JP4957698B2 - 包装用袋の製造法 - Google Patents
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Description
而して、近年、上記の積層材においては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等が透過し、この透過した光が内容物に影響し、例えば、内容物を分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすという問題点があることから、遮光性あるいは光遮断性材料が種々検討され、種々の遮光性あるいは光遮断性材料が開発され、提案されている。
而して、上記の遮光性あるいは光遮断性材料として、最も一般的なものとしては、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が使用されている。
ところで、上記のアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用すると、当該アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム等は、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有すると共に太陽光あるいは蛍光等の光遮断性を有するので、極めて有用な材料であるが、アルミニウム箔等は、耐屈曲性等に欠けることから、ピンホ−ルが発生し易く、そのバリア性を損なうという問題点があるばかりではなく、包装用容器として使用後、これをゴミとして廃棄処理する場合、例えば、焼却処理等により廃棄処理すると、アルミニウム等の金属が残り、焼却炉を損傷し兼ねず、その廃棄処理適性に欠けると共に環境破壊等の問題を引き起し、環境適性等にも欠けるという問題点があることから好ましくないものである。
更に、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用する場合、例えば、内容物に混入した金属片(異物)等を探知する金属探知機等を使用して金属片(異物)等の検査を行うと、そのアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等が、金属探知機に反応し、その金属片(異物)を探知して検査を行うということが極めて困難であるという問題点もある。
具体的には、白色顔料の含有量が5〜20重量%であり、かつ厚みが10μm以上である乳白色系フィルムと、黒色顔料の含有量が0.2〜1.0重量%であり、かつ該黒色顔料1に対し、重量比で2.0〜60の割合で白色顔料を含有し、かつ厚みが10μm以上である灰色系フィルムとを積層してなる食品包装用積層フィルム、更には、上記の食品包装用積層フィルムにおける灰色系フィルム側にエチレン−α−オレフィン共重合体からなるフィルム層を積層した食品包装用積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
一般に、感光性材料は、内容物の保護、光学機能性の保護等のため、紫外領域から可視領域までの高い遮光性(完全遮光)が要求されるものである。
因みに、産業部材としての感光性材料等の製品を保護するためには、全領域における光線を遮蔽しなければならないものであり、400nm〜700nmの可視光域と、400nm以下の紫外光の遮光は必須であり、できる限り700nm以上の赤外光においても遮蔽する必要があるものである。
これまで、感光性材料等を包装する包装用材料としては、その遮光性機能をアルミニウム箔のラミネ−ト材等から補完し、銀色ベ−スからなる包装用材料が主流となっているものである。
しかし、アルミニウム箔等の使用は、前述のような問題点を有するばかりではなく、更に、ラミネ−ト時の接着剤等の使用による作業環境、周辺環境の悪化等を招くという問題点もあるものである。
そこで本発明は、アルミニウムレスであり、また、その強度等に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、ヒ−トシ−ル性、その他等の諸物性に優れ、特に、遮光性に優れ、飲食品、化成品等は勿論のこと、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料の包装用材料として極めて優れた有用性を有し、内容物の充填包装適性、保存適性等に優れ、かつ、包装外観を損ねることなく美粧性に優れ、更に、金属探知機による異物検査が容易であると共に使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れた多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製袋しなる包装用袋の製造法を提案することである。
白色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料の含有量が、5.0重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物と、
透明ないし半透明の樹脂層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを使用して共押出して、
上記透明ないし半透明の樹脂層と上記白色着色層と上記灰色着色層と上記白色着色層と上記透明ないし半透明の樹脂層の順に積層した5層の積層構造からなる共押出多層積層フィルムを製造し、
次に、上記の共押出多層積層フィルムの一方の面に、少なくとも、プラスチックフィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、の1種ないし2種以上から構成される基材フィルムを積層して積層材を製造し、
しかる後、上記の積層材を使用し、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせて重合体を製造し、
次いで、上記の重合体の周辺端部を、その内面層を構成する共押出多層積層フィルムをヒ−トシ−ル性樹脂層としてヒ−トシ−ルして製袋すること
を特徴とする包装用袋の製造法に関するものであり、また、本発明は、灰色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、2.0重量%〜25.0重量%からなり、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜15倍からなる樹脂組成物と、
白色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料の含有量が、5.0重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物と、
透明ないし半透明の樹脂層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを使用して共押出して、
上記透明ないし半透明の樹脂層と上記白色着色層と上記灰色着色層と上記透明ないし半透明の樹脂層の順に積層した4層の積層構造からなる共押出多層積層フィルムを製造し、
次に、上記の共押出多層積層フィルムの一方の面に、少なくとも、プラスチックフィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、の1種ないし2種以上から構成される基材フィルムを、上記灰色着色層が、基材側に位置するように積層して積層材を製造し、
しかる後、上記の積層材を使用し、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせて重合体を製造し、
次いで、上記の重合体の周辺端部を、その内面層を構成する共押出多層積層フィルムをヒ−トシ−ル性樹脂層としてヒ−トシ−ルして製袋すること
を特徴とする包装用袋の製造法に関するものである。
まず、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する層構成についてその二三例を例示して図面を用いて説明すると、図1、および、図2は、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムについてその二例の層構成を示す概略的断面図であり、図3は、上記の図1、または図2に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製造した包装用材料としての積層材についてその一例の層構成を示す概略的断面図であり、図4および図5は、上記の図3に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して積層材を製造し、次いで、該積層材を使用し、これを製袋して製造した本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製袋した包装用袋についてその一例の構成を示す概略的斜視図である。
図2に示した多層積層樹脂フィルムA1は、上記の灰色着色層2aから構成される灰色着色層2を基本構造として、その灰色着色層2の両方の面に、上記の白色着色層3aから構成される白色着色層3、3を積層し、更に、その両方の面に、上記の透明ないし半透明の樹脂層4、4を積層した5層構造から構成されるものである。
次に、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムにおいて、白色着色層は、基本的には、主として、上記の灰色着色層を隠蔽する隠蔽層、および、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等を反射ないし拡散し、その透過を阻止する遮光性ないし光遮断性層等として作用し、更に、白色着色層の上に、例えば、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を直接あるいは間接的に形成する場合、当該白色着色層は、その印刷模様を構成する所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を鮮明にする下地層として作用し、また、白色着色層は、後述する包装用材料としての積層材を構成し、これを使用して製袋する際に、例えば、シ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用するものである。
而して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、アルミニウムレスであることから、使用後において、焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れているものであり、また、金属探知機等による金属片(異物)検査を容易にするという利点を有するものである。
例えば、図示しないが、上記のように基材フィルムの裏面に印刷模様層等を形成する代りに、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する白色樹脂層、あるいは、透明ないし半透明の樹脂層等の表面に、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等からなる印刷模様層を形成した後、該印刷模様層を含む面に、基材フィルムを重ね合わせ、次いで、その両者の層間を、例えば、ラミネ−ト用接着剤層等を介して積層して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を製造することもができるものである。
また、本発明においては、上の図2に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用し、上記の図3等に示すと同様に他の基材フィルム等と任意に積層し、種々の形態からなる包装用材料としての積層材を任意に製造し得ることができるものである。
更に、本発明においては、図示しないが、更に、その使用目的、用途等によって、例えば、バリア性基材、その他の基材を任意に積層して、種々の形態からなる多層積層樹脂フィルムを使用した積層材を設計して製造することができるものである。
而して、本発明においては、図5に示すように、上記で製造した三方シ−ル型の袋状容器本体Cの開口部22から、例えば、飲食品、果汁、ジュ−ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、その他等の各種の飲食料品、液体洗剤、化粧品、化成品、感光性材料、その他の物品からなる内容物23を充填し、次いで、上方の開口部22の端部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部24等を形成して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製造した積層材を製袋した包装用袋Cを使用した種々の形態からなる包装製品Dを製造することができるものである。
また、本発明においては、上記の図2に示す本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製造する包装用材料としての積層材等を使用し、上記と同様に製袋して本発明にかかる種々の形態からなる包装用袋を製造し得ることができ、更に、それを使用した包装製品等を任意に製造し得ることは言うまでもないことである。
而して、本発明においては、灰色着色層、白色着色層、および、透明ないし半透明の樹脂層等を形成する熱可塑性樹脂としては、各層共、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体をビヒクルの主成分として使用することが好ましいものである。
また、本発明においては、上記のような熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する白色着色層、あるいは、透明ないし半透明の樹脂層等を形成することにより、その一方の層については、相互に熱融着し得る熱可塑性樹脂で構成していることから、包装用袋等の製袋時に、シ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用し、極めて良好なシ−ル部等を形成し得るものである。
本発明においては、上記の黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、鉄黒、黒鉛、または、カ−ボンブラック、電気伝導性材料(ポリアニリン、ポリピロ−ル)、その他等の黒色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
その使用量としては、灰色着色層を構成する樹脂組成物を形成する熱可塑性樹脂に対し、2.0重量%〜25.0重量%位、好ましくは、5.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
本発明においては、上記の白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
その使用量としては、灰色着色層を形成する場合には、黒色顔料の含有量に対し1倍〜15倍位が好ましく、また、白色着色層を形成する場合には、白色着色層を構成する樹脂組成物を形成する熱可塑性樹脂に対し、5.0重量%〜30.0重量%位、好ましくは、8.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
なお、本発明においては、上記の本発明にかかる透明ないし半透明の樹脂層を形成する少なくとも熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする透明ないし半透明の樹脂組成物には、例えば、上記の灰色着色層、白色着色層等を隠蔽するために、例えば、有彩色の染料・顔料等の着色剤の1種ないし2種以上を添加して、少なくとも熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を調製することができる。
上記において、有彩色の染料・顔料等の着色剤としては、例えば、アゾ系染料・顔料、アントラキノン系染料・顔料、フタロシアニン系染料・顔料、キナクリドン系染料・顔料、ジオキサジン系染料・顔料、その他等の有機系染料・顔料、黄鉛、クロムバ−ミリオン、紺青、弁柄、その他等の無機系顔料等を使用することができる。
勿論、本発明においては、上記の白色顔料を使用することもできる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
その添加量としては、樹脂100重量部に対し0.01〜3重量%位が好ましい。
なお、一般的に、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを押出製膜化する場合、フィルム製膜化にとって、例えば、製品替え(パ−ジ)時に、押出機等の分解清掃等の作業が負荷されるので、樹脂組成物中に顔料等の着色剤を使用することは回避したいものであり、着色剤無添加フィルムの製膜化が望まれるものである。
そこで本発明においては、押出機の顔料等の着色剤による汚れを回避できないものの一番分解が困難であるダイスにおいて、顔料等の着色剤による汚れが生じない積層フィルムを製膜化すべく、外層として、顔料等の着色剤を添加しない熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用し、これにより、顔料等の着色剤無添加の樹脂膜を5μm〜40μmとし、これにより、ダイスの汚れ等を保護するという利点を有するものである。
また、本発明においては、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを製造するに際して、更に、その使用目的、用途等によって、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる多層積層樹脂フィルムを設計して製造することができるものである。
更に、本発明においては、上記の白色着色層の一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その白色樹脂層の他方が、製袋時等におけるシ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
また、本発明においては、上記の透明ないし半透明の樹脂層は、上記の灰色着色層あるいは白色着色層等を保護、あるいは、隠蔽すると共にその透明ないし半透明の樹脂層の一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その透明ないし半透明の樹脂層の他方が、製袋時等におけるシ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
而して、上記の多層積層樹脂フィルムにおいて、該多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚としては、まず、灰色着色層としては、膜厚5μm〜40μm、好ましくは、10μm〜30μm位、白色着色層としては、膜厚5μm〜40μm、好ましくは、10μm〜30μm位、透明ないし半透明の樹脂層としては、膜厚5μm〜40μm、好ましくは、10μm〜20μm位の範囲からなることが好ましいものである。
上記において、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚として、まず、灰色着色層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、遮光性ないし光遮断性層等としての機能が低下し、更に、厚みムラに大きく左右されるという問題点を生じるおそれがあること等の理由から好ましくなく、また、膜厚40μmを越えると、遮光性ないし光遮断性等は高くなるが、それを隠蔽する白色着色層等の設定、選択等が困難になること等の理由から好ましくなく、次に、白色着色層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、灰色着色層を隠蔽することが困難になり、外観上、美観性等が低下することと、白色着色層の上に、印刷模様層等を設ける場合、印刷模様層等の階調あるいは色調等が影響を受けること等、更に、ヒ−トシ−ル性樹脂層等としての機能も低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚40μmを越えると、灰色着色層の隠蔽性等は高くなるものの、全体の厚みが大きくなり、包装ゴミ等として環境に与える影響等が大きくなる恐れがあること等の理由から好ましくなく、更に、透明ないし半透明の樹脂層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、保護性、隠蔽性等の機能を奏することが困難になり、また、外観性、美観性等が低下し、更に、ヒ−トシ−ル性樹脂層等としての機能も低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚40μmを越えると、全体の層厚が大きくなり、廃棄する際に、環境対応等に好ましくないことの理由から好ましくなくないものである。
また、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、金属(異物)探知機等に反応せず、それによる金属片(異物)検査を容易にするという利点を有するものである。
而して、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、これを遮光性ないし光遮断性材料あるいはヒ−トシ−ル性樹脂層等として使用し、これと、他のプラスチックフィルム等の基材フィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、ガラス板、その他等の種々の基材の1種ないし2種以上と任意に積層して、種々の形態からなる積層材を製造し、而して、該積層材を包装用袋等を構成する包装用材料、その他等の用途に適用し得るものである。
上記の例示は、その一例であり、本発明はこれによって限定されるものではない。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
そのフィルムの厚さとしては、5μmないし100μm位、好ましくは、10μmないし50μm位が望ましい。
なお、本発明においては、上記のような基材フィルムには、例えば、文字、図形、記号、絵柄、模様等の所望の印刷絵柄を通常の印刷法で表刷り印刷あるいは裏刷り印刷等が施されていてもよい。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。
上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し製膜、インフレ−ション製膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シ−ト状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。
而して、上記の接着剤は、例えば、ロ−ルコ−ト法、グラビアロ−ルコ−ト法、キスコ−ト法、その他等のコ−ト法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
上記のアンカ−コ−ト剤は、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングすることができ、そのコ−ティング量としては、0.1〜5g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
なお、上記の押出ラミネ−ト積層法において、より強固な接着強度を得るために、例えば、上記のアンカ−コ−ト剤等のアンカ−コ−ト剤層を介して、積層することができる。
而して、上記の印刷模様層としては、通常のインキビヒクルの1種ないし2種以上を主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、前述のコ−ティング薄膜の上に、文字、図形、記号、模様等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができる。
なお、本発明においては、例えば、ロ−ルコ−ト、グラビアロ−ルコ−ト、キスコ−ト、その他等のコ−ティング法を用いてコ−ティングしてプライマ−コ−ト剤層を形成することができ、而して、そのコ−ティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
また、本発明においては、上記の積層を行う際に、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理をフィルムに施すことがでる。
而して、その製袋方法としては、上記の積層材を、その内層の面を対向させて折り曲げるか、あるいはその二枚を重ね合わせ、更にその外周の周辺端部を、例えば、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、本発明にかかる種々の形態の包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、本発明においては、上記の積層材を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記において、ヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
なお、本発明においては、上記のような包装袋には、例えば、ワンピ−スタイプ、ツウ−ピ−スタイプ、その他等の注出口、あるいは開閉用ジッパ−等を任意に取り付けることができる。
また、その形状は、角形容器、丸形等の円筒状の紙缶等のいずれのものでも製造することができる。
而して、本発明においては、特に、例えば、醤油、ソ−ス、ス−プ等を充填包装する液体用小袋、生菓子等を充填包装する軟包装用袋、あるいは、ボイルあるいはレトルト食品等を充填包装する軟包装用袋等の液体飲食物あるいは水分等を含む飲食物等を充填包装する包装用容器として有用なものである。
本発明においては、例えば、上記で製造した三方シ−ル型の包装袋の開口部から、例えば、飲食品、その他等の内容物を充填し、次いで、上方の開口部をヒ−トシ−ルして上方のシ−ル部等を形成し、更に、必要に応じて、例えば、ボイル処理、レトルト処理等を施して、種々の形態からなる包装製品を製造することができるものである。
また、本発明においては、特に、産業材料としての感光性材料、例えば、フィルム、感光剤、その他等の物品を充填包装する包装用容器として有用なものである。
なお、本発明においては、上記に例示の包装用袋に限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、軟包装用袋、液体紙製容器、紙缶、その他等の種々の形態の包装用容器を製造することができることは言うまでもないことである。
特に、冷凍飲食品等においては、通常、ス−パ−等の量販店で取り扱われることが多く、この場合、蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置かれて販売されているのが実状である。
而して、上記のような環境下において販売されている冷凍飲食品等は、油脂成分が、500nm以下の波長の光線による影響を大きく受け、550nm前後の黄色帯域に可視光の吸収極大を持っていることから、蛍光灯等による蛍光等の影響を受け、その酸化反応が促進し、内容物の分解ないし変質等を生じるおそれがあるものである。
しかしながら、上記のように本発明にかかる多層積層樹脂フィルムは、特に、遮光性ないし光遮断性に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止することが可能であることから、本発明にかかる多層積層樹脂フィルムを使用して製造した積層材から製袋した包装袋を使用した冷凍飲食品においては、ス−パ−等の量販店で取り扱われ、蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置かれて販売されて、蛍光灯等による蛍光等の影響を受けても、それによる酸化反応の促進を防止し、内容物の分解ないし変質等の発生を防止し得るものである。
また、本発明において、上記で製造される包装製品は、アルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着フィルム等を使用しないことから、金属(異物)探知機を使用し、金属(異物)探知機等による金属(異物)探知も可能であるという利点を有するものである。
実施例1
(1).まず、下記の(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕70.0重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック5.0重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ホ).(第五層)に第一層と同様のにシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第5層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して5層からなる厚さ50μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムは、両外層とも乳白色で美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全領域において光線透過がほとんどなく、全光線透過率=0.0%と極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスム−ズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その第2の白色樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から感光性写真フィルム(未露光のもの)を充填し、しかる後、その開口部の端部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、ス−パ−等の量販店において蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置いて販売しても、内容物の分解ないし変質等は認められなかった。
また、上記で製造した包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕65.0重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック10.0重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ホ).(第五層)に第一層と同様のにシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第5層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ホ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を10μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μm、(ホ)の樹脂組成物による層を5μmにそれぞれ共押出して5層からなる厚さ50μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムは、両外層とも乳白色で美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全領域において光線透過がほとんどなく、全光線透過率=0.0%と極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスム−ズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その第2の白色樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から感光性写真フィルム(未現像)を充填包装し、しかる後、その開口部の端部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、ス−パ−等の量販店に置いて販売しても、内容物の分解ないし変質等は認められなかった。
また、上記で製造した冷凍包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
(イ).(第一層)にシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第1層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ロ).(第二層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第2層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ハ).(第三層)に第一層と同様のシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕70.0重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック5.0重量部と、白色顔料として酸化チタン25.0重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第3層を構成する樹脂組成物を調製した。
(ニ).(第四層)に第一層と同様のにシングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体〔三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度、0.916g/m3 、メルト フロ−レ−ト(MFR)、1.5/10分〕100.0重量部と、合成シリカ0.5重量部と、エルカ酸アミド0.05重量部と、エチレンビスオレイルアミド0.05重量部とを十分に混練して、第4層を構成する樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した(イ)〜(ニ)の樹脂組成物を使用し、これらを、インフレ−ション共押出機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を10μm、(ロ)の樹脂組成物による層を15μm、(ハ)の樹脂組成物による層を20μm、(ニ)の樹脂組成物による層を15μmにそれぞれ共押出して4層からなる厚さ60μmの未延伸の多層積層樹脂フィルムを製造した。
上記で製造した多層積層樹脂フィルムは、美観性に優れ、また、遮光性ないし光遮断性は十分であり、全領域において光線透過がほとんどなく、全光線透過率=0.0%と極めて良好であった。
更に、試作後の樹脂交換もスム−ズに行え、有色顔料の滞留物を減少しているものであった。
(4).次いで、上記で製造した積層材の2枚を用意し、その第2の白色樹脂層の面を対向して重ね合わせ、しかる後、その外周周辺の端部を三方ヒ−トシ−ルしてシ−ル部を形成すると共に上方に開口部を有する三方シ−ル型の軟包装用袋を製造した。
上記で製造した三方シ−ル型の軟包装用袋内に、その開口部から感光性写真フィルム(未露光のもの)を充填し、しかる後、その開口部の端部をヒ−トシ−ルして上方シ−ル部を形成して包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、ス−パ−等の量販店において蛍光灯等による蛍光等を多く受ける陳列棚に置いて販売しても、内容物の分解ないし変質等は認められなかった。
また、上記で製造した包装製品は、金属探知機による異物検査も可能なものであった。
ヒ−トシ−ル性樹脂フィルムとして、膜厚50μmのポリオレフィン系樹脂フィルム(出光ユニテック株式会社製、商品名、MS−602CG)を使用し、これを比較評価した。
上記の実施例1〜3にかかる多層積層樹脂フィルム、および、比較例1にかかるポリオレフィン系樹脂フィルムについて、(1).全光線透過率、(2).遮光性を測定して評価した。
(1).全光線透過率の測定
これは、スガ試験機株式会社製、機種名、ヘ−ズメ−タ(SM−C)を使用して全光線における透過率を測定して評価した。
(2).遮光性の測定
これは、島津製作所株式会社製、機種名、UV−2400PC、分光光度計を用いて、220〔nm〕〜800〔nm〕の領域の光線透過率を測定して評価した。
上記の測定結果を下記の表1に示す。
A1 多層積層樹脂フィルム
B 積層材
C 包装用袋
D 包装製品
1 共押出多層積層樹脂フィルム
2 灰色着色層
2a 灰色着色層
3 白色着色層
3a 白色着色層
4 透明ないし半透明の樹脂層
11 基材フィルム
12 印刷模様層
13 ラミネ−ト用接着剤層
21 シ−ル部
22 開口部
23 内容物
24 上方のシ−ル部
Claims (9)
- 灰色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、2.0重量%〜25.0重量%からなり、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜15倍からなる樹脂組成物と、
白色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料の含有量が、5.0重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物と、
透明ないし半透明の樹脂層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを使用して共押出して、
上記透明ないし半透明の樹脂層と上記白色着色層と上記灰色着色層と上記白色着色層と上記透明ないし半透明の樹脂層の順に積層した5層の積層構造からなる共押出多層積層フィルムを製造し、
次に、上記の共押出多層積層フィルムの一方の面に、少なくとも、プラスチックフィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、の1種ないし2種以上から構成される基材フィルムを積層して積層材を製造し、
しかる後、上記の積層材を使用し、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせて重合体を製造し、
次いで、上記の重合体の周辺端部を、その内面層を構成する共押出多層積層フィルムをヒ−トシ−ル性樹脂層としてヒ−トシ−ルして製袋すること
を特徴とする包装用袋の製造法。 - 灰色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、2.0重量%〜25.0重量%からなり、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜15倍からなる樹脂組成物と、
白色着色層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料の含有量が、5.0重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物と、
透明ないし半透明の樹脂層を構成する、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物とを使用して共押出して、
上記透明ないし半透明の樹脂層と上記白色着色層と上記灰色着色層と上記透明ないし半透明の樹脂層の順に積層した4層の積層構造からなる共押出多層積層フィルムを製造し、
次に、上記の共押出多層積層フィルムの一方の面に、少なくとも、プラスチックフィルム、紙基材、酸素ガスあるいは水蒸気等の透過を阻止するバリア性基材、セロハン、織布ないし不織布、の1種ないし2種以上から構成される基材フィルムを、上記灰色着色層が、基材側に位置するように積層して積層材を製造し、
しかる後、上記の積層材を使用し、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせて重合体を製造し、
次いで、上記の重合体の周辺端部を、その内面層を構成する共押出多層積層フィルムをヒ−トシ−ル性樹脂層としてヒ−トシ−ルして製袋すること
を特徴とする包装用袋の製造法。 - 熱可塑性樹脂が、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマ−、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)を使用して重合したエチレン−α・オレフィン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、熱可塑性ポリエステル系樹脂、または、熱可塑性ポリアミド系樹脂からなることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 黒色顔料が、鉄黒、黒鉛、または、カ−ボンブラックからなる黒色系顔料の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜3のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 白色顔料が、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、または、ルチル形酸化チタンからなる白色系顔料の1種ないし2種以上からなることを特徴とする上記の請求項1〜4のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 灰色着色層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 白色着色層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜6のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 透明ないし半透明の樹脂層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
- 共押出多層積層樹脂フィルムが、全光線透過率1.0%以下からなることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載する包装用袋の製造法。
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