JP5719217B2 - 温度−時間積算インジケータ - Google Patents
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Description
本発明に用いられるPGA系樹脂としては特に制限はなく、例えば、下記式(1):
本発明に用いられるニオイ成分としては、嗅覚検知が可能であって、PGA系樹脂が加水分解される前においてはPGA系樹脂フィルムを透過せず、加水分解が進行してPGA系樹脂の分子量が小さくなると透過する成分であれば特に制限はない。このようなニオイ成分としては、リモネン、メントール、酪酸エチル、バニリン、イソ吉草酸、ヘキサナールなどが挙げられる。
本発明の温度−時間履歴インジケータは、加水分解促進剤をさらに備えていてもよい。この加水分解促進剤の作用により、PGA系樹脂の加水分解反応が促進される。したがって、PGA系樹脂の加水分解反応が進行しにくい温度を検知する場合であっても、加水分解促進剤を備えることによって加水分解反応が進行し、PGA系樹脂の分子量がある程度(好ましくは、重量平均分子量で約70000)まで小さくなると、ニオイ成分を検知することができ、温度と時間の積算履歴を嗅覚により認識することが可能となる。また、PGA系樹脂の加水分解反応が進行する温度を検知する場合においても、加水分解促進剤を備えることによって加水分解反応が促進されてPGA系樹脂の分子量の減少速度が速くなるため、ニオイ成分の検知時間を短くすることが可能となる。
本発明の温度−時間積算インジケータは、少なくとも一部にPGA系樹脂フィルムを備えるニオイ成分バリア性包袋と、該包袋に内包されたニオイ成分とを備えるものである。 このような温度−時間積算インジケータにおいて、その機能を発揮させるためには、前記PGA系樹脂フィルムに水分を供給する必要がある。水分を供給する方法としては、例えば、(1)本発明にかかる包袋内に水分を内包させ、包袋の内部からPGA系樹脂フィルムに水分を供給する方法;(2)本発明にかかる包袋と分離した状態で備える水分を含有するフィルム(以下、「水分含有フィルム」という)を、前記PGA系樹脂フィルム上に貼付して、包袋の外部から水分を供給する方法;(3)本発明にかかる包袋の外部環境の水分を利用する方法(ただし、PGA系樹脂は、通常の空気中の水分では加水分解されにくいため、本発明の温度−時間積算インジケータを高湿度下(相対湿度90%RH以上)で使用する場合に限られる。)などが挙げられる。
本発明にかかるニオイ成分バリア性包袋は、少なくとも一部にPGA系樹脂フィルムを備えるものである。また、前記包袋が加水分解促進剤を備えるものである場合、前記包袋としては、前記PGA系樹脂を含有する層(以下、「PGA系樹脂層」という。)と加水分解促進剤を含有する層(以下、「加水分解促進剤層」という。)とを接触させた2層フィルムを少なくとも一部に備えるものでもよいが、加水分解促進剤の添加効果が十分に得られるという観点から、PGA系樹脂と加水分解促進剤とを含有する単層のPGA系樹脂フィルムを少なくとも一部に備えるものが好ましい。このような包袋の製造方法は特に制限はなく、樹脂フィルムから包袋を製造するための公知の製袋方法を採用することができる。
前記水分を供給する方法(2)において用いられる水分含有フィルムとしては、基材フィルムに水分を含浸させたものが挙げられる。この水分含有フィルムは、使用前においては、本発明にかかる包袋と分離した状態で保存されており、使用開始時に前記包袋のPGA系樹脂フィルム上に貼付される。このように、水分含有フィルムを前記PGA系樹脂フィルム上に貼付することによって水分含有フィルム中の水分が前記PGA系樹脂フィルムに供給され、PGA系樹脂が加水分解し得る状態となる。
本発明の温度−時間履歴インジケータは、前記ニオイ成分バリア性包袋に、前記ニオイ成分と、必要に応じて水分および/または前記加水分解促進剤とを入れた後、これを密封することによって製造することができる。ニオイ成分、水分および加水分解促進剤は、包袋内に直接装入してもよいが、ろ紙などの基材に含浸させた後、これを包袋内に装入したり、あるいは包袋内にろ紙などの基材を装入した後、これに含浸させたりすることが好ましい。
本発明の温度−時間積算インジケータは、そのまま所定の場所に設置して、その環境における温度と時間の積算履歴を検知するために使用することができるが、各種包装材に貼付して使用することもできる。
PGA樹脂の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。GPC測定装置としては昭和電工(株)製「ShodexGPC−104」(登録商標)を、カラムとしては昭和電工(株)製「HFIP−606M」2本とプレカラム(昭和電工(株)製「HFIP−G」1本を直列接続で、溶離液としては5mMトリフルオロ酢酸ナトリウム/ヘキサフルオロイソプロパノール溶液を、検出計としては示差屈折率(RI)検出計を使用した。カラム温度は40℃、溶離液流速0.6ml/分に設定した。分子量の校正は、標準ポリメチルメタクリレート(昭和電工(株)製)を用いて行なった。
各層の樹脂として、超低密度ポリエチレン樹脂ペレット((株)プライムポリマー製「モアテックV0398CN」。以下、「VLDPE樹脂」と略す。)、アイオノマー樹脂ペレット(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ハイミラン1601」。以下、「Ionomer樹脂」と略す。)、PGA単独重合体ペレット((株)クレハ製、重量平均分子量(Mw):約195000、溶融粘度(温度270℃、剪断速度120sec−1):1600Pa・s、融点:224℃。以下、「PGA樹脂」と略す。)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ペレット(三井・デュポンポリケミカル(株)製「EVAFLEX V5714C」。以下、「EVA樹脂」と略す。)を用い、各層間の接着剤としてポリオレフィン系接着剤(三菱化学(株)製「モディックF563」)を用いて共押出成形により、VLDPE樹脂(厚さ:1.5μm)//Ionomer樹脂(厚さ:20μm)//PGA樹脂(厚さ:1.5μm)//EVA樹脂(厚さ:20μm)からなる多層フィルムを作製した。この多層フィルムを用い、EVA樹脂層を内層として製袋し、6cm×8cmの包袋を作製した。
実施例1と同様にして6cm×8cmの包袋を作製した。この包袋に5cm×7cm×1mmのろ紙を挿入し、0.28質量%のアンモニア水3mlとリモネン50μlを滴下して前記ろ紙に含浸させた後、包袋を密封した。
各層の樹脂として、超低密度ポリエチレン樹脂ペレット((株)プライムポリマー製「モアテックV0398CN」。以下、「VLDPE樹脂」と略す。)、アイオノマー樹脂ペレット(三井・デュポンポリケミカル(株)製「ハイミランAM79301」。以下、「Ionomer樹脂」と略す。)、ポリ塩化ビニリデン樹脂ペレット((株)クレハ製「FB−2」。以下、「PVDC樹脂」と略す。)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂ペレット(三井・デュポンポリケミカル(株)製「EVAFLEX V5714C」。以下、「EVA樹脂」と略す。)を用い、共押出成形により、VLDPE樹脂(厚さ:3.0μm)//Ionomer樹脂(厚さ:21μm)//PVDC樹脂(厚さ:7μm)//EVA樹脂(厚さ:24μm)からなる多層フィルムを用い、EVA樹脂層を内層として製袋し、6cm×8cmの包袋を作製した。
実施例1と同様にして6cm×8cmの包袋を作製した。この包袋に5cm×7cm×1mmのろ紙を挿入し、リモネン50μlを滴下して前記ろ紙に含浸させた後、包袋を密封した。
得られた包袋(リモネンなどを内封したもの)を8cm×10cmのアルミパウチに挿入して密封した後、10℃、25℃、40℃で保管した。経時的にアルミパウチを開封してアルミパウチ内のリモネン臭の有無を確認した。その結果(A:あり、B:なし)を表1に示す。なお、いずれの包袋においてもアンモニア臭は認識できなかった。
Claims (7)
- 少なくとも一部にポリグリコール酸系樹脂フィルムを備えるニオイ成分バリア性包袋と、該包袋に内包された、リモネン、メントール、酪酸エチル、バニリン、イソ吉草酸、ヘキサナールからなる群から選択されるニオイ成分とを備えることを特徴とする温度−時間積算インジケータ。
- 水分をさらに備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の温度−時間積算インジケータ。
- 前記水分が前記包袋内に内包されていることを特徴とする請求項2に記載の温度−時間積算インジケータ。
- 前記水分を含有するフィルムを分離した状態でさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の温度−時間積算インジケータ。
- 加水分解促進剤をさらに備えるものであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の温度−時間積算インジケータ。
- 前記包袋内に揮発性の加水分解促進剤が内包されていることを特徴とする請求項5に記載の温度−時間積算インジケータ。
- 揮発性の加水分解促進剤を含有するフィルムを分離した状態で備えることを特徴とする請求項5に記載の温度−時間積算インジケータ。
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