JP2002279607A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁極部分より発生される、記録媒体の面に垂
直な方向の磁界を大きくすることができ、且つ記録密度
を向上させることができるようにする。 【解決手段】 薄膜磁気ヘッドは、第1の磁性層8およ
び第2の磁性層14と、第1の磁性層8と第2の磁性層
14との間に設けられたギャップ層9と、一部が第1の
磁性層8および第2の磁性層14の間に設けられた薄膜
コイル10とを備えている。第2の磁性層14は磁極部
分層14Aとヨーク部分層14Bと連結部14Cとを有
している。ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの
後端面および幅方向の両側面に磁気的に接続されてい
る。磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面
は、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直な方
向に対して傾いている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも書込み
用の誘導型電磁変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置における記録方式に
は、信号磁化の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)
とする長手磁気記録方式と、信号磁化の向きを記録媒体
の面に対して垂直な方向とする垂直磁気記録方式とがあ
る。垂直磁気記録方式は、長手磁気記録方式に比べて、
記録媒体の熱揺らぎの影響を受けにくく、高い線記録密
度を実現することが可能であると言われている。
【0003】長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドは、
一般的に、記録媒体に対向する媒体対向面(エアベアリ
ング面)と、互いに磁気的に連結され、媒体対向面側に
おいてギャップ部を介して互いに対向する磁極部分を含
む第1および第2の磁性層と、少なくとも一部が第1お
よび第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対
して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備えた
構造になっている。
【0004】一方、垂直磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッ
ドには、長手磁気記録方式用の薄膜磁気ヘッドと同様の
構造のリングヘッドと、一つの主磁極によって記録媒体
の面に対して垂直方向の磁界を印加する単磁極ヘッドと
がある。単磁極ヘッドを用いる場合には、記録媒体とし
ては一般的に、基板上に軟磁性層と磁気記録層とを積層
した2層媒体が用いられる。
【0005】ところで、近年の高記録密度化に伴い、薄
膜磁気ヘッドではトラック幅の縮小が望まれている。そ
のため、上記単磁極ヘッドにおいても主磁極の幅の縮小
が望まれている。しかしながら、従来、主磁極の幅の縮
小を妨げる以下の2つの問題点があった。
【0006】第1の問題点は、主磁極の幅を例えば0.
5μm以下とするような主磁極の高精度のパターニング
が困難なことである。すなわち、主磁極は、例えば、フ
ォトリソグラフィ技術によって形成されたレジストフレ
ームを用いて、電気めっき法(フレームめっき法)によ
って形成される。ところが、従来、主磁極は、コイルを
覆って盛り上がった絶縁層の上に形成されるため、レジ
ストフレームも凹凸の高低差の大きな絶縁層の上に形成
されることになる。この場合、レジストの膜厚を均一に
することは難しいため、レジストフレームを精度よくパ
ターニングすることが難しい。そのため、主磁極の高精
度のパターニングが困難になる。
【0007】第2の問題点は、主磁極の幅を縮小する
と、磁束が主磁極の先端に到達する前に飽和してしま
い、媒体対向面において主磁極の先端より発生される磁
界が小さくなることである。
【0008】ところで、従来、長手磁気記録方式用の薄
膜磁気ヘッドにおいても同様な問題点があった。この問
題点を解決するために、長手磁気記録方式用の薄膜磁気
ヘッドでは、一方の磁性層を、媒体対向面に露出する磁
極部分と、磁極部分へ磁束を導くヨーク部分とに分けた
構造が多く採用されている。
【0009】そこで、垂直磁気記録方式用の単磁極ヘッ
ドにおいても、主磁極を、媒体対向面に露出する磁極部
分と、磁極部分へ磁束を導くヨーク部分とに分けた構造
が提案されている。この構造によれば、磁極部分の飽和
磁束密度をヨーク部分の飽和磁束密度よりも大きくする
ことで磁束を効率的に主磁極の先端まで導くことが可能
になり、且つ幅の小さな磁極部分を形成することが可能
になる。
【0010】ところで、従来、長手磁気記録方式用の薄
膜磁気ヘッドでは、一方の磁性層を磁極部分とヨーク部
分とに分けた構造とする場合、磁極部分とヨーク部分と
の接合は、磁極部分のギャップ部とは反対側の面でのみ
行われることが多かった。しかし、この構造では、磁極
部分とヨーク部分との接合面積が小さいため、接合部分
で磁束が飽和しやすく、特に近年の書き込み磁界の増大
の要求に応えることができない。そこで、特開平11−
102506号公報、特開2000−57522号公
報、特開2000−67413号公報、特開2000−
149218号公報等に示されるように、磁極部分のギ
ャップ部とは反対側の面のみならず、磁極部分の側面や
磁極部分の媒体対向面とは反対側の面でも、磁極部分と
ヨーク部分との接合を行わせる構造の薄膜磁気ヘッドが
提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】垂直磁気記録方式用の
単磁極ヘッドにおいて、主磁極を磁極部分とヨーク部分
とに分けた構造とする場合に、上述の長手磁気記録方式
用の薄膜磁気ヘッドと同様に、磁極部分のギャップ部と
は反対側の面のみならず、磁極部分の側面や磁極部分の
媒体対向面とは反対側の面でも、磁極部分とヨーク部分
との接合を行わせる構造を採用することも考えられる。
【0012】垂直磁気記録方式用のヘッドでは、記録媒
体の面に対して垂直な方向の磁界を大きくすることが重
要である。しかしながら、垂直磁気記録方式用のヘッド
において上記の構造を採用しても、磁極部分の媒体対向
面とは反対側の面や磁極部分の側面における接合面積
は、磁極部分のギャップ部とは反対側の面における接合
面に比べて相対的に小さいため、記録媒体に対して垂直
な方向の磁界を大きくすることができないという問題点
がある。
【0013】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、磁極部分より発生される、記録媒体
の面に垂直な方向の磁界を大きくすることができ、且つ
記録密度を向上させることができるようにした薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、記録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行
方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように
配置された磁極部分を含むと共に、媒体対向面から離れ
た位置において互いに磁気的に連結された第1および第
2の磁性層と、非磁性材料よりなり、第1の磁性層と第
2の磁性層との間に設けられたギャップ層と、少なくと
も一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第
2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コ
イルとを備え、第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体
対向面における幅がトラック幅を規定する磁極部分層
と、磁極部分と第1の磁性層とを磁気的に接続するヨー
ク部分層とを有し、ヨーク部分層は、磁極部分層の媒体
対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの
少なくとも一部において、磁極部分層に対して磁気的に
接続され、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少な
くとも一部は、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な
方向に対して傾いているものである。
【0015】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層
のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が、磁極部
分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾いてい
ることから、接続面が磁極部分層のギャップ層側の面に
垂直な場合に比べて接続面の面積が大きくなる。これに
より、接続面を介してヨーク部分層から磁極部分層へ効
率よく磁束を導くことが可能となり、その結果、磁極部
分より発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を
大きくすることが可能となる。
【0016】本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、接続面
の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一部と磁極部
分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超える
ように傾いていてもよい。
【0017】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨーク部
分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きくてもよい。
【0018】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反
対側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続さ
れていてもよい。この場合、薄膜磁気ヘッドは、更に、
磁極部分層のギャップ層とは反対側の面に接する非磁性
層を備え、ヨーク部分層は、非磁性層を介して磁極部分
層のギャップ層とは反対側の面に隣接し、非磁性層を介
して磁極部分層に磁気的に接続されていてもよい。
【0019】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、
磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全面に接する
非磁性層を備えていてもよい。この場合、ヨーク部分層
のギャップ層とは反対側の面のうち、磁極部分層の媒体
対向面とは反対側の端面および幅方向の両側面のうちの
少なくとも一部において磁極部分層に対して磁気的に接
続される部分の近傍は、非磁性層のギャップ層とは反対
側の面と共に平坦化されていてもよい。
【0020】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層側の面
において、磁極部分層に対して磁気的に接続されていて
もよい。
【0021】また、本発明の薄膜磁気ヘッドにおいて、
磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽和磁束
密度以上であってもよい。
【0022】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、
再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えていてもよ
い。
【0023】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、垂直磁
気記録方式に用いられるものであってもよい。
【0024】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する媒体対向面と、記録媒体の進行方向の
前後に所定の間隔を開けて互いに対向するように配置さ
れた磁極部分を含むと共に、媒体対向面から離れた位置
において互いに磁気的に連結された第1および第2の磁
性層と、非磁性材料よりなり、第1の磁性層と第2の磁
性層との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部
が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁
性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルと
を備え、第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面
における幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、磁極
部分と第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層
とを有する薄膜磁気ヘッドを製造する方法であって、第
1の磁性層を形成する工程と、ギャップ層を形成する工
程と、薄膜コイルを形成する工程と、ヨーク部分層が、
磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方向
の両側面のうちの少なくとも一部において、磁極部分層
に対して磁気的に接続され、且つ、磁極部分層のヨーク
部分層との接続面の少なくとも一部が磁極部分層のギャ
ップ層側の面に垂直な方向に対して傾いて配置されるよ
うに、磁極部分層とヨーク部分層とを有する第2の磁性
層を形成する工程とを備えたものである。
【0025】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
磁極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部
が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対し
て傾いて配置されることから、接続面が磁極部分層のギ
ャップ層側の面に垂直な場合に比べて、接続面の面積が
大きくなる。これにより、接続面を介してヨーク部分層
から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能とな
り、その結果、磁極部分より発生される、記録媒体の面
に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能となる。
【0026】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法におい
て、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも一
部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90
°を超えるように傾いて配置されてもよい。
【0027】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、接続面の少なくとも一部を含む断面におい
て、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大き
くてもよい。
【0028】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャッ
プ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して磁気
的に接続されてもよい。この場合、薄膜磁気ヘッドの製
造方法は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の
面に接する非磁性層を形成する工程を備え、ヨーク部分
層は、非磁性層を介して磁極部分層のギャップ層とは反
対側の面に隣接し、非磁性層を介して磁極部分層に磁気
的に接続されてもよい。
【0029】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対側の面の全
面に接する非磁性層を形成する工程を備えていてもよ
い。この場合、第2の磁性層を形成する工程は、非磁性
層を形成する工程の後で、ヨーク部分層のうちの少なく
とも磁極部分層に対して磁気的に接続される部分を形成
する工程と、非磁性層およびヨーク部分層を覆うように
保護層を形成する工程と、非磁性層が露出するまで保護
層を研磨して、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の
面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面お
よび幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁
極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍を、非
磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化する工
程とを含んでいてもよい。
【0030】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャッ
プ層側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続
されてもよい。
【0031】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
において、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層
の飽和磁束密度以上であってもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]図1は本発明の第1の実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図である。な
お、図1は媒体対向面および基板の面に垂直な断面を示
している。また、図1において記号Tで示す矢印は、記
録媒体の進行方向を表している。図2は図1のA−A線
断面図である。図3は図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒
体対向面を示す正面図である。図4は図1に示した薄膜
磁気ヘッドの要部を示す斜視図である。
【0033】図1および図2に示したように、本実施の
形態に係る薄膜磁気ヘッドは、アルティック(Al23
・TiC)等のセラミック材料よりなる基板1と、この
基板1の上に形成されたアルミナ(Al23)等の絶縁
材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に形成され
た磁性材料よりなる下部シールド層3と、この下部シー
ルド層3の上に、絶縁層4を介して形成された再生素子
としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、このMR素子
5の上に絶縁層4を介して形成された磁性材料よりなる
上部シールド層6とを備えている。下部シールド層3お
よび上部シールド層6の厚みは、それぞれ例えば1〜2
μmである。
【0034】MR素子5の一端部は、媒体対向面(エア
ベアリング面)ABSに配置されている。MR素子5に
は、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子、GMR(巨大
磁気抵抗効果)素子あるいはTMR(トンネル磁気抵抗
効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子
を用いることができる。
【0035】薄膜磁気ヘッドは、更に、上部シールド層
6の上に形成された非磁性層7と、この非磁性層7の上
に形成された磁性材料よりなる第1の磁性層8と、この
第1の磁性層8の上において薄膜コイル10を形成すべ
き位置に形成された絶縁層9Aと、この絶縁層9Aの上
に形成された薄膜コイル10と、少なくとも薄膜コイル
10の巻線間に充填された絶縁層9Bとを備えている。
絶縁層9Aには、媒体対向面ABSから離れた位置にお
いて、コンタクトホール9aが形成されている。
【0036】第1の磁性層8の厚みは例えば1〜2μm
である。第1の磁性層8を構成する磁性材料は、例えば
鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよいし、後
述するような高飽和磁束密度材でもよい。また、第1の
磁性層8は、2つ以上の層で構成してもよい。
【0037】絶縁層9Aは、アルミナ等の非導電性且つ
非磁性の材料よりなり、その厚みは例えば0.1〜1μ
mである。
【0038】薄膜コイル10は、銅等の導電性の材料よ
りなり、その巻線の厚みは例えば0.3〜2μmであ
る。薄膜コイル10の巻数は任意であり、巻線のピッチ
も任意である。
【0039】絶縁層9Bは、形成時に流動性を有する非
導電性且つ非磁性の材料よりなる。具体的には、絶縁層
9Bは、例えば、フォトレジスト(感光性樹脂)のよう
な有機系の非導電性非磁性材料によって形成してもよい
し、塗布ガラスよりなるスピンオングラス(SOG)膜
で形成してもよい。
【0040】薄膜磁気ヘッドは、更に、コンタクトホー
ル9aが形成された位置において第1の磁性層8の上に
形成された磁性材料よりなる連結部14Cと、薄膜コイ
ル10、絶縁層9Aおよび絶縁層9Bを覆うように形成
された絶縁層9Cとを備えている。連結部14Cは、後
述する第2の磁性層14の一部となる。薄膜コイル10
は、連結部14Cの回りに巻回されている。
【0041】連結部14Cの形状は、例えば、厚みが2
〜4μm、奥行き(媒体対向面ABSに垂直な方向の長
さ)が2〜10μm、幅が5〜20μmである。連結部
14Cを構成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合
金すなわちパーマロイでもよいし、後述するような高飽
和磁束密度材でもよい。
【0042】絶縁層9Cは、絶縁層9Bよりも耐食性、
剛性および絶縁性が優れた非導電性且つ非磁性の材料よ
りなる。このような材料としては、アルミナやシリコン
酸化物(SiO2)等の無機系の非導電性非磁性材料を
用いることができる。媒体対向面ABSにおける絶縁層
9Aおよび絶縁層9Cの合計の厚みは、例えば2〜4μ
mである。また、この厚みは、連結部14Cの厚み以上
とする。
【0043】絶縁層9A,9B,9Cは、第1の磁性層
8と後述する第2の磁性層14との間に設けられるギャ
ップ層9を構成する。
【0044】薄膜磁気ヘッドは、絶縁層9Cの上に形成
された磁性材料よりなる第2の磁性層14を備えてい
る。第2の磁性層14は、前述の連結部14Cと、磁極
部分を含む磁極部分層14Aと、ヨーク部分となり、連
結部14Cを介して磁極部分層14Aと第1の磁性層8
とを磁気的に接続するヨーク部分層14Bとを有してい
る。磁極部分層14Aは、媒体対向面ABSから、媒体
対向面ABSと連結部14Cとの間の所定の位置にかけ
て、絶縁層9Cの上に形成されている。ヨーク部分層1
4Bは、連結部14Cの第1の磁性層8とは反対側の端
部(以下、上端部と言う。)と磁極部分層14Aの媒体
対向面ABSとは反対側の端面(以下、後端面と言
う。)とを磁気的に接続する。また、ヨーク部分層14
Bは、その内部において連結部14Cの上端部と磁極部
分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ磁気経路が
形成されるような形状を有している。薄膜磁気ヘッド
は、更に、磁極部分層14Aの上に形成された非磁性層
15を備えている。非磁性層15は、磁極部分層14A
のギャップ層9とは反対側の面の全面に接している。ヨ
ーク部分層14Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁
性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接し、非
磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面の一部に磁
気的に接続されている。薄膜磁気ヘッドは、更に、アル
ミナ等の非導電性且つ非磁性の材料よりなり、第2の磁
性層14を覆うように形成された保護層17を備えてい
る。
【0045】薄膜コイル10の第2の磁性層14側の面
は、媒体対向面ABSにおけるギャップ層9の第2の磁
性層14側の端部(絶縁層9Cの磁性層14側の端部)
の位置および連結部14Cの上端部の位置よりも第1の
磁性層8側の位置に配置されている。
【0046】磁極部分層14Aの厚みは、好ましくは
0.1〜0.8μmであり、更に好ましくは0.3〜
0.8μmである。また、媒体対向面ABSから磁極部
分層14Aの後端面までの長さは2μm以上である。
【0047】図4に示したように、磁極部分層14A
は、媒体対向面ABS側に配置された第1の部分14A
1と、この第1の部分14A1よりも媒体対向面ABSか
ら離れた位置に配置された第2の部分14A2とを含ん
でいる。第1の部分14A1は、第2の磁性層14にお
ける磁極部分となる。第1の磁性層8における磁極部分
は、第1の磁性層8のうちギャップ層9を介して上記第
1の部分14A1に対向する部分を含む。
【0048】第1の部分14A1は、トラック幅と等し
い幅を有している。すなわち、第1の部分14A1の媒
体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定してい
る。第2の部分14A2の幅は、第1の部分14A1との
境界位置では第1の部分14A 1の幅と等しく、その位
置から媒体対向面ABSより遠ざかる程、徐々に大きく
なった後、一定の大きさになっている。ヨーク部分層1
4Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介
して磁極部分層14Aの第2の部分14A2の上に重な
っている。
【0049】第1の部分14A1の媒体対向面ABSに
おける幅、すなわちトラック幅は、好ましくは0.5μ
m以下であり、更に好ましくは0.3μm以下である。
ヨーク部分層14Bと重なる部分における第2の部分1
4A2の幅は、第1の部分14A1の媒体対向面ABSに
おける幅よりも大きく、例えば2μm以上である。
【0050】ヨーク部分層14Bの厚みは、例えば1〜
2μmである。ヨーク部分層14Bは、図1に示したよ
うに、磁極部分層14Aの後端面に磁気的に接続されて
いると共に、図2に示したように、磁極部分層14Aの
幅方向の両側面に磁気的に接続されている。磁極部分層
14Aの後端面および幅方向の両側面は、本発明におけ
る接続面に対応する。また、ヨーク部分層14Bの媒体
対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから例えば
1.5μm以上離れた位置に配置されている。
【0051】磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨー
ク部分層14Bの飽和磁束密度以上となっている。磁極
部分層14Aを構成する磁性材料としては、飽和磁束密
度が1.4T以上の高飽和磁束密度材を用いるのが好ま
しい。高飽和磁束密度材としては、鉄および窒素原子を
含む材料、鉄、ジルコニアおよび酸素原子を含む材料、
鉄およびニッケル元素を含む材料等を用いることができ
る。具体的には、高飽和磁束密度材としては、例えば、
NiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)、F
eNやその化合物、Co系アモルファス合金、Fe−C
o、Fe−M(必要に応じてO(酸素原子)も含
む。)、Fe−Co−M(必要に応じてO(酸素原子)
も含む。)の中のうちの少なくとも1種類を用いること
ができる。ここで、Mは、Ni,N,C,B,Si,A
l,Ti,Zr,Hf,Mo,Ta,Nb,Cu(いず
れも化学記号)の中から選択された少なくとも1種類で
ある。
【0052】ヨーク部分層14Bを構成する磁性材料と
しては、例えば、飽和磁束密度が1.0T程度となる鉄
およびニッケル元素を含む材料を用いることができる。
このような材料は、耐食性に優れ、且つ磁極部分層14
Aを構成する材料よりも高抵抗である。また、このよう
な材料を用いることにより、ヨーク部分層14Bの形成
が容易になる。
【0053】また、ヨーク部分層14Bを構成する磁性
材料としては、磁極部分層14Aを構成する磁性材料と
同じ組成系のものを用いることもできる。この場合に
は、ヨーク部分層14Bの飽和磁束密度を、磁極部分層
14Aの飽和磁束密度よりも小さくするために、ヨーク
部分層14Bを構成する磁性材料としては、磁極部分層
14Aを構成する磁性材料に比べて、鉄原子の組成比の
小さい材料を用いるのが好ましい。
【0054】非磁性層15の平面的な形状は、磁極部分
層14Aと同様である。また、非磁性層15は、媒体対
向面ABSに露出している。非磁性層15の厚みは、好
ましくは0.5μm以下である。また、非磁性層15
は、省くことも可能である。
【0055】非磁性層15を構成する材料としては、例
えば、チタンまたはタンタルを含む材料(合金および酸
化物を含む。)や、アルミナやシリコン酸化物(SiO
2)等の無機系の非導電性非磁性材料を用いることがで
きる。また、磁極部分層14Aをドライエッチングによ
って形成する場合には、非磁性層15を構成する材料と
して、磁極部分層14Aを構成する材料、およびギャッ
プ層9のうちの磁極部分層14Aに接する絶縁層9Cを
構成する材料よりもドライエッチングに対するエッチン
グ速度が小さい材料を用いるのが好ましい。このような
材料としては、例えばチタンまたはタンタルを含む材料
(合金および酸化物を含む。)を用いることができる。
【0056】図3に示したように、媒体対向面ABSに
露出する磁極部分層14Aの面の形状は、記録媒体の進
行方向Tの後側(スライダにおける空気流入端側)に配
置される下辺が上辺よりも小さい台形であることが好ま
しい。また、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面
と、媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面
における側辺とのなす角度は92〜110゜が好まし
い。
【0057】以上説明したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、記録媒体に対向する媒体対向面AB
Sと再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型電磁変換素子)と
を備えている。再生ヘッドは、再生素子としてのMR素
子5と、媒体対向面ABS側の一部がMR素子5を挟ん
で対向するように配置された、MR素子5をシールドす
るための下部シールド層3および上部シールド層6を備
えている。
【0058】記録ヘッドは、媒体対向面ABS側におい
て記録媒体の進行方向Tの前後に所定の間隔を開けて互
いに対向するように配置された磁極部分を含むと共に、
媒体対向面ABSから離れた位置において互いに磁気的
に連結された第1の磁性層8および第2の磁性層14
と、非磁性材料よりなり、第1の磁性層8と第2の磁性
層14との間に設けられたギャップ層9と、少なくとも
一部が第1の磁性層8および第2の磁性層14の間に、
これらの磁性層8,14に対して絶縁された状態で設け
られた薄膜コイル10とを備えている。
【0059】第2の磁性層14は、磁極部分を含み、媒
体対向面ABSにおける幅がトラック幅を規定する磁極
部分層14Aと、ヨーク部分となり、連結部14Cを介
して磁極部分層14Aと第1の磁性層8とを磁気的に接
続するヨーク部分層14Bと連結部14Cを有してい
る。ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端面
および幅方向の両側面に磁気的に接続されている。ま
た、磁極部分層14Aの飽和磁束密度は、ヨーク部分層
14Bの飽和磁束密度以上となっている。
【0060】本実施の形態によれば、第2の磁性層14
が磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bとを有するよ
うにしたので、記録媒体に印加される磁界の強度を低下
させることなくトラック幅を縮小することが可能にな
る。
【0061】また、本実施の形態では、図1に示したよ
うに、磁極部分層14Aの後端面は、磁極部分層14A
のギャップ層9側の面に垂直な方向に対して傾いてい
る。すなわち、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面
と磁極部分層14Aの後端面とのなす角度θは、理論
上は、0°<θ<90°および90°<θ<180
°の範囲内の値となる。磁極部分層14Aの後端面は、
この後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面と
のなす角度が90°を超えるように傾いているのが好ま
しい。すなわち、角度θは、90°<θ<180°
の範囲内の値であることが好ましい。角度θは、92
〜110°であることがより好ましい。
【0062】ここで、磁極部分層14Aの後端面が磁極
部分層14Aのギャップ層9側の面に垂直な方向に対し
て傾いていることによる効果について説明する。まず、
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドとの比較のための比
較例を挙げる。図5は、この比較例の薄膜磁気ヘッドの
構成を示す断面図、図6は図5のB−B線断面図であ
る。この比較例の薄膜磁気ヘッドの構成は、磁極部分層
14Aの後端面および幅方向の両側面が磁極部分層14
Aのギャップ層9側の面に垂直である点以外は、本実施
の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様である。
【0063】ここで、図1に示した断面および図5に示
した断面において、非磁性層15の後端面と非磁性層1
5の磁極部分層14Aとは反対側の面とが交わる点をa
とし、磁極部分層14Aの後端面と磁極部分層14A
の非磁性層15側の面とが交わる点をbとし、磁極部
分層14Aの後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9
側の面とが交わる点をcとする。
【0064】図5に示した比較例の薄膜磁気ヘッドで
は、線分bの長さは磁極部分層14Aの膜厚dと
等しくなる。一方、図1に示した本実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドでは、線分bの長さは、磁極部分層
14Aの膜厚dと前述の角度θ を用いて、以下の式
(1)で表される。
【0065】 b=d/|sinθ| …(1)
【0066】|sinθ|は1より小さいので、本実
施の形態における線分bの長さは、比較例におけ
る線分bの長さよりも大きくなる。すなわち、磁
極部分層14Aの後端面において磁極部分層14Aとヨ
ーク部分層14Bが磁気的に接続する部分の面積は、比
較例に比べて本実施の形態の方が大きくなる。また、|
sinθ|が小さくなればなるほど、線分b
長さが大きくなり、それと共に、磁極部分層14Aの後
端面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが
磁気的に接続する部分の面積が大きくなる。従って、本
実施の形態によれば、磁極部分層14Aの後端面を介し
てヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ効率よく
磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分層1
4Aの媒体対向面側の端部より発生される、記録媒体の
面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能になる。
【0067】また、磁極部分層14Aの後端面が、この
後端面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面とのな
す角度が90°を超えるように傾いている場合には、磁
極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面において
磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続
する部分の面積が大きくなる。これによって、ヨーク部
分層14Bから磁極部分層14Aへより効率よく磁束を
導くことが可能になる。
【0068】また、本実施の形態では、図2に示したよ
うに、磁極部分層14Aの後端面と同様に、磁極部分層
14Aの幅方向の両側面も、磁極部分層14Aのギャッ
プ層9側の面に垂直な方向に対して傾いている。すなわ
ち、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面と磁極部分
層14Aの幅方向の両側面とのなす角度θは、理論上
は、0°<θ<90°および90°<θ<180°
の範囲内の値となる。磁極部分層14Aの幅方向の両側
面は、各側面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面
とのなす角度が90°を超えるように傾いているのが好
ましい。すなわち、角度θは、90°<θ<180
°の範囲内の値であることが好ましい。角度θは、9
2〜110°であることがより好ましい。
【0069】ここで、図2に示した断面および図6に示
した断面において、非磁性層15の側面と非磁性層15
の磁極部分層14Aとは反対側の面とが交わる点をa
とし、磁極部分層14Aの側面と磁極部分層14Aの非
磁性層15側の面とが交わる点をbとし、磁極部分層
14Aの側面と磁極部分層14Aのギャップ層9側の面
とが交わる点をcとする。線分bの長さは、磁
極部分層14Aの膜厚dと前述の角度θを用いて、以
下の式(2)で表される。
【0070】 b=d/|sinθ| …(2)
【0071】従って、本実施の形態における線分b
の長さは、比較例における線分b の長さよりも
大きくなる。すなわち、磁極部分層14Aの幅方向の両
側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14Bが
磁気的に接続する部分の面積は、比較例に比べて本実施
の形態の方が大きくなる。また、|sinθ|が小さ
くなればなるほど、線分bの長さが大きくなり、
それと共に、磁極部分層14Aの側面において磁極部分
層14Aとヨーク部分層14Bが磁気的に接続する部分
の面積が大きくなる。これにより、磁極部分層14Aの
側面を介してヨーク部分層14Bから磁極部分層14A
へ効率よく磁束を導くことが可能になり、その結果、磁
極部分層14Aの媒体対向面側の端部より発生される、
記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可
能になる。
【0072】また、本実施の形態に係るヘッドにおい
て、媒体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面
の形状は、記録媒体の進行方向Tの後側(スライダにお
ける空気流入端側)に配置される下辺が上辺よりも小さ
い台形形状とするのが好ましい。これにより、本実施の
形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式に用いた
場合には、スキュー角が生じたときの記録トラック幅の
変化を抑えることができ、長手磁気記録方式に用いた場
合にはトラック幅をより縮小することが可能となる。媒
体対向面ABSに露出する磁極部分層14Aの面におい
て、磁極部分層14Aのギャップ層9側の辺と磁極部分
層14Aの幅方向の各辺とのなす角度は、92〜110
°であることがより好ましい。
【0073】また、本実施の形態では、ヨーク部分層1
4Bと磁気的に接続される磁極部分層14Aの後端面お
よび幅方向の両側面を含む断面において、ヨーク部分層
14Bの厚みは磁極部分層14Aの厚みよりも大きくな
っている。そのため、磁極部分層14Aとヨーク部分層
14Bとの接続部分の近傍において、ヨーク部分層14
B側での磁束の飽和を防止することができる。これによ
り、ヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ効率よ
く磁束を導くことが可能になり、その結果、磁極部分層
14Aの媒体対向面側の端部より発生される、記録媒体
の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能にな
る。
【0074】ここで、磁極部分層14Aの後端面および
幅方向の両側面において磁極部分層14Aとヨーク部分
層14Bとが磁気的に接続する部分におけるヨーク部分
層14Bの厚みをT、その接続部分における磁極部分
層14Aの厚みをT、ヨーク部分層14Bの飽和磁束
密度をBSY、磁極部分層14Aの飽和磁束密度をB
SPとすると、ヨーク部分層14B側での磁束の飽和を
防止するためには、以下の式(3)の関係となるのが好
ましい。
【0075】 T/T>BSP/BSY …(3)
【0076】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、垂
直磁気記録方式に用いるのに適している。この薄膜磁気
ヘッドを垂直磁気記録方式に用いる場合、第2の磁性層
14の磁極部分層14Aにおける第1の部分14A1
主磁極となり、第1の磁性層8の磁極部分が補助磁極と
なる。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直
磁気記録方式に用いる場合には、記録媒体としては2層
媒体と単層媒体のいずれをも使用することが可能であ
る。
【0077】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
第2の磁性層14が磁極部分層14Aとヨーク部分層1
4Bとを有し、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14
Aに磁束を導くための十分な体積を有し、また、磁極部
分層14Aの飽和磁束密度がヨーク部分層14Bの飽和
磁束密度以上であることから、第2の磁性層14の途中
における磁束の飽和を防止することができる。
【0078】また、本実施の形態では、薄膜コイル10
のうち磁性層8,14の間に配置された部分の第2の磁
性層14側の面は、媒体対向面ABSにおけるギャップ
層9の第2の磁性層14側の端部の位置および連結部1
4Cの上端部の位置よりも第1の磁性層8側の位置に配
置されている。そして、ヨーク部分層14Bは、連結部
14Cの上端部と磁極部分層14Aの後端面とを磁気的
に接続している。従って、ヨーク部分層14Bは、連結
部14Cと磁極部分層14Aとの間に短い磁気経路で且
つ強い磁気的結合を形成することができる。
【0079】これらのことから、本実施の形態によれ
ば、第2の磁性層14の磁極部分より発生される、記録
媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくし、且つ磁路長を
短縮して高周波特性を向上させることが可能になる。磁
極部分層14Aに高飽和磁束密度材を用いた場合には、
特に、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくするこ
とができ、保磁力の大きな記録媒体への記録も可能とな
る。
【0080】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
では、記録媒体の面に垂直な方向の磁界は長手方向の磁
界よりも大きく、ヘッドが発生する磁気エネルギを効率
よく、記録媒体に伝達することができる。従って、この
薄膜磁気ヘッドによれば、記録媒体の熱揺らぎの影響を
受けにくくして、線記録密度を高めることができる。
【0081】図1に示したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、第1の磁性層8を記録媒体の進行方
向Tの後側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにおける空
気流入端側)に配置し、第2の磁性層14を記録媒体の
進行方向Tの前側(薄膜磁気ヘッドを含むスライダにお
ける空気流出端側)に配置するのが好ましい。しかし、
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを垂直磁気記録方式
に用いる場合には、第1の磁性層8と第2の磁性層14
の配置は、上記の配置とは逆でもよい。
【0082】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の磁性層14のヨーク
部分層14Bは、その内部において連結部14Cの上端
部と磁極部分層14Aの後端面との間を最短距離で結ぶ
磁気経路が形成されるような形状を有している。これに
より、特に磁路長を短縮でき、高周波特性を向上させる
ことが可能になる。
【0083】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、媒体対向面ABSにおける
磁極部分層14Aと第1の磁性層8との間の距離は、連
結部14Cの厚み以上としている。そして、ヨーク部分
層14Bは、磁極部分層14Aの後端面との接続位置か
ら連結部14Cとの接続位置にかけて、徐々に第1の磁
性層8に近づいている。これにより、特に磁路長を短縮
でき、高周波特性を向上させることが可能になる。
【0084】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの少な
くとも一部は、第1の磁性層8側に突出する弧状に形成
されている。これにより、ヨーク部分層14Bの一部
が、薄膜コイル10に近くなり、薄膜コイル10によっ
て発生される磁界をヨーク部分層14Bで効率よく吸収
することが可能になる。
【0085】また、図3に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bは、磁
極部分層14Aの後端面と幅方向の両側面とに磁気的に
接続されている。これにより、磁極部分層14Aの体積
が小さくても、ヨーク部分層14Bと磁極部分層14A
との接続部分の面積を増やすことができ、この接続部分
における磁束の飽和を防止することができる。その結
果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層
14Aへ導くことができ、記録媒体に印加される磁界を
大きくすることができる。
【0086】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ヨーク部分層14Bの媒体
対向面ABS側の端部は、媒体対向面ABSから離れた
位置に配置されている。これにより、ヨーク部分層14
Bの媒体対向面ABS側の端部より発生される磁界によ
って記録媒体に情報の書き込みが生じることを防止する
ことができる。
【0087】また、図4に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのヨーク
部分層14Bと接する部分の幅は、磁極部分層14Aの
媒体対向面ABSにおける幅よりも大きくなっている。
これにより、磁極部分層14Aのヨーク部分層14Bと
接する部分の面積を大きくすることができ、この部分で
の磁束の飽和を防止することができる。その結果、磁束
を効率よくヨーク部分層14Bから磁極部分層14Aへ
導くことができ、且つ磁極部分層14Aの媒体対向面A
BSにおける露出面積を小さくすることで、記録媒体に
印加される磁界を大きくすることができる。
【0088】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
において、媒体対向面ABSから磁極部分層14Aの後
端面までの長さは2μm以上とすることにより、磁極部
分層14Aの厚みや幅を大きくすることなく、磁極部分
層14Aのヨーク部分層14Bと接する部分の面積を大
きくして、この部分での磁束の飽和を防止することがで
きる。その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14Bか
ら磁極部分層14Aへ導くことができる。
【0089】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、磁極部分層14Aのギャッ
プ層9とは反対側の面の全面に接する非磁性層15を備
えている。非磁性層15がない場合には、磁極部分層1
4Aをドライエッチングによって形成する際や、ヨーク
部分層14Bを電気めっき法によって形成する際に、磁
極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面がダメー
ジを受け、この面に例えば0.1〜0.3μm程度の凹
凸が生じる。本実施の形態では、非磁性層15を設けて
いることから、磁極部分層14Aをドライエッチングに
よって形成する際や、ヨーク部分層14Bを電気めっき
法によって形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ
層9とは反対側の面がダメージを受けることを防止で
き、その面を平坦にすることができる。特に、本実施の
形態では、非磁性層15を設けることにより、磁極部分
層14Aの後端面および幅方向の両側面と磁極部分層1
4Aの非磁性層15側の面とが交差するエッジ(図1に
おける点bや図2における点bを含むエッジ)を保
護することができ、磁極部分層14Aの後端面や幅方向
の両側面において磁極部分層14Aとヨーク部分層14
Bが磁気的に接続する部分の面積を十分に確保すること
ができる。また、本実施の形態では、非磁性層15が媒
体対向面ABSに露出しているので、媒体対向面ABS
において、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側
の端部を平坦に保つことができる。これにより、媒体対
向面ABSにおいて磁極部分層14Aより発生される磁
界を、トラックに交差する方向について均一化すること
ができる。その結果、記録媒体におけるビットパターン
形状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることがで
きる。
【0090】また、本実施の形態では、ヨーク部分層1
4Bの媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介
して磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の面に
隣接し、非磁性層15を介して磁極部分層14Aに磁気
的に接続されている。その結果、磁極部分層14Aのギ
ャップ層9とは反対側の面からも、非磁性層15を介し
てヨーク部分層14Bからも磁極部分層14Aの媒体対
向面ABS側へ磁束を導くことができる。
【0091】また、非磁性層15を、磁極部分層14A
を構成する材料、およびギャップ層9のうちの磁極部分
層14Aと接する部分を構成する材料よりもドライエッ
チングに対するエッチング速度が小さい材料で構成した
場合には、磁極部分層14Aをドライエッチングによっ
て形成する際に、磁極部分層14Aのギャップ層9とは
反対側の面がダメージを受けることを防止することがで
きる。
【0092】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイル10のうち第1
の磁性層8と第2の磁性層14の間に配置された部分
は、第1の磁性層8と第2の磁性層14の中間の位置よ
りも第1の磁性層8に近い位置に配置されている。これ
により、第2の磁性層14よりも体積の大きな第1の磁
性層8によって、薄膜コイル10から発生する磁界を効
率よく吸収でき、薄膜コイル10が第2の磁性層14に
近い場合に比べて、第1の磁性層8および第2の磁性層
14における磁界の吸収率を高めることができる。
【0093】また、図1に示したように、本実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層9は、形成時に
流動性を有する材料よりなり、少なくとも薄膜コイル1
0の巻線間に充填された第1の部分(絶縁層9B)と、
この第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が優れ
た材料よりなり、薄膜コイル10および第1の部分を覆
い、第1の磁性層8および第2の磁性層14に接する第
2の部分(絶縁層9A,9C)とを有している。ギャッ
プ層9の第2の部分は、媒体対向面ABSに露出してい
る。薄膜コイル10の巻線間に隙間なく非磁性材料を充
填することは、スパッタリング法では困難であるが、有
機系の材料のように流動性を有する非磁性材料を用いた
場合には容易である。しかし、有機系の材料は、ドライ
エッチングに対する耐性、耐食性、耐熱性、剛性等の点
で信頼性に乏しい。本実施の形態では、上述のように、
形成時に流動性を有する材料によって薄膜コイル10の
巻線間に充填された第1の部分(絶縁層9B)を形成
し、この第1の部分よりも耐食性、剛性および絶縁性が
優れた材料によって、薄膜コイル10および第1の部分
を覆い、第1の磁性層8および第2の磁性層14に接す
る第2の部分(絶縁層9A,9C)を形成するようにし
たので、薄膜コイル10の巻線間に隙間なく非磁性材料
を充填でき、且つギャップ層9の信頼性を高めることが
できる。
【0094】また、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
は、再生素子としてのMR素子5を備えている。これに
より、誘導型電磁変換素子を用いて再生を行う場合に比
べて、再生性能を向上させることができる。また、MR
素子5は、シールド層3,6によってシールドされてい
るので、再生時の分解能を向上させることができる。
【0095】次に、図7ないし図14を参照して、本実
施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明
する。
【0096】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次
に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次
に、下部シールド層3の上に、絶縁層4の一部となる絶
縁膜を形成し、この絶縁膜の上にMR素子5と、このM
R素子5に接続される図示しないリードとを形成する。
次に、MR素子5およびリードを、絶縁層4の他の一部
となる新たな絶縁膜で覆い、MR素子5およびリードを
絶縁層4内に埋設する。
【0097】次に、絶縁層4の上に上部シールド層6を
形成し、その上に非磁性層7を形成する。次に、この非
磁性層7の上に、第1の磁性層8を所定の形状に形成す
る。次に、図示しないが、非磁性層7および第1の磁性
層8をアルミナ等の非磁性材料で覆い、第1の磁性層8
が露出するまで非磁性材料を研磨して、第1の磁性層8
の上面を平坦化する。なお、図7ないし図14では、基
板1ないし非磁性層7を省略している。
【0098】次に、図7に示したように、第1の磁性層
8の上に、アルミナ等の非導電性且つ非磁性の材料をス
パッタして、絶縁層9Aを形成する。次に、周知のフォ
トリソグラフィ技術とドライエッチング技術とを用い
て、連結部14Cを形成すべき位置において、絶縁層9
Aにコンタクトホール9aを形成する。次に、周知のフ
ォトリソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっ
き法)を用いて、絶縁層9Aの上に薄膜コイル10を形
成する。次に、周知のフォトリソグラフィ技術を用い
て、少なくとも薄膜コイル10の巻線間に充填される絶
縁層9Bを形成する。
【0099】次に、図8に示したように、周知のフォト
リソグラフィ技術および成膜技術(例えば電気めっき
法)を用いて、コンタクトホール9aが形成された位置
において第1の磁性層8の上に連結部14Cを形成す
る。連結部14Cの厚みは、例えば2〜4μmとする。
次に、スパッタ法を用いて、薄膜コイル10、絶縁層9
A、絶縁層9Bおよび連結部14Cを覆うように絶縁層
9Cを形成する。この時点における絶縁層9Cの厚み
は、連結部14Cを十分に覆うことができる厚みであれ
ばよく、例えば5μmとする。
【0100】次に、図9に示したように、例えば化学機
械研磨を用いて、絶縁層9Cおよび連結部14Cの上面
を平坦化する。この時点で、第1の磁性層8の上面から
絶縁層9Cおよび連結部14Cの上面までの距離は、例
えば2〜4μmとする。なお、この時点では、必ずしも
連結部14Cを露出させる必要はなく、後の工程で露出
させてもよい。また、媒体対向面における絶縁層9Aお
よび絶縁層9Cの厚みの総和は、記録ヘッド(誘導型電
磁変換素子)のギャップ長となる。
【0101】次に、図10に示したように、絶縁層9C
および連結部14Cの上に、磁極部分層14Aを構成す
る材料よりなる被エッチング層14Aeを形成する。被
エッチング層14Aeの厚みは、好ましくは0.1〜
0.8μmとし、更に好ましくは0.3〜0.8μmと
する。被エッチング層14Aeの形成方法は、電気めっ
き法でもよいし、スパッタ法でもよい。被エッチング層
14Aeの表面の粗さが大きい場合(例えば、算術平均
粗さRaが12オングストローム以上の場合)の場合
は、化学機械研磨等によって被エッチング層14Aeの
表面を研磨して平坦化することが好ましい。
【0102】次に、被エッチング層14Aeの上に、非
磁性層15eを形成する。非磁性層15eの厚みは、好
ましくは0.5μm以下とする。
【0103】次に、図示しないが、非磁性層15eの上
に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を
形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材
料は例えば鉄−ニッケル合金とする。
【0104】次に、図11に示したように、上記電極層
の上に、磁極部分層14Aおよび非磁性層15の形状を
決定するためのマスク32を形成する。このマスク32
の厚みは1〜4μmとし、材料は例えば鉄−ニッケル合
金とする。マスク32の材料は、後で行われるドライエ
ッチングに対する耐性に優れた材料であることが好まし
い。マスク32の材料が鉄−ニッケル合金の場合には、
マスク32の形成方法としては、例えばフレームめっき
法が用いられる。また、マスク32はフォトレジストに
よって形成してもよい。この場合には、マスク32はフ
ォトリソグラフィ技術を用いて形成される。
【0105】次に、図12に示したように、マスク32
を用いて、イオンミリング等のドライエッチング技術に
よって、非磁性層15eおよび被エッチング層14Ae
をエッチングして、非磁性層15および磁極部分層14
Aの外形を決定する。また、このエッチングにより、媒
体対向面における磁極部分層14Aの幅を、トラック幅
の規格に一致するように規定してもよい。
【0106】本実施の形態では、上記のエッチングの際
に、磁極部分層14Aの後端面および両側面の少なくと
も一部に傾斜を付ける。このとき、媒体対向面に露出す
る磁極部分層14Aの面の形状も決定する。上記各面に
傾斜を付ける方法としては、例えば、エッチング方法と
してイオンミリングを用いる場合には、イオンの照射方
向を基板の面(非磁性層15および磁極部分層14Aの
面)に垂直な方向に対して傾いた方向から照射する方法
が挙げられる。磁極部分層14Aの後端面と両側面、お
よび媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面におけ
る磁極部分層14Aの幅方向の各辺が、磁極部分層14
Aのギャップ層9側の面となす角度は、全て92〜11
0゜であることが好ましい。この場合には、一度のエッ
チングで同時に、磁極部分層14Aの後端面と両側面、
および媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面の形
状を決定することができる。
【0107】エッチングは、図12に示した絶縁層9C
の斜面gの上端が、磁極部分層14Aの後端面と磁極部
分層14Aのギャップ層9側の面とが交わる位置と一致
したところで終了するとよい。このとき、マスク32
は、非磁性で、耐食性等の点で信頼性が十分にあれば残
っていてもよいし、不要ならば除去してもよい。
【0108】上記のエッチングにより、非磁性層15お
よび磁極部分層14Aの外形が決定されるのと同時に、
連結部14Cが露出する。なお、このときに連結部14
Cが露出するように、連結部14Cの厚みは予め所望の
厚み以上に大きくしておく。
【0109】次に、図示しないが、非磁性層15、絶縁
層9Cおよび連結部14Cの上に、スパッタ法により、
電気めっき法のための電極層を形成する。この電極層の
厚みは0.1μm以下とし、材料は例えば鉄−ニッケル
合金とし、下地にTi(チタン)を成膜してもよい。
【0110】次に、図13に示したように、上記電極層
の上に、フォトレジストによって、ヨーク部分層14B
の形状に対応した空隙部を有するレジストフレーム35
を形成する。
【0111】次に、図14に示したように、レジストフ
レーム35を用いて、電気めっき法(フレームめっき
法)によって、電極層の上にヨーク部分層14Bを形成
する。次に、レジストフレーム35を除去する。なお、
ヨーク部分層14Bは、リフトオフ法を用いて形成する
ことも可能であるが、ヨーク部分層14Bの形状を下地
の形状に追従させるためには電気めっき法を用いるのが
最も好ましい。
【0112】次に、図示しないが、電極層のうち、ヨー
ク部分層14Bの下に存在する部分以外の部分をドライ
エッチングで除去する。
【0113】次に、図1に示したように、第2の磁性層
14を覆うように保護層17を形成する。次に、保護層
17の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基板
を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの作
製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0114】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法によれば、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同
様の作用、効果の他に、以下のような作用、効果が得ら
れる。
【0115】本実施の形態では、磁極部分層14Aを形
成する工程は、ギャップ層9および連結部14Cの上
に、磁極部分層14Aを構成する材料よりなる被エッチ
ング層14Aeを形成する工程と、被エッチング層14
Aeをドライエッチングによって選択的にエッチングし
て、磁極部分層14Aの外形を決定すると共に連結部1
4Cを露出させる工程とを含む。本実施の形態では、被
エッチング層14Aeをドライエッチングすることによ
って、磁極部分層14Aの後端面から連結部14Cの上
端部にかけて緩やかな傾斜を持つように、ヨーク部分層
14Bの下地の形状が決定される。従って、この下地の
上にヨーク部分層14Bを形成することにより、連結部
14Cと磁極部分層14Aとの間を最短距離で結ぶ磁気
経路を形成することが可能になる。
【0116】また、本実施の形態において、被エッチン
グ層14Aeを形成する工程の後で、研磨により、被エ
ッチング層14Aeの上面を平坦化した場合には、媒体
対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層
9とは反対側の端部を完全に平坦化することができる。
これにより、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層14
Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向につ
いて均一化することができ、その結果、記録媒体におけ
るビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を向
上させることができる。
【0117】また、本実施の形態では、被エッチング層
14Aeを形成する工程の前に、研磨により、被エッチ
ング層14Aeの下地となる絶縁層9Cおよび連結部1
4Cの上面を平坦化している。これにより、媒体対向面
ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャップ層9側の
端部を平坦化することができる。また、被エッチング層
14Aeをスパッタ法によって形成する場合には、被エ
ッチング層14Aeの成膜時の膜厚均一性がよいため、
媒体対向面ABSにおいて、磁極部分層14Aのギャッ
プ層9とは反対側の端部も平坦化することができる。こ
れらのことから、媒体対向面ABSにおいて磁極部分層
14Aより発生される磁界を、トラックに交差する方向
について均一化することができ、その結果、記録媒体に
おけるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度
を向上させることができる。
【0118】また、本実施の形態において、磁極部分層
14Aを形成する工程は、被エッチング層14Aeを形
成し、被エッチング層14Aeの上に非磁性層15eを
形成し、非磁性層15eの上に、磁極部分層14Aの形
状に対応したマスク32を形成し、このマスク32を用
いて、非磁性層15eおよび被エッチング層14Aeを
エッチングして、磁極部分層14Aの外形を決定してい
る。従って、本実施の形態によれば、被エッチング層1
4Aeの上面を非磁性層15eで保護した状態で磁極部
分層14Aの外形を決定でき、磁極部分層14Aの後端
面および幅方向の両側面と磁極部分層14Aの非磁性層
15側の面とが交差するエッジを保護することができる
と共に、媒体対向面において磁極部分層14Aのギャッ
プ層9とは反対側の端部の平坦性を維持することができ
る。
【0119】また、本実施の形態において、ドライエッ
チングに対する耐性に優れたマスク32を用いた場合に
は、磁極部分層14Aを構成する材料がドライエッチン
グに対する耐性に優れている場合でも、マスク32を用
いたドライエッチングによって磁極部分層14Aの外形
を決定することが可能になる。
【0120】また、本実施の形態において、ヨーク部分
層14Bを形成する工程は、電気めっき法によってヨー
ク部分層14Bを形成してもよい。この場合には、ヨー
ク部分層14Bを容易に形成できると共に、ヨーク部分
層14Bを、その下地の形状によく追従した形状に形成
することが可能になる。
【0121】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
について説明する。まず、図15ないし図17を参照し
て、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について
説明する。図15は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の構成を示す断面図である。なお、図15は媒体対向面
および基板の面に垂直な断面を示している。また、図1
5において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を
表している。図16は図15のC−C線断面図である。
図17は図15に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜
視図である。
【0122】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第
1の実施の形態におけるヨーク部分層14Bのうち、非
磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に隣接する
部分を除いた構成になっている。本実施の形態では、ヨ
ーク部分層14Bの周囲には、アルミナ等の非導電性且
つ非磁性の材料よりなる保護層17Aが設けられてい
る。ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面
のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側
面において磁極部分層14Aに対して磁気的に接続され
る部分の近傍は、非磁性層15のギャップ層9とは反対
側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化されてい
る。そして、これらの平坦化された面の上に、第1の実
施の形態における保護層17と同様の保護層17Bが設
けられている。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのそ
の他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0123】次に、図18および図19を参照して、本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説
明する。なお、図18および図19では、基板1ないし
非磁性層7を省略している。本実施の形態に係る薄膜磁
気ヘッドの製造方法では、図14に示したように、ヨー
ク部分層14Bを形成する工程までは、第1の実施の形
態と同様である。
【0124】本実施の形態では、次に、図18に示した
ように、非磁性層15およびヨーク部分層14Bを覆う
ように保護層17Aを形成する。
【0125】次に、図19に示したように、例えば化学
機械研磨を用いて、非磁性層15が露出するまで保護層
17Aを研磨して、ヨーク部分層14Bのギャップ層9
とは反対側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面およ
び幅方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極
部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍
を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および
保護層17Aの上面と共に平坦化する。なお、図19で
は、ヨーク部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面
の一部のみが保護層17Aより露出しているが、ヨーク
部分層14Bのギャップ層9とは反対側の面の全体が保
護層17Aより露出するようにしてもよい。
【0126】次に、図15に示したように、積層面の全
体を覆うように保護層17Bを形成する。次に、保護層
17Bの上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基
板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの
作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0127】本実施の形態によれば、ヨーク部分層14
Bのギャップ層9とは反対側の面のうち、磁極部分層1
4Aの後端面および幅方向の両側面において磁極部分層
14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍を、非磁
性層15のギャップ層9とは反対側の面と共に平坦化し
たので、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体
の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能
になる。
【0128】本実施の形態におけるその他の作用および
効果は、第1の実施の形態ではヨーク部分層14Bが非
磁性層15を介して磁極部分層14Aの上面に対して磁
気的に接続されるのに対し、本実施の形態ではそれがな
いことによる違い以外は、第1の実施の形態と同様であ
る。
【0129】なお、本実施の形態では、非磁性層15を
設けずに、磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側
の面を保護層17Aの上面と共に平坦化してもよい。こ
の場合には、非磁性層15を設けなくとも、媒体対向面
において磁極部分層14Aのギャップ層9とは反対側の
端部の平坦性を維持することができる。
【0130】[第3の実施の形態]次に、本発明の第3
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
について説明する。まず、図20および図21を参照し
て、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について
説明する。図20は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の構成を示す断面図である。なお、図20は媒体対向面
および基板の面に垂直な断面を示している。また、図2
0において記号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を
表している。図21は図20のD−D線断面図である。
【0131】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
ヨーク部分層14Bは、第1の磁性層8と磁極部分層1
4Aのギャップ層9側の面とに接し、これらに対して磁
気的に接続された第1層14B1と、この第1層14B1
と磁極部分層14Aの後端面および幅方向の両側面とに
接し、これらに対して磁気的に接続された第2層14B
2とを含んでいる。
【0132】ヨーク部分層14Bの第1層14B1は、
コンタクトホール9aが形成された位置から媒体対向面
ABSに向けて、絶縁層9Cの媒体対向面ABSとは反
対側の端面の位置まで、第1の磁性層8および絶縁層9
Bの上に形成されている。コンタクトホール9aの位置
における第1層14B1の厚みは、絶縁層9Aと絶縁層
9Bの合計の厚みより大きく、例えば3μm以上であ
る。第1層14B1の媒体対向面ABS側の端部は、媒
体対向面ABSから例えば1.5μm以上離れた位置で
あって、磁極部分層14Aの後端面よりは媒体対向面A
BSに近い位置に配置されている。第1層14B1を構
成する磁性材料は、例えば鉄−ニッケル系合金すなわち
パーマロイでもよいし、高飽和磁束密度材でもよい。
【0133】ヨーク部分層14Bの第1層14B1にお
ける媒体対向面ABS側の一部および絶縁層9Cの上面
は平坦化されている。磁極部分層14Aは、この平坦化
された第1層14B1および絶縁層9Cの上面の上に形
成されている。従って、ヨーク部分層14Bの第1層1
4B1は、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面の一
部に接し、これに対し磁気的に接続されている。
【0134】ヨーク部分層14Bの第2層14B2は、
第1層14B1および非磁性層15の上に配置されてい
る。第2層14B2は、第1層14B1と磁極部分層14
Aの後端面および幅方向の両側面とに接し、これらに対
して磁気的に接続されている。また、第2層14B2
媒体対向面ABS側の一部は、非磁性層15を介して磁
極部分層14Aの上面に隣接し、非磁性層15を介して
磁極部分層14Aに磁気的に接続されている。ヨーク部
分層14Bの第2層14B2の厚みは、例えば0.5〜
2μmである。第2層14B2を構成する磁性材料は、
例えば鉄−ニッケル系合金すなわちパーマロイでもよい
し、高飽和磁束密度材でもよい。
【0135】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのその
他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0136】次に、図22ないし図29を参照して、本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説
明する。なお、図22ないし図29では、基板1ないし
非磁性層7を省略している。本実施の形態に係る薄膜磁
気ヘッドの製造方法では、図7に示したように、絶縁層
9Bを形成する工程までは、第1の実施の形態と同様で
ある。
【0137】本実施の形態では、次に、図22に示した
ように、周知のフォトリソグラフィ技術および成膜技術
(例えば電気めっき法)を用いて、コンタクトホール9
aが形成された位置から媒体対向面ABSに向けて所定
の位置まで、第1の磁性層8および絶縁層9Bの上にヨ
ーク部分層14Bの第1層14B1を形成する。この時
点で、第1層14B1の形状は、例えば、厚みが3μm
以上、奥行き(媒体対向面ABSに垂直な方向の長さ)
が2〜10μm、幅が5〜20μmである。
【0138】次に、図23に示したように、スパッタ法
を用いて、絶縁層9A、絶縁層9Bおよびヨーク部分層
14Bの第1層14B1を覆うように絶縁層9Cを形成
する。この時点で、絶縁層9Cの厚みは、第1層14B
1の厚み以上とする。
【0139】次に、図24に示したように、例えば化学
機械研磨を用いて、ヨーク部分層14Bの第1層14B
1が露出するまで絶縁層9Cの表面を研磨して、絶縁層
9Cおよび第1層14B1の上面を平坦化する。この時
点で、第1の磁性層8の上面から絶縁層9Cの上面まで
の距離は、例えば3〜6μmとする。
【0140】次に、図25に示したように、絶縁層9C
および第1層14B1の上に、第1の実施の形態と同様
の被エッチング層14Aeおよび非磁性層15eを順に
形成する。
【0141】次に、図示しないが、非磁性層15eの上
に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を
形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材
料は例えば鉄−ニッケル合金とする。
【0142】次に、図26に示したように、上記電極層
の上に、第1の実施の形態と同様に、磁極部分層14A
および非磁性層15の形状を決定するためのマスク32
を形成する。
【0143】次に、図27に示したように、マスク32
を用いて、イオンミリング等のドライエッチング技術に
よって、非磁性層15eおよび被エッチング層14Ae
をエッチングして、非磁性層15および磁極部分層14
Aの外形を決定する。第1の実施の形態と同様に、上記
のエッチングの際には、磁極部分層14Aの後端面およ
び両側面の少なくとも一部に傾斜を付ける。このとき、
媒体対向面に露出する磁極部分層14Aの面の形状も決
定する。マスク32は、非磁性で、耐食性等の点で信頼
性が十分にあれば残っていてもよいし、不要ならば除去
してもよい。
【0144】次に、図示しないが、非磁性層15、絶縁
層9Cおよびヨーク部分層14Bの第1層14B1の上
に、スパッタ法により、電気めっき法のための電極層を
形成する。この電極層の厚みは0.1μm以下とし、材
料は例えば鉄−ニッケル合金とし、下地にTi(チタ
ン)を成膜してもよい。
【0145】次に、図28に示したように、上記電極層
の上に、フォトレジストによって、ヨーク部分層14B
の第2層14Bの形状に対応した空隙部を有するレジ
ストフレーム35を形成する。
【0146】次に、図29に示したように、レジストフ
レーム35を用いて、電気めっき法(フレームめっき
法)によって、電極層の上にヨーク部分層14Bの第2
層14Bを形成する。次に、レジストフレーム35を
除去する。
【0147】次に、図示しないが、電極層のうち、ヨー
ク部分層14Bの第2層14Bの下に存在する部分以
外の部分をドライエッチングで除去する。
【0148】次に、図20に示したように、第2の磁性
層14を覆うように保護層17を形成する。次に、保護
層17の上に配線や端子等を形成し、スライダ単位で基
板を切断し、媒体対向面ABSの研磨、浮上用レールの
作製等を行って、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0149】本実施の形態では、ヨーク部分層14B
は、磁極部分層14Aのギャップ層9側の面でも磁極部
分層14Aに対して磁気的に接続されている。従って、
本実施の形態によれば、磁極部分層14Aとヨーク部分
層14Bとの磁気的な接続部分の面積を大きくすること
ができ、その結果、磁束を効率よくヨーク部分層14B
から磁極部分層14Aへ導くことができる。
【0150】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は第1の実施の形態と同様である。
【0151】[第4の実施の形態]次に、本発明の第4
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
について説明する。まず、図30を参照して、本実施の
形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図
30は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成を示す
断面図である。なお、図30は媒体対向面および基板の
面に垂直な断面を示している。また、図30において記
号Tで示す矢印は、記録媒体の進行方向を表している。
【0152】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第
3の実施の形態におけるヨーク部分層14Bの第2層1
4B2のうち、非磁性層15を介して磁極部分層14A
の上面に隣接する部分を除いた構成になっている。本実
施の形態では、第2層14B 2の周囲には、アルミナ等
の非導電性且つ非磁性の材料よりなる保護層17Aが設
けられている。第2層14B2のギャップ層9とは反対
側の面のうち、磁極部分層14Aの後端面および幅方向
の両側面において磁極部分層14Aに対して磁気的に接
続される部分の近傍は、非磁性層15のギャップ層9と
は反対側の面および保護層17Aの上面と共に平坦化さ
れている。そして、これらの平坦化された面の上に、第
2の実施の形態と同様に保護層17Bが設けられてい
る。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのその他の構成
は、第3の実施の形態と同様である。
【0153】次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法について説明する。本実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの製造方法では、図29に示したように、ヨ
ーク部分層14Bの第2層14B2を形成する工程まで
は、第3の実施の形態と同様である。
【0154】本実施の形態では、次に、非磁性層15お
よび第2層14B2を覆うように保護層17Aを形成す
る。次に、例えば化学機械研磨を用いて、非磁性層15
が露出するまで保護層17Aを研磨して、第2層14B
2のギャップ層9とは反対側の面のうち、少なくとも磁
極部分層14Aに対して磁気的に接続される部分の近傍
を、非磁性層15のギャップ層9とは反対側の面および
保護層17Aの上面と共に平坦化する。なお、図30で
は、第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面の一
部のみが保護層17Aより露出しているが、第2層14
2のギャップ層9とは反対側の面の全体が保護層17
Aより露出するようにしてもよい。次に、図30に示し
たように、積層面の全体を覆うように保護層17Bを形
成する。次に、保護層17Bの上に配線や端子等を形成
し、スライダ単位で基板を切断し、媒体対向面ABSの
研磨、浮上用レールの作製等を行って、薄膜磁気ヘッド
が完成する。
【0155】本実施の形態によれば、ヨーク部分層14
Bの第2層14B2のギャップ層9とは反対側の面のう
ち、少なくとも磁極部分層14Aに対して磁気的に接続
される部分の近傍を、非磁性層15のギャップ層9とは
反対側の面と共に平坦化したので、磁極部分より発生さ
れる磁界のうち、記録媒体の面に垂直な方向の成分の割
合を大きくすることが可能になる。
【0156】本実施の形態におけるその他の作用および
効果は、第3の実施の形態ではヨーク部分層14Bの第
2層14B2が非磁性層15を介して磁極部分層14A
の上面に対して磁気的に接続されるのに対し、本実施の
形態ではそれがないことによる違い以外は、第3の実施
の形態と同様である。
【0157】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、種々の変更が可能である。例えば、各実施の形態
では、ヨーク部分層14Bは、磁極部分層14Aの後端
面および幅方向の両側面に磁気的に接続されているが、
磁極部分層14Aの後端面と幅方向の両側面のうち、い
ずれか一方にのみ磁気的に接続されていてもよい。
【0158】また、本発明では、磁極部分層14Aのヨ
ーク部分層14Bとの接続面の少なくとも一部が、磁極
部分層14Aのギャップ層側の面に垂直な方向に対して
傾いていればよい。従って、例えば、上記接続面は湾曲
していてもよい。この場合には、点c,cにおける
角度θ,θは90°であってもよい。なお、接続面
は湾曲している場合には、「接続面の少なくとも一部を
含む断面」は、接続面の少なくとも一部に接する断面と
いうことになる。
【0159】また、本発明は、垂直磁気記録方式に用い
られる薄膜磁気ヘッドに限らず、長手磁気記録方式に用
いられる薄膜磁気ヘッドにも適用することができる。長
手磁気記録方式の場合には、ギャップ層が薄いため、磁
極部分層のギャップ層側のエッジからギャップ層へ磁束
が漏れやすく、そのため、記録媒体に印加される磁界が
小さくなる。一方、ヨーク部分層からの磁界を効率よく
磁極部分層が吸収するためには、磁極部分層の体積が大
きいことが必要である。そこで、本発明のように、磁極
部分層のヨーク部分層との接続面を、この接続面と磁極
部分層のギャップ層側の面とのなす角度が90°を超え
るように傾ければ、磁極部分層のギャップ層側の面の面
積を大きくすることなく、磁極部分層の体積を増加させ
ることができる。すなわち、磁極部分層からギャップ層
への磁束の漏れを抑えながら、ヨーク部分層からの磁界
を効率よく磁極部分層によって吸収することが可能にな
る。
【0160】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし1
1のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドによれば、第2の
磁性層が磁極部分層とヨーク部分層とを有するようにし
たので、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させる
ことなくトラック幅を縮小することが可能になる。ま
た、本発明によれば、磁極部分層のヨーク部分層との接
続面の少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の
面に垂直な方向に対して傾いていることから、接続面が
磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて接
続面の面積が大きくなり、接続面を介してヨーク部分層
から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能にな
る。これらのことから、本発明によれば、磁極部分より
発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きく
することができ、且つ記録密度を向上させることができ
るという効果を奏する。
【0161】また、請求項2記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、接続面の少なくとも一部は、接続面の少なくとも
一部と磁極部分層のギャップ層側の面とのなす角度が9
0°を超えるように傾いているので、ヨーク部分層が磁
極部分層のギャップ層とは反対側の面においても磁極部
分層に対して磁気的に接続される場合に、磁極部分層と
ヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくな
り、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を
導くことが可能になるという効果を奏する。
【0162】また、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、接続面の少なくとも一部を含む断面において、ヨ
ーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みよりも大きいの
で、磁極部分層とヨーク部分層との接続部分の近傍にお
いて、ヨーク部分層側での磁束の飽和を防止することが
できる。従って、本発明によれば、接続面を介してヨー
ク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可
能になり、その結果、磁極部分より発生される、記録媒
体の面に垂直な方向の磁界を大きくすることが可能にな
るという効果を奏する。
【0163】また、請求項4または5記載の薄膜磁気ヘ
ッドによれば、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギ
ャップ層とは反対側の面において、磁極部分層に対して
磁気的に接続されているので、磁極部分層とヨーク部分
層が磁気的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク
部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが
可能になるという効果を奏する。
【0164】また、請求項6または7記載の薄膜磁気ヘ
ッドによれば、更に、磁極部分層のギャップ層とは反対
側の面の全面に接する非磁性層を備えたので、磁極部分
層のギャップ層とは反対側の面が、薄膜磁気ヘッドの製
造工程においてダメージを受けることを防止でき、その
面を平坦に保つことができる。そのため、本発明によれ
ば、媒体対向面において、磁極部分層のギャップ層とは
反対側の端部を平坦に保ち、媒体対向面において磁極部
分層より発生される磁界を、トラックに交差する方向に
ついて均一化することができ、その結果、記録媒体にお
けるビットパターン形状の歪みを抑えて、線記録密度を
向上させることができるという効果を奏する。
【0165】また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層のギャップ層とは反対側の面のう
ち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅
方向の両側面のうちの少なくとも一部において磁極部分
層に対して磁気的に接続される部分の近傍は、非磁性層
のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化されているの
で、磁極部分より発生される磁界のうち、記録媒体の面
に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが可能にな
るという効果を奏する。
【0166】また、請求項8記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層のギャップ層
側の面において、磁極部分層に対して磁気的に接続され
ているので、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続
する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部
分層へより効率よく磁束を導くことが可能になるという
効果を奏する。
【0167】また、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨーク部分層の飽
和磁束密度以上であるので、第2の磁性層の途中におけ
る磁束の飽和を防止することができるという効果を奏す
る。
【0168】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、再生素子としての磁気抵抗効果素子を備えたの
で、誘導型電磁変換素子を用いて再生を行う場合に比べ
て、再生性能を向上させることができるという効果を奏
する。
【0169】また、請求項11記載の薄膜磁気ヘッドに
よれば、この薄膜磁気ヘッドが垂直磁気記録方式に用い
られるようにしたので、記録媒体の熱揺らぎの影響を受
けにくくして、線記録密度を高めることができるという
効果を奏する。
【0170】また、請求項12ないし20のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性
層が磁極部分層とヨーク部分層とを有するようにしたの
で、記録媒体に印加される磁界の強度を低下させること
なくトラック幅を縮小することが可能になる。また、本
発明によれば、磁極部分層のヨーク部分層との接続面の
少なくとも一部が、磁極部分層のギャップ層側の面に垂
直な方向に対して傾いて配置されることから、接続面が
磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な場合に比べて接
続面の面積が大きくなり、接続面を介してヨーク部分層
から磁極部分層へ効率よく磁束を導くことが可能にな
る。これらのことから、本発明によれば、磁極部分より
発生される、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きく
することができ、且つ記録密度を向上させることができ
るという効果を奏する。
【0171】また、請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、接続面の少なくとも一部は、接続面
の少なくとも一部と磁極部分層のギャップ層側の面との
なす角度が90°を超えるように傾いて配置されるの
で、ヨーク部分層が磁極部分層のギャップ層とは反対側
の面においても磁極部分層に対して磁気的に接続される
場合に、磁極部分層とヨーク部分層が磁気的に接続する
部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層から磁極部分層
へより効率よく磁束を導くことが可能になるという効果
を奏する。
【0172】また、請求項14記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、接続面の少なくとも一部を含む断面
において、ヨーク部分層の厚みは磁極部分層の厚みより
も大きいので、磁極部分層とヨーク部分層との接続部分
の近傍において、ヨーク部分層側での磁束の飽和を防止
することができる。従って、本発明によれば、接続面を
介してヨーク部分層から磁極部分層へ効率よく磁束を導
くことが可能になり、その結果、磁極部分より発生され
る、記録媒体の面に垂直な方向の磁界を大きくすること
が可能になるという効果を奏する。
【0173】また、請求項15または16記載の薄膜磁
気ヘッドの製造方法によれば、ヨーク部分層は、更に、
磁極部分層のギャップ層とは反対側の面において、磁極
部分層に対して磁気的に接続されるので、磁極部分層と
ヨーク部分層が磁気的に接続する部分の面積が大きくな
り、ヨーク部分層から磁極部分層へより効率よく磁束を
導くことが可能になるという効果を奏する。
【0174】また、請求項17または18記載の薄膜磁
気ヘッドの製造方法によれば、更に、磁極部分層のギャ
ップ層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を形成す
る工程を備えたので、磁極部分層のギャップ層とは反対
側の面が、薄膜磁気ヘッドの製造工程においてダメージ
を受けることを防止でき、その面を平坦に保つことがで
きる。そのため、本発明によれば、媒体対向面におい
て、磁極部分層のギャップ層とは反対側の端部を平坦に
保ち、媒体対向面において磁極部分層より発生される磁
界を、トラックに交差する方向について均一化すること
ができ、その結果、記録媒体におけるビットパターン形
状の歪みを抑えて、線記録密度を向上させることができ
るという効果を奏する。
【0175】また、請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、ヨーク部分層のギャップ層とは反対
側の面のうち、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端
面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部におい
て磁極部分層に対して磁気的に接続される部分の近傍
は、非磁性層のギャップ層とは反対側の面と共に平坦化
されるので、磁極部分より発生される磁界のうち、記録
媒体の面に垂直な方向の成分の割合を大きくすることが
可能になるという効果を奏する。
【0176】また、請求項19記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、ヨーク部分層は、更に、磁極部分層
のギャップ層側の面において、磁極部分層に対して磁気
的に接続されるので、磁極部分層とヨーク部分層が磁気
的に接続する部分の面積が大きくなり、ヨーク部分層か
ら磁極部分層へより効率よく磁束を導くことが可能にな
るという効果を奏する。
【0177】また、請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、磁極部分層の飽和磁束密度は、ヨー
ク部分層の飽和磁束密度以上であるので、第2の磁性層
の途中における磁束の飽和を防止することができるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの構成を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1に示した薄膜磁気ヘッドの媒体対向面を示
す正面図である。
【図4】図1に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す斜視
図である。
【図5】比較例の薄膜磁気ヘッドの構成を示す断面図で
ある。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図8】図7に続く工程を示す断面図である。
【図9】図8に続く工程を示す断面図である。
【図10】図9に続く工程を示す断面図である。
【図11】図10に続く工程を示す断面図である。
【図12】図11に続く工程を示す断面図である。
【図13】図12に続く工程を示す断面図である。
【図14】図13に続く工程を示す断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの構成を示す断面図である。
【図16】図15のC−C線断面図である。
【図17】図15に示した薄膜磁気ヘッドの要部を示す
斜視図である。
【図18】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図19】図18に続く工程を示す断面図である。
【図20】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの構成を示す断面図である。
【図21】図20のD−D線断面図である。
【図22】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を示す断面図である。
【図23】図22に続く工程を示す断面図である。
【図24】図23に続く工程を示す断面図である。
【図25】図24に続く工程を示す断面図である。
【図26】図25に続く工程を示す断面図である。
【図27】図26に続く工程を示す断面図である。
【図28】図27に続く工程を示す断面図である。
【図29】図28に続く工程を示す断面図である。
【図30】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
3…下部シールド層、4…絶縁層、5…MR素子、6…
上部シールド層、7…非磁性層、8…第1の磁性層、9
…ギャップ層、9A,9B,9C…絶縁層、10…薄膜
コイル、14…第2の磁性層、14A…磁極部分層、1
4B…ヨーク部分層、14C…連結部、15…非磁性
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乘附 康之 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D033 AA05 BA07 BA12 BB43 CA01 DA31 5D034 AA03 AA05 BA02 BB01 DA07

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する媒体対向面と、 記録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに
    対向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記
    媒体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結
    された第1および第2の磁性層と、 非磁性材料よりなり、前記第1の磁性層と第2の磁性層
    との間に設けられたギャップ層と、 少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、
    前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
    設けられた薄膜コイルとを備え、 前記第2の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面にお
    ける幅がトラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極
    部分と前記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部
    分層とを有し、 前記ヨーク部分層は、前記磁極部分層の媒体対向面とは
    反対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも
    一部において、前記磁極部分層に対して磁気的に接続さ
    れ、 前記磁極部分層の前記ヨーク部分層との接続面の少なく
    とも一部は、前記磁極部分層の前記ギャップ層側の面に
    垂直な方向に対して傾いていることを特徴とする薄膜磁
    気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記接続面の少なくとも一部は、前記接
    続面の少なくとも一部と前記磁極部分層の前記ギャップ
    層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いてい
    ることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記接続面の少なくとも一部を含む断面
    において、前記ヨーク部分層の厚みは前記磁極部分層の
    厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1または2記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部
    分層の前記ギャップ層とは反対側の面において、前記磁
    極部分層に対して磁気的に接続されていることを特徴と
    する請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層
    とは反対側の面に接する非磁性層を備え、前記ヨーク部
    分層は、前記非磁性層を介して前記磁極部分層の前記ギ
    ャップ層とは反対側の面に隣接し、前記非磁性層を介し
    て前記磁極部分層に磁気的に接続されていることを特徴
    とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 更に、前記磁極部分層の前記ギャップ層
    とは反対側の面の全面に接する非磁性層を備えたことを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記ヨーク部分層の前記ギャップ層とは
    反対側の面のうち、前記磁極部分層の媒体対向面とは反
    対側の端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一
    部において前記磁極部分層に対して磁気的に接続される
    部分の近傍は、前記非磁性層の前記ギャップ層とは反対
    側の面と共に平坦化されていることを特徴とする請求項
    6記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極部
    分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分層
    に対して磁気的に接続されていることを特徴とする請求
    項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記磁極部分層の飽和磁束密度は、前記
    ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であることを特徴とす
    る請求項1ないし8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 更に、再生素子としての磁気抵抗効果
    素子を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 垂直磁気記録方式に用いられることを
    特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 記録媒体に対向する媒体対向面と、記
    録媒体の進行方向の前後に所定の間隔を開けて互いに対
    向するように配置された磁極部分を含むと共に、前記媒
    体対向面から離れた位置において互いに磁気的に連結さ
    れた第1および第2の磁性層と、非磁性材料よりなり、
    前記第1の磁性層と第2の磁性層との間に設けられたギ
    ャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁
    性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁
    された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、前記第2
    の磁性層は、磁極部分を含み、媒体対向面における幅が
    トラック幅を規定する磁極部分層と、前記磁極部分と前
    記第1の磁性層とを磁気的に接続するヨーク部分層とを
    有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記ギャップ層を形成する工程と、 前記薄膜コイルを形成する工程と、 ヨーク部分層が、磁極部分層の媒体対向面とは反対側の
    端面および幅方向の両側面のうちの少なくとも一部にお
    いて、磁極部分層に対して磁気的に接続され、且つ、磁
    極部分層のヨーク部分層との接続面の少なくとも一部が
    磁極部分層のギャップ層側の面に垂直な方向に対して傾
    いて配置されるように、磁極部分層とヨーク部分層とを
    有する前記第2の磁性層を形成する工程とを備えたこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記接続面の少なくとも一部は、前記
    接続面の少なくとも一部と前記磁極部分層の前記ギャッ
    プ層側の面とのなす角度が90°を超えるように傾いて
    配置されることを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記接続面の少なくとも一部を含む断
    面において、前記ヨーク部分層の厚みは前記磁極部分層
    の厚みよりも大きいことを特徴とする請求項12または
    13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極
    部分層の前記ギャップ層とは反対側の面において、前記
    磁極部分層に対して磁気的に接続されることを特徴とす
    る請求項12ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 更に、前記磁極部分層の前記ギャップ
    層とは反対側の面に接する非磁性層を形成する工程を備
    え、前記ヨーク部分層は、前記非磁性層を介して前記磁
    極部分層の前記ギャップ層とは反対側の面に隣接し、前
    記非磁性層を介して前記磁極部分層に磁気的に接続され
    ることを特徴とする請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  17. 【請求項17】 更に、前記磁極部分層の前記ギャップ
    層とは反対側の面の全面に接する非磁性層を形成する工
    程を備えたことを特徴とする請求項12ないし15のい
    ずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第2の磁性層を形成する工程は、
    前記非磁性層を形成する工程の後で、前記ヨーク部分層
    のうちの少なくとも前記磁極部分層に対して磁気的に接
    続される部分を形成する工程と、前記非磁性層およびヨ
    ーク部分層を覆うように保護層を形成する工程と、前記
    非磁性層が露出するまで前記保護層を研磨して、前記ヨ
    ーク部分層の前記ギャップ層とは反対側の面のうち、前
    記磁極部分層の媒体対向面とは反対側の端面および幅方
    向の両側面のうちの少なくとも一部において前記磁極部
    分層に対して磁気的に接続される部分の近傍を、前記非
    磁性層の前記ギャップ層とは反対側の面と共に平坦化す
    る工程とを含むことを特徴とする請求項17記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ヨーク部分層は、更に、前記磁極
    部分層の前記ギャップ層側の面において、前記磁極部分
    層に対して磁気的に接続されることを特徴とする請求項
    12ないし18のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  20. 【請求項20】 前記磁極部分層の飽和磁束密度は、前
    記ヨーク部分層の飽和磁束密度以上であることを特徴と
    する請求項12ないし19のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
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