JP6421404B2 - 医薬品包装体 - Google Patents
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Description
しかしながら、これらの積層フィルムは、同時に酸素吸収層を有するものであり、臭気吸着層は、酸素吸収層が酸素を吸収する過程で発生する、該酸素吸収層からの臭気を吸着することを目的として設けられている。
したがって、このような積層フィルムからなる医薬品包装体においては、臭気吸着層は、その目的からして短期間でその臭気吸着効果を失い、また、内容物である医薬品由来の臭気に対しては、十分な消臭能を有しない。
そして、このような医薬品包装体に対して、医薬品由来の臭気を、長期にわたって十分に消臭することができ、且つ、低コストで製造可能な医薬品包装体が求められている。
(1)ガスバリア性フィルム、接着層及び臭気吸着層をこの順番で積層してなる積層フィルムにおいて、該臭気吸着層が、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなり、該臭気吸着剤が、無機多孔体上に化学吸着剤を担持させてなることを特徴とする積層フィルムからなる医薬品包装体。
(2)前記臭気吸着層が、前記臭気吸着剤を0.5質量%〜30質量%の範囲で含有することを特徴とする、上記(1)に記載の医薬品包装体。
することができる。
また、本発明の医薬品包装体を形成する積層フィルムは、酸素吸収層を有さず、ガスバリア性フィルム、接着層、及び、特定の構成からなる臭気吸着層を、この順番で、包装体の外側から内側へ向かって積層したものである。この構成により、本発明の包装体は、内容物である医薬品が発する臭気を、長期にわたり効率的に吸着することができる。また、最内層を構成する臭気吸着層が、特定の構成の臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなるため、ヒートシール性と臭気吸着性を兼ね備え、したがって、原料コスト及び製造工程数が低減され、生産性に優れる。
さらに、上記臭気吸着層は、優れた臭気吸着能を発揮しながら、高いシール強度を保持する。したがって、本発明の包装体は、優れた密封性を示す。
図1は、本発明の医薬品包装体を構成する積層フィルムの層構成について、その一例を示す概略的断面図である。図1に示されるように、本発明において用いられる積層フィルムは、ガスバリア性フィルム1と、臭気吸着層3とを接着層2を介して積層してなるものである。
また、逆に、層3aが、臭気吸着剤を含有せず、層3bが臭気吸着剤を含有することにより、層間接着強度を向上させることもできる。
本発明において、ガスバリア性フィルムは、特に限定されず、外界からの酸素透過や水蒸気透過を抑制できるものであれば、公知又は市販のガスバリア性フィルムを適用できる
。ガスバリア性フィルムとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体等の樹脂からなる樹脂フィルム、又は蒸着フィルムを使用することができるが、これらに限定されない。上記フィルムの中でも、特に、蒸着フィルムを用いることが、ガスバリア性の観点から好ましい。さらに、透明蒸着フィルムを用いることにより、視認性にも優れた包装体を低コストで製造することができる。
ここで、蒸着フィルムを構成する基材フィルムとしては、化学的ないし物理的強度に優れ、無機酸化物蒸着層を形成する条件等に耐え、それら無機酸化物蒸着層の特性を損なうことなく良好に保持し得ることができる樹脂フィルムを使用することができるが、機械的強度や耐ピンホール性に優れている点から好ましくは、ポリエステルまたはポリアミドからなるフィルムであり、特に、2軸延伸ポリエステルフィルム、または2軸延伸ポリアミドフィルムである。
蒸着フィルムを構成する蒸着膜としては、酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する物であればよく、例えば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の酸化物からなる蒸着膜であるが、特に、ガスバリア性、生産効率の点などから、酸化アルミニウムまたは酸化珪素が好ましい。
蒸着膜の厚さとしては、5〜100nm、より好ましくは10〜50nmの範囲で適宜設定することができる。100nmを超えると、フレキシビリティ性が低下し、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外力で、蒸着層に亀裂を生じる恐れがあり、また、生産性を著しく低下させ、さらに異常粒の成長から突起が形成される傾向があるので好ましくない。また一方で、無機化合物層の厚さが5nm未満では、均一な層が得られにくく、またガスバリア性の機能を十分に果たすことが難しい。
本発明において、ガスバリア性塗布膜とは、アルコキシドと水溶性高分子とを、ゾルゲル法触媒、酸、水及び有機溶剤の存在下で、ゾルゲル法によって加水分解及び、重縮合して得られるガスバリア性組成物を塗布し乾燥させてなる膜である。ガスバリア性組成物は、場合により、さらにシランカップリング剤を含有してもよい。
上記ゾルゲル法触媒としては、水に実質的に不要であり、且つ有機溶媒に可溶な第3級アミン、特にN,N−ジメチルベンジルアミンとすることができる。ガスバリア性組成物において用いられる酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸、並びに酢酸、酒石酸等の有機酸等を使用することができる。更に、有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等を用いることができる。
上記のガスバリア性組成物を、蒸着膜の上に塗布し、加熱して溶媒及び重縮合反応により生成したアルコールを除去すると、重縮合反応が完結し、透明なガスバリア性塗布膜が形成される。ここで、加水分解によって生じた水酸基や、シランカップリング剤由来のシラノール基が蒸着膜の表面の水酸基と結合する為、該蒸着膜とガスバリア性塗布膜との密接着性等が良好なものとなる。
本発明において好適に用いられる蒸着フィルムとしては、IB−PET−RB(大日本印刷(株)製)が挙げられる。
臭気吸着剤
本発明において、臭気吸着層は、臭気吸着剤を含有するヒートシール性樹脂からなる。ここで、臭気吸着剤は、内容物である医薬品が発する臭気物質に対し、吸着機能を有するものであり、無機多孔体に化学吸着剤を担持させてなる。担持方法としては、公知または慣用の担持方法を適用することができるが、例えば、以下で説明する化学吸着剤を含有する溶液を、無機多孔体に含浸させて、乾燥することにより、担持させることができる。
本発明において、無機多孔体としては、その表面に多数の細孔を有する任意の無機化合物を用いることができるが、例えば、ゼオライト、二酸化珪素、ケイ酸塩、活性炭、チタニア、燐酸カルシウム等の無機燐酸塩、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。特に、吸着対象物の大きさに対して有効な多孔状態を有することや安全面の観点から水酸化アルミニウム、ゼオライト、ケイ酸塩を適用することが好ましい。これらは、球状、棒状、楕円状等の任意の外径形状であってよく、また粉体状、塊状、粒状等いかなる形態であってもよいが、臭気吸着層の製膜性や、ヒートシール性樹脂への均一な混練特性等の観点から、好適には粉体状である。
本発明において、化学吸着剤とは、除去対象の臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有し、且つ、上記無機多孔体上に担持され得る化合物である。
除去対象の臭気物質がカルボン酸類、硫化水素、メルカプタン類等の酸性物質である場合は、反応性官能基として、ヒドロキシル基等の塩基性官能基を有する化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化鉄等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、炭酸水素塩、アルキルアミン、テトラメチレンジアミン等のポリアミン、エタノールアミン、ピペリジン等のアミノ基含有化合物、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のアミド基含有化合物を、化学吸着剤として用いることができる。
また、除去対象の臭気物質がアルデヒドである場合は、アミノ基含有化合物を特に好ましく用いることができる。
さらに、両性物質、例えば酸化亜鉛等の金属酸化物を化学吸着剤として用いることにより、酸性及び塩基性物質を吸着することができる。
例えば、臭気物質が酸系臭気物質である場合は、図4(a)に示すように、臭気吸着剤として、例えばヒドロキシル基を有する化合物を無機多孔体上に担持してなる臭気吸着剤を用いることができる。これにより、カルボキシル基とヒドロキシル基とが化学反応を起こして結合し、臭気物質が吸着される。
また、臭気物質がアンモニアである場合は、図4(b)に示すように、臭気吸着剤として、例えばリン酸基を有する化合物を無機多孔体上に担持してなる臭気吸着剤を用いることができる。これにより、アンモニアとリン酸基とが化学反応を起こして結合し、臭気物質が吸着される。
さらに、臭気物質がアルデヒドである場合は、図4(c)に示すように、臭気吸着剤として、例えばアミノ基を有する化合物を無機多孔体上に担持してなる臭気吸着剤を用いることができる。これにより、アルデヒド基とアミノ基とが化学反応を起こして結合し、臭気物質が吸着される。
本発明において、臭気吸着層を形成するヒートシール性樹脂は、特に制限されず、公知又は市販のヒートシール性を有するポリオレフィン系樹脂を用いることができる。
このようなポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、酸変性ポリオレフィン系樹脂、及びこれらの樹脂の混合物等が挙げられるが、これらの樹脂に限定されない。また、酸化防止剤やアンチブロック剤等の何れかが添加剤として、フィルム内に少量存在するものも適用できる。特に、臭気吸着剤を含有する状態で優れたヒートシール性及び臭気吸着性を発揮するため、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等を用いることが好ましい。
本発明の一態様において、臭気吸着層は、臭気吸着剤をヒートシール性樹脂中に混練してなる樹脂組成物からなる単層構成である。ここで、臭気吸着剤は、層中に均一に分散していてもよい。また、例えば、最内層側の表面から接着層との対向面に向かって、増加傾向の濃度勾配をもって分散していてもよく、この構成により、ヒートシール性が向上する。これとは逆に、最内層側の表面から接着層との対向面に向かって、減少傾向の濃度勾配をもって分散していてもよく、この構成により、層間接着強度が向上する。
また別の態様において、臭気吸着層は、2またはそれ以上の層を有する多層構成であり、ここで、各層は、臭気吸着剤の添加量がそれぞれ異なる樹脂組成物からなってよい。この構成において、臭気吸着剤を含有せず、ヒートシール性樹脂のみからなる層があってもよい。
臭気吸着剤をヒートシール性樹脂中に混練する方法としては、公知または慣用の混練方法を適用することができる。例えば、ヒートシール性樹脂中に臭気吸着剤を分散させてペレット状のマスターバッチを作製し、これを、再度ヒートシール性樹脂中に分散させる、いわゆるマスターバッチ式のブレンド方法により、凝集し易い臭気吸着剤であっても、均質に分散させることができる。
上記のガスバリア性フィルム−臭気吸着層間に接着層を設けて積層することにより、ガスバリア性フィルム、接着層及び臭気吸着層をこの順番で有する本発明の積層フィルムが得られる。
接着層としてドライラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解した接着剤を一方のフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
ノンソルベントラミネート用接着剤を用いる場合は、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身をフィルム上に塗布し乾燥させて、もう一方のフィルムを重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させて積層する。
接着層は、上記接着剤を、例えばロールコート、グラビアロールコート、キスコート等で施すことにより形成され、そのコーティング量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)位が望ましい。接着剤のコーティング量を上記範囲とすることで、良好な接着性が得られる。
本発明において、ガスバリア性フィルムと臭気吸着層との間に、包装体内の湿気を吸着する吸湿層を設けることができる。このような吸湿層は、例えば、吸湿剤及びバインダー樹脂を含有する樹脂組成物からなってよい。ここで、吸湿剤としては、特に限定されず、吸湿効果または調湿効果を有する公知又は市販の材料を使用することができる。なお、調湿効果とは、湿度が高い時には吸湿し、湿度が低い時には放湿して、湿度を一定にする効果を指す。
吸湿層への吸湿剤の添加量は、吸湿層の全質量に対して1質量%以上であれば吸湿効果を示すことが可能であるが、良好な吸湿効果を得るためには、好ましくは3質量%以上である。一方、良好な製膜性を得るためには、吸湿剤の添加量は40質量%以下であることが望ましい。
本発明において、このような吸湿層を設けることにより、臭気吸着層の臭気吸着効果を妨げることなく、包装体内の水分を除去し、内容物の品質劣化を防ぐことができる。さらには、このような吸湿層を臭気吸着層と隣接して設けることにより、臭気吸着層中に留まり得る水分が吸湿層に移行する結果、臭気吸着効果を一層高めることができる。
本発明の包装体は、本発明の積層フィルムを製袋してなるものであり、臭気吸着層側の面(ヒートシール面)が対向するように、積層フィルムを折り曲げるかまたは2枚を重ね合せ、その周辺端部を例えば、側面シール型、二方シール型、三方シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型等のヒートシール形態によりヒートシールすることにより製造することができる。
二酸化珪素上にポリアミン由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(NS-241:東亞合成(株)製、平均粒径3.5μm)と、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー製)とを混練して、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を、インフレーション法(押出し温度170℃)により製膜し、厚さ50μmの臭気吸着性フィルムを得た。
得られた積層フィルム2枚を、臭気吸着層側の面が対向するように重ね合せ、その周辺端部を160℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の医薬品包装体を製造した。
ガスバリア性フィルムとして、PETフィルム(厚さ12μm)上に物理気相成長法により酸化アルミニウム蒸着膜(厚さ10nm)を設け、さらに、本発明のガスバリア性塗布膜(厚さ200nm)を設けたガスバリア性フィルム(IB−PET−PXB:大日本印刷(株)製)を用いて、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着層/臭気
吸着層の層構成とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、二酸化珪素上にアミノ基を担持させてなる、別の臭気吸着剤(KD−311:ラサ工業(株)製、粒径10μm以下)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、二酸化珪素上に酸化亜鉛を担持させてなる臭気吸着剤(KD−211:ラサ工業(株)製、粒径10μm以下)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、ケイ酸塩系無機多孔体上にヒドラジン誘導体由来のアミノ基を担持させてなる臭気吸着剤(ダッシュライトM:(株)シナネンゼオミック製、平均粒径6〜7μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、ジルコニウム上にヒドロキシル基を担持させてなる臭気吸着剤(NS−80E:東亞合成(株)製、平均粒径2μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、ジルコニウム上にリン酸基を担持させてなる臭気吸着剤(NS−10:東亞合成(株)製、平均粒径1μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤として、NS−241(東亞合成(株)製)、NS−80E(東亞合成(株)製)及びNS−10(東亞合成(株)製)を用いて、これらをそれぞれ3質量%含む樹脂組成物を調製した以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
NS−241(東亞合成(株)製)と、LLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー製)とを混練して、臭気吸着剤15質量%を含む樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物と、臭気吸着剤を含まないLLDPEとを用いて、インフレーション法(押出し温度170℃)により共押出製膜し、樹脂組成物層(厚さ50μm)/LLDPE層(厚さ10μ)の多層構成を有する臭気吸着性フィルムを得た。
得られた臭気吸着性フィルムを用いて、実施例1と同様にして、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着層/樹脂組成物層/LLDPE層の層構成を有する積層フィルム、及びこれよりなる本発明の医薬品包装体を製造した。
樹脂組成物中のNS−241(東亞合成(株)製)の含有量を3質量%とした以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
ドライラミネート用接着剤の代わりに、ノンソルベントラミネート用接着剤(XRN-600:ロックペイント(株)製、塗布量3.5g/m2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
ドライラミネート用接着剤の代わりに、電子線硬化型ラミネート用接着剤(2K-SF-930A:DIC(株)製、塗布量3.5g/m2、電子線照射量20kGy)を用いた以外は、実施例1と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
実施例1と同様にして、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。
一方、ガスバリア性フィルム(IB−PET−2ABフィルム:大日本印刷(株)製)のPETフィルム側の面上に、アンカーコート(A3210/A3075:三井化学ポリウレタン(株)製、希釈溶媒:酢酸エチル、乾燥後の塗布量 0.3g/m2)を塗布し、この上に、上記樹脂組成物をエクストルージョンコーティングにより積層して臭気吸着層(厚さ50μm)を形成し、蒸着膜/PETフィルム/接着層/臭気吸着層の積層フィルムを製造した。
得られた積層フィルム2枚を、臭気吸着層側の面が対向するように重ね合せ、その周辺端部を160℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の医薬品包装体を製造した。
臭気吸着剤(NS−241:東亞合成(株)製)と、LDPE(LC522:日本ポリエチレン(株)製)とを混練して、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。また、臭気吸着剤を含まないLDPE(LC522:日本ポリエチレン(株)製)を用意した。
一方、ガスバリア性フィルム(IB−PET−2ABフィルム:大日本印刷(株)製)のPETフィルム側の面上に、アンカーコート(A3210/A3075:三井化学ポリウレタン(株)製、希釈溶媒:酢酸エチル、乾燥後の塗布量 0.3g/m2)を塗布し、この上に、上記樹脂組成物と、臭気吸着剤を含まないLDPEとを、共押しエクストルージョンコーティングにより積層して、多層構成の臭気吸着層を形成した。得られた積層フィルムの層構成は、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着層/樹脂組成物層(50μm)/LLDPE層(10μm)であった。
得られた積層フィルム2枚を、臭気吸着層側の面が対向するように重ね合せ、その周辺端部を160℃、1kgf/cm2、1秒の条件でヒートシールすることにより、本発明の医薬品包装体を製造した。
樹脂組成物層上に、LLDPE層を設けず、単層構成の臭気吸着性フィルムを用いた以外は、実施例9と同様にして、本発明の積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
実施例1と同様にして、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。
また、無水硫酸マグネシウム(ドライキープS−KID:佐々木化学薬品(株)製)と、LLDPE(SP2020)とを混練して、無水硫酸マグネシウム20質量%含む吸湿層形成用樹脂組成物を調製した。
次いで、これらの樹脂組成物を、インフレーション法(押出し温度170℃)により共押出製膜し、臭気吸着層(厚さ50μm)/吸湿層(厚さ30μm)のフィルムを得た。
得られたフィルムを、実施例1と同様にして、IB−PET−2ABと貼り合わせ、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着層/吸湿層/臭気吸着層の積層フィル
ム、及びそれよりなる医薬用包装体を製造した。
実施例1と同様にして、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。また、臭気吸着剤を含まないLLDPE(SP2020:(株)プライムポリマー製)を用意した。次いで、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物と臭気吸着剤を含まないLLDPEとを、インフレーション法(押出し温度170℃)により共押出製膜し、LLDPE層1(25μm)/臭気吸着剤を含む層(25μm)/LLDPE層2(10μm)の多層構成を有する臭気吸着性フィルムを得た。
得られたフィルムを、実施例1と同様にして、IB−PET−2ABと貼り合わせ、ガスバリア性塗布膜/蒸着膜/PETフィルム/接着層/LLDPE層1/臭気吸着剤を含む層/LLDPE層2の積層フィルム、及びそれよりなる医薬用包装体を製造した。
臭気吸着層を設ける代わりに、臭気吸着剤を含まないLLDPEからなるシーラント層(厚さ50μm)を設けた以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
樹脂組成物中のNS-241(東亞合成(株)製)の含有量を35質量%とした以外は、実施例1と同様にして、積層フィルムおよび医薬品包装体を製造した。
実施例1と同様にして、臭気吸着剤10質量%を含む樹脂組成物を調製した。
また、ステアリン酸コバルト(II)と、LLDPE(SP2020)とを混練して、ステアリン酸コバルト40質量%を含む酸素吸収層形成用樹脂組成物を調製した。
10cm×10cmに切り分けた実施例及び比較例で作製した積層フィルムを、臭気吸着層(比較例1についてはシーラント層)の側が対向するように半分に折って重ね合せ、ヒートシールテスター(テスター産業:TP−701−A)を用いて、160℃、1kgf/cm2、1秒の条件で1cm×10cmの領域をヒートシールしたサンプルを作製した(端部はヒートシールされずに接着しておらず、二股に分かれている状態)。このサンプルを、1.5cm幅で短冊状に切り、二股に分かれている各端部を引張試験機に装着し、試験速度:300mm/分、荷重レンジ:100Nの条件で試験した際の引張強度(N/15mm)を測定した。評価結果を表1に示す。
10cm×10cmに切り分けた実施例及び比較例で作製した積層フィルム2枚を、臭気成分と共に、800ml容の栓付ガラス瓶に入れ、1日放置後の臭気変化を官能評価により測定した。臭気成分としては、アセトアルデヒド、酢酸またはトリメチルアミンを使用し、いずれも200ppmとなる様に調整した。官能評価の評価基準は以下のとおりである:「1=初期と変化無く臭い」、「2=初期から多少臭いが緩和された」、「3=初
期と比較して大幅に臭いが緩和された」、「4=全く臭いがしない」。評価結果を表1に示す。
インフレーション法で製膜した臭気吸着性フィルム、または、エクストルージョンコーティングにより製膜した臭気吸着層のフィルム外観を観察し、官能的に評価した。評価基準は以下のとおりである:「○=フィルムに皺やぶつが生じることなく製膜が可能」、「×=フィルムに皺やぶつが多数生じ、製膜が困難」。評価結果を表1に示す。
2. 接着層
3,3a,3b. 臭気吸着層
4. 吸湿層
Claims (1)
- ガスバリア性フィルム、接着層及び臭気吸着層をこの順番で積層してなり酸素吸収層を有しない積層フィルムからなる医薬品包装体において、
該臭気吸着層が、臭気吸着剤を0.5〜30質量%の範囲で含有するヒートシール性樹脂からなり、
該ヒートシール性樹脂のメルトフローレートが0.2〜3.0g/10分であり、
該臭気吸着剤が、平均粒子径0.01〜10μmである無機多孔体上に、内容物である医薬品由来の臭気物質と化学反応を起こして結合する反応性官能基を有する化学吸着剤を担持させてなり、
該化学吸着剤が、ヒドロキシル基を有する化合物、金属炭酸塩、金属炭酸水素塩、ポリアミン、アミノ基含有化合物、アミド基含有化合物、リン酸、スルホン酸、カルボン酸、リン酸の金属塩、スルホン酸の金属塩、カルボン酸の金属塩、金属酸化物からなる群から選択された少なくとも1種の化学吸着剤であることを特徴とする、
上記の医薬品包装体。
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