JP5922404B2 - 積層ガスケット - Google Patents

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Description

本発明は、不活性樹脂フィルムで積層されたガスケット、特に薬液が注射器に充填されたプレフィルドシリンジに関する。
近年 使用時の簡便性に優れ、誤用を無くす意味において、予め薬液が注射器に充填されたプレフィルドシリンジの使用が拡大している。これらのプレフィルドシリンジのゴム部材は使用されるまで薬液と直接、接するため、耐薬品性、耐ガス透過性、耐水蒸気透過性、耐老化性が優れたブチルゴム系のガスケットやノズルキャップが多用されている。
しかしながら、バイオ製剤等の薬剤によっては、ゴム材質の原料ゴム、配合剤由来の溶出物、およびコート剤の脱落等の相互作用により、悪影響を受けることがある。たとえば、ブチル系ゴム部材では、ガスケットの摺動性改善、ノズルキャップの固着防止の目的で、シリンジ内壁、ガスケット、ノズルキャップのゴム表面に潤滑剤として、オイルタイプまたは硬化タイプのシリコーンが塗布されているため、製剤の種類によって、バレル内壁、ゴム部材からシリコーンコート剤が脱落して異物となり、製剤品質に重大な悪影響を与える場合がある。特にシリンジ内壁にはガスケットより多量のシリコーンコート剤が塗布されており、製剤との接液面積からもその影響は大きい。
そこで、製剤の安定性にブチルゴムよりも優れているフッ素樹脂フィルム等をゴムに積層した製品が開発され、硝子製シリンジ又は樹脂製プレフィルドシリンジに提案されている。たとえば耐薬品性に優れたフッ素樹脂フィルムが使用され、中でも摩擦係数が最も小さいポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用されている。
しかしながら、ガスケットの接液面、シリンジ内壁と接する摺動シール部にフッ素樹脂フィルムを積層したガスケットでは、気密性と摺動抵抗が課題となる。特にスカイビング法で製造されたフィルムは表面粗さが粗く、シリンジ内壁との気密性に問題が生じ易いという問題がある。気密性を悪くする要因として、積層されたフィルムの平滑性(表面粗さ)及び、シリンジ内径に対するガスケットの圧縮率に影響するシリンジ内径バラツキが挙げられる。
そこで、特許文献1ではPTFEのキャスティング法フィルム、UHMWPEのインフレーション法フィルムが提案されているが、特殊な製法であり実用的ではない。また、表面粗さがRa0.05μm以下のPTFEフィルムを積層しても液モレに問題が生ずることがある。これはPTFEフィルムをPTFEの融点230℃以下である成型温度170℃で積層成型したにも拘らず、積層フィルムの表面には金型表面の微細な凹凸痕が転写されてシール性に影響するためである。また、シリンジ内径に対するガスケットの圧縮率に影響するシリンジ内径バラツキも大きな問題である。樹脂製シリンジでは±0.1以内の高精度であるが、硝子シリンジでは生地管の内径バラツキが大きく、5ml以下のサイズでも内径公差は±0.15と大きくなっている。
特許文献2では、先端環状突起の中間まで積層された形状が提案されているが、打ち抜き刃の上刃の内側に積層されていない摺動部が縮径されて入り込む特殊な方法であり、1ml用等の小サイズのガスケットでは可能であるが、大きなサイズでは抜き刃に縮径されて入る部分の肉厚が大きくなってくるので、この方法では打ち抜きが困難となり製造できない。また、上刃の研磨により短くなるのでメンテナンスが問題となる。
一方で、円柱状の環状リブを一つまたは複数設けたガスケットが提案されている。しかしながら、環状リブが円弧状の場合、摺動抵抗には優れるが、摺接面積が小さくなることから、気密性が劣るという問題がある。また、多くの先端環状リブは同一径の直線で設計されているが、シリンジ内径との圧縮率を大きくすると摺動抵抗値が高くなり、ガスケット打栓に支障する。又、圧縮率を小さく設計すると気密性の問題が生じる。この原因は、先端リブ部はムクのゴム部であり、ゴムが変形し難い状態のためである。
特開平10−314305号公報 特表2004−525011号公報
本発明は、Ra0.05μm以上と表面粗さが粗いスカイビングフィルムを成型しても、液密性と摺動抵抗に優れたガスケットを提供することを目的とする。
本発明は、シリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有するガスケットであって、先端環状リブの摺接部断面が略直線状であり、該直線部の長さが摺動側面部長さLに対して10〜55%であり、該直線部の最小径に対して0.1〜2.7%の範囲でシリンジ後端方向に直線状に拡径していることを特徴とする不活性樹脂フィルムで積層されたガスケットに関する。
先端環状リブに位置するネジ上部に空洞を設けることが好ましい。
シリンジ内径に対し、先端環状リブの略直線部最小径、最大径および後端側環状リブの圧縮率が1〜5%であることが好ましい。
不活性樹脂フィルムが、スカイビング法で製造されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂フィルム(ETFE)、又は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)であることが好ましい。
不活性樹脂フィルムの厚さが25〜150μmであることが好ましい。
ガスケット成型金型の少なくとも摺動摺接部表面の中心線平均粗さがRa0.03μm以下に鏡面加工された成型金型によって成型されることが好ましい。
ガスケット基材がブチル系ゴムまたは熱可塑性エラストマーであり、JS A硬さが50〜70度、圧縮永久ひずみが20%以下であることが好ましい。
本発明のシリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有する不活性フィルムで積層されたガスケットでは、先端環状リブの摺接部断面が略直線状であり、該直線部の長さが摺動側面部長さLに対して10〜55%であり、該直線部の最小径に対して0.1〜2.7%の範囲でシリンジ後端方向に直線状に拡径しているため、生産性に優れる簡便な一段成型により液密性と摺動抵抗に優れたガスケットを提供することができる。また、シリンジ内壁およびガスケットに使用されているシリコーン等の潤滑コート剤を完全に無くす、または製剤品質へ悪影響を与えない程度の極微量に低減することが可能となる。
本発明のシリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有するガスケットの断面図である。 従来のガスケットの断面図である。 従来のガスケットの断面図である。
以下に実施形態を掲げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
本発明のシリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有するガスケットは、先端環状リブの摺接部断面が略直線状であり、該直線部の長さが摺動側面部長さLに対して10〜55%であり、該直線部の最小径に対して0.1〜2.7%の範囲でシリンジ後端方向に略直線状に拡径していることを特徴とする。図1(a)〜(d)には、本発明のガスケットの断面図を示す。1が先端環状リブ、2が環状リブ、3が空洞である。
ここで、図1(a)に示すように、摺動側面部長さLとは先端環状リブの角よりロッド挿入後端部までの最短長さをいい、側面に沿った長さではない。なお、後端部の密着防止突起は含まない長さをいう。該直線部の長さは摺動側面部長さLに対しては、10〜55%が好ましい。
本発明のガスケットは、シリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有する。複数とは、2つ以上有することであり、2以上であれば特に限定されない。図1(a)〜(c)には環状リブが2つの態様を、図1(d)には環状リブが3つの態様を示す。
一般に、従来のゴム単身のガスケットと比べて、フィルムを積層したガスケットでは、気密性と摺動性を両立させる設計が難しく、本発明では下記の設計要素とすることで可能となる。
ガスケットの打栓性(シワ、斜め打栓)、液密性、摺動性の機能性を両立させる方法として、先端環状リブが、バレル内径に対する圧縮率が1〜5%であり、複数の環状リブの内、先端側環状リブが略直線であり、略直線の長さが摺動側面部長さLに対して、10〜55%、先端環状リブの直線部最小径に対し、シリンジ後端方向に略直線状に0.1〜2.7%拡径しており、ガスケット環状リブ径が5〜40mmのガスケットの場合、略直線部の長さを1〜6mmとしたガスケット形状である。さらに、ネジ上部に空洞を設けることで、機能性が向上される。
直線部の長さは摺動側面部長さLに対して、10〜55%であるが、13〜50%が好ましく、15〜45%であることがより好ましい。また、略直線部の長さは、ガスケット環状リブ径が5〜40mmのガスケットの場合、1〜6mmが好ましく、1.5〜4.5mmがより好ましい。
先端環状リブは、略直線部の最小径に対して0.1〜2.7%でシリンジ後端方向に直線状に拡径していることが好ましく、0.15〜2.5%で拡径していることがより好ましい。
先端環状リブに位置するネジ上部には、先端環状リブの最大径部が内方向に撓むことにより、摺動抵抗値が低下するという理由で、空洞を設けることが好ましい。空洞の形状は特に限定されないが、ネジ部山径より小さい円柱状または環状に設けることができる。空洞は1つでも、複数設けても良い。図1(c)では空洞を1つ設けた態様を、図1(d)では空洞を環状に設けた態様を示す。
環状リブの圧縮率は、シリンジ内径に対して1〜5%が好ましく、2〜4%がより好ましい。1%未満では、液密性、気密性が劣り、5%を超えると、バレルへの打栓が困難となり、環状リブ表面のフィルムにシワが発生し液密性が劣る、又、摺動抵抗も高くなる傾向がある。
成型に用いる不活性樹脂フィルムの厚さは、25〜150μmが好ましく、50〜100μmがより好ましい。25μm未満では、成型時のフィルム破れが多く発生する傾向があり、150μmを超えると、成型品の寸法安定性及びコストアップとなり経済的でなくなる傾向がある。
不活性樹脂フィルムを構成する樹脂としては特に限定されないが、良好な耐薬品性が得られるという点から、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロテトラフルオロエチレン(PCTFE)からなる群より選択される少なくとも1種のフッ素樹脂、及び/又はオレフィン系樹脂が好ましい。また、医療用容器の滅菌法として、蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌が行われるが、PTFEはガンマ線に対する耐性が低い。よって、ガンマ線滅菌に対する耐性が高いETFE、変性ETFE、PCTFEが特に好ましい。
ここで、ETFEとは、エチレンとテトラフルオロエチレンを30/70〜70/30のモル比で共重合したものであり、改質目的でさらに他の成分を共重合した変性ETFEがある。他の成分としては、フッ素含有オレフィンや炭化水素系オレフィンが挙げられる。具体的には、プロピレン、部点などのα−オレフィン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロブチルエチレン、トリフルオロクロロエチレンなどの含フッ素オレフィン、エチレンビニルエーテル、パーフルオロメチルビニルエーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、含フッ素アクリレート類などがあり、2〜10モル%程度共重合されて、ETFEを改質する。
変性ETFEとしては、接着性を付与する官能基を有するETFEを好適に使用することができ、該官能基としては、カルボキシル基、無水カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、イソシアネート基、エステル基、アミド基、アルデヒド基、アミノ基、シアノ基、炭素−炭素二重結合、スルホン酸基、エーテル基などが挙げられる。また、変性ETFEの市販品としては、旭硝子(株)製のフルオンAH−2000などが挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、塩素化ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、塩素化ポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、環状オレフィンの共重合体等が挙げられ、ポリエチレン(特に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE))が好ましい。また、オレフィン系樹脂は、フッ素を含んでいてもよい。
不活性フィルム115は、ゴム等との接着性を高める処理を行うことが好ましい。接着性を高める処理としては、化学処理法、フィルムの表面を粗面化する処理や、これらを組み合わせたものが挙げられ、具体例としては、ナトリウム処理、グロー放電処理、大気圧下又は真空下でのプラズマ処理(放電処理)、エキシマレーザー処理(放電処理)、イオンビーム処理が挙げられる。
ガスケット基材の弾性材料としては特に限定されず、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの弾性材料は、単独でも複数の成分をブレンドして使用することもできる。なかでも、加硫により、弾性が得られる材料が好ましい。また、加硫材料の場合、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤など、ゴム工業の公知の配合剤を適宜添加できる。
ガスケット基材のJS A硬さは特に限定されないが、50〜70度が好ましく、55〜65度がより好ましい。50度未満では、摺動時のガスケットの変形による漏れや、吸引時にプランジャーロッドがガスケットからはずれる場合がある。一方、70度を超えると、成型圧力を高くする必要があり、フィルムが破れ易く、脱型が困難になる傾向がある。
また、圧縮永久ひずみも特に限定されないが、20%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。20%を超えると、打栓、滅菌及び保管中に環状リブが縮径して圧縮率不足となり、バレル内壁との液密性、気密性を保つことが出来なくなる傾向がある。
ここで、圧縮永久歪とは、25%圧縮、70±1℃、22時間の条件で測定したときの値である。
本発明のガスケットは、密封式混練機、オープンロール混練機などを用いて、所定配合比で配合材料を混練した混練物を、カレンダーまたはシート成型機で未加硫ゴムシートを作製し、次に、一定重量、サイズの未加硫ゴムシートと不活性フィルムを重ねて金型に置き、真空プレスで成型することにより、積層ガスケットの成型シートを得ることができる。
成型条件は特に限定されず、適宜設定すればよいが、成型温度は、好ましくは155〜200℃、より好ましくは165〜180℃であり、成型時間は、好ましくは1〜20分間、より好ましくは3〜15分間、さらに好ましくは5〜10分間である。
使用する金型は、褶動面形成部の鏡面仕上げにより、該当部のカットオフ値0.08mmで測定した算術平均粗さRaが0.03μm以下の平滑な金型表面が形成されていることが好ましい。このような金型を使用することによって、積層成型されたゴム部材は、元のフィルムの表面粗さより小さい成型品を得ることができる。Raは、好ましくは0.02μm以下、より好ましくは0.015μm以下である。なお、本発明において、算術平均粗さ(Ra)は、JIS B0601−2001に準拠して測定される。
この後、ガスケットの成型品から不要部分を、切断・除去した後、洗浄、滅菌、乾燥および外観検査を行ってガスケットの完成品を得る。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例で使用したフッ素樹脂フィルムの内容を以下に示す。
不活性樹脂フィルム
変性PTFEスカイビング法フィルム:日本バルカー工業(株)製 商品名「ニューバルフロン」(フィルム厚さ70μm、中心線平均表面粗さ0.11μm)
ガスケット基材
塩素化ブチルゴム材質 (JIS A 硬さ58度)
実施例1〜3および比較例1〜2
塩素化ブチルゴム製未加硫ゴムシートに、PTFEフィルム(スカイビング法、厚さ70μ、片面接着処理)に未加硫ゴムシートを重ねて成型金型上に置き、真空プレスで175℃10分成型し加硫接着させた。得られたガスケット(5mL用COP樹脂シリンジ用、バレル内径12.45mm)を用いて以下の試験を行った。
(シリンジ打栓性)
ガスケットネジ部に一定長さの冶具を嵌めた状態で、接液側を上にして置き、シリンジを真直ぐに挿入して打栓した。次にノズルより、メチレンブルーで着色した水5ml充填した後、15時間放置し、ガスケットの斜め打栓状況、及び先端環状リブのシワ発生状況を確認した。n=20として評価し、判定した。
先端環状リブのシワ発生状況は、接液面の斜め打栓状況を目視で確認し、先端環状リブ部を10倍に拡大して観察した。
○:斜め打栓、シワの発生が10%以下
△:斜め打栓、シワ発生率が10〜20%
×:斜め打栓又はシワ発生率20%以上
(摺動抵抗)
プランジャーロッド及び注射針23Gを装着し、オートグラフでスピード100mm/分で吐出した。n=10で測定し、評価した。
○:10N以下でノッキングせずにスムーズに摺動
△:15N以下で摺動
×:15N以上
(液漏れ)
「滅菌済み注射筒基準」平成10年12月11日医薬発1079号厚生省医薬安全局長通知に準ずる。
5ml用ガスケットサンプル、ノズルキャップ、5ml用注射筒、プランジャーを準備する。ガスケットネジ部にネジより長い冶具を嵌めた状態で、接液面を上にして置き、シリンジを真直ぐに挿入して打栓した。次にノズルより、メチレンブルーで着色した水を公称容量目盛りの3/4の位置まで充填した。ノズルキャップ、プランジャーを取り付け、注射筒を下に向けてプランジャーに343Kpaの圧力を10秒間かける。n20で評価した。
10倍に拡大し、ガスケット谷部(先端環状リブと後端環状の谷部)への漏れを観察する。
○:漏れを認めない。
△:筋状の微小な漏れを認める。
×:明らかに漏れを認める。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005922404
従来のガスケットである比較例1および2のガスケットでは、特に打栓性に問題があり、その結果、摺動性と液漏れに影響を及ぼしている。一方、本発明のガスケットでは、先端環状リブの摺接部断面が略直線状であり、該直線部の長さがガスケット全長に対して、10〜55%であり、該直線部の最小径に対して0.1〜2.7%の範囲でシリンジ後端方向に直線状に拡径しているため、実施例1〜3に示されるように、ガスケット打栓性、摺動抵抗、液漏れのいずれにおいても優れていた。
1 先端環状リブ
2 環状リブ
3 空洞
L 摺動側面部の長さ
l 先端環状リブ摺接部の長さ

Claims (7)

  1. シリンジ内壁と摺接する環状リブを複数有するガスケットであって、
    シリンジに挿入されていない状態で、先端環状リブの摺接部断面が略直線状である直線部を呈し、該直線部の長さが摺動側面部長さに対して10〜55%であり、先端環状リブの径が該直線部の最小径に対して0.1〜2.7%の範囲でシリンジ後端方向に直線状に拡径していることを特徴とする不活性樹脂フィルムで積層されたガスケット。
  2. 先端環状リブに位置するネジ上部に空洞を設けた請求項1記載のガスケット。
  3. シリンジ内径に対し、環状リブの圧縮率が1〜5%である請求項1または2記載のガスケット。
  4. 不活性樹脂フィルムの厚さが25〜150μmである請求項1〜のいずれかに記載のガスケット。
  5. ガスケット基材の材料がブチル系ゴムまたは熱可塑性エラストマーであり、JS A硬さが50〜70度、圧縮永久ひずみが20%以下である請求項1〜のいずれかに記載のガスケット。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のガスケットを製造する方法であって、
    不活性樹脂フィルムが、スカイビング法で製造されたポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合樹脂フィルム、又は、超高分子量ポリエチレンであるガスケットの製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のガスケットを製造する方法であって、
    ガスケット成型金型の少なくとも摺動摺接部表面の中心線平均粗さがRa0.03μm以下に鏡面加工された成型金型によって成型するガスケットの製造方法。
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