JP2015226841A - プレフィルドシリンジ用ガスケット、その製造方法及びプレフィルドシリンジ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐薬品性及び気密性を両立できるプレフィルドシリンジ用ガスケット、その製造方法、及びプレフィルドシリンジを提供する。【解決手段】接液部と、環状突起を有する摺動部とを備えるプレフィルドシリンジ用ガスケットであって、上記接液部は、不活性フィルムが積層され、上記摺動部は、不活性フィルムが積層されていないプレフィルドシリンジ用ガスケットに関する。【選択図】図1
Description
本発明は、プレフィルドシリンジ用ガスケット、その製造方法、及び該ガスケットを有するプレフィルドシリンジに関する。
近年では、使用時の簡便性に優れ、かつ薬剤の取り違えなどの医療事故を防止できるという点から、予め薬液を注射器に充填したプレフィルドシリンジの使用が拡大している(特許文献1参照)。プレフィルドシリンジは、注射針が取り付けられる先端部分がキャップで密閉されており、投与の際には先端部分に注射針を取り付け、プランジャーロッドを先端側に向けて押し込んでガスケットを摺動させることにより、注射針を介して注射液が投与される。
ガスケットの表面にフッ素樹脂などの不活性フィルムを積層(ラミネート)することにより、耐薬品性を向上させることができる。しかし、不活性フィルムを積層すると、弾性が低下して気密性が悪化するため、薬液が漏れてしまうおそれがある。従って、耐薬品性及び気密性を両立したガスケットの開発が求められている。
本発明は、前記課題を解決し、耐薬品性及び気密性を両立できるプレフィルドシリンジ用ガスケット、その製造方法、及びプレフィルドシリンジを提供することを目的とする。
本発明は、接液部と、環状突起を有する摺動部とを備えるプレフィルドシリンジ用ガスケットであって、上記接液部は、不活性フィルムが積層され、上記摺動部は、不活性フィルムが積層されていないプレフィルドシリンジ用ガスケットに関する。
上記接液部は凸部を有することが好ましい。
上記接液部は平坦部及び/又は傾斜部を端部に有することが好ましい。
上記接液部の端部と上記摺動部とがなす角度は90〜110度であることが好ましい。
上記接液部は中心から端部に向かって傾斜部及び平坦部をこの順に有することが好ましい。
上記接液部は中心から端部に向かって多段階の傾斜部を有することが好ましい。
上記接液部は中心から端部に向かって平坦部及び傾斜部をこの順に有することが好ましい。
上記不活性フィルムは、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、変性テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体及びポリクロロテトラフルオロエチレンからなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂であることが好ましい。
不活性フィルムが積層された部分は、磨き加工によって中心線表面粗さRaが1.0μm以下に調整されており、上記摺動部は、研磨剤を用いたブラスト加工によって中心線表面粗さRaが1.5〜3.5μmに調整されていることが好ましい。
本発明はまた、未加硫のゴムシートと上記不活性フィルムとを重ねて成形金型に置き、真空プレスで加熱圧縮し、上記接液部と上記摺動部とを備える複数の上記プレフィルドシリンジ用ガスケットが成形された成形シートを得る工程、上記成形シートの摺動部側にシリコーンを塗布する工程、シリコーンが塗布された上記成形シートの摺動部を打ち抜き型の下刃にセットし、上記成形シートの接液部側からストリッパープレートを下降させ、上記成形シートのバリ部にテンションを掛ける工程、及び上記成形シートの接液部側から上刃を下降させ、上記環状突起と略同径に上記バリ部を切断し、第一環状突起部が形成される工程をこの順に含む上記ガスケットの製造方法に関する。
上記成形シートの切断部の厚みが0.5〜1.5mmであることが好ましい。
上記上刃の厚みが0.5〜2.0mmであることが好ましい。
本発明はまた、上記ガスケットを有するプレフィルドシリンジに関する。
本発明によれば、接液部と、環状突起を有する摺動部とを備えるプレフィルドシリンジ用ガスケットであって、上記接液部は、不活性フィルムが積層され、上記摺動部は、不活性フィルムが積層されていないプレフィルドシリンジ用ガスケット、その製造方法、及びプレフィルドシリンジであるので、耐薬品性及び気密性を両立できる。
以下に実施形態を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1のガスケットを示す断面模式図である。
図1において、ガスケット(プレフィルドシリンジ用ガスケット)1は、シリンジ内で薬液に接触し、摺動時にシリンジ内壁に接触しない接液部2と、摺動時にシリンジ内壁と接触する摺動部(環状シール部)3と、プランジャーロッドが嵌合される嵌合穴4とを有する。
図1は、実施形態1のガスケットを示す断面模式図である。
図1において、ガスケット(プレフィルドシリンジ用ガスケット)1は、シリンジ内で薬液に接触し、摺動時にシリンジ内壁に接触しない接液部2と、摺動時にシリンジ内壁と接触する摺動部(環状シール部)3と、プランジャーロッドが嵌合される嵌合穴4とを有する。
接液部2には不活性フィルム5が積層されており、図1では凸部を有する接液部2の一例が示されている。この不活性フィルム5は、接液部2に積層され、摺動部3には積層されていない。不活性フィルム5をこのように配置することにより、ガスケット1の耐薬品性を向上させながら、良好な気密性を確保することができる。
不活性フィルム5としては特に限定されないが、良好な耐薬品性が得られるという点から、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂が好ましい。また、医療用容器の滅菌法として、蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌が行われるが、PTFEはガンマ線に対する耐性が低い。よって、ガンマ線滅菌に対する耐性が高いETFE、変性ETFE、PCTFEが特に好ましい。
ETFE、変性ETFE及びPTFEのガンマ−線滅菌後の物性を表1に示す。
変性ETFEとしては、接着性を付与する官能基を有するETFEを好適に使用することができ、該官能基としては、カルボキシル基、無水カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、エステル基、アミド基、アルデヒド基、アミノ基、シアノ基、炭素−炭素二重結合、スルホン酸基、エーテル基などが挙げられる。また、変性ETFEの市販品としては、旭硝子(株)製のフルオンAH−2000などが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの共重合体等が挙げられ、ポリエチレン(特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))が好ましい。また、オレフィン系樹脂は、フッ素を含んでいてもよい。
不活性フィルム5の厚みはガスケット1の形状やサイズに合わせて適宜調整すればよいが、50〜200μmであることが好ましい。
不活性フィルム5は、ゴム等との接着性を高める処理を行うことが好ましい。接着性を高める処理としては、化学処理法、フィルムの表面を粗面化する処理や、これらを組み合わせたものが挙げられ、具体例としては、ナトリウム処理、グロー放電処理、大気圧下又は真空下でのプラズマ処理(放電処理)、エキシマレーザー処理(放電処理)、イオンビーム処理が挙げられる。
摺動部3の環状突起数は特に限定されないが、2〜4であることが好ましい。摺動部3は、切断部6、又は切断部6及び金型成形部6aよりなる第一環状突起部7aと、複数の環状突起7とを有する。なお、摺動部3は金型成形部6aを有していなくてもよい。摺動抵抗を低減できるという点から、摺動部3は、シリコーンコート等の潤滑剤をコートすることが好ましい。なお、潤滑剤は摺動部3の全てにコートする必要はなく、例えば、切断部6がコートされていなくてもよい。
不活性フィルム5が積層された接液部2で薬剤との接触を防止し、接液部2側から連続する切断部6、又は該切断部6及び金型成形部6aよりなる第一環状突起部と、環状突起7とによりシリンジ内が隔てられることにより気密性、液密性が保たれるが、特に切断部6、又は切断部6及び金型成形部6aよりなる第一環状突起部が重要である。
切断部6の厚みは0.5〜1.5mmであることが好ましく、金型成形部6aの厚みは0〜1.0mmが好ましい。切断部6の厚みは大きくなるほど摺動抵抗が大きくなり、1.5mmを超えると、実用的ではない。一方0.5mm未満であると、十分な気密性、液密性を確保できないおそれがある。また、切断部6の厚みが上記範囲内であれば、ガスケット1の製造時に金型から成形シートを容易に取り剥がすことができる。
なお、切断部6の厚みは、図1中の上下方向の長さiであり、金型成形部6aの厚みは、図1中の上下方向の長さjである。
なお、切断部6の厚みは、図1中の上下方向の長さiであり、金型成形部6aの厚みは、図1中の上下方向の長さjである。
シリンジ内壁やガスケット1先端の接液部2に気泡が付着し易いという問題があり、気泡が付着した状態で薬液を投与すると、薬剤と同時に血管内に混入し、空気塞栓等を起こす場合がある。通常、気泡が付着した場合、投与前にシリンジノズルを上方に向けて、シリンジ胴部を指ではじいて気泡をノズル先端に集めて排出して投与するが、迅速な対応が求められる医療現場では対応が困難であり、特に、ガスケット1先端の接液部2に付着した気泡は抜けにくいという問題がある。上記気泡は薬剤の粘度によって付着し易い場合があり、また、接液部2の表面が粗いほど気泡が付着し易い。よって、接液部2の気泡の付着を防止できるという点から、不活性フィルム5が積層された部分は、磨き加工によって中心線表面粗さRaが1.0μm以下に調整されていることが好ましい。
なお、中心線表面粗さRaは、JIS B0601−2001で規定される値である。
なお、中心線表面粗さRaは、JIS B0601−2001で規定される値である。
摺動部3は、研磨材を用いたブラスト加工によって中心線表面粗さRaが1.5〜3.5μmに調整されていることが好ましい。上記範囲内であれば、良好な摺動性、気密性、液密性及び固着性が得られる。研磨材はJIS R6001−1998で規定される♯46〜100を使用することが好ましい。
接液部2の端部と摺動部3とがなす角度aは90〜110度であることが好ましい。通常、シリンジ内の先端部は、円筒形(図12)や、先端に向かって細くなる円錐形(図13)であるため、接液部2の端部と摺動部3とがなす角度aを上記範囲内とすることにより、シリンジ内の薬液を効率よく押し出すことができる。角度aは、好ましくは108度以下、より好ましくは106度以下、更に好ましくは105度以下、特に好ましくは104度以下である。
なお、本実施形態では、接液部2が先端に向かって凸状である場合を示しているが、接液部2の形状はこれに限定されず、他の形状であってもよく、例えば、平坦部及び/又は傾斜部を端部に有する形状であってもよい。図2は、接液部が平坦部を有する例であり、図3は、接液部2が中心から端部に向かって傾斜部及び平坦部をこの順に有する例であり、図4は接液部2が中心から端部に向かって多段階の傾斜部を有する例であり、図5は、接液部2が中心から端部に向かって平坦部及び傾斜部をこの順に有する例である。
また、本実施形態では、接液部2の端部が直線状(傾斜部又は平坦部)である場合を示しているが、接液部2の端部は曲線状であってもよい。図14は、接液部2が中心から端部に向かって傾斜部及び曲線部をこの順に有する例である。図14において、角度aは、接液部2の最も摺動部3側の傾斜部又は平坦部と、摺動方向に沿った直線とがなす角度である。また、図15は、接液部2が曲線部のみで構成された例(傾斜部及び平坦部を有しない例)である。
以下、実施形態1のガスケットの製造方法について説明する。
図6及び7は、実施形態1のガスケットの製造工程(打ち抜き工程)を示す断面模式図である。
図6及び7は、実施形態1のガスケットの製造工程(打ち抜き工程)を示す断面模式図である。
まず、不活性フィルム5と未加硫のゴムシート104とを重ねて成形金型に置き、真空プレスで加熱圧縮を行う。加熱圧縮により、不活性フィルム5と未加硫のゴムシート104との加硫接着、及び成形が行われる。これにより、ガスケット1の形状、及び偏芯防止用リング106がそれぞれ複数成形された成形シート105が得られる。なお、ガスケット1には、接液部と、環状突起部を有する摺動部とが成形される。
ゴムシート104としては、合成ゴム及び熱可塑性エラストマーを使用することができる。なかでも、良好な気密性が得られるという点から、合成ゴムが好ましく、ブチルゴムがより好ましい。ブチルゴムとしては、塩素化ブチルゴムなどのハロゲン化ブチルゴムを好適に使用できる。
成形後、成形シート105の摺動部側にシリコーンを塗布する。シリコーンの塗布は、成形シート105のゴムシート104側(摺動部が成形された側)から行うことが好ましい。これにより、接液部にシリコーンが付着しないため、シリコーンによる薬液の汚染を防止できる。
次に、図6に示すように、成形シート105の摺動部を打ち抜き型の下刃101にセットする。その後、偏芯抜き不良をなくすため、図7に示すように、成形シート105の接液部側からストリッパープレート102を下降させ、成形シート105のバリ部にテンションを掛け、成形シート105を下刃101に密着させる。
この状態で、成形シート105の接液部側から上刃103を下降させ、環状突起と略同径に成形シート105のバリ部を切断することで、切断部、又は切断部及び金型成形部からなる第一環状突起部が形成される。これにより、ガスケット1が得られる。
図8、図9に示す従来例は、成形シート205の向きを上述の製造方法とは逆にした方法であり、この方法では、上刃203が下降すると上刃203のテーパー状内に空間ネジ部を圧縮した状態で摺動部が入るため、刃材質との擦れにより汚れ不良が発生する。また、上刃203の切断時の摩耗により研磨メンテナンスが必要となり、研磨によって刃厚が大きくなると、上述の問題が発生しやすく、上刃203内面の加工も必要となる。これに対し、上述の製造方法では、接液部が成形された側から成形シート105を切断しているため、これらの問題を解消することができる。
接液部の端部と摺動部とがなす角度aが大きい場合、ストリッパープレート102が成形シート105にテンションを掛ける前に上刃103が成形シート105と接触し、所望の位置で成形シート105を切断できなくなり、寸法不良が発生する場合がある。従って、上記寸法不良の発生を防止するため、接液部の端部と摺動部とがなす角度aを90〜110度の範囲内に調整することが好ましい。
上刃103の先端部(成形シート105と接触する部分)の厚みhは、0.5〜2.0mmであることが好ましい。上記範囲内であれば、成形シート105を所望の位置で容易に切断できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例
塩素化ブチルゴムを含む未加硫のゴムシートと厚み100μmの不活性フィルムとを張り合わせ、真空プレスで175℃、10分間加硫接着しながら成形し、ガスケットの形状、及び偏芯防止用リングがそれぞれ複数成形された成形シートを得た。得られた成形シートのゴムシート側(摺動部が成形された側)をシリコーンでコートした後、図6及び7で示した方法で成形シートを打ち抜き、図1〜5、及び図10〜11に示す形状のガスケットを得た。使用した上刃の先端部の厚みは1.2mm、成形シートの切断部の厚みは1.0mmであった。得られたガスケットを洗浄、滅菌乾燥してから、該ガスケットを用いてプレフィルドシリンジ(公称容量:5ml、シリンジ内径:12.45mm)を作製し、以下の試験を行った。
塩素化ブチルゴムを含む未加硫のゴムシートと厚み100μmの不活性フィルムとを張り合わせ、真空プレスで175℃、10分間加硫接着しながら成形し、ガスケットの形状、及び偏芯防止用リングがそれぞれ複数成形された成形シートを得た。得られた成形シートのゴムシート側(摺動部が成形された側)をシリコーンでコートした後、図6及び7で示した方法で成形シートを打ち抜き、図1〜5、及び図10〜11に示す形状のガスケットを得た。使用した上刃の先端部の厚みは1.2mm、成形シートの切断部の厚みは1.0mmであった。得られたガスケットを洗浄、滅菌乾燥してから、該ガスケットを用いてプレフィルドシリンジ(公称容量:5ml、シリンジ内径:12.45mm)を作製し、以下の試験を行った。
(圧力試験)
十分水をふき取った注射筒に、公称容量目盛りの3/4、公称容量目盛りの1/2の位置まで水を吸い入れ、これを水平に固定して水が筒口から出ないようにした後、筒口に343kPaの圧力を10秒間加え、はめ合わせ部から水滴が落ちないことを確認した。結果は、「水滴が落ちた本数/試験本数」で表記した。
十分水をふき取った注射筒に、公称容量目盛りの3/4、公称容量目盛りの1/2の位置まで水を吸い入れ、これを水平に固定して水が筒口から出ないようにした後、筒口に343kPaの圧力を10秒間加え、はめ合わせ部から水滴が落ちないことを確認した。結果は、「水滴が落ちた本数/試験本数」で表記した。
(吸引試験)
注射筒の公称容量目盛りの1/4の位置まで水を吸い入れ、筒口を密封した後、押し子を公称容量目盛りの位置まで引いたとき、はめ合わせ部から連続した気泡が発生しないことを確認した。結果は、「連続した気泡が発生した本数/試験本数」で表記した。
注射筒の公称容量目盛りの1/4の位置まで水を吸い入れ、筒口を密封した後、押し子を公称容量目盛りの位置まで引いたとき、はめ合わせ部から連続した気泡が発生しないことを確認した。結果は、「連続した気泡が発生した本数/試験本数」で表記した。
(蒸気滅菌後の漏れ)
上記プレフィルドシリンジを125℃で40分間蒸気滅菌し、冷却後、ガスケットの環状突起部間の凹部への漏れを目視で確認した。結果は、「凹部への漏れが発生した本数/試験本数」で表記した。
上記プレフィルドシリンジを125℃で40分間蒸気滅菌し、冷却後、ガスケットの環状突起部間の凹部への漏れを目視で確認した。結果は、「凹部への漏れが発生した本数/試験本数」で表記した。
比較例1及び3は、不活性フィルムが積層されていないため、薬液の種類によっては使用できない場合がある。
比較例2及び4は、接液部及び摺動部の両方に不活性フィルムが積層されているため、気密性が低かった。特に、内径バラツキが大きいガラス製のシリンジの場合、液漏れなどが発生しやすい傾向があった。
実施例1〜10では、液漏れなどが発生しておらず、耐薬品性及び気密性を両立できた。なお、実施例1及び5は、ガンマ線に対する耐性が低いPTFEを不活性フィルムとして使用しているため、ガンマ線滅菌を行うことができないが、実施例2〜5、及び実施例7〜10は、ガンマ線に対する耐性が高いETFEを不活性フィルムとして使用しているため、ガンマ線滅菌を行うことができる。
1、11、21、31、41、51、61、71、81、91 ガスケット(プレフィルドシリンジ用ガスケット)
2 接液部
3 摺動部(環状シール部)
4 嵌合穴
5、15 不活性フィルム
6 切断部
6a 金型成形部
7 環状突起
7a 第一環状突起部
101、201 下刃
102、202 ストリッパープレート
103、203 上刃
104、204 ゴムシート
105、205 成形シート
106 偏芯防止用リング
2 接液部
3 摺動部(環状シール部)
4 嵌合穴
5、15 不活性フィルム
6 切断部
6a 金型成形部
7 環状突起
7a 第一環状突起部
101、201 下刃
102、202 ストリッパープレート
103、203 上刃
104、204 ゴムシート
105、205 成形シート
106 偏芯防止用リング
Claims (7)
- 接液部と、環状突起を有する摺動部とを備え、
前記接液部は、不活性フィルムが積層され、
前記摺動部は、不活性フィルムが積層されていないプレフィルドシリンジ用ガスケットを製造する方法であって、
該製造方法は、未加硫のゴムシートと前記不活性フィルムとを重ねて成形し、前記接液部と前記摺動部とを備える前記プレフィルドシリンジ用ガスケットが成形された成形シートを得る工程、
前記成形シートの摺動部を打ち抜き型の下刃にセットし、前記成形シートの接液部側からストリッパープレートを下降させ、前記成形シートのバリ部にテンションを掛ける工程、及び
前記成形シートの接液部側から上刃を下降させ、前記成形シートを切断する工程をこの順に含むプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。 - 前記製造方法は、前記成形シートを得る工程の後、前記成形シートの摺動部を打ち抜き型の下刃にセットする前に、前記成形シートの摺動部側にシリコーンを塗布する工程を更に含む請求項1記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。
- 前記接液部が凸部を有する請求項1又は2記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。
- 前記接液部が平坦部及び/又は傾斜部を端部に有し、前記接液部の端部と前記摺動部とがなす角度が90〜110度である請求項1〜3のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。
- 前記接液部が曲線状の端部を有している請求項1〜3のいずれかに記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。
- 接液部と、環状突起を有する摺動部とを備え、
前記接液部は、不活性フィルムが積層され、
前記摺動部は、不活性フィルムが積層されておらず、
前記接液部が曲線状の端部を有しているプレフィルドシリンジ用ガスケットを製造する方法であって、
該製造方法は、未加硫のゴムシートと前記不活性フィルムとを重ねて成形し、前記接液部と前記摺動部とを備える前記プレフィルドシリンジ用ガスケットが成形された成形シートを得る工程、
前記成形シートの摺動部を打ち抜き型の下刃にセットする工程、及び
前記成形シートの接液部側から上刃を下降させ、前記成形シートを切断する工程をこの順に含むプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。 - 前記製造方法は、前記成形シートを得る工程の後、前記成形シートの摺動部を打ち抜き型の下刃にセットする工程の前に、前記成形シートの摺動部側にシリコーンを塗布する工程を更に含む請求項6記載のプレフィルドシリンジ用ガスケットの製造方法。
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- 2015-08-11 JP JP2015159043A patent/JP2015226841A/ja active Pending
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