JP3522593B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも誘導型
磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto-resistive)とも記す。)素
子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁
気ヘッドが広く用いられている。
【0003】ところで、記録ヘッドの性能のうち、記録
密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度
を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を
挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極の
エアベアリング面での幅を数ミクロンからサブミクロン
寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現す
る必要があり、これを達成するために半導体加工技術が
利用されている。
【0004】ここで、図19ないし図22を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。な
お、図19ないし図22において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0005】この製造方法では、まず、図19に示した
ように、例えばアルティック(Al 23・TiC)より
なる基板101の上に、例えばアルミナ(Al23)よ
りなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆
積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる
再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0006】次に、下部シールド層103の上に、例え
ばアルミナを100〜200nmの厚みにスパッタ堆積
し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形
成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、
再生用のMR素子105を、数十nmの厚みに形成す
る。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、MR
素子105に電気的に接続される一対の電極層106を
形成する。
【0007】次に、下部シールドギャップ膜104およ
びMR素子105の上に、絶縁層としての上部シールド
ギャップ膜107を形成し、MR素子105をシールド
ギャップ膜104,107内に埋設する。
【0008】次に、上部シールドギャップ膜107の上
に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方
に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部
磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成す
る。
【0009】次に、図20に示したように、下部磁極層
108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録
ギャップ層109を0.2μmの厚みに形成する。次
に、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的
にエッチングして、コンタクトホール109aを形成す
る。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上
に、記録ヘッド用の磁性材料よりなる上部磁極チップ1
10を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。このと
き同時に、磁路形成のためのコンタクトホール109a
の上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層11
9を形成する。
【0010】次に、図21に示したように、上部磁極チ
ップ110をマスクとして、イオンミリングによって、
記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチング
する。図21(b)に示したように、上部磁極部分(上
部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下
部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形
成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。
【0011】次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる
絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、こ
の絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層
119の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0012】次に、平坦化された絶縁層111の上に、
例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1
層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層11
1およびコイル112の上に、フォトレジスト層113
を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト
層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理
する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目
の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト
層113およびコイル114上に、フォトレジスト層1
15を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジ
スト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱
処理する。
【0013】次に、図22に示したように、上部磁極チ
ップ110、フォトレジスト層113,115および磁
性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパ
ーマロイよりなる上部磁極層116を形成する。次に、
上部磁極層116の上に、例えばアルミナよりなるオー
バーコート層117を形成する。最後に、スライダの機
械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベ
アリング面118を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成す
る。
【0014】図23は、図22に示した薄膜磁気ヘッド
の平面図である。なお、この図では、オーバーコート層
117や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略してい
る。
【0015】図22において、THは、スロートハイト
を表し、MR−Hは、MRハイトを表している。なお、
スロートハイトとは、2つの磁極層が記録ギャップ層を
介して対向する部分の、エアベアリング面側の端部から
反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。また、MRハ
イトとは、MR素子のエアベアリング面側の端部から反
対側の端部までの長さ(高さ)をいう。また、図22に
おいて、P2Wは、磁極幅すなわち記録トラック幅を表
している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因とし
て、スロートハイトやMRハイト等の他に、図22にお
いてθで示したようなエイペックスアングル(Apex Ang
le)がある。このエイペックスアングルは、フォトレジ
スト層113,115で覆われて山状に盛り上がったコ
イル部分(以下、エイペックス部と言う。)における磁
極側の側面の角部を結ぶ直線と絶縁層111の上面との
なす角度をいう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】薄膜磁気ヘッドの性能
を向上させるには、図22に示したようなスロートハイ
トTH、MRハイトMR−H、エイペックスアングルθ
および記録トラック幅P2Wを正確に形成することが重
要である。
【0017】特に、近年は、高面密度記録を可能とする
ため、すなわち狭トラック構造の記録ヘッドを形成する
ために、トラック幅P2Wには1.0μm以下のサブミ
クロン寸法が要求されている。そのために半導体加工技
術を利用して上部磁極をサブミクロン寸法に加工する技
術が必要となる。
【0018】ここで、問題となるのは、エイペックス部
の上に形成される上部磁極層を微細に形成することが困
難なことである。
【0019】ところで、上部磁極層を形成する方法とし
ては、例えば、特開平7−262519号公報に示され
るように、フレームめっき法が用いられる。フレームめ
っき法を用いて上部磁極層を形成する場合は、まず、エ
イペックス部の上に全体的に、例えばパーマロイよりな
る薄い電極膜を、例えばスパッタリングによって形成す
る。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリ
ソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのため
のフレーム(外枠)を形成する。そして、先に形成した
電極膜をシード層として、めっき法によって上部磁極層
を形成する。
【0020】ところが、エイペックス部と他の部分とで
は、例えば7〜10μm以上の高低差がある。このエイ
ペックス部上に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで
塗布する。エイペックス部上のフォトレジストの膜厚が
最低3μm以上必要であるとすると、流動性のあるフォ
トレジストは低い方に集まることから、エイペックス部
の下方では、例えば8〜10μm以上の厚みのフォトレ
ジスト膜が形成される。
【0021】上述のようにサブミクロン寸法の記録トラ
ック幅を実現するには、フォトレジスト膜によってサブ
ミクロン寸法の幅のフレームパターンを形成する必要が
ある。従って、エイペックス部上で、8〜10μm以上
の厚みのあるフォトレジスト膜によって、サブミクロン
寸法の微細なパターンを形成しなければならない。とこ
ろが、このような厚い膜厚のフォトレジストパターンを
狭パターン幅で形成することは製造工程上極めて困難で
あった。
【0022】しかも、フォトリソグラフィの露光時に、
露光用の光が、シード層としての下地電極膜で反射し、
この反射光によってもフォトレジストが感光して、フォ
トレジストパターンのくずれ等が生じ、シャープかつ正
確なフォトレジストパターンが得られなくなる。
【0023】このように、従来は、磁極幅がサブミクロ
ン寸法になると、上部磁性層を精度よく形成することが
困難になるという問題点があった。
【0024】このようなことから、上述の従来例の図2
0ないし図22の工程でも示したように、記録ヘッドの
狭トラックの形成に有効な上部磁極チップ110によっ
て、1.0μm以下のトラック幅を形成した後、この上
部磁極チップ110と接続されるヨーク部分となる上部
磁極層116を形成する方法も採用されている(特開昭
62−245509号公報、特開昭60−10409号
公報参照)。このように、通常の上部磁極層を、上部磁
極チップ110とヨーク部分となる上部磁極層116と
に分割することにより、記録トラック幅を決定する上部
磁極チップ110を、記録ギャップ層109の上の平坦
な面の上に、ある程度微細に形成することが可能にな
る。
【0025】しかしながら、図22に示したような構造
の薄膜磁気ヘッドでも、以下のような問題点があった。
【0026】まず、図22に示した薄膜磁気ヘッドで
は、上部磁極チップ110によって記録トラック幅が規
定されるため、上部磁極層116は、上部磁極チップ1
10ほどには微細に加工する必要はないと言える。それ
でも、記録トラック幅が極微細、特に0.5μm以下に
なってくると、上部磁極層116においてもサブミクロ
ン幅の加工精度が要求される。しかしながら、図22に
示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116はエイペ
ックス部の上に形成されることから、前述の理由によ
り、上部磁極層116を微細に形成することが困難であ
った。また、上部磁極層116は、幅の狭い上部磁極チ
ップ110に対して磁気的に接続する必要があることか
ら、上部磁極チップ110よりも広い幅に形成する必要
があった。これらの理由から、図22に示した薄膜磁気
ヘッドでは、上部磁極層116は上部磁極チップ110
よりも広い幅に形成されていた。また、上部磁極層11
6の先端面はエアベアリング面に露出している。そのた
め、図22に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層1
16側でも書き込みが行われ、記録媒体に対して、本
来、記録すべき領域以外の領域にもデータを書き込んで
しまう、いわゆるサイドライトが発生するという問題点
があった。このような問題点は、記録ヘッドの性能を向
上させるためにコイルを2層や3層に形成した場合に、
コイルを1層に形成する場合に比べてエイペックス部の
高さが高くなり、より顕著になる。
【0027】また、図22に示した薄膜磁気ヘッドで
は、上部磁極層116と上部磁極チップ110との接触
部分で磁路の断面積が急激に減少するため、この部分で
磁束の飽和が生じ、薄膜コイル112,114で発生し
た起磁力を効率よく記録に利用することができなくなる
という問題点があった。この問題点は、特にスロートハ
イトが小さくなったときに顕著になる。
【0028】また、従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁路長
(Yoke Length)を短くすることが困難であるという問
題点があった。すなわち、コイルピッチが小さいほど、
磁路長の短いヘッドを実現することができ、特に高周波
特性に優れた記録ヘッドを形成することができるが、コ
イルピッチを限りなく小さくしていった場合、スロート
ハイトゼロ位置(スロートハイトを決定する絶縁層のエ
アベアリング面側の端部の位置)からコイルの外周端ま
での距離が、磁路長を短くすることを妨げる大きな要因
となっていた。磁路長は、1層のコイルよりは2層のコ
イルの方が短くできることから、多くの高周波用の記録
ヘッドでは2層コイルを採用している。しかしながら、
従来の磁気ヘッドでは、1層目のコイルを形成した後、
コイル間の絶縁膜を形成するために、フォトレジスト膜
を約2μmの厚みで形成している。そのため、1層目の
コイルの外周端には丸みを帯びた小さなエイペックス部
が形成される。次に、その上に2層目のコイルを形成す
るが、その際に、エイペックス部の傾斜部では、コイル
のシード層のエッチングができず、コイルがショートす
るため、2層目のコイルは平坦部に形成する必要があ
る。
【0029】従って、例えば、コイルの厚みを2〜3μ
mとし、コイル間絶縁膜の厚みを2μmとし、エイペッ
クスアングルを45°〜55°とすると、磁路長として
は、コイルに対応する部分の長さに加え、コイルの外周
端からスロートハイトゼロ位置の近傍までの距離である
3〜4μmの距離の2倍(上部磁極層と下部磁極層との
コンタクト部からコイル内周端までの距離も3〜4μm
必要。)の6〜8μmが必要である。このコイルに対応
する部分以外の長さが、磁路長の縮小を妨げる要因とな
っていた。
【0030】ここで、例えば、コイルの線幅が1.2μ
m、スペースが0.8μmの11巻コイルを2層で形成
する場合を考える。この場合、図22に示したように、
1層目を6巻、2層目を5巻とすると、磁路長のうち、
1層目のコイル112に対応する部分の長さは11.2
μmである。磁路長には、これに加え、1層目のコイル
112の外周端および内周端より、1層目のコイル11
2を絶縁するためのフォトレジスト層113の端部まで
の距離として、合計6〜8μmの長さが必要になる。従
って、磁路長は17.2〜19.2μmとなる。また、
もし11巻コイルを1層で形成するとなると、磁路長は
27.2〜29.2μmとなる。なお、本出願では、磁
路長を、図22において符号L0で示したように、磁極
層のうちの磁極部分およびコンタクト部分を除いた部分
の長さで表す。このように、従来は、磁路長の縮小が困
難であり、これが高周波特性の改善を妨げていた。
【0031】ところで、コイルの膜厚を大きくし、線幅
を小さくできれば、磁路長の短縮が可能になる。しかし
ながら、従来の薄膜磁気ヘッドでは、コイルの膜厚を大
きくすると、エイペックス部の高さが大きくなり、既に
述べたように、上部磁極層を微細に形成することが困難
になるという問題点がある。
【0032】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、誘導型磁気変換素子のトラック幅お
よび磁路長の縮小を可能にすると共に、磁路の途中での
磁束の飽和を防止することができるようにした薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、互いに磁気的に連結され、記録媒体に対向する側に
おいて互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なく
とも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、第1
の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に
設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および
第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して
絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを備え、更
に、一方の磁性層に形成され、記録媒体に対向する側に
おいてスロートハイトを規定する端部を有し、スロート
ハイトを規定するためのスロートハイト規定用絶縁層を
収納する絶縁層収納部と、絶縁層収納部に収納されたス
ロートハイト規定用絶縁層と、ギャップ層を越えて第1
の磁性層側と第2の磁性層側とにまたがるように形成さ
れ、記録媒体に対向する側において、絶縁層収納部の端
部よりも薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離
れた位置に配置された端部を有し、薄膜コイルの少なく
とも一部を収納するコイル収納部とを備え、薄膜コイル
の少なくとも一部はコイル収納部に配置されているもの
である。
【0034】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、互
いに磁気的に連結され、記録媒体に対向する側において
互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1
つの層からなる第1および第2の磁性層と、第1の磁性
層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けら
れたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の
磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁さ
れた状態で設けられた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘ
ッドを製造する方法である。
【0035】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、第
1の磁性層を形成する工程と、第1の磁性層の上にギャ
ップ層を形成する工程と、ギャップ層の上に第2の磁性
層を形成する工程と、少なくとも一部が第1および第2
の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して
絶縁された状態で配置されるように、薄膜コイルを形成
する工程とを含み、一方の磁性層を形成する工程は、一
方の磁性層に対して、記録媒体に対向する側においてス
ロートハイトを規定する端部を有し、スロートハイトを
規定するためのスロートハイト規定用絶縁層を収納する
絶縁層収納部を形成し、更に、絶縁層収納部に収納され
るように、スロートハイト規定用絶縁層を形成する工程
と、ギャップ層を越えて第1の磁性層側と第2の磁性層
側とにまたがるように、記録媒体に対向する側におい
て、絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に対向する面から離れた位置に配置された端部を有
し、薄膜コイルの少なくとも一部を収納するコイル収納
部を形成する工程とを含み、薄膜コイルを形成する工程
は、薄膜コイルの少なくとも一部をコイル収納部に配置
するものである。
【0036】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、ギャップ層を越えて第1の磁性層側と第2の磁
性層側とにまたがるように形成されたコイル収納部に、
薄膜コイルの少なくとも一部が収納される。また、本発
明では、一方の磁性層に形成された絶縁層収納部の記録
媒体に対向する側の端部によってスロートハイトが規定
される。コイル収納部の記録媒体に対向する側の端部
は、絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に対向する面から離れた位置に配置される。
【0037】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法では、コイル収納部に配置された薄膜コイルの
少なくとも一部が、ギャップ層を越えて第1の磁性層側
と第2の磁性層側とにまたがるように配置されるように
してもよい。
【0038】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第2
の磁性層は、一方の面がギャップ層に隣接し、幅が記録
トラック幅に等しく、長さがスロートハイトに等しく、
磁極部分の一部となる第1の磁極部分層と、一方の面の
一部が第1の磁極部分層の他方の面に接触し、第1の磁
極部分層に接触する部分の幅が第1の磁極部分層の幅と
等しく、且つ全体の長さが第1の磁極部分層の長さより
も大きく、磁極部分の他の一部となる第2の磁極部分層
と、第2の磁極部分層の他方の面に接続され、ヨーク部
分となるヨーク部分層とを有し、絶縁層収納部は、第2
の磁極部分層の一方の面のうち第1の磁極部分層の他方
の面に接触しない部分とギャップ層との間に形成されて
いてもよい。
【0039】上記構成の場合、薄膜磁気ヘッドの記録媒
体に対向する面から、第2の磁極部分層における記録媒
体に対向する側とは反対側の端部までの距離は、薄膜磁
気ヘッドの記録媒体に対向する面から、コイル収納部に
おける記録媒体に対向する側の端部までの距離と一致し
てもよい。また、ヨーク部分層の記録媒体に対向する側
の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から
離れた位置に配置されていてもよい。また、スロートハ
イト規定用絶縁層の第2の磁極部分層側の面は、第1の
磁極部分層の他方の面と共に平坦化されていてもよい。
また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、コイル収納部
に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、ヨー
ク部分層側の面が第2の磁極部分層の他方の面と共に平
坦化された他の絶縁層を備えていてもよい。また、薄膜
コイルは、コイル収納部に配置された第1の部分と、こ
の第1の部分とヨーク部分層との間に配置された第2の
部分とを有していてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘ
ッドは、更に、コイル収納部に配置された薄膜コイルの
第1の部分を覆い、ヨーク部分層側の面が第2の磁極部
分層の他方の面と共に平坦化された他の絶縁層を備え、
薄膜コイルの第2の部分は、他の絶縁層とヨーク部分層
との間に配置されていてもよい。
【0040】また、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第1
の磁性層は、第1の磁性層のギャップ層側の面におい
て、絶縁層収納部となる第1の凹部と、その深さが第1
の凹部よりも大きく、コイル収納部の一部となる第2の
凹部とを有していてもよい。
【0041】上記構成の場合、スロートハイト規定用絶
縁層のギャップ層側の面は、第1の磁性層のギャップ層
側の面と共に平坦化されていてもよい。また、第2の磁
性層は、磁極部分となる磁極部分層と、磁極部分層に接
続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有していて
もよい。また、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面
から、磁極部分層における記録媒体に対向する側とは反
対側の端部までの位置は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に
対向する面から、コイル収納部における記録媒体に対向
する側の端部までの距離と一致してもよい。また、本発
明の薄膜磁気ヘッドは、更に、コイル収納部に配置され
た薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分
層側の面が磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦
化された他の絶縁層を備えていてもよい。また、薄膜コ
イルは、コイル収納部に配置された第1の部分と、この
第1の部分とヨーク部分層との間に配置された第2の部
分とを有していてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘッ
ドは、更に、コイル収納部に配置された薄膜コイルの第
1の部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が磁極部分層
のヨーク部分層側の面と共に平坦化された他の絶縁層を
備え、薄膜コイルの第2の部分は、他の絶縁層とヨーク
部分層との間に配置されていてもよい。
【0042】また、本発明の薄膜磁気ヘッドは、更に、
磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁気抵
抗素子を挟んで対向するように配置された、磁気抵抗素
子をシールドするための第1および第2のシールド層と
を備えていてもよい。
【0043】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、第2の磁性層を形成する工程は、一方の面がギャ
ップ層に隣接し、磁極部分における長さがスロートハイ
トに等しく、磁極部分の一部となる第1の磁極部分層を
形成する工程と、一方の面の一部が第1の磁極部分層の
他方の面に接触し、第1の磁極部分層に接触する部分の
幅が記録トラック幅と等しく、且つ全体の長さが磁極部
分における第1の磁極部分層の長さよりも大きく、磁極
部分の他の一部となる第2の磁極部分層を形成する工程
と、第1の磁極部分層と第2の磁極部分層と接触する部
分において、第1の磁極部分層の幅が第2の磁極部分層
の幅と等しくなるように、第2の磁極部分層をマスクと
して第1の磁極部分層をエッチングする工程と、第2の
磁極部分層の他方の面に接続され、ヨーク部分となるヨ
ーク部分層を形成する工程とを含み、絶縁層収納部は、
第2の磁極部分層の一方の面のうち第1の磁極部分層の
他方の面に接触しない部分とギャップ層との間に形成さ
れるようにしてもよい。
【0044】この場合には、コイル収納部を形成する工
程は、第2の磁極部分層をマスクとして第1の磁性層を
エッチングすることによってコイル収納部を形成するよ
うにしてもよい。また、ヨーク部分層を形成する工程
は、ヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄
膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に
配置するようにしてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法は、更に、スロートハイト規定用絶縁層
の第2の磁極部分層側の面を、第1の磁極部分層の他方
の面と共に平坦化する工程を含んでいてもよい。また、
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、コイル収
納部に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、
ヨーク部分層側の面が第2の磁極部分層の他方の面と共
に平坦化された他の絶縁層を形成する工程を含んでいて
もよい。また、薄膜コイルを形成する工程は、コイル収
納部に配置される第1の部分と、この第1の部分とヨー
ク部分層との間に配置される第2の部分とを形成するよ
うにしてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、更に、コイル収納部に配置された薄膜コイルの
第1の部分を覆い、ヨーク部分層側の面が第2の磁極部
分層の他方の面と共に平坦化された他の絶縁層を形成す
る工程を含み、薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイ
ルの第2の部分を他の絶縁層とヨーク部分層との間に配
置するようにしてもよい。
【0045】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、第1の磁性層を形成する工程は、第1の磁性層の
ギャップ層側の面において、絶縁層収納部となる第1の
凹部を形成し、コイル収納部を形成する工程は、第1の
磁性層のギャップ層側の面において、その深さが第1の
凹部の深さよりも大きく、コイル収納部の一部となる第
2の凹部を形成するようにしてもよい。
【0046】この場合、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、更に、スロートハイト規定用絶縁層のギャップ
層側の面を、第1の磁性層のギャップ層側の面と共に平
坦化する工程を含んでいてもよい。また、第2の磁性層
を形成する工程は、磁極部分となる磁極部分層と、磁極
部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを
形成するようにしてもよい。また、コイル収納部を形成
する工程は、磁極部分層をマスクとして第1の磁性層を
エッチングすることによってコイル収納部を形成するよ
うにしてもよい。また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、更に、コイル収納部に配置された薄膜コイルの
少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分層側の面が磁極
部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦化された他の絶
縁層を形成する工程を含んでいてもよい。また、薄膜コ
イルを形成する工程は、コイル収納部に配置される第1
の部分と、この第1の部分とヨーク部分層との間に配置
される第2の部分とを形成するようにしてもよい。ま
た、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、コイ
ル収納部に配置された薄膜コイルの第1の部分を覆い、
そのヨーク部分層側の面が磁極部分層のヨーク部分層側
の面と共に平坦化された他の絶縁層を形成する工程を含
み、薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの第2の
部分を、他の絶縁層とヨーク部分層との間に配置するよ
うにしてもよい。
【0047】また、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一
部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、
磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシ
ールド層と、磁気抵抗素子と第1および第2のシールド
層との間に設けられた第1および第2の絶縁膜とを形成
する工程を含んでいてもよい。この場合、第1および第
2の絶縁膜の少なくとも一方は、化学的気相成長法によ
って形成されるようにしてもよい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。 [第1の実施の形態]まず、図1ないし図8を参照し
て、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法について説明する。なお、図1ないし
図7において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面
を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な
断面を示している。
【0049】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティ
ック(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例え
ばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を、約5μm
の厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、
例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド
層3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3
は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき
法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、
図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層
を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP
(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出す
るまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0050】次に、図2に示したように、下部シールド
層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4
を、例えば約20〜40nmの厚みに形成する。次に、
下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5
を、数十nmの厚みに形成する。MR素子5は、例え
ば、スパッタによって形成したMR膜を選択的にエッチ
ングすることによって形成する。なお、MR素子5に
は、AMR素子、GMR素子、あるいはTMR(トンネ
ル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を
用いた素子を用いることができる。次に、下部シールド
ギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続される
一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、
下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶
縁膜としての上部シールドギャップ膜7を、例えば約2
0〜40nmの厚みに形成し、MR素子5をシールドギ
ャップ膜4,7内に埋設する。シールドギャップ膜4,
7に使用する絶縁材料としては、アルミナ、窒化アルミ
ニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等があ
る。また、シールドギャップ膜4,7は、スパッタ法に
よって形成してもよいし、例えばトリメチルアルミニウ
ム(Al(CH33)とH2O等を用いた化学的気相成
長(CVD)法によって形成してもよい。CVD法を用
いると、薄く、且つ緻密でピンホールの少ないシールド
ギャップ膜4,7を形成することが可能となる。
【0051】次に、上部シールドギャップ膜7の上に、
磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用
いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極
層と記す。)8を、例えば約3μmの厚みで、選択的に
形成する。
【0052】次に、図3に示したように、下部磁極層8
の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば
0.15〜0.3μmの厚みに形成する。記録ギャップ
層9に使用する絶縁材料としては、一般的に、アルミ
ナ、窒化アルミニウム、シリコン酸化物系材料、シリコ
ン窒化物系材料、ダイヤモンドライクカーボン(DL
C)等がある。
【0053】次に、磁路形成のために、後述する薄膜コ
イルの中心部分に対応する位置において、記録ギャップ
層9を部分的にエッチングしてコンタクトホール9aを
形成する。
【0054】次に、記録ギャップ層9のエアベアリング
面30側の端部近傍の位置において、記録ギャップ層9
の上に、磁性材料よりなり、上部磁極層の磁極部分の一
部となる第1の磁極部分層10aを、例えば約0.6〜
1.2μmの厚みに形成する。このとき同時に、磁路形
成のためのコンタクトホール9aの上に、磁路形成のた
めの磁性材料からなる磁性層11を、例えば約0.6〜
1.2μmの厚みに形成する。この時点において、第1
の磁極部分層10aは、その幅(図3(b)における左
右方向の寸法)が記録トラック幅よりも大きくなるよう
に形成されている。また、磁極部分における第1の磁極
部分層10aの長さ(図3(a)における左右方向の寸
法)はスロートハイトに等しくなっている。
【0055】次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶
縁層12を、約1.0〜2.0μmの厚みに形成する。
次に、例えばCMPによって、第1の磁極部分層10a
と磁性層11が露出するまで、絶縁層12を研磨して、
表面を平坦化処理する。このとき、絶縁層12の平坦化
処理によって、第1の磁極部分層10aの厚みが0.5
〜1.0μm程度になるようにする。図3(a)におい
て、第1の磁極部分層10aと絶縁層12との境界位置
がスロートハイトゼロ位置となる。
【0056】次に、図4に示したように、第1の磁極部
分層10aの上に、磁性材料よりなり、上部磁極層の磁
極部分の他の一部となる第2の磁極部分層10bを、例
えば約3.0〜5.0μmの厚みに形成する。このとき
同時に、磁性層11の上に磁性層13を例えば約3.0
〜5.0μmの厚みに形成する。第2の磁極部分層10
bは、第1の磁極部分層10aに接触する部分の幅が記
録トラック幅と等しく、且つ全体の長さが、磁極部分に
おける第1の磁極部分層10aの長さよりも大きくなっ
ている。
【0057】第1の磁極部分層10aおよび第2の磁極
部分層10bは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:
20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe
(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、め
っき法によって所定のパターンに形成してもよいし、高
飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を
用い、スパッタ後、イオンミリング等によって選択的に
エッチングして所定のパターンに形成してもよい。この
他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系ア
モルファス材等を用いてもよい。
【0058】次に、第2の磁極部分層10bと磁性層1
3をマスクとして、第1の磁極部分層10aおよび絶縁
層12を、例えばアルゴン系ガスを用いたイオンミリン
グによってエッチングする。これにより、第2の磁極部
分層10bと接触する部分において、第1の磁極部分層
10aの幅は、第2の磁極部分層の幅、すなわち記録ト
ラック幅と等しくなる。
【0059】次に、第1の磁極部分層10aおよび第2
の磁極部分層10bと、磁性層11,13をマスクとし
て、ドライエッチングにより、記録ギャップ層9を選択
的にエッチングする。このときのドライエッチングに
は、例えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、C
4,SF6等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イ
オンエッチング(RIE)が用いられる。
【0060】次に、第1の磁極部分層10aおよび第2
の磁極部分層10bと、磁性層11,13をマスクとし
て、例えばアルゴン系ガスを用いたイオンミリングによ
って、下部磁極層8を選択的に約0.3〜1.0μm程
度エッチングして、図4(b)に示したようなトリム構
造とする。このトリム構造によれば、狭トラックの書き
込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の
増加を防止することができる。なお、記録ギャップ層9
および下部磁極層8のエッチングの際には、エッチング
すべき領域以外の部分の上に図示しないトリム用フォト
マスクを形成してからエッチングを行うようにしてもよ
い。
【0061】上述の下部磁極層8のエッチングでは、図
4(a)に示したように、後述する薄膜コイルを形成す
る領域において、記録ギャップ層9を越えて下部磁極層
8側と上部磁極層(磁極部分層10a,10b)側とに
またがるように凹部を形成して、この凹部をコイル収納
部14とする。
【0062】また、下部磁極層8のエッチングの後で
は、図4(a)に示したように、第2の磁極部分層10
bの一方の面のうち第1の磁極部分層10aの他方の面
に接触しない部分と記録ギャップ層9との間の部分に、
スロートハイトを規定するための絶縁層12が残る。こ
の絶縁層12は、本発明におけるスロートハイト規定用
絶縁層に対応する。また、この絶縁層12を収納する部
分が、本実施の形態における絶縁層収納部50になる。
この絶縁層収納部50のエアベアリング面30側の端部
50aの位置はスロートハイトゼロ位置となる。
【0063】コイル収納部14のエアベアリング面30
側の端部14aは、絶縁層収納部50のエアベアリング
面30側の端部50aの位置、すなわちスロートハイト
ゼロ位置よりも、エアベアリング面30から離れた位置
に配置される。また、エアベアリング面30から、コイ
ル収納部14のエアベアリング面30側の端部14aま
での距離は、エアベアリング面30から、第2の磁極部
分層10bのエアベアリング面30とは反対側の端部ま
での距離と一致する。
【0064】なお、第2の磁極部分層10bは、下部磁
極層8のエッチングの際のマスクとなることから、下部
磁極層8のエッチングの後には、例えば約1.5〜3.
0μmの厚みとなる。
【0065】次に、図5に示したように、全体に、後述
する薄膜コイルと下部磁極層8とを絶縁するための、例
えばアルミナよりなる絶縁膜15を、約0.3〜0.6
μmの厚みに形成する。次に、コイル収納部14内にお
いて、絶縁膜15の上に、例えばフレームめっき法によ
って、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイル16を、例
えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2〜2.0
μmのコイルピッチで形成する。薄膜コイル16は、磁
性層11,13を中心にして巻回されるように形成され
る。なお、図5(a)において、符号16aは、薄膜コ
イル16を後述する導電層(リード)と接続するための
接続部を示している。
【0066】次に、図6に示したように、全体に、例え
ばアルミナよりなる絶縁層17を、約3〜4μmの厚み
に形成する。次に、例えばCMPによって、第2の磁極
部分層10bおよび磁性層13が露出するまで、絶縁層
17を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図6
(a)では、薄膜コイル16は露出していないが、薄膜
コイル16が露出するようにしてもよい。薄膜コイル1
6が露出するようにした場合には、薄膜コイル16を覆
う絶縁膜を形成する。
【0067】次に、図7に示したように、接続部16a
の上において、絶縁層17を部分的にエッチングしてコ
ンタクトホールを形成する。次に、第2の磁極部分層1
0b、絶縁層17および磁性層13の上に、上部磁極層
のヨーク部分となるヨーク部分層18を、例えば約2.
0〜3.0μmの厚みに形成する。このとき同時に、接
続部16aに接続される導電層19を、例えば約2.0
〜3.0μmの厚みに形成する。ヨーク部分層18は、
NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、
高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量
%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって所
定のパターンに形成してもよいし、高飽和磁束密度材料
であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタ
後、イオンミリング等によって選択的にエッチングして
所定のパターンに形成してもよい。この他にも、高飽和
磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等
を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、ヨー
ク部分層18を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性
層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0068】また、ヨーク部分層18のエアベアリング
面30側の端面は、エアベアリング面30から例えば
0.5〜1.0μmだけ離れた位置、本実施の形態では
特に、スロートハイトゼロ位置の近傍の位置に配置され
ている。
【0069】次に、全体に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層20を、例えば20〜40μmの厚みに
形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない
電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工
を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリン
グ面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0070】本実施の形態では、下部磁極層8が本発明
における第1の磁性層に対応し、第1の磁極部分層10
a、第2の磁極部分層10b、磁性層11,13および
ヨーク部分層18よりなる上部磁極層が、本発明におけ
る第2の磁性層に対応する。また、下部シールド層3
は、本発明における第1のシールド層に対応する。ま
た、下部磁極層8は、上部シールド層を兼ねているの
で、本発明における第2のシールド層にも対応する。
【0071】図8は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの平面図である。なお、この図では、オーバーコート
層20を省略していると共に、その他の絶縁層や絶縁膜
も適宜省略している。図8において、符号TH0は、ス
ロートハイトゼロ位置を示している。
【0072】以上説明したように、本実施の形態に係る
薄膜磁気ヘッドは、再生ヘッドと記録ヘッド(誘導型磁
気変換素子)とを備えている。再生ヘッドは、MR素子
5と、記録媒体に対向する側の一部がMR素子5を挟ん
で対向するように配置され、MR素子5をシールドする
ための下部シールド層3および上部シールド層(下部磁
極層8)とを有している。
【0073】記録ヘッドは、磁気的に連結され、互いに
磁気的に連結され、記録媒体に対向する側において互い
に対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの
層からなる下部磁極層8および上部磁極層(第1の磁極
部分層10a、第2の磁極部分層10b、磁性層11,
13およびヨーク部分層18)と、これら2つの磁極層
の各磁極部分の間に設けられた記録ギャップ層9と、少
なくとも一部がこれら2つの磁極層の間に、2つの磁極
層に対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル16
とを有している。
【0074】本実施の形態では、上部磁極層は、一方の
面が記録ギャップ層9に隣接し、幅が記録トラック幅に
等しく、長さがスロートハイトに等しく、磁極部分の一
部となる第1の磁極部分層10aと、一方の面が第1の
磁極部分層10aの他方の面に接触し、第1の磁極部分
層10aに接触する部分の幅が第1の磁極部分層10a
の幅すなわち記録トラック幅と等しく、且つ全体の長さ
が第1の磁極部分層10aの長さよりも大きく、磁極部
分の他の一部となる第2の磁極部分層10bと、第2の
磁極部分層の他方の面に接続され、ヨーク部分となるヨ
ーク部分層18とを有している。従って、本実施の形態
では、上部磁極層の第1の磁極部分層10aによってス
ロートハイトが規定され、上部磁極層の第1の磁極部分
層10aおよび第2の磁極部分層10bによって記録ト
ラック幅が規定される。
【0075】本実施の形態では、上部磁極層の第2の磁
極部分層10bの一方の面のうち第1の磁極部分層10
aの他方の面に接触しない部分と記録ギャップ層9との
間の部分に絶縁層収納部50(図4参照)が形成され、
この絶縁層収納部50に、スロートハイトを規定するた
めの絶縁層12が収納される。絶縁層収納部50のエア
ベアリング面側の端部50aの位置はスロートハイトゼ
ロ位置となる。
【0076】また、本実施の形態では、記録ギャップ層
9を越えて下部磁極層8側と上部磁極層(磁極部分層1
0a,10b)側とにまたがるようにコイル収納部14
(図4参照)が形成され、このコイル収納部14に薄膜
コイル16が収納される。本実施の形態では、特に、薄
膜コイル16は、記録ギャップ層9を越えて下部磁極層
8側と上部磁極層側とにまたがるようにコイル収納部1
4に収納される。コイル収納部14のエアベアリング面
30側の端部14aは、絶縁層収納部50のエアベアリ
ング面30側の端部50aの位置、すなわちスロートハ
イトゼロ位置よりも、エアベアリング面30から離れた
位置に配置される。
【0077】本実施の形態によれば、記録ギャップ層9
を越えて下部磁極層8側と上部磁極層側とにまたがるよ
うにコイル収納部14を形成し、このコイル収納部14
に薄膜コイル16を収納したので、記録ギャップ層9の
片面側に薄膜コイルを配置する場合に比べて、薄膜コイ
ル16の膜厚を大きくして、薄膜コイル16の抵抗を小
さくすることが可能となる。また、薄膜コイル16を、
記録ギャップ層9を越えて下部磁極層8側と上部磁極層
側とにまたがるようにコイル収納部14に収納すれば、
特に薄膜コイル16の膜厚を大きくすることができる。
従って、本実施の形態によれば、薄膜コイル16の線幅
を小さくすることが可能になる。また、本実施の形態に
よれば、薄膜コイル16のエアベアリング面30側の端
部は、コイル収納部14のエアベアリング面30側の端
部の近くに配置することが可能である。また、本実施の
形態によれば、薄膜コイル16が平坦な絶縁膜15の上
に形成されるので、薄膜コイル16を微細に精度よく形
成することが可能となる。これらのことから、本実施の
形態によれば、例えば従来に比べて30〜40%程度、
磁路長の縮小が可能になる。
【0078】また、本実施の形態によれば、エイペック
ス部が存在しないので、上部磁極層を微細に精度よく形
成することが可能となり、記録ヘッド(誘導型磁気変換
素子)のトラック幅の縮小が可能になる。特に、本実施
の形態では、上部磁極層のヨーク部分層18を平坦な層
とすることができるので、ヨーク部分層18の組成を正
確に制御することが可能となり、薄膜磁気ヘッドの量産
時に、安定した記録ヘッドの特性を確保することが可能
となる。
【0079】ところで、記録トラック幅に等しい幅とス
ロートハイトに等しい長さとを有する磁極部分にヨーク
部分層を接続する場合には、両者の接続部分で磁路の断
面積が急激に減少するため、この部分で磁束の飽和が生
じる可能がある。これは、特にスロートハイトが小さく
なったときに顕著になる。
【0080】これに対し、本実施の形態では、コイル収
納部14のエアベアリング面30側の端部14aを、絶
縁層収納部50のエアベアリング面30側の端部50a
の位置、すなわちスロートハイトゼロ位置よりも、エア
ベアリング面30から離れた位置に配置している。従っ
て、本実施の形態によれば、スロートハイトゼロ位置よ
りもエアベアリング面30から離れた位置において、磁
極部分(第2の磁極部分層10b)とヨーク部分層18
とを、比較的広い接触面積で接触させて接続することが
できる。従って、本実施の形態によれば、ヨーク部分層
18から第1の磁極部分層10aにかけて磁路の断面積
が急激に減少することがなく、磁路の途中での磁束の飽
和を防止することができる。その結果、本実施の形態に
よれば、薄膜コイル16で発生した起磁力を効率よく記
録に利用することが可能となる。
【0081】以上のことから、本実施の形態によれば、
記録ヘッドの高周波特性や、非線形トランジションシフ
ト(Non-linear Transition Shift;以下、NLTSと
記す。)や、重ね書きする場合の特性であるオーバーラ
イト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを提供することが可能
となる。
【0082】また、本実施の形態では、第1の磁極部分
層10aは、最終的にはスロートハイトに等しい長さと
記録トラック幅に等しい幅とを有するが、始めは記録ト
ラック幅よりも大きい幅を有するように形成される。そ
して、記録トラック幅に等しい幅を有する第2の磁極部
分層10bを形成した後、この第2の磁極部分層10b
をマスクとして第1の磁極部分層10aをエッチングす
ることにより、第1の磁極部分層10aの幅を記録トラ
ック幅に等しい幅とする。このように、本実施の形態に
よれば、始めに第1の磁極部分層10aを記録トラック
幅よりも大きい幅を有するように形成することができる
ので、始めから記録トラック幅に等しい幅とスロートハ
イトに等しい長さを有する磁極部分を形成する場合に比
べて、パターン端が丸みを帯びることなく第1の磁極部
分層10aを精度よく形成することができる。しかも、
本実施の形態によれば、第1の磁極部分層10aを平坦
な面の上に形成することができるので、この点からも第
1の磁極部分層10aを精度よく形成することができ
る。従って、本実施の形態によれば、トラック幅を小さ
くした場合でも、スロートハイトを精度よく規定するこ
とができる。
【0083】また、本実施の形態では、第2の磁極部分
層10bは、第1の磁極部分層10aに接触する部分の
幅が記録トラック幅と等しく、且つ全体の長さが第1の
磁極部分層10aの長さよりも大きくなるように形成さ
れる。従って、本実施の形態によれば、記録トラック幅
に等しい幅とスロートハイトに等しい長さを有する磁極
部分を形成する場合に比べて、第2の磁極部分層10b
を精度よく形成することができる。また、本実施の形態
では、上面が平坦化された第1の磁極部分層10aおよ
び絶縁層12の上に第2の磁極部分層10bを形成する
ことができるので、この点からも第2の磁極部分層10
bを精度よく形成することができる。従って、本実施の
形態によれば、トラック幅を小さくした場合でも、トラ
ック幅を精度よく規定することができる。
【0084】また、本実施の形態では、ヨーク部分層1
8のエアベアリング面30側の端面をエアベアリング面
30から離れた位置に配置している。従って、本実施の
形態によれば、記録すべき領域以外の領域へのデータの
書き込み、すなわちサイドライトを防止することができ
る。また、本実施の形態では、全体の長さがスロートハ
イトよりも大きな第2の磁極部分層10bを介して、第
1の磁極部分層10aとヨーク部分層18とが接続され
るので、上述のようにヨーク部分層18のエアベアリン
グ面30側の端面をエアベアリング面30から離れた位
置に配置しても、磁路の断面積が急激に減少することが
ない。
【0085】また、本実施の形態では、コイル収納部1
4に収納された薄膜コイル16を覆う絶縁層17を設
け、この絶縁層17の上面を平坦化したので、その後に
形成されるヨーク部分層18を精度よく形成することが
可能となる。
【0086】また、本実施の形態では、下部磁極層8と
薄膜コイル16の間に、薄く且つ十分な絶縁耐圧が得ら
れる無機材料よりなる絶縁膜である絶縁膜15が設けら
れるので、下部磁極層8と薄膜コイル16との間に大き
な絶縁耐圧を得ることができる。
【0087】また、本実施の形態では、薄膜コイル16
を無機絶縁材料よりなる絶縁層17で覆ったので、薄膜
磁気ヘッドの使用中に、薄膜コイル16の周辺で発生す
る熱による膨張によって磁極部分が記録媒体側に突出す
ることを防止することができる。
【0088】[第2の実施の形態]次に、図9および図
10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。な
お、図9において、(a)はエアベアリング面に垂直な
断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平
行な断面を示している。
【0089】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、2
層の薄膜コイルを設けたものである。図9に示したよう
に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第1の実施
の形態における薄膜コイル16の代りに薄膜コイルの第
1層部分21を有し、第1の実施の形態における絶縁層
17の代りに絶縁層22を有している。なお、図9
(a)において、符号21aは、薄膜コイルの第1層部
分21を後述する第2層部分に接続するための接続部を
示している。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、絶縁層22を平坦化する工程までは、第1の
実施の形態において絶縁層17を平坦化する工程までと
同様である。
【0090】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、次に、接続部21aの上において、絶縁層2
2を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成す
る。次に、絶縁層22の上に、例えばフレームめっき法
によって、例えば銅よりなる薄膜コイルの第2層部分2
3を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2
〜2.0μmのコイルピッチで形成する。なお、図9
(a)において、符号23aは、薄膜コイルの第2層部
分23をコンタクトホールを介して第1層部分21の接
続部21aに接続するための接続部を示している。
【0091】次に、絶縁層22および薄膜コイルの第2
層部分23の上に、フォトレジスト層24を、所定のパ
ターンに形成する。次に、第2の磁極部分層10b、フ
ォトレジスト層24および磁性層13の上に、上部磁極
層のヨーク部分となるヨーク部分層25を、例えば約
2.0〜3.0μmの厚みに形成する。ヨーク部分層2
5は、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量
%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:4
5重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によ
って所定のパターンに形成してもよいし、高飽和磁束密
度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパ
ッタ後、イオンミリング等によって選択的にエッチング
して所定のパターンに形成してもよい。この他にも、高
飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス
材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、
ヨーク部分層25を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の
磁性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0092】また、ヨーク部分層25のエアベアリング
面30側の端面は、エアベアリング面30から例えば
0.5〜1.0μmだけ離れた位置、本実施の形態では
特に、スロートハイトゼロ位置の近傍の位置に配置され
ている。
【0093】次に、全体に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層26を、例えば20〜40μmの厚みに
形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない
電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工
を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリン
グ面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0094】図10は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコー
ト層26を省略していると共に、その他の絶縁層や絶縁
膜も適宜省略している。
【0095】本実施の形態では、第1の磁極部分層10
a、第2の磁極部分層10b、磁性層11,13および
ヨーク部分層25よりなる上部磁極層が、本発明におけ
る第2の磁性層に対応する。
【0096】本実施の形態では、薄膜コイルの第2層部
分23を、平坦化された絶縁層22の上に形成したの
で、第2層部分23を微細に精度よく形成することが可
能になる。
【0097】また、本実施の形態では、エイペックス部
が存在するが、記録ギャップ層9を越えて下部磁極層8
側と上部磁極層側とにまたがるように形成されたコイル
収納部に薄膜コイルの第1層部分21を収納したので、
2層の薄膜コイルを記録ギャップ層9の片面側に配置す
る場合に比べて、エイペックス部の高さは小さくなる。
従って、本実施の形態によれば、上部磁極層のヨーク部
分層25を微細に精度よく形成することが可能となる。
【0098】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0099】[第3の実施の形態]次に、図11ないし
図16を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄
膜気ヘッドおよびその製造方法について説明する。な
お、図11ないし図15において、(a)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。
【0100】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、下
部磁極層側でスロートハイトを規定するようにしたもの
である。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法
では、下部磁極層8を形成する工程までは、第1の実施
の形態と同様である。
【0101】本実施の形態では、次に、図11に示した
ように、下部磁極層8の上面において、後述する薄膜コ
イルを形成する領域を、フォトレジスト膜をマスクとし
てイオンミリング等によって選択的に例えば約0.5〜
1.0μmの深さまでエッチングして、下部磁極層8の
上面に第1の凹部60を形成する。
【0102】次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶
縁層31を、約3〜5μmの厚みに形成する。次に、例
えばCMPによって、下部磁極層8が露出するまで、絶
縁層31を研磨して、表面を平坦化処理する。このと
き、絶縁層31の平坦化処理によって、第1の凹部60
の深さが0.3〜0.7μm程度になるようにする。図
11(a)において、第1の凹部60のエアベアリング
面30側の端部60aの位置がスロートハイトゼロ位置
となる。第1の凹部60に収納される絶縁層31は、本
発明におけるスロートハイト規定用絶縁層に対応する。
【0103】次に、下部磁極層8および絶縁層31の上
に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層9を、例えば0.
3μmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、後
述する薄膜コイルの中心部分に対応する位置において、
記録ギャップ層9を部分的にエッチングしてコンタクト
ホール9aを形成する。
【0104】次に、図12に示したように、記録ギャッ
プ層9のエアベアリング面30側の端部近傍の位置にお
いて、記録ギャップ層9の上に、磁性材料よりなり、上
部磁極層の磁極部分となる磁極部分層32を、例えば約
2〜3μmの厚みに形成する。このとき同時に、磁路形
成のためのコンタクトホール9aの上に、磁路形成のた
めの磁性材料からなる磁性層33を、例えば約2〜3μ
mの厚みに形成する。磁極部分層32の幅は記録トラッ
ク幅と等しく、磁極部分層32の長さはスロートハイト
よりも大きくなっている。
【0105】磁極部分層32は、NiFe(Ni:80
重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料で
あるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)
等を用い、めっき法によって所定のパターンに形成して
もよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZr
N等の材料を用い、スパッタ後、イオンミリング等によ
って選択的にエッチングして所定のパターンに形成して
もよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoF
e,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0106】次に、図13に示したように、磁極部分層
32と磁性層33をマスクとして、ドライエッチングに
より、記録ギャップ層9を選択的にエッチングする。こ
のときのドライエッチングには、例えば、BCl2,C
2等の塩素系ガスや、CF4,SF6等のフッ素系ガス
等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が
用いられる。
【0107】次に、磁極部分層32と磁性層33をマス
クとして、例えばアルゴン系ガスを用いたイオンミリン
グによって、下部磁極層8を選択的に約0.3〜0.6
μm程度エッチングして、図13(b)に示したような
トリム構造とする。なお、記録ギャップ層9および下部
磁極層8のエッチングの際には、エッチングすべき領域
以外の部分の上に図示しないトリム用フォトマスクを形
成してからエッチングを行うようにしてもよい。
【0108】本実施の形態では、上述の下部磁極層8の
エッチングにより、図13(a)に示したように、後述
する薄膜コイルを形成する領域において、下部磁極層8
の上面に第2の凹部62を形成することによって、記録
ギャップ層9を越えて下部磁極層8側と上部磁極層(磁
極部分層32)側とにまたがるコイル収納部63を形成
する。また、下部磁極層8のエッチング後に残った絶縁
層31を収納する部分が、本実施の形態における絶縁層
収納部61となる。この絶縁層収納部61のエアベアリ
ング面30側の端部61a(第1の凹部60のエアベア
リング面30側の端部60aと同じ。)の位置はスロー
トハイトゼロ位置となる。
【0109】コイル収納部63のエアベアリング面30
側の端部63aは、絶縁層収納部61のエアベアリング
面30側の端部61aの位置、すなわちスロートハイト
ゼロ位置よりも、エアベアリング面30から離れた位置
に配置される。また、エアベアリング面30から、コイ
ル収納部63のエアベアリング面30側の端部63aま
での距離は、エアベアリング面30から、磁極部分層3
2のエアベアリング面30とは反対側の端部までの距離
と一致する。
【0110】なお、例えばイオンミリングによって下部
磁極層8をエッチングする場合、下部磁極層8の上面に
おいて、コイル収納部63を形成すべき領域には、上部
磁極層の磁極部分層32のようにイオンミリングのビー
ムを妨げる障害物がない。従って、コイル収納部63を
形成すべき領域における下部磁極層8のエッチングレー
トは、磁極部分層32の周辺における下部磁極層8のエ
ッチングレートよりも大きくなる。そのため、磁極部分
層32の周辺において下部磁極層8を約0.3〜0.6
μm程度エッチングするようにすると、コイル収納部6
3を形成すべき領域では、下部磁極層8は例えば約0.
6〜1.5μm程度エッチングされる。従って、下部磁
極層8の上面からのコイル収納部63の深さは、例えば
約0.6〜1.5μmとなる。このコイル収納部63の
深さは、絶縁層収納部61の深さよりも大きくなるよう
にする。
【0111】次に、全体に、後述する薄膜コイルと下部
磁極層8とを絶縁するための、例えばアルミナよりなる
絶縁膜34を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成す
る。次に、コイル収納部63内において、絶縁膜34の
上に、例えばフレームめっき法によって、例えば銅より
なる薄膜コイル35を、例えば約1.0〜2.0μmの
厚みおよび1.2〜2.0μmのコイルピッチで形成す
る。薄膜コイル35は、磁性層33を中心にして巻回さ
れるように形成される。なお、図13(a)において、
符号35aは、薄膜コイル35を後述する導電層(リー
ド)と接続するための接続部を示している。
【0112】次に、図14に示したように、全体に、例
えばアルミナよりなる絶縁層36を、約3〜4μmの厚
みに形成する。次に、例えばCMPによって、磁極部分
層32および磁性層33が露出するまで、絶縁層36を
研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図14
(a)では、薄膜コイル35は露出していないが、薄膜
コイル35が露出するようにしてもよい。薄膜コイル3
5が露出するようにした場合には、薄膜コイル35を覆
う絶縁膜を形成する。
【0113】次に、図15に示したように、接続部35
aの上において、絶縁層36を部分的にエッチングして
コンタクトホールを形成する。次に、磁極部分層32、
絶縁層36および磁性層33の上に、上部磁極層のヨー
ク部分となるヨーク部分層38を、例えば約2.0〜
3.0μmの厚みに形成する。このとき同時に、接続部
35aに接続される導電層39を、例えば約2.0〜
3.0μmの厚みに形成する。ヨーク部分層38は、N
iFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高
飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,
Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって所定の
パターンに形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であ
るFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタ後、イ
オンミリング等によって選択的にエッチングして所定の
パターンに形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密
度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用い
てもよい。また、高周波特性の改善のため、ヨーク部分
層38を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを
何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0114】また、ヨーク部分層38のエアベアリング
面30側の端面は、エアベアリング面30から例えば
0.5〜1.0μmだけ離れた位置、本実施の形態では
特に、スロートハイトゼロ位置の近傍の位置に配置され
ている。
【0115】次に、全体に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層40を、例えば20〜40μmの厚みに
形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない
電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工
を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリン
グ面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0116】本実施の形態では、磁極部分層32、磁性
層33およびヨーク部分層38よりなる上部磁極層が、
本発明における第2の磁性層に対応する。
【0117】図16は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコー
ト層40を省略していると共に、その他の絶縁層や絶縁
膜も適宜省略している。
【0118】本実施の形態では、下部磁極層8の上面に
絶縁層収納部61(図13参照)が形成され、この絶縁
層収納部61に、スロートハイトを規定するための絶縁
層31が収納される。絶縁層収納部61のエアベアリン
グ面側の端部61aの位置はスロートハイトゼロ位置と
なる。
【0119】また、本実施の形態では、記録ギャップ層
9を越えて下部磁極層8側と上部磁極層(磁極部分層3
2)側とにまたがるようにコイル収納部63(図13参
照)が形成され、このコイル収納部63に薄膜コイル3
5が収納される。コイル収納部63のエアベアリング面
30側の端部63aは、絶縁層収納部61のエアベアリ
ング面側の端部61aの位置、すなわちスロートハイト
ゼロ位置よりも、エアベアリング面30から離れた位置
に配置される。
【0120】ところで、下部磁極層8に薄膜コイルを収
納するための凹部を形成し、この凹部のエアベアリング
面30側の端部の位置をスロートハイトゼロ位置とする
と、下部磁極層8において、スロートハイトゼロ位置よ
りもエアベアリング面30側の磁極部分と、薄膜コイル
の下側に位置するヨーク部分との接続部分で磁路の断面
積が急激に減少するため、この部分で磁束の飽和が生じ
る可能性がある。これは、特にスロートハイトが小さく
なったときに顕著になる。
【0121】これに対し、本実施の形態では、コイル収
納部63のエアベアリング面30側の端部63aを、絶
縁層収納部61のエアベアリング面30側の端部61a
の位置、すなわちスロートハイトゼロ位置よりも、エア
ベアリング面30から離れた位置に配置している。ま
た、絶縁層収納部61の深さは、コイル収納部63の深
さよりも小さくなっている。従って、本実施の形態によ
れば、下部磁極層8において、ヨーク部分から磁極部分
にかけて磁路の断面積が急激に減少することがなく、磁
路の途中での磁束の飽和を防止することができる。その
結果、本実施の形態によれば、薄膜コイル35で発生し
た起磁力を効率よく記録に利用することが可能となる。
【0122】また、本実施の形態によれば、スロートハ
イトを規定する絶縁層収納部61を、フォトリソグラフ
ィを用いて比較的広いパターンに形成することができ
る。従って、本実施の形態によれば、上部磁極層の磁極
部分でスロートハイトを規定する場合に比べて、スロー
トハイトを精度よく規定することができる。
【0123】また、本実施の形態によれば、絶縁層31
の記録ギャップ層9側の面を、下部磁極層8の記録ギャ
ップ層9側の面と共に平坦化したので、その上に形成さ
れる記録ギャップ層9および上部磁極層の磁極部分層3
2を精度よく形成することができる。
【0124】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第1の実施の形態における上部磁極層の
構造に基づく特有の作用、効果を除き、第1の実施の形
態と同様である。
【0125】[第4の実施の形態]次に、図17および
図18を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る薄
膜気ヘッドおよびその製造方法について説明する。な
お、図17において、(a)はエアベアリング面に垂直
な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に
平行な断面を示している。
【0126】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、2
層の薄膜コイルを設けたものである。図17に示したよ
うに、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、第3の実
施の形態における薄膜コイル35の代りに薄膜コイルの
第1層部分41を有し、第3の実施の形態における絶縁
層36の代りに絶縁層42を有している。なお、図17
(a)において、符号41aは、薄膜コイルの第1層部
分41を後述する第2層部分に接続するための接続部を
示している。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、絶縁層42を平坦化する工程までは、第3の
実施の形態において絶縁層36を平坦化する工程までと
同様である。
【0127】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、次に、接続部41aの上において、絶縁層4
2を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成す
る。次に、絶縁層42の上に、例えばフレームめっき法
によって、例えば銅よりなる薄膜コイルの第2層部分4
3を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2
〜2.0μmのコイルピッチで形成する。なお、図17
(a)において、符号43aは、薄膜コイルの第2層部
分43をコンタクトホールを介して第1層部分41の接
続部41aに接続するための接続部を示している。
【0128】次に、絶縁層42および薄膜コイルの第2
層部分43の上に、フォトレジスト層44を、所定のパ
ターンに形成する。次に、磁極部分層32、フォトレジ
スト層44および磁性層33の上に、上部磁極層のヨー
ク部分となるヨーク部分層45を、例えば約2.0〜
3.0μmの厚みに形成する。ヨーク部分層45は、N
iFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高
飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,
Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって所定の
パターンに形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であ
るFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタ後、イ
オンミリング等によって選択的にエッチングして所定の
パターンに形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密
度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用い
てもよい。また、高周波特性の改善のため、ヨーク部分
層45を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを
何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0129】また、ヨーク部分層45のエアベアリング
面30側の端面は、エアベアリング面30から例えば
0.5〜1.0μmだけ離れた位置、本実施の形態では
特に、スロートハイトゼロ位置の近傍の位置に配置され
ている。
【0130】次に、全体に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層46を、例えば20〜40μmの厚みに
形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない
電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工
を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリン
グ面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドが完成する。
【0131】図18は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコー
ト層46を省略していると共に、その他の絶縁層や絶縁
膜も適宜省略している。
【0132】本実施の形態では、磁極部分層32、磁性
層33およびヨーク部分層45よりなる上部磁極層が、
本発明における第2の磁性層に対応する。
【0133】本実施の形態では、薄膜コイルの第2層部
分43を、平坦化された絶縁層42の上に形成したの
で、第2層部分43を微細に精度よく形成することが可
能になる。
【0134】また、本実施の形態では、エイペックス部
が存在するが、記録ギャップ層9を越えて下部磁極層8
側と上部磁極層側とにまたがるように形成されたコイル
収納部に薄膜コイルの第1層部分41を収納したので、
2層の薄膜コイルを記録ギャップ層9の片面側に配置す
る場合に比べて、エイペックス部の高さは小さくなる。
従って、本実施の形態によれば、上部磁極層のヨーク部
分層45を微細に精度よく形成することが可能となる。
【0135】本実施の形態におけるその他の構成、作用
および効果は、第3の実施の形態と同様である。
【0136】本発明は、上記各実施の形態に限定され
ず、種々の変更が可能である。例えば上記各実施の形態
では、基体側に読み取り用のMR素子を形成し、その上
に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造の
薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆
にしてもよい。
【0137】つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気
変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を
形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施
の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部
磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介し
て、それに対向するように上記実施の形態に示した下部
磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成す
ることにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素
子の上部磁極層とMR素子の下部シールド層を兼用させ
ることが好ましい。
【0138】また、本発明は、誘導型磁気変換素子のみ
を備えた記録専用の薄膜磁気ヘッドや、誘導型磁気変換
素子によって記録と再生を行う薄膜磁気ヘッドにも適用
することができる。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように本発明の薄膜磁気ヘ
ッドまたはその製造方法によれば、ギャップ層を越えて
第1の磁性層側と第2の磁性層側とにまたがるようにコ
イル収納部を形成し、このコイル収納部に薄膜コイルの
少なくとも一部を収納したので、薄膜コイルの厚みを大
きくし線幅を小さくして、磁路長を短縮することが可能
になる。しかも、本発明によれば、エイペックス部が存
在しないようにするかエイペックス部の高さを小さくす
ることが可能となるので、磁性層を微細に精度よく形成
することが可能となり、誘導型磁気変換素子のトラック
幅を縮小することが可能になるという効果を奏する。更
に、本発明によれば、一方の磁性層に形成された絶縁層
収納部の記録媒体に対向する側の端部によってスロート
ハイトを規定すると共に、コイル収納部の記録媒体に対
向する側の端部を、絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気
ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置し
たので、一方の磁性層において磁路の断面積が急激に減
少することを防止でき、磁路の途中での磁束の飽和を防
止することが可能になるという効果を奏する。
【0140】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、コイル収納部に配置される薄膜コイ
ルの少なくとも一部を、ギャップ層を越えて第1の磁性
層側と第2の磁性層側とにまたがるように配置した場合
には、特に薄膜コイルの厚みを大きくすることができる
という効果を奏する。
【0141】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第2の磁性層が、スロートハイトを
規定する第1の磁極部分層と、トラック幅を規定する第
2の磁極部分層と、ヨーク部分層とを有するようにした
場合には、誘導型磁気変換素子のトラック幅を小さくし
た場合でもトラック幅とスロートハイトを精度よく規定
することが可能になるという効果を奏する。
【0142】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、ヨーク部分層の記録媒体に対向する
側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面か
ら離れた位置に配置した場合には、更に、記録すべき領
域以外の領域へのデータの書き込みを防止することがで
きるという効果を奏する。
【0143】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、スロートハイト規定用絶縁層の第2
の磁極部分層側の面を第1の磁極部分層の他方の面と共
に平坦化した場合には、更に、第2の磁極部分層を精度
よく形成することが可能になるという効果を奏する。
【0144】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、コイル収納部に配置された薄膜コイ
ルの少なくとも一部を覆い、ヨーク部分層側の面が第2
の磁極部分層の他方の面と共に平坦化された他の絶縁層
を設けた場合には、更に、他の絶縁層に隣接する層を精
度よく形成することが可能になるという効果を奏する。
【0145】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、薄膜コイル、コイル収納部に配置
された第1の部分と、この第1の部分とヨーク部分層と
の間に配置された第2の部分とを有し、更に、コイル収
納部に配置された薄膜コイルの第1の部分を覆い、ヨー
ク部分層側の面が第2の磁極部分層の他方の面と共に平
坦化された他の絶縁層を設け、薄膜コイルの第2の部分
を他の絶縁層とヨーク部分層との間に配置した場合に
、更に、薄膜コイルの第2の部分を精度よく形成する
ことが可能になるという効果を奏する。
【0146】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第1の磁性層のギャップ層側の面に
おいて、絶縁層収納部となる第1の凹部と、その深さが
第1の凹部の深さよりも大きく、コイル収納部の一部と
なる第2の凹部とを形成するようにした場合には、更
に、スロートハイトを精度よく規定することができると
いう効果を奏する。
【0147】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、スロートハイト規定用絶縁層のギャ
ップ層側の面を、第1の磁性層のギャップ層側の面と共
に平坦化した場合には、更に、スロートハイト規定用絶
縁層および第1の磁性層に隣接する層を精度よく形成す
ることが可能になるという効果を奏する。
【0148】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、第2の磁性層磁極部分層とヨーク
部分層とを有し、更に、コイル収納部に配置された薄膜
コイルの少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分層側の
面が磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦化され
た他の絶縁層を設けた場合には、更に、他の絶縁層に隣
接する層を精度よく形成することが可能になるという効
果を奏する。
【0149】また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその
製造方法において、薄膜コイル、コイル収納部に配置
された第1の部分と、この第1の部分とヨーク部分層と
の間に配置された第2の部分とを有し、更に、コイル収
納部に配置された薄膜コイルの第1の部分を覆い、その
ヨーク部分層側の面が磁極部分層のヨーク部分層側の面
と共に平坦化された他の絶縁層を設け、薄膜コイルの第
2の部分を他の絶縁層とヨーク部分層との間に配置した
場合には、薄膜コイルの第2の部分を精度よく形成する
ことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの断面図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図12】図11に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図13】図12に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図14】図13に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの断面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面図である。
【図19】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図20】図19に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図21】図20に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図22】図21に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図23】従来の磁気ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR
素子、8…下部磁極層、9…記録ギャップ層、10a…
上部磁極層の第1の磁極部分層、10b…上部磁極層の
第2の磁極部分層、12…絶縁層、14…コイル収納
部、15…絶縁膜、16…薄膜コイル、17…絶縁層、
18…ヨーク部分層、20…オーバーコート層、50…
絶縁層収納部。

Claims (50)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に対
    向する側において互いに対向する磁極部分を含み、それ
    ぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性
    層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層
    の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくと
    も一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1
    および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられ
    た薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドであって、更
    に、 一方の磁性層に形成され、記録媒体に対向する側におい
    てスロートハイトを規定する端部を有し、スロートハイ
    トを規定するためのスロートハイト規定用絶縁層を収納
    する絶縁層収納部と、 前記絶縁層収納部に収納されたスロートハイト規定用絶
    縁層と、 前記ギャップ層を越えて前記第1の磁性層側と第2の磁
    性層側とにまたがるように形成され、記録媒体に対向す
    る側において、前記絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気
    ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置さ
    れた端部を有し、前記薄膜コイルの少なくとも一部を収
    納するコイル収納部とを備え、 前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記ギャップ層を
    越えて前記第1の磁性層側と第2の磁性層側とにまたが
    るように、前記コイル収納部に配置され 前記第2の磁性層は、 一方の面が前記ギャップ層に隣接し、幅が記録トラック
    幅に等しく、長さがスロートハイトに等しく、磁極部分
    の一部となる第1の磁極部分層と、 一方の面の一部が前記第1の磁極部分層の他方の面に接
    触し、前記第1の磁極部分層に接触する部分の幅が前記
    第1の磁極部分層の幅と等しく、且つ全体の長さが前記
    第1の磁極部分層の長さよりも大きく、磁極部分の他の
    一部となる第2の磁極部分層と、 前記第2の磁極部分層の他方の面に接続され、ヨーク部
    分となるヨーク部分層とを有し、 前記絶縁層収納部は、前記第2の磁極部分層の一方の面
    のうち前記第1の磁極部分層の他方の面に接触しない部
    分と前記ギャップ層との間に形成され ていることを特徴
    とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面
    から、前記第2の磁極部分層における記録媒体に対向す
    る側とは反対側の端部までの距離は、薄膜磁気ヘッドの
    記録媒体に対向する面から、前記コイル収納部における
    記録媒体に対向する側の端部までの距離と一致すること
    を特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記ヨーク部分層の記録媒体に対向する
    側の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面か
    ら離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項
    または記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記スロートハイト規定用絶縁層の前記
    第2の磁極部分層側の面は、前記第1の磁極部分層の他
    方の面と共に平坦化されていることを特徴とする請求項
    ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 更に、前記コイル収納部に配置された薄
    膜コイルの少なくとも一部を覆い、前記ヨーク部分層側
    の面が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化さ
    れた他の絶縁層を備えたことを特徴とする請求項ない
    のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記薄膜コイルは、前記コイル収納部に
    配置された第1の部分と、この第1の部分と前記ヨーク
    部分層との間に配置された第2の部分とを有することを
    特徴とする請求項ないしのいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  7. 【請求項7】 更に、前記コイル収納部に配置された薄
    膜コイルの第1の部分を覆い、前記ヨーク部分層側の面
    が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化された
    他の絶縁層を備え、前記薄膜コイルの第2の部分は、前
    記他の絶縁層と前記ヨーク部分層との間に配置されてい
    ることを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向
    する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するよう
    に配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするための
    第1および第2のシールド層とを備えたことを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に対
    向する側において互いに対向する磁極部分を含み、それ
    ぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性
    層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層
    の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくと
    も一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1
    および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられ
    た薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドであって、更
    に、 一方の磁性層に形成され、記録媒体に対向する側におい
    てスロートハイトを規定する端部を有し、スロートハイ
    トを規定するためのスロートハイト規定用絶縁層を収納
    する絶縁層収納部と、 前記絶縁層収納部に収納されたスロートハイト規定用絶
    縁層と、 前記ギャップ層を越えて前記第1の磁性層側と第2の磁
    性層側とにまたがるように形成され、記録媒体に対向す
    る側において、前記絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気
    ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置さ
    れた端部を有し、前記薄膜コイルの少なくとも一部を収
    納するコイル収納部とを備え、 前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記ギャップ層を
    越えて前記第1の磁性層側と第2の磁性層側とにまたが
    るように、前記コイル収納部に配置され、 前記第1の磁性層は、第1の磁性層のギャップ層側の面
    において、前記絶縁層収納部となる第1の凹部と、その
    深さが前記第1の凹部の深さよりも大きく、前記コイル
    収納部の一部となる第2の凹部とを有することを特徴と
    する薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記スロートハイト規定用絶縁層のギ
    ャップ層側の面は、前記第1の磁性層のギャップ層側の
    面と共に平坦化されていることを特徴とする請求項
    載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記第2の磁性層は、磁極部分となる
    磁極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分
    となるヨーク部分層とを有することを特徴とする請求項
    または10記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する
    面から、前記磁極部分層における記録媒体に対向する側
    とは反対側の端部までの位置は、薄膜磁気ヘッドの記録
    媒体に対向する面から、前記コイル収納部における記録
    媒体に対向する側の端部までの距離と一致することを特
    徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分層
    側の面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平
    坦化された他の絶縁層を備えたことを特徴とする請求項
    11または12記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記薄膜コイルは、前記コイル収納部
    に配置された第1の部分と、この第1の部分と前記ヨー
    ク部分層との間に配置された第2の部分とを有すること
    を特徴とする請求項11または12記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  15. 【請求項15】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの第1の部分を覆い、そのヨーク部分層側の
    面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦化
    された他の絶縁層を備え、前記薄膜コイルの第2の部分
    は、前記他の絶縁層と前記ヨーク部分層との間に配置さ
    れていることを特徴とする請求項14記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  16. 【請求項16】 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対
    向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するよ
    うに配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするため
    の第1および第2のシールド層とを備えたことを特徴と
    する請求項ないし15のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  17. 【請求項17】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に
    対向する側において互いに対向する磁極部分を含み、そ
    れぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁
    性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性
    層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なく
    とも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第
    1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けら
    れた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法で
    あって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程
    と、 少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、
    この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
    配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを
    含み、 一方の磁性層を形成する工程は、一方の磁性層に対し
    て、記録媒体に対向する側においてスロートハイトを規
    定する端部を有し、スロートハイトを規定するためのス
    ロートハイト規定用絶縁層を収納する絶縁層収納部を形
    成し、 薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、 前記絶縁層収納部に収納されるように、スロートハイト
    規定用絶縁層を形成する工程と、 前記ギャップ層を越えて前記第1の磁性層側と第2の磁
    性層側とにまたがるように、記録媒体に対向する側にお
    いて、前記絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気ヘッドの
    記録媒体に対向する面から離れた位置に配置された端部
    を有し、前記薄膜コイルの少なくとも一部を収納するコ
    イル収納部を形成する工程とを含み、 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少
    なくとも一部を、前記ギャップ層を越えて前記第1の磁
    性層側と第2の磁性層側とにまたがるように、前記コイ
    ル収納部に配置し、 前記第2の磁性層を形成する工程は、 一方の面が前記ギャップ層に隣接し、磁極部分における
    長さがスロートハイトに等しく、磁極部分の一部となる
    第1の磁極部分層を形成する工程と、 一方の面の一部が前記第1の磁極部分層の他方の面に接
    触し、前記第1の磁極部分層に接触する部分の幅が記録
    トラック幅と等しく、且つ全体の長さが磁極部分におけ
    る前記第1の磁極部分層の長さよりも大きく、磁極部分
    の他の一部となる第2の磁極部分層を形成する工程と、 前記第1の磁極部分層と第2の磁極部分層と接触する部
    分において、前記第1の磁極部分層の幅が前記第2の磁
    極部分層の幅と等しくなるように、前記第2の磁極部分
    層をマスクとして第1の磁極部分層をエッチングする工
    程と、 前記第2の磁極部分層の他方の面に接続され、ヨーク部
    分となるヨーク部分層を形成する工程とを含み、 前記絶縁層収納部は、前記第2の磁極部分層の一方の面
    のうち前記第1の磁極部分層の他方の面に接触しない部
    分と前記ギャップ層との間に形成される ことを特徴とす
    る薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記コイル収納部を形成する工程は、
    前記第2の磁極部分層をマスクとして前記第1の磁性層
    をエッチングすることによって前記コイル収納部を形成
    することを特徴とする請求項17記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ヨーク部分層を形成する工程は、
    前記ヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄
    膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に
    配置することを特徴とする請求項17または18記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 更に、前記スロートハイト規定用絶縁
    層の前記第2の磁極部分層側の面を、前記第1の磁極部
    分層の他方の面と共に平坦化する工程を含むことを特徴
    とする請求項17ないし19のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、前記ヨーク部分層
    側の面が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化
    された他の絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とす
    る請求項17ないし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記薄膜コイルを形成する工程は、前
    記コイル収納部に配置される第1の部分と、この第1の
    部分と前記ヨーク部分層との間に配置される第2の部分
    とを形成することを特徴とする請求項17ないし20
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの第1の部分を覆い、前記ヨーク部分層側の
    面が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化され
    た他の絶縁層を形成する工程を含み、 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの第
    2の部分を前記他の絶縁層と前記ヨーク部分層との間に
    配置することを特徴とする請求項22記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対
    向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するよ
    うに配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするため
    の第1および第2のシールド層と、前記磁気抵抗素子と
    前記第1および第2のシールド層との間に設けられた第
    1および第2の絶縁膜とを形成する工程を含むことを特
    徴とする請求項17ないし23のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1および第2の絶縁膜の少なく
    とも一方は、化学的気相成長法によって形成されること
    を特徴とする請求項24記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  26. 【請求項26】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に
    対向する側において互いに対向する磁極部分を含み、そ
    れぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁
    性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性
    層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なく
    とも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第
    1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けら
    れた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法で
    あって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程
    と、 少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、
    この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
    配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを
    含み、 一方の磁性層を形成する工程は、一方の磁性層に対し
    て、記録媒体に対向する側においてスロートハイトを規
    定する端部を有し、スロートハイトを規定するためのス
    ロートハイト規定用絶縁層を収納する絶縁層収納部を形
    成し、 薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、 前記絶縁層収納部に収納されるように、スロートハイト
    規定用絶縁層を形成する工程と、 前記ギャップ層を越えて前記第1の磁性層側と第2の磁
    性層側とにまたがるように、記録媒体に対向する側にお
    いて、前記絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気ヘッドの
    記録媒体に対向する面から離れた位置に配置された端部
    を有し、前記薄膜コイルの少なくとも一部を収納するコ
    イル収納部を形成する工程とを含み、 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少
    なくとも一部を、前記ギャップ層を越えて前記第1の磁
    性層側と第2の磁性層側とにまたがるように、前記コイ
    ル収納部に配置し、 前記第1の磁性層を形成する工程は、第1の磁性層のギ
    ャップ層側の面において、前記絶縁層収納部となる第1
    の凹部を形成し、 前記コイル収納部を形成する工程は、第1の磁性層のギ
    ャップ層側の面において、その深さが前記第1の凹部の
    深さよりも大きく、前記コイル収納部の一部となる第2
    の凹部を形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  27. 【請求項27】 更に、前記スロートハイト規定用絶縁
    層のギャップ層側の面を、前記第1の磁性層のギャップ
    層側の面と共に平坦化する工程を含むことを特徴とする
    請求項26記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記第2の磁性層を形成する工程は、
    磁極部分となる磁極部分層と、前記磁極部分層に接続さ
    れ、ヨーク部分となるヨーク部分層とを形成することを
    特徴とする請求項26または27記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  29. 【請求項29】 前記コイル収納部を形成する工程は、
    前記磁極部分層をマスクとして第1の磁性層をエッチン
    グすることによって前記コイル収納部を形成することを
    特徴とする請求項28記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  30. 【請求項30】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分層
    側の面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平
    坦化された他の絶縁層を形成する工程を含むことを特徴
    とする請求項28または29記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  31. 【請求項31】 前記薄膜コイルを形成する工程は、前
    記コイル収納部に配置される第1の部分と、この第1の
    部分と前記ヨーク部分層との間に配置される第2の部分
    とを形成することを特徴とする請求項28または29
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  32. 【請求項32】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの第1の部分を覆い、そのヨーク部分層側の
    面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦化
    された他の絶縁層を形成する工程を含み、 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの第
    2の部分を、前記他の絶縁層と前記ヨーク部分層との間
    に配置することを特徴とする請求項31記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  33. 【請求項33】 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対
    向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するよ
    うに配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするため
    の第1および第2のシールド層と、前記磁気抵抗素子と
    前記第1および第2のシールド層との間に設けられた第
    1および第2の絶縁膜とを形成する工程を含むことを特
    徴とする請求項26ないし32のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  34. 【請求項34】 前記第1および第2の絶縁膜の少なく
    とも一方は、化学的気相成長法によって形成されること
    を特徴とする請求項33記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  35. 【請求項35】 互いに磁気的に連結され、記録媒体に
    対向する側において互いに対向する磁極部分を含み、そ
    れぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁
    性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性
    層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なく
    とも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第
    1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けら
    れた薄膜コイルとを備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法で
    あって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程
    と、 少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、
    この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で
    配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを
    含み、 一方の磁性層を形成する工程は、一方の磁性層に対し
    て、記録媒体に対向する側においてスロートハイトを規
    定する端部を有し、スロートハイトを規定するためのス
    ロートハイト規定用絶縁層を収納する絶縁層収納部を形
    成し、 薄膜磁気ヘッドの製造方法は、更に、 前記絶縁層収納部に収納されるように、スロートハイト
    規定用絶縁層を形成する工程と、 前記ギャップ層を越えて前記第1の磁性層側と第2の磁
    性層側とにまたがるように、記録媒体に対向する側にお
    いて、前記絶縁層収納部の端部よりも薄膜磁気ヘッドの
    記録媒体に対向する面から離れた位置に配置された端部
    を有し、前記薄膜コイルの少なくとも一部を収納するコ
    イル収納部を形成する工程とを含み、 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少
    なくとも一部を前記コイル収納部に配置し、 前記第2の磁性層を形成する工程は、磁極部分となる磁
    極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分と
    なるヨーク部分層とを形成し、 前記コイル収納部を形成する工程は、前記磁極部分層を
    マスクとして第1の磁性層をエッチングすることによっ
    て前記コイル収納部を形成することを特徴とする薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  36. 【請求項36】 前記薄膜コイルを形成する工程は、前
    記薄膜コイルの少なくとも一部を、前記ギャップ層を越
    えて前記第1の磁性層側と第2の磁性層側とにまたがる
    ように、前記コイル収納部に配置することを特徴とする
    請求項35記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  37. 【請求項37】 前記第2の磁性層を形成する工程は、 一方の面が前記ギャップ層に隣接し、磁極部分における
    長さがスロートハイトに等しく、前記磁極部分層の一部
    となる第1の磁極部分層を形成する工程と、 一方の面の一部が前記第1の磁極部分層の他方の面に接
    触し、前記第1の磁極部分層に接触する部分の幅が記録
    トラック幅と等しく、且つ全体の長さが磁極部分におけ
    る前記第1の磁極部分層の長さよりも大きく、前記磁極
    部分層の他の一部となる第2の磁極部分層を形成する工
    程と、 前記第1の磁極部分層と第2の磁極部分層と接触する部
    分において、前記第1の磁極部分層の幅が前記第2の磁
    極部分層の幅と等しくなるように、前記第2の磁極部分
    層をマスクとして第1の磁極部分層をエッチングする工
    程と、 前記第2の磁極部分層の他方の面に接続されるように、
    前記ヨーク部分層を形成する工程とを含み、 前記絶縁層収納部は、前記第2の磁極部分層の一方の面
    のうち前記第1の磁極部分層の他方の面に接触しない部
    分と前記ギャップ層との間に形成されることを特徴とす
    る請求項35記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  38. 【請求項38】 前記コイル収納部を形成する工程は、
    前記第2の磁極部分層をマスクとして第1の磁性層をエ
    ッチングすることによって前記コイル収納部を形成する
    ことを特徴とする請求項37記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  39. 【請求項39】 前記ヨーク部分層を形成する工程は、
    前記ヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄
    膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に
    配置することを特徴とする請求項37または38記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  40. 【請求項40】 更に、前記スロートハイト規定用絶縁
    層の前記第2の磁極部分層側の面を、前記第1の磁極部
    分層の他方の面と共に平坦化する工程を含むことを特徴
    とする請求項37ないし39のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッドの製造方法。
  41. 【請求項41】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、前記ヨーク部分層
    側の面が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化
    された他の絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とす
    る請求項37ないし40のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  42. 【請求項42】 前記薄膜コイルを形成する工程は、前
    記コイル収納部に配置される第1の部分と、この第1の
    部分と前記ヨーク部分層との間に配置される第2の部分
    とを形成することを特徴とする請求項37ないし40の
    いずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  43. 【請求項43】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの第1の部分を覆い、前記ヨーク部分層側の
    面が前記第2の磁極部分層の他方の面と共に平坦化され
    た他の絶縁層を形成する工程を含み、前記薄膜コイルを
    形成する工程は、前記薄膜コイルの第2の部分を前記他
    の絶縁層と前記ヨーク部分層との間に配置することを特
    徴とする請求項42記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  44. 【請求項44】 前記第1の磁性層を形成する工程は、
    第1の磁性層のギャップ層側 の面において、前記絶縁層
    収納部となる第1の凹部を形成し、 前記コイル収納部を形成する工程は、第1の磁性層のギ
    ャップ層側の面において、その深さが前記第1の凹部の
    深さよりも大きく、前記コイル収納部の一部となる第2
    の凹部を形成することを特徴とする請求項35薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  45. 【請求項45】 更に、前記スロートハイト規定用絶縁
    層のギャップ層側の面を、前記第1の磁性層のギャップ
    層側の面と共に平坦化する工程を含むことを特徴とする
    請求項44記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  46. 【請求項46】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、そのヨーク部分層
    側の面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平
    坦化された他の絶縁層を形成する工程を含むことを特徴
    とする請求項44または45記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  47. 【請求項47】 前記薄膜コイルを形成する工程は、前
    記コイル収納部に配置される第1の部分と、この第1の
    部分と前記ヨーク部分層との間に配置される第2の部分
    とを形成することを特徴とする請求項44または45記
    載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  48. 【請求項48】 更に、前記コイル収納部に配置された
    薄膜コイルの第1の部分を覆い、そのヨーク部分層側の
    面が前記磁極部分層のヨーク部分層側の面と共に平坦化
    された他の絶縁層を形成する工程を含み、前記薄膜コイ
    ルを形成する工程は、前記薄膜コイルの第2の部分を、
    前記他の絶縁層と前記ヨーク部分層との間に配置するこ
    とを特徴とする請求項47記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  49. 【請求項49】 更に、磁気抵抗素子と、記録媒体に対
    向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するよ
    うに配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするため
    の第1および第2のシールド層と、前記磁気抵抗素子と
    前記第1および第2のシールド層との間に設けられた第
    1および第2の絶縁膜とを形成する工程を含むことを特
    徴とする請求項35ないし48のいずれかに記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  50. 【請求項50】 前記第1および第2の絶縁膜の少なく
    とも一方は、化学的気相成長法によって形成されること
    を特徴とする請求項49記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
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