JP2017165435A - 光架橋性シートの梱包体および光架橋性シートの保管方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】保管時や輸送時における変質が抑制された光架橋性シートを提供すること。【解決手段】本発明の光架橋性シートの梱包体は、エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートと、上記光架橋性シートを収納する梱包材と、を備え、上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である。【選択図】なし
Description
本発明は、光架橋性シートの梱包体および光架橋性シートの保管方法に関する。
地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンかつ枯渇のおそれが無いエネルギー生成手段として太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
上記の太陽電池モジュールは、例えば、以下の手順によって製造される。
まず、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/受光面側封止層(受光面側封止シート)/太陽電池素子/裏面側封止層(裏面側封止シート)/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)の順に積層して積層体を形成する。
次いで、得られた積層体を加圧および加熱して一体化する。その後、封止シートを架橋硬化させることにより、太陽電池モジュールが製造される。
まず、太陽電池モジュール用保護シート(表面側透明保護部材)/受光面側封止層(受光面側封止シート)/太陽電池素子/裏面側封止層(裏面側封止シート)/太陽電池モジュール用保護シート(裏面側保護部材)の順に積層して積層体を形成する。
次いで、得られた積層体を加圧および加熱して一体化する。その後、封止シートを架橋硬化させることにより、太陽電池モジュールが製造される。
エチレン・α−オレフィン共重合体やエチレン・極性モノマー共重合体等のエチレン系共重合体は、その柔軟性を生かして樹脂の改質剤等に広く用いられている。ただし、エチレン系共重合体を主成分として用いる場合は樹脂の融点が低いため、使用される用途が限定される。そのため、エチレン系共重合体を主成分として用いる場合は、耐熱性や発泡セルの安定性等を付与するために、有機過酸化物を含む熱架橋性樹脂組成物として高温で熱架橋して用いられている。
一般的に熱架橋性樹脂組成物は、押出成形やカレンダー成形、射出成形等の各種成形法によりシート・発泡体等の所望の形状に成形した後に架橋処理を行う。上記組成物は有機過酸化物を開始剤とするため、樹脂の成形温度が高すぎると成形中に有機過酸化物が分解し、ゲル化等の不具合を生じる。このため樹脂の成形温度を当該有機過酸化物の分解温度より低く抑える必要があり、加工上の制約となっている。
有機過酸化物を用いない樹脂組成物の架橋方法としては、特許文献1に記載の方法が挙げられる。特許文献1には、光開始剤および多官能不飽和化合物が配合されたポリオレフィンに紫外線を照射することによりポリオレフィンを架橋する方法が記載されている。
本発明者らの検討によれば、エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートは、原反状態で保管されているときや、輸送されているときに変質してしまう場合があることを明らかにした。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、保管時や輸送時における変質が抑制された光架橋性シートを提供するものである。
本発明者らは、変質が抑制された光架橋性シートを提供するために鋭意検討した。その結果、光架橋性シートの原反状態での保管時や輸送時の変質は、光架橋性シートに含まれる光架橋開始剤が紫外線によって反応し、架橋が進んでしまうことが原因であることを明らかにした。
そこで、本発明者らはさらに鋭意検討した。その結果、光架橋性シートの原反を短波長域における光線透過率が特定範囲以下である梱包材で梱包することにより、上記光架橋開始剤の反応が抑制され、その結果、光架橋性シートの原反の保管時や輸送時の変質が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
そこで、本発明者らはさらに鋭意検討した。その結果、光架橋性シートの原反を短波長域における光線透過率が特定範囲以下である梱包材で梱包することにより、上記光架橋開始剤の反応が抑制され、その結果、光架橋性シートの原反の保管時や輸送時の変質が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明によれば、以下に示す光架橋性シートの梱包体および光架橋性シートの保管方法が提供される。
[1]
エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートと、
上記光架橋性シートを収納する梱包材と、
を備え、
上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である光架橋性シートの梱包体。
[2]
上記[1]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
ASTM D2240に準拠して測定される、上記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの梱包体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの梱包体。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である
[4]
上記[1]または[2]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの梱包体。
b1)上記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの梱包体。
[6]
上記[5]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの梱包体。
[7]
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの梱包体。
[8]
上記[1]乃至[7]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの梱包体。
[9]
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの梱包体。
[10]
エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートを保管する方法であって、
上記光架橋性シートを波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材で保管する工程を含む光架橋性シートの保管方法。
[11]
上記[10]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
ASTM D2240に準拠して測定される、上記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの保管方法。
[12]
上記[10]または[11]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの保管方法。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である
[13]
上記[10]または[11]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの保管方法。
b1)上記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である
[14]
上記[10]乃至[13]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの保管方法。
[15]
上記[14]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの保管方法。
[16]
上記[10]乃至[15]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの保管方法。
[17]
上記[10]乃至[16]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの保管方法。
[18]
上記[10]乃至[17]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの保管方法。
エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートと、
上記光架橋性シートを収納する梱包材と、
を備え、
上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である光架橋性シートの梱包体。
[2]
上記[1]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
ASTM D2240に準拠して測定される、上記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの梱包体。
[3]
上記[1]または[2]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの梱包体。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である
[4]
上記[1]または[2]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの梱包体。
b1)上記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの梱包体。
[6]
上記[5]に記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの梱包体。
[7]
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの梱包体。
[8]
上記[1]乃至[7]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの梱包体。
[9]
上記[1]乃至[8]いずれか一つに記載の光架橋性シートの梱包体において、
上記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの梱包体。
[10]
エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートを保管する方法であって、
上記光架橋性シートを波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材で保管する工程を含む光架橋性シートの保管方法。
[11]
上記[10]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
ASTM D2240に準拠して測定される、上記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの保管方法。
[12]
上記[10]または[11]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの保管方法。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である
[13]
上記[10]または[11]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの保管方法。
b1)上記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である
[14]
上記[10]乃至[13]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの保管方法。
[15]
上記[14]に記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの保管方法。
[16]
上記[10]乃至[15]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの保管方法。
[17]
上記[10]乃至[16]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの保管方法。
[18]
上記[10]乃至[17]いずれか一つに記載の光架橋性シートの保管方法において、
上記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの保管方法。
本発明によれば、保管時や輸送時における変質が抑制された光架橋性シートを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、数値範囲の「A〜B」は特に断りがなければ、A以上B以下を表す。
本発明の光架橋性シートの梱包体は、エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートと、上記光架橋性シートを収納する梱包材と、を備え、上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である。
また、本発明の光架橋性シートを保管する方法は、エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートを保管する方法であって、上記光架橋性シートを波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材で保管する工程を含む。
また、本発明の光架橋性シートを保管する方法は、エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートを保管する方法であって、上記光架橋性シートを波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材で保管する工程を含む。
1.光架橋性エチレン系樹脂組成物
本実施形態に係る光架橋性シートは、以下に示す光架橋性エチレン系樹脂組成物をシート状に成形加工してなる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、を含む。
本実施形態に係る光架橋性シートは、以下に示す光架橋性エチレン系樹脂組成物をシート状に成形加工してなる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、を含む。
<エチレン系共重合体>
光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン系共重合体のASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度は好ましくは55〜95であり、より好ましくは60〜95であり、さらに好ましくは63〜90である。
エチレン系共重合体のショアA硬度は、エチレン系共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を制御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く密度が高いエチレン系共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く密度が低いエチレン系共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン系共重合体のASTM D2240に準拠して測定されるショアA硬度は好ましくは55〜95であり、より好ましくは60〜95であり、さらに好ましくは63〜90である。
エチレン系共重合体のショアA硬度は、エチレン系共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を制御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く密度が高いエチレン系共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く密度が低いエチレン系共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
本発明者らの検討によれば、特許文献1に記載のポリオレフィン樹脂組成物は光架橋特性が劣り、さらに柔軟性が不十分であることが明らかになった。そのため特許文献1に記載の架橋樹脂シートを用いた発泡シートからなるパッキン等ではシール性が不十分になる傾向にあった。さらに、特許文献1に記載の架橋樹脂シートを用いた梱包材のクッション材では、梱包される内容物が微細な場合において、クッション性が不十分であり、内容物に傷がつく傾向にあった。
このように架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートが求められていた。
本発明者らは、架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートを提供するために鋭意検討した。その結果、ショアA硬度が特定の範囲にあるエチレン系共重合体と光架橋開始剤を用いることにより、架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートが得られることを見出した。
このように架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートが求められていた。
本発明者らは、架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートを提供するために鋭意検討した。その結果、ショアA硬度が特定の範囲にあるエチレン系共重合体と光架橋開始剤を用いることにより、架橋特性と柔軟性のバランスに優れた光架橋性シートが得られることを見出した。
ショアA硬度が上記下限値以上であると、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性が向上し、クリープ性や耐熱性が良好となる。
ショアA硬度が上記上限値以下であると、光架橋性エチレン系樹脂組成物の柔軟性が向上し、パッキン等に用いる際のシール性が向上する。また、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性も向上し、クリープ性や耐熱性が良好となる。
ショアA硬度が上記上限値以下であると、光架橋性エチレン系樹脂組成物の柔軟性が向上し、パッキン等に用いる際のシール性が向上する。また、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性も向上し、クリープ性や耐熱性が良好となる。
(要件c1)
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるエチレン系共重合体のメルトフローレ−ト(MFR)は、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは0.5〜40g/10分、さらに好ましくは1.0〜35g/10分、特に好ましくは5.0〜25g/10分である。エチレン系共重合体のMFRは、重合反応の際の重合温度、重合圧力、並びに重合系内の共重合モノマーのモノマー濃度と水素濃度のモル比率等を調整することにより、調整することができる。
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定されるエチレン系共重合体のメルトフローレ−ト(MFR)は、好ましくは0.1〜50g/10分であり、より好ましくは0.5〜40g/10分、さらに好ましくは1.0〜35g/10分、特に好ましくは5.0〜25g/10分である。エチレン系共重合体のMFRは、重合反応の際の重合温度、重合圧力、並びに重合系内の共重合モノマーのモノマー濃度と水素濃度のモル比率等を調整することにより、調整することができる。
MFRが上記下限値以上であると、エチレン系共重合体を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物の流動性が向上し、光架橋性シートの成形加工性がより良好となる。
一方、MFRが上記上限値以下であると、分子量が高くなるためチルロール等のロール面への付着が起こり難くなり、剥離が容易となるため均一な厚みの光架橋性シート成形がより容易となる。さらに、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性が向上し、クリープ性がより良好となったり、パッキンとして使用した際に反発性が十分となり繰り返しのシール性がより良好となったりする。
一方、MFRが上記上限値以下であると、分子量が高くなるためチルロール等のロール面への付着が起こり難くなり、剥離が容易となるため均一な厚みの光架橋性シート成形がより容易となる。さらに、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性が向上し、クリープ性がより良好となったり、パッキンとして使用した際に反発性が十分となり繰り返しのシール性がより良好となったりする。
光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン系共重合体としては、例えば、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンとを含むエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・環状オレフィン共重合体、エチレン・α−オレフィン・環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそれらの塩、エチレン・ビニルエステル共重合体等のエチレン・極性モノマー共重合体;等から選択される一種または二種以上を用いることができる。
これらの中でも、エチレン・α−オレフィン共重合体およびエチレン・極性モノマー共重合体から選択される少なくとも一種が特に好ましく使用される。なお、本実施形態においては上述したエチレン系共重合体は単独で用いてもよいし、二種以上をブレンドして用いてもよい。
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物中の上記エチレン系共重合体の含有量は、光架橋性エチレン系樹脂組成物全体を100質量%としたとき、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。これにより、透明性、接着性、耐熱性、柔軟性、架橋特性等の諸特性のバランスにより優れた光架橋性エチレン系樹脂組成物を得ることができる。
(エチレン・α−オレフィン共重合体)
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって得られる。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα−オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3〜8のα−オレフィンである。このようなα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができる。中でも、入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが好ましい。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンとを共重合することによって得られる。α−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィンを1種類単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が10以下であるα−オレフィンであり、とくに好ましいのは炭素数が3〜8のα−オレフィンである。このようなα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等を挙げることができる。中でも、入手の容易さからプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンが好ましい。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体はランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、柔軟性の観点からランダム共重合体が好ましい。
エチレン・α−オレフィン共重合体はさらに要件a1)〜a3)の少なくとも一つを満たすことがより好ましく、要件a1)〜a3)のすべてを満たすことがさらに好ましい。また、本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いた場合には、以下の要件a1')、a2)およびa3')を満たすことがより好ましい。
(要件a1)
ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が、好ましくは0.860〜0.895g/cm3であり、より好ましくは0.863〜0.895g/cm3であり、さらに好ましくは0.865〜0.890g/cm3である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が、好ましくは0.860〜0.895g/cm3であり、より好ましくは0.863〜0.895g/cm3であり、さらに好ましくは0.865〜0.890g/cm3である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が上記上限値以下であると、結晶性が低くなり、透明性をより高くすることができる。さらに、架橋性をより良好なものとすることができる。また柔軟性により優れ、パッキンで用いた際には、シール性がより良好となる傾向にある。
一方、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が上記下限値以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度を速くできるため、成形された光架橋性シートがベタつきにくく、冷却ロールでの剥離が容易になり、光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートをより容易に得ることができる。また、光架橋性シートにベタツキが発生しにくくなるのでブロッキングの発生を抑制し、光架橋性シートの繰り出し性を向上させることができる。また、架橋性がより良好となるため、耐熱性の低下をより抑制することができる。
(要件a1')
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が、好ましくは0.865〜0.884g/cm3であり、より好ましくは0.866〜0.883g/cm3であり、さらに好ましくは0.866〜0.880g/cm3であり、特に好ましくは0.867〜0.880g/cm3である。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、ASTM D1505に準拠して測定されるエチレン・α−オレフィン共重合体の密度が、好ましくは0.865〜0.884g/cm3であり、より好ましくは0.866〜0.883g/cm3であり、さらに好ましくは0.866〜0.880g/cm3であり、特に好ましくは0.867〜0.880g/cm3である。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン単位の含有割合とα−オレフィン単位の含有割合とのバランスにより調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合を高くすると結晶性が高くなり、密度の高いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。一方、エチレン単位の含有割合を低くすると結晶性が低くなり、密度の低いエチレン・α−オレフィン共重合体を得ることができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が上記上限値以下であると、結晶性が低くなり、透明性をより高くすることができる。さらに、架橋性をより良好なものとすることができる。また柔軟性により優れ、モジュールの光架橋を行う前の仮ラミネート成形をした際に太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケ等が発生することをより抑制することができる。
一方、エチレン・α−オレフィン共重合体の密度が上記下限値以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度を速くできるため、成形された光架橋性シートがベタつきにくく、冷却ロールでの剥離が容易になり、光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートをより容易に得ることができる。また、光架橋性シートにベタツキが発生しにくくなるのでブロッキングの発生を抑制し、光架橋性シートの繰り出し性を向上させることができる。また、架橋性がより良好となるため、耐熱性の低下をより抑制することができる。
(要件a2)
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、ASTM D2240に準拠して測定される、エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は好ましくは60〜85であり、より好ましくは62〜83、さらに好ましくは62〜80、特に好ましくは65〜80である。エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は、エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く、密度が高いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く、密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、ASTM D2240に準拠して測定される、エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は好ましくは60〜85であり、より好ましくは62〜83、さらに好ましくは62〜80、特に好ましくは65〜80である。エチレン・α−オレフィン共重合体のショアA硬度は、エチレン・α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有割合や密度を御することにより、調整することができる。すなわち、エチレン単位の含有割合が高く、密度が高いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が高くなる。一方、エチレン単位の含有割合が低く、密度が低いエチレン・α−オレフィン共重合体は、ショアA硬度が低くなる。
ショアA硬度が上記下限値以上であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度が速くなる。このため、成形された光架橋性シートがベタつきにくくなり、冷却ロールでの剥離がより容易になり、光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートを得ることがより容易になる。また、光架橋性シートに発生するベタツキが抑制されるのでブロッキングを抑制でき、光架橋性シートの繰り出し性がより良好となる傾向にある。また、光架橋性エチレン系樹脂組成物の架橋性がより向上し、耐熱性がより良好となる。
一方、ショアA硬度が上記上限値以下であると、結晶性が低くなり、透明性を高くすることができる。さらに、柔軟性が高いため、太陽電池モジュールの光架橋前に仮ラミネート成形をした場合に太陽電池素子であるセルの割れや、薄膜電極のカケ等が発生することをより抑制することができる。
(要件a3)
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは78〜93mol%であり、より好ましくは79〜93mol%であり、さらに好ましくは80〜90mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは7〜22mol%であり、より好ましくは7〜21mol%であり、さらに好ましくは10〜20mol%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは78〜93mol%であり、より好ましくは79〜93mol%であり、さらに好ましくは80〜90mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは7〜22mol%であり、より好ましくは7〜21mol%であり、さらに好ましくは10〜20mol%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が上記下限値以上であると、結晶性が低くなり、透明性をより高くすることができる。さらに、架橋性をより良好なものとすることができる。また柔軟性により優れ、パッキンで用いた際には、シール性がより良好となる傾向にある。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が上記上限値以下であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度を速くできるため、成形された光架橋性シートがベタつきにくく、冷却ロールでの剥離が容易になり、光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートをより容易に得ることができる。また、シートにベタツキが発生しにくくなるのでブロッキングの発生を抑制し、光架橋性シートの繰り出し性を向上させることができる。また、架橋性がより良好となるため、耐熱性の低下をより抑制することができる。
(要件a3')
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは80〜90mol%であり、より好ましくは80〜88mol%であり、さらに好ましくは82〜88mol%であり、とくに好ましくは82〜87mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは10〜20mol%であり、より好ましくは12〜20mol%であり、さらに好ましくは12〜18mol%、とくに好ましくは13〜18mol%である。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、エチレンに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは80〜90mol%であり、より好ましくは80〜88mol%であり、さらに好ましくは82〜88mol%であり、とくに好ましくは82〜87mol%である。エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構成単位(以下、「α−オレフィン単位」とも記す)の含有割合は、好ましくは10〜20mol%であり、より好ましくは12〜20mol%であり、さらに好ましくは12〜18mol%、とくに好ましくは13〜18mol%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が上記下限値以上であると、結晶性が低くなり、透明性をより高くすることができる。さらに、架橋性をより良好なものとすることができる。また柔軟性により優れ、太陽電池モジュールの光架橋前に仮ラミネート成形をした場合に太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケ等が発生することをより抑制することができる。
エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれるα−オレフィン単位の含有割合が上記上限値以下であると、エチレン・α−オレフィン共重合体の結晶化速度を速くできるため、成形された光架橋性シートがベタつきにくく、冷却ロールでの剥離が容易になり、光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シートをより容易に得ることができる。また、光架橋性シートにベタツキが発生しにくくなるのでブロッキングの発生を抑制し、光架橋性シートの繰り出し性を向上させることができる。また、架橋性がより良好となるため、耐熱性の低下をより抑制することができる。
上記したエチレン・α−オレフィン共重合体としては、例えば、国際公開第2012/046456号パンフレットに記載のものを用いることができる。
上記したエチレン・α−オレフィン共重合体としては、例えば、国際公開第2012/046456号パンフレットに記載のものを用いることができる。
(エチレン・極性モノマー共重合体)
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン・極性モノマー共重合体としては、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン・マレイン酸ジメチル共重合体、エチレン・マレイン酸ジエチル共重合体、エチレン・フマル酸ジメチル共重合体、エチレン・フマル酸ジエチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・マレイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチレン・クロトン酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそれらの塩;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体:エチレン・スチレン共重合体等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物に用いられるエチレン・極性モノマー共重合体としては、例えば、エチレン・(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸プロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸ヘキシル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸グリシジル共重合体、エチレン・マレイン酸ジメチル共重合体、エチレン・マレイン酸ジエチル共重合体、エチレン・フマル酸ジメチル共重合体、エチレン・フマル酸ジエチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体;エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・マレイン酸共重合体、エチレン・フマル酸共重合体、エチレン・クロトン酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体およびそれらの塩;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン・酪酸ビニル共重合体、エチレン・ステアリン酸ビニル共重合体等のエチレン・ビニルエステル共重合体:エチレン・スチレン共重合体等から選択される一種または二種以上を挙げることができる。
これらの中でも、上記エチレン・極性モノマー共重合体としては、その入手容易性と性能とのバランスからエチレン・ビニルエステル共重合体、エチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体から選択される一種または二種以上を含むことが好ましく、特に、エチレン・酢酸ビニル共重合体が好ましい。
上記エチレン・極性モノマー共重合体中の極性モノマー単位の含有量は、好ましくは8質量%以上35質量%以下、10質量%以上35質量%以下、より好ましくは13質量%以上35質量%以下である。極性モノマーの含有量がこの範囲にあると、架橋性、柔軟性、耐候性、透明性のバランスにより一層優れる。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合には、極性モノマーの含有量が上記範囲にあると、架橋性、柔軟性、太陽電池封止シートの接着性、耐候性、透明性、機械的性質のバランスにより一層優れる。また、太陽電池封止シートを成膜する際にも、成膜性が良好となる。
酢酸ビニル含有量や、MFR等が異なる2種以上のエチレン・極性モノマー共重合体を併せて用いてもよい。2種以上のエチレン・極性モノマー共重合体を用いる場合には、これらの総量を上記範囲とすることが好ましい。
<光架橋開始剤>
光架橋開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノール類、アシルホスフィノキサイド類、アルキルフェニルグルオキシレート類、ジエトキシアセトフェノン、オキシムエステル類、チタノセン化合物、アントラキノン誘導体からなる群より選択される一種または二種以上を用いることができる。中でも、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、アントラキノン誘導体が、架橋性がより良好な点で好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン誘導体がさらに好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体が、透明性も良好なため最も好ましい。
ベンゾフェノン誘導体の中でも2−ヒドロキシベンゾフェノンは、後述するように紫外線吸収剤として用いられ、光を熱エネルギーに変換する作用を有する。本実施形態における光架橋開始剤は、2位に水酸基を有しないベンゾフェノン誘導体が望ましい。
ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体の好ましい例として、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等を挙げることができる。
アントラキノン誘導体の好ましい例として、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等を挙げることができる。
光架橋開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン、チオキサントン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、α−アミノアルキルフェノール類、アシルホスフィノキサイド類、アルキルフェニルグルオキシレート類、ジエトキシアセトフェノン、オキシムエステル類、チタノセン化合物、アントラキノン誘導体からなる群より選択される一種または二種以上を用いることができる。中でも、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、アントラキノン誘導体が、架橋性がより良好な点で好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、アントラキノン誘導体がさらに好ましく、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体が、透明性も良好なため最も好ましい。
ベンゾフェノン誘導体の中でも2−ヒドロキシベンゾフェノンは、後述するように紫外線吸収剤として用いられ、光を熱エネルギーに変換する作用を有する。本実施形態における光架橋開始剤は、2位に水酸基を有しないベンゾフェノン誘導体が望ましい。
ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体の好ましい例として、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等を挙げることができる。
アントラキノン誘導体の好ましい例として、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等を挙げることができる。
本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物中の光架橋開始剤の含有量は、上記エチレン系共重合体100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましく、2.0質量部以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態における光架橋性エチレン系樹脂組成物中の光架橋開始剤の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.15質量部以上であることが特に好ましい。これにより、適度な架橋構造とすることができる。また、太陽電池封止材として用いた場合には、耐熱性、機械物性、および接着性をより良好にできる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は光架橋を用いるため、熱プレスや真空ラミネートでの高温加工を必要としない。そのため、光架橋性エチレン系樹脂組成物を発泡シートにより構成されたパッキン、クッション材等に用いた場合、高温加工による発泡シートの発泡セルの変化を起こすことなく、発泡セルを保持したままの柔軟化が可能となる。
なお、光架橋性エチレン系樹脂組成物を発泡シート樹脂組成物とブレンドして例えば押出成形をすることにより、発泡シートに柔軟性を付与することができる。
また、発泡シートに光架橋性エチレン系樹脂組成物を押出ラミネートしたり;光架橋性エチレン系樹脂組成物のシートに発泡シート樹脂組成物を押出ラミネートしたり;発泡シートのセルがつぶれないような低温で、光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋性シートと発泡シートを熱プレスまたは真空ラミネーターを用いてラミネートしたりすること等により、光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋性シートと発砲シートとの積層体を形成することができ、その結果、発泡シートに柔軟性を付与することができる。
なお、光架橋性エチレン系樹脂組成物を発泡シート樹脂組成物とブレンドして例えば押出成形をすることにより、発泡シートに柔軟性を付与することができる。
また、発泡シートに光架橋性エチレン系樹脂組成物を押出ラミネートしたり;光架橋性エチレン系樹脂組成物のシートに発泡シート樹脂組成物を押出ラミネートしたり;発泡シートのセルがつぶれないような低温で、光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋性シートと発泡シートを熱プレスまたは真空ラミネーターを用いてラミネートしたりすること等により、光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋性シートと発砲シートとの積層体を形成することができ、その結果、発泡シートに柔軟性を付与することができる。
<架橋助剤>
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、架橋性をより向上させる観点から、架橋助剤をさらに含むことが好ましい。
上記架橋助剤としては、例えば、ジビニル芳香族化合物、シアヌレート化合物、ジアリル化合物、アクリレート化合物、トリアリル化合物、オキシム化合物およびマレイミド化合物から選択される一種または二種以上を用いることができる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、架橋性をより向上させる観点から、架橋助剤をさらに含むことが好ましい。
上記架橋助剤としては、例えば、ジビニル芳香族化合物、シアヌレート化合物、ジアリル化合物、アクリレート化合物、トリアリル化合物、オキシム化合物およびマレイミド化合物から選択される一種または二種以上を用いることができる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物中の架橋助剤の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、5.0質量部以下であることが好ましく、3.0質量部以下であることがより好ましく、2.0質量部以下であることが特に好ましい。
また、光架橋性エチレン系樹脂組成物中の架橋助剤の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.3質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。これにより、適度な架橋構造とすることができる。また、太陽電池封止材として用いた場合には、耐熱性、機械物性、および接着性を向上できる。
ジビニル芳香族化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジ−i−プロペニルベンゼン等が挙げられる。
シアヌレート化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
ジアリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート等が挙げられる。
トリアリル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
シアヌレート化合物としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
ジアリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート等が挙げられる。
トリアリル化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
アクリレート化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
オキシム化合物としては、例えば、p−キノンジオキシム、p−p'−ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
オキシム化合物としては、例えば、p−キノンジオキシム、p−p'−ジベンゾイルキノンジオキシム等が挙げられる。
マレイミド化合物としては、例えば、m−フェニレンジマレイミド等が挙げられる。
架橋助剤としてはビニル基等の架橋性不飽和結合を1分子中に3官能以上有する化合物が好ましく、中でも、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが、架橋性が良好で好ましい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、後述するように樹脂組成物をシート状に成型加工した後、紫外線ないし可視光を照射して架橋させることができる。上記した架橋助剤であると、樹脂シートが固形状態を保ったままでも架橋反応が進行しやすいため、好ましい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、後述するように樹脂組成物をシート状に成型加工した後、紫外線ないし可視光を照射して架橋させることができる。上記した架橋助剤であると、樹脂シートが固形状態を保ったままでも架橋反応が進行しやすいため、好ましい。
<シランカップリング剤>
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を含んでもよい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物中のシランカップリング剤の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜4質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、さらにシランカップリング剤を含んでもよい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物中のシランカップリング剤の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜4質量部であることがより好ましく、0.1〜3質量部であることが特に好ましい。
シランカップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、接着性が向上する。
一方、シランカップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、コストと性能のバランスがよく、透湿性の低下も防止できる。また、太陽電池封止材として用いた場合に、表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との密着性が良好となり、接着性も向上する。また、シランカップリング剤自体が縮合反応を起こし、太陽電池封止材に白い筋として存在し、製品外観が悪化することを抑制できる。
一方、シランカップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、コストと性能のバランスがよく、透湿性の低下も防止できる。また、太陽電池封止材として用いた場合に、表面側透明保護部材、セル、電極、裏面側保護部材との密着性が良好となり、接着性も向上する。また、シランカップリング剤自体が縮合反応を起こし、太陽電池封止材に白い筋として存在し、製品外観が悪化することを抑制できる。
シランカップリング剤は、従来公知のものが使用でき、とくに制限はない。具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が使用できる。好ましくは、接着性が良好なγ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
<有機過酸化物>
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、さらに有機過酸化物を含んでもよい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物中の有機過酸化物の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは1.0質量部未満であり、より好ましくは0.8質量部未満であり、さらに好ましくは0.5質量部未満である。
光架橋性エチレン系樹脂組成物を成形した後の光架橋性シート中には、有機過酸化物の含有量は0.1質量部未満であることが好ましい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、さらに有機過酸化物を含んでもよい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物中の有機過酸化物の含有量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは1.0質量部未満であり、より好ましくは0.8質量部未満であり、さらに好ましくは0.5質量部未満である。
光架橋性エチレン系樹脂組成物を成形した後の光架橋性シート中には、有機過酸化物の含有量は0.1質量部未満であることが好ましい。
有機過酸化物は、シランカップリング剤と、エチレン系共重合体とのグラフト変性の際のラジカル開始剤として、さらに、エチレン系共重合体の架橋反応の際のラジカル開始剤として用いられ、光架橋開始剤の補足的に作用する。エチレン系共重合体に、シランカップリング剤をグラフト変性することにより、各基材への接着性、架橋性がさらに良好な光架橋性エチレン系樹脂組成物を得ることができる。
好ましく用いられる有機過酸化物は、エチレン系共重合体にシランカップリング剤をグラフト変性したり、エチレン系共重合体を架橋したりすることが可能なものであればよいが、シート成形での生産性と光架橋の架橋速度のバランスから、有機過酸化物の1分間半減期温度が100〜170℃であることが好ましい。有機過酸化物の1分間半減期温度が上記下限値以上であると、シート成形時に光架橋性エチレン系樹脂組成物から得られる光架橋性シートにゲルが発生しにくくなる。また、発生したゲル物により光架橋性シートの表面に凹凸が発生するのを抑制できるため、外観の低下を防止することができる。
有機過酸化物としては公知のものが使用できる。1分間半減期温度が100〜170℃の範囲にある有機過酸化物の好ましい具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t−アミルパーオキシイソノナノエート、t−アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−アミル−パーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、等が挙げられる。好ましくは、ジラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソノナノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。上記有機過酸化物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
<紫外線吸収剤、光安定化剤、耐熱安定剤>
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、紫外線吸収剤、光安定化剤、および耐熱安定剤から選択される少なくとも一種の添加剤をさらに含有してもよい。これらの添加剤の配合量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.005〜5質量部であることが好ましい。さらに、上記三種から選ばれる少なくとも二種の添加剤を含有することが好ましく、とくに、上記三種の全てが含有されていることが好ましい。上記添加剤の配合量が上記範囲にあると、光架橋の架橋反応を阻害することなく、耐候安定性、および耐熱安定性等を向上する効果を十分に確保できるので好ましい。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、紫外線吸収剤、光安定化剤、および耐熱安定剤から選択される少なくとも一種の添加剤をさらに含有してもよい。これらの添加剤の配合量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、0.005〜5質量部であることが好ましい。さらに、上記三種から選ばれる少なくとも二種の添加剤を含有することが好ましく、とくに、上記三種の全てが含有されていることが好ましい。上記添加剤の配合量が上記範囲にあると、光架橋の架橋反応を阻害することなく、耐候安定性、および耐熱安定性等を向上する効果を十分に確保できるので好ましい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2−ヒドロキシ−4−ノルマル−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系紫外線吸収剤;フェニルサルチレート、p−オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系紫外線吸収剤等が用いられる。
紫外線吸収剤は光を吸収し、光による架橋開始を阻害することがある。そのため、上記した紫外線吸収剤の配合量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以下であり、さらに好ましくは0.01質量部以下であり、特に好ましくは0.005質量部以下である。
紫外線吸収剤は光を吸収し、光による架橋開始を阻害することがある。そのため、上記した紫外線吸収剤の配合量は、エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以下であり、より好ましくは0.05質量部以下であり、さらに好ましくは0.01質量部以下であり、特に好ましくは0.005質量部以下である。
光安定化剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系光安定化剤、ヒンダードピペリジン系光安定化剤等が好ましく使用される。
耐熱安定剤としては、具体的には、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4'−ジイルビスホスフォナイト、およびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のホスファイト系耐熱安定剤;3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等のラクトン系耐熱安定剤;3,3',3",5,5',5"−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a"−(メチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のヒンダードフェノール系耐熱安定剤;硫黄系耐熱安定剤;アミン系耐熱安定剤等を挙げることができる。また、これらを一種単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることもできる。中でも、ホスファイト系耐熱安定剤、およびヒンダードフェノール系耐熱安定剤が好ましい。
<その他の添加剤>
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させることができる。例えば、上記エチレン系共重合体以外の各種ポリオレフィン、スチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体等が挙げられる。これらは、上記エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.0001〜50質量部、より好ましくは0.001〜40質量部含有されていてもよい。また、ポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、および分散剤等から選ばれる一種以上の添加剤を適宜含有することができる。
光架橋性エチレン系樹脂組成物は、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有させることができる。例えば、上記エチレン系共重合体以外の各種ポリオレフィン、スチレン系やエチレン系ブロック共重合体、プロピレン系重合体等が挙げられる。これらは、上記エチレン系共重合体100質量部に対して、好ましくは0.0001〜50質量部、より好ましくは0.001〜40質量部含有されていてもよい。また、ポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、架橋助剤、および分散剤等から選ばれる一種以上の添加剤を適宜含有することができる。
<ゲル分率>
本実施形態に係る光架橋性シートは、下記方法により算出されるゲル分率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、65%以上であることが特に好ましい。本実施形態に係る光架橋性シートの上記ゲル分率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
上記ゲル分率が上記下限値以上であると、本実施形態に係る光架橋性シートの架橋物の耐熱性がより良好となる。一方、ゲル分率が上記上限値以下であると、本実施形態に係る光架橋性シートの架橋物の柔軟性がより良好となる。
(方法)
光架橋性シートを10cm×10cmのサイズに裁断した後、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋シートを作製する。得られた上記光架橋シート約1g(秤量値をA(g))に対して沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、得られた抽出液を30メッシュのステンレスメッシュでろ過し、上記ステンレスメッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、上記ステンレスメッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
本実施形態に係る光架橋性シートは、下記方法により算出されるゲル分率が30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、65%以上であることが特に好ましい。本実施形態に係る光架橋性シートの上記ゲル分率の上限値は特に限定されないが、例えば、95%以下が好ましく、90%以下がより好ましい。
上記ゲル分率が上記下限値以上であると、本実施形態に係る光架橋性シートの架橋物の耐熱性がより良好となる。一方、ゲル分率が上記上限値以下であると、本実施形態に係る光架橋性シートの架橋物の柔軟性がより良好となる。
(方法)
光架橋性シートを10cm×10cmのサイズに裁断した後、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋シートを作製する。得られた上記光架橋シート約1g(秤量値をA(g))に対して沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、得られた抽出液を30メッシュのステンレスメッシュでろ過し、上記ステンレスメッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、上記ステンレスメッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出する。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
<全光線透過率>
本実施形態に係る光架橋性シートは、下記方法により測定されるHAZEメーターにおける全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがとくに好ましい。全光線透過率が上記下限値以上であると、光架橋性シートの透明性がより良好となる。また、本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いた場合、得られる太陽電池モジュールはより一層高い光発電量を得ることができる。
(方法)
光架橋性シートを白板ガラスで挟み、真空ラミネーターで100℃、真空下で2分プレスし、100℃、0.04MPaで3分プレスを行い、積層体を得る。得られた上記積層体に対し295〜450nmの紫外線を光量照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋積層体を作製する。次いで、得られた上記光架橋積層体の全光線透過率をHAZEメーターにより測定する。
本実施形態に係る光架橋性シートは、下記方法により測定されるHAZEメーターにおける全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがとくに好ましい。全光線透過率が上記下限値以上であると、光架橋性シートの透明性がより良好となる。また、本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いた場合、得られる太陽電池モジュールはより一層高い光発電量を得ることができる。
(方法)
光架橋性シートを白板ガラスで挟み、真空ラミネーターで100℃、真空下で2分プレスし、100℃、0.04MPaで3分プレスを行い、積層体を得る。得られた上記積層体に対し295〜450nmの紫外線を光量照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋積層体を作製する。次いで、得られた上記光架橋積層体の全光線透過率をHAZEメーターにより測定する。
2.光架橋
本実施形態に係る光架橋性シートの光架橋は、従来公知の紫外線による光架橋法を用いることができる。光源としては、紫外用蛍光灯、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げられる。照射強度は、20mW/cm2以上が好ましい。
また、光架橋性シートの厚みや透過率により、照射強度および照射時間を変更することで、光架橋性シートの架橋度を調整することが可能である。
本実施形態に係る光架橋性シートの光架橋は、従来公知の紫外線による光架橋法を用いることができる。光源としては、紫外用蛍光灯、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を挙げられる。照射強度は、20mW/cm2以上が好ましい。
また、光架橋性シートの厚みや透過率により、照射強度および照射時間を変更することで、光架橋性シートの架橋度を調整することが可能である。
3.光架橋性シート
本実施形態に係る光架橋性シートの厚みは、通常0.01〜1.5mm、好ましくは、0.05〜1.2mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、さらに好ましくは0.2〜1.0mm、特に好ましくは0.3〜0.9mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、紫外線照射による光架橋がより容易となる。
本実施形態に係る光架橋性シートの厚みは、通常0.01〜1.5mm、好ましくは、0.05〜1.2mm、より好ましくは0.1〜1.0mm、さらに好ましくは0.2〜1.0mm、特に好ましくは0.3〜0.9mm、最も好ましくは0.3〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、紫外線照射による光架橋がより容易となる。
本実施形態に係る光架橋性シートの成形方法はとくに制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出シート成形、カレンダー成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形等)を採用することが可能である。
これらの中でも、以下の方法が最も好ましい実施形態である。はじめに、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、必要に応じて、架橋助剤と、シランカップリング剤と、有機過酸化物と、紫外線吸収剤と、光安定化剤と、耐熱安定剤と、さらに必要に応じてその他添加剤とを、例えば、ポリ袋等の袋の中で人力でのブレンドや、ヘンシェルミキサー、タンブラー、スーパーミキサー等の攪拌混合機を用いてブレンドする。次いで、得られた光架橋性エチレン系樹脂組成物を、例えば、押出シート成形機のホッパーに投入し、溶融混練を行いつつ押出シート成形を行い、光架橋性シートを得る。
これらの中でも、以下の方法が最も好ましい実施形態である。はじめに、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、必要に応じて、架橋助剤と、シランカップリング剤と、有機過酸化物と、紫外線吸収剤と、光安定化剤と、耐熱安定剤と、さらに必要に応じてその他添加剤とを、例えば、ポリ袋等の袋の中で人力でのブレンドや、ヘンシェルミキサー、タンブラー、スーパーミキサー等の攪拌混合機を用いてブレンドする。次いで、得られた光架橋性エチレン系樹脂組成物を、例えば、押出シート成形機のホッパーに投入し、溶融混練を行いつつ押出シート成形を行い、光架橋性シートを得る。
押出温度範囲としては、例えば、押出温度が100〜250℃である。押出温度を上記下限値以上にすると、光架橋性シートの生産性を向上させることができる。押出温度が上記上限値以下であると、光架橋開始剤の揮発をより抑制することができるため好ましい。
また、本実施形態の光架橋性エチレン系樹脂組成物により構成された光架橋性シート(または層)の表面には、エンボス加工が施されてもよい。シート表面をエンボス加工によって装飾することで、シート同士、または本シートと他のシート等とのブロッキングを防止しうる。
本実施形態における光架橋性シートはロール状に巻いて得ることも好ましい実施形態の一つである。ロール状にして得ることで、必要なサイズに切り出して使用することができる。そして、通常は、ロール体の状態で梱包材に収納される。
4.積層体
本実施形態に係る光架橋性シートと、本実施形態に係る光架橋性シートとは異なる樹脂シート、金属基板、および透光性基板等から選択される一種または二種以上のシート状部材(その他の層とも呼ぶ。)と、を積層することで積層体として用いることも好ましい態様の一つである。本実施形態の光架橋性シートとは異なる樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等により構成された樹脂シートが挙げられる。金属基板としては、シリコン基板、アルミニウム基板、銀基板、銅基板等が挙げられる。透光性基板としては、ガラス等が挙げられる。
本実施形態の光架橋性シートにより構成された層と、その他の層との位置関係にはとくに制限はなく、本発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、2以上の本実施形態の光架橋性シートにより構成された層の間に設けられてもよいし、積層体の最外層に設けられてもよいし、それ以外の箇所に設けられてもよい。また、本実施形態の光架橋性シートにより構成された層の片面にのみその他の層が設けられてもよいし、両面にその他の層が設けられてもよい。その他の層の層数にとくに制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
本実施形態に係る光架橋性シートと、本実施形態に係る光架橋性シートとは異なる樹脂シート、金属基板、および透光性基板等から選択される一種または二種以上のシート状部材(その他の層とも呼ぶ。)と、を積層することで積層体として用いることも好ましい態様の一つである。本実施形態の光架橋性シートとは異なる樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等により構成された樹脂シートが挙げられる。金属基板としては、シリコン基板、アルミニウム基板、銀基板、銅基板等が挙げられる。透光性基板としては、ガラス等が挙げられる。
本実施形態の光架橋性シートにより構成された層と、その他の層との位置関係にはとくに制限はなく、本発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、2以上の本実施形態の光架橋性シートにより構成された層の間に設けられてもよいし、積層体の最外層に設けられてもよいし、それ以外の箇所に設けられてもよい。また、本実施形態の光架橋性シートにより構成された層の片面にのみその他の層が設けられてもよいし、両面にその他の層が設けられてもよい。その他の層の層数にとくに制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
構造を単純にしてコストを下げる観点、および界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点等からは、その他の層を設けず、本実施形態に係る光架橋性シートにより構成された層のみでシートを作製すればよい。ただし、目的との関係で必要または有用なその他の層があれば、適宜そのようなその他の層を設ければよい。
その他の層を設ける場合における本実施形態に係る光架橋性シートにより構成された層と他の層との積層方法についてはとくに制限はないが、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機等の公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいは予め成形された樹脂シート、金属基板、および透光性基板等から選択される一種または二種以上のシート状部材(その他の層とも呼ぶ。)の層上に本実施形態の光架橋性シートの層を溶融または加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。なお、加熱ラミネートする場合は、その他の層の形状が損なわれない程度であれば、加圧をすることができる。
その他の層を設ける場合における本実施形態に係る光架橋性シートにより構成された層と他の層との積層方法についてはとくに制限はないが、キャスト成形機、押出シート成形機、インフレーション成形機、射出成形機等の公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいは予め成形された樹脂シート、金属基板、および透光性基板等から選択される一種または二種以上のシート状部材(その他の層とも呼ぶ。)の層上に本実施形態の光架橋性シートの層を溶融または加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。なお、加熱ラミネートする場合は、その他の層の形状が損なわれない程度であれば、加圧をすることができる。
5.太陽電池封止材
本実施形態に係る光架橋性シートの用途は特に限定されないが、太陽電池封止材として用いることが好ましい。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合にも、エンボスを有することが有用である。また、太陽電池封止材として用いる場合には、光の透過を向上させるためにエンボスを消す必要がある。エンボスを消すためには、真空ラミネーターあるいはプレス成形機を用いて、例えば、ガラス/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池封止材/ガラスの構成で、真空ラミネーターであれば、80〜150℃程度の温度で、真空圧10Torr以下の条件で3〜6分間真空・加熱し;次いで、大気圧による加圧を1〜15分間程度行い、エンボス形状を消し上記積層体を一体化する。エンボスを有することで、太陽電池封止材(太陽電池封止材シート)の貯蔵弾性率は低下するため、太陽電池封止材シートと太陽電池素子とを仮ラミネートする時に太陽電池素子等に対するクッションとなって、太陽電池素子の破損を防止することができる。
本実施形態に係る光架橋性シートの用途は特に限定されないが、太陽電池封止材として用いることが好ましい。
本実施形態に係る光架橋性シートを太陽電池封止材として用いる場合にも、エンボスを有することが有用である。また、太陽電池封止材として用いる場合には、光の透過を向上させるためにエンボスを消す必要がある。エンボスを消すためには、真空ラミネーターあるいはプレス成形機を用いて、例えば、ガラス/太陽電池封止材/太陽電池素子/太陽電池封止材/ガラスの構成で、真空ラミネーターであれば、80〜150℃程度の温度で、真空圧10Torr以下の条件で3〜6分間真空・加熱し;次いで、大気圧による加圧を1〜15分間程度行い、エンボス形状を消し上記積層体を一体化する。エンボスを有することで、太陽電池封止材(太陽電池封止材シート)の貯蔵弾性率は低下するため、太陽電池封止材シートと太陽電池素子とを仮ラミネートする時に太陽電池素子等に対するクッションとなって、太陽電池素子の破損を防止することができる。
6.太陽電池モジュール
本実施形態に係る光架橋性シートにより構成された太陽電池封止材(太陽電池封止材シートとも呼ぶ。)は、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子を封止するために用いられる。
太陽電池モジュールは、例えば、通常、単結晶シリコン、多結晶シリコン等により形成された太陽電池素子を太陽電池封止材シートで挟み積層し、さらに、表裏両面を保護シートでカバーした結晶型太陽電池モジュールが挙げられる。とくに、太陽電池モジュール用保護シート(透明保護部材)/受光面側封止層/太陽電池素子/裏面側封止層/太陽電池モジュール用保護シート(透明保護部材)という構成が、光架橋を行う上では好ましい構成である。ここで、本実施形態の太陽電池封止材は上記受光面側封止層および裏面側封止層のいずれか一方、あるいは両方を形成するために用いられ、これらの封止層は本実施形態に係る光架橋性シートを架橋させることにより形成することができる。
ただし、本発明の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、または上記以外の層を適宜設けることができる。上記以外の層としては、例えば接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、および光拡散層等を挙げることができる。これらの層は、とくに限定はないが、各層を設ける目的や特性を考慮して、適切な位置に設けることができる。
本実施形態に係る光架橋性シートにより構成された太陽電池封止材(太陽電池封止材シートとも呼ぶ。)は、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子を封止するために用いられる。
太陽電池モジュールは、例えば、通常、単結晶シリコン、多結晶シリコン等により形成された太陽電池素子を太陽電池封止材シートで挟み積層し、さらに、表裏両面を保護シートでカバーした結晶型太陽電池モジュールが挙げられる。とくに、太陽電池モジュール用保護シート(透明保護部材)/受光面側封止層/太陽電池素子/裏面側封止層/太陽電池モジュール用保護シート(透明保護部材)という構成が、光架橋を行う上では好ましい構成である。ここで、本実施形態の太陽電池封止材は上記受光面側封止層および裏面側封止層のいずれか一方、あるいは両方を形成するために用いられ、これらの封止層は本実施形態に係る光架橋性シートを架橋させることにより形成することができる。
ただし、本発明の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、または上記以外の層を適宜設けることができる。上記以外の層としては、例えば接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、および光拡散層等を挙げることができる。これらの層は、とくに限定はないが、各層を設ける目的や特性を考慮して、適切な位置に設けることができる。
本実施形態の太陽電池モジュールの一例を示す。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子と、太陽電池素子を挟んで封止する一対の受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートを透明保護部材にて挟んだ積層体として備える。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子と、太陽電池素子を挟んで封止する一対の受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートを透明保護部材にて挟んだ積層体として備える。
(太陽電池素子)
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。
太陽電池モジュールにおいては、複数の太陽電池素子は、導線および半田接合部を備えたインターコネクタを介して電気的に直列に接続されている。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等のシリコン系、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル等のIII−V族やII−VI族化合物半導体系等の各種太陽電池素子を用いることができる。
太陽電池モジュールにおいては、複数の太陽電池素子は、導線および半田接合部を備えたインターコネクタを介して電気的に直列に接続されている。
(透明保護部材)
透明保護部材としては、ガラス板;アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂等により形成された樹脂板等が挙げられる。
本実施形態の太陽電池封止材シートは、透明保護部材に対して良好な接着性を示す。
透明保護部材としては、ガラス板;アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、フッ素含有樹脂等により形成された樹脂板等が挙げられる。
本実施形態の太陽電池封止材シートは、透明保護部材に対して良好な接着性を示す。
(その他保護部材)
その他保護部材(バックシート)としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単体もしくは多層のシートが挙げられる。例えば、錫、アルミ、ステンレススチール等の金属;ガラス等の無機材料;ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン等により形成された各種熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる。
裏面側保護部材は、単層であってもよく、複層であってもよい。
本実施形態の太陽電池封止材シートは、その他保護部材に対して良好な接着性を示す。
なお、その他保護部材は、光架橋を妨げない範囲において使用することができる。
その他保護部材(バックシート)としては、金属や各種熱可塑性樹脂フィルム等の単体もしくは多層のシートが挙げられる。例えば、錫、アルミ、ステンレススチール等の金属;ガラス等の無機材料;ポリエステル、無機物蒸着ポリエステル、フッ素含有樹脂、ポリオレフィン等により形成された各種熱可塑性樹脂フィルム等が挙げられる。
裏面側保護部材は、単層であってもよく、複層であってもよい。
本実施形態の太陽電池封止材シートは、その他保護部材に対して良好な接着性を示す。
なお、その他保護部材は、光架橋を妨げない範囲において使用することができる。
(太陽電池モジュールの製造方法)
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、インターコネクタを用いて電気的に接続した複数の太陽電池素子を一対の受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートで挟み、さらにこれら受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートを透明保護部材の間に挟んで積層体を作製する。次いで、積層体に紫外線を照射して、受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シート、受光面側太陽電池封止材シートと透明保護部材、裏面側太陽電池封止材シートと透明保護部材とを接着する。
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法では、紫外線を照射することにより太陽電池封止材を構成する光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋をおこない、封止層を形成する。そのため、従来の加熱による熱架橋に比べて太陽電池モジュール製造過程における加熱温度や圧力を低く設定することができる。そのため、太陽電池モジュール製造過程において太陽電池封止材がはみ出し、太陽電池モジュール製造過程において太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケ等の発生を防ぐことができたりする。
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、インターコネクタを用いて電気的に接続した複数の太陽電池素子を一対の受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートで挟み、さらにこれら受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シートを透明保護部材の間に挟んで積層体を作製する。次いで、積層体に紫外線を照射して、受光面側太陽電池封止材シートと裏面側太陽電池封止材シート、受光面側太陽電池封止材シートと透明保護部材、裏面側太陽電池封止材シートと透明保護部材とを接着する。
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法では、紫外線を照射することにより太陽電池封止材を構成する光架橋性エチレン系樹脂組成物の光架橋をおこない、封止層を形成する。そのため、従来の加熱による熱架橋に比べて太陽電池モジュール製造過程における加熱温度や圧力を低く設定することができる。そのため、太陽電池モジュール製造過程において太陽電池封止材がはみ出し、太陽電池モジュール製造過程において太陽電池素子の割れや、薄膜電極のカケ等の発生を防ぐことができたりする。
7.光架橋性シートの梱包体
本実施形態に係る光架橋性シートの梱包体は、本実施形態に係る光架橋性シートと、上記光架橋性シートを収納する梱包材と、を備える。上記光架橋性シートは、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、を含有する。
そして、上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下であり、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.1%以下である。
光架橋性シートを収納する梱包材の上記光線透過率が上記上限値以下であると、光架橋性シートの原反の紫外線による変質を抑制することができる。
また、本実施形態の光架橋性シートの保管方法は、上記光架橋性シートを上記梱包材で保管する。これにより、保管時や輸送時において、光架橋性シートの原反の紫外線による変質を抑制することができる。
本実施形態に係る光架橋性シートの梱包体は、本実施形態に係る光架橋性シートと、上記光架橋性シートを収納する梱包材と、を備える。上記光架橋性シートは、エチレン系共重合体と、光架橋開始剤と、を含有する。
そして、上記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下であり、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.1%以下である。
光架橋性シートを収納する梱包材の上記光線透過率が上記上限値以下であると、光架橋性シートの原反の紫外線による変質を抑制することができる。
また、本実施形態の光架橋性シートの保管方法は、上記光架橋性シートを上記梱包材で保管する。これにより、保管時や輸送時において、光架橋性シートの原反の紫外線による変質を抑制することができる。
本発明者らは、光架橋性シートの原反の保管時や輸送時の変質劣化は、光架橋性シートに含まれる光架橋開始剤が紫外線によって反応し、架橋が進んでしまうことが原因であることを明らかにした。
そこで、光架橋性シートの原反を波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が上記上限値以下である上記梱包材で梱包することにより、上記光架橋開始剤の反応が抑制され、その結果、光架橋性シートの原反の保管時や輸送時の変質が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
そこで、光架橋性シートの原反を波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が上記上限値以下である上記梱包材で梱包することにより、上記光架橋開始剤の反応が抑制され、その結果、光架橋性シートの原反の保管時や輸送時の変質が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。
(梱包材)
上記梱包材としては、波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が上記上限値以下であれば特に限定されないが、例えば、アルミ箔、金箔、銀箔、銅箔等の金属箔;表面にアルミ、金、銀、銅等の金属を蒸着した樹脂シート;アルミ箔、金箔、銀箔、銅箔等の金属箔をラミネートした樹脂シート;紫外線吸収剤を配合した樹脂シート;色素・顔料を配合した樹脂シート;段ボール箱等が挙げられる。
上記樹脂シートとしては、ポリプロピレン製シート、ポリエチレン製シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)製シート等が挙げられる。
また、樹脂シートに配合される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、樹脂シートに配合される色素・顔料としては、天然マイカ(雲母)、合成マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、カオリナイト、珪藻土、カーボンブラック等が挙げられる。
これらの中でも低コストで製造が容易であることから、好ましくはアルミ箔をラミネートした樹脂シートである。
上記梱包材としては、波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が上記上限値以下であれば特に限定されないが、例えば、アルミ箔、金箔、銀箔、銅箔等の金属箔;表面にアルミ、金、銀、銅等の金属を蒸着した樹脂シート;アルミ箔、金箔、銀箔、銅箔等の金属箔をラミネートした樹脂シート;紫外線吸収剤を配合した樹脂シート;色素・顔料を配合した樹脂シート;段ボール箱等が挙げられる。
上記樹脂シートとしては、ポリプロピレン製シート、ポリエチレン製シート、ポリエチレンテレフタレート(PET)製シート等が挙げられる。
また、樹脂シートに配合される紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;サリチル酸エステル系紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;トリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
また、樹脂シートに配合される色素・顔料としては、天然マイカ(雲母)、合成マイカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、カオリナイト、珪藻土、カーボンブラック等が挙げられる。
これらの中でも低コストで製造が容易であることから、好ましくはアルミ箔をラミネートした樹脂シートである。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)測定方法
[ショアA硬度]
エチレン系共重合体を190℃、加熱4分、10MPaで加圧した後、10MPaで常温まで5分間加圧冷却して3mm厚のシートを得た。得られたシートを用いて、ASTM D2240に準拠してエチレン系共重合体のショアA硬度を測定した。
[ショアA硬度]
エチレン系共重合体を190℃、加熱4分、10MPaで加圧した後、10MPaで常温まで5分間加圧冷却して3mm厚のシートを得た。得られたシートを用いて、ASTM D2240に準拠してエチレン系共重合体のショアA硬度を測定した。
[MFR]
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件にてエチレン系共重合体のMFRを測定した。
ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件にてエチレン系共重合体のMFRを測定した。
[α−オレフィン単位の含有割合]
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させて得られた溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。日本電子社製のJNM GX−400型NMR測定装置を使用し、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は8000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルより、共重合体中のα−オレフィン単位の含有割合を定量した。
試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させて得られた溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入した。日本電子社製のJNM GX−400型NMR測定装置を使用し、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は8000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルより、共重合体中のα−オレフィン単位の含有割合を定量した。
[酢酸ビニル含有量]
酢酸ビニル含有量はJIS K6730に準拠して測定し、算出した。
酢酸ビニル含有量はJIS K6730に準拠して測定し、算出した。
[密度]
ASTM D1505に準拠して、エチレン系共重合体の密度を測定した。
ASTM D1505に準拠して、エチレン系共重合体の密度を測定した。
[紫外線照射試験]
紫外線照射試験用のサンプルに、岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で1分間照射させた。
紫外線照射試験用のサンプルに、岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で1分間照射させた。
[紫外線照射試験後のゲル分率]
上記紫外線照射試験後の光架橋性エチレン系樹脂組成物のシートサンプル約1gを秤量し(秤量値をA(g))、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
上記紫外線照射試験後の光架橋性エチレン系樹脂組成物のシートサンプル約1gを秤量し(秤量値をA(g))、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
[架橋特性評価]
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)を10cm×10cmのサイズに裁断した後、岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋シートを作製した。得られた光架橋シートサンプル約1gを秤量し(秤量値をA(g))、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出し、下記の基準で評価した。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
○:ゲル分率が30%以上95%以下
×:ゲル分率が30%未満または95%超過
このゲル分率評価により、光架橋性シートの架橋特性を評価した。
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)を10cm×10cmのサイズに裁断した後、岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV−W151を用いて、295〜450nmの紫外線を照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋シートを作製した。得られた光架橋シートサンプル約1gを秤量し(秤量値をA(g))、沸騰トルエンでのソックスレー抽出を10時間行い、30メッシュでのステンレスメッシュでろ過後、メッシュを110℃にて8時間減圧乾燥を行い、メッシュ上の残存量B(g)を算出し、下記式を用いてゲル分率を算出し、下記の基準で評価した。
ゲル分率(質量%)=100×B/A
○:ゲル分率が30%以上95%以下
×:ゲル分率が30%未満または95%超過
このゲル分率評価により、光架橋性シートの架橋特性を評価した。
[柔軟性評価]
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)と特開2014−122044号公報の実施例1と同様の方法で作製した発泡シートを所定の形状に切り出した。次いで、各シートを重ねて真空ラミネーター内に仕込み、80℃に温調したホットプレート上に載せて3分間減圧、大気圧下で2分間加熱し積層体を作成した。次いで、光架橋性シート面から上記ゲル分率の測定と同様の条件で紫外線を照射し、光架橋した積層体を得た。
得られた光架橋積層体を、キャップ(30PPSTD)に装填して、パッキン付きキャップを得た。光架橋積層体の光架橋シート面を内容物側に配置した。ここで、上記光架橋積層体をパッキンとした。
720mlのワイン瓶に80℃の水を入れ、パッキン付きキャップをビン口に被せ、キャップシーラー(OCIM社製スーパーエルメティカ)にて打栓圧20kgにて閉栓した。
閉栓後、24時間常温で放置し、15kg・cmの力で開栓した。
15kg・cmの力で閉栓、開栓を200回繰り返し、光架橋積層体の変形を確認し、下記の基準で評価した。
○:光架橋積層体に変形なし
×:光架橋シートまたは発泡シートに変形あり
この密閉性評価により、光架橋性シートの柔軟性を評価した。
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)と特開2014−122044号公報の実施例1と同様の方法で作製した発泡シートを所定の形状に切り出した。次いで、各シートを重ねて真空ラミネーター内に仕込み、80℃に温調したホットプレート上に載せて3分間減圧、大気圧下で2分間加熱し積層体を作成した。次いで、光架橋性シート面から上記ゲル分率の測定と同様の条件で紫外線を照射し、光架橋した積層体を得た。
得られた光架橋積層体を、キャップ(30PPSTD)に装填して、パッキン付きキャップを得た。光架橋積層体の光架橋シート面を内容物側に配置した。ここで、上記光架橋積層体をパッキンとした。
720mlのワイン瓶に80℃の水を入れ、パッキン付きキャップをビン口に被せ、キャップシーラー(OCIM社製スーパーエルメティカ)にて打栓圧20kgにて閉栓した。
閉栓後、24時間常温で放置し、15kg・cmの力で開栓した。
15kg・cmの力で閉栓、開栓を200回繰り返し、光架橋積層体の変形を確認し、下記の基準で評価した。
○:光架橋積層体に変形なし
×:光架橋シートまたは発泡シートに変形あり
この密閉性評価により、光架橋性シートの柔軟性を評価した。
[透明性評価]
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)を、波長350〜800nmの範囲内において吸収域を有しない白板ガラスで挟み、真空ラミネーターで100℃、真空下で2分プレスし、100℃、0.04MPaで3分プレスを行い、白板ガラス/シートサンプル/白板ガラスの構成の積層体を得た。得られた積層体に対し295〜450nmの紫外線を光量照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋積層体を作製した。
次いで、日本電色工業製のHAZEメーター(商品名「NDH2000」)を使用し、JIS K7361−1に準じて上記光架橋積層体の全光線透過率を測定し、下記の基準で評価した。
○:全光線透過率が80%以上
×:全光線透過率が80%未満
実施例および比較例で得られた光架橋性シート(梱包材で梱包する前のシート)を、波長350〜800nmの範囲内において吸収域を有しない白板ガラスで挟み、真空ラミネーターで100℃、真空下で2分プレスし、100℃、0.04MPaで3分プレスを行い、白板ガラス/シートサンプル/白板ガラスの構成の積層体を得た。得られた積層体に対し295〜450nmの紫外線を光量照射強度100mW/cm2で10分間照射し、光架橋積層体を作製した。
次いで、日本電色工業製のHAZEメーター(商品名「NDH2000」)を使用し、JIS K7361−1に準じて上記光架橋積層体の全光線透過率を測定し、下記の基準で評価した。
○:全光線透過率が80%以上
×:全光線透過率が80%未満
[梱包材の光線透過率]
島津製作所社製の分光光度計(商品名「Solid Spec−3700DUV」)を使用し、梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率を測定した。
島津製作所社製の分光光度計(商品名「Solid Spec−3700DUV」)を使用し、梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率を測定した。
(2)使用した材料
(梱包材)
・梱包シート1
線状低密度ポリエチレン(密度:0.919g/cm3、MFR(ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件):8g/10分)にアルミ箔をラミネートした梱包シート1を用意した。このシートの360nmにおける透過率は0%であった。また、波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率は1%以下であった。
・梱包シート2
線状低密度ポリエチレン(密度:0.919g/cm3、MFR(ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件):8g/10分)からなる梱包シート2を用意した。このシートの360nmにおける透過率は89%であった。波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率は88%以上91%以下の範囲であった。
(梱包材)
・梱包シート1
線状低密度ポリエチレン(密度:0.919g/cm3、MFR(ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件):8g/10分)にアルミ箔をラミネートした梱包シート1を用意した。このシートの360nmにおける透過率は0%であった。また、波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率は1%以下であった。
・梱包シート2
線状低密度ポリエチレン(密度:0.919g/cm3、MFR(ASTM D1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件):8g/10分)からなる梱包シート2を用意した。このシートの360nmにおける透過率は89%であった。波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率は88%以上91%以下の範囲であった。
(エチレン系共重合体)
・エチレン・α−オレフィン共重合体(α−オレフィン:1−ブテン、密度:0.873g/cm3、エチレンに由来する構成単位の含有割合:87mol%、α−オレフィンに由来する構成単位の割合:13mol%、ショアA硬度:74、MFR7.5g/10分、WO2014/080856の合成例1を参考に、水素供給量を調整し、合成した。)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(ショアA硬度:70、酢酸ビニル含有量:33質量%、MFR:14g/10分)
・エチレン・α−オレフィン共重合体(α−オレフィン:1−ブテン、密度:0.873g/cm3、エチレンに由来する構成単位の含有割合:87mol%、α−オレフィンに由来する構成単位の割合:13mol%、ショアA硬度:74、MFR7.5g/10分、WO2014/080856の合成例1を参考に、水素供給量を調整し、合成した。)
・エチレン・酢酸ビニル共重合体(ショアA硬度:70、酢酸ビニル含有量:33質量%、MFR:14g/10分)
(架橋助剤)
・トリアリルイソシアヌレート
(光架橋開始剤)
・ベンゾフェノン
(シランカップリング剤)
・γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
・トリアリルイソシアヌレート
(光架橋開始剤)
・ベンゾフェノン
(シランカップリング剤)
・γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
[実施例1]
表1に記載の配合割合で各成分を配合して光架橋性エチレン系樹脂組成物を調製し、以下の条件でシート状に成形した。
池貝社製の単軸押出機(スクリュー径30mmφ)で溶融混練した後、コートハンガー式T型ダイスからダイス温度110℃の条件下で押出成形し、ロール温度25℃で冷却した後、巻き取り速度0.7m/minで成形し、ロール状の光架橋性シートを得た。光架橋性シートの最大厚みtmaxは450μmであった。
次いで、得られたロール状の光架橋性シートから100mm×100mmシートを1枚切り出し、梱包材である梱包シート1により梱包し、紫外線照射試験用のサンプルを得た。
得られたサンプルについて各評価をおこなった。得られた評価結果を表1に示す。
表1に記載の配合割合で各成分を配合して光架橋性エチレン系樹脂組成物を調製し、以下の条件でシート状に成形した。
池貝社製の単軸押出機(スクリュー径30mmφ)で溶融混練した後、コートハンガー式T型ダイスからダイス温度110℃の条件下で押出成形し、ロール温度25℃で冷却した後、巻き取り速度0.7m/minで成形し、ロール状の光架橋性シートを得た。光架橋性シートの最大厚みtmaxは450μmであった。
次いで、得られたロール状の光架橋性シートから100mm×100mmシートを1枚切り出し、梱包材である梱包シート1により梱包し、紫外線照射試験用のサンプルを得た。
得られたサンプルについて各評価をおこなった。得られた評価結果を表1に示す。
[比較例1]
梱包シート1を用いない以外は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表1に示す。
梱包シート1を用いない以外は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表1に示す。
[実施例2、比較例2〜3、参考例1]
各成分の配合および梱包シートを表1に示したものにした以外は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表1に示す。
各成分の配合および梱包シートを表1に示したものにした以外は実施例1と同様に行った。得られた評価結果を表1に示す。
表1から明らかなように、波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材を用いた実施例1〜2の光架橋性シートの梱包体は紫外線照射試験によるゲル分率の上昇は観察されなかった。
これに対し、梱包材を用いない比較例1〜2の光架橋性シート、および波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%を超える梱包材を用いた比較例3の光架橋性シートの梱包体は、紫外線照射試験によるゲル分率の上昇が観察された。
すなわち、本実施形態に係る光架橋性シートの梱包体は保管時や輸送時において紫外線による変質が抑制されることが理解できる。
さらに、実施例1〜2の光架橋性シートは柔軟性、架橋特性、および透明性に優れていることから、ショアA硬度が55以上95以下であるエチレン系共重合体を用いることにより、柔軟性、架橋特性、および透明性のバランスに優れた光架橋性シートが得られることが理解できる。
これに対し、梱包材を用いない比較例1〜2の光架橋性シート、および波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%を超える梱包材を用いた比較例3の光架橋性シートの梱包体は、紫外線照射試験によるゲル分率の上昇が観察された。
すなわち、本実施形態に係る光架橋性シートの梱包体は保管時や輸送時において紫外線による変質が抑制されることが理解できる。
さらに、実施例1〜2の光架橋性シートは柔軟性、架橋特性、および透明性に優れていることから、ショアA硬度が55以上95以下であるエチレン系共重合体を用いることにより、柔軟性、架橋特性、および透明性のバランスに優れた光架橋性シートが得られることが理解できる。
なお、参考例1のシートは光架橋開始剤を含まないため、ゲル分率の上昇は観察されなかった。また、参考例1のシートは光架橋開始剤を含まないため、架橋特性評価、柔軟性評価および透明性評価はおこなわなかった。
Claims (18)
- エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートと、
前記光架橋性シートを収納する梱包材と、
を備え、
前記梱包材の波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である光架橋性シートの梱包体。 - 請求項1に記載の光架橋性シートの梱包体において、
ASTM D2240に準拠して測定される、前記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの梱包体。 - 請求項1または2に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの梱包体。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である - 請求項1または2に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの梱包体。
b1)前記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である - 請求項1乃至4いずれか一項に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの梱包体。 - 請求項5に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの梱包体。 - 請求項1乃至6いずれか一項に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの梱包体。 - 請求項1乃至7いずれか一項に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの梱包体。 - 請求項1乃至8いずれか一項に記載の光架橋性シートの梱包体において、
前記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの梱包体。 - エチレン系共重合体および光架橋開始剤を含む光架橋性エチレン系樹脂組成物を含んでなる光架橋性シートを保管する方法であって、
前記光架橋性シートを波長300nm以上400nm以下の全波長域における光線透過率が1%以下である梱包材で保管する工程を含む光架橋性シートの保管方法。 - 請求項10に記載の光架橋性シートの保管方法において、
ASTM D2240に準拠して測定される、前記エチレン系共重合体のショアA硬度が55以上95以下である光架橋性シートの保管方法。 - 請求項10または11に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記エチレン系共重合体が下記要件a1)を満たすエチレン・α−オレフィン共重合体(a)を含む光架橋性シートの保管方法。
a1)ASTM D1505に準拠して測定される密度が0.860g/cm3以上0.895g/cm3以下である - 請求項10または11に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記エチレン系共重合体が下記要件b1)を満たすエチレン・極性モノマー共重合体(b)を含む光架橋性シートの保管方法。
b1)前記エチレン・極性モノマー共重合体(b)中の極性モノマー単位の含有量が8質量%以上35質量%以下である - 請求項10乃至13いずれか一項に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記光架橋開始剤がベンゾフェノン、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾイン誘導体、α−ヒドロキシアルキルフェノン類、オキシムエステル類、およびアントラキノン誘導体から選択される一種または二種以上を含む光架橋性シートの保管方法。 - 請求項14に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記光架橋開始剤がベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体から選択される少なくとも一種を含む光架橋性シートの保管方法。 - 請求項10乃至15いずれか一項に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記光架橋性シートがロール状である光架橋性シートの保管方法。 - 請求項10乃至16いずれか一項に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記梱包材がアルミ箔をラミネートした樹脂シートである光架橋性シートの保管方法。 - 請求項10乃至17いずれか一項に記載の光架橋性シートの保管方法において、
前記光架橋性シートは太陽電池素子を封止するために用いられる光架橋性シートの保管方法。
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