JP2005036067A - ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐ブロッキング性と加熱安定性の改良されたエチレン系共重合体、粘着付与剤及びワックスからなるホットメルト接着剤を提供する。
【解決手段】エチレン系共重合体(A)30〜80重量%、粘着付与剤(B)15〜60重量%、ワックス(C)5〜40重量%からなる合計量100重量部に対し、融点が100〜180℃の不飽和脂肪酸ビスアミド(D)0.01〜0.5重量部及び融点が60〜90℃の滑剤(E)0.01〜0.5重量部を配合し、混練することによりホットメルト接着剤を得る。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐ブロッキング性と加熱安定性の改良されたホットメルト接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ホットメルト接着剤は、エチレン共重合体と粘着付与剤とワックスから構成され、包装、製本、合板、木工などの分野で広く使用されている。ホットメルト接着剤は塗布後の固化時間が短く、無溶剤であること等から年々使用量が増加している。
【0003】
しかし、従来のホットメルト接着剤は、それ自体がブロッキング化する及び長時間にわたり熱がかかるとゲル化する、即ち加熱安定性に劣る等の問題があり、これら問題を解決するため、種々の方法が提案されている。
【0004】
ホットメルト接着剤のブロッキング防止方法として、タルク、シリカ等の無機物質、ポリオレフィン微粉末、ポリエチレンワックス及びそれらの分散液を、ホットメルト接着剤を構成する重合体ペレットの表面にコーティングする方法や、高級脂肪酸等を係るペレットに添加する方法等が提案されている。
【0005】
例えば、ホットメルト接着剤を構成する重合体ペレットをポリオレフィン微粉末の水系スラリーでコーティングする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、該提案では、微粉末ポリオレフィンの水系への分散が極めて乏しいと共に、係るペレットへの付着性が弱いために、ホットメルト接着剤のブロッキングを防止し、良好な流動性を確保することができない問題がある。
【0006】
また、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスを主成分とする分散液等でホットメルト接着剤を構成するEVAペレットをコーティングする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、該提案では、耐ブロッキング性についてはある程度の効果が見られるものの、ホットメルト接着剤の良好な流動性を確保することができず、さらに、係るホットメルト接着剤を融解させた場合、ホットメルト接着剤が乳濁状を呈するため用途面からの制約を受ける問題がある。
【0007】
また、ホットメルト接着剤を構成する高粘着性エチレン系ポリマーのペレットを低粘着性EVA分散液でコーティングする方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、該提案では、コーティング剤として用いる低粘着性EVAの融点が低いと共に、低粘着性EVA中の酢酸ビニル含有率いかんによっては、ホットメルト接着剤のブロッキングを防止し、良好な流動性を確保することができない等の問題がある。
【0008】
また、ホットメルト接着剤に高級脂肪酸またはその塩を混合する方法(例えば、特許文献4参照)、さらに、N,N’−エチレンビスオレアミド、N,N’−エチレンビスエルクアミド、N,N’−ジオレイルジプイミド、N,N’−ジエルシルアジプイミドの群から選ばれた添加剤を含有させる方法(例えば、特許文献5参照)が提案されているが、これら方法により得られたホットメルト接着剤のペレットは、添加剤のブリード速度が充分でないため、初期のペレットブロッキング防止効果に劣る問題がある。
【0009】
ホットメルト接着剤の加熱安定性を向上させる方法として、酸化防止剤の添加が知られている。しかし、酸化防止剤の添加による加熱安定性改良には限界があり、相溶性が乏しい配合物の場合には酸化防止剤の添加量を増やしても熱安定性は改良されないため、それ以外の多くの提案がなされている。
【0010】
例えば、ホットメルト接着剤の粘着付与剤として、調製された分解油留分を原料として合成した石油樹脂を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。しかしながら、該提案における調製された分解油留分を原料として合成した石油樹脂を原料として用いることはコスト的に不利であるという問題がある。
【0011】
また、ホットメルト接着剤のエチレン系共重合体としてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用い、係るエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量を最適化する提案がなされている(例えば、特許文献7参照)。しかしながら、該提案は酢酸ビニル含量が多くコスト的に不利であるという問題がある。
【0012】
さらに、ホットメルト接着剤の表面粗さを調製する方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。しかしながら、該提案におけるホットメルト接着剤においても、耐ブロッキング性の改善は必ずしも満足できるものではない。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第3528841号(3頁)
【特許文献2】
特開昭56−67209号(1頁)
【特許文献3】
特開昭48−32939号(1頁)
【特許文献4】
特開昭56−136347号(1頁)
【特許文献5】
特開昭57−200434号(1頁)
【特許文献6】
特開昭52−45635号(1頁)
【特許文献7】
特開2001−207145(2頁)
【特許文献8】
特開2003−183407(1頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、耐ブロッキング性と加熱安定性を改良したホットメルト接着剤を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題に関し鋭意検討した結果、ホットメルト接着剤に特定の不飽和脂肪酸ビスアミドと特定の滑剤を組み合わせて添加することにより、ホットメルト接着剤の耐ブロッキング性と加熱安定性が改良できることを見出し、本発明に至った。
【0016】
即ち、本発明は、エチレン系共重合体(A)30〜80重量%、粘着付与剤(B)15〜60重量%、ワックス(C)5〜40重量%からなる合計量100重量部に対し、融点が100〜180℃の不飽和脂肪酸ビスアミド(D)0.01〜0.5重量部及び融点が60〜90℃の滑剤(E)0.01〜0.5重量部を配合することを特徴とするホットメルト接着剤に関するものである。
【0017】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0018】
本発明のホットメルト接着剤を構成するエチレン系共重合体(A)としては、通常エチレン系共重合体と称されるものであればいずれでもよく、例えばエチレン−α,β−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−ビニルエステル共重合体、エチレン−ビニルエステル−α,β−不飽和カルボン酸三元共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン単独重合体等が挙げられる。さらに具体的には、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム等が挙げられ、中でも接着性に優れるエチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。
【0019】
本発明のホットメルト接着剤を構成する粘着付与剤(B)としては、一般にホットメルト接着剤で用いられている粘着付与剤を用いることができ、例えば脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、ポリテルペン系樹脂、ロジン系樹脂、スチレン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などが挙げられる。さらに、これら粘着付与剤は単独または2種以上の混合物として用いられる。中でも芳香族系炭化水素樹脂が粘着付与剤(B)として好ましく、特に熱安定性に優れるホットメルト接着剤が得られることから芳香族系石油樹脂が好ましい。
【0020】
本発明のホットメルト接着剤を構成するワックス(C)としては、一般にホットメルト接着剤で用いられているワックスを用いることができ、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油ワックス;ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレン等の合成ワックス;木ロウ、カルナバワックス、ミツロウ等の天然ワックス等が挙げられ。さらに、これらワックスは単独または2種以上の混合物として用いられる。中でもエチレン系共重合体(A)及び粘着付与剤(B)との相溶性に優れるパラフィンワックス及び/又はフィッシャートロプシュワックスが好ましい。
【0021】
本発明のホットメルト接着剤とする際のエチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)及びワックス(C)の配合割合は、エチレン系共重合体(A)30〜80重量%、粘着付与剤(B)15〜60重量%、ワックス(C)5〜40重量%であり、特に接着性及び塗工作業性に優れるホットメルト接着剤となることからエチレン系共重合体(A)30〜50重量%、粘着付与剤(B)20〜50重量%、ワックス(C)5〜30重量%であることが好ましい。
【0022】
ここで、エチレン系共重合体(A)が30重量%未満である場合は得られるホットメルト接着剤は柔軟性がなく、耐寒性が不十分であり、一方、80重量%を超える場合は得られるホットメルト接着剤の溶融粘度が高くなり、塗工作業性に劣る。また、粘着付与剤(B)が15重量%未満である場合は得られるホットメルト接着剤は接着性や耐熱性が不十分であり、一方、60重量%を超える場合は得られるホットメルト接着剤の耐寒性や柔軟性が不十分となる。さらに、ワックス(C)が5重量%未満である場合、得られるホットメルト接着剤はセットタイムが長くなり、作業性が劣り、一方、40重量%を超える場合は得られるホットメルト接着剤の接着力が劣る。
【0023】
本発明のホットメルト接着剤を構成する不飽和脂肪酸ビスアミド(D)は、融点が100〜180℃である不飽和脂肪酸ビスアミドであり、具体的にはエチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド等が挙げられる。中でもエチレン共重合体との相溶性に優れ、ブリードの問題の少ないホットメルト接着剤が得られることからエチレンビスオレイン酸アミドが好ましい。
【0024】
本発明における不飽和脂肪酸ビスアミド(D)の配合量は、エチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)及びワックス(C)の合計量100重量部に対し、0.01〜0.5重量部であり、好ましくは0.05〜0.2重量部である。ここで、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)の配合量が0.01重量部未満である場合、得られるホットメルト接着剤のブロッキング防止効果が低くなり、一方、0.5重量部を超える場合、得られるホットメルト接着剤の接着表面に滑剤が多量にブリードして接着性の低下等の問題が発生する。
【0025】
本発明のホットメルト接着剤を構成する滑剤(E)は、融点が60〜90℃であれば特に制限はない。
【0026】
ここで、滑剤(E)の融点が60℃未満である場合、得られるホットメルト接着剤のブロッキング防止効果が小さくなり、一方、90℃を超える場合、得られるホットメルト接着剤の熱安定性が劣るものとなる。
【0027】
滑剤(E)として、例えば脂肪酸や脂肪酸アミド等が用いられ、より具体的にはステアリン酸等の脂肪酸、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミドが挙げられる。さらに、これら滑剤は単独または混合物として用いられる。そして、中でも表面移行性が速く、ブロッキング防止性能の優れるエルカ酸アミド、オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドが好ましく、特に不飽和脂肪酸ビスアミド(D)のブリード促進効果に優れるエルカ酸アミドが滑剤(E)として好ましい。
【0028】
本発明における滑剤(E)の配合量は、エチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)及びワックス(C)の合計量100重量部に対し、0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜0.2重量部である。ここで、滑剤(E)の配合量が0.01重量部未満である場合、得られるホットメルト接着剤のブロッキング防止効果が低くなり、一方、0.5重量部を超える場合、得られるホットメルト接着剤の接着表面に滑剤が多量にブリードして接着性の低下等の問題が発生する。
【0029】
また、本発明における不飽和脂肪酸ビスアミド(D)と滑剤(E)の配合比は、不飽和脂肪酸ビスアミドのブリードを促進してブロッキングを抑制し、且つ接着性に優れたホットメルト接着剤が得られることから、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)の示差走査熱量測定(JIS K7121)におけるピーク温度(Tm1)と、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)と滑剤(E)との混練物の示差走査熱量測定(JIS K7121)におけるピーク温度(Tm2)が次式(1)を満たす配合比であることが好ましい。
【0030】
Tm1(℃)−Tm2(℃)≧20(℃) (1)
中でも、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)/滑剤(E)=70/30〜30/70(重量比)である配合比がさらに好ましい。
【0031】
本発明のホットメルト接着剤は、接着力及び塗工作業性の面から180℃における溶融粘度が100〜20000mPa・sであることが好ましく、特に500〜10000mPa・sであることが好ましい。溶融粘度の調製方法に特に制限はなく、例えばエチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)、ワックス(C)それぞれの溶融粘度や、それらの配合量等によって調整することができる。
【0032】
本発明のホットメルト接着剤の製造法は特に限定はなく、任意の方法で製造できる。例えば、エチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)、ワックス(C)、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)及び滑剤(E)を同時に溶融混合する方法、エチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)、ワックス(C)を事前に溶融混合してペレット化しておき、しかる後に不飽和脂肪酸ビスアミド(D)及び滑剤(E)を該ペレット表面にコーティングする方法、もしくは該ペレットにドライブレンドする方法が挙げられる。
【0033】
溶融混合する方法としては、押出機、オープンロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー、ニーダールーダー、溶融混合槽等を用いて、機械的混合条件下で混合する方法が挙げられる。
【0034】
中でも、本発明の効果を発現させるために、温度を180℃に設定した溶融混合槽で1時間混練する方法が好ましい。
【0035】
本発明のホットメルト接着剤には必要に応じ、加熱安定性向上のためテトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン等のフェノール系酸化防止剤、リン系,チオエーテル系等の酸化防止剤、シリカ等のブロッキング防止剤、その他に染料、耐候剤、各種安定剤、無機充填剤を配合することができる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0037】
以下に、ホットメルト接着剤の製造方法及び評価方法を示す。
【0038】
(1)ホットメルト接着剤の製造
表1に示すエチレン系共重合体(A)、粘着付与剤(B)、ワックス(C)、酸化防止剤、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)、滑剤(E)を表2に示す所定の比率で配合し、180℃に設定したビーカー内で1時間混練し、ホットメルト接着剤を得た。
【0039】
【表1】
Figure 2005036067
【表2】
Figure 2005036067
(2)ブロッキング試験
ホットメルト接着剤のペレット100gを内径60×60×60mmの離型紙を貼り付けた木製試験片作製箱に入れ、68.6Nの仕込み荷重を載せ、30℃で48時間放置した後、23℃で24時間放置した。試験片作製箱から取り出した試験片を速度10mm/分で圧縮し、破壊に要した最大荷重を測定した。ブロッキング強度が490N未満を良(表3中、○印で標記)、490N以上のものを不良(表3中、×印で標記)とした。
【0040】
(3)接着性試験
上記(2)で得られたホットメルト接着剤とアルミとの接着強度を下記の条件で測定した。接着強度残率が80%以上を良(表3中、○印で標記)、80%未満を不良(表3中、×印で標記)とした。
被着体:25mm幅、0.1mmのアルミ箔
被着体構成:アルミ/ホットメルト接着剤/アルミ
接着条件:プレス温度180℃、プレス圧力100kg/cm、プレス時間5分
剥離条件:T字型剥離、測定温度23℃、引張速度300mm/分
放置温度及び時間:(初期放置)23℃で24時間放置、(最終放置)23℃で24時間放置後、さらに40℃で1000時間放置
接着強度残率(%)の算出:(最終放置時の剥離強度/初期放置時の剥離強度)×100
(4)加熱安定性試験
上記(2)で得られたホットメルト接着剤を180℃のギアオーブンで48時間放置後、溶融物を観察する。溶融物が着色またはゲルが発生したものを不良(表3中、×印で標記)、着色及びゲルの発生がないものを良(表3中、○印で標記)とした。
【0041】
(5)融点降下温度測定
不飽和脂肪酸ビスアミドの示差走査熱量測定(以下、DSCと称す。)を実施し、そのピーク温度をTm1と、不飽和脂肪酸ビスアミド(D)と滑剤(E)との混練物のDSCを実施し、そのピーク温度をTm2とした。Tm1とTm2の差を融点降下温度とした。
【0042】
DSC(セイコー電子工業(株)製、DSC−200型:JIS K7121、昇温速度10℃/分)
(6)溶融粘度測定
ブルックフィールド形単一円筒回転粘度形を用いて180℃における溶融粘度を測定した(JAI7準拠)。
【0043】
実施例1
(A)エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン722;MFR400g/10分、酢酸ビニル単位含有量28重量%)40重量%、(B)芳香族系石油樹脂(東ソー(株)製、商品名ペトコール120HS)40重量%、(C)パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、グレード名155)20重量%からなる合計量100重量部に対し、(D)エチレンビスオレイン酸アミド(融点;120℃)0.1重量部、(E)エルカ酸アミド(融点;82℃)0.1重量部、(F)酸化防止剤(チバスペシャリティケミカル製、商品名イルガノックス1010)0.5重量部を配合し、180℃に設定したビーカーで混練後、ペレット化を行った。
【0044】
なお、エチレンビスオレイン酸アミドとエルカ酸アミドの配合比(重量比)は50/50であり、エルカ酸アミドをエチレンビスオレイン酸アミドに溶融混練した際の融点降下は45℃であった。この融点降下温度結果を表3に示す。
【0045】
得られたホットメルト接着剤の溶融粘度、ブロッキング強度、接着性、加熱安定性を評価した結果を表4に示す。
【0046】
実施例2
(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.1重量部の代わりに(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.5重量部とし、(E)エルカ酸アミド0.1重量部の代わりに(E)エルカ酸アミド0.5重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0047】
実施例3
(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.1重量部の代わりに(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部、(E)エルカ酸アミド0.1重量部の代わりに(E)エルカ酸アミド0.05重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0048】
実施例4
(E)エルカ酸アミドを(E)オレイン酸アミドとした(融点;74℃)以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0049】
実施例5
(A)エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製、商品名ウルトラセン722;MFR400g/10分、酢酸ビニル単位含有量28重量%)40重量%、(B)芳香族系石油樹脂(東ソー(株)製、商品名ペトコール120HS)40重量%、(C)パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、グレード名155)20重量%からなる合計量100重量部に対し、(F)酸化防止剤(チバスペシャリティケミカル製、商品名イルガノックス1010)0.5重量部を配合し、180℃に設定したビーカーで混練後、ペレット化を行い、その後、(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.1重量部、(E)エルカ酸アミド0.1重量部により該ペレットのコーティングを行い、ホットメルト接着剤を得た。得られたホットメルト接着剤を評価した。結果を表3〜4に示す。
【0050】
実施例6
(D)エチレンビスオレイン酸アミド、(E)エルカ酸アミドの添加方法をドライブレンドとした以外は、実施例5と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0051】
比較例1
(D)エチレンビスオレイン酸アミド、(E)エルカ酸アミドを添加しない以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。ブロッキング強度及び加熱安定性は改良されなかった。
【0052】
比較例2
(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.1重量部の代わりに(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.2重量部とし、(E)エルカ酸アミドを添加しない以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。ブロッキング強度及び加熱安定性は改良されなかった。
【0053】
比較例3
(D)エチレンビスオレイン酸アミドを添加せず、(E)エルカ酸アミド0.1重量部の代わりに(E)エルカ酸アミド0.2重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。ブロッキング強度及び加熱安定性は改良されなかった。
【0054】
実施例7
(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.1重量部の代わりに(D)エチレンビスオレイン酸アミド0.15重量部とし、(E)エルカ酸アミド0.1重量部の代わりに(E)エルカ酸アミド0.05重量部とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。融点降下温度は17℃であり、ブロッキング強度は改良されなかった。
【0055】
実施例8
(B)芳香族系石油樹脂(東ソー(株)製、商品名ペトコール120HS)40重量%の代わりにロジン系樹脂(荒川化学(株)製、商品名エステルガムHP)40重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0056】
実施例9
(B)芳香族系石油樹脂(東ソー(株)製、商品名ペトコール120HS)40重量%の代わりにテルペン系樹脂(ヤスハラケミカル(株)製、商品名YSレジンPX1150)40重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0057】
実施例10
(C)パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、グレード名155)20重量%の代わりにフィッシャートロプシュワックス(サゾール社製、グレード名H1)20重量%とした以外は、実施例1と同様の方法によりホットメルト接着剤を調製し、評価した。結果を表3〜4に示す。
【0058】
【表3】
Figure 2005036067
【表4】
Figure 2005036067
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ホットメルト接着剤の耐ブロッキング性と加熱安定性を向上させることが可能である。

Claims (6)

  1. エチレン系共重合体(A)30〜80重量%、粘着付与剤(B)15〜60重量%、ワックス(C)5〜40重量%からなる合計量100重量部に対し、融点が100〜180℃の不飽和脂肪酸ビスアミド(D)0.01〜0.5重量部及び融点が60〜90℃の滑剤(E)0.01〜0.5重量部を配合することを特徴とするホットメルト接着剤。
  2. エチレン系共重合体(A)がエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のホットメルト接着剤。
  3. 不飽和脂肪酸ビスアミド(D)がエチレンビスオレイン酸アミドであることを特徴とする請求項1〜2に記載のホットメルト接着剤。
  4. 滑剤(E)が不飽和脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項1〜3に記載のホットメルト接着剤。
  5. 滑剤(E)がエルカ酸アミドであることを特徴とする請求項1〜3に記載のホットメルト接着剤。
  6. 180℃における溶融粘度が100〜20000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5に記載のホットメルト接着剤。
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