JP2023128643A - 遮光性接着樹脂組成物、多層フィルム、該多層フィルムの用途およびラミネートフィルム - Google Patents

遮光性接着樹脂組成物、多層フィルム、該多層フィルムの用途およびラミネートフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、バリア性樹脂層とヒートシール性樹脂層とを接着する遮光性接着樹脂組成物であって、極めて高い遮光性を発揮する樹脂組成物であり、更に多層フィルムの一層として使用した際に、該多層フィルムのヒートシール性を低下させない遮光性接着樹脂組成物を提供することである。【解決手段】層間接着強度が6.0N/15mm以上であり、MFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)が3~10g/10min.の酸変性ポリエチレン系樹脂と、黒色顔料と、必要に応じ配合されたポリエチレン系樹脂とからなり、その配合割合が、酸変性ポリエチレン系樹脂:黒色顔料:ポリエチレン系樹脂=50~99重量%:1~30重量%:0~40重量%であることを特徴とする遮光性接着樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は遮光性接着樹脂組成物に関する。また該樹脂組成物を用いた、バリア性に優れる多層フィルムに関する。詳しくは、優れた遮光性を示す樹脂組成物と、該樹脂組成物を用いたヒートシール性に優れる多層フィルムに関する。
レトルト食品、油脂類、冷凍食品、スナック菓子類等の食品や、感光性樹脂等の工業製品の包装材料として、紫外領域から可視光領域までの光線を遮り、更にガスバリア性に優れるフィルムが求められている。遮光性およびガスバリア性に優れた材料として、アルミニウム箔や金属を蒸着したフィルム等が知られており、基材フィルム/アルミニウム箔/シーラントフィルムを順に貼り合わせたラミネートフィルムは、スナック菓子等の包装材料として広く採用されている。
しかしながらアルミニウム箔等の金属箔や金属蒸着フィルムを用いたラミネートフィルムは金属探知機に反応するため、該ラミネートフィルムを用いた包装体は金属探知機を用いた異物(金属片)探知が困難であった。またアルミニウム箔を用いたラミネートフィルムは、電子レンジで温めると火花が発生することがあり、レンジアップする用途には使用することができなかった。更に金属を含むフィルムは、使用後、焼却処分すると残渣が多いという問題もあった。
特許文献1は、遮光性樹脂層とバリア性樹脂層とを含む共押出積層フィルムに関する発明である。該文献1の遮光性樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とし黒色顔料と白色顔料とを含む樹脂組成物からなる為、前述した金属探知機の問題や電子レンジ加熱による問題は発生しない。しかしながら特許文献1の実施例に開示された多層フィルムは、膜厚が70μmであるにもかかわらず全光線透過率が十分でなく(0.2~0.3%)、高い遮光性が求められる用途には適していない。
特許文献2も、アルミニウムを含まず遮光性とガスバリア性に優れた積層フィルムに関する発明で、白色樹脂層、第1の遮光性接着樹脂層、バリア性樹脂層、第2の遮光性接着樹脂層及びヒートシール性樹脂層を順次に積層した共押出積層フィルムが開示されている。しかしながら実施例を見ると、特許文献2のフィルムも膜厚が70μmであるにもかかわらず全光線透過率が十分でなく(0.2~0.5%)、高い遮光性が求められる用途には適していない。
特開2005-231041号公報 特開2008-080506号公報
本発明者らは、金属箔や金属蒸着フィルムを使用せずにガスバリア性を発揮できる多層フィルムであって、全光線透過率が極めて低い、具体的には0.1%を下回る多層フィルムの検討を行った。初めに、特許文献2に開示された、白色樹脂層、第1の遮光性接着樹脂層、バリア性樹脂層、第2の遮光性接着樹脂層及びヒートシール性樹脂層を順次に積層した共押出フィルムにおいて、遮光性樹脂層に添加する黒色顔料の量を増やすことを検討した。しかしながら遮光性樹脂層における黒色顔料の量を増やすと、多層フィルムを重ね合わせてヒートシールした時のシール強さが低下する結果となった。
本発明が解決しようとする課題は、バリア性樹脂層とヒートシール性樹脂層とを接着する遮光性接着樹脂組成物であって、極めて高い遮光性を発揮する樹脂組成物であり、更に多層フィルムの一層として使用した際に、該多層フィルムのヒートシール性を低下させない遮光性接着樹脂組成物を提供することである。
また該樹脂組成物を用いて、ヒートシール強さを低下させることなく、高い遮光性を示す多層フィルムを提供することである。
本発明は、金属箔や金属蒸着フィルムを使用しない多層フィルムにおいて、ガスバリア性とヒートシール性を発揮し、更に従来にない高い遮光性を示す多層フィルムの提供を目的とする。
本発明者らは、白色樹脂層、第1の遮光性接着樹脂層、バリア性樹脂層、第2の遮光性接着樹脂層及びヒートシール性樹脂層を順次に積層した共押出フィルムの、遮光性接着樹脂層における黒色顔料が増えると、多層フィルムのヒートシール強さが低下する原因について検討した。そしてヒートシール強さは、ヒートシール性樹脂層の樹脂組成や厚さだけでなく、各層間の接着強度が関係するものと推察した。詳しくはヒートシール性樹脂層が十分なシール強さを発揮しても、層間接着強度が低いとヒートシール強さが低くなるものと推察した。更に黒色顔料を増加すると、遮光性接着樹脂層における酸変性樹脂の割合が減り、層間の接着強度が低下し、多層フィルムをヒートシールした際のシール強さが低下すると推察した。そこで遮光性接着樹脂層に使用する接着樹脂として、層間接着強度の高い酸変性ポリエチレン系樹脂を採用したところ上記課題を解決するに至った。
即ち、本発明によると上記課題を解決する為の手段として、以下の[1]~[8]が提供される。
[1] 以下の方法にて測定される層間接着強度が6.0N/15mm以上であり、MFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)が3~10g/10min.の酸変性ポリエチレン系樹脂と、黒色顔料と、必要に応じ配合されたポリエチレン系樹脂とからなり、その配合割合が、酸変性ポリエチレン系樹脂:黒色顔料:ポリエチレン系樹脂=50~99重量%:1~30重量%:0~40重量%であることを特徴とする遮光性接着樹脂組成物。
<層間接着強度の測定方法>
酸変性ポリエチレン系樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体と共にTダイ共押出法にて共押出製膜し、40μmの直鎖状低密度ポリエチレン層/10μmの酸変性ポリエチレン系樹脂層/20μmのエチレン-ビニルアルコール共重合体層を順に備える3層のフィルムを製膜し、これを幅15mmの長方形に切り出して試験片を作成する。該試験片を、JIS K 6854-3:1999に準拠し、酸変性ポリエチレン系樹脂層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層の層間で、剥離速度300mm/minにてT形に剥離し、剥離に要する力を測定する。
[2] 少なくとも、バリア性樹脂層と、遮光性接着樹脂層と、ヒートシール性樹脂層と、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、前記遮光性接着樹脂層が、[1]の遮光性接着樹脂組成物からなることを特徴とする多層フィルム。
[3] 白色樹脂層/第1の遮光性接着樹脂層/バリア性樹脂層/第2の遮光性接着樹脂層/ヒートシール性樹脂層、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、第1の遮光性接着樹脂層及び/又は第2の遮光性接着樹脂層が、[1]の遮光性接着樹脂組成物からなることを特徴とする多層フィルム。
[4] 少なくとも、バリア性樹脂層と、遮光性接着樹脂層と、ヒートシール性樹脂層と、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、JIS K 7361-1:1997に準じて測定される全光線透過率が0.1%以下であり、上下熱板温度110℃、熱板幅10mm、シール圧力1MPa、シール時間0.7秒の条件にてヒートシールされた部分の、JIS Z 0238:1998に準じて測定されるヒートシール強さが6.0N/15mm以上であることを特徴とする多層フィルム。
[5] 前記バリア性樹脂層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体からなる層であることを特徴とする[2]乃至[4]のいずれかに記載の多層フィルム。
[6] 前記ヒートシール性樹脂層が、白色顔料を含むことを特徴とする[2]乃至[5]のいずれかに記載の多層フィルム。
[7] [2]乃至[6]のいずれかに記載の多層フィルムのシーラントフィルムとしての用途。
[8] [2]乃至[6]のいずれかに記載の多層フィルムと、基材フィルムとを、貼合してなるラミネートフィルム。
本発明の多層フィルムは、アルミニウム箔等の金属箔や金属蒸着フィルムを使用していない為、該フィルムで包装した包装体を金属探知機を用いて異物確認することができる。また該フィルムで包装した食品などを、皿などに移し替えることなく、電子レンジ加熱することができる。また使用後焼却処分した際の残渣が少ない。
更に従来のフィルムよりも高い遮光性を示すため、光により変質しやすい物品の包装に適する。該フィルムを食品の包装に利用すると、食品の劣化を抑えることができ、食品寿命の延長に寄与する為、食品ロスの問題を改善することができる。また光線や酸素等により品質が低下・劣化する目薬を始めとする医薬品の包装にも適する。
またヒートシール性樹脂層に白色顔料を添加すると、ヒートシール可能な温度範囲の下限側を下げることができる。これによりヒートシールに必要なエネルギー量を低減することができる。
更に、従来の金属箔を用いたラミネートフィルムは、ラミネート工程が2回(金属箔と基材フィルムを貼り合わせる工程と、金属箔とシーラントフィルムを貼り合わせる工程)必要であったが、本発明の多層フィルムを用いると、該フィルムがアルミニウム箔の機能とシーラントフィルムの機能を兼ね備えるため、1回のラミネート工程で、バリア性、遮光性、ヒートシール性等、諸性能に優れたラミネートフィルムを得ることができる。
本発明の多層フィルムの一実施例を表す模式的断面図である。 本発明のラミネートフィルムの一実施例を表す模式的断面図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではなく、同様の効果を奏する範囲において種々の実施形態をとることができる。
[遮光性接着樹脂組成物]
本発明の遮光性接着樹脂組成物は、接着樹脂である酸変性ポリエチレン系樹脂と、黒色顔料と、必要に応じ配合されたポリエチレン系樹脂とからなる。
酸変性ポリエチレン系樹脂は、ポリエチレンやポリエチレン系樹脂を、アクリル酸、メタクリル酸、オレイン酸、リノール酸、マレイン酸、フマル酸、その他の不飽和カルボン酸や、その無水物で変性した樹脂である。本発明ではこれらの酸変性ポリエチレン系樹脂の1種を単独で、或いは2種以上をブレンドして使用することができる。尚、層間接着強度や経済性を考慮すると、酸変性ポリエチレン系樹脂として、ポリエチレンあるいはポリエチレン系樹脂をマレイン酸やその無水物で変性した、マレイン酸変性ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。
本発明では酸変性ポリエチレン系樹脂の中でも、特に層間接着強度が大きい酸変性ポリエチレン系樹脂を用いる。具体的には、以下の層間接着強度の測定方法により測定される層間接着強度が、6.0N/15mmを超えるものを用いる。尚、層間接着強度は8.0N/15mm以上が好ましく、特に8.5N/15mm以上のものが好ましい。酸変性ポリエチレン系樹脂の層間接着強度を上げるためには、酸変性度を上げる等の手段を講じるとよい。層間接着強度の上限は特にないが、12.0N/15mmを超えるもの、特に15.0N/15mmを超えるものは入手困難である。
<層間接着強度の測定方法>
酸変性ポリエチレン系樹脂の層間接着強度は、初めに(1)試験用フィルムを製膜し、これを(2)所定幅に切り取って試験片を作成し、(3)該試験片の剥離強度を測定することにより求められる。
(1)試験用フィルムの製膜
試験用フィルムは、直鎖状低密度ポリエチレンやエチレン-ビニルアルコール共重合体と共にTダイ共押出法にて製膜される、直鎖状低密度ポリエチレン層/酸変性ポリエチレン系樹脂層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層の3層のフィルムである。各層の厚さは、直鎖状低密度ポリエチレン層40μm、酸変性ポリエチレン系樹脂層10μm、エチレン-ビニルアルコール共重合体層20μmである。
(2)試験片の作成
(1)にて製膜された試験用フィルムを幅15mmの長方形に切り出し、これを試験片とする。試験片の長さは特に限定されるものではないが、200mmを超えることが望ましい。
(3)剥離強度の測定
剥離強度はJIS K 6854-3:1999に準拠して行う。剥離速度は300mm/minとし、T形に剥離する力を引張試験機にて測定する。尚、予め試験片の一端を酸変性ポリエチレン系樹脂層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層の間で50mm程度剥離し、該剥離部を引張試験機のチャックに装着するとよい。
また、本発明の酸変性ポリエチレン系樹脂は、MFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)が3~10g/10min.である。後述する実施例で示すように、3g/10min.以下である比較例1で使用した酸変性ポリエチレン系樹脂では所望する層間接着強度が得られず、10g/10min.を超える酸変性ポリエチレン系樹脂は共押出成形によるフィルム製膜のしやすさにおいて問題があり好ましくない。
黒色顔料は、着色剤として、例えば、鉄黒、黒鉛、または、カーボンブラック等の従来公知の着色剤の1種もしくは2種以上を採用したものである。中でもカーボンブラックは入手しやすく、機能面にも優れるため、好適に採用することができる。
遮光性接着樹脂組成物に配合される黒色顔料の量は1~30重量%程度が好ましく、特に2~20重量%が好ましい。黒色顔料の量が1重量%未満では、全光線透過率が0.1%を超える可能性があり、30重量%を超えると多層フィルムの層間の接着強度が低下する恐れがある。
樹脂に顔料を添加するとき、直接添加すると色むらなどが発生する恐れがある。その為、顔料の多くは、樹脂に高濃度で分散させたマスターバッチ(以下、必要に応じMBと略称する)の形で販売されている。カーボンブラックMBの市販グレードはポリエチレン系樹脂をベース樹脂としており、酸変性ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするカーボンブラックMBは高価である。
従来の遮光層は、層間の接着強度を落とさない為に、酸変性ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするカーボンブラックMBの使用を余儀なくされていたが、本発明は酸変性ポリエチレン系樹脂の層間接着強度が高いため、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする汎用のカーボンブラックMBの利用も可能である。遮光性接着樹脂組成物には、0~40重量%、好ましくは1~30重量%のポリエチレン系樹脂の配合が可能であるので、ポリエチレン系樹脂の配合量が当該範囲となるように、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするカーボンブラックMBを使用するとよい。
遮光性接着樹脂組成物における酸変性ポリエチレン系樹脂、黒色顔料、ポリエチレン系樹脂の配合割合は、酸変性ポリエチレン系樹脂:黒色顔料:ポリエチレン系樹脂=50~99重量%:1~30重量%:0~40重量%であることが好ましく、特に70~97重量%:2~20重量%:1~30重量%であることが好ましい。
[多層フィルム]
本発明の多層フィルムは、少なくともバリア性樹脂層と、遮光性接着樹脂層と、ヒートシール性樹脂層とを順に備える。好ましくは、図1に示すように、白色樹脂層14/第1の遮光性接着樹脂層12’/バリア性樹脂層11/第2の遮光性接着樹脂層12/ヒートシール性樹脂層13を順に備える。
一般に多層フィルムが厚くなるにつれ、遮光性接着樹脂層が厚くなり、全光線透過率が低下するが、本発明の多層フィルムは膜厚が200μm以下であっても全光線透過率0.1%以下を達成することができる。多層フィルムの膜厚は、150μm以下、特に100μm以下、更に70μm以下、特に65μm以下、更には50μm以下であることが、経済性の面から望ましく、15μm以上、特に20μm以上、更には30μm以上であることが機能面から望ましい。各層の厚さも特に限定されるものではないが、白色樹脂層/遮光性接着樹脂層/バリア性樹脂層/遮光性接着樹脂層/ヒートシール性樹脂層が、順に3~50μm/2~30μm/3~40μm/2~30μm/3~50μm、特に5~40μm/2~20μm/3~30μm/2~20μm/5~40μm、更には10~30μm/2~10μm/3~15μm/2~10μm/10~30μmであることが望ましい。各層の厚さが薄すぎると所望の機能を発揮することができず、厚すぎると多層フィルムのコストアップにつながる。
<白色樹脂層>
白色樹脂層は、多層フィルムの表面に位置する層で、該フィルムをシーラントフィルムとして用いる場合には、白色樹脂層が基材フィルム側に位置するように、基材フィルムと貼り合わせるとよい。
白色樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂と白色顔料とからなる。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンやポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂等の1種乃至2種以上を使用することができる。中でも隣接する第1の遮光性接着樹脂層12’との層間接着強度を考慮すると、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。尚、白色樹脂層は、ヒートシール強さにあまり影響を与えない層である為、経済性を優先し、安価な樹脂を用いてもよい。
白色樹脂層に配合される白色顔料は、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、鉛白、塩基性炭酸塩、塩基性珪酸塩、リトポン、三酸化アンチモン、炭酸カルシウムを用いることができる。中でも酸化チタン(TiO)は、色味や経済性、入手のし易さなどから本用途に適する。
白色顔料の量が少ないと多層フィルムの外観が遮光性接着樹脂層の色(黒色)に近いものとなり、シーラントフィルムとして用いた場合に、基材フィルムに施された印刷の見栄えを悪化させる恐れがある。一方、白色顔料の量が多すぎると、樹脂分が不足し、白色樹脂層を成形することが困難となる。これらを考慮すると、白色樹脂層におけるポリオレフィン系樹脂と白色顔料の配合割合は、ポリオレフィン系樹脂:白色顔料=50~95重量%:5~50重量%、好ましくは、70~90重量%:10~30重量%、特に好ましくは、75~90重量%:10~25重量%である。
<遮光性接着樹脂層>
遮光性接着樹脂層12、12’は、バリア性樹脂層11とヒートシール性樹脂層13と、または、バリア性樹脂層11と白色樹脂層14と、を接着させる層で、更に多層フィルムに遮光性を付す層である。本発明の多層フィルム1は、第1の遮光性接着樹脂層12’、第2の遮光性接着樹脂層12の少なくとも一方、好ましくは両方が、前述した遮光性接着樹脂組成物からなる。
<バリア性樹脂層>
本発明のバリア性樹脂層11は酸素ガスバリア性の高い樹脂からなり、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロンMXD6樹脂等からなる。本発明においては、上記の樹脂の中でも、熱により溶融し、前述のポリオレフィン系樹脂等と共に共押出可能な樹脂、具体的には、エチレン-ビニルアルコール共重合体あるいはナイロンMXD6樹脂を使用することが好ましく、特にエチレン-ビニルアルコール共重合体が好ましいものである。尚、バリア性樹脂層11として、エチレンコンテントの異なる複数のエチレン-ビニルアルコール共重合体をブレンドして用いることもできる。
<ヒートシール性樹脂層>
ヒートシール性樹脂層13は、白色樹脂層と同様に、ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂の1種乃至2種以上を主成分とする。ポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリエチレンやポリエチレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、フマル酸その他の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、その他のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂の1種乃至2種以上を使用することができる。中でも隣接する第2の遮光性接着樹脂層12との層間接着強度や、多層フィルム1のヒートシール適性等を考慮すると、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
またヒートシール性樹脂層13には白色顔料が配合されることが好ましい。白色顔料によりヒートシール可能な温度範囲が引き下げられる為、ヒートシールに必要なエネルギー量を低減することができる。ヒートシール性樹脂層13に配合される白色顔料は、白色樹脂層14と同様に、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、鉛白、塩基性炭酸塩、塩基性珪酸塩、リトポン、三酸化アンチモン、炭酸カルシウムを用いることができる。中でも酸化チタン(TiO)は、熱伝導率に優れ、また入手も容易である為、本用途に適する。ヒートシール性樹脂層におけるポリオレフィン系樹脂と白色顔料の配合割合は、ポリオレフィン樹脂:白色顔料=50~95重量%:5~50重量%、好ましくは、70~90重量%:10~30重量%、特に好ましくは、75~90重量%:10~25重量%である。白色顔料の量が少なすぎると、ヒートシール可能な温度範囲の引き下げの効果を発揮することが難しく、またフィルムの外観が黒・灰色に近づくため、食品用途には好まれない。白色顔料の量が多すぎると、ヒートシール強さが低下する恐れがある。
更にヒートシール性樹脂層13には白色顔料及び黒色顔料の両方が配合されることが好ましい。白色顔料によりヒートシール可能な温度範囲が引き下げられる為、ヒートシールに必要なエネルギー量を低減することができると共に、黒色顔料により全光線透過率を更に低下させることができる。白色顔料と黒色顔料の配合は、重量比で99~80:1~20であることが好ましい。
尚、本発明の多層フィルムを構成する各層には、添加剤としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防黴剤、他の顔料、染料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤その他並びに改質用樹脂などを、本発明の効果を妨げない範囲において、使用することができる。
<フィルム中の白色顔料及び黒色顔料の含有量>
本発明の多層フィルムにおける黒色顔料の含有量(層厚み(μm)×当該層中に含まれる黒色顔料の配合割合(重量%)の合計値)は50~175であることが好ましく、特に80~130であることが好ましい。また、本発明の多層フィルムにおける白色顔料の含有量(層厚み(μm)×当該層中に含まれる白食顔料の配合割合(重量%)の合計値)が700~1800であることが好ましく、特に900~1600であることが好ましい。
本発明に係る多層フィルムは、各層における黒色顔料及び白色顔料の割合だけでなく、フィルム全体における黒色顔料及び白色顔料の量によって遮光性に影響があることから、フィルム全体の黒色顔料及び白色顔料の含有量を「層厚み(μm)×当該層中に含まれる黒色顔料の配合割合(重量%)の合計値」の式で規定したものである。
そして、フィルム全体の黒色顔料及び白色顔料の含有量を上記範囲に調整することで、遮光度、すなわち、JIS K 7361-1:1997に準じて測定される全光線透過率を0.1%以下に調整することが可能である。
[多層フィルムの製造方法]
本発明の多層フィルムは従来公知の製造方法により、製造することができる。例えば各層を形成する樹脂組成物を調製し、それらをTダイ共押出機、インフレーション共押出機などを使用して、共押出成形するとよい。尚、これは本発明の多層フィルムの製造法の一例を示したものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
[ラミネートフィルム]
本発明の多層フィルムは、該フィルムをそのまま包装用のフィルムとして利用してもよいが、ヒートシール性に優れるため、シーラントフィルムとして利用することもできる。
図2は、本発明のラミネートフィルム2の一実施例を表す模式的断面図である。図2のラミネートフィルム2は、シーラントフィルムとして用いられた本発明の多層フィルム10と基材フィルム20と、貼り合わせのための層30とからなる。該フィルムはスタンディングパウチなどの強度が求められる用途に好適に用いることができる。
基材フィルム20とシーラントフィルム(本発明の多層フィルム10)とを貼り合わせる方法は特に限定されるものではなく、例えば、ドライラミネート法や押出ラミネート法など、従来公知のラミネート方法を採用することができる。尚、基材フィルム20には、表面または裏面もしくはその両面に、任意の印刷を行うことができる。
ラミネートフィルム2に用いられる基材フィルム20としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フッ素系樹脂、その他の各種の樹脂のフィルムないしシートを使用することができる。また、上記の樹脂のフィルムないしシートとしては、未延伸フィルム、あるいは一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
尚、強度、耐突き刺し性、剛性、コスト等を考慮すると、基材フィルムとして膜厚が12~50μmの二軸延伸フィルムが好ましく、特に、厚さ9μm~30μmの二軸延伸ポリエステル系樹脂、二軸延伸ポリアミド系樹脂、または、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂のフィルムを使用することが好ましいものである。また基材フィルムは、単層のフィルムでもよいが、二種以上の基材フィルムを貼り合わせた複合フィルムであってもよい。
[試験例]
実施例に先立ち、白色顔料を配することによるヒートシール可能な温度領域の変化について確認した。
本発明の試験例では、以下の方法でヒートシール強さを測定する。
<ヒートシール強さ>
フィルムを二枚重ねて、幅10mmの熱板にて、シール時間0.7秒、シール圧力0.1MPaにてヒートシールを行う。この時、下側の熱板の温度は110℃に固定し、上側の熱板の温度を110℃から180℃に変化させる。
次いで、シールされたフィルムから幅15mm、展開長さ100mmの試験片を用意し、JIS Z 0238:1998の袋のヒートシール強さ試験に準じ、ヒートシール強さを測定する。尚、チャック間距離は40mm、引張速度は500mm/minとする。
[試験例1]
直鎖状低密度ポリエチレン(密度=926kg/m、MI=0.85g/10min)71.2重量%、高圧法低密度ポリエチレン(密度=924kg/m、MI=1.9g/10min)25.1重量%、酸化チタン3.7重量%、を混合した樹脂組成物を用い、インフレーション押出法にて60μmの単層フィルムを製膜した。得られたフィルムのヒートシール強さを測定した。結果を表1に記す。
[試験例2]
直鎖状低密度ポリエチレン(密度=926kg/m、MI=0.85g/10min)78.5重量%と、高圧法低密度ポリエチレン(密度=924kg/m3、MI=1.9g/10min)21.5重量%とからなる樹脂組成物を用い、インフレーション押出法にて60μmの単層フィルムを製膜した。得られたフィルムのヒートシール強さを測定した。結果を表1に記す。
Figure 2023128643000002
※単位はいずれもN/15mm
JIS Z 0238:1998では、普通のヒートシール強さの目安を6N/15mmとしている。試験例1のフィルムは上側の熱板温度150~160℃で当該強さを達成することができるが、試験例2のフィルムは上側の熱板温度を160~170℃にしなければならない。当該試験にて白色顔料を添加することにより、ヒートシールに必要なエネルギー量を低減できることが確認できた。
次いで実施例を行う。実施例では、以下の方法にて多層フィルムを評価する。
<ヒートシール強さ>
多層フィルムを、ヒートシール性樹脂層が接するように2枚重ね、試験例と同様にして測定する。
<全光線透過率>
JIS K 7361-1:1997に準じ、本発明の多層フィルムの全光線透過率を測定する。測定には日本電色工業(株)製ヘーズメータNDH4000型を用いる。
<酸素透過率>
JIS K7126-2:2006に準じ、本発明の多層フィルムの酸素透過度を測定する。尚、測定には(株)日立ハイテクサイエンス社製MOCON酸素透過率測定装置 OX-TRAN 2/21Hを用い、室温23℃、湿度60%の雰囲気下で行う。
<水蒸気透過率>
JIS K 7129:2008に準じ、本発明の多層フィルムの水蒸気透過度を測定する。尚、測定には(株)日立ハイテクサイエンス社製MOCON水蒸気透過率測定装置 PERMATRAN-W 3/34Gを用い、室温40℃、湿度90%の雰囲気下で行う。
[実施例1]
白色樹脂層として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL)54.3重量%と、低密度ポリエチレン(LD)13.9重量%と、低密度ポリエチレン(LD)に酸化チタン(TiO)を3:7の重量割合で混練した酸化チタンMB31.8重量%とを混合した樹脂組成物を用いる。
第1の遮光性接着樹脂層として、層間接着強度が6.2N/15mmの酸変性ポリオレフィン系樹脂(PE-a1)58.8重量%と、直鎖状低密度ポリエチレン3.0重量%と、低密度ポリエチレン(LD)とカーボンブラック(CB)とを6:4の重量割合で混錬したカーボンブラックMB38.2重量%とを混合した樹脂組成物を採用する。尚、酸変性ポリオレフィン系樹脂(PE-a1)のMFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)は4.5g/10min.。
ガスバリア性樹脂としてエチレン-ビニルアルコール(EVOH)を採用する。
第2の遮光性接着樹脂層として、第1の遮光性接着樹脂層と同じ樹脂組成物を採用する。
ヒートシール性樹脂層として、直鎖状低密度ポリエチレン(LL)39.9重量%と、低密度ポリエチレン(LD)13.9重量%と、改質剤(低結晶性αオレフィン共重合体)14.4重量%と、低密度ポリエチレン(LD)に酸化チタン(TiO2)を3:7の重量割合で混練した酸化チタンMB31.8重量%とを混合した樹脂組成物を用いる。
各樹脂を環状のダイスに押出し、インフレーション共押出法にて白色樹脂層/第1の遮光性接着樹脂層/バリア性樹脂層/第2の遮光性接着樹脂層/ヒートシール性樹脂層の多層フィルムを製膜した。各層の厚さは、白色樹脂層/第1の遮光性接着樹脂層/バリア性樹脂層/第2の遮光性接着樹脂層/ヒートシール性樹脂層の順に22.0μm/4.8μm/4.9μm/3.7μm/19.6μmであった。フィルム中の白色顔料及び黒色顔料の含有量(層厚み(μm)×当該層中に含まれる白食顔料の配合割合(重量%)の合計値)及び得られたフィルムの物性を表2に記す。
[実施例2]
各層を構成する樹脂組成を表2に記すように変化させた以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。フィルム中の白色顔料及び黒色顔料の含有量(層厚み(μm)×当該層中に含まれる白食顔料の配合割合(重量%)の合計値)及び得られたフィルムの物性を表2に併せて記す。
[比較例1]
本発明の多層フィルムの性能を評価する為に、特許文献2の実施例1の遮光性積層シーラントフィルムを比較例1とし、その物性を表2に合わせて記す。尚、比較例1において使用されている酸変性ポリエチレン(PE-a3:三井化学株式会社性製、アドマー(登録商標)NF528)の層間接着強度は5.9N/15mmである。尚、酸変性ポリオレフィン系樹脂(PE-a3)のMFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)は2.4g/10min.。
Figure 2023128643000003
本発明の多層フィルムは、特許文献2の実施例において開示されたフィルム(膜厚70μm、全光線透過率0.2~0.5%)よりも薄膜であるにもかかわらず、高い遮光性を示す(膜厚55μm、全光線透過率0.00%)ことが確認できた。またカーボンブラックの配合量が多いにもかかわらず、6N/15mmを超えるヒートシール強さを発揮することが確認できた。これは、カーボンブラックが配合された樹脂組成部における酸変性樹脂として優れた層間接着強度を示す樹脂を採用した為、ヒートシール強さを低下させることなく、該層に多くのカーボンブラックを配合することができた為である。また100℃におけるヒートシール強さが6.0N/15mmを大きく上回ったが、これは改質剤(低結晶性αオレフィン共重合体)による効果と思われる。加えて、実施例1、2のフィルムはいずれも優れた酸素バリア性、水蒸気バリア性を示した。
[実施例3~5]
各層を構成する樹脂組成を表3に記すように変化させた以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを得た。フィルム中の白色顔料及び黒色顔料の含有量(層厚み(μm)×当該層中に含まれる白食顔料の配合割合(重量%)の合計値)及び得られたフィルムの物性を表3に合わせて記す。尚、実施例5では、酸変性樹脂として、層間接着強度が9.0N/15mmの酸変性ポリオレフィン系樹脂(PE-a2)を使用した。尚、酸変性ポリオレフィン系樹脂(PE-a2)のMFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)は6.5g/10min.。
Figure 2023128643000004
実施例3と実施例4とを比較することにより、同じPE-a1を用いた場合であっても、ヒートシール性樹脂層の厚さを厚くすることにより、ヒートシール強さが上がることが確認できた。更に実施例3と実施例4の差、実施例3と実施例5の差を比較することにより、ヒートシール性樹脂層の厚さよりも、遮光性接着樹脂層に用いられる酸変性ポリエチレン系樹脂の層間接着強度の方が、ヒートシール強さに及ぼす影響が大きいことが確認できた。
1、10 多層フィルム
11 バリア性樹脂層
12 (第2の)遮光性接着樹脂層
13 ヒートシール性樹脂層
12’ (第1の)遮光性接着樹脂層
14 白色樹脂層
2 ラミネートフィルム
20 基材フィルム
30 貼り合わせのための層


Claims (8)

  1. 以下の方法にて測定される層間接着強度が6.0N/15mm以上であり、MFR(190℃、2.16kg、ASTM D1238)が3~10g/10min.の酸変性ポリエチレン系樹脂と、黒色顔料と、必要に応じ配合されたポリエチレン系樹脂とからなり、その配合割合が、酸変性ポリエチレン系樹脂:黒色顔料:ポリエチレン系樹脂=50~99重量%:1~30重量%:0~40重量%であることを特徴とする遮光性接着樹脂組成物。
    <層間接着強度の測定方法>
    酸変性ポリエチレン系樹脂を、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-ビニルアルコール共重合体と共にTダイ共押出法にて共押出製膜し、40μmの直鎖状低密度ポリエチレン層/10μmの酸変性ポリエチレン系樹脂層/20μmのエチレン-ビニルアルコール共重合体層を順に備える3層のフィルムを製膜し、これを幅15mmの長方形に切り出して試験片を作成する。該試験片を、JIS K 6854-3:1999に準拠し、酸変性ポリエチレン系樹脂層/エチレン-ビニルアルコール共重合体層の層間で、剥離速度300mm/minにてT形に剥離し、剥離に要する力を測定する。
  2. 少なくとも、バリア性樹脂層と、遮光性接着樹脂層と、ヒートシール性樹脂層と、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、
    前記遮光性接着樹脂層が、請求項1記載の遮光性接着樹脂組成物からなることを特徴とする多層フィルム。
  3. 白色樹脂層/第1の遮光性接着樹脂層/バリア性樹脂層/第2の遮光性接着樹脂層/ヒートシール性樹脂層、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、
    第1の遮光性接着樹脂層及び/又は第2の遮光性接着樹脂層が、請求項1記載の遮光性接着樹脂組成物からなることを特徴とする多層フィルム。
  4. 少なくとも、バリア性樹脂層と、遮光性接着樹脂層と、ヒートシール性樹脂層と、を順に備える厚さが200μm以下の多層フィルムであって、
    JIS K 7361-1:1997に準じて測定される全光線透過率が0.1%以下であり、
    上下熱板温度110℃、熱板幅10mm、シール圧力1MPa、シール時間0.7秒の条件にてヒートシールされた部分の、JIS Z 0238:1998に準じて測定されるヒートシール強さが6.0N/15mm以上であることを特徴とする多層フィルム。
  5. 前記バリア性樹脂層が、エチレン-ビニルアルコール共重合体からなる層であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の多層フィルム。
  6. 前記ヒートシール性樹脂層が、白色顔料を含むことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の多層フィルム。
  7. 請求項2乃至6のいずれかに記載の多層フィルムのシーラントフィルムとしての用途。
  8. 請求項2乃至6のいずれかに記載の多層フィルムと、基材フィルムとを、貼合してなるラミネートフィルム。

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