JP2004361152A - 温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物 - Google Patents

温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物 Download PDF

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大介 春本
Yoshie Miyata
祥江 宮田
Tatsuji Furue
竜児 古江
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Abstract

【課題】温度履歴と水分の付着履歴とのいずれをも明瞭で、不可逆的な色調変化により、正確に検知できる簡便なインジケータに使用される温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物を提供する。
【解決手段】温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、検知すべき温度に対応する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質と、熱溶融した該物質および付着した水分への拡散性を有する粒状または粉末状の色素とが、含まれている。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の温度を超えたか否かの温度履歴と、水分付着の有無の履歴とを、不可逆的な色調の変化により表示して記録するインジケータに用いられる組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食料品や医薬品や精密機器のような製品は、所定の温度を超えたり、水分が付着したりすると、腐敗、劣化、または破損することがある。
【0003】
製品の温度履歴や水分付着の有無の履歴を確認するために、履歴を色調の変化で示す温度インジケータや水分インジケータが汎用されている。
【0004】
このような温度インジケータとして特許文献1には、熱溶融した物質に色素が拡散するインキで印刷されたものであって、所定の温度に加熱されたことを明瞭な色調の変化で示し、温度が下がった後でも元の色調に戻らず温度履歴を確認できるものが開示されている。
【0005】
また、水分インジケータとして特許文献2には、結露した水に溶解した水溶性染料がインキビヒクルへ拡散するインキで印刷されたものであって、結露した水が付着したことを明瞭な色調の変化で示し、乾燥後でも元の色に戻らず、水分付着履歴を確認できるものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−294127号公報
【特許文献2】特開2001−296247号公報
【0007】
これらのインジケータはそれぞれ温度、水分付着のみを検知するものである。温度と水分付着との双方の履歴を確認するためには、両方のインジケータを貼付したり、両方のインキを並べて印刷し一体化したインジケータを作製して貼付したりしなければならず、操作が煩雑なうえ、生産性が悪い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、温度履歴と水分の付着履歴とのいずれをも明瞭で不可逆的な色調変化により正確に検知できる簡便なインジケータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、検知すべき温度に対応する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質と、熱溶融した該物質および付着した水分への拡散性を有する粒状または粉末状の色素とが、含まれているものである。
【0010】
温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、熱溶融性物質を80〜99.95重量部、色素を0.05〜20重量部含んでいることが好ましい。この範囲から外れると、色調の変化が不明瞭となってしまう。
【0011】
熱溶融性物質は、0.01μm〜5mmの径を有していることが好ましく、色素は、0.001μm〜1mmの径を有していることが好ましい。
【0012】
温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、熱溶融性物質の種類や配合量を変えることにより、検知すべき温度を任意に設定することができる。
【0013】
温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、熱溶融性物質とそれより遙に少量存する色素とが混合状態になっており、熱溶融性物質によって色素が隠蔽されているために、熱溶融性物質の色調で観察される。この組成物は、所定以上の温度条件や水分付着条件に曝されると、色素が拡散して色調を変化させるというものである。
【0014】
熱溶融性物質は、検知温度を決定する成分であり、常圧下で、検知すべき温度に対応する融点を持つ物質であって、脂肪酸類、アルコール類、エーテル類、アミン類、アミド類、および炭化水素類から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
【0015】
脂肪酸類として、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、アジピン酸、オクタン酸、トリコサン酸、テトラトリアコンタン酸、2,3−ジメチルノナン酸、2,3−メチルテトラコサン酸、2−ヘキセン酸、ブラシン酸、2−メチル−2−ドデセン酸、β−エレオステアリン酸、ベヘノール酸、cis−9,10−メチレンオクタデカン酸、ショールムーグリン酸、3,3´−チオジプロピオン酸n−ドデシル、トリラウリン、パルミチン酸アニリド、ミリスチン酸アニリド、ステアリン酸アニリド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸鉛、ステアリン酸亜鉛、セバシン酸、サリチルアニリド、m−ニトロアセトアニリド、p−ヒドロキシアセトアニリド、DL−ピログルタミン酸、N−アセチル−L−グルタミン酸、カプロン酸アミド、カプロン酸−β−ナフチルアミド、エナント酸アニリド、エナント酸フェニルヒドラジド、アラキン酸−p−クロルフェナシル、ヘキサテトラコンタン酸メチル、メリシン酸ミリシル、ギ酸コレステリル、1−モノアラキン、1,3−ジステアリン、1−アセト−2,3−ジステアリン、チオラウリン酸−n−ペンタデシル、ステアリン酸塩化物、無水パルミチン酸、ステアリン酸−酢酸無水物、コハク酸、シュウ酸−p−ニトロベンジル、マロン酸−p−フェニルフェナシル、スベリン酸フェナシル、セバシン酸ベンジルアンモニウム塩、ピメリン酸ジ−p−トルイジド、コハク酸メチル、2−オキシエナント酸、2−ブロム吉草酸、2−オキシステアリン酸メチル、3−オキシテトラコサン酸、21−オキシヘンエイコサン酸メチル、トレオ−9,10−ジオキシステアリン酸エライジル、15−クロロペンタデカン酸、2−ケトステアリン酸、α−スルホステアリン酸メチルナトリウム塩、2−フルオルアラキン酸、trans−13,14−エピチオベヘン酸、α−メチルウンデカンジカルボン酸ジメチルが挙げられる。
【0016】
アルコール類として、例えば、オクタデシルアルコール、コレステリン、D−マンニット、ガラクチトール、アラキニルアルコール、ヘプタトリアコンタノール、ヘキサデカン−2−オール、1−trans−2−オクタデセノール、エライジルアルコール、β−エレオステアリルアルコール、シクロエイコサノール、d(+)セロビオース、p,p´−ビフェノール、リボフラビン、4−クロロ−2−メチルフェノール、2−ブロモ−1−インダノールが挙げられる。
【0017】
エーテル類として、例えば、ジヘキサデシルエーテル、ジオクタデシルエーテル、シチジン、アデノシン、ヘスペリジン、フェノキシ酢酸ナトリウム、2,2´−ビス(ヒドロキシメチル)ジフェニルエーテル、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、アルミニウムトリエトキシドが挙げられる。
【0018】
アミン類として、例えば、トリコシルアミン、ジオクタデシルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、ヘプタデカメチレンイミン、ナフチルアミン、p−アミノ安息香酸エチル、1−フェニル−2−チオ尿素、o−トリチオ尿素、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、4−アミノ安息香酸、スルファメタジン、硝酸グアニジン、p−クロロアニリン、プロピルアミン塩酸塩が挙げられる。
【0019】
アミド類として、例えば、ヘキシルアミド、オクタコシルアミド、N−メチルドデシルアミド、N−メチルヘプタコシルアミド、α−シアノアセトアミド、サリチルアミド、ジシアンジアミド、2−ニトロベンズアミド、N−ブロモアセトアミドが挙げられる。
【0020】
炭化水素類として、例えば、ヘキサデカン、テトラトリアコンタン、1−ノナトリアコンテン、trans−n−2−オクタデセン、ノナデシルベンゼン、ヘキサトリアコンチルベンゼン、2−メチルナフタレン、ヘキサメチルベンゼン、ビセン、塩化シアヌル、1−フルオロノナデカン、1−クロロエイコサン、1−ヨードペンタデカン、1−ブロモヘプタデカン、1,2,4,5−テトラキス(ブロモメチル)ベンゼン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパンが挙げられる。
【0021】
また、熱溶融性物質として、アルデヒド類、ケトン類、ニトリル類、チオール類、スルフィド類を用いてもよい。
【0022】
色素は、熱溶融した熱溶融性物質中または付着した水分中への分散、溶解により拡散してインジケータの色調を変化させる成分であり、酸性染料、塩基性染料、直接染料、および反応性染料から選ばれる少なくとも1種類であることが好ましい。
【0023】
酸性染料として、例えば、C.I.アシッド・イエロー73、C.I.アシッド・レッド52、C.I.アシッド・バイオレット49、C.I.アシッド・レッド51、C.I.アシッド・レッド92、C.I.アシッド・レッド94、C.I.アシッド・レッド87、カヤノールレッド NBR、ブリリアントスカーレット 3B、アシッドファストオレンジ SG、アマランス、アシッドローダミン B、エオシン G、アシッドミリングレッド RS、アリザリンダイレクトブルー AGG、インジゴカルミンブルー G、アシッドミリングシアニン5Rが挙げられる。
【0024】
塩基性染料として、例えば、C.I.ベーシック・イエロー11、C.I.ベーシック・レッド38、C.I.ベーシック・レッド13、C.I.ベーシック・レッド18、C.I.ベーシック・レッド39、C.I.ベーシック・レッド14、C.I.ベーシック・バイオレット7、C.I.ベーシック・バイオレット27、C.I.ベーシック・バイオレット11、C.I.ベーシック・イエロー21、C.I.ベーシック・イエロー28、C.I.ベーシック・イエロー13、C.I.ベーシック・オレンジ21、C.I.ベーシック・オレンジ22、C.I.ベーシック・グリーン1、C.I.ベーシック・グリーン4、C.I.ベーシック・ブルー1、カチオンレッド 6B、カチオンピンク FG、クリスタルバイオレット、メチレンブルー Bが挙げられる。
【0025】
直接染料として、例えば、C.I.ダイレクト・オレンジ39、C.I.ダイレクト・ブラウン2、ダイレクトファストスカーレット 4BS、ベンゾパープリン 4B、ダイレクトファストオレンジ S、ダイレクトロージュリンレッドB、クロランチファストレッド 6BLL、シリアスレッド 4B、シリアススプラレッドバイオレット RL、シリアススプラバイオレット BL、ダイレクトスカイブルー 5Bが挙げられる。
【0026】
反応染料として、例えば、C.I.リアクティブ・ブルー19、C.I.リアクティブ・ブルー15、C.I.リアクティブ・グリーン5、リアクトンレッド2B−F、プロシオンルビン BS、シバクロンバイオレット F2R−A、プロシオンブリリアントブルー RSが挙げられる。なお前記C.I.はカラー・インデックスの略字である。
【0027】
この組成物は、熱溶融性物質と色素の組み合わせが、脂肪酸類と、塩基性染料であると一層好ましい。
【0028】
この組成物は、色調調整剤、増量剤、安定剤のような添加剤を含有していてもよい。
【0029】
本発明の温度履歴および水分付着履歴インジケータ用インキは、前記の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物と、インキビヒクルとを含むものである。インキは、温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物が5〜50重量部、インキビヒクルが50〜95重量部含まれていることが好ましい。
【0030】
インキビヒクルは、温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物を基材に固着させるものであり、樹脂と溶剤とからなる。
【0031】
溶剤は色素を溶解しないものが好適に使用される。溶剤として、例えば、ジエチルベンゼン、ベンゼン、トルエン、キシレンが例示される芳香族炭化水素類、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンが例示される飽和炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンが例示されるケトン類、クロロホルム、トリクロロエタンが例示されるハロゲン化炭化水素類、ミネラルスピリット、石油エーテルが例示される石油系溶剤が挙げられる。溶剤は単独または複数を混合して用いてもよい。
【0032】
樹脂は溶剤に溶解し、基材に固着するものが好適に使用される。樹脂として、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、石油系樹脂、セルロース系樹脂が挙げられる。樹脂は単独または複数を混合して用いてもよい。
【0033】
インキビヒクルは、色素を溶解せず、基材に固着できる市販のインキビヒクルを用いてもよい。
【0034】
温度履歴および水分付着履歴インジケータ用インキは、沈降防止剤、界面活性剤、分散剤のような添加剤を含有していてもよい。
【0035】
本発明の温度履歴および水分付着履歴インジケータは、前記の温度履歴および水分付着履歴インジケータ用インキを基材に塗布したものである。
【0036】
基材はインジケータインキの塗布性や保持性が良好であって、熱伝導性がよく製品の温度とインジケータ層に温度差を生じにくいものが好適に使用される。
【0037】
温度履歴および水分付着履歴インジケータは、加熱前または水分付着前にはインキ層中に多量に存する熱溶融性物質によって、それより遙に少量存する色素が隠蔽されているために、熱溶融性物質の色調しか観察されない。
【0038】
インジケータが所定の温度以上に加熱されると、熱溶融性物質が溶融する。熱溶融した物質に、色素が溶解して拡散し、インジケータ表面に多く露出される結果、インジケータの色調が変化したと観察される。熱溶融性物質への色素の拡散が不可逆的であるので、このインジケータは冷却されても、変色前の色調に戻らない。
【0039】
一方、インジケータに水や結露水のような液滴の水分が付着すると、この水分に、色素がしみ出し溶解して拡散する。色素の拡散しているこの水分がインジケータ表面に広がって付着したり、この水分がインキビヒクルに滲んだりして、色素分子がインジケータ表面の広範囲に、多く露出される結果、インジケータの色調が変化したと観察される。水分への色素の拡散が不可逆的であるので、このインジケータは、付着した水分が乾燥しても、変色前の色調に戻らない。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0041】
温度履歴および水分付着履歴インジケータは以下のようにして製造される。
【0042】
熱溶融性物質と色素を混合した後、粉砕して粒状または粉末状の熱溶融性物質と粒状または粉末状の色素の組成物とする。次に組成物とインキビヒクルを混合して、インキを調製する。このインキを基材である上質紙上に印刷すると、温度履歴および水分付着履歴インジケータが得られる。
【0043】
なお温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、別個に粉砕した粒状または粉末状の熱溶融性物質と粒状または粉末状の色素を混合してもよい。
【0044】
また熱溶融性物質の融点以下の温度で、熱溶融性物質および色素の粉砕、混合とインキビヒクルの混合を一工程で行ってもよい。
【0045】
混合の際、乳鉢、ボールミル、サンドミル、三本ロール、攪拌機を用いてもよい。粉砕の際、乳鉢、ボールミル、サンドミルを用いてもよい。
【0046】
製品にインジケータを簡便に貼付するため、インキが塗布されていない側の基材の面に粘着層を設けてもよく、さらに粘着層に剥離紙が付設されていてもよい。
【0047】
インキの塗布は、熱溶融性物質の融点以下で、はけやロールコーターによる塗布、スプレーによる吹き付け、シルクスクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷のような印刷加工により行なわれてもよい。
【0048】
インキは、加工しやすいラベルやカードに印刷されてもよく、製品や製品の包装容器に直接塗布されてもよい。
【0049】
以下に本発明を適用する温度履歴および水分付着履歴インジケータを試作した例を実施例1〜51に、本発明を適用外のインジケータの例を比較例1、2に示す。
【0050】
(実施例1)
熱溶融性物質としてミリスチン酸を100重量部と、色素としてC.I.アシッド・イエロー73を1重量部とを混合した後、乳鉢で粉砕し、白色の組成物を得た。得られた組成物を室温から50℃まで加熱後、再び室温まで冷却したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。また未加熱の組成物に水を滴下した後、水が乾燥したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。
【0051】
(実施例2)
熱溶融性物質としてミリスチン酸を100重量部と、色素としてC.I.アシッド・イエロー73を1重量部と、インキビヒクルとしてエチルセルロース10重量%ジエチルベンゼン溶液を200重量部とを混合した後、ボールミルで粉砕、混合し、白色のインキを得た。得られたインキをステンレス板に塗布し、乾燥させたところステンレス板に白色の塗膜が形成された。この塗膜を室温から50℃まで加熱後、再び室温まで冷却したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。また未加熱の塗膜に水を滴下した後、水が乾燥したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。
【0052】
(実施例3)
熱溶融性物質としてミリスチン酸を100重量部と、色素としてC.I.アシッド・イエロー73を1重量部と、インキビヒクルとしてエチルセルロース10重量%ジエチルベンゼン溶液を200重量部とを混合した後、ボールミルで粉砕、混合し、白色のインキを得た。得られたインキをシルクスクリーン印刷で裏面粘着剤つき上質紙の表面に印刷し、白色の温度履歴および水分付着履歴インジケータを作製した。このインジケータを室温から50℃まで加熱後、再び室温まで冷却したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。また未使用のインジケータに水を滴下した後、水が乾燥したときの色調を確認したところ、黄色に変色した。
【0053】
(実施例4〜24)
表−1に記載された熱溶融性物質を用いたこと以外は実施例3と同様にして、インジケータを作製した。作製したインジケータを、熱溶融性物質に応じて加熱温度を変えたこと以外は実施例3と同様に試験し、加熱による変色および水分による変色を確認した。組成成分、加熱温度、変色前後の色調を表−1に示す。
【0054】
(実施例25〜32)
表−2に記載された色素を用いたこと以外は実施例3と同様にして、インジケータを作製した。作製したインジケータを実施例3と同様に試験し、加熱による変色および水分による変色を確認した。組成成分、加熱温度、変色前後の色調を表−2に示す。
【0055】
(実施例33〜51)
表−3に記載された熱溶融性物質と色素の組み合わせを用いたこと以外は実施例3と同様にして、インジケータを作製した。作製したインジケータを、熱溶融性物質に応じて加熱温度を変えたこと以外は実施例3と同様に試験し、加熱による変色および水分による変色を確認した。組成成分、加熱温度、変色前後の色調を表−3に示す。
【0056】
【表1】
Figure 2004361152
【0057】
【表2】
Figure 2004361152
【0058】
【表3】
Figure 2004361152
【0059】
表−1、2、3から明らかなとおり、実施例1〜51の温度履歴および水分付着履歴インジケータは、所定の温度で明瞭に色調変化し、所定の温度履歴を経たことを表示することができ、また水滴下前と後で明瞭な色調変化が認められ、水分の付着の履歴を検知できた。
【0060】
(比較例1)
市販の温度履歴インジケータとしてサーモラベルLI−50(日油技研工業(株)製の商品名)を室温から50℃まで加熱後、再び室温まで冷却したときの色調を確認したところ、白色から赤色に変色していた。また未使用のインジケータに水を滴下した後、水が乾燥したときの色調を確認したが、変化は認められなかった。
【0061】
(比較例2)
市販の水性ペンで上質紙の表面に線を描画した水分付着履歴インジケータに水を滴下した後、水が乾燥したときの色調を確認したところ、線が滲んでいるのが確認された。また未使用のインジケータを室温から100℃まで加熱後、再び室温まで冷却したときの色調を確認したが、変色は認められなかった。
【0062】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物は、熱溶融性物質の種類や配合量を変えることにより、任意の検知温度を設定することができる。
【0063】
温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物を含むインキは、形状を問わず印刷加工に使用することができる。
【0064】
このインキを印刷した温度履歴および水分付着履歴インジケータは、簡便に製造でき、安価である。このインジケータは、所定の温度を超えるか、または水分が付着したかのいずれかの場合に、色調が変化する。このインジケータを用いるだけで温度履歴と水分付着履歴とのいずれをも簡便かつ確実に検知できる。
【0065】
このインジケータは、温度上昇や水分の付着を忌避すべき食料品や医薬品や精密機器のような製品に貼付され、流通、保管、使用時における温度履歴および水分付着の履歴の確認や、製品の故障時の原因解明、製品の品質保証等に用いることができる。

Claims (6)

  1. 検知すべき温度に対応する融点を持つ粒状または粉末状の熱溶融性物質と、熱溶融した該物質および付着した水分への拡散性を有する粒状または粉末状の色素とが、含まれていることを特徴とする温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物。
  2. 該熱溶融性物質を80〜99.95重量部、該色素を0.05〜20重量部含んでいることを特徴とする請求項1に記載の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物。
  3. 該熱溶融性物質は脂肪酸類、アルコール類、エーテル類、アミン類、アミド類、および炭化水素類から選ばれる少なくとも1種類であり、該色素は酸性染料、塩基性染料、直接染料、および反応性染料から選ばれる少なくとも1種類であることを特徴とする請求項1に記載の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物。
  4. 該熱溶融性物質は脂肪酸類であり、該色素は塩基性染料であることを特徴とする請求項1に記載の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物。
  5. 請求項1に記載の温度履歴および水分付着履歴インジケータ組成物と、インキビヒクルとを含むことを特徴とする温度履歴および水分付着履歴インジケータ用インキ。
  6. 請求項5に記載の温度履歴および水分付着履歴インジケータ用インキが基材に塗布されていることを特徴とする温度履歴および水分付着履歴インジケータ。
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