JP3949149B2 - 垂直磁気記録ヘッドおよび磁気記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた垂直磁気記録ヘッド、ならびに垂直磁気記録ヘッドを搭載した磁気記録装置に関する。
近年、例えばハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)の面記録密度の向上に伴い、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載される薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。この薄膜磁気ヘッドの記録方式としては、例えば、信号磁界の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)に設定する長手記録方式や、信号磁界の向きを記録媒体の面と直交する方向に設定する垂直記録方式が知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、記録媒体の面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッド(以下、単に「垂直磁気記録ヘッド」という。)は、主に、記録用の磁束を発生する薄膜コイルと、エアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層とを備えている。この垂直磁気記録ヘッドでは、薄膜コイルが通電されることにより記録用の磁束が発生すると、磁極層の先端から磁束が放出されることにより記録用の磁界(垂直磁界)が発生するため、その垂直磁界により記録媒体の表面が磁化される。これにより、記録媒体に情報が磁気的に記録される。
この薄膜磁気ヘッドの性能向上に関しては、日々益々要求が高まる一方である。このような技術的背景を考慮して、最近では、薄膜磁気ヘッドの性能向上を実現し得る方策として、例えば、上記したように記録方式を長手記録方式から垂直記録方式へ変更する他、記録処理を担う磁極層の磁区構造を適正化する試みが検討されている。具体的には、例えば、磁束伝播を円滑化することにより良好な記録性能を確保するために、後端側から先端側に向かって磁区が絞り込まれた環流磁区構造を有する磁極層を備えた薄膜磁気ヘッドが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−328615号公報
ところで、垂直磁気記録ヘッドの作動特性を確保するためには、例えば、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制するために、この観点においても磁極層の磁区構造を適正化する必要がある。この「非記録時における意図しない情報の消去」とは、非記録時、すなわち薄膜コイルが通電されていない状態(記録用の磁束が発生していない状態)において、記録用の磁束の放出部分である磁極層の磁区構造に起因して、その磁極層中に残留している磁束(残留磁化)がエアベアリング面から漏洩することにより、記録媒体に記録済みの情報が意図せずに消去される不具合である。しかしながら、従来は、上記したように、磁極層の磁区構造が磁束伝播の円滑化に影響を与えることは既知であったが、非記録時における意図しない情報の消去の発生メカニズムと磁極層の磁区構造との間の因果関係に関しては十分な知見が得られていなかったため、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制する上で、磁極層の磁区構造を如何に設定すべきであるかが課題となっていた。したがって、垂直磁気記録ヘッドの作動特性を確保するためには、磁極層の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することが可能な技術の確立が望まれるところである。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、磁極層の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することが可能な垂直磁気記録ヘッドおよび磁気記録装置を提供することにある。
本発明の第1の垂直磁気記録ヘッドは、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第2の幅W2と第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしているものである。また、本発明の第2の垂直磁気記録ヘッドは、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしているものである。
本発明の第の垂直磁気記録ヘッドは、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層と、磁極層のトレーリング側においてエアベアリング面から後方に向かって延在し、エアベアリング面から遠い側において磁極層に連結されたリターンヨーク層と、磁極層とリターンヨーク層との間のエアベアリング面に近い領域に、ギャップ層により磁極層から隔てられるように設けられたライトシールド層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第2の幅W2と第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしているものである。また、本発明の第4の垂直磁気記録ヘッドは、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層と、磁極層のトレーリング側においてエアベアリング面から後方に向かって延在し、エアベアリング面から遠い側において磁極層に連結されたリターンヨーク層と、磁極層とリターンヨーク層との間のエアベアリング面に近い領域に、ギャップ層により磁極層から隔てられるように設けられたライトシールド層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしているものである。
本発明の第1の垂直磁気記録ヘッドでは、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1および第1の長さL1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅および第2の長さL2を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3および第3の長さL3を有する第3の磁極層部分とを含み、比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たすと共に比W2/W3がW2/W3≦0.7の関係を満たし、または比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たすと共に総和L1+L2が0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たすように磁極層が構成されている。この場合には、磁極層の形状磁気異方性に基づいて、記録時における磁束の放出方向と交差する方向の磁化成分が支配的となるように磁極層の磁区構造が決定される。これにより、非記録時において磁極層から不要な磁束が漏洩しにくくなるように、その磁極層の磁区構造が適正化される。
本発明の第1の磁気記録装置は、記録媒体と、その記録媒体に情報を記録する垂直磁気記録ヘッドとを搭載し、垂直磁気記録ヘッドが、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第2の幅W2と第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしているものである。また、本発明の第2の磁気記録装置は、磁束を発生する薄膜コイルと、記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体に導く磁極層と、磁極層のトレーリング側においてエアベアリング面から後方に向かって延在し、エアベアリング面から遠い側において磁極層に連結されたリターンヨーク層と、磁極層とリターンヨーク層との間のエアベアリング面に近い領域に、ギャップ層により磁極層から隔てられるように設けられたライトシールド層とを備え、磁極層が、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分とを含み、第1、第2および第3の磁極層部分が、磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、第3の幅W3と第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしているものである。
本発明に係る磁気記録装置では、上記した垂直磁気記録ヘッドを搭載しているため、その垂直磁気記録ヘッドにおいて、非記録時において不要な磁束が漏洩しにくくなるように磁極層の磁区構造が適正化される。
本発明の第1または第2の垂直磁気記録ヘッドでは、第3の幅W3と第3の長さL3との間の比W3/L3がW3/L3>1.0の関係を満たしているのが好ましい。
また、本発明の第1または第2の垂直磁気記録ヘッドでは、磁極層のエアベアリング面への露出面が、トレーリング側に位置する長辺およびリーディング側に位置する短辺をそれぞれ上底および下底とする台形状をなしていてもよい。
また、本発明の第1または第2の垂直磁気記録ヘッドでは、さらに、磁極層のトレーリング側においてエアベアリング面から後方に向かって延在し、エアベアリング面に近い側においてギャップ層により磁極層から隔てられると共に、エアベアリング面から遠い側において磁極層に連結された磁性層を備えていてもよい。この場合には、磁性層が、ギャップ層により磁極層から隔てられた第1の磁性層部分と、第1の磁性層部分のトレーリング側においてエアベアリング面から後方に向かって延在し、エアベアリング面に近い側において第1の磁性層部分に連結されると共に、エアベアリング面から遠い側において磁極層に連結された第2の磁性層部分とを含んでいてもよい。特に、磁性層のエアベアリング面への露出面における最大幅が、磁極層のエアベアリング面への露出面における最大幅よりも大きいと共に、磁極層のエアベアリング面への露出面におけるトレーリング側の幅が0.2μm以下であり、磁性層のエアベアリング面への露出面の面積が7μm2 以上であるのが好ましい。
本発明の第1または第2の垂直磁気記録ヘッドでは、ライトシールド層が、エアベアリング面に露出すると共にリターンヨーク層に連結されていてもよい。
本発明の第3または第4の磁気記録装置では、記録媒体が、積層された磁化層および軟磁性層を含んでいてもよい。
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドによれば、エアベアリング面から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1および第1の長さL1を有する第1の磁極層部分と、第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅および第2の長さL2を有する第2の磁極層部分と、第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3および第3の長さL3を有する第3の磁極層部分とを含み、比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たすと共に比W2/W3がW2/W3≦0.7の関係を満たし、または比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たすと共に総和L1+L2が0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たすように磁極層が構成されているので、非記録時において不要な磁束が漏洩しにくくなるように磁極層の磁区構造が適正化される。したがって、磁極層の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。
本発明に係る磁気記録装置によれば、上記した垂直磁気記録ヘッドを搭載しているので、その垂直磁気記録ヘッドにおいて非記録時において不要な磁束が漏洩しにくくなるように磁極層の磁区構造が適正化される。したがって、磁極層の磁区構造が適正化された垂直磁気記録ヘッドを搭載し、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録ヘッドを備えた薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1〜図4は薄膜磁気ヘッドの構成を表しており、図1は全体の断面構成を示し、図2は主要部の平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を示し、図3は主要部の露出面の平面構成(Y軸方向から見た平面構成)を示し、図4は主要部の断面構成を模式的に示している。図1のうち、(A)はエアベアリング面に平行な断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、(B)はエアベアリング面に垂直な断面構成(YZ面に沿った断面構成)を示している。なお、図1および図4に示した上向きの矢印Mは、薄膜磁気ヘッドに対して記録媒体50が相対的に移動する方向(媒体進行方向)を示している。また、図4では、薄膜磁気ヘッドと共に、その薄膜磁気ヘッドにより磁気的処理が施される記録媒体50を併せて示している。
以下の説明では、図1〜図4に示したX軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「長さ」、Z軸方向の寸法を「厚さまたは高さ」とそれぞれ表記する。この「幅」とは、いわゆる記録トラック幅方向の幅である。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面に近い側を「前方」、その反対側を「後方」と表記する。これらの表記内容は、後述する図5以降においても同様とする。
この薄膜磁気ヘッドは、例えば、図1〜図4に示したように、媒体進行方向Mに移動する例えばハードディスクなどの記録媒体50に磁気的処理を施すために、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載されるものである。具体的には、薄膜磁気ヘッドは、例えば、磁気的処理として記録処理および再生処理の双方を実行可能な複合型ヘッドであり、図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)などのセラミック材料により構成された基板1上に、例えば酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という。)などの非磁性絶縁性材料により構成された絶縁層2と、磁気抵抗(MR;Magneto-resistive )効果を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部100Aと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁材料により構成された分離層7と、垂直記録方式の記録処理を実行する記録ヘッド部100Bと、例えばアルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されたオーバーコート層17とがこの順に積層された積層構造を有している。
再生ヘッド部100Aは、例えば、下部リードシールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とがこの順に積層された構造を有している。このシールドギャップ膜4には、記録媒体50に対向するエアベアリング面40に一端面が露出するように、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、いずれもMR素子6を周辺から磁気的に分離するものであり、エアベアリング面40から後方に向かって延在している。この下部リードシールド層3は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe(例えばNi:80重量%,Fe:20重量%);以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)などの磁性材料により構成されており、その厚さは約1.0μm〜2.0μmである。上部リードシールド層5は、例えば、パーマロイなどの磁性材料により構成された上部リードシールド層部分5Aと、ルテニウム(Ru)やアルミナなどの非磁性材料により構成された非磁性層5Bと、パーマロイなどの磁性材料により構成された上部リードシールド層部分5Cとがこの順に積層された積層構造(3層構造)を有している。なお、上部リードシールド層5は必ずしも積層構造を有している必要はなく、単層構造を有していてもよい。
シールドギャップ膜4は、MR素子6を周辺から電気的に分離するものであり、例えばアルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗(GMR;Giant Magneto-resistive )効果またはトンネル磁気抵抗(TMR;Tunneling Magneto-resistive )効果などを利用して磁気的処理(再生処理)を実行するものである。
記録ヘッド部100Bは、例えば、絶縁層9,11により周囲を埋設された磁極層20と、磁気連結用の開口(バックギャップ12BG)が設けられたギャップ層12と、絶縁層15により被覆された薄膜コイル14と、磁性層30とがこの順に積層された積層構造を有する垂直磁気記録ヘッドであり、いわゆるシールド型ヘッドである。なお、図2では、薄膜磁気ヘッドのうちの主要部として、記録ヘッド部100Bのうちの薄膜コイル14、磁極層20および磁性層30のみを抜粋して示している。
磁極層20は、薄膜コイル14において発生した記録用の磁束を収容し、その磁束を記録媒体50に向けて放出することにより磁気的処理(記録処理)を実行するものであり、より具体的には、垂直記録方式の記録処理を実行するために、記録媒体50がその表面と直交する方向に磁化されるように磁束を記録媒体50に導くものである。この磁極層20は、薄膜コイル14に対してリーディング側に配置されており、エアベアリング面40から後方に向かって延在し、具体的にはギャップ層12に設けられたバックギャップ12BGに対応する位置まで延在している。この「リーディング側」とは、図1および図4に示した媒体進行方向Mに向かって移動する記録媒体50の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流入する側(媒体進行方向M側と反対側)をいい、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における下側をいう。これに対して、流れの流出する側(媒体進行方向M側)は「トレーリング側」と呼ばれ、ここでは厚さ方向における上側をいう。
この磁極層20は、例えば、図1に示したように、絶縁層9により周囲を埋設された補助磁極層8と、絶縁層11により周囲を埋設された主磁極層10とがこの順に積層された積層構造を有しており、すなわちリーディング側に補助磁極層8が配置され、トレーリング側に主磁極層10が配置された2層構造を有している。
補助磁極層8は、主要な磁束の収容部分として機能するものであり、主磁極層10に隣接して連結されている。この補助磁極層8は、例えば、エアベアリング面40よりも後退した位置から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されている。この鉄コバルト系合金としては、例えば、鉄コバルト合金(FeCo)や鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などが挙げられる。なお、上記した「連結」とは、物理的に接触して連結され、かつ磁気的に導通可能に連結されていることを意味しており、この「連結」の意味するところは、以降の説明においても同様である。特に、補助磁極層8と主磁極層10との間の構造的関係に関して上記した「物理的に接触」とは、補助磁極層8と主磁極層10との間に如何なる層も存在しておらず、すなわち補助磁極層8と主磁極層10とが文字通りに互いに隣接し合うことにより直接的に接触している場合と共に、例えば、めっき処理を使用して主磁極層10が形成されている場合において、そのめっき処理のプロセス的要因に起因して主磁極層10の下地層としてシード層(例えば約50.0nm厚のチタン(Ti)、ルテニウム(Ru)またはタンタル(Ta)等)が設けられており(補助磁極層8と主磁極層10との間にシード層が介在しており)、すなわち補助磁極層8と主磁極層10とがシード層を介して間接的に接触している場合も含む意である。この補助磁極層8は、例えば、図2に示したように、幅W4を有する矩形型の平面形状を有している。
主磁極層10は、主要な磁束の放出部分として機能するものであり、補助磁極層8に隣接して連結されている。この主磁極層10は、例えば、エアベアリング面40から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、補助磁極層8と同様に、鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されている。
特に、主磁極層10は、エアベアリング面40に露出した露出面10Mを有しており、その露出面10Mは、例えば、図3に示したように、トレーリング側に位置する上端縁E1と、リーディング側に位置する下端縁E2と、2つの側端縁E3とにより規定された平面形状を有している。具体的には、露出面10Mは、例えば、トレーリング側からリーディング側に向かって次第に幅が狭まる形状を有しており、すなわち幅W1を有する上端縁E1(いわゆるトレーリングエッジTE;長辺)および幅W1よりも小さな幅W6(W6<W1;短辺)を有する下端縁E2(いわゆるリーディングエッジLE)をそれぞれ上底および下底とする左右対象の逆台形状をなしている。この主磁極層10の上端縁E1(トレーリングエッジTE)は、磁極層20のうちの実質的な記録箇所であり、その上端縁E1の幅W1は、約0.2μm以下である。また、露出面10Mの平面形状に関して、下端縁E2の延在方向と側端縁E3との間の角度θは、例えば、90°未満の範囲内において自由に設定可能である。なお、主磁極層10の詳細な構成に関しては、後述する(後述する図5参照)。
絶縁層9は、補助磁極層8を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。また、絶縁層11は、主磁極層10を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
ギャップ層12は、磁極層20と磁性層30との間を磁気的に分離するためのギャップを構成するものである。このギャップ層12は、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料やルテニウム(Ru)などの非磁性導電性材料により構成されており、その厚さは約40.0nmである。
薄膜コイル14は、記録用の磁束を発生するものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されている。この薄膜コイル14は、例えば、図1および図2に示したように、バックギャップ12BGを中心として巻回された巻線構造(スパイラル構造)を有している。なお、図1および図2では、薄膜コイル14を構成している複数の巻線のうちの一部のみを示している。
絶縁層15は、薄膜コイル14を被覆して周辺から電気的に分離するものであり、バックギャップ12BGを塞がないようにギャップ層12上に配置されている。この絶縁層15は、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG;Spin On Glass )などの非磁性絶縁性材料により構成されており、絶縁層15の端縁近傍部分は、その端縁に向けて落ち込むように丸みを帯びた斜面を構成している。この絶縁層15の最前端の位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの他の1つである「スロートハイトゼロ位置TP」であり、エアベアリング面40とスロートハイトゼロ位置TPとの間の距離は、いわゆる「スロートハイトTH」である。
磁性層30は、磁極層20から放出された磁束の広がり成分を取り込むことにより、垂直磁界の勾配を増大させると共に、記録後の磁束(記録処理に利用された磁束)を取り込むことにより、記録ヘッド部100Bと記録媒体50との間において磁束を循環させるものである。この磁性層30は、薄膜コイル14のトレーリング側、すなわち磁極層20のトレーリング側に配置されており、エアベアリング面40から後方に向かって延在することにより、そのエアベアリング面40に近い側においてギャップ層12により磁極層20から隔てられていると共に、エアベアリング面40から遠い側においてバックギャップ12BGを通じて磁極層20に連結されている。
この磁性層30は、エアベアリング面40に露出した露出面30Mを有している。この露出面30Mは、例えば、図3に示したように、高さH5および幅W5を有しており、矩形状(面積S)をなしている。この露出面30Mにおける最大幅(幅W5)は、例えば、露出面10Mにおける最大幅(幅W1)よりも大きくなっている(W5>W1)。また、例えば、上記したように主磁極層10の上端縁E1(トレーリングエッジTE)の幅W1が0.2μm以下であるとき、露出面30Mの面積Sは、約7μm2 以上、好ましくは約12.25μm2 以上、より好ましくは約70μm2 以上である
特に、磁性層30は、例えば、互いに別体をなすライトシールド層13(第1の磁性層部分)およびリターンヨーク層16(第2の磁性層部分)を含み、これらのライトシールド層13およびリターンヨーク層16が互いに連結された構造を有している。
ライトシールド層13は、上記した磁束の広がり成分を取り込む機能を有している。なお、ライトシールド層13は、リターンヨーク層16と同様に、上記した記録後の磁束を取り込む機能を担う場合もある。このライトシールド層13は、磁極層20とリターンヨーク層16との間のエアベアリング面40に近い領域に、ギャップ層12により磁極層20から隔てられるように設けられている。すなわち、ライトシールド層13は、例えば、図1に示したように、ギャップ層12に隣接することにより、そのギャップ層12により磁極層20から隔てられながら、エアベアリング面40からそのエアベアリング面40とバックギャップ12BGとの間の位置、具体的にはエアベアリング面40と薄膜コイル14との間の位置まで延在している。このライトシールド層13は、例えば、パーマロイまたは鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されており、例えば、図2に示したように、補助磁極層8の幅W4よりも大きな幅W5(W5>W4)を有する矩形状の平面形状を有している。このライトシールド層13には、薄膜コイル14を埋設している絶縁層15が隣接しており、すなわちライトシールド層13は、絶縁層15の最前端の位置(エアベアリング面40に最も近い端縁の位置;スロートハイトゼロ位置TP)を規定することにより、そのスロートハイトゼロ位置TPに基づいてスロートハイトTHを規定する役割を担っている。
リターンヨーク層16は、上記した記録後の磁束を取り込む機能を有している。このリターンヨーク層16は、例えば、図1に示したように、ライトシールド層13のトレーリング側においてエアベアリング面40から後方のバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、エアベアリング面40に近い側においてライトシールド層13に連結されていると共に、エアベアリング面40から遠い側においてバックギャップ12BGを通じて磁極層20に連結されている。このリターンヨーク層16は、例えば、ライトシールド層13と同様に、パーマロイまたは鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されており、図2に示したように、幅W5を有する矩形状の平面形状を有している。
なお、記録媒体50は、例えば、図4に示したように、積層された磁化層51および軟磁性層52を含んでおり、その磁化層51がエアベアリング面40に対向されるように配置されている。磁化層51は、情報が磁気的に記録されるものであり、軟磁性層52は、磁束の流路(いわゆるフラックスパス)として機能するものである。これらの磁化層51および軟磁性層52を含む記録媒体50は、一般に、垂直記録用の「二層記録媒体」と呼ばれている。
次に、図4および図5を参照して、主磁極層10の詳細な構成について説明する。図5は、主磁極層10の平面構成を表しており、図2に対応している。
主磁極層10は、例えば、図4および図5示したように、略羽子板型の平面形状を有している。すなわち、主磁極層10は、例えば、エアベアリング面40から後方に向かって順に、記録媒体50の記録トラック幅を規定する幅W1(第1の幅)を有する先端部10A(第1の磁極層部分)と、幅W1からその幅W1よりも大きな幅W2(第2の幅;W2>W1)まで次第に拡がる幅を有する中間部10B(第2の磁極層部分)と、幅W2よりも大きな幅W3(第3の幅;W3>W2)を有する後端部10C(第3の磁極層部分)とを含み、これらの先端部10A、中間部10Bおよび後端部10Cが互いに連結されることにより一体化された構造を有している。この主磁極層10の幅が先端部10Aから中間部10Bへ拡がる位置、すなわち主磁極層10の幅が記録媒体50の記録トラック幅を規定する幅W1から拡がり始める位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つである「フレアポイントFP」である。なお、図1および図2では、例えば、スロートハイトゼロ位置TPがフレアポイントFPに一致している場合を示している。
先端部10Aは、薄膜コイル14において発生した記録用の磁束を実質的に記録媒体50に向けて放出する部分であり、長さL1を有している。この「長さ」とは、磁極層の延在方向における長さである。この先端部10Aは、全体に渡って幅W1を有しており、すなわち先端部10Aの幅W1は、全体に渡って一定である。
中間部10Bは、補助磁極層8に収容された磁束を先端部10Aへ供給する部分であり、長さL2を有している。この中間部10Bの幅は、幅W1から幅W2まで次第に拡がっており、すなわち中間部10Bは、先端部10Aとの連結箇所において幅W1を有していると共に、後端部10Cとの連結箇所において幅W2を有している。この中間部10Bは、幅の拡がりに応じて次第に離間されるように延在する2つの側端縁10BEを有しており、その側端縁10BEは、例えば、直線状に延在している。この中間部10Bの拡がり角度、すなわち先端部10Aの延在方向(Y軸方向)と中間部10Bの側端縁10BEとの間の角度θは、約45°以下、好ましくは約30°〜45°である。
後端部10Cは、中間部10Bと同様に、補助磁極層8に収容された磁束を先端部10Aへ供給する部分であり、長さL3を有している。この後端部10Cは、全体に渡って幅W3を有しており、すなわち後端部10Cの幅W3は、全体に渡って一定である。特に、後端部10Cの幅W3は、例えば、補助磁極層8の幅W4(図2参照)に一致していると共に(W3=W4)、磁性層30(ライトシールド層13,リターンヨーク層16)の幅W5(図2参照)よりも小さくなっている(W3<W5)。
特に、主磁極層10では、垂直記録方式の記録ヘッド部100Bの作動特性を確保することを目的として、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制する上で、例えば、以下で説明するように、主磁極層10の磁区構造を適正化するために、その主磁極層10の各部寸法が適正化されている。
第1に、後端部10Cの幅W3と、先端部10Aの長さL1、中間部10Bの長さL2および後端部10Cの長さL3の総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)は、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしている。この寸法関係に基づき、主磁極層10の全体の幅(=W3)は、その主磁極層10の全体の長さ(=L1+L2+L3)以上となっており(W3≧(L1+L2+L3))、すなわち主磁極層10は、全体として概ね横長(Y軸方向よりもX軸方向において長い形状)の平面形状を有している。なお、図2および図5では、例えば、W3/(L1+L2+L3)>1.0の関係が成立している場合を示している。
第2に、後端部10Cの幅W3とその後端部10Cの長さL3との間の比W3/L3は、W3/L3≧1.0の関係を満たしている。この寸法関係に基づき、後端部10Cの幅W3は、その後端部10Cの長さL3以上となっており(W3≧L3)、すなわち後端部10Cは、全体として概ね横長(Y軸方向よりもX軸方向において長い長方形状)の平面形状を有している。なお、図2および図5では、例えば、W3/L3>1.0の関係が成立している場合を示している。
第3に、中間部10Bの幅W2と後端部10Cの幅W3との間の比W2/W3は、W2/W3≦0.7の関係を満たしている。この寸法関係に基づき、中間部10Bの幅W2は、後端部10Cの幅W3の0.7倍以下となっており、すなわち主磁極層10の幅は、中間部10Bと後端部10Cとの連結箇所において局所的に狭まっている。なお、比W2/W3は、さらに、W2/W3≦0.37の関係を満たしているのがより好ましい。
第4に、先端部10Aの長さL1および中間部10Bの長さL2の総和L1+L2は、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしている。この寸法関係に基づき、後端部10Cは、エアベアリング面40から0.5μm〜5.0μmだけ後退している。なお、総和L1+L2は、さらに、0.7μm≦(L1+L2)≦4.0μmの関係を満たしているのがより好ましい。
なお、上記した主磁極層10の各部寸法の一例を挙げておくと、幅W1=約0.1μm〜0.2μm,長さL1=0.1μm〜0.3μm,幅W3=約15.0μm〜30.0μm,総和L1+L2+L3=約15.0μm〜30.0μmである。
次に、図1〜図5を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録時において、図示しない外部回路から記録ヘッド部100Bのうちの薄膜コイル14に電流が流れると、その薄膜コイル14において記録用の磁束J(図参照)が発生する。このとき発生した磁束Jは、磁極層20(補助磁極層8,主磁極層10)に収容されたのち、その磁極層20内を主磁極層10のうちの先端部10Aへ向けて流れる。この際、磁極層20内を流れる磁束は、その磁極層20の幅の減少に伴い、フレアポイントFPにおいて絞り込まれて集束するため、先端部10Aのうちの露出面10MにおいてトレーリングエッジTE近傍に集中する。このトレーリングエッジTE近傍に集中した磁束Jが外部へ放出されると、記録媒体50の表面と直交する方向(垂直方向)に記録用の磁界(垂直磁界)が発生することにより、その垂直磁界により磁化層50が垂直方向に磁化されるため、記録媒体50に情報が磁気的に記録される。
この磁極層20から磁束Jが放出される際には、磁束Jの広がり成分がライトシールド層13に取り込まれるため、その磁束Jの広がりが抑制されることにより垂直磁界の勾配が増大する。このライトシールド層13に取り込まれた磁束Jは、バックギャップ12BGを通じて磁極層20に再供給される。
なお、情報の記録時には、磁極層20から記録媒体50に向けて磁束Jが放出されると、その磁束Jが磁化層51を磁化したのちに軟磁性層52を経由することによりリターンヨーク層16に取り込まれる。この際、磁束Jの一部は、ライトシールド層13においても取り込まれる。これらのライトシールド層13およびリターンヨーク層16に取り込まれた磁束Jは、やはりバックギャップ12BGを通じて磁極層20に再供給される。これにより、記録ヘッド部100Bと記録媒体50との間において磁束Jが循環するため、磁気回路が構築される。
一方、情報の再生時においては、再生ヘッド部100AのMR素子6にセンス電流が流れると、記録媒体50からの再生用の信号磁界に応じてMR素子6の抵抗値が変化する。このMR素子6の抵抗変化がセンス電流の変化として検出されるため、記録媒体50に記録されている情報が磁気的に再生される。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、エアベアリング面40から後方に向かって順に、記録媒体50の記録トラック幅を規定する幅W1を有する先端部10Aと、幅W1からその幅W1よりも大きな幅W2(W2>W1)まで次第に拡がる幅を有する中間部10Bと、幅W2よりも大きな幅W3(W3>W2)を有する後端部10Cとを含むように主磁極層10を構成している。この場合には、例えば、上記したように、比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たすように主磁極層10を構成すれば、以下の理由により、主磁極層10の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。
図6は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの構成を説明するためのものであり、図5に対応している。図7は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する磁区構造を説明するためのものであり、図5に対応している。図8は、比較例の薄膜磁気ヘッドに関する磁区構造を説明するためのものであり、図6に対応している。図9は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する利点を説明するためのものであり、図7に対応している。図10は、比較例の薄膜磁気ヘッドに関する問題点を説明するためのものであり、図8に対応している。なお、図9および図10では、記録媒体50を簡略化して示している。
この比較例の薄膜磁気ヘッドは、図6に示したように、主磁極層10(先端部10A(幅W1,長さL1),中間部10B(幅W2,長さL2),後端部10C(幅W3,長さL3))に対応する主磁極層100(先端部100A(幅W101,長さL101),中間部100B(幅W102,長さL102),後端部100C(幅W103,長さL103))を備え、中間部100Bの幅W102が後端部100Cの幅W103に等しくなっていると共に(W102=W103)、比W103/(L101+L102+L103)がW103/(L101+L102+L103)<1.0の関係を満たしている点を除き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(図1〜図5参照)と同様の構成を有している。
比較例の薄膜磁気ヘッドでは、図6に示したように、比W103/(L101+L102+L103)がW103/(L101+L102+L103)<1.0の関係を満たしている寸法関係に起因して、主磁極層100が全体として縦長(X軸方向よりもY軸方向において長い形状)の平面形状を有しているため、その縦長の主磁極層100の形状磁気異方性に基づいて磁区構造が決定される。具体的には、例えば、図8に示したように、主磁極層100の磁区構造中において、X軸に平行な磁化成分100Xの占有割合よりもY軸に平行な磁化成分100Yの占有割合が大きくなり、すなわち記録時における磁束の放出方向(Y軸方向)と平行な方向の磁化成分100Yが支配的となるように主磁極層100の磁区構造が決定される。
この場合には、図10に示したように、情報の記録時において主磁極層100から記録媒体50に記録用の磁束Jが供給されたのち、情報の記録後において磁束Jの供給が中断された場合に、磁化成分100Yが支配的な主磁極層100の磁区構造に起因して、その主磁極層100が記録直後に磁気弾性効果の影響を受けやすくなるため、主磁極層100中に残留している磁束Jが非記録時において不要磁束UJ1として外部へ漏洩しやすくなる。これにより、不要磁束UJ1に基づいて不要な磁界が発生しやすくなるため、記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されやすくなる。
また、情報の記録時において主磁極層100から記録媒体50に磁束Jが供給されたのち、情報の記録後において磁束Jが記録媒体50を経由したのちにリターン磁束RJとして薄膜磁気ヘッドへ環流された場合に、そのリターン磁束RJが主磁極層100に取り込まれると、磁化成分100Yが支配的な主磁極層100の磁区構造に起因して、その主磁極層100に取り込まれたリターン磁束RJが不要磁束UJ2として記録媒体50に再び供給されやすくなる。しかも、非記録時において主磁極層100と記録媒体50との間において磁束Jが循環しやすくなり、すなわち図10中に矢印付きの閉ループ(磁気的閉ループ)Rで示したように、主磁極層100と記録媒体50との間において不要磁束UJ2の発生量および発生範囲がいずれも大きくなる。これにより、不要磁束UJ2に基づいて不要な磁界が発生しやすくなるため、やはり記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されやすくなる。
このことから、比較例の薄膜磁気ヘッドでは、不要磁束UJ1,UJ2に起因して記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されることを抑制する観点において、主磁極層100の磁区構造が適正化されないため、その主磁極層100の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することが困難である。
これに対して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、図5に示したように、比W3/(L1+L2+L3)がW3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしている寸法関係に基づき、主磁極層10が全体として概ね横長(概ねY軸方向よりもX軸方向において長い形状)の平面形状を有しているため、その概ね横長の主磁極層10の形状磁気異方性に基づいて磁区構造が決定される。具体的には、例えば、図7に示したように、主磁極層10の磁区構造中において、Y軸に平行な磁化成分10Yの占有割合よりもX軸に平行な磁化成分10Xの占有割合が大きくなり、すなわち記録時における磁束の放出方向(Y軸方向)と交差する方向の磁化成分10Xが支配的となるように主磁極層10の磁区構造が決定される。
この場合には、図9に示したように、情報の記録時において主磁極層10から記録媒体50に記録用の磁束Jが供給されたのち、情報の記録後において磁束Jの供給が中断された場合に、磁化成分10Xが支配的な主磁極層10の磁区構造に基づいて、その主磁極層10が記録直後に磁気弾性効果の影響を受けにくくなるため、主磁極層10中に残留している磁束Jが非記録時において不要磁束UJ1として外部へ漏洩しにくくなる。これにより、不要磁束UJ1に基づいて不要な磁界が発生しにくくなるため、記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されにくくなる。
また、情報の記録時において主磁極層10から記録媒体50に磁束Jが供給されたのち、情報の記録後において磁束Jが記録媒体50を経由したのちにリターン磁束RJとして薄膜磁気ヘッドへ環流された場合に、そのリターン磁束RJが主磁極層10に取り込まれると、磁化成分10Xが支配的な主磁極層10の磁区構造に基づいて、その主磁極層10に取り込まれたリターン磁束RJが不要磁束UJ2として記録媒体50に再び供給されにくくなる。しかも、非記録時において主磁極層10と記録媒体50との間において磁束Jが循環しにくくなり、すなわち図9中に矢印付きの閉ループ(磁気的閉ループ)Rで示したように、主磁極層10と記録媒体50との間において不要磁束UJ2の発生量および発生範囲がいずれも小さくなる。これにより、不要磁束UJ2に基づいて不要な磁界が発生しにくくなるため、やはり記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されにくくなる。
したがって、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、不要磁束UJ1,UJ2に起因して記録媒体50に記録済みの情報が意図せずに消去されることを抑制する観点において、主磁極層10の磁区構造が適正化されるため、その主磁極層10の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができるのである。
特に、本実施の形態では、上記したように、エアベアリング面40から後方に向かって順に、先端部10A(幅W1)、中間部10B(幅W2)および後端部10C(幅W3)を含むように主磁極層10を構成したので、中間部10Bと後端部10Cとの間において磁束の収容容積(いわゆる磁気ボリューム)に大きな差異が生じる。すなわち、中間部10Bの磁気ボリュームが後端部10Cの磁気ボリュームよりも著しく小さくなると共に、中間部10Bの磁気ボリュームが後端部10Cから先端部10Aに近づくにしたがって次第に小さくなる。この場合には、記録用の磁束が主磁極層10の内部を流れる際に、磁気ボリュームが大きな後端部10Cに十分な量の磁束が収容されると、その十分な量の磁束が後端部10Cと中間部10Bとの間の磁気ボリュームの差異に応じて絞り込まれながら後端部10Cから中間部10Bに流入したのち、その磁束がさらに中間部10Bを経由する過程において磁気ボリュームの減少に伴って次第に絞り込まれながら先端部10Aへ流入する。これにより、後端部10Cに十分な量の磁束が収容された場合においても、磁束飽和を生じさせないように後端部10Cから先端部10Aまで必要十分な量の磁束が供給されるため、薄膜磁気ヘッドの記録性能のうちの1つであるオーバーライト特性が確保され、すなわち必要に応じて記録媒体50に情報を磁気的に上書きすることが可能となる。したがって、本実施の形態では、上記したように、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる上、オーバーライト特性を確保することができる。
また、本実施の形態では、比W3/L3がW3/L3≧1.0の関係を満たすように主磁極層10を構成したので、上記したように、主磁極層10のうちの大部分を占める後端部10Cが概ね横長(概ねY軸方向よりもX軸方向において長い長方形状)の平面形状を有する。この場合には、主磁極層10のうちの大部分を占める後端部10Cの形状磁気異方性に基づいて、その主磁極層10の磁区構造が決定される。したがって、この観点においても、磁化成分10Xが支配的となるように主磁極層10の磁区構造を適正化することができる。
また、本実施の形態では、比W2/W3がW2/W3≦0.7の関係を満たすように主磁極層10を構成したので、上記したように、主磁極層10の幅が中間部10Bと後端部10Cとの連結箇所において局所的に狭まる。この場合には、主磁極層10の内部を記録用の磁束が後端部10Cから中間部10Bへ流れる際に、その磁束が中間部10Bと後端部10Cとの連結箇所において局所的に絞り込まれるため、後端部10Cから中間部10Bへ流入する磁束の量が、主磁極層10の内部において磁束飽和が生じにくくなると共に、後端部10Cに収容された磁束が中間部10Bを経由せずにエアベアリング面40から外部へ直接的に放出されにくくなるように調整される。したがって、上記したように主磁極層10の磁区構造を適正化する他、比W2/W3を適正化することによっても、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。
また、本実施の形態では、総和L1+L2が0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たすように主磁極層10を構成したので、上記したように、後端部10Cがエアベアリング面40から0.5μm〜5.0μmだけ後退する。この場合には、大きな磁気ボリュームを有する後端部10Cの後退位置が、その後端部10Cに収容された磁束が中間部10Bを経由せずにエアベアリング面40から外部へ直接的に放出されにくくなると共に、後端部10Cから中間部10Bを経由して先端部10Aまで必要十分な量の磁束が供給されるように調整される。したがって、上記したように主磁極層10の磁区構造を適正化する他、比W2/W3を適正化することによっても、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。また、上記したようにエアベアリング面40から後方に向かって順に先端部10A(幅W1)、中間部10B(幅W2)および後端部10C(幅W3)を含むように主磁極層10を構成する他、総和L1+L2を適正化することによっても、オーバーライト特性を確保することができる。
また、本実施の形態では、主磁極層10の露出面10Mにおける上端縁E1(トレーリングエッジTE)の幅W1が0.2μm以下であり、磁性層30の露出面30Mの面積Sが7μm2 以上であるようにしたので、エアベアリング面40近傍において磁性層30の磁気ボリューム(磁束収容量)が十分に大きくなる。この場合には、記録後の磁束が磁性層30において集中しにくくなるため、その磁性層30において不要な磁界が発生しにくくなる。このときの不要な磁界とは、垂直磁界と反対方向の磁界であり、記録媒体50に記録された記録パターンを消去したり、あるいは記録パターンの品質を劣化させるものである。したがって、意図しない情報の消去を抑制することができる。この場合には、特に、面積Sが12.25μm2 以上、さらには70μm2 以上であれば、記録パターンの品質を確保することができる。
なお、本実施の形態では、図5に示したように、エアベアリング面40から後方に向かって順に、先端部10A(幅W1,長さL1)、中間部10B(幅W2,長さL2)および後端部10C(幅W3,長さL3)を含むように主磁極層10を構成したが、その主磁極層10の各部寸法(幅W1〜W3,長さL1〜L3)は、上記した一連の寸法関係(W1<W2<W3,W3/(L1+L2+L3)≧1.0,W3/L3≧1.0,W2/W3≦0.7,0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μm)を満たす限りにおいて、自由に設定可能である。具体的な一例を挙げておくと、上記実施の形態では、図5に示したように、比W3/L3がW3/L3>1.0の関係を満たすように主磁極層10を構成することにより、その後端部10Cが横長(Y軸方向よりもX軸方向において長い長方形状)の平面形状を有するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図11に示したように、比W3/L3がW3/L3=1.0の関係を満たすように主磁極層10を構成することにより、その後端部10Cが正方形状の平面形状を有するようにしてもよい。この場合においても、上記実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、図11に示した主磁極層10の構成に関する上記以外の特徴は、図5に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図5に示したように、中間部10Bのうちの2つの側端縁10BEがいずれも直線状に延在するように主磁極層10を構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図12に示したように、中間部10Bのうちの2つの側端縁10BEがいずれも曲線状に延在するように主磁極層を10を構成してもよい。この場合においても、上記実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。なお、図12に示した主磁極層10の構成に関する上記以外の特徴は、図5に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図5に示したように、中間部10Bのうちの2つの側端縁10BEがいずれも全体に渡って直線状に延在し、すなわち中間部10Bの幅が2つの側端縁10BEの拡がりに伴って連続的に大きくなるように主磁極層10を構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、中間部10Bのうちの2つの側端縁10BEが段階的に折れ曲がりながら直線状に延在し、すなわち中間部10Bの幅が2つの側端縁10BEの段階的な折れ曲がりに伴って不連続的に大きくなるように主磁極層10を構成してもよい。具体的には、例えば、図13に示したように、2つの側端縁10BEがいずれも1箇所において折れ曲がり、すなわち中間部10Bの幅が2つの側端縁10BEの折れ曲がり箇所に基づいて2段階に渡って大きくなるように主磁極層10を構成してもよい。この場合においても、上記実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。確認までに説明しておくと、上記した2つの側端縁10BEのうちの折れ曲がり箇所の数は、図13に示した1つに限らず、2つ以上であってもよい。なお、図13に示した主磁極層10の構成に関する上記以外の特徴は、図5に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図5に示したように、後端部10Cの両側前方に角部10CKを有するように主磁極層10を構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、図14および図15に示したように、後端部10Cの両側前方にテーパ部10CTを有するように主磁極層10を構成してもよい。この場合には、図14に示したように、テーパ部10CTが平坦面状となるようにしてもよいし、あるいは図15に示したように、テーパ部10CTが湾曲面状となるようにしてもよい。後端部10Cがテーパ部10CTを有する場合には、後端部10Cが角部10CKを有する場合と比較して、後端部10Cに収容された磁束が中間部10Bを経由せずにエアベアリング面40から外部へ直接的に放出されることがより効果的に抑制されるため、非記録時において意図せずに情報が消去されることをより抑制することができる。なぜなら、後端部10Cが角部10CKを有する場合には、その後端部10Cに収容された磁束が角部10CKに集中しやいため、その角部10CKに集中した磁束がエアベアリング面40から外部へ直接的に放出されやすいが、後端部10Cがテーパ部10CTを有する(後端部10Cが角部10CKを有しない)場合には、後端部10Cに収容された磁束が角部10CKに集中する現象が回避されるため、後端部10Cに収容された磁束がエアベアリング面40から外部へ直接的に放出されにくいからである。なお、図14および図15に示した主磁極層10の構成に関する上記以外の特徴は、図5に示した場合と同様である。
以上をもって、本発明の実施の形態に係る垂直磁気記録ヘッドについての説明を終了する。
次に、図16および図17を参照して、本発明の垂直磁気記録ヘッドを搭載した磁気記録装置の構成について説明する。図16は磁気記録装置の斜視構成を表しており、図17は磁気記録装置の主要部の斜視構成を拡大して表している。この磁気記録装置は、上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド(図1〜図5参照)を搭載したものであり、例えばハードディスクドライブである。
この磁気記録装置は、例えば、図16に示したように、筐体200の内部に、情報が磁気的に記録される記録媒体50(図4参照)としての複数の磁気ディスク(例えばハードディスク)201と、各磁気ディスク201に対応して配置され、磁気ヘッドスライダ202を一端部において支持する複数のサスペンション203と、このサスペンション203の他端部を支持する複数のアーム204とを備えている。磁気ディスク201は、筐体200に固定されたスピンドルモータ205を中心として回転可能になっている。アーム204は、動力源としての駆動部206に接続されており、筐体200に固定された固定軸207を中心として、ベアリング208を介して旋回可能になっている。駆動部206は、例えば、ボイスコイルモータなどの駆動源を含んで構成されている。この磁気記録装置は、例えば、固定軸207を中心として複数のアーム204が一体的に旋回可能なモデルである。なお、図16では、磁気記録装置の内部構造を見やすくするために、筐体200を部分的に切り欠いて示している。
磁気ヘッドスライダ202は、図17に示したように、例えばアルティックなどの非磁性絶縁性材料により構成された略直方体構造を有する基体211の一面に、記録処理および再生処理の双方を実行する薄膜磁気ヘッド212が取り付けられた構成を有している。この基体211は、例えば、アーム204の旋回時に生じる空気抵抗を減少させるための凹凸構造が設けられた一面(エアベアリング面220)を有しており、そのエアベアリング面220と直交する他の面(図17中、右手前側の面)に、薄膜磁気ヘッド212が取り付けられている。この薄膜磁気ヘッド212は、上記実施の形態において説明した構成を有するものである。この磁気ヘッドスライダ202は、情報の記録時または再生時において磁気ディスク201が回転すると、その磁気ディスク201の記録面(磁気ヘッドスライダ202と対向する面)とエアベアリング面220との間に生じる空気流を利用して、磁気ディスク201の記録面から浮上するようになっている。なお、図17では、磁気ヘッドスライダ202のうちのエアベアリング面220側の構造を見やすくするために、図16に示した状態とは上下を反転させた状態を示している。
この磁気記録装置では、情報の記録時または再生時においてアーム204が旋回することにより、磁気ディスク201のうちの所定の領域(記録領域)まで磁気ヘッドスライダ202が移動する。そして、磁気ディスク201と対向した状態において薄膜磁気ヘッド212が通電されると、上記実施の形態において説明した動作原理に基づいて薄膜磁気ヘッド212が動作することにより、その薄膜磁気ヘッド212が磁気ディスク201に記録処理または再生処理を施す。
この磁気記録装置では、上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド212を搭載しているので、その薄膜磁気ヘッド212において非記録時において不要な磁束が漏洩しにくくなるように主磁極層10の磁区構造が適正化される。したがって、主磁極層10の磁区構造が適正化された薄膜磁気ヘッド212を搭載し、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することができる。
なお、この磁気記録装置に搭載されている薄膜磁気ヘッド212に関する上記以外の構成、動作、作用、効果および変形例は上記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド(図1〜図5参照;以下、単に「本発明の薄膜磁気ヘッド」という。)、すなわち図5に示した構造的特徴を有する主磁極層を備えた薄膜磁気ヘッドを磁気記録装置(図16および図17参照)に搭載させることにより、その磁気記録装置を使用して記録処理を実行しながら薄膜磁気ヘッドの記録性能を調べたところ、以下の一連の結果が得られた。
まず、本発明の薄膜磁気ヘッドに関する記録信号の劣化状況を調べたところ、図18に示した結果が得られた。図18は、記録信号の劣化状況に関する記録幅依存性を表しており、「横軸」は記録幅W(μm)、すなわち記録媒体上の記録トラック幅を示し、「縦軸」は信号強度比S(−)を示している。この記録信号の劣化状況を調べる際には、薄膜コイルに通電させることにより薄膜磁気ヘッドを使用して正常に記録媒体に記録処理を施し、引き続き薄膜コイルに通電させない状態において薄膜磁気ヘッドを使用して正常な記録時と同様に記録媒体をトレースしたのち、薄膜磁気ヘッドを使用して正常に記録媒体に再生処理を施した。このとき、トレース前の記録信号の強度S1およびトレース後の再生信号の強度S2を調べることにより、それらの強度S1,S2に基づいて信号強度比S(=S2/S1)を算出した。すなわち、信号強度比Sは、トレースの前後における記録信号の減衰状況、すなわち非記録時における意図しない情報の消去されやすさを表す指標である。図18に示したデータの測定データ数Nは、N=40である。
なお、本発明の薄膜磁気ヘッドに関する記録信号の劣化状況を調べる際には、その記録信号の劣化状況を比較評価するために、図6に示した構造的特徴を有する主磁極層を備えた比較例の薄膜磁気ヘッドに関する記録信号の劣化状況も同様に調べることにより、その結果を図19に示した。図19に示したデータの測定データ数Nは、N=50である。
図19に示した結果から判るように、比較例の薄膜磁気ヘッドでは、記録幅Wの変化に伴い、信号強度比Sが広い範囲に渡って分布し、具体的には信号強度比Sが約0.03〜1.0の範囲に渡って広く分布した。この結果は、主磁極層の形状磁気異方性に起因して磁区構造が適正化されないため、非記録時において意図せずに情報が消去されやすいことを表している。これに対して、図18に示した結果から判るように、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、記録幅Wの変化に伴い、信号強度比Sが狭い範囲に渡って分布し、具体的には信号強度比Sが約0.94〜1.0の範囲に渡って分布した。特に、薄膜磁気ヘッドの製品レベルにおいて許容可能な信号強度比Sの下限が0.85であるとすると、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、記録信号の劣化状況が全て許容範囲内となった。この結果は、主磁極層の形状磁気異方性に基づいて磁区構造が適正化されるため、非記録時において意図せずに情報が消去されにくいことを表している。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、主磁極層の磁区構造を適正化することにより、非記録時において意図せずに情報が消去されることを抑制することが可能であることが確認された。
続いて、本発明の薄膜磁気ヘッドに関する意図しない情報の消去状況を調べたところ、図20および図21に示した結果が得られた。
図20は、記録媒体上の磁界強度分布に関する位置依存性を表しており、「横軸」は距離D(μm)を示し、「縦軸」は磁界強度比H(%)を示している。この「距離D」とは、記録媒体に設けられた複数のトラックのうち、薄膜磁気ヘッドを使用して記録処理が施される所定のトラック(記録対象トラック)を基準(距離D=0μm)としたとき、その記録対象トラックに交差する方向(クロストラック方向)における位置を特定するための距離を示している。この記録媒体上の磁界強度分布に関する位置依存性を調べる際には、薄膜磁気ヘッドを使用して記録媒体の記録対象トラックに記録処理を施しながら、記録対象トラック(トラックセンタ位置)における磁界強度(記録磁界の強度)H1および距離Dにより特定される位置における磁界強度(不要な磁界の強度)H2を調べることにより、それらの磁界強度S1,S2に基づいて磁界強度比H(=[S2/S1]×100)を算出した。このとき、主磁極層の各部寸法として、総和L1+L2=2.5μmとし、幅W3=20.0μmとすると共に、比W2/W3を0.93,0.43,0.12の3段階に変化させた。すなわち、磁界強度比Hは、記録媒体上において記録対象トラックに並列に配置された他のトラックにおける意図しない情報の消去されやすさを表す指標である。なお、図20に示した「●」はW2/W3=0.93の場合の結果を示し、「▲」はW2/W3=0.43の場合の結果を示し、「■」はW2/W3=0.12の場合の結果を示している。
図21は、記録媒体上の磁界強度分布に関する主磁極層の形状依存性を表しており、「横軸」は比W2/W3(−)を示し、「縦軸」は磁界強度比H(%)を示している。この「磁界強度比H」とは、記録対象トラック(トラックセンタ位置)における磁界強度(記録磁界の強度)H1とその記録対象トラックに隣接する他のトラック(隣接トラック)における磁界強度(不要な磁界の強度)H2との比(H=[S2/S1]×100)を示している。
図20に示した結果から判るように、比W2/W3を3段階に変化させたところ、いずれの場合においても磁界強度比Sは記録対象トラックからクロストラック方向に離れるにしたがって次第に小さくなった。この場合には、特に、磁界強度比Sは、比W2/W3が小さくなるにしたがって次第に小さくなり、すなわち比W2/W3=0.93,0.43,0.12の順に小さくなった。この結果は、比W2/W3が小さくなるほど、記録対象トラックから離れた位置における不要な磁界の強度が小さくなるため、その不要な磁界に起因して意図せずに情報が消去されることが抑制されることを表している。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、不要な磁界に起因して意図せずに情報が消去される程度が、比W2/W3に依存することが確認された。
また、図21に示した結果から判るように、磁界強度比Hは比W2/W3が小さくなるにしたがって次第に小さくなった。この結果は、比W2/W3が小さくなるほど、主磁極層のうちの後端部に収容された磁束がエアベアリング面から外部へ直接的に放出されにくくなるため、不要な磁界に起因して意図せずに情報が消去されることが抑制されることを表している。この場合には、特に、薄膜磁気ヘッドの製品レベルにおいて許容可能な磁界強度比Hが25%以下、好ましくは20%以下であるとすると、比W2/W3が0.7%以下、好ましくは0.37%以下の場合に磁界強度比Hが許容可能となった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、比W2/W3がW2/W3≦0.7、好ましくはW2/W3≦0.37の関係を満たすように主磁極層を構成することにより、意図せずに情報が消去されることを抑制することが可能であることが確認された。
続いて、本発明の薄膜磁気ヘッドに関する他の意図しない情報の消去状況を調べたところ、図22および図23に示した結果が得られた。
図22は、記録媒体上の磁界強度分布に関する主磁極層の形状依存性を表しており、「横軸」は総和L1+L2(μm)を示し、「縦軸」は磁界強度比H(%)を示している。この記録媒体上の磁界強度分布に関する主磁極層の形状依存性を調べる際には、主磁極層のうちの総和L1+L2を変化させながら、記録媒体の記録対象トラック(トラックセンタ位置)における磁界強度(記録磁界の強度)H1および隣接トラックにおける磁界強度(不要な磁界の強度)H2を調べることにより、それらの磁界強度S1,S2に基づいて磁界強度比H(=[S2/S1]×100)を算出した。
図23は、オーバーライト特性に関する主磁極層の形状依存性を表しており、「横軸」は総和L1+L2(μm)を示し、「縦軸」はオーバーライト特性OW(dB)を示している。
図22に示した結果から判るように、磁界強度比Hは、総和L1+L2が大きくなるにしたがって次第に小さくなった。より具体的には、磁界強度比Hは、総和L1+L2が大きくなるにしたがって急激に減少したのち、総和L1+L2=3.0μm以上の範囲において一定となった。この結果は、総和L1+L2が大きくなるほど後端部がエアベアリング面から後退し、すなわち後端部に収容された磁束がエアベアリング面から外部へ直接的に放出されにくくなるため、不要な磁界に起因して意図せずに情報が消去されることが抑制されることを表している。この場合には、薄膜磁気ヘッドの製品レベルにおいて許容可能な磁界強度比Hが25%以下、好ましくは20%以下であるとすると、総和L1+L2が0.5以上、好ましくは0.7以上である場合に磁界強度比Hが許容可能となった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、総和L1+L2が(L1+L2)≧0.5、好ましくは(L1+L2)≧0.7の関係を満たすように主磁極層を構成することにより、意図せずに情報が消去されることを抑制することが可能であることが確認された。
また、図23に示した結果から判るように、オーバーライト特性OWは、総和L1+L2が小さくなるにしたがって次第に大きくなった。この結果は、総和L1+L2が小さくなるほど後端部がエアベアリング面に接近し、すなわち後端部に収容された十分な量の磁束が中間部を経由して先端部まで導かれやすくなるため、その先端部まで導かれた十分な量の磁束に基づいて記録媒体を正常に上書きしやすくなることを表している。この場合には、薄膜磁気ヘッドの製品レベルにおいて許容可能なオーバーライト特性OWが35dB以上、好ましくは40dB以上であるとすると、総和L1+L2が5.0μm以下、好ましくは4.0μm以下である場合にオーバーライト特性OWが許容可能となった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、総和L1+L2が(L1+L2)≦5.0μm、好ましくは(L1+L2)≦4.0μmの関係を満たすように主磁極層を構成することにより、オーバーライト特性を確保することが可能であることが確認された。
図22および図23に示した結果から導き出された数値関係を総括すると、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、総和L1+L2が0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μm、好ましくは0.7μm≦(L1+L2)≦4.0μmの関係を満たすように主磁極層を構成することにより、意図せずに情報が消去されることを抑制すると共に、オーバーライト特性を確保することが可能であることが確認された。
続いて、磁性層の構造と意図しない情報の消去との間の関係を調べたところ、以下の一連の結果が得られた。
まず、意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の幅の影響を調べたところ、図24および図25に示した結果が得られた。図24および図25は、いずれも不要な磁界の強度と磁性層の露出面の幅との間の相関を表しており、「横軸」は磁性層の露出面の幅W5(μm)を示し、「縦軸」は不要な磁界の強度(磁界強度HU;103 /(4π)A/m)を示している。なお、図25に示した相間は、図24に示した相間のうちの一部(幅W5=0μm〜5.0μmの範囲)を拡大して示している。この意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の幅の影響を調べる際には、薄膜磁気ヘッドの寸法仕様として、主磁極層の露出面における上端縁(トレーリングエッジ)の幅W1=0.2μm,磁性層の露出面の幅W5=0.2μm〜90μm,磁性層の露出面の高さH5=3.5μmとすると共に、記録媒体の保磁力Hc=4000×103 /(4π)A/mとした。
図24に示した結果から判るように、磁界強度HUは、幅W5が大きくなるにしたがって急激に減少したのちにほぼ一定となった。具体的には、磁界強度HUは、幅W5=0.2μmにおいて最大(7139×103 /(4π)A/m)であったが、幅W5=20μm以上の範囲においてほぼ一定(372×103 /(4π)A/m〜550×103 /(4π)A/m)となった。この結果は、幅W5が大きくなるにしたがってエアベアリング面近傍における磁性層の磁気ボリュームが増大するため、その磁性層において記録後の磁束が集中しにくくなることを表している。
ここで、図24に示した磁界強度HUの変化傾向を踏まえ、図25に示した結果から、記録後の磁束が磁性層に集中する現象に起因して意図せずに情報が消去されることを防止可能な幅W5の適正範囲を見積もった。具体的には、記録媒体の保磁力Hc=4000×103 /(4π)A/mであることから、その記録媒体に関して意図しない情報の消去を防止するために、磁界強度HUが4000×103 /(4π)A/mよりも小さくなる幅W5の範囲を調べたところ、その幅W5の範囲は、2.0μm以上であった。この場合には、特に、幅W5=3.5μm以上の範囲において磁界強度HUの減少割合が著しく小さくなったと共に、さらに幅W5=20μm以上の範囲において磁界強度HUがほぼ一定となった。
続いて、意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の幅および厚さの影響を調べたところ、表1および表2に示した結果が得られた。表1は不要な磁界の強度(磁界強度HU)と磁性層の露出面の幅(幅W5)との間の相関を表しており、表2は不要な磁界の強度(磁界強度HU)と磁性層の露出面の高さ(高さH5)との間の相関を表している。この意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の幅の影響を調べる際には、薄膜磁気ヘッドの寸法仕様として、磁性層の露出面の幅W5=90μm,45μm,磁性層の露出面の高さH5=3.5μmとした。また、意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の高さの影響を調べる際には、薄膜磁気ヘッドの寸法仕様として、磁性層の露出面の高さH5=3.5μm,1.75μm,磁性層の露出面の幅W5=90μmとした。上記以外の仕様条件は、図24および図25に関して説明した場合と同様である。なお、幅W5=90μmとしたときの磁界強度HU(表1参照)および高さH5=3.5μmとしたときの磁界強度HU(表2参照)は、いずれも372×103 /(4π)A/mであった。
Figure 0003949149
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表1に示した結果から判るように、幅W5の値を半分にしたところ、磁界強度HUは増大した。具体的には、幅W5を90μmから45μmに変化させたところ、磁界強度HUは372×103 /(4π)A/mから416×103 /(4π)A/mに変化した。一方、表2に示した結果から判るように、高さH5の値を半分にしたところ、やはり磁界強度HUは増大した。具体的には、高さH5を3.5μmから1.75μmに変化させたところ、磁界強度HUは372×103 /(4π)A/mから463×103 /(4π)A/mに変化した。このことから、幅W5および高さH5のいずれを変化させた場合においても磁界強度HUがほぼ同等の値となったため、その磁界強度HUは磁性層の露出面の面積に依存することが確認された。
最後に、意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の面積の影響を調べたところ、図26に示した結果が得られた。図26は不要な磁界の強度と磁性層の露出面の面積との間の相関を表しており、「横軸」は磁性層の露出面の面積S(μm2 )を示し、「縦軸」は不要な磁界の強度(磁界強度HU)を示している。この意図しない情報の消去に与える磁性層の露出面の面積の影響を調べる際には、薄膜磁気ヘッドの寸法仕様として、磁性層の露出面の面積S=0.7μm2 〜315μm2 とした。上記以外の仕様条件は、図24および図25に関して説明した場合と同様である。
図26に示した結果から判るように、磁界強度HUは、図24に示した磁界強度HUと同様の変化傾向を示し、すなわち面積Sが大きくなるにしたがって急激に減少したのちにほぼ一定となった。
ここで、図24から見積もった幅W5の適正範囲を反映させることにより、図26に示した結果から、記録後の磁束が磁性層に集中する現象に起因して意図せずに情報が消去されることを防止可能な面積Sの適正範囲を見積もった。具体的には、幅W5=2.0μm以上、3.5μm以上および20μm以上に対応する面積Sは、それぞれ7μm2 以上、12.25μm2 以上および70μm2 以上であった。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、磁性層の露出面の面積S=7μm2 以上、好ましくは12.25μm2 以上、より好ましくは70μm2 以上の範囲において、意図しない情報の消去が抑制されることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態および実施例では、本発明を複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや、記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。もちろん、本発明を、書き込み用の素子および読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。
本発明に係る垂直磁気記録ヘッドは、例えば、ハードディスクに磁気的に情報を記録するハードディスクドライブなどの磁気記録装置に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る垂直磁気記録ヘッドを備えた薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドのうちの主要部の平面構成を表す平面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドのうちの主要部の露出面の平面構成を表す平面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドのうちの主要部の断面構成を模式的に表す断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドのうちの主磁極層の平面構成を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例の薄膜磁気ヘッドのうちの主磁極層の平面構成を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドのうちの主磁極層の磁区構造を説明するための平面図である。 比較例の薄膜磁気ヘッドのうちの主磁極層の磁区構造を説明するための平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに関する利点を説明するための平面図である。 比較例の薄膜磁気ヘッドに関する問題点を説明するための平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第1の変形例を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第2の変形例を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第3の変形例を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第4の変形例を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する第5の変形例を表す平面図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の斜視構成を表す斜視図である。 図16に示した磁気記録装置の主要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドに関する記録信号の劣化状況に関する記録幅依存性を表す図である。 比較例の薄膜磁気ヘッドに関する記録信号の劣化状況に関する記録幅依存性を表す図である。 記録媒体上の磁界強度分布(記録対象トラックおよび他のトラック)に関する記録媒体上の位置依存性を表す図である。 記録媒体上の磁界強度分布(記録対象トラックおよび他のトラック)に関する主磁極層の形状依存性を表す図である。 記録媒体上の磁界強度分布(記録対象トラックおよび隣接トラック)に関する主磁極層の形状依存性を表す図である。 オーバーライト特性に関する主磁極層の形状依存性を表す図である。 不要な磁界の強度と磁性層の露出面の幅との間の相関を表す図である。 図24に示した不要な磁界の強度と磁性層の露出面の幅との間の相関のうちの一部を拡大して表す図である。 不要な磁界の強度と磁性層の露出面の面積との間の相関を表す図である。
符号の説明
1…基板、2,9,11,15…絶縁層、3…下部リードシールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部リードシールド層、5A,5C…上部リードシールド層部分、5B…非磁性層、6…MR素子、7…分離層、8…補助磁極層、10…主磁極層、10A…先端部、10B…中間部、10BE…側端縁、10C…後端部、10CK…角部、10CT…テーパ部、10M,30M…露出面、10X,10Y…磁化成分、12…ギャップ層、12BG…バックギャップ、13…ライトシールド層、14…薄膜コイル、16…リターンヨーク層、17…オーバーコート層、20…磁極層、30…磁性層、40,220…エアベアリング面、50…記録媒体、51…磁化層、52…軟磁性層、100A…再生ヘッド部、100B…記録ヘッド部、200…筐体、201…磁気ディスク、202…磁気ヘッドスライダ、203…サスペンション、204…アーム、205…スピンドルモータ、206…駆動部、207…固定軸、208…ベアリング、211…基体、212…薄膜磁気ヘッド、E1…上端縁、E2…下端縁、E3…側端縁、FP…フレアポイント、H5…高さ、J…記録用の磁束、L1〜L3…長さ、LE…リーディングエッジ、M…媒体進行方向、R…磁気的閉ループ、RJ…リターン磁束、S…面積、TE…トレーリングエッジ、TH…スロートハイト、TP…スロートハイトゼロ位置、UJ1,UJ2…不要磁束、W1〜W6…幅、θ…角度。

Claims (14)

  1. 磁束を発生する薄膜コイルと、
    記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第2の幅W2と前記第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしている
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  2. 磁束を発生する薄膜コイルと、
    記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしている
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  3. 前記第3の幅W3と前記第3の長さL3との間の比W3/L3が、W3/L3>1.0の関係を満たしている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  4. 前記磁極層の前記エアベアリング面への露出面が、トレーリング側に位置する長辺およびリーディング側に位置する短辺をそれぞれ上底および下底とする台形状をなす
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  5. さらに、前記磁極層のトレーリング側において前記エアベアリング面から後方に向かって延在し、前記エアベアリング面に近い側においてギャップ層により前記磁極層から隔てられると共に、前記エアベアリング面から遠い側において前記磁極層に連結された磁性層を備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  6. 前記磁性層が、
    前記ギャップ層により前記磁極層から隔てられた第1の磁性層部分と、
    前記第1の磁性層部分のトレーリング側において前記エアベアリング面から後方に向かって延在し、前記エアベアリング面に近い側において前記第1の磁性層部分に連結されると共に、前記エアベアリング面から遠い側において前記磁極層に連結された第2の磁性層部分と
    を含むことを特徴とする請求項記載の垂直磁気記録ヘッド。
  7. 前記磁性層の前記エアベアリング面への露出面における最大幅が、前記磁極層の前記エアベアリング面への露出面における最大幅よりも大きい
    ことを特徴とする請求項または請求項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  8. 前記磁極層の前記エアベアリング面への露出面におけるトレーリング側の幅が0.2μm以下であり、前記磁性層の前記エアベアリング面への露出面の面積が7μm2 以上である
    ことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれか1項に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  9. 磁束を発生する薄膜コイルと、
    記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と、
    前記磁極層のトレーリング側において前記エアベアリング面から後方に向かって延在し、前記エアベアリング面から遠い側において前記磁極層に連結されたリターンヨーク層と、
    前記磁極層と前記リターンヨーク層との間の前記エアベアリング面に近い領域に、ギャップ層により前記磁極層から隔てられるように設けられたライトシールド層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第2の幅W2と前記第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしている
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  10. 磁束を発生する薄膜コイルと、
    記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と、
    前記磁極層のトレーリング側において前記エアベアリング面から後方に向かって延在し、前記エアベアリング面から遠い側において前記磁極層に連結されたリターンヨーク層と、
    前記磁極層と前記リターンヨーク層との間の前記エアベアリング面に近い領域に、ギャップ層により前記磁極層から隔てられるように設けられたライトシールド層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしている
    ことを特徴とする垂直磁気記録ヘッド。
  11. 前記ライトシールド層が、前記エアベアリング面に露出すると共に、前記リターンヨーク層に連結されている
    ことを特徴とする請求項9または請求項10に記載の垂直磁気記録ヘッド。
  12. 記録媒体と、その記録媒体に情報を記録する垂直磁気記録ヘッドと、を搭載し、
    前記垂直磁気記録ヘッドが、
    磁束を発生する薄膜コイルと、
    前記記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第2の幅W2と前記第3の幅W3との間の比W2/W3が、W2/W3≦0.7の関係を満たしている
    ことを特徴とする磁気記録装置。
  13. 記録媒体と、その記録媒体に情報を記録する垂直磁気記録ヘッドと、を搭載し、
    前記垂直磁気記録ヘッドが、
    磁束を発生する薄膜コイルと、
    前記記録媒体に対向するエアベアリング面から後方に向かって延在し、前記記録媒体がその表面と直交する方向に磁化されるように前記磁束を前記記録媒体に導く磁極層と
    を備え、
    前記磁極層が、前記エアベアリング面から後方に向かって順に、
    前記記録媒体の記録トラック幅を規定する第1の幅W1を有する第1の磁極層部分と、
    前記第1の幅W1からその第1の幅W1よりも大きな第2の幅W2まで次第に拡がる幅を有する第2の磁極層部分と、
    前記第2の幅W2よりも大きな第3の幅W3を有する第3の磁極層部分と
    を含み、
    前記第1、第2および第3の磁極層部分が、前記磁極層の延在方向における長さとしてそれぞれ第1の長さL1、第2の長さL2および第3の長さL3を有し、前記第3の幅W3と前記第1、第2および第3の長さの総和L1+L2+L3との間の比W3/(L1+L2+L3)が、W3/(L1+L2+L3)≧1.0の関係を満たしていると共に、
    前記第1および第2の長さの総和L1+L2が、0.5μm≦(L1+L2)≦5.0μmの関係を満たしている
    ことを特徴とする磁気記録装置。
  14. 前記記録媒体が、積層された磁化層および軟磁性層を含む
    ことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の磁気記録装置。
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