JP2006517155A - プラスチックフィルムにおける直接感熱式画像形成 - Google Patents

Abstract

本発明は、直接感熱式画像形成、好ましくは近赤外直接感熱式画像形成を用いて、フィルム上にグレースケール画像を生成するための手段を提供する。本発明は、直接感熱式画像形成をグレースケールで生じさせる高分子層およびコーティングの適切な組み合わせ、特に活性直接感熱コーティングおよびトップコートによって、適切な表面特性および熱転写特性を有する、空洞を含有しない多層積層フィルムを提供する。このようなフィルムは、一時的な個人識別デバイス、例えば、病院のリストバンドおよび舞台裏の通行証のために使用されることが可能であり、バーコードデータ、写真、およびその他の関連データを組み込むことができる。

Description

［発明の分野］
本発明は、グレースケールを組み込んだ直接感熱式（direct thermal）画像形成によって、画像、例えば写真がその上に生成されることが可能な耐久性サーマルコート積層フィルムに関する。画像形成されたフィルムは、化学薬品、摩耗、摩擦、スクラッチおよび／または温度に耐性である。特に、本発明は、一時的な個人識別デバイス、例えば病院のリストバンドのために使用することができ、バーコードデータ、患者の写真、およびその他の関連データを組み込むことができる、空洞を含有しない多層積層フィルムに関する。

本出願は、２００２年１０月２日出願の米国仮特許出願第６０／４１５，４０３号（John Finger）、２００２年１０月８日出願の米国仮特許出願第６０／４１６，９６５号（John Finger）、２００３年１月１日出願の米国仮特許出願第６０／４４０，４６３号（John Finger）、２００３年２月７日出願の米国仮特許出願第６０／４４５，９８３号（John Finger）、２００３年２月１９日出願の米国仮特許出願第６０／４４８，３２８号（John Finger）、および２００３年７月２１日出願の米国仮特許出願第６０／４８８，８６７号（John Finger）に基づいて、優先権を主張する。

［背景］
紙における直接感熱式画像形成は、当該技術分野においてよく知られている。画像は、加熱されると黒色に変わる特別なコート紙において、化学反応を起こすことによって形成される。紙における典型的な直接感熱式画像形成方法では、紙と接触しているプリントヘッド内部のセラミック加熱素子がパターンで選択的に点滅し、これにより、印刷画像（例えば、英数字、バーコード、またはグラフィックス）が形成される。また、直接感熱式画像形成プリンタを用いてグレースケール画像を生成することも可能である。すなわち、画像は、黒および白だけでなくグレーによっても構成され、画像のより優れた複製が提供される。

熱転写プリンタ装置では、記録紙は、インクシートと共に、プラテンロ−ラとサーマルヘッドの間に圧力下で挟持される。インクシートは熱昇華性染料がコートされたベースフィルムからなり、熱昇華性染料が記録紙に対して押圧されるように配置される。サーマルヘッドの片側には複数の加熱素子が備えられ、電流がサーマルヘッドを流れると、これらの加熱素子は印刷データに従って熱を発生し、ベースフィルムを介して熱昇華性染料を加熱する。この結果、熱昇華性染料が昇華し、記録シート上に転写されることになる。

［発明の概要］
本発明は、空洞を含有しない多層積層体フィルム構成物および該構成物の形成方法に関し、また、直接感熱式画像形成、好ましくは近赤外直接感熱式画像形成を用いて、グレースケール画像を積層体上に生成する方法にも関する。本発明の積層体構成物は、通常、次の一連の層：（ｉ）第１の表面および第２の表面を有し、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および／またはその他の既知のポリオレフィンならびにこれらの組み合わせからなる群から選択され、好ましくは高密度ポリエチレンフィルムである第１の熱可塑性フィルム層と、（ｉｉ）第１の表面および第２の表面を有し、熱可塑性フィルムの上記第１の表面を被覆する活性直接感熱層（active direct thermal layer）であって、活性直接感熱層内に画像を形成するために、活性直接感熱層の第１の表面または第２の表面のいずれかを介した熱の伝達に対して反応する発色メカニズムを有する上記活性直接感熱層と、（ｉｉｉ）活性直接感熱層の上記第１の表面に施された放射線硬化性トップコートとを含む。積層体は、さらに、次の層：（ｉ）積層体の活性直接感熱層の第１の表面に施された直接感熱トップコートと、（ｉｉ）第１の熱可塑性フィルム層の第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第１のアクリル接着剤層と、（ｉｉｉ）第１の表面および第２の表面を有し、上記第１のアクリル接着剤層の第２の表面に施された、好ましくはポリエチレンフィルムである第２の熱可塑性フィルム層とを含むことができる。

任意で、積層体は、カラープリント／センサーマーク、第２のアクリル接着剤層、および第２の接着剤層の第２の表面に施された半透明のポリオレフィン層も含むことができる。さらに、積層体は、直接感熱トップコート層（direct thermal topcoat layer）の第１の表面に施された１つ以上のカラーコーティング層を含むことができる。

このような積層体フィルムは、一時的な個人識別デバイス、例えば、病院のリストバンドおよび舞台裏の通行証のために使用することができ、バーコードデータ、写真、およびその他の関連データを組み込むことができる。

［発明の詳細な説明］
本発明は、直接感熱式画像形成、好ましくは近赤外直接感熱式画像形成を用いて、フィルム上にグレースケール画像を生成するための手段を提供する。本発明は、高分子層およびコーティングの適切な組み合わせ、特に、直接感熱コーティング、断熱層およびトップコートによって、適切な表面特性および熱転写特性を有し、直接感熱式画像形成をグレースケールで生じさせる、空洞を含有しない多層積層フィルムを提供する。

本発明の好ましい実施形態は、次のアセンブリ（図１を参照）：１）半透明または透明のポリオレフィンフィルムと、２）第２のアクリル接着剤層と、３）カラープリント／センサーマークと、４）空洞を含有せず、好ましくは不透明のポリオレフィンフィルムであり、厚さ約２〜約８ミルの第２の熱可塑性フィルム層と、５）第１のアクリル接着剤層と、６）厚さ約２〜約８ミルの第１の熱可塑性フィルム層と、７）活性直接感熱層と、８）直接感熱トップコートと、９）所望の画像に必要とされる場合には、任意的なカラープリント層と、１０）放射線硬化性トップコートとを含む。任意で、熱可塑性フィルム層（層６）と活性直接感熱層（層７）との間にバインダー層（１１）が配置されてもよい。

［半透明または透明のポリオレフィンフィルム（１）］
半透明ポリオレフィンフィルム層（１）は、リストバンドの「トップ・オブ・フォーム」をプリンタにより感知するための着色バーを含有する印刷領域の保護を提供する。その他の情報またはカラーコーディングが、製造者によりこの層の下に配置されることも可能である。この層はつや消し仕上げされた耐薬品性および非吸収性の高密度ポリエチレンで構成され、層の下方の画像形成された領域の読み取りを容易にするのに適切な接触透明度を提供すると共に、着用者に快適性を提供する。厚さは、用途の要求に依存して、約１〜約８ミルでよい。このフィルムは、チャーター・フィルムズ（Charter Films, 1901 Winter Street, Superior, Wisconsin 54880）から入手可能である。

［接着剤（２，５）］
接着剤（２，５）は、熱可塑性ベース層を第２の（および追加の）プラスチック層（図１の層４など）に十分に接着させて、これらの層が特定の用途での使用中に剥離しないようにすることができる当該技術分野で知られるどの接着剤でもよい。接着剤の例には、アクリル、放射線硬化性、溶媒または水ベース、感圧型、または積層型の接着剤が含まれるが、これらに限定されない。

任意で、接着剤２は、熱可塑性フィルム層６（直接感熱層７がコートされていない層）の第２の表面に施され得る。次に、プラスチックフィルムは、剥離ライナー２７に接着され得る。剥離ライナーは当該技術分野においてよく知られている。これらの剥離ライナーは紙またはフィルムでよく、第１および第２の両表面を含有する。通常、ライナーの第１の表面はシリコーンコーティング層を有する。シリコーンコート表面は接着剤が施されるのを容易にし、転写コーティングの場合には、剥離ライナーが除去されて、それにより接着剤が露出されることを可能にする。直接コーティングの場合には、接着剤は支持材料の第２の表面に施され、次に、剥離ライナーのシリコーンコート面が接着剤表面に積層される。剥離ライナーは、ダイカッティングおよび印刷などのラベル材料の更なる処理のために、接着剤に保護を提供する。ラベルは、後で、シリコーンコートされた剥離ライナーから除去され、識別のために所望の表面に接着させることができる。

［カラープリント／センサーマーク（３）］
顔料を含有する層（単数または複数）は、サーマルプリンタ内のリストバンドの位置を検出して、画像形成の際に画像がリストバンド上に正確に配置されることを確実にするように設計される。通常、「センサー」マークは、印刷可能領域の最初に媒体を横切って印刷される。「トップ・オブ・フォーム」位置を検出するもう１つの方法は、プリンタが検出するリストバンド内のノッチまたは孔による。このタイプの感知の特徴は、リストバンドが製造される際のダイカッティングプロセス中に提供される。

［更なる熱可塑性層（単数または複数）（４）］
更なる熱可塑性層（単数または複数）も空洞を含有せず、画像形成されたプラスチックフィルムの特定の用途のために十分な寸法安定性、耐引裂性および耐薬品性を有する材料から製造され得る。第２のプラスチック層は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および／またはその他の既知のポリオレフィンを含むフィルムまたはシートから製造することができる。このフィルムまたはシートは当該技術分野で知られているいずれのプロセスで製造することができ、キャストシート、キャストフィルム、押出フィルムまたはブローンフィルムが含まれるが、これらに限定されない。第２のプラスチック層は、グレースケールでの画像形成を可能にするように十分な表面円滑性を示すことが好ましい。好ましくは、第２のプラスチック層は空洞を含有せず、微小空洞を含有しない。さらに好ましくは、第２のプラスチック層は、空洞を含有しないポリプロピレン／高密度ポリエチレンブレンドフィルムを含む。最も好ましくは、第２のプラスチック層は、チャーター・フィルムズ（Charter Films, 1901 Winter Street, Superior, Wisconsin 54880）から入手可能な空洞を含有しないポリプロピレン／高密度ポリエチレンブローンフィルムを含む。

［熱可塑性フィルム層（６）］
熱可塑性フィルム層（６）は空洞を含有してはならず、画像形成されたプラスチックフィルムの特定の用途のために十分な寸法安定性、耐引裂性、および耐薬品性を有する材料から製造されるべきである。熱可塑性フィルム層は、第１の表面（１５）および第２の表面（１６）を有する。画像形成されたプラスチックフィルムが意図される用途に応じて、ある程度の柔軟性、または表面仕上げなどの材料の感触に関連する他の特性が必要とされ得る。例えば、以下に記載されるような病院のリストバンドでは、着用者の皮膚に食い込まないように柔軟性であり、また、患者の皮膚にくっつかないようにつや消し仕上げも有する材料を使用することが望ましいであろう。さらに、特定の用途では、このベース層は、透き通った、すなわち透明、または少なくとも半透明であるのが望ましいであろう。また熱可塑性フィルム層は不透明でもよい。また、紫外線防止剤を含むこともできる。熱可塑性フィルム層は不織布材料でもよいし、あるいはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および／またはその他の既知のポリオレフィンならびにこれらの組み合わせを含むフィルムまたはシートでもよい。このフィルムまたはシートは当該技術分野で知られているいずれのプロセスで製造することができ、キャストシート、キャストフィルム、押出フィルムまたはブローンフィルムが含まれるが、これらに限定されない。好ましくは、熱可塑性フィルム層は、空洞を含有しないポリプロピレン／高密度ポリエチレンブレンドフィルムを含む。最も好ましくは、熱可塑性フィルム層は、チャーター・フィルムズ（Charter Films, 1901 Winter Street, Superior, Wisconsin 54880）から入手可能な、空洞を含有しない高密度ポリエチレンブローンフィルムを含む。

［活性直接感熱層（７）］
層４〜７および１０の（図１）の断熱特性および熱転写特性はそれぞれ、選択的な熱接触により、グレースケールの熱記録画像を達成する。活性直接感熱層は、当該技術分野において知られている様々な系から組み立てることができ、例えば、米国特許第３，５３９，３７５号、同第３，６７４，５３５号、同第３，７４６、６７５号、同第４，１５１，７４８号、同第４，１８１，７７１号、同第４，２４６，３１８号、および同第４，４７０，０５７号などの多くの特許に記載されており、これらは参照によって本明細書中に援用される。これらの系では、塩基性の無色またはわずかに着色した色原体材料および酸性の顕色剤材料（color developer material）が基材上のコーティング中に含有され、適切な温度に加熱されると溶融または軟化して、上記材料が反応できるようになり、これにより着色マークが生成される。熱応答性記録材料は特徴的な熱応答を有し、望ましくは、選択的な熱暴露において十分な強度の着色画像を生成する。画像は熱の作用下で不可逆的であり、一つには層８および１０の断熱特性のために安定である。本発明の積層体構成物では、活性直接感熱層は、１９０°Ｆを超える高熱環境に暴露された場合に背景の変色に耐性である。

活性直接感熱層は、周囲温度において基本的に脱水固体である。本発明の色形成系は、酸性顕色剤材料と共に、実質的に無色の状態の色原体材料としても知られる電子供与性染料前駆体で構成される。色形成反応は、１つ以上の成分を溶融、軟化、または昇華することに依存して、色原体と反応する色生成接触を達成する。本発明の目的での実質的に無色とは、無色もしくはわずかまたはかすかに着色していることを意味すると理解される。

活性直接感熱層の成分は実質的に隣接する関係にあり、基材上に配設されたコート層（単数または複数）全体に実質的に均一に分布される。本発明の目的では、実質的に隣接するという用語は、１つ以上の成分を溶融、軟化または昇華させるときに成分間に反応性色形成接触が達成されるように、色形成成分が十分に近接して配置されることを意味すると理解される。当業者には容易に明らかであるように、これらの反応性成分は、したがって、同一のコート層（単数または複数）中にあってもよいし、あるいは多層を用いて個々の成分が別の層内に配置されてもよい。すなわち、１つの成分が第１の層内に配置され、他の反応成分が次の層（単数または複数）内に配置されることも可能である。このような構成は全て、本明細書中では実質的に隣接すると理解される。

染料前駆体に対する酸性顕色剤の重量比は、好ましくは１：１〜約２：１に保持される。これらの色形成系の成分は、分散媒体（好ましくは水）に実質的に不溶性であり、１０ミクロン未満、好ましくは３ミクロン未満の個々の粒子サイズに粉砕される。

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活性直接感熱層は、可溶性および懸濁された高分子剤の両方を含むことができる高分子バインダー材料によって結合される。例としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが挙げられる。また、高分子バインダーは、熱記録生成物の保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力から色形成系の成分を保護する。高分子バインダーは、このような保護を与える量で、かつ色形成反応材料間の反応性接触の達成を妨害し得る量よりも少ない量で存在すべきである。

熱記録層は、さらに、クレー、タルク、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレー、炭酸カルシウム、および尿素−ホルムアルデヒド樹脂などの顔料を含有することができる。その他の任意的な材料は、天然ワックス、カルナバワックス（Caranuba wax）、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、湿潤剤、消泡剤、増感剤、ＵＶ防止剤、および酸化防止剤を含む。増感剤は通常、染料前駆体と組み合わせた場合に熱記録性画像を付与せず、これらは通常、色形成系における成分の混合を容易にするための溶媒の役割を果たす低融点固体である。本発明で記載される構成物全体は、断熱および転写特性を提供する。

直接感熱層７は、熱にさらされると印刷表面を提供する。直接感熱層は、電子供与性染料前駆体（色原体材料）および酸性顕色剤材料を含む感熱性の色形成組成物である。本発明による記録媒体は、記録または画像が形成される場合、通常の使用条件下で不可逆的な画像をその中に有し、数ヶ月、あるいは何年もの間、実質的に不可逆的および安定的である。本発明の記録媒体の色形成組成物（または系）は、実質的に無色の状態の色原体材料（電子供与性染料前駆体）と、酸性顕色剤材料とを含む。直接感熱層の色形成系は、１つ以上の成分の溶融、軟化、または昇華に依存し、反応性色生成接触を達成する。直接感熱層は、直接感熱式プリンタを用いて画像形成され得る。直接感熱層は、特定の用途に対して選択することができる。例えば、使用中に熱にさらされ得る実験用スライドで使用するための耐薬品性の耐久性ラベルは、より高い初期活性化温度を有するサーマルコーティングを必要とし得る。高速分類の場合には、より高い印刷の明暗コントラスト比を提供するサーマル層が、印刷画像の読み取り性の改善を可能にする。好ましくは、基材に施される直接感熱層は、アップルトン（Appleton, 825 E. Wisconsin Ave., P.O. Box 359, Appleton, WI 54912-0359）により供給される。近赤外色原体は、光学または近赤外スキャナによる画像形成された文字の読み取り性を向上させるために、任意で組み込まれてもよい。

コーティングは、任意で、基材全体に施されてもよいし、あるいは特定の部分にスポット印刷されてもよい。このような構成は全て、本明細書中では実質的に隣接すると理解され、当業者には容易に明らかであろう。

直接感熱層の製造において、色形成系の成分、高分子バインダー材料、表面活性剤およびその他の添加剤の水性コーティング媒体中の微細な分散体を含有するコーティング組成物が調製される。色形成組成物は、さらに、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレーおよび炭酸カルシウムなどの不活性顔料、尿素−ホルムアルデヒド樹脂顔料などの合成顔料、カルナバワックス（Carnuba wax）などの天然ワックス、合成ワックス、ステアリン酸亜鉛などの潤滑剤、湿潤剤、消泡剤、ＵＶ安定剤、ならびに酸化防止剤を含有することができる。増感剤が任意で含有されてもよい。増感剤は、例えば、アセトアセト−ｏ−トルイジン、フェニル−１−ヒドロキシ−２−ナフトアート、１，２−ジフェノキシエタン、またはｐ−ベンジルビフェニル、もしくはこれらの混合物を含むことができる。増感剤または変性剤は、通常、それだけでは顕著な画像形成を付与しないが、比較的低融点固体として、色形成系の成分間の反応を容易にするための溶媒の役割を果たす。

色形成系成分は、分散媒体（好ましくは、水）中に実質的に不溶性であり、約１ミクロン〜約１０ミクロン、好ましくは約１〜３ミクロンの個々の平均粒子サイズに粉砕される。高分子バインダー材料は実質的に媒体に可溶性であるが、場合によっては、ラテックスも適切である。好ましい水溶性バインダーには、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチンなどが含まれる。適切なラテックス材料には、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。バインダーは被着剤として働き、保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力からサーマル層を保護する。バインダーは、保護を与える量で、かつ色形成反応材料間の反応性接触の達成を妨害し得る量よりも少ない量で存在すべきである。

コーティング重量は、効果的には、約３〜約９グラム／平方メートル（ｇｓｍ）、好ましくは約５〜約６ｇｓｍであり得る。色形成材料の実際の量は、経済的な考慮、機能パラメータおよび所望のハンドリング特性によって調節される。

適切な電子供与性染料前駆体は、色原体材料である。色形成系で使用するためのフタリド、ロイカウラミン（leucauramine）およびフルオラン化合物などの色原体材料は、よく知られた色形成化合物である。化合物の例には、クリスタルバイオレットラクトン（３，３−ビス（４−ジメチルアミノフェニル）−６−ジメチルアミノフタリド、米国再発行特許第２３，０２４号）、フェニル−、インドール−、ピロール−、およびカルバゾール−置換フタリド（例えば、米国特許第３，４９１，１１１号、同第３，４９１，１１２号、同第３，４９１，１１６号、同第３，５０９，１７４号）、ニトロ−、アミノ−、アミド−、スルホンアミド−、アミノベンジリデン−、ハロ−、アニリノ−置換フルオラン（例えば、米国特許第３，６２４，１０７号、同第３，６２７，７８７号、同第３，６４１，０１１号、同第３，６４２，８２８号、同第３，６８１，３９０号）、スピロジピラン（米国特許第３，９７１，８０８号）、ならびにピリジンおよびピラジン化合物（例えば、米国特許第３，７７５，４２４号、および同第３，８５３，８６９号）が含まれる。本発明を決して制限しないその他の特に適切な色原体化合物は、３−ジブチルアミノ−６−メチル−７−アニリノ−フルオランとしても知られる３−ジエチルアミノ−６−メチル−７−アニリノ−フロウラン（flouran）（米国特許第４，５１０，５１３号）、３−ジブチルアミノ−７−（２−クロロアニリノ）フルオラン、３−（Ｎ−エチル−Ｎ−テトラヒドロフルフリルアミノ）−６−メチル−７−３，５’６−トリス（ジメチルアミノ）スピロ［９Ｈ−フルオレン−９，１’（３’Ｈ）−イソベンゾフラン］−３’−オン、７−（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）−７−（２−クロロアニリノ）フルオラン（米国特許第３，９２０，５１０号）、３−（Ｎ−メチルシクロヘキシルアミノ）−６−メチル−７−アニリノフルオラン（米国特許第３，９５９，５７１号）、７−（１−オクチル−２−メチルインドール−３−イル）−７−（４−ジエチルアミノ−２−エトキシフェニル）−５，７−ジヒドロフロ［３，４−ｂ］ピリジン−５−オン、３−ジエチルアミノ−７，８−ベンゾフルオラン、３，３−ビス（１−エチル−２−メチルインドール−３−イル）フタリド、３−ジエチルアミノ−７−アニリノフルオラン、３−ジエチルアミノ−７−ベンジルアミノフルオラン、３’−フェニル−７−ジベンジルアミノ−２，２’−スピロジ−［２−Ｈ−１−ベンゾピラン］、および上記のいずれかの混合物である。

また、本発明の組み合わせの機能性を減じるような量で使用しないという条件で、その他の既知の顕色剤材料が含有されてもよい。その他の酸性顕色剤材料は、フェノール反応材料、特にモノフェノールおよびジフェノールとして米国特許第３，５３９，３７５号に列挙される化合物を含む。また、酸性顕色剤材料には、次の化合物：４，４’−イソプロピリジンジフェノール（ビスフェノールＡ）、ｐ−ヒドロキシベンズアルデヒド、ｐ−ヒドロキシベンゾフェノン、ｐ−ヒドロキシプロピオフェノン、２，４−ジヒドロキシベンゾフェノン、１，１−ビス（４−ヒドロキシフェニル）シクロヘキサン、サリシアニリド（salicyanilide）、４−ヒドロキシ−２−メチルアセトフェノン、２−アセチル安息香酸、ｍ−ヒドロキシアセトアニリド、ｐ−ヒドロキシアセトアニリド、２，４−ジヒドロキシアセトフェノン、４−ヒドロキシ−４’−メチルベンゾフェノン、４，４’−ジヒドロキシベンゾフェノン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−４−メチルペンタン、ベンジル４−ヒドロキシフェニルケトン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−５−メチルへキサン、エチル−４，４−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−ペンタノアート、イソプロピル−４，４−ビス（４−ヒドロキシフェニル）ペンタノアート、メチル−４，４−ビス（４−ヒドロキシフェニル）ペンタノアート、アルキル−４，４−ビス（４−ヒドロキシフェニル）ペンタノアート、３，３−ビス（４−ヒドロキシフェニル）（−ペンタン、４，４−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−へプタン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）−１−フェニルプロパン、２，２−ビス（４−ヒドロキシフェニル）ブタン、２，２’−メチレン−ビス（４−エチル−６−tert−ブチルフェノール）、４−ヒドロキシクマリン、７−ヒドロキシ−４−メチルクマリン、２，２’−メチレン−ビス（４−オクチルフェノール）、４，４’−スルホニルジフェノール、４，４’−チオビス（６−tert−ブチル−ｍ−クレーゾール）、メチル−ｐ−ヒドロキシベンゾアート、ｎ−プロピル−ｐ−ヒドロキシベンゾアート、およびベンジル−ｐ−ヒドロキシベンゾアートが含まれる。

その他の顕色剤化合物の例には、例えば、ホルムアルデヒドと、アルキルフェノール（例えば、ｐ−オクチルフェノール）またはその他のフェノール（ｐ−フェニルフェノールなど）などのフェノールとの間の反応生成物であるフェノールノボラック樹脂と、コロイダルシリカ、カオリン、ベントナイト、アフタプルガイト（aftapulgite）、ハロサイトなどを含む酸性鉱物材料とが含まれる。ポリマーおよび鉱物のいくつかは溶融しないが、色原体の融合の際に呈色反応を受ける。

［直接感熱層の例］
１０グラムの２−アニリノ−３−メチル−６−ジブチルアミノフルオランを、１４グラムの１３％ポリビニルアルコール水溶液と共に、メディアミルによって２時間分散させる。２０グラムの４−ヒドロキシ−４’−イソプロポキシスルホンを、２４グラムの９．５％ポリビニルアルコール溶液と共にメディアミルによって２時間分散させる。任意で、１０グラムの１，２−ジフェノキシエタンを、１３グラムの１１％ポリビニルアルコール溶液と共に、メディアミルによって２時間分散させる。分散体を一緒に混合し、スチレン−ブタジエンラテックスおよびポリビニルアルコールのバインダーを添加することができる。コーティングの量が平方メートルあたり約３グラムであるように、基材にコーティングを施す。コーティングを乾燥させ、任意で、トップコートも施す。任意で、第２のコーティングをカレンダリングすることができる。

［直接感熱トップコート層（８）］
任意で、活性直接感熱層は、トップコート（８）が施されてもよい。この層は、汚染物が活性直接感熱層と接触するのを防止する、あるいは汚染物の侵入を遅らせるバリアを提供する。また、熱記録生成物の保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力から色形成系成分を保護する。この層は、活性直接感熱層（７）とトップコート（１０）の間に、良好な界面接着性を有する独特の結合層を提供する。最後に、この層は、印刷に適切な表面を提供する。任意で、感熱色形成組成物は、ポリビニルアルコール、カルボキシル化ポリビニルアルコール、メチルまたはエチルセルロース、ポリアクリルアミド、ゼラチン、デンプンまたはポリビニルピロリドンなどの１つ以上の水溶性または分散性の高分子材料から形成される保護層トップコートまたはバリア層でオーバーコートされることも可能である。物理的な取扱いおよび貯蔵安定性の特性を改善するために、潤滑剤、酸化防止剤、ＵＶ防止剤、ワックスおよび他の材料も任意で含有され得る。

直接感熱トップコート層は当該技術分野においてよく知られている。これらは、顔料、バインダー、およびコート層（単数または複数）全体に実質的に均一に分布された架橋剤からなる。材料の比率は、必要とされるバリアおよび印刷特性のバランスに応じて変化され得る。必要性の大部分は、顔料を０〜８０乾燥重量％に、バインダーを１０〜９０乾燥重量％に、そして架橋剤を０〜３０乾燥重量％に変化させることによってカバーされ得る。顔料はクレー、タルク、二酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、焼成カオリンクレー、炭酸カルシウム、および尿素−ホルムアルデヒド樹脂を含むことができる。バインダーの例には、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。

［カラープリント層（９）］
直接感熱層の目に見える側のカラープリント層（単数または複数）（９）は、サービスを提供する施設の名前および／またはロゴなどの更なる静的情報を提供することができる。特定の色は、着用者の特定の条件、すなわち伝染性、特定の区域に制限されることなどを示し得る。必要に応じて、製造時に１つ以上の色を加えることができる。

［トップコート層（１０）］
トップコート層は必須の層であり、耐薬品性および／または耐摩耗性を提供する。これは、プリンタヘッド内の加熱素子から直接感熱コーティングへの熱転写を助ける。トップコートは、当該技術分野において既知の方法（フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア、マイヤーロッド（Meyer rod））によって施すことができる。好ましくは、トップコートは放射線硬化性であり、より好ましくは、紫外線硬化性である。トップコート層は、架橋可能な透明コートを含むことができる。より好ましくは、トップコート層は、ノースウェスト・コーティング（Northwest Coating, 7221 S.10^th Street, Oak Creek Wisconsin 53154）、またはウォーター・インク・テクノロジーズ（Water Ink Technologies, 6001 Harris Technology Blvd., Charlotte, North Carolina 29269）により開発されたバリアトップコート（barrier topcoat）である。

［バインダー層（１１）］
高分子バインダー材料１１は任意であり、実質的に媒体に可溶性であるが、場合によってはラテックスも適切である。好ましい水溶性バインダーには、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチル−セルロース、メチルセルロース、メチル−ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、加工デンプン、ゼラチンなどが含まれる。適切なラテックス材料には、ポリアクリレート、スチレン−ブタジエン−ゴムラテックス、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンなどが含まれる。バインダーは被着剤として働き、保管および使用により生じるブラッシングおよびハンドリング力からサーマル層を保護する。バインダーは、保護を与える量で、かつ色形成反応材料間の反応性接触の達成を妨害し得る量よりも少ない量で存在すべきである。

［リストバンド］
本発明を用いて、識別バンド、タグまたはラベルを製造することができる。本発明はグレースケールの鮮明画像を生成する能力を提供するので、一時的な識別のための手段として、写真をかなり容易に複製することができる。例えば、患者の写真を含む病院のリストバンドを製造することができる。これは、母親および子供がまだ分娩室にいる間に、母親の写真の付いたリストバンドを新生児に取り付ける能力を病院に提供するであろう。さらに、本発明を用いて製造されたリストバンド上に複製することができる二次元バーコードから、患者の記録を読み取ることができる。本発明はその積層構造により、ベース層が、一つには柔軟性がありつや消し表面仕上げを有するという理由で、着用をより快適にするプラスチックフィルムに対して選択されるのを可能にする。また、優れた耐引裂性および優れた引張り強度も提供する。標準的な直接感熱式プリンタ（あるいは、直接感熱モードで動作するように設定された熱転写プリンタ）で画像形成することができるので、本発明を用いて製造したリストバンドは、患者が入院した時点で容易に印刷されることが可能である。画像形成されたプラスチックフィルムは、アルコール、水および染色液に耐性である。識別タグのその他の使用には、許可された使用者の写真が画像形成された積層舞台裏通行証（laminated back stage passes）が含まれる。

病院の識別リストバンドとして使用するのに適切なプラスチックフィルムの一例は、次の構成を有する（図１を参照）。
トップコート： ノースウェスト・コーティングス（Northwest Coatings）からの耐薬品性オーバープリントバーニッシュ
直接感熱層： 直接感熱近赤外コーティング
第２のプラスチック層： ７．３５ミルの空洞を含有しないポリオレフィンブレンド、８０／２０ポリプロピレン／ポリエチレン
接着剤： 押圧して施された接着剤
熱可塑性ベース層： １．５ミルのつや消し透明高密度ポリエチレン

［一時的な識別タグまたはラベルのための透明プラスチックフィルム］
本発明の一実施形態（図２を参照）では、フィルムは、単一のプラスチック層、直接感熱コーティングおよびトップコートを含む。単一のプラスチック層は、上記のベース層または第２のプラスチック層のいずれかの特徴を有することができ、空洞を含有せず、透明であり、０．４〜２ミルの厚さを有する。直接感熱コーティングおよびオーバーコートは上記と同一である。

さらに、プリンタヘッドからの熱を放射させるように十分薄い透明熱可塑性ベース層２６の使用は、材料の熱可塑性層側（すなわち、下側）を通してプラスチックフィルムが画像形成されるのを可能にする。したがって、プリントヘッドは、トップコートではなくプラスチック層と接触する。この構成は、画像に対して更なる保護を提供する。また、トップコートの必要性を排除することもできる。またこの構成は、特に、熱可塑性ベース層が紫外線防止剤を含有する場合には、現在可能であるよりも大きい紫外線耐性も提供することができる。直接感熱および紫外線褪色耐性の両方の特性を提供することができる。例えば、プラスチックフィルムが屋外で使用され得る用途では、約９８％の紫外線の透過を防止する紫外線防止剤が使用されれば、そのプラスチックフィルムの耐用寿命は、約６ヶ月から約５年に延長されるであろう。

透明プラスチック層２６が透明直接感熱層７と組み合わせられる場合には、得られる透明プラスチックフィルムは、色、グラフィックス、および／または印刷を有する既存のラベルまたは表面に施されることができ、これらは、画像形成されたプラスチックフィルムを通して見ることができる。

材料のプラスチック層側から画像が見えるように十分透明な透明プラスチック層２６の使用。プリントヘッドは、オーバーコートではなくプラスチック層と接触する。サーマルプリンタは、プラスチックフィルムを介してサーマル層を活性化する。この構成は、画像に対して更なる保護を提供する。また、オーバーコートの必要性を排除することもできる。この構成は、特にプラスチック層が紫外線防止剤を含有する場合には、現在可能であるよりも大きい紫外線耐性も提供することができる。直接感熱および紫外線褪色耐性の両方の特性を提供することができる。

一時的な識別のための透明プラスチックフィルムの一例は、次の構成（図２を参照）を有することができる。
透明プラスチックフィルム： 紫外線防止剤を含有し得る、０．５ミルの透明プラスチック層、空洞を含有しない
活性直接感熱コーティング
直接感熱トップコート層
接着剤層
剥離ライナー

多層積層リストバンドである。 多層積層透明プラスチックフィルムである。

Claims (24)

1. 積層体構成物に集中した熱を加えることにより画像形成されたグレースケール画像を提供することができる積層体構成物であって、次の一連の層：
   ａ）第１の表面および第２の表面を有し、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、および／またはその他の既知のポリオレフィン、ならびにこれらの組み合わせからなる群から選択される、空洞を含有しない第１の熱可塑性フィルム層と、
   ｂ）第１の表面および第２の表面を有し、前記熱可塑性フィルムの前記第１の表面を被覆する活性直接感熱層であって、該活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の前記第１の表面または前記第２の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と、
   ｃ）前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された放射線硬化性トップコートと
   を含む積層体構成物。
2. 前記積層体は、前記積層体の前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された直接感熱トップコートをさらに含む請求項１に記載の積層体構成物。
3. 前記積層体は、前記第１の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第１のアクリル接着剤層をさらに含む請求項１に記載の積層体構成物。
4. 前記積層体は、第１の表面および第２の表面を有し、前記第１のアクリル接着剤層の前記第２の表面に施された、第２の熱可塑性フィルム層をさらに含む請求項３に記載の積層体構成物。
5. 前記積層体は、
   ａ）前記第２の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有するカラープリント／センサーマークと、
   ｂ）前記カラープリント／センサーマークの前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第２のアクリル接着剤層と、
   ｃ）前記第２の接着剤層の前記第２の表面に施された半透明のポリオレフィン層と
   をさらに含む請求項１に記載の積層体構成物。
6. 前記積層体は、前記直接感熱トップコート層の前記第１の表面に施された１つ以上のカラーコーティング層をさらに含む請求項５に記載の積層体構成物。
7. 前記第１の熱可塑性層は、高密度ポリエチレンフィルムである請求項６に記載の積層体構成物。
8. 前記第２の熱可塑性層は、高密度ポリエチレンフィルムである請求項７に記載の積層体構成物。
9. 次の一連の層：
   ａ）架橋可能な放射線硬化性透明トップコートと、
   ｂ）カラープリント層と、
   ｃ）直接感熱トップコート層と、
   ｄ）活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の第１の表面または第２の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と、
   ｅ）空洞を含有しない高密度ポリエチレンフィルムを含む第１の熱可塑性フィルム層と、
   ｆ）第１のアクリル接着剤層と、
   ｇ）空洞を含有しないポリプロピレン／高密度ポリエチレンフィルムを含む第２の熱可塑性層と、
   ｈ）カラープリント／センサーマークと、
   ｉ）第２のアクリル接着剤層と、
   ｊ）半透明ポリオレフィン層と
   を含む、直接感熱式画像形成が可能な積層リストバンド。
10. 前記第１の熱可塑性フィルム層と前記活性直接感熱層との間にバインダー層が挿入される請求項９に記載のリストバンド。
11. 一時的な識別の目的で使用される請求項９に記載のリストバンド。
12. 前記リストバンド上に直接印刷された写真およびその他の関連データを含む請求項１１に記載のリストバンド。
13. 熱画像形成された多層積層リストバンドの形成方法であって、
    ａ）空洞を含有しない第１の熱可塑性フィルム層の第１の表面を活性直接感熱層でコートし、前記活性直接感熱層の第１の表面に直接感熱トップコートを施すことによって、第１の構成物を形成すること、
    ｂ）放射線硬化性トップコート層をカラープリント層に施すことによって、第２の構成物を形成すること、
    ｃ）アクリル接着剤層を第２の熱可塑性フィルム層の第１の表面に施し、カラープリント／センサーマークを前記第２の熱可塑性フィルム層の第２の表面に施すことによって、第３の構成物を形成すること、
    ｄ）アクリル接着剤層を半透明ポリオレフィン層に施すことによって、第４の構成物を形成すること、
    ｅ）前記第１の構成物の前記直接感熱トップコート層を前記第２の構成物の前記カラープリント層へ接着させることによって、第１の中間体を形成すること、
    ｆ）前記第３の構成物の前記カラープリントセンサーマークを前記第４の構成物の前記アクリル接着剤層へ接着させることによって、第２の中間体を形成すること、
    ｇ）前記第１の中間体の前記熱可塑性層を前記第２の中間体の前記アクリル接着剤層へ接着させることによって、積層リストバンドを形成すること
    を含む前記形成方法。
14. 熱画像形成された多層積層体の一時的個人識別デバイスの形成方法であって、
    ａ）空洞を含有しない第１の高密度ポリエチレン熱可塑性フィルム層の第１の表面を活性直接感熱層でコートし、該活性直接感熱層の第１の表面に放射線硬化性トップコート層を施すことによって、第１の構成物を形成すること、
    ｂ）アクリル接着剤層をカラープリント／センサーマーク層の第２の表面にコートし、半透明ポリオレフィンフィルムを前記アクリル接着剤層の第２の表面に施すことによって、第２の構成物を形成すること、
    ｃ）前記第２の構成物の前記カラープリント／センサーマーク層を前記第１の構成物の前記熱可塑性フィルム層に接着させることによって、積層体の個人識別デバイスを形成すること
    を含む前記形成方法。
15. 請求項１に記載の積層体に直接感熱印刷する方法であって、
    前記活性直接感熱層の前記第１の表面に集中した熱を加え、それにより、前記活性直接感熱層内に画像の形成をもたらす工程を含む前記方法。
16. 次の一連の層：
    ａ）第１の表面および第２の表面を有し、不透明な高密度ポリエチレンフィルムである、空洞を含有しない第１の熱可塑性フィルム層と、
    ｂ）第１の表面および第２の表面を有し、前記熱可塑性フィルムの前記第１の表面を被覆する活性直接感熱層であって、該活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の前記第１の表面または前記第２の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と、
    ｃ）前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された直接感熱トップコートと、
    ｄ）前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された放射線硬化性トップコートと
    を含む、熱画像形成が可能な積層リストバンド。
17. 前記積層体は、前記第１の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第１のアクリル接着剤層をさらに含む請求項１６に記載の積層体構成物。
18. 前記積層体は、第１の表面および第２の表面を有し、前記第１のアクリル層の前記第２の表面に施された、空洞を含有しない第２の不透明高密度ポリエチレン熱可塑性フィルム層をさらに含む請求項１７に記載の積層体構成物。
19. 前記積層体は、
    ａ）前記第２の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有するカラープリント／センサーマーク層と、
    ｂ）前記カラープリント／センサーマーク層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第２のアクリル接着剤層と、
    ｃ）前記第２の接着剤層の前記第２の表面に施された半透明ポリオレフィン層と、
    ｄ）前記直接感熱トップコート層の前記第１の表面に施された１つ以上のカラーコーティング層と
    をさらに含む請求項１８に記載の積層体構成物。
20. 積層体構成物に集中した熱を加えることにより画像形成されることが可能な積層フィルムであって、前記積層体構成物は、次の一連の層：
    ａ）第１の表面および第２の表面を有し、不透明な高密度ポリエチレンである、空洞を含有しない第１の熱可塑性フィルム層と、
    ｂ）第１の表面および第２の表面を有し、前記熱可塑性フィルムの前記第１の表面を被覆する活性直接感熱層であって、該活性直接感熱層内に画像を形成するために、該活性直接感熱層の前記第１の表面または前記第２の表面を介した熱の伝達に反応する発色メカニズムを有する活性直接感熱層と、
    ｃ）前記積層体の前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する直接感熱トップコートと、
    ｄ）前記活性直接感熱層の前記第１の表面に施された放射線硬化性トップコートと
    を含む前記積層フィルム。
21. 前記積層体は、前記第１の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された第１のアクリル接着剤層をさらに含む請求項２０に記載の積層体構成物。
22. 前記積層体は、第１の表面および第２の表面を有し、前記第１のアクリル層の前記第２の表面に施された、空洞を含有しない第２のポリエチレン熱可塑性フィルム層をさらに含む請求項２１に記載の積層体構成物。
23. 前記積層体は、
    ａ）前記第２の熱可塑性フィルム層の前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有するカラープリント／センサーマークと、
    ｂ）前記カラープリント／センサーマークの前記第２の表面に施された、第１の表面および第２の表面を有する第２のアクリル接着剤層と、
    ｃ）前記第２の接着剤層の前記第２の表面に施された半透明のポリオレフィン層と
    をさらに含む請求項２２に記載の積層体構成物。
24. 前記積層体は、前記直接感熱トップコート層の前記第１の表面に施された１つ以上のカラーコーティング層をさらに含む請求項２３に記載の積層体構成物。