JP7447462B2 - 積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法 - Google Patents

積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法に関する。
医薬品や食品の包装体に各種期限やロット番号などの情報を表示させる技術としてレーザーマーキングが採用されている。レーザーマーキングの加工対象である積層フィルムの構成として、酸化チタン顔料を含有する白インキ層を外側の透明基材層フィルムと熱可塑性樹脂層との間に備えるものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2010-105294号公報
包装体が表示する情報が意味する内容物と、包装体が実際に包装している内容物との整合を高い精度で求められる近年では、包装体に内容物が充填された状態で情報が付与されるように、レーザーマーキングの工程を内容物の充填工程後に実施することが求められはじめている。この点、上述した積層フィルムでは、透明基材層フィルムの外側面からレーザーが照射されることによって、透明基材層や熱可塑性樹脂層の樹脂が黒化し、充填済みの内容物が品質を低下させる程度に、揮発粒子が発生してしまう場合があった。なお、揮発粒子の発生を抑制する要請は、包装体に内容物を充填させた後のレーザーマーキングに限らず、清浄性を高める観点から、包装体に内容物を充填させる前のレーザーマーキングにおいても生じている。これは、包装体が直接汚染されることに限らず、充填包装作業環境に揮発粒子が飛散することによる、被包装物や包装材料の汚染を抑制するためである。
本発明は、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することを抑制可能とした積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための積層フィルムは、紫外波長域のなかに透過波長を有する基材層と、熱可塑性樹脂層と、前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含む。
上記構成によれば、接着性樹脂層が含む接着性樹脂の黒化を抑制し、接着性樹脂層が含む無機化合物粉末を変色させることが可能である。そのため、無機化合物粉末の変色により、積層フィルムに対するレーザーマーキングを可能にする一方で、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することが抑制可能となる。
上記積層フィルムにおいて、前記基材層は、透明樹脂層であってもよい。この構成によれば、基材層を通して無機化合物粉末の変色を認識させることが容易となる。そのため、レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさを向上することが可能となる。また、同じ程度の濃さを有した情報を認識させるうえでは、積層フィルムに照射するレーザーの出力を低めることが可能であって、レーザーの照射によって揮発粒子が発生することを、さらに抑制することが可能ともなる。なお、レーザーマーキングによって形成される情報は、文字、図形、記号、図柄、模様を含む。
上記積層フィルムにおいて、前記無機化合物粉末の含有量は、前記接着性樹脂層の全量に対して10質量%以上であってもよい。この構成によれば、無機化合物粉末の含有量が接着性樹脂層に対して10質量%以上であるから、接着性樹脂層のなかでレーザーマーキングされていない部分の変色前の色濃度、および、変色後の色濃度を十分に得ることが可能である。そして、接着性樹脂層のなかでレーザーマーキングされた部分とレーザーマーキングされない部分との間での明度、色度、彩度の差であるコントラストが高められるから、レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさが高められる。
上記積層フィルムにおいて、前記接着性樹脂層を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含んでもよい。この構成によれば、接着性樹脂層を構成する樹脂がポリオレフィン系樹脂を含むため、機械的、物理的、および、化学的に優れた性質を積層フィルムに付与することが可能である。これにより、積層フィルム、および、積層フィルムから形成される包装体の適用範囲を拡張することが可能となる。
上記課題を解決するための包装体は、紫外線波長域のなかに透過波長を有する基材層と、溶着された熱可塑性樹脂層と、前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含む。
上記構成によれば、接着性樹脂層が含む接着性樹脂の黒化を抑制し、接着性樹脂層が含む無機化合物粉末を変色させることが可能である。そのため、無機化合物粉末の変色により、積層フィルムに対するレーザーマーキングを可能にする一方で、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することが抑制可能となる。
上記包装体において、前記無機化合物粉末の一部が前記透過波長のレーザーを受けて変色していてもよい。この包装体によれば、レーザーマーキングにおける揮発粒子の発生を抑制させた包装体を提供することが可能となる。
上記包装体において、前記接着性樹脂層は、変色した前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂と、変色していない前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂とが同色であってもよい。この構成によれば、変色した前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂と、変色していない前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂とが同色であるから、変色した無機化合物粉末と変色していない無機化合物粉末との間で、接着性樹脂を背景としたコントラストが高まる。したがって、レーザーマーキングによって形成された情報が読み取りやすくなる。
上記課題を解決するための包装体の製造方法は、積層フィルムにレーザーを照射すること、および、前記積層フィルムが備える熱可塑性樹脂層を加熱して熱溶着を行うこと、を含む、包装体の製造方法であって、前記積層フィルムは、紫外線波長域のなかに透過波長を有する基材層と、前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含み、前記レーザーを照射することでは、前記透過波長のレーザーを前記基材層から前記接着性樹脂層に向けて照射して前記無機化合物粉末を変色させてもよい。
上記方法によれば、前記基材層から前記接着性樹脂層に向けて照射された透過波長のレーザーは、基材層を透過して、接着性樹脂層に到達する。接着性樹脂層に到達した透過波長のレーザーは、接着性樹脂層が含む接着性樹脂を透過する一方で、接着性樹脂層が含む無機化合物粉末を変色させる。これにより、接着性樹脂層が含む接着性樹脂の黒化を抑制し、かつ、接着性樹脂層が含む無機化合物粉末を変色させることが可能となる。そのため、積層フィルムに対するレーザーマーキングを可能にする一方で、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することが抑制可能となる。
上記包装体の製造方法において、前記レーザーを照射することは、前記包装体に内容物が充填された後に行われてもよい。この方法によれば、内容物が充填された後の包装体に対してレーザーマーキングが行われるため、レーザーマーキングにおける揮発粒子の発生抑制が、包装体を製造するうえで、より有効的なものとなる。
積層フィルムの断面構造の一例を示す断面図。 積層フィルムの断面構造の他の例を示す断面図。 包装体の平面構造を示す平面図。 レーザーマーキングを行う工程を示す工程図。
以下、図1から図4を参照して、積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法の一実施形態を説明する。まず、積層フィルム、および、包装体の構成を説明した後に、積層フィルムの製造方法、レーザーマーキング、および、包装体の製造方法を説明する。
[積層フィルム]
図1が示すように、積層フィルムは、基材層11、接着性樹脂層12、および、熱可塑性樹脂層13を備える。基材層11は、積層フィルムの外部からレーザーを照射される層である。基材層11は、接着性樹脂層12に対してレーザーの入射側に位置する。接着性樹脂層12は、熱可塑性樹脂層13に対してレーザーの入射側に位置する。積層フィルムは、基材層11から接着性樹脂層12に向けて、透過波長のレーザーを照射される。積層フィルムは、接着性樹脂層12に含まれる無機化合物粉末をレーザーの照射によって変色させて、レーザーマーキングされる。透過波長は、紫外線波長域に含まれる。紫外線波長域は、280nm以上400nm以下である。紫外波長域は、315nm以上380nm以下のUV‐A、280nm以上315nm以下のUV‐B、1nm以上280nm以下のUV‐Cに分類される。
(基材層)
基材層11を構成する材料は、紫外線波長域のなかに透過波長を有する樹脂を含む。透過波長は、紫外線波長域のなかで基材層11を透過する波長である。基材層11における透過波長の透過率は、接着性樹脂層12に含まれる無機化合物粉末の透過率よりも高い。透過波長での透過率は、直進透過と拡散透過とを含む。基材層11における透過波長の透過率は、レーザーの照射によって無機化合物粉末が変色する際に、基材層11が変色しない高さである。基材層11における透過波長の透過率は、例えば、70%以上であり、透過波長のレーザーを接着性樹脂層12に到達させやすい観点から80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
基材層11を構成する材料は、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂である。また、基材層11を構成する材料は、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリアセタール、アセチル・ジ又はトリ・セルロースの繊維素誘導体、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂である。また、基材層11を構成する材料は、例えば、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコ-ン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエ-テルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂である。また、基材層11を構成する材料は、例えば、上述した樹脂からなる群から選択される2種以上の樹脂の組み合わせである。
ポリオレフィン系樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー環状ポリオレフィンであり、ポリエチレンは、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状もしくは線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンである。ポリオレフィンの共重合体は、例えば、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂である。
酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性させた樹脂である。塩素化ポリオレフィン樹脂は、α-オレフィンの重合体の水素を塩素置換した構造を有する樹脂である。また、塩素化ポリオレフィン樹脂は、例えば、α-オレフィンと、α-オレフィン以外の他のモノマーとの共重合樹脂である。
ポリスチレン系樹脂は、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体である。ポリプロピレン系樹脂は、例えば、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体である。
ポリエステル系樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートである。ポリアミド系樹脂は、例えば、ナイロン-6、ナイロン-66である。セルロース系樹脂は、例えば、アセチルジセルロースあるいはアセチルトリセルロースの繊維素誘導体である。
アクリル樹脂は、例えば、アクリル酸エステル又はメタアクリル酸エステルを主成分とする樹脂や、アクリルモノマーをラジカル重合して得られる樹脂である。アクリルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチルである。また、アクリルモノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシルである。アクリルモノマーは、上述した例のアルキル基にベンゼン環構造を有してもよく、水酸基を有してもよい。
エチレン系樹脂は、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタクリル酸樹脂共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体である。
ポリウレタン系樹脂は、例えば、ポリオールとポリイソシアネートから形成されるポリウレタン樹脂、ポリオールとポリイソシアネートから形成される末端にイソシアネート基を有したウレタンプレポリマーである。また、ポリウレタン系樹脂は、例えば、ウレタンプレポリマーをアミン化合物で鎖延長反応させることで得られるポリウレタン樹脂である。
基材層11は、延伸フィルム、あるいは、無延伸フィルムである。基材層11は、単一の基材フィルム、あるいは、複数の基材フィルムの積層体である。基材層11は、透過波長のレーザーが散乱しにくい観点から、単一の基材フィルムであることが好ましい。透過波長のレーザーが散乱しにくいことは、レーザーマーキングに要するレーザーの出力を低めること、および、パルス幅を狭めることを可能とする。すなわち、透過波長のレーザーが散乱しにくいことは、揮発粒子が発生すること、また、基材層11や接着性樹脂層12にピンホールが発生することを抑えることを可能とする。耐熱性が高く、また、部材コストを抑えられる観点から、基材層11は、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)、あるいは、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)であることが好ましい。
基材層11の厚さは、例えば、3μm以上40μm以下、好ましくは4μm以上30μm以下である。基材層11の厚さが3μm以上であれば、レーザーマーキングされる接着性樹脂層12を外部の環境から保護することが可能である。基材層11の厚さが40μm以下であれば、基材層11に照射されたレーザーを接着性樹脂層12に効果的に到達させることが可能である。基材層11の厚さは、接着性樹脂層12に到達させるレーザーの出力、レーザーのパルス幅、積層フィルムの折り曲げ適性、積層フィルムの引っ張り弾性率、および、熱可塑性樹脂層13での熱溶着後の剥離強さなどを考慮したうえで、適宜選択される。
基材層11は、変色した無機化合物粉末と、変色していない無機化合物粉末との差異を、外部から認識しやすくできる観点から、透明樹脂層であることが好ましく、無色透明樹脂層であることがより好ましい。透明である基材層11は、無機化合物粉末の変色の有無を外部から認識しやすくできる。そのため、同じ程度の色の濃さを情報として表示させる前提において、積層フィルムに照射されるレーザーの出力を低めることや、パルス幅を狭くすること、ひいては、揮発粒子やピンホールの発生を抑えることが可能ともなる。レーザーマーキングによって形成される情報は、文字、図形、記号、図柄、模様を含む。
なお、基材層11は、透過波長のレーザーが照射される部分において、無機化合物粉末が変色する程度に、透過波長のレーザーを接着性樹脂層12まで透過させる構成であれば、着色されていてもよいし、印刷層を別途備える構成であってもよい。例えば、基材層11は、基材層11の表面や裏面、あるいは、基材層11が積層体である場合には、層間に印刷層を別途備えることも可能である。印刷層は、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様などの意匠を備えてもよい。印刷層は、レーザーマーキングによる情報と組み合わせて他の情報を表示する文字や図形であってもよい。例えば、印刷層は、「製造年月日」、「使用期限」、「ロット番号」などの文字であり、製造年、製造月、製造日、使用期限となる日付け、ロット番号となる数字などの文字がレーザーマーキングによる情報であってもよい。こうした構成であれば、レーザーマーキングで形成する情報に数字以外の文字を含める構成と比べて、レーザーマーキングに要する時間を短縮できる。
基材層11を対象とした印刷方法は、既知の印刷方法の中から、基材層11の印刷適性、色調などの意匠性、印刷層と他の層との密着性、積層フィルムや包装体としての安全性などを考慮して適宜選択される。基材層11を対象とした印刷方法は、例えば、グラビア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法である。基材層11を対象とした印刷方法は、生産性が高いことや、高精細な絵柄を形成できる観点において、グラビア印刷法が好ましい。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層12は、レーザーマーキングによって変色する層として機能する。すなわち、接着性樹脂層12は、接着性樹脂層12のなかで透過波長のレーザーが照射された部分を無色から有色に変える。無色は、無色透明の他に、白色および灰色である無彩色を含む。接着性樹脂層12は、透過波長のレーザーを照射されることによって変色する無機化合物粉末と、基材層11と熱可塑性樹脂層13とを接着する接着性樹脂とを含む。
接着性樹脂層12の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下であり、好ましくは、3μm以上30μm以下である。接着性樹脂層12の厚さが2μm以上である場合、基材層11と熱可塑性樹脂層13との間で高い剥離強度を確保することが容易であり、かつ、無機化合物粉末を接着性樹脂層12のなかに含ませることが容易ともなる。接着性樹脂層12の厚さが40μm以下である場合、積層フィルムの厚みが過剰になることを抑えて、積層フィルムや包装体に求められる折り曲げ適性を確保することが容易となる。
接着性樹脂は、無機化合物粉末を結着すると共に、基材層11と熱可塑性樹脂層13とを接着する。接着性樹脂における透過波長の透過率は、接着性樹脂層12に含まれる無機化合物粉末の透過率よりも高い。接着性樹脂における透過波長の透過率は、レーザーの照射によって無機化合物粉末が変色する際に、接着性樹脂が変色しない高さであることが好ましい。接着性樹脂における透過波長の透過率は、例えば、70%以上であり、透過波長のレーザーを接着性樹脂層12に到達させやすい観点から80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
接着性樹脂は、例えば、熱可塑性樹脂、あるいは、2液硬化型ウレタン系樹脂などのドライラミネーション用接着剤である。熱可塑性樹脂は、例えば、溶融低密度ポリエチレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂である。また、接着性樹脂は、例えば、ポリ酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリエステル-イソシアネート系樹脂である。また、接着性樹脂は、溶融エチレン-アクリル酸共重合体樹脂などのエチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアクリロニトリルである。また、接着性樹脂は、上述した熱可塑性樹脂からなる群のなかの1種、あるいは、2種以上の組合せである。
接着性樹脂層12は、例えば、延伸フィルム、あるいは、未延伸フィルムである。接着性樹脂層12は、単一のフィルムであってもよいし、複数のフィルムからなる積層体であってもよい。接着性樹脂層12は、基材層11と熱可塑性樹脂層13との間に押し出しラミネートされた層であってもよく、この際、基材層11との接着面にアンカーコート層を備えてもよい。
接着性樹脂は、着色されてもよいが、透過波長のレーザーによって変色する前の無機化合物粉末と同色であることが好ましい。無機化合物粉末と接着性樹脂とが同色であることは、レーザーマーキングによる情報のコントラストを高めることを可能として、情報の読み取りやすさを向上させる。
無機化合物粉末と接着性樹脂とは、接着性樹脂層12のなかで偏在していてもよいし、接着性樹脂層12のなかでほぼ均一に混合されていてもよい。無機化合物粉末と接着性樹脂とが均一に混合されている構成であれば、レーザーマーキングによる情報の表示ムラを抑制可能である。接着性樹脂層12のなかで無機化合物粉末が偏在している構成であれば、無機化合物粉末が偏在している範囲を情報の記録対象とし、同範囲以外で無機化合物粉末を消費すること、すなわち、無機化合物粉末の消費量を抑えることが可能ともなる。
無機化合物粉末を構成する材料は、有色であってもよいし、無色であってもよい。無機化合物粉末を構成する材料は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛からなる群から選択されるいずれか一種である。酸化チタンを一例として、酸素欠損した酸化チタンは、1つのチタン原子に対する酸素原子の割合によって、様々な色に変化する。酸化チタンが呈する色は、例えば、黄色、淡黄色、銀灰色、淡灰色、青灰色、青黒色などであるが、通常、白色である酸化チタンは、酸素欠損の割合が高いほど、すなわち、1つのチタン原子に対する酸素原子の数が少ないほど、黒色に近い色を呈する。酸素欠損による酸化チタンの色調変化は、酸化チタンを構成するチタン原子が、特に3価のチタン原子であるときに生じるドナー準位に伴うものである。
透過波長のレーザーを照射された酸化チタンでは、酸化チタンのなかから酸素原子が脱離する。通常、酸化チタンは、1つのチタン原子に対して2つの酸素を有するが、紫外線波長域のレーザーが照射された酸化チタンでは、チタン原子に対する酸素原子の割合が低下する。紫外線波長域のレーザーを照射された酸素チタンは、酸素原子がチタン原子から脱離し、酸素欠損を引き起こす。酸素欠損を引き起こした酸化チタンでは、変色が生じる一方、紫外線波長域のレーザーが照射されない酸化チタンでは、酸素欠損が起こらず、変色も生じない。そのため、接着性樹脂層12において、透過波長のレーザーが照射された部分と、照射されていない部分との間で、酸化チタンの変色の有無によるコントラストが生じる。すなわち、接着性樹脂層12において、透過波長のレーザーが照射された部分にのみ、変色を生じさせることが可能であり、接着性樹脂層12に任意の情報を表示させることが可能となる。
レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさを向上させる観点から、無機化合物粉末を構成する材料は、白色であるルチル型の酸化チタンであることが好ましい。また、無機化合物粉末を構成する材料は、バンドギャップがルチル型よりも小さいアナターゼ型の酸化チタンであってもよい。アナターゼ型の酸化チタンは、ルチル型の酸化チタンと比べて還元力が高いため、ルチル型の酸化チタンを用いる場合と比べて、より低い出力のレーザーの照射によって変色を生じさせたり、同じ程度の出力のレーザーの照射によって発色性を高めたりすることが可能となる。無機化合物粉末の形状は、粒子状であってもよいし、鱗片状であってもよい。無機化合物粉末が粒子状である場合、無機化合物粉末の一次粒子径は、200nm以上1000nm未満のような顔料級の大きさであってもよいし、10nm以上200nm未満のようなナノサイズの大きさであってもよい。レーザーマーキングによる情報の読み取りやすさの向上と、接着性樹脂層12と基材層11との間、あるいは、接着性樹脂層12と熱可塑性樹脂層13との界面における高い剥離強度の確保とが可能である観点から、10nm以上200nm以下であることが好ましい。また、接着性樹脂の結晶サイズと無機化合物粉末のサイズとが同程度であることによる剥離強度の向上が得られる観点から、接着性樹脂が低密度ポリエチレンであって、無機化合物粉末の一次粒径が10nm以上200nm以下であることが好ましい。
接着性樹脂層12における無機化合物粉末の含有量は、例えば、接着性樹脂層12の全体に対して5質量%以上40質量%であって、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。無機化合物粉末の含有量が5質量%以上であれば、例えば、無機化合物粉末を無彩色として、GS1バーコード印刷などに適用することが可能ともなる。無機化合物粉末の含有量が40質量%以下であれば、基材層11と熱可塑性樹脂層13との間における高い剥離強度を確保することが可能となる。
積層フィルムに照射される透過波長は、無機化合物粉末を変色させる波長であって、かつ、基材層11および接着性樹脂における透過率が無機化合物粉末よりも低い波長である。無機化合物粉末を構成する材料がルチル型の酸化チタンまたはアナターゼ型の酸化チタンである場合、酸化チタンの変色を効率的に行う観点において、透過波長は、UV‐Aである315nm以上380nm以下であることが好ましく、355nmであることがさらに好ましい。透過波長が紫外線波長域に含まれるため、赤外波長域や可視波長域と比べて、基材層11や接着性樹脂においてレーザーの吸収を抑えることが可能であって、基材層11や接着性樹脂にピンホールが生じたりフュームが生じたりすることを抑えることが可能となる。また、無機化合物粉末の周囲において接着性樹脂が変色することを抑えることが容易ともなる。
透過波長のレーザーは、レーザー発振機によって照射される。レーザーの種類は、例えば、YAGレーザーの第三高調波であるTHGレーザーである。THGレーザーは、基材層11に対する吸収率が高く、視認性の高いレーザーマーキングを可能とする一方、スポット径が小さいため、ムラのない細密な印刷をより好ましく達成できる。また、レーザーの種類は、例えば、YAGレーザー、YAG-SHGレーザー、YVO4レーザー、エキシマレーザー、ファイバーレーザーである。また、レーザーの種類は、気体レーザーや固体レーザーであってもよく、液体レーザーであってもよい。
レーザーマーキングの品質は、レーザーパワー、走査速度、および、Qスイッチ周波数にも依存する。レーザーパワーは、積層フィルムの照射箇所に凹凸を発生させず、かつ、情報が鮮明となるように適宜調整される。走査速度は、レーザーマーキングによるドットの濃度、ドットの間隔、および、レーザーの照射時間を調整することに用いられる。Qスイッチ周波数は、パルスを発生させる周波数であり、レーザーの出力やパルス幅を調整することに用いられる。
(熱可塑性樹脂層)
熱可塑性樹脂層13は、熱可塑性樹脂層13同士で熱溶着可能な層である。熱可塑性樹脂層13を構成する材料は、熱可塑性樹脂であり、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィンの共重合体、酸変性ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン系樹脂、エチレン系樹脂である。また、熱可塑性樹脂層13を構成する材料は、例えば、ポリエーテル系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリエステル-イソシアネート系樹脂である。また、熱可塑性樹脂層13を構成する材料は、例えば、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリアクリロニトリルである。熱可塑性樹脂層13を構成する材料は、上記熱可塑性樹脂からなる群のなかの1種、あるいは、2種以上の樹脂の組合せである。
熱可塑性樹脂層13は、延伸フィルム、あるいは、未延伸フィルムである。熱可塑性樹脂層13は、単一のフィルムであってもよいし、複数のフィルムからなる積層体であってもよい。熱可塑性樹脂層13の厚みは、熱可塑性樹脂層13が熱溶着される対象や、熱可塑性樹脂層13の熱溶着後における剥離強さなどに応じて適宜選択されるものであって、例えば、5μm以上200μm以下である。
なお、熱可塑性樹脂層13を構成する材料は、プラスチック製容器に対してイージーピール可能な材料にすることが可能である。熱可塑性樹脂層13がイージーピール可能である材料からなることは、積層フィルムに対し、易開封性を付与することが可能である。イージーピール可能である熱可塑性樹脂層13は、例えば、ポリオレフィン系樹脂が一般的に使用される。ポリオレフィン系樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン-αオレフィン共重合体、エチレン-メタアクリル酸樹脂共重合体などのエチレン系樹脂である。また、ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレンとポリブテンのブレンド樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-αオレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂である。
(アルミ層)
図2が示すように、積層フィルムは、アルミ層を備えてもよい。アルミ層を備える積層フィルムは、レーザーを照射される側から順に、基材層11、接着性樹脂層12、アルミ層14、接着性樹脂層15、熱可塑性樹脂層13を有する。アルミ層14は、接着性樹脂層15、および、熱可塑性樹脂層13に対してレーザーの入射側に位置する。接着性樹脂層12は、アルミ層14に対してレーザーの入射側に位置する。
アルミ層14は、透過波長のレーザーがアルミ層14を透過することを抑制して、透過波長のレーザーがアルミ層14よりも内層側に到達することを抑制する。また、積層フィルムから形成される包装体において、アルミ層14は、内容物を保護するバリア層としても機能する。また、アルミ層14は、透過波長のレーザーを接着性樹脂層12に向けて反射して、反射されたレーザーを無機化合物粉末に照射する。これにより、積層フィルムは、無機化合物粉末の変色を効率的に行うことを可能とする。
アルミ層14は、例えば、貼り合わせ加工が可能な軟質アルミニウム箔であり、JIS1N30相当のアルミニウム箔、JIS8021相当のアルミニウム箔、JIS8079相当のアルミニウム箔である。また、アルミ層14は、ラミネートによって接着されるアルミニウム箔に限らず、接着性樹脂層12に蒸着あるいはスパッタされるアルミ層であってもよい。アルミ層14の厚さは、例えば、5μm以上20μm以下であり、積層フィルムに求められるバリア性、折り曲げ適性、コスト適性などに応じて適宜選択される。なお、アルミニウム箔にはつや消し面と、つや消し面の反対側の面に光沢面を有するが、いずれの面が接着性樹脂層12と対向してもよい。また、アルミ層14は、両面がつや消し面であるアルミニウム箔であってもよいし、両面が光沢面であるアルミニウム箔であってもよい。
接着性樹脂層15は、アルミ層14と熱可塑性樹脂層13とを接着する層として機能する。接着性樹脂層15の厚さは、例えば、2μm以上40μm以下であり、好ましくは、3μm以上30μm以下である。接着性樹脂層15の厚さが2μm以上である場合、アルミ層14と熱可塑性樹脂層13との間で高い剥離強度を確保することが容易である。接着性樹脂層12の厚さが40μm以下である場合、積層フィルムの厚みが過剰になることを抑えて、積層フィルムや包装体に求められる折り曲げ適性を確保することが容易となる。接着性樹脂層15を構成する接着性樹脂は、例えば、接着性樹脂層12を構成する接着性樹脂として例示した樹脂である。接着性樹脂層15を構成する接着性樹脂は、接着性樹脂層12を構成する接着性樹脂と同じ樹脂であってもよいし、異なる樹脂であってもよい。
(添加物)
積層フィルムを構成する各層は、添加物を含むことも可能である。積層フィルムに含まれる添加物は、例えば、配合剤、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、染料である。また、積層フィルムに含まれる添加物は、例えば、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、接着補助剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、トラッピング剤、ブロッキング防止剤、イソシアネート系硬化剤、シランカップリング剤である。
(表面処理)
積層フィルムを構成する各層は、接着性などを向上させるための表面処理層を含むことも可能である。表面処理層は、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品などを用いて処理する酸化処理を施された表層である。また、表面処理層は、例えば、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤などの表面前処理剤から形成される塗布層である。
なお、積層フィルムは、包装体の資材として用いられる他に、例えば、運転免許証やIDカード、パスポートなどの個人を認証するためのセキュリティ媒体に使用可能である。積層フィルムは、接着性樹脂層12に情報を形成するため、偽造、改竄、および、変造を抑制することが可能である。
[包装体]
包装体は、上述した積層フィルムを用いて製造される。包装体は、例えば、側面シール型包装体、二方シール型包装体、三方シール型包装体、四方シール型包装体、封筒貼りシール型包装体、ピローシール型包装体、ひだ付シール型包装体、平底シール型包装体、および、角底シール型包装体である。また、包装体は、例えば、ワンピースタイプ包装体、ツーピースタイプ包装体、その他の注出口、あるいは、開閉用ジッパーなどを備えた包装体である。また、包装体は、例えば、自立性包装体、チューブ容器、紙基材層を含む液体充填用紙容器である。
包装体は、例えば、飲食品、果汁、ジュ-ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス-プ、調味料、その他などの各種の飲食料品、液体洗剤、化粧品、化成品、その他の物品からなる内容物を充填包装する。また、包装体は、例えば、醤油、ソース、スープなどを充填包装する液体用小袋、生菓子などを充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品などを充填包装する軟包装用袋などの液体飲食物あるいは水分などを含む飲食物などを充填包装する。
図3を参照して、包装袋の一実施形態を説明する。
図3が示すように、包装袋を製造する1つの方法例は、例えば、矩形状を有した2枚の積層フィルム50Aを用いる。2枚の積層フィルム50Aの四方に位置する熱可塑性樹脂層13同士が互いに接するように、2枚の積層フィルムは重ねられる。そして、四辺に位置する熱可塑性樹脂層13同士が熱溶着されて、熱溶着部50Ahを備えた四方シール型の包装袋が製造される。
なお、包装袋は、例えば、以下に例示する2つの製袋によっても製造される。
包装袋を製造する他の方法例は、例えば、矩形状を有した1枚の積層フィルムを用いる。1枚の積層フィルムにおける熱可塑性樹脂層13同士が接するように、1枚の積層フィルムが二つ折りされる。そして、折り曲げられた積層フィルムにおける三方の熱可塑性樹脂層13同士が熱溶着されて、熱溶着部を備えた三方シール型の包装袋が製造される。
また、包装袋を製造する他の方法例は、例えば、矩形状を有した1枚の積層フィルムを用いる。1枚の積層フィルムにおける熱可塑性樹脂層13が内側となるように、積層フィルムが筒状に曲げられる。そして、筒面の接続部位に位置する13同士が熱溶着されて背貼り部が形成されると共に、筒面の上下開口部に位置する熱可塑性樹脂層13同士が熱溶着されて、これによって、熱溶着部を備えたピローシール型の包装袋が製造される。
積層フィルムは、包装体の資材として使用されるとき、強度を有して強靱であり、かつ、耐熱性を有することが求められる場合がある。この際、包装体の資材として使用される積層フィルムは、アルミ層14、あるいは、アルミ層14の他に、例えば、酸素ガス、あるいは、水蒸気などの透過を阻止するバリア層、セロハン、プラスチックフィルムをさらに備えることが望ましい。包装体の資材として使用される積層フィルムにおいて、最も外側に位置する基材層11は、強靱である観点から、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂であることが好ましい。
[積層フィルムの製造方法]
積層フィルムの製造方法は、例えば、押出ラミネート積層法、ドライラミネート積層法、キャスト成形法、Tダイ法を用いる。積層フィルムの製造方法は、好ましくは、押出ラミネート法であり、押出ラミネート法によって製造された積層フィルムは、ピンホールの発生を抑制可能である。
アルミ層14を備えた積層フィルムの製造方法の一例では、押出ラミネート法を用い、まず、基材層11と熱可塑性樹脂層13との間に、無機化合物粉末が分散した接着性樹脂を押し出し、次いで、押し出された樹脂を介して、基材層11と熱可塑性樹脂層13とを接着する。この際、樹脂が押し出される基材層11の一面は、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品などによる表面処理が予め施されてもよい。また、基材層11の一面には、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤などからなる表面処理層が予め備えられてもよい。
アルミ層14を備えた積層フィルムの製造方法の一例では、まず、押出ラミネート法を用い、基材層11とアルミ層14との間に、無機化合物粉末が分散した接着性樹脂を押し出し、次いで、押し出された樹脂を介して、基材層11とアルミ層14とを接着する。そして、押出ラミネート法を用い、基材層11、接着性樹脂層12、および、アルミ層14との積層体と、熱可塑性樹脂層13との間に、接着性樹脂を押し出し、次いで、押し出された樹脂を接着性樹脂層15として介して、基材層11、接着性樹脂層12、および、アルミ層14の積層体と、熱可塑性樹脂層13とを接着する。この際、樹脂が押し出される基材層11の一面は、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品などによる表面処理が予め施されてもよい。また、基材層11の一面には、プライマーコート剤、アンダーコート剤、アンカーコート剤、接着剤、あるいは、蒸着アンカーコート剤などからなる表面処理層が予め備えられてもよい。
[包装体の製造方法]
包装体の製造方法は、例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、ピローシール型、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型などの各種のヒートシールを行うことによって、熱溶着部を形成する。熱溶着部の形成方法は、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シールである。
包装体が液体充填用紙容器である場合、例えば、積層フィルムとして、紙基材層を積層した積層フィルムを製造し、積層フィルムから、所望の紙容器を製造するためのブランク板を製造する。そして、ブランク板を使用して胴部、底部、頭部などを製函して、例えば、ブリックタイプ、フラットタイプ、あるいは、ゲーベルトップタイプなどの液体充填用紙容器を製造する。
[レーザーマーキング]
積層フィルムにおけるレーザーマーキングについて以下に説明する。
図4が示すように、積層フィルムは、紫外線波長域のなかの透過波長のレーザーBによってレーザーマーキングされる。透過波長のレーザーBは、例えば、レーザー発振機によって、基材層11から接着性樹脂層12に向けて照射される。透過波長のレーザーBは、無機化合物粉末を変色させる波長を有し、かつ、基材層11および接着樹脂での透過率を無機化合物粉末での透過率よりも高める波長を有する。
透過波長のレーザーBは、基材層11を透過して接着性樹脂層12まで到達する。接着性樹脂層12に到達したレーザーBは、無機化合物粉末を変色させる。透過波長のレーザーBによって変色した無機化合物粉末は、接着性樹脂層12のなかで、変色体12Bとなる。透過波長のレーザーBが照射されていない無機化合物粉末が変色しない無変色体12Aであるため、レーザーBが照射されない部分と、レーザーBが照射された部分との間で、明度、色度、彩度の差であるコントラストが生じ、これによって、情報が表示可能となる。
レーザーマーキングによって印字される情報は、包装体に内容物が充填されたときに付与される場合がある。この点、基材層11や接着性樹脂が無機化合物粉末よりも透過波長のレーザーBを透過しやすい構成であれば、接着性樹脂層12が含む接着性樹脂や基材層11の黒化が抑制されて、接着性樹脂層12が含む無機化合物粉末を変色させることが可能である。そのため、無機化合物粉末の変色により、積層フィルムに対するレーザーマーキングを可能にする一方で、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することが抑制可能となる。結果として、包装体に内容物が充填された状態であっても、揮発粒子が内容物を汚染したり、内容物を変質させたり、包装体そのものを汚染させたりすることが抑制される。また、揮発粒子がレーザー加工装置に堆積して堆積物が包装体などに落下したり、落下した堆積物が包装体のなかの異物として混入したりすることも抑制される。
表1を参照して、各試験例について説明する。
[試験例1]
基材層11として、12μmの厚さを有したPETフィルムを用いた。熱可塑性樹脂層13として、60μmの厚さを有した低密度ポリエチレンフィルム(製品名:T.U.X FC-S:三井化学東セロ株式会社製)を用いた。接着性樹脂層12を構成する接着性樹脂として、低密度ポリエチレン(ペトロセン213:東ソー株式会社製)、および、酸化チタンマスターバッチに含まれる低密度ポリエチレンを用いた。無機化合物粉末として、酸化チタン粒子を用いた。酸化チタンマスターバッチとして、L-11135MPT(TiO濃度が60質量%:DIC株式会社製)を用いた。
まず、基材層11であるPETフィルムに、2液硬化型のポリウレタン系樹脂をアンカーコート剤として塗工した。次いで、押し出しラミネート法を用い、酸化チタンマスターバッチと低密度ポリエチレンとの混合樹脂を、熱可塑性樹脂層13である低密度ポリエチレンフィルムとアンカーコート層との間に押し出して、PETフィルムと低密度ポリエチレンフィルムとを接着した。この際、接着性樹脂層12における酸化チタン粒子の含有量が20質量%となるように、15μmの接着性樹脂層12を形成した。これにより、基材層11と熱可塑性樹脂層13とが接着性樹脂層12によって接着された、試験例1の積層フィルムを作成した。
試験例1の積層フィルムに、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射した。この際、情報として、GS1データバーのなかの限定型合成シンボルCC-Aタイプを印字した。レーザーマーキングに用いた条件は、以下の通りである。
レーザー発振器 :MD-U1020C(株式会社キーエンス製)
スキャンスピード:3000mm/秒
出力 :2.5W
レーザーパワー :40%以上100%以下
Qスイッチ周波数:100kHz
スポット可変 :-60
印字回数 :1回
印字時間 :400ms以上500ms以下
[試験例2]
基材層11として、12μmの厚さを有したPETフィルムを用いた。熱可塑性樹脂層13として、60μmの厚さを有した低密度ポリエチレンフィルム(製品名:T.U.X FC-S:三井化学東セロ株式会社製)を用いた。アルミ層14として、7μmの厚さを有したアルミ箔を用いた。接着性樹脂層15として、15μmの厚さを有したポリエチレン層(ペトロセン213:東ソー株式会社製)を用いた。接着性樹脂層12を構成する接着性樹脂として、低密度ポリエチレン(ペトロセン213:東ソー株式会社製)、および、酸化チタンマスターバッチに含まれる低密度ポリエチレンを用い、無機化合物粉末として、酸化チタン粒子を用いた。酸化チタンマスターバッチとして、L-11135MPT(TiO濃度が60質量%:DIC株式会社製)を用いた。
まず、基材層11であるPETフィルムに、2液硬化型のポリウレタン系樹脂をアンカーコート剤として塗工した。次いで、押し出しラミネート法を用い、低密度ポリエチレンをアンカーコート層とアルミ箔との間に押し出して、PETフィルムとアルミ箔とのラミネート品を形成した。続いて、酸化チタンマスターバッチと低密度ポリエチレンとの混合樹脂を、熱可塑性樹脂層13である低密度ポリエチレンフィルムとラミネート品のアルミ箔との間に押し出して、ラミネート品と低密度ポリエチレンフィルムとを接着した。この際、接着性樹脂層12における酸化チタン粒子の含有量が10質量%となるように、15μmの接着性樹脂層12を形成した。これにより、基材層11とアルミ層14とが接着性樹脂層12によって接着されて、アルミ層14と熱可塑性樹脂層13とが接着性樹脂層15によって接着された、試験例2の積層フィルムを作成した。そして、試験例2の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射した。
[試験例3]
基材層11として、30μmの厚さを有したOPPフィルムを用いる以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例3の積層フィルムを作成した。そして、試験例3の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射した。
[試験例4]
無機化合物粉末として、酸化亜鉛粒子を用い、無機化合物粉末の供給材料として酸化亜鉛マスターバッチ(ZnO濃度が60質量%)を用いること以外は、試験例3と条件を同じくして、試験例4の積層フィルムを作成した。この際、接着性樹脂層12における酸化亜鉛粒子の含有量が20質量%となるように、15μmの接着性樹脂層12を形成した。そして、試験例4の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射した。
[試験例5]
接着性樹脂層12の全量に対して酸化チタン粒子の含有量が5質量%となるように、15μmの接着性樹脂層12を形成すること以外は、試験例1と条件を同じくして、試験例5の積層フィルムを作成した。そして、試験例5の積層フィルムに、試験例1と条件を同じくして、透過波長である355nmの波長を有したレーザーを照射した。
[試験例6]
試験例1の積層フィルムに、533nmの波長を有したレーザーを照射した。この際、情報として、GS1データバーのなかの限定型合成シンボルCC-Aタイプを印字した。レーザーマーキングに用いた条件は、以下の通りである。
レーザー発振器 :MD-X1020(株式会社キーエンス製)
スキャンスピード:3000mm/秒
出力 :13W
レーザーパワー :40%以上100%以下
Qスイッチ周波数:100kHz
スポット可変 :-60
印字回数 :1回
印字時間 :400ms以上500ms以下
[評価]
各試験例の積層フィルムに関して、レーザーマーキングが行われている期間に揮発粒子が発生しているか否かの評価を目視によって評価した。また、レーザーマーキングが行われた箇所にピンホールが発生しているか否かを光学顕微鏡の観察結果を用いて評価した。さらに、レーザーマーキングされた情報について、XaminerELITE(ムナゾウ社製)を用いたシンボルコントラスト判定を行った。シンボルコントラスト値であるSC値は、クワイエットゾーンを含む、走査反射率波形上の最大反射率と最小反射率との差から求められ、以下の基準で評価した。各評価の結果を表1に示す。
A:SC値≧70%
B:70%>SC値≧50%
C:50%>SC値≧40%
D:40%>SC値≧20%
E:20%>SC値
試験例1から試験例4までの各試験例においては、ピンホールの発生、および、揮発粒子の発生が認められず、SC値が70%以上であることが認められた。試験例5においては、SC値が20%以上40%未満ではあるが、ピンホールの発生、および、揮発粒子の発生は認められなかった。一方で、試験例6においては、SC値が70%以上ではあるが、ピンホールの発生、および、フュームの発生が認められた。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)透過波長のレーザーによって変色する無機化合物粉末を含む接着性樹脂層12を有した積層フィルムは、接着性樹脂の黒化が抑制される一方で、無機化合物粉末を変色させることが可能である。そのため、レーザーマーキングにおいて揮発粒子が発生することを抑制できる。
(2)基材層11が透明樹脂層である場合には、レーザーマーキングによる情報を外部から読み取りやすくなる。また、情報の読み取りやすさが所望の程度である前提では、積層フィルムに照射するレーザーパワーを抑えることが可能でもあるから、揮発粒子が発生することをさらに抑制できる。
(3)無機化合物粉末の含有量が接着性樹脂層12に対して10質量%以上である場合には、情報のコントラストを高めることが可能であって、情報の読み取りやすさを向上できる。
(4)無機化合物粉末の含有量が接着性樹脂層12に対して40質量%以下である場合には、基材層11と熱可塑性樹脂層13との間における高い剥離強度を確保することが可能である。
(5)接着性樹脂を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含んでいるから、機械的、物理的、および、化学的に優れた性質を持ち、高い強度や耐熱性を有することが可能である。これにより、例えば、密封性の確保に高い強度を要する包装体などのように、適用対象の拡大化が可能となる。
(6)積層フィルムから製造される包装体は、包装体の外部からレーザーを照射することによってレーザーマーキングすることが可能であって、例えば、個々の内容物の製造番号などの可変情報を印刷することに適している。
(7)接着性樹脂層12に無機化合物粉末を含む構成は、積層フィルムの内部に情報が記録されるため、偽造、改ざん、および、変造を抑制可能であり、例えば、個人を特定し認証するID情報を含むセキュリティ媒体に関わる情報を印字することにも適している。
(8)接着性樹脂層12に無機化合物粉末を含む構成であれば、環境に対する耐性や意匠性の向上を求められる基材層11において、無機化合物粉末の添加による制約を軽減できる。また、対象物との接着性の向上を求められる熱可塑性樹脂層13においても、無機化合物粉末の添加による制約を軽減できる。
(9)接着性樹脂層12に無機化合物粉末を含む構成であれば、押し出しラミネート法において無機化合物粉末の含有量を変更することが容易であるから、情報のコントラストを積層フィルムの用途に合わせて調整することが容易ともなる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施できる。
・レーザーマーキングによる変色は、無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂で生じてもよい。接着性樹脂に変色が生じる場合であっても、無機化合物粉末の変色が接着性樹脂よりも優先的に生じる分だけ、揮発粒子が生じることを抑えることは可能である。
ただし、変色した無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂と、変色していない無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂とが同色である構成、すなわち、接着性樹脂が変色しない構成であれば、変色した無機化合物粉末と変色していない無機化合物粉末との間で、接着性樹脂を背景としたコントラストが高まる。加えて、接着性樹脂と変色していない無機化合物粉末とが同色である構成であれば、上述したコントラストがさらに高まる。無機化合物粉末が有する色は、無機化合物粉末を構成する材料、形状、大きさによって調整することが可能である。
・透過波長を有するレーザーは、熱可塑性樹脂層13から接着性樹脂層12に向けて照射されてもよい。この際、熱可塑性樹脂層13は、紫外線波長域のなかに透過波長を有する。
11…基材層、12,15…接着性樹脂層、12A…無変色体、12B…変色体、13…熱可塑性樹脂層、14…アルミ層。

Claims (8)

  1. 紫外線波長域のなかに透過波長を有する基材層と、
    熱可塑性樹脂層と、
    前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、
    前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含み、
    前記熱可塑性樹脂層は、前記熱可塑性樹脂層同士で熱溶着可能な層であり、
    前記接着性樹脂層を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含み、前記接着性樹脂層を挟む2つの層を互いに接着し、かつ、前記接着性樹脂層が含む前記無機化合物粉末を結着する
    積層フィルム。
  2. 前記基材層は、透明樹脂層である
    請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記無機化合物粉末の含有量は、前記接着性樹脂層の全量に対して10質量%以上である
    請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 紫外線波長域のなかに透過波長を有する基材層と、
    溶着された熱可塑性樹脂層と、
    前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、
    前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含み、
    前記接着性樹脂層を構成する樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を含み、前記接着性樹脂層を挟む2つの層を互いに接着し、かつ、前記接着性樹脂層が含む前記無機化合物粉末を結着する
    包装体。
  5. 前記無機化合物粉末の一部が前記透過波長のレーザーを受けて変色している
    請求項に記載の包装体。
  6. 前記接着性樹脂層は、変色した前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂と、変色していない前記無機化合物粉末の周囲に位置する接着性樹脂とが同色である
    請求項に記載の包装体。
  7. 積層フィルムにレーザーを照射すること、および、
    前記積層フィルムが備える熱可塑性樹脂層を加熱して熱溶着を行うこと、を含む、包装体の製造方法であって、
    前記積層フィルムは、
    紫外線波長域のなかに透過波長を有する基材層と、
    前記基材層と前記熱可塑性樹脂層との間に位置する接着性樹脂層と、を備え、
    前記接着性樹脂層は、前記透過波長のレーザーを受けて変色する無機化合物粉末と、前記透過波長のレーザーを前記無機化合物粉末よりも透過する接着性樹脂と、を含み、
    前記接着性樹脂層を構成する樹脂は、ポリオレフィン樹脂を含み、前記接着性樹脂層を挟む2つの層を互いに接着し、かつ、前記接着性樹脂層が含む前記無機化合物粉末を結着し、
    前記レーザーを照射することでは、前記透過波長のレーザーを前記基材層から前記接着性樹脂層に向けて照射して前記無機化合物粉末を変色させる
    包装体の製造方法。
  8. 前記レーザーを照射することは、前記包装体に内容物が充填された後に行われる
    請求項に記載の包装体の製造方法。
JP2019226992A 2019-12-17 2019-12-17 積層フィルム、包装体、および、包装体の製造方法 Active JP7447462B2 (ja)

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