JP2004525011A - 医薬用のシリンジピストンならびに該シリンジピストンを製造するための方法および装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、主としてゴムから成るピストン栓体（２）に関する。この場合、当該ピストン栓体（２）は、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）の内容物に面した、不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）を有しており、該ピストン区分（８）が、不活性フィルム（９′）を介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触している。前記ピストン区分（８）に隣接して当該ピストン栓体（２）は、未被覆のシール区分（１０）を有している。さらに本発明は、このようなピストン栓体（２）を製造するための装置および方法に関する。未加硫のゴムシート（７）が不活性フィルム（９）と共に成形工具内に挿入され、圧力および熱の作用下に、この層状配列された積層体から、成形工具の分離平面の範囲において側方でピストン栓体（２）を超えて張り出した積層体フランジ（１６）を除いて完全な輪郭のピストン栓体（２）が形成される。不活性フィルム（９）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）に突入するまで、ピストンロッドのための収容孔（６）が導入される。シール区分（１０）の、前記収容孔（６）を取り囲む壁範囲が前記収容孔（６）内へ押し退けられる。その後に、ピストン栓体（２）が打抜き過程によって積層体フランジ（１６）から分離され、この場合、シール区分（１０）には、不活性フィルム（９′）の縁部に直接に続いている、環状に延びるシールゾーン（１３）が形成される。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、主としてゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成る医薬用（ｐｈａｒｍａｚｅｕｔｉｓｃｈ）のピストン栓体であって、当該ピストン栓体が、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分とを有しており、該ピストン区分が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物に面しており、ピストン区分の外周面が使用位置において不活性フィルムを介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触しており、当該ピストン栓体が、前記ピストン区分に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する未被覆のシール区分を有している形式のピストン栓体を製造するための方法であって、１回の成形ステップで、層状配列された、未加硫のゴムシートとフッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムとから成る積層体を成形工具内に挿入して、圧力および熱の作用下に成形してピストン栓体部分を形成し、この場合、ゴムシートを加硫して、不活性フィルムと分離不能に結合する形式の方法に関する。
【０００２】
さらに本発明は、主としてゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成る医薬用のピストン栓体であって、当該ピストン栓体が、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分とを有しており、該ピストン区分が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物に面しており、ピストン区分の外周面が使用位置において不活性フィルムを介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触しており、当該ピストン栓体が、前記ピストン区分に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する未被覆のシール区分を有している形式のピストン栓体を製造するための装置であって、層状配列された、未加硫のゴムシートと、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムとから成る積層体からピストン栓体を成形するための成形工具が設けられており、該成形工具が、少なくとも１つの第１の型プレートと、該第１の型プレートと協働する第２の型プレートとを有しており、両型プレートが互いに相対的に閉鎖位置と開放位置とへ運動可能であり、さらに、成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体を超えて張り出した積層体フランジをピストン栓体から分離するための打抜き装置が設けられている形式の装置に関する。
【０００３】
さらに本発明は、ゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成るベースボディを有する医薬用のピストン栓体であって、当該ピストン栓体が、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分とを有しており、該ピストン区分が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物に面しており、ピストン区分の外周面が使用位置において不活性フィルムを介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触しており、当該ピストン栓体が、前記ピストン区分に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する未被覆のシール区分を有しており、該シール区分が、該シール区分の外周面に沿って環状に延びる少なくとも１つのシールリップを有している形式のピストン栓体に関する。
【０００４】
予め充填されたシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ内に保管しておきたい、一般に液状または粉末状の薬剤または医薬調製剤は、使用されるべきピストン栓体に対して種々異なる要求を課す。すなわち、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物との化学的または生物学的な適合性が要求されており、このことは、一方ではピストン栓体の材料に含まれている物質が、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ内に存在する薬剤に混入して薬剤を汚染したり、あるいは薬剤の治療効果を変えてしまったりしてはならないことを意味している。しかし他方では、薬剤から作用物質がピストン栓体内部に侵入し得ることも望ましくない。なぜならば、その場合、保管時間が増大するにつれて薬剤中の作用物質の濃度が減少してしまうからである。さらに、薬剤からピストン栓体内部へ侵入した物質は、ピストン栓体の機能特性をも変えてしまう恐れがある。そのうえ、ピストン栓体はシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内部をガスや液体や病原菌に対しても密にシールすることも望まれている。
【０００５】
欧州特許出願公開第０１４８４２６号明細書に基づき、主としてゴムから成るピストン栓体が既に公知である。この公知のピストン栓体は、使用位置においてシリンジシリンダの内容物に面した、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分を有している。このピストン区分の外周面は、不活性フィルムで被覆された環状のシールリップを有しており、このシールリップがシリンジシリンダに接触している。この不活性フィルムによって、シリンジシリンダの内容物と、この内容物とは不適合性のゴム材料との間の直接的な接触を阻止しようとしている。シリンジシリンダに対するピストン栓体のシールを改善するためには、ピストン栓体が、被覆されたピストン区分に隣接して、未被覆のシール区分を有している。このシール区分の外周面は、互いに平行に配置された環状の２つのシールリップを有している。これらの未被覆のシールリップは使用位置においてシリンジシリンダに接触する。シール区分に設けられた両シールリップの間ならびに被覆されたピストン区分に設けられたシールリップと、このシールリップに隣接した、シール区分のシールリップとの間には、それぞれ引込み部が設けられており、この引込み部によって各シールリップは互いに間隔を置いて保持されている。
【０００６】
しかし、このようなピストン栓体は、薬剤が長時間にわたってシリンジ内に保管されるような、予め充填されたシリンジシステムのためには条件付きでしか適していない。つまり、不活性フィルムで被覆された第１のシールリップはシリンジシリンダに対して比較的劣悪なシール作用しか発揮しない。これにより、シリンジシリンダ内に存在する薬剤の一部が第１のシールリップとシリンジシリンダの壁との間を通って、第１のシールリップと第２のシールリップとの間に位置する引込み部に侵入してしまう危険が生じる。引込み部に侵入した薬剤成分は、薬剤の投与の際でも使用されずにシールリップの間に留まるので、シリンジが、規定された量の薬剤で予め充填されている場合には、実際に適用された薬剤量が相応して減少してしまう。さらに、ピストン栓体のシールリップの間に侵入した薬剤成分は、ピストン栓体の未被覆のゴム材料とも接触するので、薬剤であるシリンジ内容物の有効寿命が低下する恐れがある。
【０００７】
前公知のピストン栓体の製造は複数の作業ステップで行われる。第１の作業ステップでは、まず、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分を有する第１のピストン栓体部分を成形するために、未加硫のゴムシートが不活性フィルムと一緒に、成形工具のキャリバプレート（Ｋａｌｉｂｅｒｐｌａｔｔｅ）に設けられた第１の中空型内に押し込まれる。このときに、ゴムシートは圧力と熱の作用を受けて加硫されて、不活性フィルムと分離不能に結合される。こうして成形されたピストン栓体部分は別の作業ステップで成形工具から取り出されて、被覆されたゴムシートから打抜き加工される。このときに、製造の完了したピストン栓体では、打抜き縁部が、不活性フィルムで被覆された第１のシールリップと、この第１のシールリップに隣接した第２のシールリップとの間に引込み部を形成する。こうして製造された第１のピストン栓体部分は、次いでさらに別の作業ステップで第２の成形工具の中空型に挿入される。この第２の成形工具には、未加硫の第２のゴムシートが挿入され、このゴムシートからは圧力と熱の作用を受けて、未被覆の第２のピストン栓体部分が成形される。この第２のピストン栓体部分は第１のピストン栓体部分と結合されて、ほぼ完成したピストン栓体を形成する。第２の成形工具内での成形時に、ピストン栓体の、不活性フィルムとは反対の側の端面には、第１のピストン栓体部分から間隔を置いて成端した、シリンジのピストンロッドとの結合のための収容孔が加工成形される。その後に、第２のゴムシートからピストン栓体が打抜き加工される。
【０００８】
前公知の方法には次のような欠点がある。すなわち、ピストン栓体を製造するために２つの成形ステップと２つの打抜き過程とが必要となる。それゆえに、この方法は比較的手間がかかる。また、この方法は大量生産のためには条件付でしか適していない。第１の成形工具では、たしかに多数の第１のピストン栓体部分を同時に成形することができるが、しかしこれらの第１のピストン栓体部分は成形工具からの取出し後にゴムシートから打抜き加工され、かつ個別化される。それゆえに、第１の成形工具によって製造されたピストン栓体部分の数に相当する数の型孔を有する第２の成形工具内への個々のピストン栓体部分の挿入は、比較的複雑となる。
【０００９】
ゆえに、本発明の課題は、冒頭で述べた形式のピストン栓体を改良して、単純でかつ廉価に製造可能であって、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダの一層良好なシールを可能にし、さらにピストン材料と、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ内に存在する内容物との間での相互作用が信頼性良く回避されるようなピストン栓体を提供することである。さらに、本発明の課題は、冒頭で述べた形式の方法および装置を改良して、このようなピストン栓体の簡単でかつ廉価な製造を可能にするような方法および装置を提供することである。
【００１０】
この課題の解決手段は方法に関しては、前記成形ステップの間、前記積層体から、成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体を超えて張り出した積層体フランジを除いて完全な輪郭のピストン栓体を形成し、前記収容孔を前記成形ステップの間、前記積層体フランジを越えて不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分に突入するまでゴムシートに導入し、分離過程で前記シール区分の、少なくとも前記収容孔を取り囲む、前記積層体フランジを越えて突出した壁範囲を前記収容孔内へ押し退け、次いでピストン栓体を打抜き過程によって前記積層体フランジから分離して、前記シール区分に、前記ピストン区分をキャップ状に取り囲む不活性フィルムの縁部に直接に続いている、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する環状に延びるシールゾーンを形成することにある。
【００１１】
これにより、唯１回の成形ステップと、唯１回の打抜き過程もしくは分離過程とを用いるだけでピストン栓体を製造することが可能となるので有利である。成形ステップでは、ピストン栓体のほぼ完全な輪郭が、層状配列されたゴムシートと不活性フィルムとから成る積層体から形成される。このときに、収容孔はピストン栓体の、不活性フィルムとは反対の側に位置する端部で、側方でピストン栓体を超えて張り出した積層体フランジの、不活性フィルムで被覆された表面レベルを越えて不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分に突入するまでゴムシートに導入される。それゆえに、シール区分の、収容孔を取り囲んでいる壁範囲を、ピストン栓体からの積層体フランジの打抜き除去の際に打抜き工具または切断工具によって収容孔内へ押し退けることができる。これにより、ピストン栓体のシール区分に、ピストン区分をキャップ状に取り囲む不活性フィルムの縁部に直接に続いている、環状に延びるシールゾーンが形成されるように積層体フランジをピストン栓体から分離することが可能となる。このシールゾーンは、不活性フィルムの、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する縁範囲と整合しているか、またはこの縁範囲を半径方向で少しだけ超えて張り出している。したがって、ピストン栓体は使用位置において不活性フィルムに直接に続いてシールゾーンによってシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの壁に対してシールされており、これによりシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物と、シールゾーンの背後に位置する、ピストン栓体の未被覆の範囲との接触が信頼性良く回避される。
【００１２】
本発明の有利な実施態様では、成形ステップの間、前記シール区分の外周面に沿って環状に延びる少なくとも１つのシールリップが形成される。その場合、当該方法により製造されたピストン栓体は、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの壁に対して一層良好なシール作用を発揮する。これにより、特にシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物へのガスおよび／または病原菌の侵入は基本的に困難にされる。さらに、シールリップはシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ内でのピストン栓体のスムーズなスライドを可能にする。分離過程において形成されたシールゾーンにより、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物が、シールリップと、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分との間の間隙に侵入して、エラストマのピストン材料と共に相互作用を引き起こす危険は排除される。
【００１３】
本発明のさらに別の有利な実施態様では、分離ステップにおいて、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記少なくとも１つのピストン区分が、切断ダイスに設けられた開口内へ同心的に挿入され、ピストン栓体を取り囲む前記積層体フランジが、前記切断ダイスと押えプレートとの間に緊締され、この場合、前記シール区分の、積層体フランジを越えて突出した部分が、前記押えプレートに設けられた通過開口内に係合し、その後に前記シール区分の、ピストン栓体の収容孔を取り囲む壁範囲が切断ポンチによって収容孔内へ押し退けられ、前記積層体フランジがピストン栓体から打抜き除去される。ピストン栓体はこの場合、切断ダイスに設けられた開口内に挿入されたピストン区分によって切断工具の長手方向軸線に関してセンタリングされていて、打抜き過程の間、切断ダイスと押えプレートとの間に緊締された積層体フランジを介してセンタリング位置に位置固定される。付加的に、シール区分の、押えプレートの通過開口内に係合しかつ押えプレートの壁に接触する部分範囲は、前記通過開口内で切断工具に対して相対的にセンタリングされている。その場合、シール区分の、前記収容孔を取り囲む壁範囲を、切断工具の打抜き送り運動時に切断工具によって前記収容孔内へ一層容易に押し退けることができる。
【００１４】
ピストン栓体を積層体フランジから分離するための切断ポンチが、前記シール区分の自由端部から積層体フランジへ向かって送られると特に有利である。その場合、ピストン栓体の、前記収容孔を取り囲む壁範囲を、切断工具によって前記収容孔内へ一層良好に押し退けることができる。
【００１５】
本発明のさらに別の特に有利な実施態様では、ゴムシートの外縁部が、該外縁部に接触する成形工具の少なくとも１つの型プレートに対して環状にシールされ、成形工具の開放時および／または開放後に、加硫された積層体を型プレートから剥離させるために、該型プレートと積層体との間にガスが吹き込まれる。その場合、加硫された積層体は、型プレートからの取出し前に、吹き込まれたガスの圧力で均一に負荷される。このことは積層体の穏やかな取出しを可能にする。この場合、加硫されたゴムおよび／または不活性フィルムの過剰延伸が回避される。それゆえに、当該方法により製造されたピストン栓体は高い寸法安定性を有しており、これにより特に切断ダイス内への加硫された積層体の挿入が可能となる。
【００１６】
成形ステップの間、加硫された積層体を型プレートに対してシールするために、積層体の外縁部に、積層体の周縁に沿って環状に延びる、型プレートに密に接触するシール部が成形されると有利である。すなわち、ゴムシートをシールするために必要となるシール部はピストン栓体と一緒に１回の作業ステップで製造される。これにより、当該方法は一層簡単に実施可能となる。
【００１７】
前で挙げた課題は装置に関しては、成形工具が、該成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体を超えて張り出した積層体フランジを除いて完全な輪郭の少なくとも１つのピストン栓体を成形するために形成されており、このために第１の型プレートが、製造したいピストン栓体の、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分に形状適合された少なくとも１つの第１のキャビティを有しており、第２の型プレートが、ピストン栓体の未被覆のシール区分に形状適合された少なくとも１つの第２のキャビティを有しており、該第２のキャビティ内に、ピストン栓体に設けられた、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントと結合可能な収容孔を成形するための型コアが配置されており、該型コアの自由端部が成形工具の閉鎖位置で、向かい合って位置する第１のキャビティ内に係合しており、前記打抜き装置が、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分を同心的に挿入するための少なくとも１つの開口を備えた切断ダイスを有しており、該切断ダイスに、前記積層体フランジをピストン栓体から分離するために、外周面にカッティングエッジを有するスリーブ状の切断ポンチが対応しており、該切断ポンチが、切断ダイスに設けられた前記開口に対して軸方向で該開口に接近する方向および該開口から離れる方向で運動可能であり、切断ポンチに設けられた内孔が、ピストン栓体の、内方へ向かって変形させられたシール区分を収容するために形成されていることにより解決される。
【００１８】
本発明による装置により、それぞれ唯１回の成形ステップと、それぞれ唯１回の打抜き過程とを用いるだけでピストン栓体を製造することが可能になるので有利である。使用位置においてゴムシートに接触する第２の型プレートに設けられたキャビティ内に突設された、ピストン栓体の、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントと結合可能な収容孔を成形するための型コアの自由端部は、成形工具の閉鎖位置において、使用位置において不活性フィルムに接触する第１の型プレートに設けられた、対応するキャビティ内に係合するので、前記収容孔は成形工具内でのピストン栓体の成形時に、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分内にまで導入される。その場合、層状配列されたゴムシートと不活性フィルムとから成る加硫された積層体は、成形工具からの取出し後に、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分によって、切断ダイスの開口内に同心的に挿入される。この開口に対して軸方向に移動可能となるスリーブ状の切断ポンチの送り運動時に、ピストン栓体の、前記収容孔を側方で取り囲む壁範囲は、切断ポンチによって送り運動に対して直交する横方向で内方へ向かって変位させられて、切断ポンチに設けられた内孔へ押し退けられる。これにより、ピストン栓体を損傷させることなしにピストン栓体のシール区分の自由端部に切断ポンチを押し被せることが可能になる。引き続き切断ポンチの打抜き送り運動が継続されると、切断ポンチは、側方でピストン栓体を超えて張り出した積層体フランジを貫通して、この積層体フランジをピストン栓体から分離する。このときに、シール区分を環状に取り囲んで延びる環状のシールゾーンが形成され、このシールゾーンは使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する。その場合、外周面に切断縁もしくはカッティングエッジを有する切断ポンチの外側横断面寸法は、切断ダイスに設けられた開口の横断面寸法に相当しているか、またはそれよりも少しだけ小さく形成されている。第１の型プレートの、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分を成形するために形成されたキャビティの横断面寸法、つまりこのピストン区分の横断面寸法は、切断ダイスの開口の横断面寸法にほぼ相当している。それゆえに、製造の完了したピストン栓体では、シール区分を取り囲むように環状に延びかつ直接に不活性フィルムに隣接したシールゾーンが、不活性フィルムの、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する縁範囲と整合しているか、またはこの縁範囲を半径方向で少しだけ超えて張り出している。これにより、シール区分はシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに対して信頼性良くシール作用を発揮する。
【００１９】
成形工具の型プレートは、多数のピストン栓体を同時に成形するために、それぞれ成形したいピストン栓体の数に相当する数のキャビティを有していてよい。その場合、打抜き装置の切断ダイスは型プレートのキャビティの数に相当する数の開口と、それぞれこの開口に配置される切断ポンチとを有していてよい。これらの開口の配置パターンは型プレートのキャビティの配置パターンに相当しているので、加硫された積層体は、この積層体に配置された全てのピストン栓体を同時に打抜き加工するために、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分を頭にして切断ダイスに挿入され得る。
【００２０】
本発明による装置の有利な構成では、打抜き装置が、切断ダイスに設けられた前記少なくとも１つの開口に整合する、前記シール区分を収容するための少なくとも１つの通過開口を備えた押えプレートを有しており、該押えプレートが、該押えプレートと切断ダイスとの間に前記積層体フランジを緊締するために切断ダイスの前記開口に対して軸方向で、切断ダイスに対して相対的に移動可能であり、切断ポンチが、前記押えプレートに設けられた前記通過開口内に軸方向移動可能に案内されている。その場合、積層体フランジは切断ダイスと押えプレートとの間に緊締可能となるので、積層体フランジに配置されたピストン栓体は打抜き過程の際にセンタリング位置に位置固定されている。付加的に、シール区分の自由端部は押えプレートに設けられた通過開口内に、スリーブ状の切断ポンチに関してセンタリングされている。
【００２１】
本発明の別の有利な構成では、第２の型プレートに設けられた前記少なくとも１つの第２のキャビティの周壁が、ピストン栓体のシール区分の外周面に沿って環状に延びるシールリップを形成するための、環状に延びる少なくとも１つの凹部を有している。その場合、成形工具を用いて製造されたピストン栓体はシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに対して一層良好なシール作用を発揮する。
【００２２】
切断ポンチの、切断ダイスに向けられた自由端範囲が、内側に導入斜面を有していると有利である。その場合、ピストン栓体の、前記収容孔を取り囲む壁を、スリーブ状の切断ポンチの打抜き送り運動時に、この切断ポンチによって切断ポンチの内孔へ一層容易に押し退けることができる。
【００２３】
本発明のさらに別の特に有利な構成では、加硫された積層体の外縁部が、該積層体の外縁部に沿って環状に延びるシール部によって少なくとも１つの型プレートに対してシール可能であり、該型プレートの、前記シール部により取り囲まれた範囲にガス供給通路が開口しており、該ガス供給通路が、積層体を型プレートから剥離させるためにガス圧源に接続可能である。その場合、加硫された積層体と、この積層体に一体成形されたシリンジピストンとを、ガス圧によって第２の型プレートから簡単に型抜きすることができる。この場合、ガス圧は型プレートからの積層体の均一でかつ穏やかな剥離を可能にする。このことは特に、型プレートのキャビティが引込み部を有していて、該引込み部が、加硫された積層体に背後から係合するようになっていると有利である。
【００２４】
少なくとも１つの型プレートが、積層体の外縁部を型プレートに対してシールするシール部を該シール部の型孔内で形成するために、当該型プレートのキャビティを間隔を置いて取り囲む環状溝を有していると有利である。その場合、このシール部はピストン栓体の成形の間、積層体の縁部に、有利にはゴムシートに、一体成形される。
【００２５】
ガス供給通路の開口範囲に弁、有利にはピボット弁もしくはきのこ弁が配置されていると有利である。その場合、ガス供給通路はピストン栓体の成形の間、この弁によってシールされているので、エラストマ材料および／または不活性フィルムがガス供給通路内に侵入する恐れはなくなる。
【００２６】
前で挙げた課題は、医薬用のピストン栓体に関しては、ベースボディが単一部分から一体に形成されており、前記収容孔が、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分内にまで延びており、前記シール区分の外周面が、前記ピストン区分をキャップ状に取り囲んだ不活性フィルムの縁部に直接に続いた、環状に延びるシールゾーンを有しており、該シールゾーンが、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに面状に接触していることにより解決される。
【００２７】
したがって、ピストン栓体は使用位置において直接に不活性フィルムに続いて、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダの壁に対してシールされており、これによりシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの内容物と、ピストン栓体の、シールゾーンの背後に位置する未被覆の範囲との接触が信頼性良く回避される。ベースボディが一体に形成されているので、ピストン栓体は、不活性フィルムで被覆された唯１つのゴムシートから簡単にかつ廉価に製造可能となる。
【００２８】
シールゾーンが、不活性フィルムの、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダに接触する外周区分に対して真っ直ぐな延長上に配置されているか、または該外周区分を半径方向で少しだけ超えて張り出していると有利である。その場合、シールゾーンは使用位置において直接に不活性フィルムに続いてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダの壁に対して面状にシール作用を発揮する。
【００２９】
本発明のさらに別の有利な構成では、当該ピストン栓体の、前記収容孔を取り囲む内壁が、ピストンロッドまたはこれに類する運動伝達エレメントに設けられたねじ山との結合のための雌ねじ山を備えた雌ねじ山区分有しており、該雌ねじ山区分が、前記収容孔の底部から間隔を置いて成端している。その場合、ピストン栓体はピストンロッドまたは運動伝達エレメントと形状接続的に、つまり係合に基づいた嵌合により、結合可能もしくは螺合可能となる。製造時に、ピストン栓体は、層状配列された、未加硫のゴムシートと、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルムとから成る積層体から成形工具内で成形され、そしてその後に成形工具から良好に型抜き可能となる。
【００３０】
本発明のさらに別の有利な構成では、当該ピストン栓体の前記雌ねじ山区分が、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分で成端しているか、または該ピストン区分から間隔を置いて配置されており、前記雌ねじ山区分に有利には円筒状または円錐状の収容孔区分が続いており、該収容孔区分が、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分内にまで延びている。その場合、ピストン栓体はその製造時に成形工具から一層容易に型抜き可能となる。
【００３１】
本発明のさらに別の有利な構成では、前記収容孔の横断面が底部を起点として、該収容孔の開口部へ向かって円錐状に拡張している。カルプルのピストンロッドと結合するために設けられたこのようなピストン栓体も、その製造時に成形工具から一層容易に型抜き可能となる。
【００３２】
以下に、本発明の実施例を図面につき詳しく説明する。
【００３３】
医薬用のシリンジ（注射器）またはカルプル（Ｋａｒｐｕｌｅ；注射器用のカートリッジ）は、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１を有しており、このシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１内には、ピストン栓体２が軸方向で摺動可能に配置されている。シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の一方の端部は、取外し可能なカバー３を用いて密に閉鎖された、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１のシリンダ孔４内に存在する液状の医薬調製剤のための流出開口を有している。この流出開口とは反対の側に位置する、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の他方の端部は、ピストン栓体２に結合されたピストンロッド５のための通過開口を有している。ピストンロッド５の、ピストン栓体２に向けられた側の端部は、ピストン栓体２に設けられた収容孔６内に係合している。
【００３４】
図９および図１１から特に良く判るように、ピストン栓体２は単一部分から一体に形成された、ゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成るベースボディ７′を有している。このベースボディ７′の、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の内容物に面した側のピストン区分８は、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム９′によってキャップ状に取り囲まれている。このピストン区分８には、ピストン栓体２の未被覆のシール区分１０が続いている。図１０および図１２から判るように、ピストン栓体２の外周面は不活性フィルム９′の縁範囲でも、シール区分１０でも、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の内壁に接触している。
【００３５】
シール区分１０の外周面は複数の環状のシールリップ１１を有している。これらのシールリップ１１の間には、それぞれシール区分１０の外周面に沿って環状に延びるセットバック部もしくは引込み部１２が設けられており、シールリップ１１はこれらの引込み部１２によってそれぞれ互いに間隔を置いて配置されている。不活性フィルム９′に隣接したシールリップ１１と、不活性フィルム９′との間にも、引込み部１２が設けられている。この引込み部１２と不活性フィルム９′との間では、シール区分１０が、その外周面に沿って環状に延びるシールゾーン１３を有している。このシールゾーン１３は、ピストン区分８をキャップ状に取り囲む不活性フィルム９′の縁部に直接に続いている。シールゾーン１３は、不活性フィルム９′の縁範囲の、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の内壁に接触する表面と整合しているか、または半径方向でこの表面を少しだけ超えて張り出している。ピストン栓体２はシールゾーン１３によって使用位置でシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１に面状に接触する。これにより、引込み部１２はシリンダ孔４内に存在する液状の医薬調製剤に対して信頼性良くシールされているので、医薬調製剤が引込み部１２においてエラストマ材料と相互作用を引き起こす恐れは生じない。すなわち、シールゾーン１３は、医薬調製剤が、未被覆のエラストマ材料に比べてシール性の劣る不活性フィルム９′と、シリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の内壁との間を通って隣接した引込み部１２内へ侵入してしまうことを阻止する。さらに、シールゾーン１３は医薬調製剤への湿分、ガスおよび／または病原菌の侵入を防止するように医薬調製剤をもシールしている。付加的にシリンダ孔４は、シールゾーン１３と直列に接続されたシールリップ１１によってもシールされる。
【００３６】
図９および図１１から判るように、収容孔６は、この収容孔６の、ピストン栓体２の不活性フィルム９′から遠い方の端範囲から、不活性フィルム９′によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８にまで延びていて、このピストン区分８では不活性フィルム９′に対して間隔をおいて成端している。
【００３７】
図９に示した実施例では、収容孔６が雌ねじを備えた雌ねじ山区分６ａを有しており、この雌ねじ山は、ピストンロッド５に設けられた対応する雄ねじ山と螺合可能である。ピストン栓体２の雌ねじ山区分６ａは、被覆体を有しない未被覆のシール区分１０により取り囲まれたピストン範囲内に延びていて、不活性フィルム９′によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８に対して間隔をおいて成端している。雌ねじ山区分６ａには、ほぼ円筒状の収容孔区分６ｃが続いている。この収容孔区分６ｃは不活性フィルム９′によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８内にまで延びている。また、ピストン栓体２とピストンロッド５またはこれに類する運動伝達エレメントとの間での別の形状接続的な結合、つまり嵌合に基づく係合による別の結合も考えられる。図１１に示した実施例では、収容孔６が例示的に円錐状に形成されている。この収容孔６は収容開口を起点として、収容孔６の最深部へ向かって先細りになっている。
【００３８】
ピストン栓体２を製造するためには、まず未加硫のゴムシート（Ｇｕｍｍｉｆｅｌｌ）７が、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム９と一緒に、成形工具の型プレート１４，１５の間に挿入される。両型プレート１４，１５は互いに相対的に運動可能であって、閉鎖位置（図２）と開放位置（図１）とをとることができる。最初はまだ平坦なシート状の不活性フィルム９は、図１に示したように、ゴムシート７に固く結合されていてよい。しかし、不活性フィルム９とゴムシート７とを互いに別個に型プレート１４，１５の間に持ち込み、かつ互いにルーズに重ね合わせることもできる。
【００３９】
成形工具は、この成形工具の分離平面の範囲に残る、側方でピストン栓体２を超えて張り出す積層体フランジ１６を除いて完全な形のピストン栓体２の輪郭を成形するために形成されている。図１から判るように、不活性フィルム９に面した側の第１の型プレート１４はこのために複数の第１のキャビティ１７を有しており、これらの第１のキャビティ１７の形状は、製造したいシリンジピストンもしくはピストン栓体２の、不活性フィルムによりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８のネガ型に相当している。ゴムシート７に面した方の第２の型プレート１５は、第１のキャビティ１７の数に相当する数の第２のキャビティ１８を有している。これらの第２のキャビティ１８の形状は、シリンジピストンのシール区分１０の、シールゾーン１３に続いた部分のネガ型に相当している。第１のキャビティ１７と第２のキャビティ１８とは互いに整合しているので、第１のキャビティ１７と第２のキャビティ１８とは成形工具の閉鎖位置においてそれぞれほぼ、製造したいシリンジピストン２の外側輪郭を画定する。成形工具の閉鎖位置では、第１のキャビティ１７と第２のキャビティ１８とが分離ギャップ１９によって互いに間隔を置いて保持されている。この分離ギャップ１９は両型プレート１４，１５の分離平面に成形工具の全てのキャビティ１７，１８にわたって延びていて、これらのキャビティ１７，１８を互いに接続している。分離ギャップ１９では、層状配列されたゴムシート７と不活性フィルム９とから成る積層体（Ｓｃｈｉｃｈｔａｎｏｒｄｎｕｎｇ）の成形時に積層体フランジ１６が形成される。
【００４０】
図２から特によく判るように、第２のキャビティ１８は、ピストン栓体２の、ピストンロッド５に結合可能な収容孔６を成形するためのそれぞれ１つの型コア２０を取り囲んでいる。この型コア２０の自由端部は成形工具の閉鎖位置において、向かい合って位置する第１のキャビティ１７内に突入するので、収容孔６はピストン栓体２の成形時にピストン栓体２の、不活性フィルム９によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８内にまで導入される。第２のキャビティ１８の周壁は、ピストン栓体２のシール区分１０の外周面に沿って環状に延びるシールリップ１１を形成するための環状に延びる複数の凹部２１を有している。
【００４１】
成形工具が閉鎖されると、ゴムシート７は圧力と熱の作用を受けて加硫されて、不活性フィルム９と解離不能に結合する。このときに、不活性フィルム９の、第１のキャビティ１７の壁に接触した区分はそれぞれ第１のキャビティ１７の形状をとり、ゴムシート７の、第２のキャビティ１８の壁に接触した区分はそれぞれ第２のキャビティ１８の形状をとる。
【００４２】
第２の型プレート１５は、加硫された積層体の外縁部を第１の型プレート１４に対してシールするシール部２２を形成するために、この第２の型プレート１５の第２のキャビティ１８を間隔を持って取り囲む環状の環状溝２３を有している。この環状溝２３内には、成形工具の閉鎖時にゴムシート７の縁部に存在するエラストマ材料が押し退けられ、この場合、このエラストマ材料は環状溝２３の形状をとる。
【００４３】
第２の型プレート１５はガス供給通路２４を有している。このガス供給通路２４は、環状溝２３により取り囲まれた範囲の内側で、両型プレート１４，１５の間に形成された型中空室に開口している。成形プロセスの終了後には、このガス供給通路２４を通じて圧縮空気が吹き込まれる。この圧縮空気は、層状配列された、加硫されたゴムシート７と不活性フィルム９とから成る積層体を第２の型プレート１５から持ち上げる。図３から判るように、圧縮空気によりアシストされて積層体が第２の型プレート１５から除去される際に、シール部２２はさしあたり環状溝２３内に係合したままとなるので、ゴムシート７と第２の型プレート１５との間には空気クッションが形成され得る。それと同時に、成形工具が開放されるので、積層体の不活性フィルム９は成形工具の開放時にさしあたりまだ第１の型プレート１４に接触したままとなる（図３参照）。また、別の手順、つまり最初に成形工具を開放し、第１の型プレート１４を積層体から除去し、その後に積層体と第２の型プレート１５との間に圧縮空気を吹き込むことも可能である。第２の型プレート１５からの積層体の剥離後に、積層体は成形工具から取り出される。このときに、不活性フィルム９は第１の型プレート１４から剥離する（図４）。
【００４４】
図３から特によく判るように、ガス供給通路２４の開口範囲には弁２５が配置されている。この弁２５のきのこ形の弁頭部は第１の型プレート１４に向けられている。図面から良く判るように、この弁２５は第２のキャビティ１８の外部に配置されていて、側方で第２のキャビティ１８から間隔を置いて配置されている。弁２５の弁頭部はコイルばねによって閉鎖位置に保持され、そしてガス供給通路２４を通じて供給可能な圧縮空気の圧力によってコイルばねの戻し力に抗して、対応する弁座から持上げ可能である。
【００４５】
成形工具からの取出し後に、積層体は、ピストン栓体２を取り囲んでいる積層体フランジ１６からピストン栓体２本体を分離するために、打抜き装置２６に位置決めされる。打抜き装置２６は切断ダイス２７を有しており、この切断ダイス２７は第１のキャビティ１７の数に相当する数の開口２８を備えたプレートとして形成されている。これらの開口２８の直径は第１のキャビティ１７の直径にほぼ相当している。これらの開口２８の互いに相対的な位置も、第１のキャビティ１７の互いに相対的な位置に相当している。積層体が打抜きダイス２７に配置され、この場合、この積層体の、不活性フィルム９によりキャップ状に取り囲まれた個々のピストン区分８が、それぞれ対応する開口２８内に同心的に係合して、積層体フランジ１６が切断ダイス２７に載置される。
【００４６】
切断ダイス２７の平面に対して平行に押えプレート２９が配置されている。この押えプレート２９は切断ダイス２７の開口２８の数に相当する数の通過開口３０を有している。これらの通過開口３０は切断ダイス２７の開口２８と同じ直径を有していて、それぞれ対応する開口２８と真っ直ぐな延長上で整合している。積層体が切断ダイス２７に挿入された後に、押えプレート２９は切断ダイス２７へ向かって送られ、その結果、押えプレート２９と切断ダイス２７との間に積層体フランジ１６が緊締され、ひいては積層体フランジ１６に配置されたピストン栓体２が切断ダイス２７に位置固定される（図６）。
【００４７】
図５から判るように、通過開口３０の、切断ダイス２７寄りの端範囲には、それぞれピストン栓体２の、通過開口３０内に導入されるべきシール区分１０を案内するための、段付けにより形成された各１つの導入斜面３１が設けられている。この導入斜面３１には、押えプレート２９が切断ダイス２７へ向かって送り運動させられた際に、ピストン栓体２のシール区分１０がセンタリングされる。
【００４８】
個々の通過開口３０内には、それぞれ１つのスリーブ形の切断ポンチ３２が軸方向摺動可能に案内されている。この切断ポンチ３２の外周面はカッティングエッジを有している。図６〜図８から判るように、切断ポンチ３２は、この切断ポンチ３２にそれぞれ位置決めされたピストン栓体２から積層体フランジ１６を分断するために、切断ダイス２７へ向かって送られ、そして積層体フランジ１６の切断後に再び出発位置にまで引き戻される。
【００４９】
切断ポンチ３２の、それぞれ対応する切断ダイス２７に向けられた自由端範囲は、内側に導入斜面３３を有している。図７から判るように、切断ポンチ３２の切断送り運動時では、ピストン栓体２の、収容孔６を取り囲む壁が切断ポンチ３２の導入斜面３３に沿って切断ポンチ３２の内孔３４の内部へ押し退けられる。このときに、収容孔６の横断面は相応して減小する。
【００５０】
図８から判るように、切断ポンチ３２の直径は切断ダイス２７の開口２８の直径にほぼ相当しているので、積層体フランジ１６は切断ポンチ３２によって、不活性フィルム９の、使用位置においてシリンジシリンダ１に接触する部分範囲に対して整合する線に沿ってピストン栓体２から切断される。このときにシールゾーン１３が形成される。
【００５１】
すなわち、本発明は、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１の内容物に面した側の、不活性フィルム９′によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８を有する、主としてゴムから成るピストン栓体２に関する。ピストン区分８は不活性フィルム９′によってシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ１に接触する。このピストン区分８に隣接して、ピストン栓体２は未被覆のシール区分１０を有している。さらに、本発明はこのようなピストン栓体２を製造するための装置および方法に関する。未加硫のゴムシート７が不活性フィルム９と一緒に成形工具内に挿入され、そして圧力作用および熱作用を受けてこの積層体から、成形工具の分離平面の範囲において側方でピストン栓体２を超えて張り出した積層体フランジ１６を除いて完全な形のピストン栓体輪郭が形成される。不活性フィルム９によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分８には、ピストンロッドのための収容孔６が加工成形される。この収容孔６内には、シール区分１０の、収容孔６を取り囲む壁範囲が押し退けられる。その後に、打抜き過程によってピストン栓体２が積層体フランジ１６から切断され、この場合、シール区分１０には、ピストン区分８を取り囲む不活性フィルム９′の縁部に直接に続いた環状のシールゾーン１３が形成される。
【図面の簡単な説明】
【００５２】
【図１】開放位置に位置する成形工具と、この成形工具内に挿入された、片側を不活性フィルムで被覆されたゴムシートとを示す横断面図である。
【００５３】
【図２】図１の成形工具を、閉じられた状態で示す横断面図である。
【００５４】
【図３】成形工具を、層状配列された加硫されたゴムシートと不活性フィルムとから成る積層体の、空気アシストされた型抜き段階で示す横断面図である。
【００５５】
【図４】成形工具を、加硫された積層体を取り出す際の状態で示す横断面図である。
【００５６】
【図５】側方でピストン栓体を超えて張り出した、部分的にしか図示されていない積層体フランジをピストン栓体から分離するための打抜き装置を、この打抜き装置の押えプレートと打抜きポンチとが第１の作業位置に位置する状態で示す部分横断面図である。
【００５７】
【図６】図５に示した打抜き装置を、押えプレートと打抜きポンチとが第２の作業位置に位置する状態で示す部分横断面図である。
【００５８】
【図７】図５に示した打抜き装置を、押えプレートと打抜きポンチとが第３の作業位置に位置する状態で示す部分横断面図である。
【００５９】
【図８】図５に示した打抜き装置を、押えプレートと打抜きポンチとが第４の作業位置に位置する状態で示す部分横断面図である。
【００６０】
【図９】医薬用のピストン栓体を部分的に断面して示す側面図である。
【００６１】
【図１０】シリンジを部分的に断面して示す側面図である。
【００６２】
【図１１】医薬用のピストン栓体を部分的に断面して示す側面図である。
【００６３】
【図１２】カルプルを部分的に断面して示す側面図である。

Claims (18)

1. 主としてゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成る医薬用のピストン栓体（２）であって、当該ピストン栓体（２）が、ピストンロッド（５）またはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔（６）と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）とを有しており、該ピストン区分（８）が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）の内容物に面しており、ピストン区分（８）の外周面が使用位置において不活性フィルム（９′）を介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触しており、当該ピストン栓体（２）が、前記ピストン区分（８）に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触する未被覆のシール区分（１０）を有している形式のピストン栓体（２）を製造するための方法であって、１回の成形ステップで、層状配列された、未加硫のゴムシート（７）とフッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム（９）とから成る積層体を成形工具内に挿入して、圧力および熱の作用下に成形してピストン栓体部分を形成し、この場合、ゴムシート（７）を加硫して、不活性フィルム（９）と分離不能に結合する形式の方法において、前記成形ステップの間、前記積層体から、成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体（２）を超えて張り出した積層体フランジ（１６）を除いて完全な輪郭のピストン栓体（２）を形成し、前記収容孔（６）を前記成形ステップの間、前記積層体フランジ（１６）を越えて不活性フィルム（９）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）に突入するまでゴムシート（７）に導入し、分離過程で前記シール区分（１０）の、少なくとも前記収容孔（６）を取り囲む、前記積層体フランジ（１６）を越えて突出した壁範囲を前記収容孔（６）内へ押し退け、次いでピストン栓体（２）を打抜き過程によって前記積層体フランジ（１６）から分離して、前記シール区分（１０）に、前記ピストン区分（８）をキャップ状に取り囲む不活性フィルム（９′）の縁部に直接に続いている、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触する環状に延びるシールゾーン（１３）を形成することを特徴とする、医薬用のピストン栓体を製造するための方法。
2. 成形ステップの間、前記シール区分（１０）の外周面に沿って環状に延びる少なくとも１つのシールリップ（１１）を形成し、該シールリップ（１１）を分離過程の際に前記収容孔（６）へ向かって押し退ける、請求項１記載の方法。
3. 分離ステップにおいて、不活性フィルム（９）によりキャップ状に取り囲まれた前記少なくとも１つのピストン区分（８）を、切断ダイス（２７）に設けられた開口（２８）内へ同心的に挿入し、ピストン栓体（２）を取り囲む前記積層体フランジ（１６）を、前記切断ダイス（２７）と押えプレート（２９）との間に緊締し、この場合、前記シール区分（１０）の、積層体フランジ（１６）を越えて突出した部分を、前記押えプレート（２９）に設けられた通過開口（３０）内に係合させ、その後に前記シール区分（１０）の、ピストン栓体（２）の収容孔（６）を取り囲む壁範囲を切断ポンチ（３２）によって収容孔（６）内へ押し退け、前記積層体フランジ（１６）をピストン栓体（２）から打抜き除去する、請求項１または２記載の方法。
4. ピストン栓体（２）を前記積層体フランジ（１６）から分離するための切断ポンチ（３２）を、前記シール区分（１０）の自由端部から前記積層体フランジ（１６）へ向かって送る、請求項１から３までのいずれか１項記載の方法。
5. ゴムシート（７）の外縁部を、該外縁部に接触する成形工具の少なくとも１つの型プレート（１４，１５）に対して環状にシールし、成形工具の開放時および／または開放後に、加硫された積層体を型プレート（１４，１５）から剥離させるために、該型プレート（１４，１５）と積層体との間にガスを吹き込む、請求項１から４までのいずれか１項記載の方法。
6. 成形ステップの間、加硫された積層体を型プレート（１４，１５）に対してシールするために、積層体の外縁部に、該積層体を取り囲むように環状に延びる、型プレート（１４，１５）に密に接触するシール部（２２）を成形する、請求項１から５までのいずれか１項記載の方法。
7. 請求項１から６までのいずれか１項記載の方法を実施するための装置、すなわち主としてゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成る医薬用のピストン栓体（２）であって、当該ピストン栓体（２）が、ピストンロッド（５）またはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔（６）と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）とを有しており、該ピストン区分（８）が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）の内容物に面しており、ピストン区分（８）の外周面が使用位置において不活性フィルム（９′）を介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触しており、当該ピストン栓体（２）が、前記ピストン区分（８）に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触する未被覆のシール区分（１０）を有している形式のピストン栓体（２）を製造するための装置であって、層状配列された、未加硫のゴムシート（７）と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム（９）とから成る積層体からピストン栓体（２）を成形するための成形工具が設けられており、該成形工具が、少なくとも１つの第１の型プレート（１４）と、該第１の型プレート（１４）と協働する第２の型プレート（１５）とを有しており、両型プレート（１４，１５）が互いに相対的に閉鎖位置と開放位置とへ運動可能であり、さらに、成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体（２）を超えて張り出した積層体フランジ（１６）をピストン栓体（２）から分離するための打抜き装置（２６）が設けられている形式の装置において、成形工具が、該成形工具の分離平面の範囲に残った、側方でピストン栓体（２）を超えて張り出した積層体フランジ（１６）を除いて完全な輪郭の少なくとも１つのピストン栓体（２）を成形するために形成されており、このために第１の型プレート（１４）が、製造したいピストン栓体（２）の、不活性フィルム（９）によりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分（８）に形状適合された少なくとも１つの第１のキャビティ（１７）を有しており、第２の型プレート（１５）が、ピストン栓体（２）の未被覆のシール区分（１０）に形状適合された少なくとも１つの第２のキャビティ（１８）を有しており、該第２のキャビティ（１８）内に、ピストン栓体（２）に設けられた、ピストンロッド（５）またはこれに類する運動伝達エレメントと結合可能な収容孔（６）を成形するための型コア（２０）が配置されており、該型コア（２０）の自由端部が成形工具の閉鎖位置で、向かい合って位置する第１のキャビティ（１７）内に係合しており、前記打抜き装置（２６）が、不活性フィルム（９）によりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分（８）を同心的に挿入するための少なくとも１つの開口（２８）を備えた切断ダイス（２７）を有しており、該切断ダイス（２７）に、前記積層体フランジ（１６）をピストン栓体（２）から分離するために、外周面にカッティングエッジを有するスリーブ状の切断ポンチ（３２）が対応しており、該切断ポンチ（３２）が、切断ダイス（２７）に設けられた前記開口（２８）に対して軸方向で該開口に接近する方向および該開口から離れる方向で運動可能であり、切断ポンチ（３２）に設けられた内孔（３４）が、ピストン栓体（２）の、内方へ向かって変形させられたシール区分（１０）を収容するために形成されていることを特徴とする、医薬用のピストン栓体を製造するための装置。
8. 打抜き装置（２６）が、切断ダイス（２７）に設けられた前記少なくとも１つの開口（２８）に整合する、前記シール区分（１０）を収容するための少なくとも１つの通過開口（３０）を備えた押えプレート（２９）を有しており、該押えプレート（２９）が、該押えプレート（２９）と切断ダイス（２７）との間に前記積層体フランジ（１６）を緊締するために切断ダイス（２７）の前記開口（２８）に対して軸方向で、切断ダイス（２７）に対して相対的に移動可能であり、切断ポンチ（３２）が、前記押えプレート（２９）に設けられた前記通過開口（３０）内に軸方向移動可能に案内されている、請求項７記載の装置。
9. 第２の型プレート（１５）に設けられた前記少なくとも１つの第２のキャビティ（１８）の周壁が、ピストン栓体（２）のシール区分の外周面に沿って環状に延びるシールリップ（１１）を形成するための、環状に延びる少なくとも１つの凹部（２１）を有している、請求項７または８記載の装置。
10. 切断ポンチ（３２）の、切断ダイス（２７）に向けられた自由端範囲が、内側に導入斜面（３３）を有している、請求項７から９までのいずれか１項記載の装置。
11. 加硫された積層体の外縁部が、該積層体の外縁部に沿って環状に延びるシール部（２２）によって少なくとも１つの型プレート（１４，１５）に対してシール可能であり、該型プレート（１４，１５）の、前記シール部（２２）により取り囲まれた範囲にガス供給通路（２４）が開口しており、該ガス供給通路（２４）が、前記積層体を型プレート（１４，１５）から剥離させるためにガス圧源に接続可能である、請求項７から１０までのいずれか１項記載の装置。
12. 少なくとも１つの型プレート（１４，１５）が、積層体の外縁部を型プレート（１４，１５）に対してシールするシール部（２２）を該シール部（２２）の型孔内で形成するために、当該型プレート（１４，１５）のキャビティ（１７，１８）を間隔を置いて取り囲む環状溝（２３）を有している、請求項７から１１までのいずれか１項記載の装置。
13. ガス供給通路の開口範囲に弁（２５）、有利にはきのこ弁が配置されている、請求項７から１２までのいずれか１項記載の装置。
14. ゴムまたはこれに類するエラストマ材料から成るベースボディ（７′）を有する医薬用のピストン栓体（２）であって、当該ピストン栓体（２）が、ピストンロッド（５）またはこれに類する運動伝達エレメントとの結合のための収容孔（６）と、フッ素化されたポリマフィルムまたはこれに類する不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれたピストン区分（８）とを有しており、該ピストン区分（８）が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）の内容物に面しており、ピストン区分（８）の外周面が使用位置において不活性フィルム（９′）を介してシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触しており、当該ピストン栓体（２）が、前記ピストン区分（８）に隣接して、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触する未被覆のシール区分（１０）を有しており、該シール区分（１０）が、該シール区分（１０）の外周面に沿って環状に延びる少なくとも１つのシールリップ（１１）を有している形式のピストン栓体（２）において、ベースボディ（７′）が単一部分から一体に形成されており、前記収容孔（６）が、不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分（８）内にまで延びており、前記シール区分（１０）の外周面が、前記ピストン区分（８）をキャップ状に取り囲んだ不活性フィルム（９′）の縁部に直接に続いた、環状に延びるシールゾーン（１３）を有しており、該シールゾーン（１３）が、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に面状に接触していることを特徴とする、医薬用のピストン栓体。
15. シールゾーン（１３）が、不活性フィルム（９′）の、使用位置においてシリンジシリンダまたはカルプルシリンダ（１）に接触する外周区分に対して真っ直ぐな延長上に配置されているか、または該外周区分を半径方向で少しだけ超えて張り出している、請求項１４記載の医薬用のピストン栓体。
16. 当該ピストン栓体（２）の、前記収容孔（６）を取り囲む内壁が、ピストンロッド（５）またはこれに類する運動伝達エレメントに設けられたねじ山との結合のための雌ねじ山を備えた雌ねじ山区分（６ａ）有しており、該雌ねじ山区分（６ａ）が、前記収容孔（６）の底部（６ｂ）から間隔を置いて成端している、請求項１４または１５記載の医薬用のピストン栓体。
17. 当該ピストン栓体（２）の前記雌ねじ山区分（６ａ）が、不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分（８）で成端しているか、または該ピストン区分（８）から間隔を置いて配置されており、前記雌ねじ山区分（６ａ）に有利には円筒状または円錐状の収容孔区分（６ｃ）が続いており、該収容孔区分（６ｃ）が、不活性フィルム（９′）によりキャップ状に取り囲まれた前記ピストン区分（８）内にまで延びている、請求項１４から１６までのいずれか１項記載の医薬用のピストン栓体。
18. 前記収容孔（６）の横断面が底部（６ｂ）を起点として、該収容孔（６）の開口部へ向かって円錐状に拡張している、請求項１４から１７までのいずれか１項記載の医薬用のピストン栓体。