JPH09316412A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

Info

Publication number
JPH09316412A
JPH09316412A JP8137018A JP13701896A JPH09316412A JP H09316412 A JPH09316412 A JP H09316412A JP 8137018 A JP8137018 A JP 8137018A JP 13701896 A JP13701896 A JP 13701896A JP H09316412 A JPH09316412 A JP H09316412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
weight
melting point
protective film
surface protective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8137018A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Goto
昌彦 五藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP8137018A priority Critical patent/JPH09316412A/ja
Publication of JPH09316412A publication Critical patent/JPH09316412A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホットプレス加工に用いられたとしても、フ
ィルム基材の金型への融着が生じず、加熱後に表面を汚
すことなく被着体表面から容易に剥離し得る表面保護フ
ィルムを提供する。 【解決手段】 融点150℃以上のポリプロピレン樹脂
50重量%以上を含有する基材表面の片面に粘着剤層を
設けてなり、粘着剤層が、スチレン系重合体ブロックを
有するブロック共重合体100重量部に対し、少なくと
も1種の特定の高融点脂肪酸アミド0.01〜2.5重
量部と、少なくとも1種の特定の低融点脂肪酸アミド
0.01〜2.5重量部とを含有する組成物からなる、
表面保護フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の板状部材の
表面に仮着され、ゴミの付着や傷つきが生じないように
その表面を保護するのに用いられる表面保護フィルムに
関し、より詳しくは、ポリエステル塗装鋼板、アクリル
系塗装鋼板などに貼り付けてホットプレス加工する用途
に特に適した表面保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】種々の板状部材、例えば合成樹脂板、化
粧合板、金属板,または塗装鋼板などの表面を加工した
り、あるいは搬送する際に、傷や汚れの付着を防止する
ために、表面保護フィルムが多用されている。
【0003】表面保護フィルムは、熱可塑性樹脂や紙か
らなる基材層の片面に粘着剤層を形成した構成を有す
る。表面保護フィルムでは、保護対象となる板状部材に
対して適度の粘着性(仮着性)を有することが必要であ
り、かつ使用後には被着体の表面を粘着剤で汚染するこ
となく容易に剥離し得ることが求められる。
【0004】この種の表面保護フィルムとして、例えば
特公昭58−30911号公報、特開昭61−1039
75号公報などには、ポリオレフィン系樹脂などの熱可
塑性樹脂からなる基材層の片面に、一般式A−B−A
(但し、Aはスチレン重合体ブロックを示し、Bはブタ
ジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロックまた
はこれらの水素添加物からなる重合体ブロックを示
す。)で表されるブロック共重合体エラストマーと、粘
着付与剤とを混和してなる粘着剤層を形成してなる表面
保護フィルムが開示されている。
【0005】また、特開平1−129085号公報に
は、一般式A−B−Aで示されるブロック共重合体(A
はポリスチレンブロック、Bはポリブタジエンもしくは
ポリイソプレンまたはこれらの水素添加物からなるポリ
マーブロックを示す。)、粘着付与樹脂及び高級アルキ
ル基が導入されたポリエチレンイミンを含む粘着剤を用
いた表面保護フィルムが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
58−30911号公報や特開昭61−103975号
公報に開示されている表面保護フィルムでは、被着対象
部材によっては、接着亢進が激しいという問題があっ
た。例えば、ステンレス板もしくはアルミ板のような金
属板、ポリエステル系塗装鋼板またはアクリル系塗装鋼
板などに貼り付けた場合、接着亢進が激しく、特に、加
熱された際には接着亢進が著しく進行し、被着体から剥
離することができないことがあった。
【0007】特開平1−129085号公報に開示され
ている表面保護フィルムは、金属板に貼り付けられた場
合には接着亢進があまり進まず、容易に剥離し得る。し
かしながら、ポリエステル系塗装鋼板やアクリル系塗装
鋼板に上記表面保護フィルムを貼り付けた場合には、加
圧後に接着亢進が生じ、やはりこれらの被着体から容易
に剥離することができなかった。
【0008】ところで、近年、化粧合板や被覆塗装鋼板
に表面保護フィルムを貼り付けたまま、反対側にホット
メルト接着剤を塗り、該化粧合板などを他の部材に接着
させる工法が盛んに行われている。この工法は、ホット
プレスと称されており、ここでは、ホットメルト接着剤
による接着に加熱を必要とするため、化粧合板や被覆塗
装鋼板に貼り合わされている表面保護フィルムも加熱さ
れることになる。 例えば、ホットメルト接着剤の接着
活性温度が140℃の場合には、金型を140℃よりも
高くして接着が行われるが、表面保護フィルムに金型が
当接されるので、表面保護フィルムは金型とほぼ同等の
温度に加熱されることになる。従って、ホットプレス工
法を採用した場合、表面保護フィルムが加熱されるた
め、上記接着亢進が著しく進行し、被着体としての化粧
合板や被覆塗装鋼板から容易に剥離することができなく
なり、かつ剥離し得たとしても被着体表面に糊残り等を
生じるという問題があった。加えて、表面保護フィルム
が十分に耐熱性を有しない場合、表面保護フィルムが金
型に融着することもあった。
【0009】本発明の目的は、上述した従来の表面保護
フィルムの欠点を解消し、ポリエステル系塗装鋼板やア
クリル系塗装鋼板などの被着体に貼り合わされた状態で
該被着体がホットプレス加工される用途に用いた場合で
あっても、表面保護フィルムが金型に融着せず、ホット
プレス後に被着体表面を汚すことなく容易に剥離し得る
表面保護フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を達成すべく鋭意検討した結果、耐熱性に優れた基材
フィルムの片面に、特定のブロック共重合体を主成分と
し、後述の特定の高融点脂肪酸アミド及び低融点脂肪酸
アミドを特定量含有させてなる粘着剤を用いれば、上記
課題を達成し得ることを見出し、本発明をなすに至っ
た。
【0011】すなわち、本発明にかかる表面保護フィル
ムは、融点150℃以上のポリプロピレン樹脂を50重
量%以上含む基材フィルムの片面に、一般式A−B−A
で表されるブロック共重合体及び/または一般式A−B
で表されるブロック共重合体(但し、Aはスチレン系重
合体ブロック、Bはブタジエン重合体ブロック、イソプ
レン重合体ブロックもしくはこれらを水素添加して得ら
れるオレフィン重合体ブロックである。)100重量部
と、
【0012】
【化4】
【0013】及び
【0014】
【化5】
【0015】から選択した少なくとも1種の脂肪酸アミ
ド0.01〜2.5重量部と、Cn 2n+1CONH
2 (式中n=10〜21)、Cn 2n-1CONH2 (式
中n=15〜21)及び
【0016】
【化6】
【0017】から選択した少なくとも1種の脂肪酸アミ
ド0.01〜2.5重量部とを含有する組成物から形成
された粘着剤層を設けてなる表面保護フィルムである。
なお、以下、本明細書においては、便宜的に前者を高融
点脂肪酸アミド、後者を低融点脂肪酸アミドと略称す
る。
【0018】以下、本発明の詳細を説明する。基材フィルム 本発明において上記基材フィルムは、融点150℃以上
のポリプロピレン樹脂50重量%以上を含む。この融点
150℃以上のポリプロピレン樹脂は、特に限定される
ものではなく、ホモポリマー、ランダムコポリマー、ブ
ロックコポリマーなどの一般的に知られているポリプロ
ピレン系樹脂を適宜用いることができる。
【0019】もっとも、ランダムコポリマーの場合に
は、エチレン成分の含有量が多くなると融点が低くなる
ため、ホットメルト接着剤の接着活性温度よりも融点が
低くならないように注意する必要がある。
【0020】また、上記基材フィルムを構成する樹脂で
は、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−
αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
メチルメタクリレート共重合体、エチレン−nブチルア
クリレート共重合体などの1種以上が、基材フィルムの
50重量%以下の割合で混合されていてもよい。
【0021】ポリプロピレンとポリエチレンとを混合し
た場合、全ての組成範囲で相分離することが知られてい
る。このことは、DSCによる熱分析でポリプロピレン
及びポリエチレンの混合樹脂の融点を測定すると、ポリ
プロピレンとポリエチレンとによる融点がそれぞれ観測
されることでも裏付けられる。
【0022】従って、多量のポリプロピレンの中に少量
のポリエチレンを混合した場合には、ポリプロピレンの
「海」の中に、ポリエチレンの「島」が存在することに
なる。逆に、多量のポリエチレンの中に少量のポリプロ
ピレンを混合した場合には、ポリエチレンの「海」の中
に、ポリプロピレンの「島」が存在することになる。こ
のような状態は電子顕微鏡で観察することができる。
【0023】ポリプロピレンの海の中にポリエチレンの
島が存在する混合樹脂を、ポリエチレンの融点を超える
温度であって、ポリプロピレンの融点未満の温度で加熱
した場合、ポリエチレンの島は溶融するが、ポリプロピ
レンの海が連続相として存在し得る。従って、この混合
樹脂からなるフィルムは、基材としての強度を維持し得
る。
【0024】上記のようにポリプロピレンが連続相とし
て存在していることは、粘弾性スペクトルメーターを用
いて貯蔵弾性率を測定することにより確認し得る。すな
わち、樹脂の軟化が始まると、急激に貯蔵弾性率は低下
する。しかしながら、ポリプロピレンが軟化していない
場合には、貯蔵弾性率曲線にショルダーが現れ、混合樹
脂はポリプロピレンの軟化点までその強度を維持し得
る。
【0025】よって、ポリプロピレン樹脂が50重量%
以上の割合で含まれている基材フィルムでは、例えば低
密度ポリエチレンがポリプロピレンに溶融している場合
であっても、ポリプロピレン樹脂が基材フィルム全体の
形状を保持するように作用するので、前述したホットプ
レス加工に用いたとしても、金型温度がポリプロピレン
の融点より低ければ、基材フィルムが金型に融着するこ
とがない。
【0026】なお、上記ポリプロピレン樹脂として融点
が150℃以上のものを用いる必要があるのは、前述し
たホットプレス加工における加熱温度が140℃程度で
あるため、該接着活性温度よりも融点が高いポリプロピ
レン樹脂を用いることにより、基材フィルムの強度を確
保することができるからである。
【0027】粘着剤 本発明にかかる表面保護フィルムでは、粘着剤層の主成
分として、上述した一般式A−B−Aで表されるブロッ
ク共重合体及び一般式A−Bで表されるブロック共重合
体の内、少なくともA−B−Aで表されるブロック共重
合体が用いられる。この主成分としてのブロック共重合
体を、以下、スチレン系熱可塑性樹脂エラストマーとい
う。上記スチレン系熱可塑性エラストマーでは、相分離
構造を形成するために、スチレン系重合体ブロックAの
重量平均分子量は4000〜115000程度が好まし
く、さらに8000〜60000程度のものがより好ま
しい。スチレン系重合体ブロックのガラス転移温度は2
0℃以上であることが好ましい。
【0028】また、上記オレフィン重合体ブロックB
は、エラストマーとしての強度及び相分離構造のため
に、その重量平均分子量は20000〜450000程
度のものが好ましく、さらには、50000〜3000
00程度のものがより好ましい。また、粘着性を発現さ
せるために、オレフィン重合体ブロックBのガラス転移
温度は−20℃以下であることが好ましい。
【0029】なお、粘着剤中における上記A成分とB成
分との重量比は、A成分が少なすぎると、凝集力が低く
なり、糊残りが生じることがあり、多すぎると、粘着性
を発現しないことがあるため、好ましくは、A/B=2
/98〜50/50、より好ましくは、A/B=5/9
5〜30/70である。
【0030】一般式A−B−Aのブロック共重合体と、
一般式A−Bのブロック共重合体との重量比は、好まし
くは、相分離構造を形成するために、A−B−A/A−
B=100/0〜20〜80、より好ましくは、A−B
−A/A−B=100/0〜50/50である。
【0031】一般式A−B−Aで表されるブロック共重
合体としては、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体(SBS)及びその水素添加物(SEB
S)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS)及びその水素添加物(SEPS)などを、
A−Bで表されるブロック共重合体としては、S−E
B、S−EP、S−B、S−Iなどを例示し得る。
【0032】なお、当業界においては、例えばSBSと
略記する場合、SBS単体を主成分とし、副生成分のS
B等を含む場合を指すことがあるため、本発明において
も同様の記載を用いることもある。
【0033】また、本発明では、粘着剤層には、任意成
分として粘着付与樹脂が添加され得る。この粘着付与樹
脂としては、一般式A−B−Aで示されるブロック共重
合体及びA−Bで示されるブロック共重合体中のB成分
に選択的に相溶し得るものが用いられる。
【0034】用いる粘着付与樹脂としては、例えば、脂
肪族系石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹
脂、芳香族系石油樹脂、ロジン樹脂、脂環族系石油樹脂
などを挙げることができる。粘着付与樹脂は、上記スチ
レン系熱可塑性エラストマーの合計100重量部に対
し、120重量部以下の範囲で加えることが好ましい。
120重量部を超えると、粘着剤の凝集力がなくなるこ
とがある。好ましくは、粘着付与樹脂は、上記主成分で
あるスチレン系熱可塑性エラストマーの合計100重量
部に対し、10〜100重量部、より好ましくは10〜
60重量部の割合で添加される。
【0035】また、本発明の表面保護フィルムの粘着剤
層を構成する粘着剤には、上述した少なくとも1種の高
融点脂肪酸アミドが上記主成分となるスチレン系熱可塑
性エラストマーの合計100重量部に対し、0.01〜
2.5重量部の範囲で含有されている。
【0036】高融点脂肪酸アミドとしては、上述した通
り、
【0037】
【化7】
【0038】及び
【0039】
【化8】
【0040】から選択された少なくとも1種が用いられ
る。この高融点脂肪酸アミドの例としては、下記の表1
に融点を示すエチレンビスステアルアミド、N,N´−
メチレンビスステアルアミドなどを例示することができ
る。
【0041】高融点脂肪酸アミドは、粘着剤層からブリ
ードし、ホットプレス前の剥離力の上昇を適度に抑制す
るために用いられている。高融点脂肪酸アミドは、上記
スチレン系熱可塑性エラストマーの合計100重量部に
対し、0.01〜2.5重量部の範囲とされる。0.0
1重量部未満では、ホットプレス前のブリード量が少な
く、ホットプレス前における剥離力の上昇を抑制するこ
とができない。逆に、2.5重量部を超えると、初期及
び経時後の高融点脂肪酸アミドのブリード量が多くなり
すぎ、接着性がなくなり、被着体に表面保護フィルムを
貼り付けることができなくなる。
【0042】また、本発明の表面保護フィルムの粘着剤
層を構成する粘着剤には、上記スチレン系熱可塑性エラ
ストマーの合計100重量部に対し、0.01〜2.5
重量部の範囲で上記低融点脂肪酸アミドが混合されてい
る。低融点脂肪酸アミドとしては、上述したように、C
n 2n+1CONH2 (n=10〜21)、Cn 2n+1
ONH2 (式中n=10〜14)、及び
【0043】
【化9】
【0044】から選択した少なくとも1種が用いられ
る。式(3)で示したポリエチレンイミンアルキルカル
バミドとしては、数平均分子量が1000〜30000
のものが好ましい。アルキル基はポリエチレンイミンの
イミン基に対し0.5〜1.0当量導入されるのが好ま
しく、より好ましくは0.7〜1.0当量である。ポリ
エチレンイミンに高級アルキル基を導入するには、例え
ば、ポリエチレンイミンに過剰のアルキルイソシアネー
トを加えて付加反応させることにより容易に行い得る。
下記の表1には、見体例としてポリエチレンイミンオク
タデシルカルバミド(オクタデシル基0.75当量)が
示されている。
【0045】上記低融点脂肪酸アミドの具体的な例とし
ては、下記の表1に融点を示すステアルアミド、オレア
ミド、ラウリルアミド、及び上記ポリエチレンイミンオ
クタデシルカルバミドなどを例示することができる。
【0046】上記低融点脂肪酸アミドは、粘着剤からブ
リードすることにより、ホットプレス後の剥離力の上昇
を抑制するために用いられている。上記スチレン系熱可
塑性エラストマーの合計100重量部に対し、低融点脂
肪酸アミドは0.01〜2.5重量部の割合で用いられ
る。0.01重量部未満では、ホットプレス後のブリー
ド量が少なくなり、ホットプレス後の剥離力の上昇を抑
制することができない。逆に、2.5重量部を超える
と、当初からの低融点脂肪酸アミドのブリード量が多く
なりすぎ、初期接着性が損なわれ、被着体に表面保護フ
ィルムを貼り付けることができなくなる。
【0047】
【表1】
【0048】なお、上記高融点脂肪酸アミドの添加量
は、複数種の高融点脂肪酸アミドを用いる場合には、そ
の合計が0.01〜2.5重量部とされる。同様に、低
融点脂肪酸アミドについても、複数種の低融点脂肪酸ア
ミドを用いる場合にはその合計が0.01〜2.5重量
部となるように添加される。
【0049】本発明においては、上記粘着剤に、必要に
応じて、さらに酸化防止剤などの安定剤などを添加して
もよく、このような酸化防止剤の例としては、例えば、
チバガイギー社製、商品名:イルガノクス1010など
を例示することができ、この酸化防止剤は熱劣化を抑制
する作用を発揮する。
【0050】作用 本発明の表面保護フィルムでは、基材フィルムが融点1
50℃以上のポリプロピレン樹脂を50重量%以上含む
樹脂混合物により構成されている。従って、例えばホッ
トプレス加工において140℃程度の温度が金型から加
えられたとしても、多量のポリプロピレンが連続相とし
て存在し得るため、基材フィルムの金型への融着が生じ
難い。
【0051】また、粘着剤層を構成する粘着剤には、上
記一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体及びA
−Bで表されるブロック共重合体の内、少なくともA−
B−Aで表されるブロック共重合体が主成分として含有
されているため、アクリル塗装鋼板や化粧合板などに対
する適度な粘着性を有する。
【0052】しかも、上記高融点脂肪酸アミド及び低融
点脂肪酸アミドが上記特定の割合で添加されている。こ
の高融点脂肪酸アミドは、粘着剤層からブリードアウト
することにより、ホットプレス前の剥離力の上昇を抑制
するように作用する。他方、低融点脂肪酸アミドはホッ
トプレス後にブリードアウトしてホットプレス後の剥離
力の上昇を抑制するように作用する。
【0053】すなわち、本発明の表面保護フィルムで
は、上記特定のブロック共重合体を主成分とする粘着剤
において、上記高融点脂肪酸アミド及び低融点脂肪酸ア
ミドを特定量添加することにより、該高融点脂肪酸アミ
ド及び低融点脂肪酸アミドのブリードにより、ホットプ
レス前後の剥離力の上昇を抑制し、表面保護フィルムを
被着体表面から容易に剥離することを可能としたことに
特徴を有する。
【0054】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0055】(実施例1)基材フィルムを構成する材料
としての融点160℃のポリプロピレン(住友化学社
製、商品名:KS2512A)100重量部と、粘着剤
層を構成する粘着剤組成物とを2層共押出法により共押
出し、60μmの厚みの基材フィルム上に10μmの厚
みの粘着剤層が形成された表面保護フィルムを得た。
【0056】なお、上記粘着剤組成物としては、下記の
表2に示すように、ブロック共重合体としてA−B−A
/A−B=70/30(重量比)であるSEBS(シェ
ルジャパン社製、商品名:クレイトンG1657)10
0重量部と、粘着付与樹脂(トーネックス社製、商品
名:エスコレッツ5300)30重量部と、高融点脂肪
酸アミドとして、エチレンビスステアルアミド(日本化
成社製)0.5重量部と、低融点脂肪酸アミドとしてオ
レアミド(日本化成社製)0.5重量部と、安定剤とし
て(日本チバガイギー社製、商品名:イルガノクス10
10)0.5重量部とを含むものを用いた。
【0057】(実施例2,3及び比較例1,2)使用し
た粘着剤組成物を下記の表2に示すように変更したこと
を除いては、実施例1と同様にして共押出し、それぞ
れ、実施例2,3及び比較例1,2の表面保護フィルム
を得た。
【0058】
【表2】
【0059】(評価)実施例1〜3及び比較例1,2で
得た粘着テープについて、アクリル塗装鋼板に対する接
着力を下記の要領で測定した。
【0060】アクリル塗装鋼板接着力…アクリル塗装鋼
板の表面の22%に表面保護フィルムを貼り合わせ、以
下の〜の条件下に置いた後、JIS Z0237−
8に準じて測定した。
【0061】条件…23℃で30分間放置。 条件…140℃で3kg/cm2 のホットプレスで3
分間加圧。 条件…23℃で50kg/cm2 の圧力を加えて10
日間放置(加圧経時条件) 結果を下記の表3に示す。なお、下記の表3における接
着力の単位はg/25mmである。
【0062】
【表3】
【0063】表3から明らかなように、比較例1では、
低融点脂肪酸アミドが添加されていないため、ホットプ
レス後の耐アクリル塗装鋼板接着力が550g/25m
mと高かった。従って、加熱により接着亢進が進みす
ぎ、被着体表面から表面保護フィルムを容易に剥離し得
ないことがわかる。
【0064】また、比較例2では、高融点脂肪酸アミド
が添加されていないため、23℃で加圧し続けた場合、
接着亢進が進みすぎ、アクリル塗装鋼板接着力が440
g/25mmと高くなり、被着体表面から容易に剥離し
得ないことがわかる。
【0065】これに対して、実施例1〜3では、上記高
融点脂肪酸アミド及び低融点脂肪酸アミドが適度にブリ
ードするためか、ホットプレス後及び加圧経時後の何れ
においても、接着力の上昇が抑制された。従って、何れ
の場合においても被着体表面から容易に剥離し得ること
がわかる。
【0066】
【発明の効果】以上のように、本発明にかかる表面保護
フィルムでは、上記特定のスチレン系熱可塑性エラスト
マーからなる主成分100重量部に対し、上記特定の高
融点脂肪酸アミド及び低融点脂肪酸アミドが上記特定量
配合されているため、これらの脂肪酸アミド類がブリー
ドすることにより、常温及びホットプレス後の何れの場
合においても、接着力の増大を抑制することができる。
【0067】従って、表面保護フィルムをアクリル塗装
鋼板などの被着体表面に貼り合わせた後に、常温で加圧
したり、あるいは長期間保管したり、またはホットプレ
ス加工に供した場合であっても、表面保護フィルムを被
着体表面から糊残り等を生じることなく円滑にかつ容易
に剥離することができる。
【0068】しかも、フィルム基材が融点150℃以上
のポリプロピレン樹脂50重量%以上を含有するため、
ホットプレス加工に供した場合であっても、金型に当接
される基材フィルムが金型に融着することもない。
【0069】よって、本発明によれば、種々の部材の表
面を保護するための表面保護フィルムであって、ホット
プレス加工に供される被着体に用いるのに好適な表面保
護フィルムを提供することが可能となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点150℃以上のポリプロピレン樹脂
    を50重量%以上含む基材フィルムの片面に、 一般式A−B−Aで表されるブロック共重合体及び/ま
    たは一般式A−Bで表されるブロック共重合体(但し、
    Aはスチレン系重合体ブロック、Bはブタジエン重合体
    ブロック、イソプレン重合体ブロックもしくはこれらを
    水素添加して得られるオレフィン重合体ブロックであ
    る。)100重量部と、 【化1】 及び 【化2】 から選択した少なくとも1種の脂肪酸アミド0.01〜
    2.5重量部と、 Cn 2n+1CONH2 (式中n=10〜21)、Cn
    2n-1CONH2 (式中n=15〜21)及び 【化3】 から選択した少なくとも1種の脂肪酸アミド0.01〜
    2.5重量部とを含有する組成物から形成された粘着剤
    層を設けてなる表面保護フィルム。
JP8137018A 1996-05-30 1996-05-30 表面保護フィルム Withdrawn JPH09316412A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8137018A JPH09316412A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 表面保護フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8137018A JPH09316412A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 表面保護フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09316412A true JPH09316412A (ja) 1997-12-09

Family

ID=15188912

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8137018A Withdrawn JPH09316412A (ja) 1996-05-30 1996-05-30 表面保護フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09316412A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005036067A (ja) * 2003-07-17 2005-02-10 Tosoh Corp ホットメルト接着剤
JP2007126569A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤及び表面保護フィルム
WO2008056520A1 (fr) * 2006-11-07 2008-05-15 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Film adhésif sensible à la pression
JP2010222514A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Achilles Corp 自己粘着型保護フィルム
JP2011208086A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nitto Denko Corp 剥離ライナー付き粘着テープ又はシート

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005036067A (ja) * 2003-07-17 2005-02-10 Tosoh Corp ホットメルト接着剤
JP2007126569A (ja) * 2005-11-04 2007-05-24 Sekisui Chem Co Ltd 粘着剤及び表面保護フィルム
JP4693599B2 (ja) * 2005-11-04 2011-06-01 積水化学工業株式会社 表面保護フィルムの製造方法
WO2008056520A1 (fr) * 2006-11-07 2008-05-15 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Film adhésif sensible à la pression
JP2008150581A (ja) * 2006-11-07 2008-07-03 Toyobo Co Ltd 粘着フィルム
TWI417361B (zh) * 2006-11-07 2013-12-01 Toyo Boseki 黏著薄膜
JP2010222514A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Achilles Corp 自己粘着型保護フィルム
JP2011208086A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Nitto Denko Corp 剥離ライナー付き粘着テープ又はシート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100225664B1 (ko) 압력 민감 점착 조성물 및 이것을 사용한 압력 민감 점착 테이프 또는 시트
TWI393759B (zh) 輪胎用黏貼標籤
KR20100018520A (ko) 표면 보호 필름
KR20110091572A (ko) 표면 보호 필름
JP2007126512A (ja) 表面保護フィルム
US5330832A (en) Pressure-sensitive adhesives of polyvinyl methyl ether
JP2004162064A (ja) 感圧接着剤とその製造方法
WO2015076332A1 (ja) 表面保護フィルム
JP2015074771A (ja) 表面保護フィルム
JP3660771B2 (ja) 表面保護フィルム
WO2005037945A1 (ja) タイヤ用粘着シートおよびタイヤ用粘着シートの製造方法
JPH09316412A (ja) 表面保護フィルム
JP2520145B2 (ja) 紫外線架橋性ホットメルト型接着剤組成物
JP2506849B2 (ja) 表面保護フィルム
JP2002105424A (ja) 表面保護フィルム
JP2974530B2 (ja) 表面保護フィルム
JP2000345120A (ja) 表面保護フィルム
JPH09217046A (ja) 表面保護フィルム
JP2003055619A (ja) 表面保護フィルム
JPH0726213A (ja) 表面保護フィルム
JP2007277476A (ja) 表面保護フィルム
JP2001234149A (ja) 粘着剤組成物
JP2000198968A (ja) 表面保護フィルム
JP2000186257A (ja) 表面保護フィルム
JP2002167567A (ja) 表面保護フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20040326