JP2005263320A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 揮発生物および/または臭気を有する被包材の散逸の抑制する生分解性の包材からなる包装体を提供する。
【解決手段】 揮発性物および/または臭気発生物を包装するための包材であって、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材。
【解決手段】 揮発性物および/または臭気発生物を包装するための包材であって、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材。
Description
本発明は、揮発性物および/または臭気を発生する被包材と、その散逸を抑制する生分解性樹脂層を有する包材とからなる包装体に関する。
揮発性物および/または臭気発生物の散逸を防ぐ材料として、従来よりポリエチレンテレフタレート、エチレンとビニルアルコールの共重合体、ナイロンなどが知られており、例えば食材などの保香性用途に用いられている。しかしながら、これらは基本的に生分解性に乏しく、廃棄された場合に環境への汚染が懸念されていた。
一方、従来より生分解性樹脂として、セルロースやでんぷんなどの多糖類・糖質等の天然物を変成、加工、あるいは他のプラスチックと混ぜ合わせたもの、微生物により合成されるポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、乳酸を原料にしたポリ乳酸、ジカルボン酸とジオールの縮重合により得られるポリブチレンサクシネートなどがある。特にポリエチレンサクシネート系重合体は、柔軟性、ヒートシール性を持ちながら、好気的条件および嫌気的条件下で優れた生分解性を有する樹脂として知られている。
揮発性物、臭気等のバリヤ能に関しては、例えば非特許文献1に記載されているように、必ずしも酸素ガスバリヤ性と、揮発性物や臭気等のバリヤ能、すなわち包材とした時の外への揮発性物、臭気等の拡散抑制とは相関性がなく、ポリエチレンサクシネート系重合体のこれらに関する知見は皆無であった。
包装用フィルム概論、東洋紡パッケージ・プラン・サービス、P63−64
包装用フィルム概論、東洋紡パッケージ・プラン・サービス、P63−64
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、揮発性物および/または臭気を有する被包材と、それらの散逸の抑制する生分解性の包材からなる包装体を提供することにある。
本発明の包装体とは、揮揮発性物および/または臭気発生物を包装するための包材であって、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有するところに要旨を有するものである。
また、本発明の包装体は、揮発性物および/または臭気の散逸を抑制に効果を有するものであって、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材と、揮発生物および/または臭気を発生する被包材とからなるところにも特徴を有するものである。
本発明の包材の使用方法とは、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材で、揮発性物および/または臭気を発生する被包材を包装するところに特徴を有するものである。
本発明の包装体は、揮発性物および/または臭気などの拡散抑制に効果的であり、発生物の揮発性物および/または臭気発生物の散逸を抑制する包装体として好適に利用することができる。また、本発明の包装体は、使用後に土中などの自然環境化で分解、消滅可能であることからプラスチック廃棄による環境汚染の一解決策として用いることができる。
本発明は揮発性物および/または臭気を有する被包材と、ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料(以下、ポリエチレンサクシネート系樹脂組成物)からなる層を有する包材とからなる包装体に関し、揮発性物および/または臭気が包材の外部へ拡散することを防止、あるいは軽減する包装体を提案するものである。
包材とは、揮発性物および/または臭気を有する被包材を包む包装材を指し、その形態に特に限定はなく、例えば、フィルムやシート状の包材を接着剤や熱によりシールして密閉した三方シール袋、四方シール袋、ピロー袋、ガゼット、封筒貼、スティックタイプ、スタンディングパウチ、袋状の一端にジップなどの装置を具備し、内容物を密閉、開閉できる形態を備えたもの、袋状の一端あるいは両端にひも、バンド、テープ等の結束材やその他連結具を用いて密閉したもの、キャラメル包装、絞り包装、プレスルーパッケージ、ストリップ包装、バッグインボックス、ブリック形状容器、ゲーブルトップ容器、ブリスターパック、ラミネートチューブ、オーバーホールド、ポリエチレンサクシネート系重合体の融点以下で延伸処理を行ったシュリンク機能を持たせたもの、一方向への配向度を上げて易開封性を与えたもの、あるいはそれらの組み合わせなどでも良く、包材の一部が別の材料でも良い。
揮発性物および/または臭気発生物の拡散防止効果をより向上させるため、あるいは他の特性を付与するために、多重に包装した包装体、ポリエチレンサクシネート系樹脂組成物からなる層以外の他の材からなる層、例えば、紙、変成セルロース、不織布、他の生分解性樹脂などとの多層構成としてもよい。また、ポリエチレンサクシネート系樹脂組成物からなる層には、公知のバリヤー性コーティング液をコートしてもよい。バリヤー性コーティング液の例としては、ポリビニールアルコール水溶液などが挙げられる。また、ポリエチレンサクシネート系樹脂組成物からなる層を備えることに加えて、各種金属や合金、さらにこれらの酸化物を蒸着することによりバリヤー性を向上する方法を併用してもよく、例示すると、アルミ蒸着、ケイ素酸化物などのセラミック蒸着などが挙げられる。
揮発性物および/または臭気発生物の拡散抑制効果をさらに高めるために、上記包材を多重にしても良い。
本発明の包材の製造法は特に限定されず、Tダイによる押し出し、インフレーション法、キャスト法等によりシート状、フィルム状に製造されたもの、あるいはそれらを真空成形などで腑形したものなどが挙げられる。バリヤー性をより向上させるために、フィルム状物を一軸あるいは二軸延伸処理することがより好ましい。また、二層以上の同時押し出し、溶融ラミネーション、ドライラミネーション、接着剤層を介しての接着などにより多層構成とする事もできる。
被包材である揮発性物および/または臭気発生物には特に限定は無く、揮発性物および/または臭気、あるいはその一部をその使用または保存環境下で拡散させるものであり、調味料、食料品、菓子、香料、化粧品、芳香剤、シャンプー、石鹸などの他、薬剤、ペットの排泄物などの不快な臭気、臭気は無くても好ましくない気体を発生させるもの、あるいは包装体内部に閉じ込めておきたいものなどである。
本発明の包材は、活性汚泥、コンポスト、土中や海水中などの自然環境下で生分解性を有している事、すなわち土壌、海水や汚泥中等に存在する微生物、バクテリア等により資化される必要があり、好ましくはISO14851;JIS K6950 、ISO14852;JIS K6951、ISO14855;JIS K6953、化審法の生分解性試験(MITI法)のいずれかの試験法で試験し、確認される生分解度が30%以上のものであり、60%以上のものが更に好ましく、更にISO15985の嫌気性条件下でも生分解性が確認されるものが最も好ましい。
ポリエチレンサクシネート系重合体とは、ポリエチレンサクシネート及びその共重合体を言う。共重合成分としてはジカルボン酸、ジオール、ポリエーテルポリオール、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル基やカルボキシル基などのようなエステル形成可能な官能基を少なくとも3個有する化合物、スルホネート化合物、天然アミノ酸、ポリアミド等である。
酸素ガスバリヤ性や結晶化の観点からは、エチレンサクシネート単位が50質量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは70質量%以上であり、最も好ましくは90質量%以上である。
ポリエチレンサクシネート系重合体は直鎖状でもよく、また分岐構造を含んでもよく、ジイソシアネート等のカップリング剤により鎖延長されたものでも良い。
共重合しても良い他のジカルボン酸としてはシュウ酸、マロン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の飽和脂肪族カルボン酸およびそのエステル誘導体(例えばアルキルエステルであり、アルキル部分の炭素数は1〜6が好ましい)、フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸およびそのエステル誘導体(例えばアルキルエステルであり、アルキル部分の炭素数は1〜6が好ましい)、オルソフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびそのエステル誘導体(例えばアルキルエステルであり、アルキル部分の炭素数は1〜6が好ましい)等を挙げることができる。
ジオールとしては、炭素数3〜6のアルカンジオール及び炭素数5〜8のシクロアルカンジオール、例えば1,2‐及び1、3‐プロパンジオール、1,2‐及び1,4‐ブタンジオール、1,5‐ペンタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、1,2‐シクロヘキサンジメタノール、1,4‐シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及びこれらの共重合体等を挙げることができる。
ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、D‐、L‐又はD,L‐乳酸、6‐ヒドロキシヘキサノイック酸、その環状誘導体が使用可能であり、具体的には、例えばグリコリド(1,4‐ジオキサン‐2,5‐ジオン)、D‐又はL‐ジラクチド(3,6‐ジメチル‐1,4‐ジオキサン‐2,5‐ジオン)、p‐ヒドロキシ安息香酸及びそのオリゴマー及びポリマー、例えばポリ‐3‐ヒドロキシ酪酸、ポリヒドロキシ吉草酸、ポリラクチド及びポリ‐3‐ヒドロキシ酪酸及びポリヒドロキシ吉草酸等を挙げることができる。
エステル形成可能な官能基を少なくとも3個有する化合物としては、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、イタコン酸、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ポリエーテルトリオール、グリセロール、トリメシン酸、トリメリット酸又は無水物、ピロメリット酸又は二無水物及びヒドロキシイソフタル酸及びこれらの混合物等を挙げることができる。ただし、ポリエチレンサクシネート系重合体の反応中におけるゲル化や、包材構成におけるポリエチレンサクシネート系重合体の伸び率、インパクト等の低下を考慮すると、エステル形成可能な官能基を3個有する化合物の含有量は、ポリエチレンサクシネート系重合体中の全ジカルボン酸成分100モルに対して0.5モル以下が好ましく、さらに好ましくは0.4モル以下、最も好ましくは0.3モル以下であり、エステル形成可能な官能基を4個有する化合物の含有量はジカルボン酸成分100モルに対して好ましくは0.4モル以下、さらに好ましくは0.3モル以下、最も好ましくは0.25モル以下である。
スルホネート化合物としては、スルホネート基を含有するジカルボン酸のアルカリ金属、又は、アルカリ土類金属塩、又は、そのエステル形成性誘導体等を挙げることができる。
天然アミノ酸としては、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニン並びにそれらから得られるオリゴマー及びポリマー、例えばポリアスパラギン酸イミド及びポリグルタミン酸イミド、好ましくはグリシン等を挙げることができる。
ポリアミドとしては、4〜6個の炭素原子を有するジカルボン酸及び4〜10個の炭素原子を有するジアミン、例えばテトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン及びデカメチレンジアミンとコハク酸および上記記載のジカルボン酸との重縮合によって得られるものが挙げられる。
ポリエチレンサクシネート系重合体の合成方法は特に限定されないが、i)多塩基酸(あるいはそのエステル)とグリコールを重縮合する方法、ii)環状酸無水物と環状エーテルを開環重合する方法、iii)別々に合成あるいは回収された異なる樹脂のエステル交換反応などにより得られる。重縮合反応としては、通常のエステル交換法またはエステル化法、さらには両方の併用であっても何ら差し支えない。また、より高分子量化するために、いずれの方法でも更に脱グリコール反応を行なっても良い。
反応は縦型反応機、回分式反応機、横型反応機、2軸押し出し機などが用いられ、バルク状、あるいは溶液中での反応が実施される。
エステル化触媒、開環重合触媒および脱グリコール触媒としてはリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、カドミウム、マンガン、鉄、ジルコニウム、バナジウム、イリジウム、ランタン、セレンなどの金属、およびこれらの有機金属化合物、有機酸の塩、金属アルコキシド、金属酸化物などが挙げられ、必要に応じてリン酸等の助触媒と併用することも可能である。これらの触媒は、1種単独でまたは2種以上組合わせて用いることができ、添加量は全ジカルボン酸100モルに対して1.0モル以下、好ましくは0.8モル以下、更に好ましくは0.6モル以下である。
更に必要に応じて、上記合成方法により得られたポリエチレンサクシネート系重合体は、鎖延長剤を用いて高分子量化してもよい。鎖延長剤としては、2官能以上のイソシアナート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、並びに多価金属化合物、多官能酸無水物、リン酸エステル、亜リン酸エステル等が挙げられ、一種、または二種以上を組み合わせてもよい。
上記イソシアナート化合物としては特に制限はされないが、一分子中にイソシアナート基を二個以上有するものであるのが好ましく、例えば、トリレンジイソシアナート、4,4’‐ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート、1,5‐ナフタレンジイソシアナート、水素化ジフェニルメタンジイソシアナート、水素化トリレンジイソシアナート、水素化キシリレンジイソシアナートなどのイソシアナート化合物を挙げることができる。これらは単独で、あるいは2個以上を組み合わせて用いてもよい。また、ブロックイソシアナートを使用してもよい。
上記ポリエチレンサクシネート系重合体とイソシアナート化合物との反応比率は特に限定されないが、例えば、イソシアナート化合物が有するイソシアナート基とポリエチレンサクシネート系重合体が有する水酸基との比率(NCO/OH[モル比])が0.5〜3.0であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.5である。
なお、反応促進の観点から、必要に応じて、有機スズ化合物や第3級アミンなどの公知の触媒を用いてもよい。
ポリエチレンサクシネート系重合体の重量平均分子量に特に制限はないが、18万〜40万であり、成形性の観点からは、190℃、2.16kg荷重の条件下で測定されるメルトフローインデックス(MFR)値が0.1から10であるのが好ましく、より好ましくは0.8から8、最も好ましくは1から6である。
本発明の包材は、ポリエチレンサクシネート系重合体を必須成分として含み、本発明の効果を損なわない限り、1種以上の他の生分解性樹脂を含んでも良い。
包材中に他の生分解性樹脂を含有する形態については、ポリエチレンサクシネート系重合体と1種以上の他の生分解性樹脂が別々の層を構成する多層形態、どちらか一方がマトリックス層を形成し、他方が分散層を形成する形態などが挙げられる。他の生分解性樹脂の含有量は70〜0%の範囲であり、揮発性物および/または臭気の散逸の抑制効果を考えた場合、ポリエチレンサクシネート系重合体の含有量が30質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは50質量%以上、最も好ましくは70質量%以上である。
他の生分解性樹脂としては脂肪族ポリエステル、芳香族ジカルボン酸を構成単位として含む生分解性樹脂、天然物系の生分解性樹脂等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしてはポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンオキザレート、ポリブチレンオキザレート、ポリネオペンチルオキザレート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバケート、ポリグリコール酸やポリ乳酸などのようなポリ(α‐ヒドロキシ酸)、ポリ(ε‐カプロラクトン)やポリ(β‐プロピオラクトン)のようなポリ(ω‐ヒドロキシアルカノエート)、ポリ(3‐ヒドロキシブチレート)、ポリ(3‐ヒドロキシバリレート)、ポリ(3‐ヒドロキシカプロレート)、ポリ(3‐ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3‐ヒドロキシオクタノエート)のようなポリ(β‐ヒドロキシアルカノエート)とポリ(4‐ヒドロキシブチレート)、などが挙げられ、これらの共重合体でも良い。
芳香族ジカルボン酸を構成単位として含む生分解性樹脂としては、ポリエチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートアジペートテレフタレートなどであり、BASF社製のエコフレックス、イーストマン社製のイースターバイオ、デュポン社製のバイオマックスなどが挙げられる。
天然物系の生分解性樹脂としては修飾デンプン、変性デンプン、セルロース、変性セルロース、酢酸セルロース、キトサンなどが挙げられる。
ポリエチレンサクシネート系樹脂組成物からなる層の引張り弾性率は150kgf/mm2(1470MPa)以下であるのが好ましく、より好ましくは100kgf/mm2以下であり、更に好ましくは80kgf/mm2以下であり、12kgf/mm2以上であるのが好ましく、より好ましくは15kgf/mm2以上、さらに好ましくは20kgf/mm2以上である。包材の引張り弾性率を150kgf/mm2以下とすることにより柔軟性が得られる。一方、引張弾性率が12kgf/mm2に満たない場合は、包材が伸び易く、取扱い性に劣る場合がある。
また、引張り伸び率は200%以上が好ましく、より好ましくは300%以上、更に好ましくは400%以上である。引張り伸び率を200%以上とすることで種々の応力に対する破れなどが生じにくくなり、包材の特性上、好ましい。
尚、上記引張弾性率および引張り伸び率は、いずれもJIS K-7127(プラスチック‐引張特性の試験方法)の規定に準じて測定される値である。
本発明のポリエチレンサクシネート系樹脂組成物には必要に応じて他の成分、例えば結晶核剤、顔料、染料、耐熱剤、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、帯電防止剤、安定剤、充填剤、強化材、難燃剤、可塑剤、抗菌剤、生分解しない他の重合体を本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例で実施した評価方法は以下の通りである。
(分子量)
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定した。
(ヘイズ値)
インフレーション成形で得られたフィルムを23℃、相対湿度55%の条件下、日本電色工業製NDH300AにてJIS K7136に準拠して測定した。
インフレーション成形で得られたフィルムを23℃、相対湿度55%の条件下、日本電色工業製NDH300AにてJIS K7136に準拠して測定した。
(フィルムの引張り弾性率、引張り伸び率)
フィルムを幅15mmの短冊片に切り出し、23℃、相対湿度55%の条件下、インストロン社製万能試験機により引張り速度500mm/分、スパン50mmで実施した。
フィルムを幅15mmの短冊片に切り出し、23℃、相対湿度55%の条件下、インストロン社製万能試験機により引張り速度500mm/分、スパン50mmで実施した。
(実施例1)
エチレングリコール、コハク酸、トリメチロールプロパンをモル比でそれぞれ、103、100、0.2の割合で縮重合、脱グリコール反応を行い、更にヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長した重量平均分子量24万、メルトフローインデックス値4.7(190℃、2.16kg)のポリエチレンサクシネート系重合体を用いてダイリップ径150mm、リップギャップ2mmのLDPE用インフレーション成形機にてフィルム成形を行った。成形温度は150℃、ブローアップ比は1.9、巻取り速度は21.4m/分で厚み25μmのフィルムを得た(フィルムA)。
エチレングリコール、コハク酸、トリメチロールプロパンをモル比でそれぞれ、103、100、0.2の割合で縮重合、脱グリコール反応を行い、更にヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長した重量平均分子量24万、メルトフローインデックス値4.7(190℃、2.16kg)のポリエチレンサクシネート系重合体を用いてダイリップ径150mm、リップギャップ2mmのLDPE用インフレーション成形機にてフィルム成形を行った。成形温度は150℃、ブローアップ比は1.9、巻取り速度は21.4m/分で厚み25μmのフィルムを得た(フィルムA)。
得られたフィルムは透明感が高く、ヘイズ値は9.4、全光線透過率は91.5%であった。このフィルムは簡易のヒートシーラー(富士インパルス社製ポリシーラー301E型)で容易にヒートシールが可能であった。また、フィルムは柔軟性を有しており、弾性率はMD(縦方向:フィルム成形における流れ方向)、TD(横方向:フィルム成形における流れ方向に対して直角方向)それぞれ51.6kgf/mm2、45.6kgf/mm2、引張り伸び率はMD、TDそれぞれ274%、506%であった。
(臭気の官能テスト)直径3.4cmの開口部を有する70ccガラス容器に臭気発生物としてレモン香料、カレー粉、ジンジャー粉、シナモン粉、紅茶、日本茶を各1g入れ、開口部を実施例1で得られたポリエチレンサクシネート系重合体フィルムで密閉した後にアルミ製の容器に入れて1時間、12時間、24時間後にアルミ容器を開けて臭気の官能テストを行った。評価は、3人の評価者により行い、全く臭いを感じないものを○、わずかに臭気が感じられるものを△、臭気が感じられるものを×、とし、評価者の過半数が支持する回答を評価結果とした。結果を表1に記す。
(実施例2)
実施例1で用いたメルトフローインデックス値4.7のポリエチレンサクシネート系重合体とポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製、商品名エコフレックスFBX7011)を50:50(質量比)の割合で配合し、実施例1と同様の成形機にてフィルムの成形を行った。成型温度:150℃、ブローアップ比:2.2、巻取り速度:20.0m/分で、厚み24μmのフィルムを得た(フィルムD)。
実施例1で用いたメルトフローインデックス値4.7のポリエチレンサクシネート系重合体とポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製、商品名エコフレックスFBX7011)を50:50(質量比)の割合で配合し、実施例1と同様の成形機にてフィルムの成形を行った。成型温度:150℃、ブローアップ比:2.2、巻取り速度:20.0m/分で、厚み24μmのフィルムを得た(フィルムD)。
得られたフィルムのヘイズ値は8.7であり、全光線透過率は93%であった。このフィルムDの引張弾性率は、MD:30.2kgf/mm2、TD:20.5kgf/mm2であり、引張伸び率はMD:397%、TD:443%であった。
(比較例1)
ポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製、商品名ビオノーレ#3001)を用いてダイリップ径100mm、リップギャップ3mmのLLDPE用インフレーション成形機にてフィルム成形を行った。成形温度は150℃、ブロー比は2.2、巻取り速度は16.1m/分で、厚み25μmのフィルムを得た(フィルムB)。
ポリブチレンサクシネートアジペート(昭和高分子社製、商品名ビオノーレ#3001)を用いてダイリップ径100mm、リップギャップ3mmのLLDPE用インフレーション成形機にてフィルム成形を行った。成形温度は150℃、ブロー比は2.2、巻取り速度は16.1m/分で、厚み25μmのフィルムを得た(フィルムB)。
得られたフィルムBを実施例1と同様の官能テストを実施した。結果を表1に示す。
(比較例2)
厚み35μmのLDPEフィルム(フィルムC)を実施例1と同様、臭気の官能テストを行った。結果を表1に記す。
厚み35μmのLDPEフィルム(フィルムC)を実施例1と同様、臭気の官能テストを行った。結果を表1に記す。
(比較例3)
実施例1で用いたメルトフローインデックス値4.7のポリエチレンサクシネート系重合体とポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製、商品名エコフレックスFBX7011)を20:80(質量比)の割合で、実施例1と同様の成形機にてフィルムの成形を行った。成型温度:150℃、ブローアップ比:2.2、巻取り速度:20.5m/分で、厚み19μmのフィルムを得た(フィルムE)。
実施例1で用いたメルトフローインデックス値4.7のポリエチレンサクシネート系重合体とポリブチレンアジペートテレフタレート(BASF社製、商品名エコフレックスFBX7011)を20:80(質量比)の割合で、実施例1と同様の成形機にてフィルムの成形を行った。成型温度:150℃、ブローアップ比:2.2、巻取り速度:20.5m/分で、厚み19μmのフィルムを得た(フィルムE)。
得られたフィルムのヘイズ値は8.9であり、全光線透過率は93%であった。フィルムEの引張弾性率は、MD:9.4kgf/mm2、TD:11.2kgf/mm2であり、引張伸び率はMD:391%、TD:364%であった。このフィルムEを用いて、上述の臭気の官能テストを行った結果を表1に示す。
表1から明らかなように、フィルムAおよびDは揮発性物および/または臭気発生物の臭気の拡散を抑制することに優れ、生分解性に優れた包材として好適に用いることができる。
揮発性物および/または臭気発生する被包材と、それらの散逸を抑制する生分解性の包材からなる包装体を利用することができ、包材は使用後に土中などの自然環境化で分解、消滅可能であることからプラスチック廃棄による環境汚染の一解決策として用いることができる。
Claims (3)
- 揮発性物および/または臭気発生物を包装するための包材であって、
ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有することを特徴とする包材。 - ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材と、揮発生物および/または臭気を発生する被包材とからなることを特徴とする揮発性物および/または臭気の散逸を抑制した包装体。
- ポリエチレンサクシネート系重合体を30〜100重量%含む生分解性樹脂材料からなる層を有する包材で、揮発性物および/または臭気を発生する被包材を包装することを特徴とする包材の使用方法。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2005
- 2005-02-16 JP JP2005038954A patent/JP2005263320A/ja not_active Withdrawn
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