JP2004296063A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁化効率の向上と、前記コイルと磁極層間の絶縁性を適切に確保することが可能な薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【解決手段】 積層体62上に無機絶縁材料で形成された第1絶縁層58を形成し、前記第1絶縁層58のトラック幅方向における両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62bよりもさらに両側にかけて有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63が形成されている。そして前記第1絶縁層及び第2絶縁層上に第2コイル片56が設けられている。これによって磁化効率の向上と前記積層体62と第2コイル片56間の絶縁性を効果的に確保することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、磁性層の周囲をトロイダル状に巻回されたコイル構造を有する薄膜磁気ヘッドに係り、特に磁化効率の向上と、前記コイルと磁性層間の絶縁性を適切に確保することが可能な薄膜磁気ヘッドに関する。
以下に示す公知文献には、いずれもインダクティブヘッド(記録用ヘッド)を構成するコアの周りをトロイダル状に巻回されたコイル層の構成が開示されている。
前記コア層の周囲の三次元的な空間を有効活用するには、前記コイル層をトロイダル状にすることが好ましく、これによってインダクティブヘッドの小型化を実現できるとともに、磁化効率も良好になると期待された。
特開平11−273028号公報 特開2000−311311号 特開2002−170205号 US6,335,846 B1
これら文献ではいずれもコア層(例えば上部磁性層)の下側に形成された下側コイル層と、前記コア層の上側に形成された上側コイル層とを接続部を介して電気的に接続することが記載されている。
例えば上記した特許文献2や特許文献3によれば、前記下側コイル層上を覆う絶縁層と、前記コア層上から前記コア層のトラック幅方向の両側に形成される絶縁層とに、イオンミリングなどのエッチング技術を用いて貫通孔を形成し、この貫通孔内に接続部を形成し、前記貫通孔から露出した前記接続部の上面を、前記上側コイル層の端部と接続させるとしている。これらの文献には、前記下側コイル層、上側コイル層及び接続部を記録媒体との対向面側から見た正面図が図示されていないが、上記した記載内容からすると正面図は簡単に示せば図16のようになっていると考えられる。
しかしながら図16に示すように、コア層の上面と絶縁層(1)の上面との間には段差があるため、前記コア層上から前記コア層の両側にかけて形成される絶縁層(2)は前記コア層のトラック幅方向における両側側面に付着しないか、付着してもその膜厚は非常に薄くピンホールなどが発生しやすい。従って前記絶縁層(2)上に形成される上側コイル層と前記コア層の前記両側端面間の絶縁性を良好に保つことができず、前記上側コイル層と前記コア層間がショートなどして記録特性の低下を招きやすい。
上記問題を解決するため単純に、前記絶縁層(2)を成膜する時間などを長くして前記コア層の前記両側端面に付着する前記絶縁層(2)の膜厚が厚くなるようにすると、今度は前記コア層の上面に付着する絶縁層(2)の膜厚が厚くなりすぎて前記コア層と絶縁層(2)間の距離が離れる結果、磁化効率が低下してしまう。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に磁化効率の向上と、前記コイルと磁性層間の絶縁性を適切に確保することが可能な薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
本発明は、記録媒体との対向面側からハイト方向に延びて形成された下部コア層と、前記対向面からハイト方向に所定距離離れた位置で前記下部コア層と直接的または間接的に接続される磁性層と、前記磁性層の周囲をトロイダル状に巻回するコイル層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記下部コア層上に、前記磁性層と交叉する方向に伸長している複数本の第1コイル片が、ハイト方向に所定間隔を空けて形成され、前記第1コイル片はコイル絶縁層によって覆われて、このコイル絶縁層の上に前記磁性層が形成され、
前記磁性層上に絶縁層を介して、前記磁性層上を横断する複数本の第2コイル片が形成されて、各第2コイル片のトラック幅方向の端部は、前記第1コイル片のトラック幅方向における端部と膜厚方向で対向する位置まで延びて形成されており、
前記絶縁層は、前記磁性層の上面に形成された無機絶縁材料の第1絶縁層と、前記第1絶縁層のトラック幅方向の両側端部上であって、前記対向面からハイト方向へ前記第2コイル片の形成領域を含む領域に形成された有機絶縁材料の第2絶縁層と、で構成され、
前記第2絶縁層は前記磁性層のトラック幅方向における両側端面よりさらに両側に広がって形成され、この第2絶縁層が前記第2コイル片と前記磁性層の前記両側端面間に介在していることを特徴とするものである。
本発明では、前記磁性層と第2コイル片間に第1絶縁層のみが介在するトラック幅方向の中央部では、前記磁性層の上面と前記上部コイル片の下面間の距離を適切に縮めることができるため磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記第1絶縁層の前記両側端部上から前記磁性層の前記両側端面よりもさらに両側に広がって形成された第2絶縁層上に第2コイル片が配置される部分では、特に前記第2コイル片と磁性層の前記両側端面間に前記第2絶縁層を介在させることができるため、前記第2コイル片と前記第2絶縁層間の絶縁性を良好に保つことが可能になっている。
本発明では、前記第2絶縁層は少なくともトラック幅方向にトラック幅Twよりも広い間隔を有して、前記第1絶縁層の前記両側端部上に形成されることが好ましい。
また本発明では、前記磁性層は、前記対向面でトラック幅の幅寸法を持ち、ハイト方向に向けてこの幅寸法を保ちながら、あるいはハイト方向に向けてトラック幅よりも幅寸法が広がる先端部と、前記先端部のハイト側の両側基端からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅がさらに広がる後端部とを有して構成され、前記第2絶縁層及び第2コイル片は前記後端部上に設けられることが好ましい。これによって広い範囲にわたって前記第2コイル片の下面と磁性層の上面間の距離を効果的に縮めることができ、磁化効率の向上をより適切に図ることが可能である。
あるいは、本発明は、前記下部コア層の上に、少なくとも下から下部磁極層、非磁性金属材料で形成されたギャップ層及び上部磁極層の順にメッキ形成され、対向面でのトラック幅方向における幅寸法でトラック幅Twが規定される磁極端層が設けられ、前記磁極端層の上に前記磁性層が積層されているものでもよい。
本発明では、前記磁極端層は前記下部コア層の記録媒体との対向面側の端部に形成され、前記磁性層が前記下部コア層のハイト側と前記磁極端層とを接続する上部コア層となる。前記第1コイル片と第2コイル片は、上部コア層である前記磁性層を軸にして巻回形成される。
前記磁性層が上部コア層である本発明では、前記磁性層は、記録トラック幅の外側で磁気記録することを防ぐために、前記上部磁極層よりも飽和磁束密度が低いことが好ましい。
また本発明では、前記第1絶縁層の平均膜厚は、前記第1絶縁層の前記両側端部上に形成された前記第2絶縁層の平均膜厚よりも薄いことが好ましい。前記第1絶縁層は上記のように無機絶縁材料で形成され、第2絶縁層は有機絶縁材料で形成されるため、第1絶縁層の平均膜厚を、前記第2絶縁層の平均膜厚よりも薄くなるように膜厚調整することが非常に容易であり、この結果、磁化効率の向上と磁性層と上部コイル片間の絶縁性を良好に保つことが可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
本発明では、少なくとも一組の隣り合う前記第1コイル片において、前記第1コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離が、これらの前記第1コイル片間の前記磁性層に重なる領域における最小距離より大きいことが好ましい。
インダクティブ型の薄膜磁気ヘッドでは、磁束が流れる磁気回路の体積を小さくしてインダクタンスを減少させることが好ましい。このため、前記磁性層のハイト方向長さも小さくすることが必要になり、前記第1コイル片間の前記磁性層に重なる領域における距離も小さくなる。このとき、前記第1コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離を本発明のように大きくすることによって、前記第1コイル片の端部と前記第2コイル片の端部の接続を容易かつ確実に行える。
なお、前記複数本の第1コイル片は、前記磁性層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有すると、前記コイル層から前記磁性層に誘導される磁界が安定するので好ましい。
また、同様の理由により、少なくとも一組の隣り合う前記第2コイル片において、前記第2コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離が、これらの前記第2コイル片間の前記磁性層に重なる領域における最小距離より大きいことが好ましい。
この場合にも、前記複数本の第2コイル片は、前記磁性層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有することが好ましい。
なお、本発明では、前記トロイダルコイル層の発熱を低減するために、前記第2コイル片の電流が流れる方向と直交する第1の方向の長さ寸法が、前記第1コイル片の前記第1の方向の長さ寸法よりも大きく、前記第2コイル片の膜厚か、前記第1コイル片の膜厚よりも大きいことが好ましい。
以上、詳細に説明した本発明によれば、磁極層上に無機絶縁材料で形成された第1絶縁層を形成し、前記第1絶縁層のトラック幅方向における両側端部上から前記磁極層の両側端面よりもさらに両側にかけて有機絶縁材料で形成された第2絶縁層が形成されている。そして前記第1絶縁層及び第2絶縁層上に上部コイル片が設けられている。
従って前期磁極層と前記上部コイル片間に前記第1絶縁層のみが介在するトラック幅方向の中央部では、前記磁極層の上面と前記上部コイル片の下面間の距離を適切に縮めることができるため磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記第1絶縁層の前記両側端部上から前記磁極層の前記両側端面よりもさらに両側に広がって形成された第2絶縁層上に上部コイル片が配置される部分では、特に前記上部コイル片と磁極層の前記両側端面間に前記第2絶縁層を介在させることができるため、前記上部コイル片と前記第2絶縁層間の絶縁性を良好に保つことが可能になっている。
また、前記第1コイル片間及び/または前記第2コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離を本発明のように大きくすることによって、前記第1コイル片の端部と前記第2コイル片の端部の接続を容易かつ確実に行える。
なお、前記複数本の第1コイル片及び/または前記第2コイル片が、前記磁極層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有することによって、前記コイル層から前記磁極層に誘導される磁界が安定する。
図1は、本発明における第1実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦面図、図2は図1に示す薄膜磁気ヘッドから隆起層32、保護層60、MRヘッド等を図面上除き、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片と、これらの層と膜厚方向で対向する各層の構造を記録媒体との対向面側から見た部分正面図、図3は図1に示す薄膜磁気ヘッドのコイル構造を説明するための部分平面図、図4は図1に示す薄膜磁気ヘッドの一部の構造を示した部分拡大斜視図である。
なお以下では図示X方向をトラック幅方向と呼び、図示Y方向をハイト方向と呼ぶ。また図示Z方向は記録媒体(磁気ディスク)の進行方向である。また薄膜磁気ヘッドの前端面(図1に示す最左面)を「記録媒体との対向面」と呼ぶ。さらに各層において「前端面」とは図1における左側の面を指し「後端面」とは図1における右側の面を指す。
また図面を用いて説明する薄膜磁気ヘッドは、記録用ヘッド(インダクティブヘッドとも言う)と再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)とが複合された薄膜磁気ヘッドであるが、記録用ヘッドのみで構成された薄膜磁気ヘッドであってもよい。
符号20はアルミナチタンカーバイト(Al23−TiC)などで形成された基板であり、前記基板20上にAl23層21が形成されている。
前記Al23層21上には、NiFe系合金やセンダストなどで形成された下部シールド層22が形成され、前記下部シールド層22の上にAl23などで形成された下部ギャップ層23が形成されている。
前記下部ギャップ層23の上の記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さでスピンバルブ型薄膜素子などのGMR素子に代表される磁気抵抗効果素子24が形成され、前記磁気抵抗効果素子24のトラック幅方向(図示X方向)の両側にはハイト方向(図示Y方向)に長く延びる電極層25が形成されている。
前記磁気抵抗効果素子24上及び電極層25上にはAl23などで形成された上部ギャップ層26が形成され、前記上部ギャップ層26上にはNiFe系合金などで形成された上部シールド層27が形成されている。
前記下部シールド層22から前記上部シールド層27までを再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)と呼ぶ。
図1に示すように前記上部シールド層27上には、Al23などで形成された分離層28が形成されている。なお前記上部シールド層27及び分離層28が設けられておらず、前記上部ギャップ層26上に次の下部コア層29が設けられていてもよい。かかる場合、前記下部コア層29が上部シールド層をも兼ね備える。
図1では、前記分離層28の上に下部コア層29が形成されている。前記下部コア層29はNiFe系合金などの磁性材料で形成される。前記下部コア層29は記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で形成される。前記下部コア層29の後端面29aよりもハイト方向後方及び前記下部コア層29のトラック幅方向(図示X方向)における両側には非磁性絶縁材料層31が設けられている。図1に示すように前記下部コア層29及び非磁性絶縁材料層31の各層の表面は連続した平坦化面である。
前記下部コア層29上には記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)にかけて所定の長さ寸法L1(図4を参照)で形成された隆起層32が形成されている。さらに前記隆起層32のハイト方向後端面32aからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置にバックギャップ層33が前記下部コア層29上に形成されている。
前記隆起層32及びバックギャップ層33は磁性材料で形成され、前記下部コア層29と同じ材質で形成されてもよいし、別の材質で形成されていてもよい。また前記隆起層32及びバックギャップ層33は単層であってもよいし多層の積層構造で形成されていてもよい。前記隆起層32及びバックギャップ層33は前記下部コア層29に磁気的に接続されている。
図1に示すように、前記隆起層32とバックギャップ層33間の下部コア層29上にはコイル絶縁下地層34が形成され、前記コイル絶縁下地層34上には、図3に示すようにトラック幅方向(図示X方向)に平行に延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第1コイル片55がハイト方向に並んで形成されている。なお各第1コイル片55はトラック幅方向(図示X方向)からハイト方向に傾斜して延びていてもよい。
前記第1コイル片55上はAl23などの無機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層36で埋められている。図1に示すように前記隆起層32の上面、コイル絶縁層36の上面、及びバックギャップ層33の上面は図1に示す基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
図2及び図3に示すように、前記第1コイル片55のトラック幅方向(図示X方向)における端部55a上には導電性を有する接続層61が突出形成されている。前記接続層61の平面形状(すなわちX−Y平面と平行な方向から切断した面の形状)には図3のような円形状や楕円形状、正方形、長方形、菱形等、種々の形状を選択できる。また前記接続層61は前記隆起層32やバックギャップ層33と同じ材質で形成されてもよいし、別の材質で形成されていてもよい。また前記接続層61は単層構造であってもよいし多層の積層構造であってもよい。また前記接続層61は前記第1コイル片55の端部55aと電気的に接続された状態にあるが、「電気的に接続」とは直接的な接続、間接的な接続を問わず、2層間に電気が通る状態になっていればよいことを意味する。以下同じである。
また前記接続層61は図3を見てわかるように、最も記録媒体との対向面側寄りに形成された第1コイル片55には図示上側の端部上にだけ前記接続層61が設けられているが、それ以外の第1コイル片55にはトラック幅方向(図示X方向)の両側端部上に前記接続層61が設けられている。
図2に示すように各第1コイル片55のトラック幅(図示X方向)における端部55a上に形成された接続層61の上面61aは上記した基準面Aと同一面上で形成される。すなわち図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記隆起層32の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面及び接続層61の上面61aが全て同じ平坦化面で形成されている。
図1に示すように前記隆起層32及びコイル絶縁層36の平坦化面上には、前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層38が形成されている。
図1に示す実施形態では前記Gd決め層38の前端面38aは、隆起層32上にあり、また前記Gd決め層38の後端面38bはコイル絶縁層36上にある。
また図1に示すように、記録媒体との対向面から前記Gd決め層38の前端面38aまでの隆起層32上、前記Gd決め層38の後端面38bよりハイト方向のコイル絶縁層36上、及び前記バックギャップ層33上に、下から下部磁極層39及びギャップ層40が形成されている。前記下部磁極層39及びギャップ層40はメッキ形成されている。
また図1に示すように前記ギャップ層40上及びGd決め層38上には、本発明の磁性層である上部磁極層41がメッキ形成され、さらに前記上部磁極層41上には上部コア層42がメッキ形成されている。前記上部磁極層41は、前記バックギャップ層33を介して、前記下部コア層29と直接的あるいは間接的に接続されている。前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41が本発明の積層構造である。
この実施の形態では、前記下部磁極層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の4層で積層体62が構成されている。
図1及び図2に示すように前記積層体62の上面62aには、例えばAl23やSiO2などの無機絶縁材料で形成された第1絶縁層58が形成されている。この第1絶縁層58は前記積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層36上にも形成されている。
また図2に示すように、前記第1絶縁層58のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部58a上から前記積層体62のトラック幅方向における両側端面62bよりもさらに両側にかけてレジストなどの有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63が形成されている。
図1ないし図3に示すように前記絶縁層58、63の上に、トラック幅方向(図示X方向)からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第2コイル片56がハイト方向に並んで形成されている。各第2コイル片56はトラック幅方向(図示X方向)に平行な方向に延びて形成されていてもよい。
図3に示すように、前記第1コイル片55と第2コイル片56とは互いに非平行の関係にあり、また前記第2コイル片56のトラック幅方向における端部56a、56bは、前記第1コイル片55のトラック幅方向における端部55aと膜厚方向(図示Z方向)で対向する位置まで延びており、前記第1コイル片55の左側端部55aと前記第2コイル片56の左側端部56aとが接続層61を介して電気的に接続されている。なお図2の図示右側に示した点線の接続層61は、図面上見えている第1コイル片55の一つ後ろ側(図示Y方向)に位置する第1コイル片55の右側端部と、図面上見えている第2コイル片56の右側端部56bとを電気的に接続している。
このように図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記積層体62の膜厚方向の上下で対向する第1コイル片55のトラック幅方向における端部と第2コイル片56のトラック幅方向における端部とが接続層61を介して電気的に接続されてトロイダル状のコイル構造57が形成されている。
なお図1に示す符号60の層はAl23などで形成された保護層であり、また図1や図3に示す符号59の層は引出し層である。前記引出し層59は最もハイト寄りに形成された第2コイル片56と一体に繋がって形成されている。
図1に示す薄膜磁気ヘッドの特徴的部分について以下に説明する。
図1に示す薄膜磁気ヘッドでは、図2及び図3に示すように前記積層体62の上面62aに無機絶縁材料で形成された第1絶縁層58が形成されている。さらに前記第1絶縁層58のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部58a上から前記積層体62のトラック幅方向における両側端面62bよりもさらに両側に広がって有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63が形成されている。
従って図1に示すように前記積層体62の上面62aに形成された前記第1絶縁層58のトラック幅方向における中央部58b上には前記第2絶縁層63が設けられておらず、前記積層体62と前記第2コイル片56間はトラック幅方向の中央部で第1絶縁層58のみを介して対向し前記積層体62の上面62aと前記第2コイル片56の下面間が接近している。従って前記第2コイル片56から前記積層体62に記録磁界が効果的に流入して磁化効率の向上を効果的に図ることが可能になっている。
一方、有機絶縁材料の前記第2絶縁層63は前記第1絶縁層58の前記両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62bよりさらに両側に広がって形成されているため、前記積層体62の両側端面62bと前記第2コイル片56間には必ず前記第2絶縁層63が介在しており、前記積層体62と前記第2コイル片56間の絶縁性を良好に保つことができるようになっている。
次に前記第2絶縁層63の形成位置について説明する。前記第2絶縁層63は少なくとも記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)へは少なくとも前記第2コイル片56の形成領域を含む領域に形成されていればよい。図3を用いて詳しく説明する。
図3に示す斜線部は前記第2絶縁層63の形成領域である。なおこの図からは前記第1絶縁層58を省略し(ただし前記第1絶縁層58の形成位置を示す符号は載せてある)、その代わりに前記第1絶縁層58下の前記積層体62の平面形状を明確に示すこととした。
図3に示すように第2絶縁層63は、前記第1絶縁層58の両側端部58a上であって、記録媒体との対向面からハイト方向に向けて前記第2コイル片56の形成領域を含む領域に形成されている。図3に示す積層体62(図4も参照されたい)は、記録媒体との対向面でトラック幅Twの寸法を持ちハイト方向に向けてこの幅寸法を保ちながら延びる先端部Bと、前記先端部Bのハイト側の両側基端B1、B1からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅が広がる後端部Cとで形成されているが、図3に示すように前記先端部B上には前記第2コイル片56は設けられていないので、前記第2絶縁層63は前記先端部B上には設けられておらず、前記第2コイル片56が形成される前記積層体62の後端部C上にのみ設けられている。前記第2絶縁層63は前記第2コイル片56と積層体62の両側端面62b間の絶縁性確保のために設けられた層であるから、少なくとも前記第2コイル片56の形成領域となる前記積層体62の後端部C上にのみ設ければ十分である。
ところで前記第1絶縁層58の両側端部58a上に設けられた前記第2絶縁層63のトラック幅方向(図示X方向)における平均距離H1(なおここで言う「平均距離H1」とは、前記第2絶縁層63の下面間におけるトラック幅方向への距離の平均である、図2及び図3を参照)は、第2コイル片56と積層体62間に第1絶縁層58のみが介在する領域の広さを画定する大きさであるから、磁化効率の向上のためには前記平均距離H1は少なくともトラック幅Twより広いことが好ましい。具体的な数値を示せば、図2に示す積層体62の後端部Cでのトラック幅Tw方向における両側端部62b間の平均幅H2(なおここで言う「平均幅H2」とは、最も記録媒体との対向面寄りの第2コイル片56の前端面から最もハイト寄りの第2コイル片56の後端面までの領域内で、前記積層体62の上面62aと両側端面62bとの境界間のトラック幅方向における距離の平均)が5〜20μmの範囲内であり、前記両側端部62bに重なる前記第2絶縁層63のトラック幅方向における平均幅H3(なおここで言う「平均幅H3」とは、前記第2絶縁層63のトラック幅方向における内側端面と下面との境界から前記積層体62の上面62aと両側端面62bとの境界までのトラック幅方向への幅の平均)が1〜5μmの範囲内であり、前記平均距離H1が3〜18μmの範囲内である。
また図3に示すように前記第2コイル片56は前記積層体62の後端部C上に設けられており先端部B上には設けられていない。前記先端部B上にまで前記第2コイル片56を設けると、前記先端部B上にまで前記第2絶縁層63を設けることが必要になり、その結果、前記第2絶縁層63間の平均距離H1は前記先端部B上でトラック幅Twよりも小さくなるため、磁化効率が低下しやすい。そのため図3に示すように先端部Bよりも広い面積を有する後端部C上を有効活用し、前記後端部C上に第2コイル片56を設け、前記後端部C上に部分的に第2絶縁層63を設けることが前記第2絶縁層63間の平均距離H1を広くでき磁化効率の向上を図ることができて好ましい。
ところで上記したように前記第1絶縁層58はAl23などの無機絶縁材料で形成され、前記第2絶縁層63はレジストなどの有機絶縁材料で形成される。前記第1絶縁層58はスパッタ成膜されて形成される。前記第1絶縁層58は実際には前記積層体62の上面62aのみならず前記積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層36の上面にもスパッタ成膜によって形成される。前記第1絶縁層58は無機絶縁材料によるスパッタ成膜で形成されるものであるから前記第1絶縁層58の膜厚T1(図2を参照)を薄く形成しやすい。例えば前記膜厚T1は0.2〜1.0μmであることが好ましい。そのため前記積層体62の上面62aと前記第2コイル片56の下面間の距離は前記第1絶縁層58のみが介在する部分では効果的に縮まり磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記積層体62の上面62aには膜厚T1が薄いながらもピンホールなどが発生しない程度の膜厚を確保できるように前記第1絶縁層58の膜厚調整を容易に行うことができることから前記積層体62の上面62aと第2コイル片56の下面間の絶縁性を良好に保ちやすい。
一方、有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63は粘性が高くレジストなどを塗布することによって形成されるものであるから、前記第1絶縁層58がうまく付着しない前記積層体62の前記両側端面62bを前記第2絶縁層63によって完全に覆うことができる。前記レジストなどで形成された第2絶縁層63は塗布後、熱処理などによって硬化させられて、前記第1絶縁層58の両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62b上を完全に覆う第2絶縁層63が完成する。
前記第1絶縁層58の前記両側端部58a上に形成された第2絶縁層63の平均膜厚T2は、前記第1絶縁層58の平均膜厚T1よりも厚く形成されていることが好ましく、前記第2絶縁層63の平均膜厚T2は0.3〜3μmの範囲内であることが好ましい。上記のように第1絶縁層58と第2絶縁層63の平均膜厚T1,T2を調整することで、前記積層体62の上面62aと第2コイル片56の下面間をより接近させることができ磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記積層体62の両側端面62bと前記第2コイル片56間の絶縁性を高めることが可能になる。
なお前記積層体62の両側端面62bと前記第2コイル片56間の絶縁性を確保するためなら、前記積層体62の両側端面62b上にのみ、部分的に第2絶縁層63を設けても理想的には可能であると考えられるが、前記積層体62の両側端面62bを完全に覆うには、前記第2絶縁層63を、前記第1磁極層58の両側端部58a上にオーバーラップさせることが好ましく、また前記積層体62の前記両側端面62b上を完全に覆うようにうまく第2絶縁層63を設けないと、前記積層体62の上面62aに形成された第1絶縁層58の上面と、前記第2絶縁層63の表面との間に急激な段差が生まれやすく、その結果、前記第2コイル片56を所定形状にパターン形成できないといった不利な点もある。そのため本発明では、前記積層体62上の第1絶縁層58の両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62bよりもさらに両側に広がる第2絶縁層63を設けているのである。
また上記したように、前記積層体62は記録媒体との対向面でトラック幅Twの幅寸法を持ち、その幅寸法を保ちながらハイト方向に延びる先端部Bと、前記先端部Bのハイト側の両側基端B1,B1からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅寸法が広がる後端部Cとで形成されており、その斜視図は図4に示されている。
なお前記先端部Bは、記録媒体との対向面からハイト方向に向けて徐々にトラック幅方向への幅寸法が広がる形状であってもよい。かかる場合、前記先端部Bの両側基端B1からはハイト方向へさらにトラック幅方向への幅寸法が広がった後端部Cが形成される。
また図4に示すようにギャップデプス(Gd)は、前記ギャップ層40の上面40aの記録媒体との対向面から前記Gd決め層38に突き当たるまでのハイト方向(図示Y方向)への長さで決められている。
また前記積層体62は、図1及び図4に示すように下から下部磁極層磁性層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42の順に積層された4層構造であっても良いし、下から下部磁極層39、ギャップ層40及び上部磁極層41の順に積層された3層構造であっても良い。
なお、下部磁極層磁性層39、ギャップ層40、上部磁極層41及び上部コア層42は同一の平面構造を有している。従って、上部磁極層41は記録媒体との対向面でトラック幅Twの幅寸法を持ち、その幅寸法を保ちながらハイト方向に延びる先端部Bと、前記先端部Bのハイト側の両側基端B1,B1からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅寸法が広がる後端部Cとで形成されている。
図5は本発明における第2実施形態の薄膜磁気ヘッドから隆起層32、保護層60、MRヘッド等を図面上除き、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片等を記録媒体との対向面側から見た部分正面図である。なお図2と同じ符号が付けられている層は図2に示す層と同じ層を表している。
図5では、下部コア層29からコイル絶縁層36までの形態は図2と同じである。すなわち下部コア層29、隆起層32及びバックギャップ層33に囲まれた空間内に複数本の第1コイル片55が設けられ、この第1コイル片55のトラック幅方向(図示X方向)における端部55aから突出形成された接続層61の上面61aが、前記隆起層32の上面、コイル絶縁層36の上面及びバックギャップ層33の上面と同一平面上で形成されている。
図5に示すように前記積層体62のトラック幅方向(図示X方向)における両側には前記コイル絶縁層36上から持ち上げ層72が形成されている。前記持ち上げ層72は導電性を有し、図5に示すように前記持ち上げ層72は前記接続層61の上に形成されており、前記持ち上げ層72と前記接続層61の上面とが電気的に接続された状態になっている。
図5に示すように前記積層体62の上面62aには、例えばAl23などの無機絶縁材料で形成された第1絶縁層58が形成され、前記第1絶縁層58のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62bのさらに両側にかけてレジストなどの有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63が形成されている。図5に示すように、前記第2絶縁層63は前記持ち上げ層72の周囲にも形成されている。
図5示すように前記第2絶縁層63は前記持ち上げ層72の上面72aのトラック幅方向(図示X方向)の両側端部上にまで被さっているが、前記持ち上げ層72の上面72aの中央には設けられていない。前記第2絶縁層63には、前記持ち上げ層72の上面72aの中央上に穴部63aが設けられている。この穴部63aは前記第2絶縁層63がレジストで形成されるとき、前記レジストを前記持ち上げ層72の上面全体に塗布された後、露光現像によって形成される。
そして図5に示すように、前記第2コイル片56のトラック幅方向(図示X方向)における端部56aは、前記持ち上げ層72の上面72aに前記絶縁層63に設けられた穴部63aを通って形成され、前記第2コイル片56の前記端部56aと前記持ち上げ層72とが電気的に接続された状態になっている。
図5でも図2に示す薄膜磁気ヘッドと同様に前記積層体62の上面62aに無機絶縁材料で形成された第1絶縁層58が形成され、さらに前記第1絶縁層58のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部58a上から前記積層体62のトラック幅方向における両側端面62bよりもさらに両側に広がって有機絶縁材料で形成された第2絶縁層63が形成されている。
従って図5に示すように前記積層体62の上面62aに形成された前記第1絶縁層58のトラック幅方向における中央部58b上には前記第2絶縁層63が設けられておらず、前記積層体62と前記第2コイル片56間はトラック幅方向の中央部で第1絶縁層58のみを介して対向し前記積層体62と前記第2コイル片56間が接近している。従って前記第2コイル片56から前記磁極層62に記録磁界が効果的に流入して磁化効率の向上を効果的に図ることが可能になっている。
一方、有機絶縁材料の前記第2絶縁層63は前記第1絶縁層58の前記両側端部58a上から前記積層体62の両側端面62bよりさらに両側に広がって形成されているため、前記積層体62の両側端面62bと前記第2コイル片56間には必ず前記第2絶縁層63が介在しており、前記積層体62と前記第2コイル片56間の絶縁性を良好に保つことができるようになっている。
また図5では、前記積層体62のトラック幅方向の両側に接続層61とは別に持ち上げ層72が設けられ、前記積層体62と前記持ち上げ層72とのトラック幅方向における間隔内には前記第2絶縁層63が埋められている。そのため前記第2コイル片56の端部56aの形成位置は上方に持ち上がり、前記第2コイル片56と積層体62の両側端面62b間の絶縁性を図2に比べてさらに良好に保つことが可能である。また前記第1絶縁層58上から前記第2絶縁層63上にかけて形成される第2コイル片56の形成平面は、図2に比べてより平坦化面となるため、前記第2コイル片56をより精度良くパターン形成することが可能になる。
図6は本発明の第3実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦断面図である。図6に示す薄膜磁気ヘッドは図1に示す薄膜磁気ヘッドとほぼ同様の構造で構成されている。したがって、図6に示す薄膜磁気ヘッドの構造部分のうち、図1に示す薄膜磁気ヘッドと同様の構造部分には同様の符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図6に示す薄膜磁気ヘッドでは、第1コイル片455の上面が図6に示す基準面Aに形成されており、隆起層32の上面、第1コイル片455の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面が、前記基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
前記平坦化面上には、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層438が形成されている。前記Gd決め層438の前端面438aは図1に示す薄膜磁気ヘッドと同様に前記隆起層32上に位置し、また前記Gd決め層の後端面438bは前記バックギャップ層33上に位置するように形成されている。あるいは、前記Gd決め層の後端面438bは前記ギャップ層33の上面と前記前端面33aとの境界部33b上に位置するように構成しても良い。
図6に示す薄膜磁気ヘッドでは、第1コイル片455の上部に前記Gd決め層438が形成されており、このGd決め層438は有機絶縁材料または無機絶縁材料で形成されている。したがって、第1コイル片455の上面を前記基準面Aまで延ばしてGd決め層438の下面に接触するように形成しても、第1コイル片455と積層体62を絶縁することができる。したがって、第1コイル片455の断面積を大きくすることができ、抵抗を小さくすることが可能となる。
図7は図6に示す薄膜磁気ヘッドを記録媒体との対向面側からみた正面図である。なお、図7では、前記隆起層32を図示せずに、前記隆起層32の後方にある第1コイル片455を図示している。
本実施の形態のように、第1コイル片455の上面が隆起層32の上面、コイル絶縁層36の上面、バックギャップ層33の上面との同一面である、前記基準面Aに沿った平坦化面上に位置していると、第1コイル片455と持ち上げ層72とを直接接続させることができる。従って、図5に示される薄膜磁気ヘッドにおいて、第1コイル片34を持ち上げ層72と接続するための、接続層61を省略でき、接続部の数が減少してコイル層全体の抵抗値が減る。従って、発熱量も減少して、薄膜磁気ヘッドの記録媒体との対向面の熱膨張量あるいは突出量を低減でき、低浮上量の磁気ヘッドを提供することができる。
なお、持ち上げ層72が形成されず、第2コイル片56と第1コイル片4555が直接接続されるものであってもよい。
なお、本発明のコイル層は、図3に示されるような、複数の第1コイル片55が互いに平行になっており、複数の第2コイル片56も互いに平行になっているものに限られない。
すなわち、本発明では、第1コイル片が下部コア層29、隆起層32及びバックギャップ層33で囲まれた空間内に、積層体62と交叉する方向に伸長して形成され、第2コイル片が積層体62上を横断して形成され、隣りあう前記第1コイル片の端部どうしが、前記第2コイル片を介して接続されることにより前記トロイダル状に巻回するコイル層が形成されていればよい。
図8ないし図12は、本発明の薄膜磁気ヘッドに適用できる第1コイル片及び第2コイル片の平面構造を示すための平面図である。
図8には、薄膜磁気ヘッドの積層体62とコイル層90のみ示している。図8に示される薄膜磁気ヘッドは、図1に示される薄膜磁気ヘッドとほぼ同じ構造を有しており、コイル層の構造のみ異なっている。
すなわち、図8に示される薄膜磁気ヘッドのコイル層90を構成している複数の第1コイル片80は互いに平行に形成されておらず、また、複数の第2コイル片81も、積層体62と重なっている部位81bは互いに平行になっているが、積層体62のトラック幅方向(図示X方向)の両側の部位は、端部81aに向うにつれてハイト方向(図示Y方向)間距離が大きくなるように広がっている。
なお、図8では、積層体62の下に形成される前記第1コイル片80を点線で示し、積層体62の上に形成される前記第2コイル片81を実線で示している。
図5に示される構造と同様に、前記第2コイル片81のトラック幅方向(図示X方向)における端部81a上には導電性を有する持ち上げ層82が接続されており、持ち上げ層82は前記第1コイル片80の端部と電気的に接続されている。前記第1コイル片80の端部は、前記第2コイル片81の端部81aと重なる位置に形成されており、図8では図示されていない。なお、持ち上げ層82は、図5に示される持ち上げ層72と同様の構造を有しており、前記接続層61と同様の接続層を介して、前記第1コイル片80の端部に接続された状態になっている。図8に示されるコイル層90も、積層体62の周囲をトロイダル状に巻回する構造である。なお、符号83及び84は、コイル層90の両端部を電極層とつなげるための引き出し層である。
図8では、例えば、図の最も左側に形成されている第2コイル片81と、その右隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1aが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1aより大きくなっている。
また、図の左から2番目に形成されている第2コイル片81と、その右隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1b及びS1cが、これらの前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1bより大きくなっている。さらに、図の最も右側に形成されている第2コイル片81と、その左隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1dが、これらの前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1cより大きくなっている。
なお、上記において、端部81aと端部81a間の距離は、端部81aの中心と端部81aの中心間の距離としている。また、前記第2コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離とは、前記第2コイル片を幅方向に2等分する直線間の最小の距離である。
インダクティブ型の薄膜磁気ヘッドでは、磁束が流れる磁気回路の体積を小さくしてインダクタンスを減少させることが好ましい。このため、前記積層体62のハイト方向長さも小さくすることが必要になり、前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における間隔距離L1a、L1b、L1cも小さくなる。このとき、前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離を本発明のように大きくすることによって、端部81aの形成が容易になり、前記第1コイル片80の端部と前記第2コイル片81の端部81aの接続を容易かつ確実におこなえる。
また、前記複数本の第2コイル片81は、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位81bを有しており、しかも部位81bは、図示トラック幅方向に伸長している。これにより、前記コイル層90から前記積層体62に誘導される磁界が安定する。
図8に示されるコイル層90の構造では、前記複数本の第2コイル片81は、前記積層体62と重なる全て領域において、互いに平行に形成されている。しかし、図9に示されるように、前記複数本の第2コイル片81が、前記積層体62と重なる一部の領域だけ、互いに平行に形成されている部位81bを有するものであっても、前記コイル層90から前記積層体62に誘導される磁界を安定させる効果を奏することができる。
また、本発明では、少なくとも一組の前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離が、これらの前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離より大きけれぱよい。
例えば、図10に示されるコイル層の構造も本発明の範囲にはいるものである。図10では、図の最も右側に形成されている第2コイル片81と、その左隣にある前記第2コイル片81の、端部81aと端部81a間の距離S1dのみが、これらの前記第2コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L1cより大きくなっている。しかし、他の組み合わせの前記第2コイル片81間の、ハイト方向に隣りあう端部81aと端部81aの距離は、これらの前記第1コイル片81間の前記積層体62に重なる領域における最小距離と等しくなっている。
図8から図10では、前記第2コイル片81間の距離を、前記積層体62に重なる領域から、端部81aにかけて広げで大きくすることを説明したが、同様の構成を前記第1コイル片80に適用することも可能である。
図11に、前記第1コイル片80間の距離も、前記積層体62に重なる領域から、前記第1コイル片80の端部にかけて広げて大きくする構成のコイル層91を示す。
図11に示されるコイル層91の第2コイル片81の構造は、図9に示されるコイル層90の第2コイル片81の構造と同じである。図11でば、図9に示されていない、第1コイル片80の端部80aを図示し、第2コイル片81の端部81aの図示を省略している。
図11では、例えば、図の最も左側に形成されている第1コイル片81と、その右隣(中央)にある前記第1コイル片80の、端部80aと端部80a間の距離S2a、S2bが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L2aより大きくなっている。
また、図の左から2番目(中央)に形成されている第1コイル片80と、その右隣(右端)にある前記第2コイル片80の、端部80aと端部80a間の距離S1c及びS1dが、これらの前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離L2bより大きくなっている。
なお、上記においても、端部80aと端部80a間の距離は、端部80aの中心と端部80aの中心間の距離としている。また、前記第1コイル片間の前記積層体62に重なる領域における最小距離とは、前記第1コイル片を幅方向に2等分する直線間の最小の距離である。
また、前記複数本の第1コイル片80は、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位80bを有しており、しかも部位80bは、図示トラック幅方向に伸長している。これにより、前記コイル層91から前記積層体62に誘導される磁界が安定する。
なお、第1コイル片80の構造は、図11に示されるもの以外のものでもよい。例えば、第1コイル片80が図8、図10に示された第2コイル片81の構造と相似する形状であってもよい。
また、第1コイル片80のみが本発明の構造をとるもの、すなわち、少なくとも一組の前記第1コイル片80間の距離が、前記積層体62に重なる領域から、前記第1コイル片80の端部にかけて大きくなる構造を有するものも本発明の範囲に含まれる。
なお、図12に示されるコイル層92のように、前記積層体62と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位が形成されないものであってもよい。
図13は、本発明における第4実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦面図、図14は図13に示す薄膜磁気ヘッドからMRヘッド、絶縁層536及び保護層561等を図面上除き、磁極端層と、最も記録媒体との対向面側に形成された第1コイル片及び第2コイル片と、これらの層と膜厚方向で対向する各層の構造を記録媒体との対向面側から見た部分正面図である。
前記下部シールド層22から前記上部シールド層27までの再生用ヘッド(MRヘッドとも言う)は、第1実施形態ないし第5実施形態の薄膜磁気ヘッドと同じものである。
図13に示すように前記上部シールド層27上には、Al23などで形成された分離層28が形成されている。なお前記上部シールド層27及び分離層28が設けられておらず、前記上部ギャップ層26上に次の下部コア層529が設けられていてもよい。かかる場合、前記下部コア層529が上部シールド層をも兼ね備える。
図13では、前記分離層28の上に下部コア層529が形成されている。前記下部コア層529はNiFe系合金などの磁性材料で形成される。前記下部コア層529は記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で形成される。前記下部コア層529の後端面529aよりもハイト方向後方及び前記下部コア層529のトラック幅方向(図示X方向)における両側には非磁性絶縁材料層31が設けられている。図13に示すように前記下部コア層529及び非磁性絶縁材料層31の各層の表面は連続した平坦化面である。
図13に示すように下部コア層529上には、記録媒体との対向面からハイト方向後方に向けて所定の長さ寸法で磁極端層(隆起層)548が形成されている。磁極端層548はトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がトラック幅Twで形成されている。トラック幅Twは、例えば0.5μm以下で形成される。
図14に示す実施形態では、磁極端層548は、下部磁極層549、ギャップ層550、および上部磁極層551の3層膜の積層構造で構成されている。以下、磁極層549、551およびギャップ層550について説明する。
下部コア層529上には磁極端層548の最下層となる下部磁極層549がメッキ形成されている。下部磁極層549は磁性材料を用いて形成され、下部コア層529と磁気的に接続されており、下部磁極層549は、下部コア層529と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
下部磁極層549上には、非磁性のギャップ層550が積層されている。
ギャップ層550は非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層549上にメッキ形成されることが好ましい。非磁性金属材料として、NiP、NiReP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、NiRe、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、ギャップ層550は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
次にギャップ層550上には、後述する上部コア層560と磁気的に接続する上部磁極層551がメッキ形成されている。本実施の形態では、上部磁極層551を下層551aと上層551bの積層構造にしている。下層551a及び上層551bは磁性材料によって形成され、下層551aの飽和磁束密度は、上層551bの飽和磁束密度より大きくなっている。
上記したようにギャップ層550が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層549、ギャップ層550および上部磁極層551を連続してメッキ形成することが可能になる。
さらに前記磁極端層548のハイト方向後端面548aからハイト方向(図示Y方向)に所定距離離れた位置にバックギャップ層533が前記下部コア層529上に形成されている。
バックギャップ層533は磁性材料で形成され、前記下部コア層529と同じ材質で形成されてもよいし、別の材質で形成されていてもよい。またバックギャップ層533は単層であってもよいし多層の積層構造で形成されていてもよい。バックギャップ層533は前記下部コア層529に磁気的に接続されている。
バックギャップ層533間の下部コア層529上にはコイル絶縁下地層534が形成され、前記コイル絶縁下地層534上には、トラック幅方向(図示X方向)に平行に延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第1コイル片555がハイト方向に並んで形成されている。なお各第1コイル片555はトラック幅方向(図示X方向)からハイト方向に傾斜して延びていてもよい。
前記第1コイル片555上はAl23などの無機絶縁材料で形成されたコイル絶縁層536で埋められている。図13に示すように前記磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面、及びバックギャップ層533の上面は図13に示す基準面Aに沿った連続した平坦化面となっている。
図14に示すように、前記第1コイル片555のトラック幅方向(図示X方向)における端部555a上には導電性を有する接続層561が突出形成されている。前記接続層561の平面形状(すなわちX−Y平面と平行な方向から切断した面の形状)には楕円形状や円形状、正方形、長方形、菱形等、種々の形状を選択できる。また前記接続層561はバックギャップ層533と同じ材質で形成されていることが製造工程上好ましいが、バックギャップ層533とは別の材質で形成されていてもよい。また前記接続層561は単層構造であってもよいし多層の積層構造であってもよい。また前記接続層561は前記第1コイル片555の端部555aと電気的に接続された状態にあるが、「電気的に接続」とは直接的な接続、間接的な接続を問わず、2層間に電気が通る状態になっていればよいことを意味する。以下同じである。
図14に示すように各第1コイル片555のトラック幅方向(図示X方向)における端部555a上に形成された接続層561の上面561aは上記した基準面Aと同一面上で形成される。すなわち図13に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記磁極端層548の上面、コイル絶縁層536の上面、バックギャップ層533の上面及び接続層561の上面561aが全て同じ平坦化面で形成されている。
図13に示すように下部コア層529上には、前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の距離離れた位置からハイト方向に向けてGd決め層538が形成されている。また図13に示すように上部磁極層551の後端部はGd決め層538上に載せられている。ギャップデプス(Gd)は、前記ギャップ層550の記録媒体との対向面から前記Gd決め層538に突き当たるまでのハイト方向(図示Y方向)への長さで決められる。
前記上部磁極層551とバックギャップ層533上には上部コア層(磁性層)560がメッキ形成されている。前記上部コア層560は、バックギャップ層533を介して、前記下部コア層529のハイト側と前記磁極端層548とを接続しており、上部コア層560が本発明の磁性層に相当する。
なお上部磁極層551と上部コア層560と同じ材質で形成されていてもよいが、異なる材質で形成されるほうが好ましい。特に、上部コア層560が前記上部磁極層551の上層551bよりも飽和磁束密度が低いことがより好ましい。上部コア層560の飽和磁束密度は例えば1.4T〜1.9T、前記上部磁極層551の飽和磁束密度は例えば下層が1.9T〜2.4T、上層が1.4T〜1.9Tである。
前記上部コア層560の飽和磁束密度が前記上部磁極層551の飽和磁束密度よりも低いと、上部コア層560からの洩れ磁界で磁気記録することを防ぐことが容易になる。
図13、図14に示すように前記絶縁層558、563の上に、トラック幅方向(図示X方向)からハイト方向(図示Y方向)に傾斜して延び、且つ互いに平行に形成された複数本の第2コイル片556がハイト方向に並んで形成されている。各第2コイル片556はトラック幅方向(図示X方向)に平行な方向に延びて形成されていてもよい。
前記第1コイル片555と第2コイル片556とは互いに非平行の関係にあり、図14に示すように、磁性層562の膜厚方向(図示Z方向)で対向する第1コイル片555のトラック幅方向における左側端部555aと第2コイル片556のトラック幅方向における左側端部556aとが接続部561を介して電気的に接続されている。なお図14の図示右側に示した点線の接続部561は、図面上見えている第1コイル片555の一つ後ろ側(図示Y方向)に位置する第1コイル片555の右側端部と、図面上見えている第2コイル片556の右側端部556bとを電気的に接続している。
このように図13、図14に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記上部コア層560の膜厚方向の上下で対向する第1コイル片555のトラック幅方向における端部と第2コイル片556のトラック幅方向における端部とが接続部561を介して電気的に接続されてトロイダル状のコイル構造557が形成されている。
なお図13に示す符号561の層はAl23などで形成された保護層であり、また図13に示す符号559の層は引出し層である。前記引出し層559は最もハイト寄りに形成された第2コイル片556と一体に繋がって形成されている。
コイル層557に記録電流が与えられると、下部コア層529及び上部コア層560に記録磁界が誘導され、ギャップ層550を介して対向する下部磁極層549及び上部磁極層551間に漏れ磁界が発生し、この漏れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
図13に示す薄膜磁気ヘッドでは、複数本の第1コイル片555が、前記下部コア層529、磁極端層548及びバックギャップ層533で囲まれた空間内に形成されている。前記下部コア層529上に磁極端層548及びバックギャップ層533を隆起形成することで前記第1コイル片555を形成することができる空間を適切に形成している。特に前記磁極端層548及びバックギャップ層533はメッキ形成されていることが、前記磁極端層548及びバックギャップ層533の膜厚を厚く形成できるから、前記下部コア層529、磁極端層548及びバックギャップ層533で囲まれる空間を広く取ることができ、前記第1コイル片555を所定の膜厚で形成しやすい。
各第1コイル片555のトラック幅方向における端部555aからは接続層561が突出形成されているが、この接続層561の上面は前記磁極端層548の上面、バックギャップ層533の上面及びコイル絶縁層536の上面と同一平面上に形成されているため、前記平坦化面上から前記接続層561の上面が露出した状態になっている。
このため図13に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記磁極端層548、コイル絶縁層536及びバックギャップ層533上に形成される上部コア層560を前記平坦化面上に形成することができ、前記上部コア層560を所定形状で形成することが可能になるため、前記上部コア層560を所定寸法に高精度に形成することができる。
しかも図13に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記コイル絶縁層536と同一の平坦化面から前記接続層561の上面561aが露出しているから、前記接続層561の上に前記第2コイル片556のトラック幅方向(図示X方向)における端部を確実且つ容易に電気的に接続させることが可能であり、前記第1コイル片555と第2コイル片556間の電気的な接触不良を抑制することができる。
また上記のようにコイル絶縁層536の上面、磁極端層548の上面、バックギャップ層533の上面及び接続層561の上面を全て同じ平坦化面で形成することで、薄膜磁気ヘッド全体の薄型化を促進させることができる。
また前記磁極端層548上とバックギャップ層533上間を膜面と平行な直線状の前記上部コア層560で結んで磁路長を形成するため、短磁路化を実現できる。磁路長を短くできるので磁界反転速度を上げることができ、高周波特性に優れた薄膜磁気ヘッドを形成することができる。
また前記第1コイル片555及び第2コイル片556は導電性に優れたCuやAuなどで形成されるが、前記接続層561は前記第1コイル片555及び第2コイル片556と同じ材質で形成されなくてもよく、導電性を有する材質であれば磁性材料などであってもよい。前記接続層561は好ましくは磁極端層548と同じ磁性材料で形成されており、この結果、前記接続層561は前記磁極端層548やバックギャップ層533と同じ工程時に形成できるため製造工程の迅速化を図ることが可能である。
また上記したように前記コイル絶縁層536の上面は平坦化面とされるが、これを実現するには前記コイル絶縁層536はAl23やSiO2などの無機絶縁材料で形成されることが好ましい。
図14に示す薄膜磁気ヘッドでは、前記上部コア層560の上面560aにアルミナなどの無機絶縁材料で形成された第1絶縁層558が形成されている。この絶縁層558は前記上部コア層560のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層536上にも形成されている。
さらに前記第1絶縁層558のトラック幅方向(図示X方向)における両側端部558a上から前記上部コア層560のトラック幅方向における両側端面560bよりもさらに両側に広がってレジストなどの有機絶縁材料で形成された第2絶縁層563が形成されている。
前記上部コア層560の上面560aに形成された前記第1絶縁層558のトラック幅方向における中央部558b上には前記第2絶縁層563が設けられておらず、前記上部コア層560と前記第2コイル片56間はトラック幅方向の中央部で第1絶縁層558のみを介して対向し前記上部コア層560の上面560aと前記第2コイル片556の下面間が接近している。従って前記第2コイル片556から前記上部コア層560に記録磁界が効果的に流入して磁化効率の向上を効果的に図ることが可能になっている。
特に、無機絶縁材料で形成された絶縁層558はスパッタ法などで形成され、前記絶縁層558を有機絶縁材料で形成された絶縁層563に比べて薄い膜厚で形成することができるため、上部コア層560と次に説明する第2コイル片556とを距離的に近づけることができ磁化効率を向上させることができる。
一方、有機絶縁材料の前記第2絶縁層563は前記第1絶縁層558の前記両側端部558a上から前記上部コア層560の両側端面560bよりさらに両側に広がって形成されているため、前記上部コア層560の両側端面560bと前記第2コイル片556間には必ず前記第2絶縁層563が介在しており、前記上部コア層560と前記第2コイル片556間の絶縁性を良好に保つことができるようになっている。
次に前記第2絶縁層563の形成位置は図3に示される第2絶縁層63の形成位置に類似している。前記第2絶縁層563の形成位置について、図15を参照して説明する。前記第2絶縁層563は少なくとも記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)へは少なくとも前記第2コイル片556の形成領域を含む領域に形成されていればよい。
図15に示す斜線部は前記第2絶縁層563の形成領域である。なおこの図からは前記第1絶縁層558を省略し(ただし前記第1絶縁層558の形成位置を示す符号は載せてある)、その代わりに前記第1絶縁層558下の前記上部コア層560の平面形状を明確に示すこととした。
図15に示すように第2絶縁層563は、前記第1絶縁層558の両側端部558a上であって、記録媒体との対向面からハイト方向に向けて前記第2コイル片556の形成領域を含む領域に形成されている。図15に示す上部コア層560の先端部下には、磁極端層548が形成されている。磁極端層548は記録媒体との対向面でトラック幅Twの寸法を持っている。
上部コア層560はハイト方向に向けて一定の幅寸法を保ちながら延びる先端部Bと、前記先端部Bのハイト側の両側基端B1、B1からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅が広がる後端部Cとで形成されているが、図15に示すように前記先端部B上には前記第2コイル片556は設けられていないので、前記第2絶縁層563は前記先端部B上には設けられておらず、前記第2コイル片556が形成される前記上部コア層560の後端部C上にのみ設けられている。前記第2絶縁層563は前記第2コイル片556と上部コア層560の両側端面560b間の絶縁性確保のために設けられた層であるから、少なくとも前記第2コイル片556の形成領域となる前記上部コア層560の後端部C上にのみ設ければ十分である。
ところで前記第1絶縁層558の両側端部558a上に設けられた前記第2絶縁層563のトラック幅方向(図示X方向)における平均距離H1(なおここで言う「平均距離H1」とは、前記第2絶縁層563の下面間におけるトラック幅方向への距離の平均である、図14及び図15を参照)は、第2コイル片556と上部コア層560間に第1絶縁層558のみが介在する領域の広さを画定する大きさであるから、磁化効率の向上のためには前記平均距離H1は少なくともトラック幅Twより広いことが好ましい。具体的な数値を示せば、図14に示す上部コア層560の後端部Cでのトラック幅Tw方向における両側端部62b間の平均幅H2(なおここで言う「平均幅H2」とは、最も記録媒体との対向面寄りの第2コイル片556の前端面から最もハイト寄りの第2コイル片556の後端面までの領域内で、前記上部コア層560の上面560aと両側端面560bとの境界間のトラック幅方向における距離の平均)が5〜20μmの範囲内であり、前記両側端部62bに重なる前記第2絶縁層563のトラック幅方向における平均幅H3(なおここで言う「平均幅H3」とは、前記第2絶縁層563のトラック幅方向における内側端面と下面との境界から前記上部コア層560の上面560aと両側端面560bとの境界までのトラック幅方向への幅の平均)が1〜5μmの範囲内であり、前記平均距離H1が3〜18μmの範囲内である。
また図15に示すように前記第2コイル片556は前記上部コア層560の後端部C上に設けられており先端部B上には設けられていない。前記先端部B上にまで前記第2コイル片556を設けると、前記先端部B上にまで前記第2絶縁層563を設けることが必要になり、その結果、前記第2絶縁層563間の平均距離H1は前記先端部B上でトラック幅Twよりも小さくなるため、磁化効率が低下しやすい。そのため図15に示すように先端部Bよりも広い面積を有する後端部C上を有効活用し、前記後端部C上に第2コイル片556を設け、前記後端部C上に部分的に第2絶縁層563を設けることが前記第2絶縁層563間の平均距離H1を広くでき磁化効率の向上を図ることができて好ましい。
ところで上記したように前記第1絶縁層558はAl23などの無機絶縁材料で形成され、前記第2絶縁層563はレジストなどの有機絶縁材料で形成される。前記第1絶縁層558はスパッタ成膜されて形成される。前記第1絶縁層558は実際には前記上部コア層560の上面560aのみならず前記上部コア層560のトラック幅方向(図示X方向)の両側に広がるコイル絶縁層36の上面にもスパッタ成膜によって形成される。前記第1絶縁層558は無機絶縁材料によるスパッタ成膜で形成されるものであるから前記第1絶縁層558の膜厚T1(図2を参照)を薄く形成しやすい。例えば前記膜厚T1は0.2〜1.0μmであることが好ましい。そのため前記上部コア層560の上面560aと前記第2コイル片556の下面間の距離は前記第1絶縁層558のみが介在する部分では効果的に縮まり磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記上部コア層560の上面560aには膜厚T1が薄いながらもピンホールなどが発生しない程度の膜厚を確保できるように前記第1絶縁層558の膜厚調整を容易に行うことができることから前記上部コア層560の上面560aと第2コイル片556の下面間の絶縁性を良好に保ちやすい。
一方、有機絶縁材料で形成された第2絶縁層563は粘性が高くレジストなどを塗布することによって形成されるものであるから、前記第1絶縁層558がうまく付着しない前記上部コア層560の前記両側端面560bを前記第2絶縁層563によって完全に覆うことができる。前記レジストなどで形成された第2絶縁層563は塗布後、熱処理などによって硬化させられて、前記第1絶縁層558の両側端部558a上から前記上部コア層560の両側端面560b上を完全に覆う第2絶縁層563が完成する。
前記第1絶縁層558の前記両側端部558a上に形成された第2絶縁層563の平均膜厚T2は、前記第1絶縁層558の平均膜厚T1よりも厚く形成されていることが好ましく、前記第2絶縁層563の平均膜厚T2は0.3〜3μmの範囲内であることが好ましい。上記のように第1絶縁層558と第2絶縁層563の平均膜厚T1,T2を調整することで、前記上部コア層560の上面560aと第2コイル片556の下面間をより接近させることができ磁化効率の向上を図ることができるとともに、前記上部コア層560の両側端面560bと前記第2コイル片556間の絶縁性を高めることが可能になる。
なお前記上部コア層560の両側端面560bと前記第2コイル片556間の絶縁性を確保するためなら、前記上部コア層560の両側端面560b上にのみ、部分的に第2絶縁層563を設けても理想的には可能であると考えられるが、前記上部コア層560の両側端面560bを完全に覆うには、前記第2絶縁層563を、前記第1磁極層58の両側端部558a上にオーバーラップさせることが好ましく、また前記上部コア層560の前記両側端面560b上を完全に覆うようにうまく第2絶縁層563を設けないと、前記上部コア層560の上面560aに形成された第1絶縁層558の上面と、前記第2絶縁層563の表面との間に急激な段差が生まれやすく、その結果、前記第2コイル片556を所定形状にパターン形成できないといった不利な点もある。そのため本発明では、前記上部コア層560上の第1絶縁層558の両側端部558a上から前記上部コア層560の両側端面560bよりもさらに両側に広がる第2絶縁層563を設けているのである。
本実施の形態では、上部コア層560と磁極端層548の上部磁極層551の材料を異ならせることによって、上部磁極層551のみ高飽和磁束密度を有する材料で形成し、上部コア層560を上部磁極層551より飽和磁束密度の小さな材料で形成することができる。また、高飽和磁束密度を有する上部磁極層551や下部磁極層549は、Gd決め層538の後方には形成されないので、磁束密度を適度に調節でき、磁極端層548の両側部からの磁束の洩れが少なくなり、磁気ヘッドのS/N比が向上する。
また、上部コア層560の前端面560aを記録媒体との対向面よりも、ハイト方向後方に後退させることによって上部コア層560からの磁束の洩れをさらに低減できる。
また、本実施の形態では、上部コア層560の上の第2コイル片556の膜厚t1を第1コイル片555の膜厚t2より大きくし、また、前記第2コイル片の電流が流れる方向と直交する第1の方向の長さ寸法W2を、前記第1コイル片の前記第1の方向の長さ寸法W1よりも大きくして、抵抗値を低減できる。すなわち、前記コイル層557の発熱を低減することができ、磁極端部548周辺の記録媒体側への突出を低減できる。
図13及び図14に示された磁気ヘッドは、磁極端部548上とバックギャップ層533上間を平坦形状の上部コア層560で結んで磁路長を形成するため、上部コア層が盛り上がって形成される磁気ヘッドに比べて磁路長を短くできる。また、上部コア層560が平坦形状を有していると、コイル層557から発生するジュール熱を磁気ヘッドの外部に効率よく放出することができる。
さらに、コイル層557は、上部コア層560を軸として巻回するトロイダルコイル構造を有している。
このため磁気ヘッドを構成するコイル層557のターン数を少なくしても一定の記録特性を維持することができ、ターン数を減らせることでコイル抵抗を低減できるから磁気ヘッドの駆動時においても磁気ヘッドの発熱を抑えることができる。
磁気ヘッドの発熱を抑えることができると、磁極端部548周辺が記録媒体との対向面Fから突き出す等の問題を抑制することができる。
さらにコイル層557を覆うコイル絶縁層536に無機絶縁材料を用いることによって磁気ヘッドの熱膨張係数を低減させることができる。
なお、磁極端層548と上部コア層560を有する磁気ヘッドでも、図5に示された磁気ヘッドと同様に、第2コイル片556と第1コイル片555を、上部コア層560の前記トラック幅方向(図示X方向)における両側に形成される持ち上げ層および接続層561を介して電気的に接続してもよい。 以上、詳述した本発明における薄膜磁気ヘッドは、例えばハードディスク装置などに搭載される磁気ヘッド装置に内蔵される。前記薄膜磁気ヘッドは浮上式磁気ヘッドあるいは接触式磁気ヘッドのどちらに内蔵されたものでもよい。また前記薄膜磁気ヘッドはハードディスク装置以外にも磁気センサ等に使用できる。
本発明における第1の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状と、前記コイル層と磁極層との形成位置関係を示す部分平面図、 図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分拡大斜視図、 本発明における第2の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明における第3の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図、 本発明における第3の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明の薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状を示す部分平面図、 本発明における第4の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図、 図13に示す薄膜磁気ヘッドの部分正面図、 図13に示す薄膜磁気ヘッドのコイル層のコイル形状と、前記コイル層と磁極層との形成位置関係を示す部分平面図、 特許文献2や特許文献3の記載から推測した従来の薄膜磁気ヘッドの部分正面図、
符号の説明
29 下部コア層
32 隆起層
33 バックギャップ層
36 コイル絶縁層
55 第1コイル片
56 第2コイル片
58 第1絶縁層
61 接続層
62 積層体
63 第2絶縁層
72 持ち上げ層

Claims (12)

  1. 記録媒体との対向面側からハイト方向に延びて形成された下部コア層と、前記対向面からハイト方向に所定距離離れた位置で前記下部コア層と直接的または間接的に接続される磁性層と、前記磁性層の周囲をトロイダル状に巻回するコイル層とを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記下部コア層上に、前記磁性層と交叉する方向に伸長している複数本の第1コイル片が、ハイト方向に所定間隔を空けて形成され、前記第1コイル片はコイル絶縁層によって覆われて、このコイル絶縁層の上に前記磁性層が形成され、
    前記磁性層上に絶縁層を介して、前記磁性層上を横断する複数本の第2コイル片が形成されて、各第2コイル片のトラック幅方向の端部は、前記第1コイル片のトラック幅方向における端部と膜厚方向で対向する位置まで延びて形成されており、
    前記絶縁層は、前記磁性層の上面に形成された無機絶縁材料の第1絶縁層と、前記第1絶縁層のトラック幅方向の両側端部上であって、前記対向面からハイト方向へ前記第2コイル片の形成領域を含む領域に形成された有機絶縁材料の第2絶縁層と、で構成され、
    前記第2絶縁層は前記磁性層のトラック幅方向における両側端面よりさらに両側に広がって形成され、この第2絶縁層が前記第2コイル片と前記磁性層の前記両側端面間に介在していることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記第2絶縁層は少なくともトラック幅方向にトラック幅Twよりも広い間隔を有して、前記第1絶縁層の前記両側端部上に形成される請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記磁性層は、前記対向面でトラック幅の幅寸法を持ち、ハイト方向に向けてこの幅寸法を保ちながら、あるいはハイト方向に向けてトラック幅よりも幅寸法が広がる先端部と、前記先端部のハイト側の両側基端からハイト方向に向けてトラック幅方向への幅がさらに広がる後端部とを有して構成され、前記第2絶縁層及び第2コイル片は前記後端部上に設けられる請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記下部コア層の上に、少なくとも下から下部磁極層、非磁性金属材料で形成されたギャップ層及び上部磁極層の順にメッキ形成され、対向面でのトラック幅方向における幅寸法でトラック幅Twが規定される磁極端層が設けられ、前記磁極端層の上に前記磁性層が積層されている請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記磁性層は、前記上部磁極層よりも飽和磁束密度が低い請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記第1絶縁層の平均膜厚は、前記第1絶縁層の前記両側端部上に形成された前記第2絶縁層の平均膜厚よりも薄い請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 少なくとも一組の隣り合う前記第1コイル片において、前記第1コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離が、これらの前記第1コイル片間の前記磁性層に重なる領域における最小距離より大きい請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記複数本の第1コイル片は、前記磁性層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有する請求項7に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 少なくとも一組の隣り合う前記第2コイル片において、前記第2コイル片間の、ハイト方向に隣りあう端部と端部の距離が、これらの前記第2コイル片間の前記磁性層に重なる領域における最小距離より大きい請求項1ないし8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記複数本の第2コイル片は、前記磁性層と重なる領域において、互いに平行に形成されている部位を有する請求項9に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記第2コイル片の電流が流れる方向と直交する第1の方向の長さ寸法は、前記第1コイル片の前記第1の方向の長さ寸法よりも大きい請求項1ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第2コイル片の膜厚は、前記第1コイル片の膜厚よりも大きい請求項1ないし11のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
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