【0015】検知すべき温度でインジケータ1が変色す
るように、適当な熱溶融性物質を選択する。インジケー
タ1は、高温を忌避すべき冷蔵品等の低温温度管理、ま
たは過熱を忌避すべき電気製品等の高温温度管理の際に
好適に使用される。
【0016】色素は、熱溶融性物質を着色するものが用
いられる。色素は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、
分散染料、反応染料、油溶性染料、バット染料、媒染染
料、アゾイック染料および硫化染料から選ばれる染料、
有機顔料および無機顔料から選ばれる顔料、着色体であ
ることが好ましい。これらの色素を複数混合して用いて
もよい。
【0017】色素は、具体的にはC.I.ディレクト・オ
レンジ39、C.I.ディレクト・ブラウン2、C.I.ア
シッド・イエロー73、C.I.アシッド・レッド52、
C.I.アシッド・バイオレット49、C.I.ベイシック
・イエロー11、C.I.ベイシック・レッド38、カチ
オン・レッドSGLH(保土ヶ谷化学(株)製)、C.I.
モルダント・レッド7、C.I.モルダント・ブラック3
8、C.I.アゾイック・ブルー9、C.I.アゾイック・
ジアゾ・コンポーネント11、C.I.サルファー・ブラ
ック1、C.I.サルファー・レッド5、C.I.バット・
グリーン9、C.I.バット・バイオレット2、C.I.デ
ィスパース・ブルー3、ディスチャージ・レッドBB
(三井東圧染料(株)製)、C.I.リアクティブ・ブルー
19、C.I.リアクティブ・ブルー15、レマゾール・
ブリリアント・ブルーR−KN(三菱化学(株)製)、
C.I.ソルベント・オレンジ2、C.I.ソルベント・ブ
ルー25、C.I.アシッド・グリーン1、フラビアニッ
ク・アジド・ジソジウム・ソールト、プリムリンスルホ
ン酸、C.I.ソルベント・レッド27、オイル・スカー
レット#308(オリエント化学(株)製)、オイル・ブ
ラック#860(オリエント化学(株)製)、スミプラス
ト・レッドFB(住友化学工業(株)製)、ナフチルレッ
ド、カチオン・レッドGTLH、カチオン・レッド4G
H、カチオン・レッド7BNHが挙げられる染料;4,
10−ジブロムアントアントロン、ジベンゾアントロ
ン、コチニールレーキ、C.I.ピグメント・イエロー
1、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント
・ブルー15、C.I.ピグメント・レッド209、C.
I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・
グリーン10、C.I.ベイシック・レッド1−レーキ、
C.I.アシッド・レッド87-レーキ、C.I.ピグメン
ト・ブルー6、C.I.ピグメント・レッド179、C.
I.ピグメント・レッド88、アリザリンレーキ、C.
I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント
・グリーン8、C.I.ピグメント・レッド53、C.I.
ピグメント・イエロー23−レーキ、タンニン酸・没食
子酸・鉄レーキ、C.I.ピグメント・イエロー34、
C.I.ピグメントイエロー35が挙げられる有機顔料;
カオリン、紺青、硫酸ストロンチウム、二酸化チタン、
水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、カーボンブラッ
クが挙げられる無機顔料が用いられる。なお、前記C.
I.は、カラー・インデックスの略字である。
【0018】色素は、熱溶融性物質100重量部に対
し、0.01〜50重量部含まれていることが好まし
い。0.01重量部よりも少ないと、色調が薄すぎてイ
ンジケータの変色前後の色差が小さくなり、所定の温度
を超えても変色していないと誤認し易くなる。一方、5
0重量部よりも多いと、熱溶融性物質の熱溶融性の低下
や、熱溶融層4の加工性の低下を招いてしまう。
【0019】保護フィルム2は、吸収された熱溶融性物
質に温度履歴の検知すべき製品が、接触して汚れてしま
うことを防止し、また外界からの水分や油分の吸収層へ
の浸入を防止するものである。半透明であってもよい。
保護フィルム2の表裏いずれかの面の一部に文字や変色
後の対照色が印刷されていてもよい。
【0020】基材5は、熱溶融した溶融性物質や色素が
浸透せず、また外界からの水分や油分が熱溶融層4への
浸入しない材質からなり、定型性を発現するためのもの
である。
【0021】保護フィルム2や基材5は、セロファン、
エチルセルロース、ポリビニルアルコール、二酢酸セル
ロース(ジアセテート)、三酢酸セルロース(トリアセ
テート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデン系合成樹脂、ビニロン、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ナイロン、ポリフッ化ビニル、ポリイミド、塩酸ゴ
ム、軟質塩化ビニルおよび/または硬質塩化ビニルのい
ずれかからなることが好ましい。保護フィルム2や基材
5は、単一フィルムであってもよく、樹脂コーティング
されたフィルム、張り合わせたフィルム、共押しフィル
ムのような複合フィルムであってもよい。
【0022】インジケータは1、熱溶融層4を挟込んで
いる基材5と吸収層3とが、その縁近傍で貼り付けられ
ている。図1に示すように、基材5の全面に粘着剤が塗
布された粘着層7の上に、熱溶融層4が付されていても
よい。図2に示すように、基材5の上に直接付された熱
溶融層4を取囲んで、粘着層7が塗布されていてもよ
い。また図3に示すように、基材5とそれに直接付され
た熱溶融層4とを覆うように粘着層7が塗布され、粘着
層7の塗布されていない熱溶融層4の一部分が吸収層3
と接していてもよい。
【0023】インジケータ1には、基材5の底面へ塗布
された粘着層8に、離型紙9が付されていてもよい。
【0024】このインジケータ1を用いると、所定の温
度を超える温度履歴を経たか否かを正確に確認すること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の温度履歴インジケータの実施
例について詳細に説明する。
【0026】温度履歴インジケータは、断面図である図
1に示すとおり、基材5に塗布された粘着層7の上へ、
熱溶融性物質と色素とを含浸している紙製の熱溶融層4
が付され、それを覆う紙製の吸収層3が、透明な保護フ
ィルム2で被覆されたものである。
【0027】図1のような温度履歴インジケータ1を、
以下のようにして試作した。
【0028】所期の融点を有する熱溶融性物質を溶融槽
に入れて加熱して予め溶融させ、これに適当な色素を加
え溶解させて着色させた。溶融したまま、保留粒子径1
0μmの濾紙を用いて濾過した。この濾液にシート状の
紙を浸潤させた後、取り出した。放冷して、凝固した熱
溶融性物質と色素とが浸潤している熱溶融層形成用のシ
ートを調製した。これを丸く裁断または打ち抜いて熱溶
融層4とした。この熱溶融層4よりもやや大きなプラス
チック製の小片である基材5に、粘着剤を塗布して粘着
層7を形成し、その上へ熱溶融層4を貼付した。熱溶融
層4を覆い隠すように、基材5と同じ大きさの紙からな
る吸収層3を載置し、基材5と吸収層3との各々の縁同
士を押圧して粘着層7により一体化した。接着剤を塗布
した接着層6により、プラスチック製の保護フィルム2
を吸収層3の上に貼り付けて、吸収層3の観察面を被覆
し、温度履歴インジケータ1を得た。
【0029】このインジケータ1は、以下のようにして
使用される。インジケータ1は、温度を管理すべき製品
の近傍に載置する。このとき図1の(a)に示すよう
に、熱溶融性物質は熱溶融層4中に存在している。
【0030】インジケータ1が所定の温度以上に曝され
ると、熱溶融層4中の熱溶融性物質が溶融して液状とな
り、同図の(b)に示すように色素とともに吸収層3へ
吸収される。溶融した熱溶融性物質と色素とは、吸収層
3に浸透し、遂には吸収層3の観察面にまで到達する。
すると、色素による吸収層3の変色が、保護フィルムを
通して目視により観察できるようになる。
【0031】浸透は分子の拡散によるものであるので、
インジケータ1は一旦変色した後に元の色調に戻ること
はない。そのため、時間が経過し冷却された後であって
も、この変色により、製品が所定の温度履歴を経たこと
を確認することができる。また変化後の色調のまま長期
間安定して保管することができる。
【0032】別な温度履歴インジケータ1は、図2に示
すように、基材5上にあって粘着層7で覆われていない
部位に、熱溶融性物質と色素とからなる熱溶融層4が付
され、この熱溶融層4を覆う吸収層3が透明な保護フィ
ルム2で被覆されたものである。
【0033】図2のような温度履歴インジケータ1を、
以下のようにして試作した。
【0034】部分的に打ち抜いたシート状の粘着層7
を、基材5へ貼付した。所期の融点を有する熱溶融性物
質を溶融槽に入れて加熱して予め溶融させ、これに適当
な色素を加え、溶解させて着色させた。これを、基材5
上の空隙となっている粘着層7の打ち抜き部分に滴下
し、冷却して凝固させ、熱溶融層4とした。この熱溶融
層4を覆い隠すように基材5と同じ大きさの紙からなる
吸収層3を載置し、基材5と吸収層3との各々の縁同士
を押圧して粘着層7により一体化した。接着剤を塗布し
た接着層6により、プラスチック製の保護フィルム2を
吸収層3の上に貼り付けて、吸収層3の観察面を被覆
し、温度履歴インジケータ1を得た。
【0035】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように温度履歴イ
ンジケータは、所定の温度を超える温度履歴を経たかを
明瞭な色調の変化で正確に表示し、変化後の色調のまま
保管できる。このインジケータは簡便に製造することが
できるので、安価である。さらにインジケータを用いる
と、低温域から高温域までの広範な温度履歴を表示する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する温度履歴インジケータの実施
例を示す要部断面図である。
【図2】本発明を適用する温度履歴インジケータの別な
実施例を示す要部断面図である。
【図3】本発明を適用する温度履歴インジケータの別な
実施例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1は温度履歴インジケータ、2は透明フィルム、3は吸
収層、4は熱溶融層、5は基材、6は接着層、7・8は
粘着層、9は離型紙である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 春本 大介 埼玉県坂戸市泉町3−11−7

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸類、脂肪酸塩類、脂肪酸トリグ
    リセリド類、脂肪酸無水物類、ハロゲン含有脂肪酸類、
    アルコール類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン類、
    アミン類、アミド類、ニトリル類、不飽和基含有炭化水
    素類、ハロゲン含有炭化水素類、チオール類、スルフィ
    ド類から選ばれる少なくとも一種類の熱溶融性物質と、
    色素とを含んで着色している熱溶融層が基材上に付さ
    れ、熱溶融した該物質と該色素とを不可逆的に吸収する
    不透明な吸収層が該熱溶融層を覆い、該吸収層が透明な
    保護フィルムで被覆されていることを特徴とする温度履
    歴インジケータ。
  2. 【請求項2】 該吸収層が、紙であることを特徴とす
    る請求項1に記載の温度履歴インジケータ。
  3. 【請求項3】 該色素が、直接染料、酸性染料、塩基
    性染料、分散染料、反応染料、油溶性染料、バット染
    料、媒染染料、アゾイック染料、硫化染料、有機顔料、
    または無機顔料であることを特徴とする請求項1に記載
    の温度履歴インジケータ。
  4. 【請求項4】 該色素は、該熱溶融性物質100重量
    部に対し、0.01〜50重量部含まれていることを特
    徴とする請求項1に記載の温度履歴インジケータ。
  5. 【請求項5】 該熱溶融層を挟込んでいる該基材と該
    吸収層とが、その縁近傍で貼付けられていることを特徴
    とする請求項1に記載の温度履歴インジケータ。
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