JPWO2016170776A1 - 粘着剤の塗布方法及び接合品 - Google Patents

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Abstract

粘着剤を細長く成形した後、粘着剤の表面に防着処理を施す。防着処理が施された粘着剤を使用時まで巻き取って貯蔵する。貯蔵されている粘着剤を、吐出孔21bを有する加熱部材21に送給して該吐出孔21b近傍で加熱し、軟化または溶融して該吐出孔21bから吐出し、接合面に塗布する。

Description

本発明は、粘着剤を部材に塗布する塗布方法及びその粘着剤によって接合されてなる接合品に関するものである。
例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーを含む粘着剤を製造する場合には、粘着付与剤(タッキファイヤ)や、柔軟性を与えるための液状ゴム等をスチレン系熱可塑性エラストマーに混ぜることで得ることができる。その原料の混ぜ方及び成形の方法は大きく分けて次の2通りある。
そのうちの一つは、例えばトルエン、ヘキサン、キシレンのような炭化水素溶媒で原料を溶解して薄く塗工してシート形状の粘着剤を得る溶媒溶解法であり、もう一つは、原料を2軸押出機で加熱しながらせん断力を与えて混練した後、押し出してダイコートし、シート形状の粘着剤にするか、あるいはペレット状の粘着剤にする、2軸押出法である。
溶媒溶解法及び2軸押出法のいずれの方法であっても、得られたシート形状の粘着剤は、部材に貼り付ける前(使用前)の状態で、支持体に一旦貼っておくか、離型紙、離型処理済PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等で挟んで保管しておくのが一般的である。
また、粘着剤を使用する際の形態としては、上述したシート形状で使用する以外に、2軸押出法で成形したペレット形状の粘着剤をシリンジに入れて加熱して吐出するホットメルト法があるが、スチレン系粘着剤のホットメルト法は、現在のところ、紙おむつ、生理用品、梱包材のような貼り合わせる機能のみ要求されているものに使用範囲が限定されている状況である。
また、ホットメルト方法の一例として、例えば、特許文献1に開示されているように、粘着剤をシリンダ内で加熱、溶融してディスペンサーノズルから吐出して部材に塗布する方法が知られている。
特開2014−91231号公報
ところで、スチレン系熱可塑性エラストマー等を含む粘着剤は、例えばスマートフォン等の電子機器の筐体とディスプレイパネルとを接合する場合にも使用されることがある。特に電子機器の場合、スチレン系粘着剤としては、ペレットを用いるホットメルト法ではなく、溶媒溶解法で塗工してシートを成形し、このシートを切断、打ち抜きして所望形状に加工して使用されている。その理由は、例えば特許文献1に開示されているホットメルト法の一例のように、スチレン系粘着剤をシリンダ内で加熱、溶融してディスペンサーノズルから吐出して部材に塗布するようにした場合、シリンダの内部にはスチレン系粘着剤が吐出されるまでの間、長時間に亘って溶融温度以上に加熱された状態で保持されるので、スチレン系粘着剤に熱履歴が蓄積され、この熱履歴の影響によってスチレン系粘着剤を構成する高分子樹脂がゲル化し、シリンジから吐出しようとした際に詰まって吐出することができなくなるとともに、引張強度や伸び率等の機械的特性の低下が顕著に表れて粘着剤として所期の性能が得られなくなるからである。この問題はスチレン系粘着剤以外の粘着剤であっても熱履歴の影響を受ける粘着剤組成物を含んでいる場合には同様に生じ得る。
一方、近年、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイスをはじめとしたディスプレイパネルを有する電子機器においては、筐体との接合部分となる粘着剤の幅が狭くなるようにシート形状の粘着剤を細く切断し、これによって電子機器の外形を大きくすることなく、ディスプレイパネルの表示領域をできるだけ拡大する、いわゆる狭額縁化が求められている。しかしながら、シート形状の粘着剤を細く裁断するために機械的に打ち抜く場合を想定すると、安定して打ち抜きが可能な粘着剤の最小幅には限界があり、さらなる狭額縁化が困難である。また、シート形状の粘着剤の場合、部材の接合面の形状が例えば曲面のような3次元形状では粘着剤を密着させるのが困難であることから、接合面が平面であることが要求され、接合面に対する適用範囲が狭い。
また、溶媒溶解法によって得られたシート形状の粘着剤は、溶媒として有機溶媒を使うので作業環境、作業性の問題がある。さらに、シート形状の粘着剤を使用可能な形状に打ち抜くため、打ち抜いた残りの部分、例えば粘着剤の90%以上を廃棄しなければならず、このことが製品のコスト高を招くという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘着剤の樹脂成分が熱履歴を受けにくくして所期の性能を確保できるようにするとともに、粘着剤の塗布幅を狭くすること、及び、接合面の形状が複雑な形状であっても粘着剤を塗布できるようにして粘着剤による接合対象範囲を拡大し、しかも、作業環境、作業性を良好にするとともに、廃棄されてしまう粘着剤の量を少なくして低コスト化を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、細長く加工した粘着剤に防着処理を施し、その防着処理を施した粘着剤を短時間だけ加熱して溶融させ、接合面に塗布するようにした。
第1の発明は、
所定温度以上に加熱することで軟化または溶融する粘着剤を部材の接合面に塗布する粘着剤の塗布方法において、
上記粘着剤を細長く成形する成形工程と、
上記成形工程で成形された細長い粘着剤の表面に防着処理を施す防着処理工程と、
上記防着処理工程で防着処理が施された粘着剤を使用時まで貯蔵する貯蔵工程と、
上記貯蔵工程で貯蔵されている粘着剤を、吐出孔を有する加熱部材に送給して該吐出孔内部またはその近傍で加熱し、軟化または溶融して該吐出孔から吐出させ、上記部材の接合面に塗布する塗布工程とを備えていることを特徴とする。
この構成によれば、成形工程で成形された細長い粘着剤に防着処理が施されるので、貯蔵工程において粘着剤同士が粘着することはなく、貯蔵性が良好になる。そして、貯蔵されている粘着剤を加熱部材に送給することで、粘着剤が吐出孔内部またはその近傍で加熱されて軟化または溶融する。このように吐出孔内部またはその近傍で加熱することで、従来例のように粘着剤をシリンジ内に収容した状態で加熱する場合に比べて、粘着剤が加熱状態にある時間が短時間になるので、粘着剤が熱履歴を受けにくくなり、よって、樹脂成分のゲル化が抑制されるとともに、接合後における接合強度の低下が抑制される。
また、成形工程において粘着剤を予め細長く成形していることで、粘着剤の塗布幅を十分に狭くすることが可能になり、例えばディスプレイパネルを備えた電子機器に適用する場合にはより一層の狭額縁化が行える。また、軟化または溶融した粘着剤を接合面に塗布するようにしたことで、接合面の形状が複雑な形状であってもその形状に追従するように容易に塗布することが可能になる。さらに、溶媒溶解法のような有機溶剤を使用しなくて済むので、作業環境、作業性が良好になる。しかも、塗布する際には、貯蔵されている粘着剤を必要な量だけ加熱部材に送給すればよいので、従来のシート形状の粘着剤を打ち抜く場合に比べると、廃棄される粘着剤の量が大幅に少なくなる。
第2の発明は、第1の発明において、
上記貯蔵工程では、上記細長い粘着剤を巻き取り部材に巻き取ることを特徴とする。
この構成によれば、細長い粘着剤がもつれることなく、整然と貯蔵されるので、使用時に加熱部材にスムーズに送給することが可能になる。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記成形工程では、直径が0.5mm以上5.0mm以下となるように粘着剤を成形し、
上記塗布工程では、粘着剤を140℃以上300℃以下の温度となるまで加熱し、粘着剤の加熱保持時間を1秒以上10秒以下にすることを特徴とする。
この構成によれば、粘着剤の直径を0.5mm以上5.0mm以下とすることで、例えば電子機器等の筐体とディスプレイパネルとを接合する際の接合面積が十分に確保されて高い接合強度が得られる。そして、その粘着剤を140℃以上300℃以下の温度となるまで加熱し、その温度を1秒以上保持するようにしたので、粘着剤が確実に軟化または溶融する。一方、加熱保持時間は10秒以下の短い時間であるため、粘着剤の樹脂成分に熱履歴が蓄積しにくくなる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記塗布工程で上記部材の接合面に塗布された粘着剤の幅を0.2mm以上1.0mm以下とし、上記接合面を基準にしたときの粘着剤の高さを50μm以上500μm以下とすることを特徴とする。
この構成によれば、例えば電子機器等の筐体とディスプレイパネルとを接合する際に狭額縁化が可能になる。また、粘着剤の高さを50μm以上にすることで、粘着剤の接合面への追従性が確保される。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、
少なくとも熱可塑性エラストマーまたは未加硫ゴムと、粘着付与剤とを混合して粘着剤を得ることを特徴とする。
この構成によれば、強い粘着力が得られるとともに、引張強度に優れた粘着剤となる。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、
上記防着処理工程では、金属石鹸、鱗片状粘土鉱物、無機微粒子からなる群の中から選ばれる任意の1つまたは複数を混合した防着剤を粘着剤に付着させることを特徴とする。
この構成によれば、粘着剤に対して、容易に、かつ、確実に防着性を与えることが可能になる。
第7の発明は、上記塗布工程では、粘着剤を搬送用スクリューによって上記加熱部材に送給することを特徴とする。
第8の発明は、上記塗布工程では、所定の経路を通るように循環駆動される第1無端状部材と第2無端状部材との間に粘着剤を配置し、該第1無端状部材及び第2無端状部材を循環駆動することによって粘着剤を上記加熱部材に送給することを特徴とする。
この構成によれば、粘着剤が第1無端状部材及び第2無端状部材の面によって挟まれた状態で送給されるので、粘着剤が座屈することなく加熱部材に送給される。
第9の発明は、第1から8のいずれか1つ方法によって塗布された粘着剤によって第1部材と第2部材とが接合されていることを特徴とする接合品である。
第1の発明によれば、粘着剤を細長く成形した後に防着処理を施してから貯蔵しておき、貯蔵されている粘着剤を、吐出孔を有する加熱部材に送給して吐出孔内部またはその近傍で加熱して吐出孔から吐出させて部材の接合面に塗布することができる。これにより、粘着剤の樹脂成分が熱履歴を受けにくくして所期の性能を確保できるとともに、粘着剤の塗布幅を狭くすること、及び、接合面の形状が複雑な形状であっても粘着剤を塗布できるようにして粘着剤による接合対象範囲を拡大でき、しかも、作業環境、作業性を良好にできるとともに、粘着剤の廃棄量を少なくして低コスト化を図ることができる。
第2の発明によれば、細長い粘着剤を巻き取り部材に巻き取って貯蔵するようにしたので、細長い粘着剤をもつれることなく、整然と貯蔵することができ、使用時に加熱部材にスムーズに送給することができる。
第3の発明によれば、直径が0.5mm以上5.0mm以下となるように粘着剤を成形し、その粘着剤を140℃以上300℃以下の温度となるまで加熱し、加熱保持時間を1秒以上10秒以下にしたので、粘着剤による接合強度を十分に確保することができる。
第4の発明によれば、上記部材の接合面に塗布された粘着剤の幅を0.2mm以上1.0以下とし、粘着剤の高さを50μm以上500μm以下としたので、例えば電子機器の狭額縁化を実現しながら、十分な接合強度を得ることができる。
第5の発明によれば、少なくとも熱可塑性エラストマーまたは未加硫ゴムと、粘着付与剤とを混合して粘着剤を得るようにしたので、強い粘着力が得られるとともに、引張強度に優れた粘着剤とすることができる。
第6の発明によれば、金属石鹸、鱗片状粘土鉱物、無機微粒子からなる群の中から選ばれる任意の1つまたは複数を混合した防着剤を粘着剤に付着させるようにしたので、粘着剤に対して、容易に、かつ、確実に防着性を与えることができる。
第7、8の発明によれば、粘着剤を安定して加熱部材まで搬送することができる。
実施形態1に係る塗布装置の概略構造を示す図である。 接合品の斜視図である。 粘着剤の塗布工程を説明する斜視図である。 実施形態2に係る塗布装置の概略構造を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る粘着剤1の塗布方法に使用される塗布装置2の概略構造を示すものである。粘着剤1は、細長く成形されたものであって、この実施形態では紐状をなしている。粘着剤1の長さは例えば数十mから数百m程度に設定することができる。粘着剤1の長さは長い方が好ましい。
また、図2は、粘着剤1を使用して得られた接合品10を示すものである。この接合品10は、例えば、化粧品用ケース、住設用又は電器製品用外装部材、モバイル端末や携帯電話、スマートフォン等として用いられるものであり、接合品10の表側を構成する透光部材(第1部材)11と、裏側を構成する裏側部材(第2部材)12とを重ね合わせてなるものであり、透光部材11の裏面には意匠層が表側に現れるように設けられている。透光部材11と裏側部材12とは粘着剤1によって接合されている。
尚、この実施形態では、接合品1がスマートフォンやウェアラブルデバイス等の電子機器である場合について説明する。図示しないが、透光部材11には液晶表示パネル等からなる表示画面が設けられており、ディスプレイパネルを構成している。また、接合品10の内部には、光源が設けられている。光源としては、例えば液晶表示パネル用のバックライト光源や、透光部材11の一部に設けられる操作ボタンを裏側から透過照明するための光源等を挙げることができる。
裏側部材12は、波長が800nm以上1500nm以下のレーザー光を通さないレーザー光非透過性を有する材料で構成された筐体等の部材である。
ここで、レーザー光透過性とは、上記波長のレーザー光を透過する性質のことであり、加熱源としてのレーザー光を15%以上透過する性質をいい、上記波長のレーザー光の全てを透過するものも含む。このような性質を持つ材料としては、例えばプラスチック、ガラス、ITO等の薄い金属酸化物皮膜等の材料である。逆に、レーザー光非透過性とは、上記波長のレーザー光を吸収又は反射することであり、加熱源としての上記波長のレーザー光を一部透過及び/又は反射しても残りを吸収する性質をいい、レーザー光の全てを吸収するものも含む。このような性質を持つ材料としては、例えば、金属、セラミックスの他、樹脂やゴムに有機顔料、無機顔料、染料、補強用ガラスファイバー等を混合した材料を挙げることもできる。本実施形態では、裏側部材12は着色顔料および補強用ガラスファイバーを含む樹脂材料で構成されている。尚、この実施形態の説明では、波長が800nm以上1500nm以下のレーザー光を赤外線領域のレーザー光ともいう。
透光部材11は、無色透明で、上記波長のレーザー光を通すレーザー光透過性を有する材料で構成された板状の部材である。つまり、透光部材11は、加熱源としての上記波長のレーザー光を殆ど反射も吸収もせずに透過させるか、上記波長のレーザー光を一部透過及び/又は反射しても溶融することなく、残りのレーザー光を透過させることのできる性質を持っており、また、この透光部材11の性質としては、上記波長のレーザー光の全てを透過させる性質であってもよい。
透光部材11は、例えば熱可塑性樹脂で構成することができ、具体的には、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE、VLDPE、ULDPE、UHDPE、Polyethylene)、ポリプロピレン(PP Co-Polymer、PP Homo-Polymer、PP Ter-Polymer)、ポリカーボネート、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、スチレンアクリロニトリル樹脂(SAN)、K-レジン、SBS樹脂(SBS block co-polymer)、PVDC樹脂、EVA樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド(PA、PA6、PA66、PA46、PA610、PA612、PA6/66、PA6/12、PA6T、PA12、PA1212、PAMXD6)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフ夕レート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエチレンナフタレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリチオエチルスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルスルホン及びポリエーテルイミドなどが挙げられる。
その他、極性官能基が化学的に結合した変性樹脂も含み、具体的には、アクリル酸変性オレフィン樹脂、マレイン酸変性オレフィン樹脂、塩化変性オレフィン樹脂(CPP、CPE)、シラン変性オレフィン樹脂、アイオノマー樹脂、ナイロン変性オレフィン樹脂、エポキシ変性樹脂、エチレンビニルアルコール樹脂(EVOH)、エチレンビニールアセテート樹脂、ホットメルト接着樹脂などの樹脂が挙げられ、これらと上記熱可塑性樹脂の混合物または組合物であってもよい。
透光部材11は、熱可塑性エラストマーであってもよく、具体的には、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、塩ビ系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、イソプレン系エラストマー、イオンクラスターと非晶性PE系のエラストマー(商品例:三井・デュポン ポリケミカル製ハイミラン)、塩素化PEと非晶性PE系のエラストマー(商品例:三菱化学製ミラプレーン)、フッ素系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー等が挙げられる。
透光部材11は熱硬化性樹脂であってもよく、具体的には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また、上述した熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に補強材や充填材を混合して作った複合樹脂で透光部材11を構成してもよい。
上記樹脂、エラストマーに対しては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、導電剤、核剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、加工調剤、着色及び機能性顔料または染料、架橋剤、可塑剤及び加硫剤からなる群から選択された少なくとも一つを混合することも可能である。着色顔料や染料を混合する場合は、所定のレーザー光透過性を確保できる程度の量とする。
透光部材11は、上記樹脂の他、例えば、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス等で構成してもよい。また、強化ガラス、合わせガラス、積層ガラス等であってもよい。尚、透光部材10は、無色に限られるものではなく、薄く着色されていてもよく、意匠層を表側から見ることのできる透光性を有していればよい。
裏側部材12及び透光部材11の厚みは、接合品10の種類等により異なるが、0.1mmから3mm程度である。
透光部材11の裏面である裏側部材12側の面には、透光部材11の表側に意匠が現れるように意匠層が設けられている。この意匠層は、染料や顔料を含むインクを透光部材11の裏面に付着させることによって形成された印刷塗膜からなるものであり、たとえばスマートフォンやタブレット、液晶テレビが接合品1である場合には、表示画面の見栄えをよくするためのディスプレイパネルの額縁部のように、透光部材11の表側から視認可能な枠状となっている。
意匠層を構成するインクの硬化性化合物については、例えば、アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、カルボキシル基変性エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、不飽和ポリエステル樹脂、共重合系アクリレート、ポリアクリルアクリレート、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
硬化性インクは、例えば、自然乾燥硬化タイプ、焼付け乾燥による熱硬化タイプ、硬化剤を用いる二液型の反応硬化タイプ、紫外線や電子線などで硬化させる放射光硬化タイプ、漆などが挙げられる。融点以下のレーザー照射条件に限り熱可塑性であっても問題ない。また、染料としては、上記波長のレーザー光の非透過性を有するものであればよく、アカネ、ベニバナなどの天然染料、反応、硫化、ナフトールなどの合成染料、蛍光染料など種類は問わない。また、顔料としては、上記波長のレーザー光の非透過性を有するものであればよく、例えば、カーボンブラックや複合酸化物系顔料等の無機顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、レーキ顔料、多環式系顔料等の有機顔料が挙げられ、上記波長のレーザー光の波長に対応した非透過性を有する各種顔料を使用できる。意匠層を印刷塗膜で形成したことで、精緻な意匠が得られる。印刷方法としては、例えば、凸版印刷、凹版印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、シルク印刷、グラビア印刷、レーザー印刷、インクジェット印刷等、各種印刷方法を用いることができる。
また、意匠層によって構成される意匠は、例えば、線、文字、図形、記号、絵、グラデーションパターン、単色による塗りつぶし、又はこれらを組み合わせたもの等、様々な形態がある。また、意匠層の厚みとしては、例えば、1μm以上50μm以下であるが、この範囲に限られるものではない。また、意匠層におけるレーザー光非透過性としては、例えば、上記波長のレーザー光の透過率が15%未満であることが好ましくは、波長940nmのレーザー光の透過率が15%未満であることがより好ましい。
尚、意匠層は、上記のように印刷塗膜で形成するもの以外にも、例えば、蒸着膜、フィルムの貼り付け、プライマーの塗布等で形成することも可能である。蒸着膜の場合は、意匠層は極めて薄くなる。また、意匠層の全部がレーザー光非透過性である必要はなく、裏側部材12と透光部材11との接合部分に対応する一部のみがレーザー光非透過性であってもよい。
裏側部材12と透光部材11との接合に使用される粘着剤1の直径は、0.5mm以上5.0mm以下に設定されている。粘着剤1の直径を0.5mmよりも小さくすると、粘着剤1の送りが困難になるとともに、後述する接合品の製造時に接合面に塗布される粘着剤1の幅が狭くなりすぎることがあり、接合強度及び防水性を確保するのが難しくなる。一方、粘着剤1の直径を5.0mmよりも大きくすると、後述する加熱部材21での粘着剤1の滞留時間が長くなり粘着剤1の熱劣化が発生する恐れがあり好ましくない。従って、粘着剤1の直径は、0.5mm以上5.0mm以下が好ましい。より好ましくは、粘着剤1の直径は3.0mm以下である。粘着剤1の断面形状は円形状であってもよいし、楕円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
粘着剤1は、少なくとも熱可塑性エラストマーまたは未加硫ゴムと、粘着付与剤とを混合し、その混合物を成形することによって得られたものである。すなわち、粘着剤1は、常温付近でゴム弾性を示す高分子化合物(エラストマー)及びそのアロイを主成分としており、熱可塑性を有するものである。粘着剤1の特性は、DMA(動的粘弾性測定法)で得られる値が、10以上10Pa以下が好ましく、より好ましくは、10以上10Pa以下である。
粘着剤1を構成する熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジェン系エラストマー、イソプレン系エラストマー、イオンクラスターと非晶性PEエラストマー、フッ素系エラストマー、ウレタン系エラストマー、アクリル系エラストマー等を挙げることができ、これらを単独または混合して使用することができる。特に、スチレン系エラストマーは粘着力に優れているので好ましいが、他のエラストマーに比べて熱劣化しやすいという性質を有している。
粘着剤1を構成する熱可塑性エラストマーの代わり、または熱可塑性エラストマーと共に非加硫のゴムも使用することができる。未加硫のゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム等である。

また、粘着剤1に粘着性を付与するためのタッキファイヤとしては、具体的に、例えばロジン系粘着付与樹脂である、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン)や、これらの未変性ロジンを水添化、不均化、重合などにより変性した変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンの他、その他の化学的に修飾されたロジンなど)の他、各種のロジン誘導体などが挙げられる。前記ロジン誘導体としては、例えば、未変性ロジンをアルコール類によりエステル化したロジンのエステル化合物や、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなどの変性ロジンをアルコール類によりエステル化した変性ロジンのエステル化合物などのロジンエステル類;未変性ロジンや変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;未変性ロジン、変性ロジン(水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)不飽和脂肪酸変性ロジン類や不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類におけるカルボキシル基を還元処理したロジンアルコール類;未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体等のロジン類(特に、ロジンエステル類)の金属塩などが挙げられる。また、ロジン誘導体としては、ロジン類(未変性ロジン、変性ロジンや、各種ロジン誘導体など)にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合することにより得られるロジンフェノール樹脂なども用いることができる。 テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体などのテルペン系樹脂や、これらのテルペン系樹脂を変性(フェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性など)した変性テルペン系樹脂(例えば、テルペン−フェノール系樹脂、スチレン変性テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、水素添加テルペン系樹脂など)などが挙げられる。
炭化水素系粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂[炭素数4〜5のオレフィンやジエン(ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1等のオレフィン;ブタジエン、1,3−ペンタジエン、イソプレン等のジエンなど)などの脂肪族炭化水素の重合体など]、芳香族系炭化水素樹脂[炭素数が8〜10であるビニル基含有芳香族系炭化水素(スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン、メチルインデンなど)の重合体など]、脂肪族系環状炭化水素樹脂[いわゆる「C4石油留分」や「C5石油留分」を環化二量体化した後重合させた脂環式炭化水素系樹脂、環状ジエン化合物(シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ジペンテンなど)の重合体又はその水素添加物、芳香族系炭化水素樹脂や脂肪族・芳香族系石油樹脂の芳香環を水素添加した脂環式炭化水素系樹脂など]、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン−オレフィン系共重合体など)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などの各種の炭化水素系の樹脂が挙げられる。オイルとしては大別されるパラフィン系、ナフテン系、アロマ系から選べばよい。
液状オリゴマーとしては、アクリル系、スチレン系、ポリイソプレンやブタジエンなどのゴム系、ポリエステル系、その他分子量数百〜数千程度の高粘度の重合体から選択する。その他必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、導電剤、核剤、離型剤、難燃剤、帯電防止剤、加工調剤、可塑剤及び加硫剤からなる群から選択された少なくとも一つを使用することが好ましい。

粘着剤1の軟化点及び融解点は、当該粘着剤1の配合組成に依存する。言い換えると、粘着剤1のベース樹脂である熱可塑性エラストマーの種類によって粘着剤1の軟化点及び融解点をある程度変更することができる。この実施形態では、粘着剤1の軟化点及び融解点の範囲が120℃以上230℃以下となるように設定している。
尚、必須の構成成分ではないが、粘着剤1には、レーザー光吸収剤を混合してもよい。レーザー光吸収剤としては、例えば、有機染料や有機顔料、市販のレーザー光吸収材があり、具体的には、無機物ではカーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、グラファイト等、金属酸化物ではチタンブラック、二酸化マンガン、二酸化チタン等がある。また、ミアニン色素、チオニールニッケル錯体、スクアリリニウム色素、ポリメチン系色素、インモニウム系色素、フタロシアン系色素、トリアリルメタン系色素、ナフトキノシ系色素等を使用することもできる。これらを単独または混合して使用することもできる。
粘着剤1のレーザー光吸収性は、レーザー光吸収剤の種類や配合量によって任意に設定することができる。粘着剤1のレーザー光吸収率を30%以上100%以下に設定することができる。粘着剤1のレーザー光吸収率の好ましい範囲は、50%以上100%以下である。
粘着剤1の表面には防着処理が施されている。防着処理とは、粘着剤1を貯蔵しているときに粘着剤1同士が粘着するのを防止するとともに、粘着剤1が他の部材等に粘着するのを防止するための処理であり、例えば物理的に互着を抑える防着剤を粘着剤1の表面に付着させることによって達せられる。防着剤としては、例えば、金属石鹸、鱗片状粘土鉱物、無機微粒子(例えばシリカ粒子等)からなる群の中から選ばれる任意の1つまたは複数を混合したものを挙げることができ、また、その群には、界面活性剤を含んでいてもよい。金属石鹸は、例えば脂肪族カルボン酸金属塩である。後述するように、粘着剤1は巻いた状態で貯蔵しておくので、その状態で互着を有効に防止することができる防着剤として特に好ましいのは、タルクのような鱗片状粘土鉱物、球状の無機微粒子であるシリカ粒子等である。特に、球状のシリカ粒子は擦れた場合に滑り性が高いので、貯蔵時における粘着剤1の互着を有効に防止できる。尚、防着剤は上述したものに限定されるものではなく、貯蔵時に粘着剤1の互着を防止できるものではあれば、粉体であっても液体であってもよい。また、粉体の防着剤と液体の防着剤を混合して用いることもできる。
粘着剤1の性質としては、必須ではないが、例えば、波長が400nm以上800nm未満の光透過率が30%以下であり、波長が800nmから1500nmの光透過率(赤外線レーザー光透過率)が60%以上となる性質を持たせてもよい。そのような光の透過性を有する粘着剤1を得るためには有機顔料等を添加するのが好ましい。有機顔料としては、赤外線透過黒色顔料としてビスベンゾフラノン系顔料、アゾメチン系顔料、ベリレン系顔料等を挙げることができる。このうちビスベンゾフラノン系顔料が最も好ましい。また、着色有機顔料としては、C.I. Pigment Orange 2, 5, 13, 16, 31, 34等、C.I. Pigment Red 1, 2, 3, 4, 5等、C.I. Pigment Green 7, 10, 36, 37, 58等、C.I.Pigment Violet 1, 19, 23, 27, 32 等、C.I. Pigment Blue 1, 2, 15, 16,22等及びその誘導体を2種以上混合して使用するもともできる。 波長が400nm以上800nm未満の光透過率が30%以下であり、波長が800nm以上1500nm以下の光透過率が60%以上である粘着剤1を得るために黒色染料を使用してもよく、黒色染料としては、酸性染料のAcid Black 1, 2, 24, 48等を挙げることができる。
波長が400nm以上800nm未満の光透過率が30%以下であり、波長が800nm以上1500nm以下の光透過率が60%以上である粘着剤1を得ることのできる着色染料として次のもの使用することができる。化学構造として、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ベンゾピラン系、インジゴ系、ピロメテン系、トリアリールメタン系、アゾメチン系、ベリレン系、ペリノン系、クオタリレン系、キノフタロン系染料等が挙げられ、酸性染料、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料及びその誘導体を2種以上混合して使用できる。
上記波長の赤外線レーザー光は波長が長いのでレイリー散乱、ミー散乱を受けにくい100nm〜500nmの硫化ビスマス粉体や5nm〜50nmの銀又は錫又はその合金からなるナノ粒子を添加して粘着剤1を黒色とすることができる。また、有機顔料と染料を併用して使用することもできるし、無機顔料、有機顔料及び染料の少なくとも1つを含有させて上記粘着剤1を得ることができる。
粘着剤1を、可視光反射性を有する白色化するには、以下の材料を単独または混合し、材料に分散または溶解して使用することで実現することができる。
波長が400nm以上800nm未満の光透過率が30%以下であり、波長が800nm以上1500nm以下の光透過率が60%以上である粘着剤1を得ることのできる白色無機顔料としては、赤外線がレイリー散乱、ミー散乱を受けにくく、400nm以上800nm未満の可視光を反射する無機顔料、即ち、赤外線の波長の1/2以下の粒子径である直径100nm〜400nmの二酸化チタン粒子、酸化マグネシウム粒子、硫酸バリウム粒子、塩基性炭酸鉛粒子、酸化亜鉛粒子等を含む無機顔料を挙げることができる。これら無機顔料を溶媒に添加・分散して白色化することができる。
粘着剤1は可視光を透過する性質、即ち、可視光透過性を有しており、この可視光透過率は、400nm以上800nm未満の波長において30%以下、さらに好ましくは20%以下である。粘着剤1の可視光透過率が30%よりも高いと、接合品1の内部にあるバックライト光源の光が透光部材11と裏側部材12の接合部分から漏れ、液晶表示パネル等の表示品質が低下して好ましくない。
粘着剤1は赤外線レーザー光を透過する性質、即ち、レーザー光透過性を有しており、レーザー光透過率は、800nm以上1500nm以下の波長において60%以上、さらに好ましくは80%以上である。60%未満では粘着剤1に殆どのレーザー光が吸収されて、後述する接合時にレーザー光が裏側部材12に十分到着せず、裏側部材12の発熱量が少なく裏側部材12に接する部分の粘着剤1が十分に溶融または軟化しないため好ましくない。
有機又は無機の顔料の粒子を粘着剤1の材料に分散させるには、一般のビーズミル、3本ロールミル、コロイドミル、高速回転ミル等を使用できる。特に、赤外線がレイリー散乱、ミー散乱を受けにくくするため粒子径の小さな粒子を、溶媒中にできるかぎり単分散させる必要がある。粒子の分散を助けて安定な分散状態を得るために界面活性剤や高分子の樹脂等を保護コロイドとして使用することができる。また、染料を使用する場合は、適当な溶媒に溶解して使用することができる。

顔料や染料の添加量は、その色材により異なるが、波長が400nm以上800nm未満の光透過率が30%以下、波長が800nm以上1500nm以下の光透過率が60%以上となるように調整できればよい。
次に、塗布装置2の構成について説明する。塗布装置2は、粘着剤1を巻き取って貯蔵するための巻き取り部材20と、粘着剤1を塗布前に加熱する加熱部材21と、粘着剤1を加熱部材21に送給する送給装置22とを備えている。巻き取り部材20は、数十m〜数百m程度の長さの粘着剤1を巻き取ることが可能なリールで構成されており、図示しないが支軸周りに回転するように支持されている。
加熱部材21は、例えば筒状ブロック材で構成することができる。加熱部材21の材料としては、熱伝導性の高い材料が好ましく、例えばアルミニウム合金、銅、高熱伝導性の窒化物のセラミック(窒化アルミニウム、窒化硼素等)を挙げることができる。
加熱部材21の下端部には、ノズル21aが突出するように形成されている。加熱部材21には、上端部からノズル21aの下端部に亘って貫通する吐出孔21bが形成されている。吐出孔21bは下端(先端)に近づくほど内径が小さくなるように、徐々に断面積が小さくなっており、内面には段差がなくテーパー形状となっている。吐出孔21bの上端の開口径は、送給されてくる粘着剤1の直径よりも大きく設定されており、例えば粘着剤1の直径の2倍以上に設定されている。これにより、粘着剤1を吐出孔21bの内部に送給しやすくなる。一方、吐出孔21bの下端の開口径は、送給されてくる粘着剤1の直径よりも小さく設定されており、例えば粘着剤1の直径の0.9倍以下に設定されている。これにより、粘着剤1の塗布幅を狭くすることが可能になる。つまり、吐出孔21bの下端の開口径によって粘着剤1の塗布幅を変更することができる。吐出孔21bの下端の開口径は、送給されてくる粘着剤1の直径と略同じにすることもできる。
ノズル21aは加熱部材21の本体に対して着脱可能に取り付けられている。例えば吐出孔21bの下端の開口径を変更する場合には、異なる径を有するノズル21aと交換することで、加熱部材21の本体を変えることなく容易に対応することができる。
加熱部材21には、吐出孔21bの内部の空気を逃がすためのベント(図示せず)が設けられている。これにより、粘着剤1に空気が混入するのが抑制される。
加熱部材21には、加熱手段としてのカートリッジヒーター24が設けられている。カートリッジヒーター24は、制御装置25に接続されており、制御装置25から供給される電力によって発熱する発熱体を有している。カートリッジヒーター24の単位時間当たりの発熱量は制御装置25によって制御される。尚、加熱手段はカートリッジヒーター24以外のヒーターを用いることもできる。ヒーターは、加熱部材21の上面に設けてもよく、これにより、粘着剤1が吐出孔21bから吐出される直前の吐出孔21b近傍で加熱されることになる。
また、加熱部材21には、温度検出センサとしての熱電対26が設けられている。熱電対26は、制御装置25に接続されており、制御装置25では加熱部材21の温度、即ち、吐出孔21bの内面の温度を検出することができるようになっている。
制御装置25には、温度設定部25aが設けられている。温度設定部25aは、吐出孔21bの内面の温度を使用者が任意に設定するためのものである。温度設定部25aでは、吐出孔21bの内面の温度を、例えば140℃以上300℃以下の温度範囲に設定することができるようになっている。制御装置25は、熱電対26による温度検出結果に基づいて、吐出孔21bの内面の温度が温度設定部25aで設定された温度となるように、カートリッジヒーター24に電力を供給するように構成されている。
送給装置22は、管状部材27と、モーター28と、搬送用スクリュー29とを備えている。管状部材27は、上下方向に延びている。管状部材27の下端部は、加熱部材21の吐出孔21bの上端部に接続されて連通している。管状部材27の上端部の上方には、モーター28が配設されている。モーター28は図示しないが支持部材によって支持されており、モーター28と管状部材27の上端部との間から粘着剤1を管状部材27の内部に入れることができるようになっている。モーター28の出力軸は、上下方向に延びており、管状部材27の中心と略同心上に配置されている。
モーター28の出力軸に、搬送用スクリュー29の上端部が固定されている。搬送用スクリュー29は、板材を螺旋状に成形してなるものであり、モーター28の回転によって粘着剤1を下方、即ち加熱部材21の吐出孔21b内へ圧送することができるように構成されている。モーター28は、制御装置25に接続されており、粘着剤1の搬送速度は制御装置25によってモーター28の回転速度を変化させることで調整できる。粘着剤1の搬送速度は使用者が任意に設定することができる。
次に、粘着剤1の塗布要領について説明する。まず、粘着剤1を製造する。粘着剤1を製造する際には、上述した材料を2軸押出機で混練して混ぜ合わせてストレートダイで押し出して紐状の粘着剤1を得る。これが粘着剤1の成形工程である。
成形工程の後、成形工程で成形された粘着剤1の表面に防着処理を施す防着処理工程に移る。防着処理工程では、上述した防着剤を粘着剤1の表面全体に付着させる。
その後、防着処理工程で防着処理が施された粘着剤1を使用時まで貯蔵する貯蔵工程に移る。貯蔵工程では、粘着剤1を巻き取り部材20に巻き取っていく。これにより、粘着剤1が整然と貯蔵される。このとき、粘着剤1が弾性を有しているので粘着剤1同士が密着することになるが、粘着剤1には防着処理が施されていることで互いに粘着することはなく、長期間に亘って使用可能な状態で貯蔵しておくことができる。また、粘着剤1が巻き取り部材20に粘着することはない。
そして、塗布工程に移る。塗布工程では、貯蔵工程で貯蔵されている粘着剤1を、吐出孔21bを有する加熱部材21に送給して該吐出孔21b内部または吐出孔21b近傍で加熱し、軟化または溶融させて該吐出孔21bから吐出し、透光部材11の意匠層の裏面(接合面)に塗布する。すなわち、巻き取り部材20に巻き取られている粘着剤1を、管状部材27の上端部から内部へ入れるとともに、モーター28を作動させて搬送用スクリュー29を回転させる。この搬送用スクリュー29の回転により、巻き取り部材20に巻き取られている粘着剤1が引っ張られて下方へ送られていく。このとき、粘着剤1に防着処理が施されているので、粘着剤1をスムーズに送ることができる。
送られた粘着剤1は、加熱部材21の吐出孔21bに達する。吐出孔21bに達した粘着剤1は、吐出孔21bの内面の熱によって加熱されて軟化または溶融する。吐出孔21bの内面の温度は、粘着剤1の軟化点であってもよいし、融解点であってもよいが、140℃以上300℃以下に設定しておくのが好ましく、特に好ましいのは180℃以下である。粘着剤1を180℃よりも高い温度まで加熱すると、樹脂成分に熱履歴が蓄積されやすくなり、また、140℃よりも低いと粘度が高すぎて吐出孔21bから出にくくなり、塗布速度が上がらなくなるからである。
また、粘着剤1が加熱された状態で、その温度で保持される時間、即ち、加熱保持時間は1秒以上10秒以下が好ましい。加熱保持時間が1秒よりも短いと、加熱ムラが生じ易くなって均一な塗布が難しくなり、また、加熱保持時間が10よりも長いと、樹脂成分に熱履歴が蓄積されやすくなるからである。
粘着剤1は、搬送用スクリュー29によって吐出孔21bに押し込まれるため、せん断速度が高くなり、せん断粘度が下がる。これにより、塗布速度が上がる。 粘着剤1を塗布する際には、ノズル21aを動かしてもよいし、透光部材11を動かしてもよい。塗布工程では、透光部材11に塗布された粘着剤1の幅を0.2mm以上1.0mm以下とし、接合面を基準にしたときの粘着剤1の高さを50μm以上500μm以下とする。粘着剤1の幅及び高さの調整は、塗布速度の調整によって可能であり、塗布速度を速くすればするほど、粘着剤1の幅が狭くなり、高さが低くなる。また、ノズル21aの形状によっても粘着剤1の幅及び高さを調整することが可能である。
粘着剤1の幅を0.2mm以上1.0mm以下とすることで、電子機器等の筐体とディスプレイパネルとを接合する際に狭額縁化が可能になる。また、粘着剤1の高さを50μm以上にすることで、粘着剤1の接合面への追従性が確保される。

粘着剤1を塗布した透光部材11を裏側部材12に重ね合わせて密着させることで、透光部材11と裏側部材12とが粘着剤1によって接合された接合品10が得られる。尚、透光部材11を裏側部材12に重ね合わせた後、透光部材11側から粘着剤1にレーザー光を照射して粘着剤1を軟化または溶融させてもよい。この場合、より高い接合強度が得られる。レーザー光の照射は必須ではなく、粘着剤1の加熱手段としてはレーザー光の照射以外にも、ホットプレス等を使用することができる。
以上説明したように、この実施形態1によれば、成形工程で成形された細長い紐状の粘着剤1に防着処理が施されるので、貯蔵工程において粘着剤1同士が粘着することはなく、貯蔵性が良好になる。そして、貯蔵されている粘着剤1を加熱部材21に送給することで、粘着剤1が吐出孔21b内部またはその近傍で加熱されて軟化または溶融する。このように吐出孔21b近傍で加熱することで、従来例のように粘着剤1をシリンジ内に収容した状態で加熱する場合に比べて、粘着剤1が加熱状態にある時間が短時間になるので、粘着剤1が熱履歴を受けにくくなり、よって、樹脂成分のゲル化が抑制されるとともに、接合後における接合強度の低下が抑制される。 また、成形工程において粘着剤1を予め細長く成形していることで、粘着剤1の塗布幅を十分に狭くすることが可能になり、例えばディスプレイパネルを備えた電子機器に適用する場合にはより一層の狭額縁化が行える。また、軟化または溶融した粘着剤1を接合面に塗布するようにしたことで、接合面の形状が複雑な形状であってもその形状に追従するように容易に塗布することが可能になる。さらに、溶媒溶解法のような有機溶剤を使用しなくて済むので、作業環境、作業性が良好になる。しかも、塗布する際には、貯蔵されている粘着剤1を必要な量だけ加熱部材21に送給すればよいので、従来のシート形状の粘着剤を打ち抜く場合に比べると、廃棄される粘着剤の量が大幅に少なくなり、低コスト化を図ることができる。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る実施形態1に係る塗布装置の概略構造を示す図である。実施形態2は、ベルト式搬送方法を利用して粘着剤1を加熱部材21まで送給するようにしている点で実施形態1とは異なっており、他の部分は実施形態1と同じであるため、以下、実施形態1と同じ部分には同じ符号を付して説明を省略し、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
実施形態2では、粘着剤1を加熱部材21に送給する送給装置30としてベルト式の送給装置を使用している。すなわち、実施形態2の送給装置30は、第1ベルト31と、第2ベルト32と、駆動歯車33と、従動歯車34と、第1〜第6プーリ41〜46と、駆動歯車33を回転駆動するためのモーター50とを備えている。第1ベルト31及び第2ベルト32は、無端状、即ち、輪となっており、互いに同じ周長とされ、それぞれ本発明の第1無端状部材及び第2無端状部材を構成している。第1ベルト31及び第2ベルト32の表面の摩擦係数は高い方がよい。また、第1ベルト31及び第2ベルト32の表面の粗さを粗くしてもよい。これにより、第1ベルト31及び第2ベルト32の表面と粘着剤1との間に滑りが無くなる。尚、第1ベルト31及び第2ベルト32の代わりに、例えば無端状の帯状部材等であってもよい。
駆動歯車33及び従動歯車34は加熱部材21から上方へ離れて配設されている。駆動歯車33は回転軸33aによって回転可能に支持されている。駆動歯車33には、モーター50の回転力が伝達されるようになっている。モーター50の回転力は、例えば周知の歯車やタイミングベルト、チェーン等によって伝達することができる。従動歯車34は回転軸34aによって回転可能に支持されている。従動歯車34と駆動歯車33とが噛み合っており、駆動歯車33の回転力が従動歯車34に伝達されるようになっている。
第1プーリ41は、駆動歯車33と一体化されており、回転軸33a周りに駆動歯車33と共に回転可能となっている。第2プーリ42は、第1プーリ41から下方に離れて配設されており、回転軸42aによって回転可能に支持されている。第3プーリ43は、第2プーリ42から下方に離れて配設されており、回転軸43aによって回転可能に支持されている。
また、第4プーリ44は、従動歯車34と一体化されており、回転軸34a周りに従動歯車34と共に回転可能となっている。第5プーリ45は、第4プーリ44から下方に離れて配設されており、回転軸45aによって回転可能に支持されている。第6プーリ46は、第5プーリ45から下方に離れて配設されており、回転軸46aによって回転可能に支持されている。
第1プーリ41、第2プーリ42及び第3プーリ43に第1ベルト31が巻き掛けられており、駆動歯車33が回転することによって第1プーリ41が回転して第1ベルト31が送られ、この第1ベルト31が送られることによって第2プーリ42及び第3プーリ43が回転する。これにより、第1ベルト31が所定の経路を通るように循環駆動される。
また、第4プーリ44、第5プーリ45及び第6プーリ46に第2ベルト32が巻き掛けられており、従動歯車34が回転することによって第4プーリ44が回転して第2ベルト32が送られ、この第2ベルト32が送られることによって第5プーリ45及び第6プーリ46が回転する。これにより、第2ベルト32が所定の経路を通るように循環駆動される。尚、第1ベルト31及び第2ベルト32は、例えばタイミングベルト等であってもよい。
第1プーリ41と第4プーリ44との高さは略同じであり、また、第2プーリ42と第5プーリ45との高さは略同じであり、また、第3プーリ43と第6プーリ46との高さは略同じである。そして、第1プーリ41と第4プーリ44との水平方向の間隔は、第2プーリ42と第5プーリ45との水平方向の間隔、及び第3プーリ43と第6プーリ46との水平方向の間隔よりも広く設定されている。また、第2プーリ42と第5プーリ45との水平方向の間隔と、第3プーリ43と第6プーリ46との水平方向の間隔とは略同じに設定されている。第1ベルト31及び第2ベルト32の間に配置した粘着剤1に、第1ベルト31及び第2ベルト32の表面が接触するように、第2プーリ42と第5プーリ45との水平方向の間隔、及び第3プーリ43と第6プーリ46との水平方向の間隔が設定されている。
上述のように第1〜第6プーリ41〜46を配設することにより、第1ベルト31の表面と、第2ベルト32の表面とが互いに対向するように配置された状態で、第1ベルト31及び第2ベルト32が同期して循環駆動されることになる。第1ベルト31及び第2ベルト32の駆動方向は、図4に矢印で示すように、第1ベルト31及び第2ベルト32の間に配置した粘着剤1を下方へ送給することができる方向である。そして、第2プーリ42及び第5プーリ45よりも上側において、第1ベルト31及び第2ベルト32は、上方へ行くほど互いの水平方向の離間距離が長くなるように配置される。第1ベルト31及び第2ベルト32の上部の離間距離は粘着剤1の直径よりも長めに設定されている。
一方、第2プーリ42及び第5プーリ45よりも下側では、第1ベルト31及び第2ベルト32は、互いの水平方向の離間距離が略同じになるように配置される。第2プーリ42及び第5プーリ45よりも下側における第1ベルト31及び第2ベルト32の離間距離は、粘着剤1の直径よりも若干短めに設定されている。これにより、第1ベルト31及び第2ベルト32の表面で粘着剤1を所定長さに亘って径方向に挟んで送給することができるので、点接触で送給する場合に比べて、粘着剤1の送給時に粘着剤1が座屈変形し難くなり、粘着剤1を安定して送給することができる。また、第1ベルト31及び第2ベルト32の表面の摩擦係数を高めておくことで、粘着剤1が第1ベルト31及び第2ベルト32の表面に対して滑り難くなるので、粘着剤1を確実に送給することができる。

以上説明したように、この実施形態2によれば、送給装置30で送給した粘着剤1を吐出孔21b近傍で加熱することで、粘着剤1が加熱状態にある時間が短時間になるので、粘着剤1が熱履歴を受けにくくなり、よって、樹脂成分のゲル化が抑制されるとともに、接合後における接合強度の低下が抑制される。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されるものではない。
(粘着剤の製造)
粘着剤の材料は、スチレン系熱可塑性エラストマーSBS(スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体)であるアサプレンT−438を60重量部、スチレン系熱可塑性エラストマーSBSであるJSR TR2601を40重量部、粘着性付与剤としてのテルペンフェノール樹脂であるT−130を30重量部、テルペンフェノール樹脂であるT−160を15重量部、フェノール系酸化防止剤であるアデカAO−60を1重量部とした。これら材料を2軸押出機で160℃に加熱してムラのないように十分に混練し、ストレートダイで押し出して紐状の粘着剤を成形した。
その後、一方社油脂工業株式会社製のモールドGP−7を添加した水が貯留された冷却槽に粘着剤を入れた後、防着剤としてのシリカ粒子であるアドマテックSO−C5を粘着剤に吹き付けてドライヤで乾燥させて防着処理を行った。
防着処理後の粘着剤を巻き取り部材に巻き取って貯蔵した。粘着剤の直径は3mmである。
(粘着剤の塗布)
上述のようにして巻き取り部材に巻き取った粘着剤を加熱部材の吐出孔に送給して加熱し、接合面に塗布した。送給装置は実施形態1の搬送用スクリュー29であってもよいし、実施形態2のベルト式のものであってもよい。
Figure 2016170776
粘着剤の加熱温度は表1のように、120℃、140℃、160℃、180℃、230℃、250℃にそれぞれ設定して塗布した。加熱時間は、全て3秒である。
加熱温度が120℃〜230℃の範囲では粘着剤の樹脂成分の熱劣化は殆ど見られなかった。加熱温度が低い120℃では、粘着剤の粘度が高く、途切れないように連続して塗布しようとすると、塗布速度を1mm/秒まで低下させる必要があった。また、粘着剤を250℃まで加熱すると、樹脂成分の熱劣化が著しくなって変色し、吐出孔に詰まりが発生して塗布速度が1mm/秒まで低下した。塗布速度と熱劣化を考慮すると、加熱温度範囲は140℃以上230℃以下が好ましいことが分かる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、例えば、化粧品用ケース、住設用又は電器製品用外装部材、モバイル端末や携帯電話、スマートフォン等を製造する際に使用することができる。
1 粘着剤
10 接合品
11 透光部材(第1部材)
12 裏側部材(第2部材)
20 巻き取り部材
21 加熱部材
21a ノズル
21b 吐出孔
29 搬送用スクリュー
31 第1ベルト(第1無端状部材)
32 第2ベルト(第2無端状部材)

Claims (9)

  1. 所定温度以上に加熱することで軟化または溶融する粘着剤を部材の接合面に塗布する粘着剤の塗布方法において、
    上記粘着剤を細長く成形する成形工程と、
    上記成形工程で成形された細長い粘着剤の表面に防着処理を施す防着処理工程と、
    上記防着処理工程で防着処理が施された粘着剤を使用時まで貯蔵する貯蔵工程と、
    上記貯蔵工程で貯蔵されている粘着剤を、吐出孔を有する加熱部材に送給して該吐出孔内部またはその近傍で加熱し、軟化または溶融して該吐出孔から吐出させ、上記部材の接合面に塗布する塗布工程とを備えていることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  2. 請求項1に記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記貯蔵工程では、上記細長い粘着剤を巻き取り部材に巻き取ることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  3. 請求項1または2に記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記成形工程では、直径が0.5mm以上5.0mm以下となるように粘着剤を成形し、
    上記塗布工程では、粘着剤を140℃以上300℃以下の温度となるまで加熱し、粘着剤の加熱保持時間を1秒以上10秒以下にすることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記塗布工程で上記部材の接合面に塗布された粘着剤の幅を0.2mm以上1.0mm以下とし、上記接合面を基準にしたときの粘着剤の高さを50μm以上500μm以下とすることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法において、
    少なくとも熱可塑性エラストマーまたは未加硫ゴムと、粘着付与剤とを混合して粘着剤を得ることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記防着処理工程では、金属石鹸、鱗片状粘土鉱物、無機微粒子からなる群の中から選ばれる任意の1つまたは複数を混合した防着剤を粘着剤に付着させることを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記塗布工程では、粘着剤を搬送用スクリューによって上記加熱部材に送給することを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法において、
    上記塗布工程では、所定の経路を通るように循環駆動される第1無端状部材と第2無端状部材との間に粘着剤を配置し、該第1無端状部材及び第2無端状部材を循環駆動することによって粘着剤を上記加熱部材に送給することを特徴とする粘着剤の塗布方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1つに記載の粘着剤の塗布方法によって塗布された粘着剤によって第1部材と第2部材とが接合されていることを特徴とする接合品。
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