JP2019147588A - 包装材、包装容器、蓋体及びラベル - Google Patents

包装材、包装容器、蓋体及びラベル Download PDF

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Abstract

【課題】基材が紙である包装材において、高濃度のレーザーマーキングが可能な包装材を提供する。【解決手段】外側熱可塑性樹脂層10、地色層20、目止め層30、紙基材40及び内側熱可塑性樹脂層50が、この順に外層側から積層されてなり、前記地色層20は酸化チタン及びバインダー樹脂を含み、前記外側熱可塑性樹脂層10の厚みが5.0μm以上である、包装材100。【選択図】図1

Description

本発明は、紙製の包装材、並びに、これを用いた包装容器、蓋体及びラベルに関する。
近年、表面に製造年月日、賞味期限、製造会社名、製品名、シリアル番号などを明記する方法として、非接触であり、かつマーキング速度が速く、幅広い素材の表面形状にとらわれることなくマーキング可能であるレーザーマーキングが普及している。
レーザーマーキングは、素材自身に直接マーキングするため、溶剤を含む通常のインキを使わず済むことから、衛生面及び環境面において好ましいマーキング方法として最近注目を受けている。
上記のように、レーザーマーキングは衛生面に優れることから、食品、化粧品等の包装材でも利用されている。
しかし、汎用的なレーザーの波長に対して紙は感度を示さないため、紙製包装材にレーザーマーキングする場合、紙基材上に発色層を形成する手段が提案されている(例えば特許文献1)。
特開2006−069086号公報(請求項13)
しかし、特許文献1の記録材は、レーザーマーキングにより形成した文字等の濃度が不十分であり、マーキングした文字等に基づく管理及び検査等に支障をきたすケースが多発するという場合があった。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、基材が紙である包装材において、高濃度のレーザーマーキングが可能な包装材、並びに、前記包装材を用いた包装容器、蓋体及びラベルを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1]外側熱可塑性樹脂層、地色層、目止め層、紙基材及び内側熱可塑性樹脂層が、この順に外層側から積層されてなり、前記地色層は酸化チタン及びバインダー樹脂を含み、前記外側熱可塑性樹脂層の厚みが5.0μm以上である、包装材。
[2]少なくとも一部に上記[1]に記載された包装材を有する包装容器。
[3]少なくとも一部が上記[1]に記載の包装材で形成されている蓋体。
[4]少なくとも一部が上記[1]に記載の包装材で形成されているラベル。
本発明によれば、基材が紙である包装材において、高濃度のレーザーマーキングを行うことができ、マーキングした文字等に基づく管理及び検査等を効率よく実施できる包装材、包装容器、蓋体及びラベルを提供することができる。
本発明の包装材の積層構成の一態様を示す概略断面図である。 本発明の包装材の積層構成の他の態様を示す概略断面図である。 本発明の包装容器の一態様を示す概略斜視図である。
以下、本発明の包装材及びこれを用いた包装箱について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本明細書中の「AA〜BB」との数値範囲の表記は、「AA以上BB以下」であることを意味する。
[包装材]
本発明の包装材は、外側熱可塑性樹脂層、地色層、目止め層、紙基材及び内側熱可塑性樹脂層が、この順に外層側から積層されてなり、前記地色層は酸化チタン及びバインダー樹脂を含み、前記外側熱可塑性樹脂層の厚みが5.0μm以上であるものである。
図1及び図2は、本発明の包装材100の積層構成の実施の形態を示す概略断面図である。
図1及び図2の包装材100は、上が外層側(表面側)であり、下が内層側(裏面側)であり、外側熱可塑性樹脂層10、地色層20、目止め層30、紙基材40及び内側熱可塑性樹脂層50が、この順に外層側から積層されている。また、図2の包装材100は、地色層20が、第1の地色層21及び第2の地色層22の2層構成となっている。また、図2の包装材100は、外側熱可塑性樹脂層10と地色層20との間に、プライマー層60を有している。
なお、本発明の包装材100は、図1及び図2に示す態様に限定されるものではない。
以下、各層の構成について説明する。
<紙基材>
紙基材40は、包装目的に応じた所望の賦形性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有する紙であれば、特に限定されるものではない。例えば、主強度材であり、強サイズ性の晒又は未晒の紙、あるいは、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク原紙等の各種の紙を使用することができる。
紙基材の厚みは、印刷や折り曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、110〜860μmであることが好ましく、より好ましくは260〜640μmである。また、紙基材の坪量は、印刷や折り曲げ加工等における取り扱い性や強度等の観点から、50〜600g/m2であることが好ましく、より好ましくは230〜550g/m2である。
なお、本明細書における紙基材及び各層の厚みは、包装材を紙面に対して垂直方向に切断した断面の写真を撮像し、この断面写真に基づいて測定した20箇所の厚みの平均値として求められた値である。
<目止め層>
目止め層30は、地色層20と紙基材40との間に位置する。
目止め層30が地色層20よりも紙基材40側に位置することにより、レーザーマーキングの際に地色層20内で発色した成分(例えば、熱で黒化した樹脂、熱で自己発色した発色剤)が紙基材40側に移行し、地色層20に形成される文字、画像等の濃度を高くすることができる。また、目止め層30が地色層20よりも紙基材40側に位置することにより、レーザーの熱が紙基材40側に逃げることを抑制し、熱効率を高めることも、地色層20に形成される文字、画像等の濃度の向上につながると考えられる。
目止め層は樹脂を含むことが好ましい。
目止め層の樹脂としては、硬化性樹脂組成物の硬化物、熱可塑性樹脂が挙げられる。この中でも、曲げ加工等の加工時のクラックを抑制する観点から熱可塑性樹脂が好ましい。
目止め層の熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂や塩素化ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、フッ化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキッド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、キシレン系樹脂、マレイン酸樹脂、ニトロセルロースやエチルセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルオキシエチルセルロース等の繊維素系樹脂、塩化ゴムや環化ゴム等のゴム系樹脂、石油系樹脂、ロジン、カゼイン等の天然樹脂等が挙げられる。
目止め層の硬化性樹脂組成物の硬化物としては、熱硬化性樹脂組成物の硬化物、電離放射線硬化性樹脂組成物の硬化物が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む組成物であり、加熱により、硬化する樹脂組成物である。熱硬化性樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂組成物には、これら硬化性樹脂に、必要に応じて硬化剤が添加される。
電離放射線硬化性樹脂組成物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物(以下、「電離放射線硬化性化合物」ともいう)を含む組成物である。電離放射線硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基、及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。電離放射線硬化性化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好ましく、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物がより好ましく、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する、多官能性(メタ)アクリレート系化合物が更に好ましい。多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、モノマー及びオリゴマーのいずれも用いることができる。
なお、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も使用可能である。
目止め層の樹脂の含有量は、目止め層を構成する全固形分の50質量%以上であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、50〜80質量%であることがさらに好ましい。
目止め層は顔料を含むことが好ましい。目止め層中に顔料を含むことにより、紙基材の繊維の隙間が埋まり、地色層20内で発色した成分(例えば、熱で黒化した樹脂、熱で自己発色した発色剤)が紙基材40側に移行することを抑制し、地色層20に形成される文字、画像等の濃度をより高くしやすくできる。
顔料としては、アクリル、スチレン、メラミン等の有機顔料でもよいが、耐熱性を向上する観点から、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー等の無機顔料が好ましい。クレーとしては、一般的に、クレー、粘土と呼ばれるものであれば、特に限定することなく用いることができ、さらに、カオリン、タルク、ベントナイト、スメクタイト、バーミキュライト、雲母、緑泥石、木節粘土、ガイロメ粘土、ハロイサイト、マイカ等を用いることができる。
目止め層の顔料の含有量は、目止め層を構成する全固形分の10〜70質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、20〜50質量%であることがさらに好ましい。
目止め層の顔料の含有量を10質量%以上とすることにより、顔料が紙基材の繊維の隙間が埋めやすくすることができる。また、目止め層の顔料の含有量を70質量%以下とすることにより、目止め層の塗膜強度の低下を抑制できる。
目止め層の厚みは、0.5〜30.0μmであることが好ましく、0.7〜10.0μmであることがより好ましく、1.0〜5.0μmであることがさらに好ましい。
目止め層の厚みを0.5μm以上とすることにより、地色層内で発色した成分が紙基材側に移行することを抑制しやすくできる。また、目止め層の厚みを30.0μm以下とすることにより、包装材の厚みが厚くなり過ぎて加工性が低下することを抑制できる。
目止め層の顔料の平均粒子径は、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。本明細書において平均粒子径は、レーザー光回折法による粒度分布測定における質量平均値d50として求められる。
目止め層、並びに、後述する地色層、外側熱可塑性樹脂層、内側熱可塑性樹脂層及びプライマー層中には、滑材、ブロッキング防止剤、充填剤、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、ワックス、シランカップリング剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防錆剤、可塑剤及び難燃剤等の各種添加剤を添加することもできる。
目止め層、並びに、後述する地色層及びプライマー層は、例えば、各層を構成する成分をインキ化し、該インキを塗布、乾燥し、必要に応じて硬化することにより形成できる。
<地色層>
地色層20は、外側熱可塑性樹脂層10と紙基材40との間に位置する。
地色層20は、レーザーマーキング時の熱によってバインダー樹脂が黒化することにより、文字等の情報が記録される。また、地色層20が後述する発色剤を含む場合、発色剤自体が発色することにより、文字等の情報を記録することもできる。
地色層20は、酸化チタン及びバインダー樹脂を含む。
酸化チタンは、地色層20にレーザーマーキング適性を付与するとともに、地色層の背景の明度を高くして、レーザーマーキングにより記録された文字等と背景とのコントラストを際立たせ、記録された文字等を視認しやすくする役割を有する。
酸化チタンは、結晶構造により、アナターゼ型、ルチル型及びブルッカイト型に分けられ、これらの何れも使用できるが、光触媒活性により地色層が経時的に劣化することを抑制する観点からは、ルチル型及びブルッカイト型が好ましい。
酸化チタンの含有量は、地色層の全固形分の10〜90質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましく、70〜85質量%であることがさらに好ましい。
酸化チタンの含有量を10質量%以上とすることにより、地色層の発色性を高めるとともに、地色層の隠蔽性を高め、さらには地色層の明度を向上し、レーザーマーキングされた画像等と背景とのコントラストを高めることができる。また、酸化チタンの含有量を90質量%以下とすることにより、地色層の塗膜強度の低下を抑制できる。
地色層が2以上の層から形成されている場合、各層の酸化チタンの含有量が上述した範囲であることが好ましい。
酸化チタンの平均粒子径は、1〜20μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
地色層のバインダー樹脂は、硬化性樹脂組成物の硬化物、熱可塑性樹脂が挙げられる。この中でも、曲げ加工等の加工時のクラックを抑制する観点から熱可塑性樹脂が好ましい。
地色層の硬化性樹脂組成物の硬化物及び熱可塑性樹脂は、目止め層で例示した硬化性樹脂組成物の硬化物及び熱可塑性樹脂と同様のものを用いることができる。
地色層のバインダー樹脂は、地色層と、地色層と接触する層(例えば、目止め層、外側熱可塑性樹脂層)との密着性を良好にする観点から、ウレタン系樹脂を含むことが好ましい。また、加工性の観点から、熱可塑性のウレタン系樹脂を含むことがより好ましい。
地色層のバインダー樹脂の含有量は、地色層を構成する全固形分の10〜90質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜30質量%であることがさらに好ましい。
地色層が2以上の層から形成されている場合、各層のバインダー樹脂の含有量が上述した範囲であることが好ましい。
地色層中には、レーザーマーキングによる発色性を高めるために、発色剤を含有してもよい。発色剤は、レーザーの照射により発熱し、それ自身が発色するか、周囲の樹脂を発色する(樹脂を炭化して黒色化する)役割を有する。
発色剤としては、ビスマス、アンチモン、銅、モリブテン、鉄、亜鉛、錫、金、銀、コバルト及びニッケル等の金属、並びに、これら金属を含む化合物からなる群より選択される1種以上を用いることができる。これらの中でも、ビスマス、アンチモン、銅及びモリブテンからなる金属、並びに、これら金属を含む化合物からなる群より選択される1種以上が好ましく、ビスマス系化合物及びアンチモン系化合物がより好ましい。
ビスマス系化合物としては、酸化ビスマス;硝酸ビスマス、オキシ硝酸ビスマス等の硝酸ビスマス;塩化ビスマス等のハロゲン化ビスマス;オキシ塩化ビスマス;硫酸ビスマス;酢酸ビスマス;クエン酸ビスマス;水酸化ビスマス;チタン酸ビスマス;次炭酸ビスマス等が挙げられる。これらの中でも、水酸化ビスマス、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス及び硝酸ビスマスが好ましい。
アンチモン系化合物としては、酸化アンチモンが挙げられ、より具体的には、酸化錫に酸化アンチモンをドープしてなる、アンチモンドープ酸化スズが挙げられる。
発色剤の含有量は、地色層の全固形分の0.3〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがより好ましく、0.7〜5質量%であることがさらに好ましい。
発色剤の含有量を0.3質量%以上とすることにより、地色層の発色性を高めやすくすることができる。また、発色剤の含有量を20質量%以下とすることにより、発色剤に起因して地色層が色味を持つことを抑制できる。
地色層が2以上の層から形成されている場合、前述した発色剤の含有量は、発色剤を含有する各層における含有量を意味するものとする。例えば、第1の地色層が発色剤を含有し、第2の地色層が発色剤を含有しない場合、第1の地色層及び第2の地色層の総固形分に対する発色剤の含有量を意味するのではなく、第1の地色層の固形分に対する発色剤の含有量を意味するものとする。
地色層中には、地色層の色味を調整するために着色剤を含有してもよい。
地色層に含まれる着色剤は、汎用の染料及び顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料)を使用することができる。
地色層が2以上の層から形成されている場合、少なくとも何れかの地色層に着色剤を含有していれば良いが、色味を効率よく調整する観点からは、最も外層側の地色層に着色剤を含有することが好ましい。
地色層の着色剤の含有量は、地色層の全固形分の0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜40質量%であることがより好ましく、0.7〜20質量%であることがさらに好ましい。
地色層20は2層以上から形成されていてもよい。例えば、地色層20は、図2に示すように、第1の地色層21と、第2の地色層22とを有していてもよい。
また、地色層20は、発色剤を含む第1の地色層21と、第1の地色層よりも内層側に配置され、発色剤を実質的に含有しない第2の地色層22とを有することが好ましい。地色層をかかる構成とすることにより、第1の地色層21の発色性を高め、より高濃度の印字が可能となり、かつ、第2の地色層22で明度及び隠蔽性を高めることができる。
本明細書において、第2の地色層が発色剤を実質的に含有しないとは、発色剤の含有量が第2の地色層の全固形分の0.1質量%以下であることを意味し、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは0質量%である。
地色層の厚みは、0.5〜10.0μmであることが好ましく、0.7〜7.0μmであることがより好ましく、1.0〜5.0μmであることがさらに好ましい。
地色層の厚みを0.5μm以上とすることにより、地色層の発色性を高めやすくすることができる。また、地色層の厚みを10.0μm以下とすることにより、レーザーによって包装材が受けるダメージを軽減するとともに、包装材の厚みが厚くなり過ぎて加工性が低下することを抑制できる。
地色層が2以上の層から形成されている場合、各層の厚みが上述した範囲であることが好ましい。
<外側熱可塑性樹脂層>
外側熱可塑性樹脂層10は、地色層20の外層側に位置する。
地色層20よりも外層側に、厚みが5.0μm以上の外側熱可塑性樹脂層10が位置することにより、レーザーマーキングの際に地色層20内で発色した成分(例えば、熱で黒化した樹脂、熱で自己発色した発色剤)が地色層20の外層側から外部に放出されることを抑制し、地色層20に形成される文字、画像等の濃度を高くすることができる。
なお、地色層よりも外層側に位置する熱可塑性樹脂層の厚みが5.0μm未満の場合、上述した作用が不十分となるため、地色層に形成される文字、画像等の濃度を高くすることができない。
また、地色層の外側の樹脂層が熱硬化性又は電離放射線硬化性の場合、5.0μm以上の厚みを確保することが困難である。なお、仮に、地色層の外側に、熱硬化性又は電離放射線硬化性の樹脂を5.0μm以上の厚みで形成した場合、地色層の発色性が良好であったとしても、折り曲げ加工が困難となるとともに、内側熱可塑性樹脂層とヒートシールする際の密着性が低下するという問題が生じてしまう。
外側熱可塑性樹脂層の厚みは、5.0〜100.0μmであることが好ましく、10.0〜50.0μmであることがより好ましく、12.0〜30.0μmであることがさらに好ましい。
外側熱可塑性樹脂層を構成する熱可塑性樹脂は、レーザーマーキングした画像等を視認可能に透明性を有するものであれば、特に限定なく使用することができる。
このような熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂及びセルロース樹脂等が挙げられる。
また、本発明の包装材を、内側熱可塑性樹脂層と外側熱可塑性樹脂層との一部が重なるように折り、重なった箇所でヒートシールする場合、外側熱可塑性樹脂層はヒートシール性に優れた樹脂から形成することが好ましい。外側熱可塑性樹脂層に用いるヒートシール性に優れる樹脂としては、後述する内側熱可塑性樹脂層で例示する樹脂と同様のものが挙げられる。
外側熱可塑性樹脂層は、例えば、地色層上(あるいはプライマー層上)に溶融押し出しすることにより形成できる。また、外側熱可塑性樹脂層は、あらかじめフィルム化した熱可塑性樹脂層を、地色層上(あるいはプライマー層上)にラミネートすることによって形成できる。予めフィルム化された熱可塑性樹脂層は、延伸したものであってもよいし、無延伸のものであってもよい。さらに、外側熱可塑性樹脂層は、外側熱可塑性樹脂層を構成する樹脂成分を溶剤で希釈したインキを塗布、乾燥する手法(塗布法)によっても形成できる。
本発明の包装材を蓋体又はラベルとして用いる場合、外側熱可塑性樹脂層は延伸フィルムであることが好ましい。
外側熱可塑性樹脂層の融点MPは特に限定されないが、包装材の用途に応じて、内側熱可塑性樹脂層の融点MPと所定の関係を満たすことが好ましい。
例えば、本発明の包装材を包装容器の容器本体として用いる場合、後述する「ヒートシールの手法(2)」のように、内側熱可塑性樹脂層と外側熱可塑性樹脂層との一部が重なるように折り、重なった箇所でヒートシールする場合が多い。かかる使用形態の場合、ヒートシール時の作業性を良好にするとともに、ヒートシールする箇所(内側熱可塑性樹脂層と外側熱可塑性樹脂層とが重なっている箇所)の密着性を良好にするため、MPとMPとの差は3度以下であることが好ましく、1度以下であることがより好ましい。
また、本発明の包装材を蓋体又はラベルとして用いる場合、内側熱可塑性樹脂層は容器本体にヒートシールされる一方で、外側熱可塑性樹脂層はヒートシール時に溶融しないことが好ましい。かかる使用形態の場合、MPはMPよりも30℃以上高いことが好ましく、50℃以上高いことがより好ましい。
<内側熱可塑性樹脂層>
内側熱可塑性樹脂層50は、紙基材40の内層側に位置する層であり、ヒートシール性を有する層である。
ヒートシールの手法としては、(1)内側熱可塑性樹脂層同士をヒートシールする手法、(2)内側熱可塑性樹脂層と外側熱可塑性樹脂層との一部が重なるように折り、重なった箇所でヒートシールする手法、(3)他の部材に対して内側熱可塑性樹脂層をヒートシールする手法、が挙げられる。
(1)及び(2)の手法は、例えば、包装材を包装容器の容器本体に加工する際などに行われる。(3)の手法は、例えば、包装材を蓋やラベルとして用い、容器本体に貼り合わせる際に行われる。
内側熱可塑性樹脂層は、ヒートシール性に優れた樹脂から形成することが好ましい。このような樹脂としては、例えば、低密度PE(LDPE)、直鎖状低密度PE(LLDPE)、中密度PE(MDPE)、高密度PE(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上の樹脂を用いることができる。
内側熱可塑性樹脂層は、単層で構成されても、2層以上の多層で構成されてもよい。
内側熱可塑性樹脂層は、外側熱可塑性樹脂層と同様に、例えば、溶融押し出し、ラミネート、塗布法等により形成することができる。
包装材で蓋付容器の蓋体が形成される場合に、内側熱可塑性樹脂層はイージーピール性を有していることが好ましい。
イージーピール性とは、例えば、蓋付容器の蓋体の包装材の内側熱可塑性樹脂層が容器本体と接合される場合、蓋付容器を開封する際、蓋体を容器本体から剥離しやすいという特性をいう。
イージーピール性を有する内側熱可塑性樹脂層は、2種以上の樹脂を用いて、一の樹脂(容器本体との密着性が良好な樹脂)と他の樹脂(容器本体との密着性が良好ではなく、前記一の樹脂と非相溶な樹脂)とを混合することにより形成することができる。このような樹脂は容器の素材によって異なるため一概には言えないが、容器がPPから形成されている場合、一の樹脂(容器本体との密着性が良好な樹脂)であるPPと、他の樹脂(容器本体との密着性が良好ではなく、前記一の樹脂と非相溶な樹脂)であるPE、ポリブテン及びポリスチレンから選ばれる一種以上とを混合した樹脂から内側熱可塑性樹脂層を形成することにより、PP製の容器に対してイージーピール性を付与できる。
なお、内側熱可塑性樹脂層を多層構成として、内側熱可塑性樹脂層の容器本体と接合される側(包装材における最内層)のみにイージーピール性を付与してもよい。
内側熱可塑性樹脂層の厚みは、包装材の用途に応じて適宜に設定することができ、好ましくは3〜100μmであり、より好ましくは5〜50μmである。
<プライマー層>
本発明の包装材100は、図2に示すように、外側熱可塑性樹脂層10と地色層20との間に、プライマー層60を有することが好ましい。プライマー層60を有することにより、外側熱可塑性樹脂層10と地色層20との間の界面の密着性が向上し、該界面が剥離することにより、地色層20の発色性が低下することを抑制しやすくできる。
プライマー層は、硬化性樹脂組成物の硬化物、熱可塑性樹脂等の樹脂を主成分とすることが好ましい。主成分とは、プライマー層の全固形分の50質量%以上を意味し、好ましくは70質量%以上、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、よりさらに好ましくは99質量%以上である。
プライマー層の硬化性樹脂組成物の硬化物及び熱可塑性樹脂は、目止め層の硬化性樹脂組成物の硬化物及び熱可塑性樹脂として例示したものと同様のものを使用することができる。
プライマー層の樹脂は、外側熱可塑性樹脂層と地色層との間の密着性を向上する観点から、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
プライマー層の厚みは、0.1〜5.0μmであることが好ましく、0.2〜4.0μmであることがより好ましく、0.5〜3.0μmであることがさらに好ましい。
<接着剤層>
包装材を構成する各層の間には、各層の密着性を向上するために接着剤層を有していてもよい。
例えば、紙基材と内側熱可塑性樹脂層との間に後述するガスバリア層を形成する場合、紙基材とガスバリア層との間には接着剤層を有することが好ましい。また、外側熱可塑性樹脂層として予めフィルム化されたものを用いる場合、外側熱可塑性樹脂層と地色層との間には接着剤層を有することが好ましい。
接着剤層は、公知のドライラミネート用接着剤又はホットメルト用接着剤を用いた方法により形成することができる。
ドライラミネート用接着剤としては、例えば、ポリエーテル系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレン共重合体系接着剤、セルロース系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂やメラミン樹脂等によるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤(例えば、ポリオールとイソシアネート化合物との硬化物)、反応型(メタ)アクリル酸系接着剤、クロロプレンゴムやニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等によるゴム系接着剤、シリコーン系接着剤、アルカリ金属シリケートや低融点ガラス等による無機系接着剤等が挙げられる。
ホットメルト用接着剤としては、内側熱可塑性樹脂層で例示した樹脂と同様のものが挙げられる。
<ガスバリア層>
本発明の包装材は、紙基材と内側熱可塑性樹脂層との間に、ガスバリア層を有していてもよい。ガスバリア層は、1層のみから構成されるものであっても、2層以上の複数層で構成されてもよい。また、ガスバリア層は、プラスチックフィルム等の中間基材上に形成してもよい。
ガスバリア層としては、蒸着膜、塗布膜及び金属箔が挙げられる。なお、ガスバリア層を形成する表面は、該ガスバリア層の密着性向上の観点から、予め表面処理を施しておいてもよい。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスや窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化剤処理、アンカーコート剤の塗布等が挙げられる。
ガスバリア層の一例である蒸着膜は、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の無機物又はこれらの酸化物を原料として、真空蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等の物理蒸着(PVD)法、プラズマ化学気相成長や熱化学気相成長、光化学気相成長等の化学蒸着(CVD)法等により形成することができる。
ガスバリア層の一例であるガスバリア性塗布膜としては、例えば、一般式R1 M(OR2m(式中、R1、R2は炭素数1〜8の有機基、Mは金属原子である。nは0以上の整数、mは1以上の整数を表し、n+mはMの原子価である。)で表される少なくとも1種以上のアルコキシドと、ポリビニルアルコール系樹脂及び/又はエチレン−ビニルアルコール共重合体とを、ゾル−ゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾル−ゲル法により重縮合して得られた塗工液を塗布し、50〜300℃で、0.05〜60分間加熱処理することにより形成することができる。
ガスバリア層の一例である金属箔を構成する金属は、例えばアルミニウムが挙げられる。
<絵柄層>
本発明の包装材は、絵柄層を有していてもよい。
絵柄層は、例えば、外側熱可塑性樹脂層と地色層との間に形成できる。あるいは、絵柄層は、包装材の厚み方向において地色層と同じ位置に、地色層と並列するように形成することができる。なお、外側熱可塑性樹脂層と地色層との間に絵柄層を形成する場合には、レーザーマーキングする箇所を避けて絵柄層を形成することが好ましい。
絵柄層は、地色層と区別できるものであればよく、例えば、着色剤及びバインダー樹脂を含む絵柄層形成インキから形成できる。
絵柄層の着色剤は、汎用の染料及び顔料(例えば、黄鉛、チタン黄、弁柄、カドミウム赤、群青、コバルトブルー、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機顔料、キナクリドンレッド、イソインドリノンイエロー、フタロシアニンブルー等の有機顔料又は染料)を使用することができる。
絵柄層の厚みは特に限定されるものではなく、1.0〜5.0μm程度であることが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0μmである。
本発明の包装材は、外層側から測定したLab表色系のL値が80以上であることが好ましい。L値を80以上とすることにより、レーザーマーキングした画像等とのコントラストを良好にしやすくできる。
[包装容器]
本発明の包装容器は、少なくとも一部に、上述した本発明の包装材を有するものである。
包装容器の少なくとも一部が本発明の包装材で形成されることにより、高濃度でレーザーマーキング可能な包装容器が得られる。
包装容器の少なくとも一部とは、例えば、図3の蓋付容器であれば、容器本体300の全部、容器本体300の一部、蓋体400の全部、蓋体400の一部、ラベル500の全部、ラベル500の一部が挙げられる。なお、図3において、300aはフランジ部、400aは把持部を示している。
本発明の包装材は、包装容器のうちのレーザーマーキングしたい所望の部分に適用されればよく、包装容器の全体が本発明の包装材で形成されても、あるいはまた、一部のみに本発明の包装材が用いられてもよい。
包装容器の種類としては、パウチ、蓋付容器、カップ及びトレーが挙げられる。
また、包装容器の用途としては、食品容器及び化粧品容器が挙げられる。
また、包装容器に封入する内容物は、液体、固体及び気体の何れであってもよい。
包装容器の一実施形態として、収容部を有する容器本体と、収容部を封止するように容器本体に接合された蓋体とを備えた蓋付容器が挙げられる。
このような蓋付容器において、例えば、容器本体の少なくとも一部、又は、蓋体の少なくとも一部を、本発明の包装材で形成することができる。
また、包装容器の他の実施形態として、表面にラベルが貼着されたラベル付き包装容器が挙げられる。
このようなラベル付き包装容器において、例えば、容器本体の少なくとも一部、又は、ラベルの少なくとも一部を、本発明の包装材で形成することができる。
[蓋体]
本発明の蓋体は、少なくとも一部が上述した本発明の包装材で形成されてなるものである。
蓋体の少なくとも一部が本発明の包装材で形成されることにより、高濃度でレーザーマーキング可能な蓋体が得られる。
蓋体は、例えば、下記の積層構成であることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(a1)延伸フィルム(外側熱可塑性樹脂層)/接着剤層/地色層/目止め層/紙基材/接着剤層/アルミ箔(ガスバリア層)/内側熱可塑性樹脂層
(a2)延伸フィルム(外側熱可塑性樹脂層)/接着剤層/地色層/目止め層/紙基材/接着剤層/中間基材/蒸着膜/内側熱可塑性樹脂層
上記(a1)〜(a2)において、延伸フィルムは、延伸ポリプロピレンフィルム又は延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。また、上記(a1)〜(a2)において、内側熱可塑性樹脂層はLDPEであることが好ましい。
[ラベル]
本発明のラベルは、少なくとも一部が上述した本発明の包装材で形成されてなるものである。
ラベルの少なくとも一部が本発明の包装材で形成されることにより、高濃度でレーザーマーキング可能な蓋体が得られる。
ラベルは、例えば、下記の積層構成であることが好ましい。なお、「/」は各層の境界を意味する。
(b1)延伸フィルム(外側熱可塑性樹脂層)/接着剤層/地色層/目止め層/紙基材//内側熱可塑性樹脂層
上記(b1)において、延伸フィルムは、延伸ポリエステルフィルムであることが好ましい。また、上記(b1)において、内側熱可塑性樹脂層はエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましい。
[レーザーマーキング]
レーザーマーキングに用いるレーザー光線としては、YAG(イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G))レーザー光線(波長=1064nm)、YVO(イットリウム・バナデート)レーザー光線(波長=1064nm)、ファイバーレーザー(1064nm)、グリーンレーザー(532nm)、UVレーザー(355nm)が好ましい。これらのレーザーは、外側熱可塑性樹脂層を透過し、地色層を効率よく発色させることができる。
レーザーマーキングのパルス条件としては、例えば、YVOレーザー機(株式会社キーエンス製の商品名MD−V9600)にて平均出力0.8〜5W、より好ましくは1.2〜2W、Qスイッチ周波数10〜30KHz、スキャンスピード300〜4000mm/s、より好ましくは1500〜4000mm/sのパルス条件が使用される。この条件下でレーザーマーキングすることにより、包装材に大きなダメージを与えることなく、高速印字が可能であり、かつ、明瞭な印字画像を得やすくできる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は、これにより限定されるものではない。
1.包装材の作製
[実施例1]
紙基材(厚み400μmのコートボール紙)のコート面の全面に、下記組成の目止め層用インキを塗布、乾燥して、厚み2.0μmの目止め層を形成した。
次いで、目止め層上に、下記組成の地色層用インキを塗布、乾燥して、厚み1.5μmの地色層を形成した。
次いで、地色層上に、下記組成のプライマー層用インキを塗布、乾燥して、厚み2.0μmのプライマー層を形成した。
次いで、プライマー層上に、溶融押出法を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)を厚みが20μmとなるように押し出して、金属ロールとゴムロールとの間を通して外側熱可塑性樹脂層(融点105℃)を形成した。
次いで、紙基材の目止め層を形成した面とは反対側の面にコロナ処理をし、溶融押出法を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)を厚みが40μmとなるように押し出して、金属ロールとゴムロールとの間を通して内側熱可塑性樹脂層(融点105℃)を形成し、実施例1の包装材を得た。
各インキの組成を以下に示す。
<目止め層用インキ>
・ニトロセルロース 10質量部
・天然樹脂 7.5質量部
・顔料(シリカ) 10質量部
・希釈溶剤 適量
<地色層用インキ>
・酸化チタン 40質量部
・熱可塑性ウレタン系樹脂 10質量部
・発色剤(ATO粒子) 0.5質量部
・沈降防止剤等の添加剤 1質量部
・希釈溶剤 適量
<プライマー層用インキ>
・ニトロセルロース 10質量部
・熱可塑性ウレタン系樹脂 10質量部
・希釈溶剤 適量
[実施例2]
紙基材(坪量80g/mのコートボール紙)のコート面の全面に、実施例1と同様にして、目止め層、地色層を形成した。
次いで、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(外側熱可塑性樹脂層、融点264℃)を紙基材の地色層を形成した面にドライラミネートした。なお、ドライラミネートにはポリエーテル系接着剤を用いた。ドライラミネート時の接着剤層の厚みは2.0μmとした。
次いで、紙基材の目止め層を形成した面とは反対側の面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体を溶剤で希釈してなる内側熱可塑性樹脂層用インキを塗布、乾燥して、厚み5.0μmの内側熱可塑性樹脂層(融点75℃)を形成し、実施例2の包装材を得た。なお、実施例2の包装材はラベルに適するものである。
[実施例3]
紙基材(坪量80g/mのコートボール紙)のコート面の全面に、実施例1と同様にして、目止め層、地色層を形成した。
次いで、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(外側熱可塑性樹脂層、融点264℃)を紙基材の地色層を形成した面にドライラミネートした。なお、ドライラミネートにはポリエーテル系接着剤を用いた。ドライラミネート時の接着剤層の厚みは2.0μmとした。
次いで、紙基材の目止め層を形成した面とは反対側に面にコロナ処理をし、溶融押出法を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)を厚みが15μmとなるように押し出して、金属ロールとゴムロールとの間を通して接着剤層を形成すると同時に、接着剤層上に厚み7μmのアルミニウム箔(ガスバリア層)を貼り合わせた。
次いで、アルミニウム箔上に、溶融押出法を用いて低密度ポリエチレン(LDPE)を厚みが20μmとなるように押し出して、金属ロールとゴムロールとの間を通して内側熱可塑性樹脂層(融点105℃)を形成し、実施例3の包装材を得た。なお、実施例2の包装材は蓋体に適するものである。
[比較例1]
外側熱可塑性樹脂層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の包装材を得た。
[比較例2]
紙基材上に直接地色層を形成し、紙基材と地色層との間に目止め層を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例2の包装材を得た。
2.レーザーマーキングの実施及び評価
2−1.レーザーマーキング
実施例及び比較例の包装材について、下記条件下で、外側熱可塑性樹脂層側(比較例1はプライマー層側)からYVOレーザー光を照射し、レーザーマーキングを行った。
<レーザー照射条件>
株式会社キーエンス製のYVOレーザー機(商品名MD−V9600)を用い、平均出力2.4W、Qスイッチ周波数10KHz、スキャンスピード2000mm/s
外側熱可塑性樹脂層
2−2.印字濃度
レーザーマーキングで形成された印字の濃度を蛍光灯の照明下で評価した。具体的には、印字濃度が濃く、印字が明りょうに判別できるものを3点、どちらとも言えないものを2点、印字濃度が薄く、印字が明りょうに判別できないものを1点として、20人の試験モニターが判定し、平均点を算出し、下記基準により評価した。結果を表1に示す。
<評価基準>
A:平均点が2.5以上
B:平均点が1.5以上2.5未満
C:平均点が1.5未満
表1の評価結果から分かるように、実施例1〜3の包装材は、高濃度のレーザーマーキングが可能であることが確認できる。
一方、比較例1の包装材は、地色層の外側に樹脂層を有するものの、その厚みが2.0μmと薄いために、レーザーマーキングの濃度を高くできないものであった。また、比較例2の包装材は、地色層の内側に目止め層を有さないために、レーザーマーキングの濃度を高くできないものであった。
10 外側熱可塑性樹脂層
20 地色層
21 第1の地色層
22 第2の地色層
30 目止め層
40 紙基材
50 内側熱可塑性樹脂層
60 プライマー層
100 包装材
300 容器本体
300a フランジ部
400 蓋
400a 把持部
500 ラベル

Claims (11)

  1. 外側熱可塑性樹脂層、地色層、目止め層、紙基材及び内側熱可塑性樹脂層が、この順に外層側から積層されてなり、前記地色層は酸化チタン及びバインダー樹脂を含み、前記外側熱可塑性樹脂層の厚みが5.0μm以上である、包装材。
  2. 前記地色層が発色剤を含む、請求項1に記載の包装材。
  3. 前記地色層が、発色剤を含む第1の地色層と、前記第1の地色層よりも内層側に配置され、発色剤を実質的に含有しない第2の地色層とを有する、請求項1又は2に記載の包装材。
  4. 前記発色剤が、ビスマス、アンチモン、銅及びモリブテンからなる金属、並びに、これら金属を含む化合物からなる群より選択される1種以上である、請求項2又は3に記載の包装材。
  5. 前記地色層のバインダー樹脂としてウレタン系樹脂を含む、請求項1〜4の何れか1項に記載の包装材。
  6. 前記外側熱可塑性樹脂層と前記地色層との間にプライマー層を有する、請求項1〜5の何れか1項に記載の包装材。
  7. 少なくとも一部に、請求項1〜6の何れか1項に記載された包装材を有する包装容器。
  8. 収容部を有する容器本体と、前記収容部を封止するように前記容器本体に接合された蓋体とを備えた蓋付容器であり、前記蓋体の少なくとも一部が前記包装材で形成されている、請求項7に記載の包装容器。
  9. 表面にラベルが貼着された包装容器であって、前記ラベルの少なくとも一部が前記包装材で形成されている、請求項7に記載の包装容器。
  10. 少なくとも一部が請求項1〜6の何れか1項に記載の包装材で形成されている蓋体。
  11. 少なくとも一部が請求項1〜6の何れか1項に記載の包装材で形成されているラベル。
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A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

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