JP2004034329A - 感熱記録組成物及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】化学的にも物理的にも安定で無色または淡色から黒色または褐色に感熱発色する感熱記録組成物、および加熱によりコントラストの高い黒色画像を記録する感熱記録方法の提供。
【解決手段】窒素原子含有樹脂および無機材料を含有する感熱記録組成物、該感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録する感熱記録方法、および基材上に前記感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法。
【選択図】なし
【解決手段】窒素原子含有樹脂および無機材料を含有する感熱記録組成物、該感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録する感熱記録方法、および基材上に前記感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録組成物およびこれを用いた感熱記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に電子供与性の無色または淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を支持体上に設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時に反応し、記録画像が得られるものであり、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報等に開示されている。近年、このような感熱記録材料は、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の記録材料として広範囲な分野で利用されている。
【0003】
しかし、電子供与性の染料前駆体と電子受容性の顕色剤を用いた感熱記録材料は、耐候性、耐熱性、保存安定性などにおいて問題がある。すなわち、両者とも反応性が高く低分子の有機物であるため、熱可塑性樹脂等に練りこむ際にかかる熱や、他の可塑剤等の添加剤との反応により、発色または消色するなどの現象が生じる。また、一度記録した情報が湿度、温度、光などの環境の影響によって消失するなどの問題も有している。
【0004】
このような問題に対して、反応性の高い電子供与性の染料前駆体を単独で、または電子受容性の顕色剤およびワックス状物質などの第3成分と一緒にマイクロカプセル化する方法が、特開昭59−91438号公報、特開昭59−99490号公報、特公平2−2440号公報等に開示されている。この方法により、耐候性、保存安定性などの問題は改善されるものの、これらのマイクロカプセルを混練温度の高いポリエステル系樹脂やポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂に練りこむ場合には耐熱性に問題が生じ、耐熱性を考慮するとマイクロカプセルを形成する樹脂成分は限られてくる。また、使用される電子供与性の染料前駆体、受容性の顕色剤等自身は、もともと結晶系の低い有機化合物であるため、融点、分解温度も低く、高い耐熱性は見込めない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、加工時の温度では発色せず、加工性や保存安定性において優れ、熱刺激によりコントラストの高い黒色発色を示す感熱記録組成物、および加熱によりコントラストの高い黒色画像を記録する感熱記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感熱記録組成物は、高い感熱発色性を持つ窒素原子含有樹脂と無機材料とを混合して使用することにより、窒素原子含有樹脂の耐熱性、耐候性が向上し、熱可塑性樹脂への練りこみ時にかかる熱による分解を抑制でき、かつ記録時に熱伝導性や、熱源の一手段であるレーザー光に対しての感度が向上するため非常にコントラストの高い画像を記録できるものである。
【0007】
すなわち、本発明は、窒素原子含有樹脂および無機材料を含有する感熱記録組成物である。
また、本発明の感熱記録組成物は、窒素原子含有樹脂が、メラミン樹脂、ポリアミドおよびポリエチレンイミンから選ばれる一種以上である上記の感熱記録組成物である。また、本発明の感熱記録組成物は、無機材料が、金属酸化物、無機塩、金属単体および水酸化物から選ばれる一種以上である上記の感熱記録組成物である。また、本発明の感熱記録組成物は、さらに窒素原子含有樹脂以外の樹脂を含有する上記の感熱記録組成物である。
【0008】
また、本発明の感熱記録方法は、記録時の熱伝導性や、熱源の一手段であるレーザー光に対しての感度が優れ、非常にコントラストの高い画像を記録できるものである。
すなわち、本発明は、上記の感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録する感熱記録方法である。
また、本発明は、基材上に上記の感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、感熱記録組成物について説明する。
感熱記録組成物に用いられる窒素原子含有樹脂は、単独で使用する場合には、記録時の温度で酸化反応を起こしやすく、非常に着色力の高い黒色または褐色に発色するものである。例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレンイミン、ポリN−ビニルカルバゾール、ポリ4−ビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルフタルイミド、ポリピロール、ポリm−フェニレンイソフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミド、ポリベンゾイミダゾール等が挙げられる。特に、メラミン樹脂、ポリアミドおよびポリエチレンイミンは、アミノ基および/または芳香環を有し、感熱発色性が高いため好ましい。また、感熱記録組成物を熱可塑性樹脂等に練りこんで使用する場合には、練りこみ温度(約200〜350℃)では発色しないメラミン樹脂、ポリイミドを用いることが好ましい。窒素原子含有樹脂は、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0010】
感熱記録組成物に用いられる無機材料は、記録時の熱伝導性や、熱源としてレーザー光を用いる場合のレーザー光に対する感度を向上させる働きをするものであり、金属酸化物、無機塩、金属単体、水酸化物等が挙げられる。
金属酸化物として具体的には、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ランタン、合成ゼオライト、天然ゼオライト等が挙げられる。金属酸化物としては、層状構造を有する、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、タルク、クレー等を用いることもできる。
【0011】
無機塩として具体的には、炭酸カルシウム、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム等が挙げられる。
金属単体として具体的には、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
水酸化物として具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンチモン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化ランタン等が挙げられる。
無機材料は、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0012】
感熱記録組成物において、窒素原子含有樹脂および無機材料の組成比(重量比)は99:1〜1:99であることが好ましく、特に95:5〜50:50であることが好ましい。感熱記録組成物の感熱発色性は、窒素原子含有樹脂の含有量に大きく影響されるため、窒素原子含有樹脂の含有量が多いほどより黒色または濃い褐色に発色する。しかし、無機材料を混合することにより、記録時の熱伝導性や、熱源として用いられるレーザー光に対する感度の向上による感熱発色性の向上などの利点が得られるため、無機材料が少なすぎてもその効果が発揮されない。そのため、範囲内の組成比であることが好ましい。
【0013】
感熱記録組成物には、窒素原子含有樹脂以外の樹脂を含有させることができる。他の樹脂を含有させる場合には、混練時にかかる熱刺激を最小限に抑えることができるため、窒素原子含有樹脂および無機材料を予め混合してから他の樹脂と混合することが好ましいが、他の樹脂に窒素原子含有樹脂および無機材料を順に添加して混合することもできる。他の樹脂としては特に制限はないが、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂として具体的には、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
【0014】
熱可塑性樹脂として具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。特に、燃焼時のダイオキシン類の発生原因となるハロゲンを含まず、安価で広く市場で使用されているポリプロピレン系樹脂や、透明性が高く、リサイクルに適したポリエステル系樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂として具体的には、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、スピラン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
【0015】
次に、感熱記録組成物を用いた感熱記録方法について説明する。
感熱記録は、感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、または基材上に感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録することによって行う。
成型物表面に加熱により記録する感熱記録方法の場合には、成型物は、窒素原子含有樹脂と無機材料と熱可塑性樹脂とを含む感熱記録組成物を加熱成型することにより製造される。この場合、感熱記録組成物の全成分量に対して、窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量は0.05〜50重量%であることが好ましく、0.5〜30重量%であることがより好ましい。窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量が50重量%を超えると、熱可塑性樹脂の持つ柔軟性、成型性等の物性を損なう可能性があるからである。
成型物の製造に用いられる感熱記録組成物には、得られる成型物の感熱記録特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加してもよい。
【0016】
基材上に感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法の場合には、感熱記録材料は、感熱記録組成物を有機溶剤、水等からなる液状媒体に分散してなる塗工液を基材に塗工し、感熱発色層を形成することにより製造される。この場合、塗工液の全成分量に対して、窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量は0.5〜40重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量が40重量%を超えると分散不良を起こしやすく、均一に窒素原子含有樹脂と無機材料が混ざった発色層の形成が困難となり、感熱記録特性を損なう可能性があるからである。
【0017】
感熱発色層の形成に用いられる塗工液には、結着樹脂を添加してもよい。結着樹脂としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。結着樹脂は、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、塗工液には、塗工性の向上等を目的として、填料、界面活性剤、滑剤等を添加してもよい。
【0018】
感熱記録組成物を有機溶剤、水等の液状媒体中に分散して塗工液を調製する際に使用する分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)等が挙げられる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、スチレンビーズ等を用いることが好ましい。
【0019】
塗工液は、例えば、ワイヤーバーを用いて基材上に塗工することができる。
基材としては、紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属箔、またはこれらの積層体が用いられる。
基材と感熱発色層との間には、発色性向上の目的からアンダーコート層を設けることも可能である。アンダーコート層は、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂等で形成される球状樹脂微粒子や無機顔料等を結着樹脂に添加することにより構成される。
【0020】
このようにして得られた成型物または感熱記録材料を加熱することにより、加熱部分の窒素原子含有樹脂が熱により酸化分解し、素材によっては窒素原子含有樹脂および無機材料の周りに存在する他の樹脂等も熱により分解し変色することで、非常に鮮明なコントラストを持った記録を行うことができる。記録する際のエネルギー量は特に限定されず、感熱記録組成物に含有される窒素原子含有樹脂の種類や量、無機材料の種類や量、記録部分の厚みなどによって異なるが、ほとんどの窒素原子含有樹脂や周りに存在する他の樹脂が単独で酸化分解するため、記録時の加熱温度は250〜500℃であることが好ましい。
【0021】
感熱記録を行う加熱源としては、例えばサーマルヘッド、熱ペン、レーザー光等が挙げられる。サーマルヘッドや熱ペンを用いる場合は、無機材料として熱伝導率の高い金属単体、金属酸化物を用いることが好ましい。また、レーザー光を用いる場合は、無機材料としては熱伝導率が高くレーザー光に対して感度を有する金属単体、金属酸化物および無機塩を用いることが好ましい。レーザー光としては、例えば炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部を表す。また、感熱記録組成物は、熱可塑性樹脂に分散しフィルム状に成型する、または塗工液を調整し紙の上に塗工することにより得た。
【0023】
(実施例1)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターMS」)80部とシリカ(富士シリシア社製「サイリシア350」)20部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例2)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターS12」)90部と酸化チタン(石原産業社製)10部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例3)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターM30」)75部と酸化銅(和光純薬社製)25部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
【0024】
(実施例4)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターS12」)70部と炭酸銅(和光純薬社製)30部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例5)
ポリアクリルアミド(アルドリッチ社製)90部とアルミニウム粉末(和光純薬社製)10部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例6)
ポリエチレンイミン(和光純薬社製)85部と水酸化アルミニウム(和光純薬社製)15部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
【0025】
(比較例1)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターMS」)のみを単独で用いた。
(比較例2)
シリカ(富士シリシア社製「サイリシア350」)のみを単独で用いた。
(比較例3)
スチレン樹脂粒子(総研化学社製「SGP−50C」)90部と酸化チタン(石原産業社製)を混合し、感熱記録組成物を得た。
(比較例4)
アクリル樹脂粒子(総研化学社製「MP2200」)90部とアルミニウム粉末(和光純薬社製)を混合し、感熱記録組成物を得た。
【0026】
(成型物の作成)
・マスターバッチの作成方法
表1に示すポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂80部と、実施例および比較例で得られた感熱記録組成物20部とを溶融混練機にて混練することにより、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
・フィルム成型方法
得られたマスターバッチ50部と、マスターバッチの作成に用いたのと同様のポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂50部とを混合し、220〜260℃で溶融押出し、厚さ200μmの感熱記録フィルムを得た。
【0027】
(感熱記録材料の作成)
水195部、実施例および比較例で得られた感熱記録組成物40部、10%ポリビニルアルコール水溶液90部および炭酸カルシウム20部を攪拌混合し、塗工液を調製した。坪量40g/m2の原紙に、得られた塗工液をワイヤーバーで塗工量(固形分)6g/m2となるように塗工し、乾燥した後スーパーカレンダーで加圧処理して感熱記録材料を得た。
【0028】
(記録方法A)
得られた成型物および感熱記録材料について、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1300Ωの大倉電機社製サーマルヘッド「TH−PMD」を具備するGIIIFAX試験機を使用して、感熱記録を行った。記録は、ヘッド電圧22V、通電時間1.2msで行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
【0029】
(記録方法B)
得られた成型物および感熱記録材料について、コヒーレント社製炭酸ガスレーザー「ザイマーク7000」(ドットタイプ)を使用して感熱記録を行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
*PETG:イーストマン社製ポリエステル系樹脂「EastarPETG6763」
*PP:グランドポリマー社製ポリプロピレン系樹脂「グランドポリプロB761QD」
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明の感熱記録組成物は、化学的にも物理的にも安定で、加熱記録時に無色または淡色から黒色または褐色に発色するため、優れた感熱記録適性を示す。
そして、本発明の感熱記録組成物を用いた感熱記録方法によれば、安定した濃度・色彩をもつコントラストの高い感熱記録をすることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、感熱記録組成物およびこれを用いた感熱記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感熱記録材料は、一般に電子供与性の無色または淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層を支持体上に設けたもので、熱ヘッド、熱ペン、レーザー光等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時に反応し、記録画像が得られるものであり、特公昭43−4160号公報、特公昭45−14039号公報等に開示されている。近年、このような感熱記録材料は、電子計算機、ファクシミリ、券売機、ラベルプリンター、レコーダー等の記録材料として広範囲な分野で利用されている。
【0003】
しかし、電子供与性の染料前駆体と電子受容性の顕色剤を用いた感熱記録材料は、耐候性、耐熱性、保存安定性などにおいて問題がある。すなわち、両者とも反応性が高く低分子の有機物であるため、熱可塑性樹脂等に練りこむ際にかかる熱や、他の可塑剤等の添加剤との反応により、発色または消色するなどの現象が生じる。また、一度記録した情報が湿度、温度、光などの環境の影響によって消失するなどの問題も有している。
【0004】
このような問題に対して、反応性の高い電子供与性の染料前駆体を単独で、または電子受容性の顕色剤およびワックス状物質などの第3成分と一緒にマイクロカプセル化する方法が、特開昭59−91438号公報、特開昭59−99490号公報、特公平2−2440号公報等に開示されている。この方法により、耐候性、保存安定性などの問題は改善されるものの、これらのマイクロカプセルを混練温度の高いポリエステル系樹脂やポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂に練りこむ場合には耐熱性に問題が生じ、耐熱性を考慮するとマイクロカプセルを形成する樹脂成分は限られてくる。また、使用される電子供与性の染料前駆体、受容性の顕色剤等自身は、もともと結晶系の低い有機化合物であるため、融点、分解温度も低く、高い耐熱性は見込めない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、加工時の温度では発色せず、加工性や保存安定性において優れ、熱刺激によりコントラストの高い黒色発色を示す感熱記録組成物、および加熱によりコントラストの高い黒色画像を記録する感熱記録方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の感熱記録組成物は、高い感熱発色性を持つ窒素原子含有樹脂と無機材料とを混合して使用することにより、窒素原子含有樹脂の耐熱性、耐候性が向上し、熱可塑性樹脂への練りこみ時にかかる熱による分解を抑制でき、かつ記録時に熱伝導性や、熱源の一手段であるレーザー光に対しての感度が向上するため非常にコントラストの高い画像を記録できるものである。
【0007】
すなわち、本発明は、窒素原子含有樹脂および無機材料を含有する感熱記録組成物である。
また、本発明の感熱記録組成物は、窒素原子含有樹脂が、メラミン樹脂、ポリアミドおよびポリエチレンイミンから選ばれる一種以上である上記の感熱記録組成物である。また、本発明の感熱記録組成物は、無機材料が、金属酸化物、無機塩、金属単体および水酸化物から選ばれる一種以上である上記の感熱記録組成物である。また、本発明の感熱記録組成物は、さらに窒素原子含有樹脂以外の樹脂を含有する上記の感熱記録組成物である。
【0008】
また、本発明の感熱記録方法は、記録時の熱伝導性や、熱源の一手段であるレーザー光に対しての感度が優れ、非常にコントラストの高い画像を記録できるものである。
すなわち、本発明は、上記の感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録する感熱記録方法である。
また、本発明は、基材上に上記の感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
まず、感熱記録組成物について説明する。
感熱記録組成物に用いられる窒素原子含有樹脂は、単独で使用する場合には、記録時の温度で酸化反応を起こしやすく、非常に着色力の高い黒色または褐色に発色するものである。例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレンイミン、ポリN−ビニルカルバゾール、ポリ4−ビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリ−N−ビニルフタルイミド、ポリピロール、ポリm−フェニレンイソフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミド、ポリベンゾイミダゾール等が挙げられる。特に、メラミン樹脂、ポリアミドおよびポリエチレンイミンは、アミノ基および/または芳香環を有し、感熱発色性が高いため好ましい。また、感熱記録組成物を熱可塑性樹脂等に練りこんで使用する場合には、練りこみ温度(約200〜350℃)では発色しないメラミン樹脂、ポリイミドを用いることが好ましい。窒素原子含有樹脂は、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0010】
感熱記録組成物に用いられる無機材料は、記録時の熱伝導性や、熱源としてレーザー光を用いる場合のレーザー光に対する感度を向上させる働きをするものであり、金属酸化物、無機塩、金属単体、水酸化物等が挙げられる。
金属酸化物として具体的には、シリカ、酸化チタン、アルミナ、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化コバルト、酸化鉛、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化マンガン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化パラジウム、酸化ランタン、合成ゼオライト、天然ゼオライト等が挙げられる。金属酸化物としては、層状構造を有する、マイカ、モンモリロナイト、スメクタイト、タルク、クレー等を用いることもできる。
【0011】
無機塩として具体的には、炭酸カルシウム、炭酸銅、炭酸ニッケル、炭酸マンガン、炭酸コバルト、炭酸ランタン、硝酸マグネシウム、硝酸マンガン、硝酸鉄、硝酸カドミウム、硝酸亜鉛、硝酸コバルト、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸銅、硝酸パラジウム、硝酸ランタン、酢酸マグネシウム、酢酸マンガン、酢酸カドミウム、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル、酢酸銅、酢酸パラジウム等が挙げられる。
金属単体として具体的には、鉄、亜鉛、スズ、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
水酸化物として具体的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化アンチモン、水酸化コバルト、水酸化ニッケル、水酸化鉄、水酸化ランタン等が挙げられる。
無機材料は、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0012】
感熱記録組成物において、窒素原子含有樹脂および無機材料の組成比(重量比)は99:1〜1:99であることが好ましく、特に95:5〜50:50であることが好ましい。感熱記録組成物の感熱発色性は、窒素原子含有樹脂の含有量に大きく影響されるため、窒素原子含有樹脂の含有量が多いほどより黒色または濃い褐色に発色する。しかし、無機材料を混合することにより、記録時の熱伝導性や、熱源として用いられるレーザー光に対する感度の向上による感熱発色性の向上などの利点が得られるため、無機材料が少なすぎてもその効果が発揮されない。そのため、範囲内の組成比であることが好ましい。
【0013】
感熱記録組成物には、窒素原子含有樹脂以外の樹脂を含有させることができる。他の樹脂を含有させる場合には、混練時にかかる熱刺激を最小限に抑えることができるため、窒素原子含有樹脂および無機材料を予め混合してから他の樹脂と混合することが好ましいが、他の樹脂に窒素原子含有樹脂および無機材料を順に添加して混合することもできる。他の樹脂としては特に制限はないが、例えば熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。
熱硬化性樹脂として具体的には、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
【0014】
熱可塑性樹脂として具体的には、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ABS系樹脂、ポリ乳酸系樹脂等が挙げられる。特に、燃焼時のダイオキシン類の発生原因となるハロゲンを含まず、安価で広く市場で使用されているポリプロピレン系樹脂や、透明性が高く、リサイクルに適したポリエステル系樹脂が好ましい。
光硬化性樹脂として具体的には、不飽和ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、ポリエン/ポリチオール系樹脂、スピラン系樹脂、エポキシ系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、フラン系樹脂等が挙げられる。
【0015】
次に、感熱記録組成物を用いた感熱記録方法について説明する。
感熱記録は、感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、または基材上に感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録することによって行う。
成型物表面に加熱により記録する感熱記録方法の場合には、成型物は、窒素原子含有樹脂と無機材料と熱可塑性樹脂とを含む感熱記録組成物を加熱成型することにより製造される。この場合、感熱記録組成物の全成分量に対して、窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量は0.05〜50重量%であることが好ましく、0.5〜30重量%であることがより好ましい。窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量が50重量%を超えると、熱可塑性樹脂の持つ柔軟性、成型性等の物性を損なう可能性があるからである。
成型物の製造に用いられる感熱記録組成物には、得られる成型物の感熱記録特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、滑剤、着色剤、帯電防止剤、防曇剤等を添加してもよい。
【0016】
基材上に感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法の場合には、感熱記録材料は、感熱記録組成物を有機溶剤、水等からなる液状媒体に分散してなる塗工液を基材に塗工し、感熱発色層を形成することにより製造される。この場合、塗工液の全成分量に対して、窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量は0.5〜40重量%であることが好ましく、2〜30重量%であることがより好ましい。窒素原子含有樹脂と無機材料の合計量が40重量%を超えると分散不良を起こしやすく、均一に窒素原子含有樹脂と無機材料が混ざった発色層の形成が困難となり、感熱記録特性を損なう可能性があるからである。
【0017】
感熱発色層の形成に用いられる塗工液には、結着樹脂を添加してもよい。結着樹脂としては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール等のポリビニルアセタール類、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、エポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。結着樹脂は、二種類以上を混合して用いてもよい。
また、塗工液には、塗工性の向上等を目的として、填料、界面活性剤、滑剤等を添加してもよい。
【0018】
感熱記録組成物を有機溶剤、水等の液状媒体中に分散して塗工液を調製する際に使用する分散機としては、ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノーミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、コボールミル、ホモミキサー、ホモジナイザー(エム・テクニック社製「クレアミックス」等)、湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」)等が挙げられる。分散機にメディアを使う場合には、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ、アルミナビーズ、磁性ビーズ、スチレンビーズ等を用いることが好ましい。
【0019】
塗工液は、例えば、ワイヤーバーを用いて基材上に塗工することができる。
基材としては、紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属箔、またはこれらの積層体が用いられる。
基材と感熱発色層との間には、発色性向上の目的からアンダーコート層を設けることも可能である。アンダーコート層は、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂等で形成される球状樹脂微粒子や無機顔料等を結着樹脂に添加することにより構成される。
【0020】
このようにして得られた成型物または感熱記録材料を加熱することにより、加熱部分の窒素原子含有樹脂が熱により酸化分解し、素材によっては窒素原子含有樹脂および無機材料の周りに存在する他の樹脂等も熱により分解し変色することで、非常に鮮明なコントラストを持った記録を行うことができる。記録する際のエネルギー量は特に限定されず、感熱記録組成物に含有される窒素原子含有樹脂の種類や量、無機材料の種類や量、記録部分の厚みなどによって異なるが、ほとんどの窒素原子含有樹脂や周りに存在する他の樹脂が単独で酸化分解するため、記録時の加熱温度は250〜500℃であることが好ましい。
【0021】
感熱記録を行う加熱源としては、例えばサーマルヘッド、熱ペン、レーザー光等が挙げられる。サーマルヘッドや熱ペンを用いる場合は、無機材料として熱伝導率の高い金属単体、金属酸化物を用いることが好ましい。また、レーザー光を用いる場合は、無機材料としては熱伝導率が高くレーザー光に対して感度を有する金属単体、金属酸化物および無機塩を用いることが好ましい。レーザー光としては、例えば炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部は重量部を表す。また、感熱記録組成物は、熱可塑性樹脂に分散しフィルム状に成型する、または塗工液を調整し紙の上に塗工することにより得た。
【0023】
(実施例1)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターMS」)80部とシリカ(富士シリシア社製「サイリシア350」)20部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例2)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターS12」)90部と酸化チタン(石原産業社製)10部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例3)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターM30」)75部と酸化銅(和光純薬社製)25部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
【0024】
(実施例4)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターS12」)70部と炭酸銅(和光純薬社製)30部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例5)
ポリアクリルアミド(アルドリッチ社製)90部とアルミニウム粉末(和光純薬社製)10部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
(実施例6)
ポリエチレンイミン(和光純薬社製)85部と水酸化アルミニウム(和光純薬社製)15部とを混合し、感熱記録組成物を得た。
【0025】
(比較例1)
メラミン樹脂粒子(日本触媒社製「エポスターMS」)のみを単独で用いた。
(比較例2)
シリカ(富士シリシア社製「サイリシア350」)のみを単独で用いた。
(比較例3)
スチレン樹脂粒子(総研化学社製「SGP−50C」)90部と酸化チタン(石原産業社製)を混合し、感熱記録組成物を得た。
(比較例4)
アクリル樹脂粒子(総研化学社製「MP2200」)90部とアルミニウム粉末(和光純薬社製)を混合し、感熱記録組成物を得た。
【0026】
(成型物の作成)
・マスターバッチの作成方法
表1に示すポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂80部と、実施例および比較例で得られた感熱記録組成物20部とを溶融混練機にて混練することにより、ペレット状の樹脂組成物(マスターバッチ)を得た。
・フィルム成型方法
得られたマスターバッチ50部と、マスターバッチの作成に用いたのと同様のポリエステル系樹脂またはポリプロピレン系樹脂50部とを混合し、220〜260℃で溶融押出し、厚さ200μmの感熱記録フィルムを得た。
【0027】
(感熱記録材料の作成)
水195部、実施例および比較例で得られた感熱記録組成物40部、10%ポリビニルアルコール水溶液90部および炭酸カルシウム20部を攪拌混合し、塗工液を調製した。坪量40g/m2の原紙に、得られた塗工液をワイヤーバーで塗工量(固形分)6g/m2となるように塗工し、乾燥した後スーパーカレンダーで加圧処理して感熱記録材料を得た。
【0028】
(記録方法A)
得られた成型物および感熱記録材料について、ドット密度8ドット/mm、ヘッド抵抗1300Ωの大倉電機社製サーマルヘッド「TH−PMD」を具備するGIIIFAX試験機を使用して、感熱記録を行った。記録は、ヘッド電圧22V、通電時間1.2msで行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
【0029】
(記録方法B)
得られた成型物および感熱記録材料について、コヒーレント社製炭酸ガスレーザー「ザイマーク7000」(ドットタイプ)を使用して感熱記録を行い、記録画像の反射濃度(O.D.値)をマクベス濃度計で測定した。成型物に感熱記録した結果を表1に、感熱記録材料に感熱記録した結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
*PETG:イーストマン社製ポリエステル系樹脂「EastarPETG6763」
*PP:グランドポリマー社製ポリプロピレン系樹脂「グランドポリプロB761QD」
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明の感熱記録組成物は、化学的にも物理的にも安定で、加熱記録時に無色または淡色から黒色または褐色に発色するため、優れた感熱記録適性を示す。
そして、本発明の感熱記録組成物を用いた感熱記録方法によれば、安定した濃度・色彩をもつコントラストの高い感熱記録をすることができる。
Claims (7)
- 窒素原子含有樹脂および無機材料を含有することを特徴とする感熱記録組成物。
- 窒素原子含有樹脂が、メラミン樹脂、ポリアミドおよびポリエチレンイミンから選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1記載の感熱記録組成物。
- 無機材料が、金属酸化物、無機塩、金属単体および水酸化物から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1または2記載の感熱記録組成物。
- さらに、窒素原子含有樹脂以外の樹脂を含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載の感熱記録組成物。
- 請求項1ないし4いずれか1項に記載の感熱記録組成物を成型してなる成型物表面に、加熱により記録することを特徴とする感熱記録方法。
- 基材上に請求項1ないし4いずれか1項に記載の感熱記録組成物からなる感熱発色層を有する感熱記録材料に、加熱により記録する感熱記録方法。
- 加熱が、サーマルヘッドまたはレーザー光により行われることを特徴とする請求項5または6記載の感熱記録方法。
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