JP3856587B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えた複合型の薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto-resistive)とも記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto-resistive)と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto-resistive)と記す。)効果を用いたGMR素子とがある。AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMRヘッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMRヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1ギガビット/(インチ)2を超える再生ヘッドとして利用され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/(インチ)2を超える再生ヘッドとして利用されている。
【0003】
再生ヘッドの性能を向上させる方法としては、MR膜をAMR膜からGMR膜等の磁気抵抗感度の優れた材料に変える方法や、MR膜のパターン幅、特に、MRハイトを適切化する方法等がある。このMRハイトとは、MR素子のエアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいい、エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御されるものである。なお、ここにいうエアベアリング面は、薄膜磁気ヘッドの、磁気記録媒体と対向する面であり、トラック面とも呼ばれる。
【0004】
一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記録ヘッドの性能向上も求められている。記録ヘッドの性能を決定する要因としては、パターン幅、特に、スロートハイト(Throat Height:TH)がある。スロートハイトは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。記録ヘッドの性能向上のためには、スロートハイトの縮小化が望まれている。このスロートハイトも、エアベアリング面の加工の際の研磨量によって制御される。
【0005】
記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエアベアリング面での幅を数ミクロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0006】
このように、薄膜磁気ヘッドの性能の向上のためには、記録ヘッドと再生ヘッドをバランスよく形成することが重要である。
【0007】
ここで、図14ないし図20を参照して、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。なお、図14ないし図19において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0008】
この製造方法では、まず、図14に示したように、例えばアルティック(Al2O3・TiC)よりなる基板101の上に、例えばアルミナ(Al2O3)よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0009】
次に、図15に示したように、下部シールド層103の上に、例えばアルミナを100〜200nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、再生用のMR素子105を形成するためのMR膜を、数十nmの厚みに形成する。次に、このMR膜の上に、MR素子105を形成すべき位置に選択的にフォトレジストパターンを形成する。このとき、リフトオフを容易に行うことができるような形状、例えば断面形状がT型のフォトレジストパターンを形成する。次に、フォトレジストパターンをマスクとして、例えばイオンミリングによってMR膜をエッチングして、MR素子105を形成する。なお、MR素子105は、GMR素子でもよいし、AMR素子でもよい。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、同じフォトレジストパターンをマスクとして、MR素子105に電気的に接続される一対の電極層106を形成する。
【0010】
次に、下部シールドギャップ膜104およびMR素子105の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜107を形成し、MR素子105をシールドギャップ膜104,107内に埋設する。
【0011】
次に、上部シールドギャップ膜107の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成する。次に、下部磁極層108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャップ層109を0.2μmの厚みに形成する。
【0012】
次に、図16に示したように、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的にエッチングして、コンタクトホール109aを形成する。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えば高飽和磁束密度材料のパーマロイ(NiFe)またはFeNよりなる上部磁極チップ110を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。このとき、同時に、磁路形成のためのコンタクトホール109aの上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層119を形成する。
【0013】
次に、図17に示したように、上部磁極チップ110をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチングする。図17(b)に示したように、上部磁極部分(上部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。
【0014】
次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層119の表面に至るまで研磨して平坦化する。この際の研磨方法としては、機械的な研磨またはCMP(化学機械研磨)が用いられる。この平坦化により、上部磁極チップ110および磁性層119の表面が露出する。
【0015】
次に、図18に示したように、平坦化された絶縁層111の上に、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層111およびコイル112の上に、フォトレジスト層113を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト層113およびコイル114上に、フォトレジスト層115を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。
【0016】
次に、図19に示したように、上部磁極チップ110、フォトレジスト層113,115および磁性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパーマロイよりなる上部磁極層116を形成する。次に、上部磁極層116の上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層117を形成する。最後に、スライダの機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面118を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。図20は、この薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコート層117を省略している。
【0017】
図19において、THは、スロートハイトを表し、MR−Hは、MRハイトを表している。また、P2Wは、磁極幅、すなわち記録トラック幅を表している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因として、スロートハイトやMRハイト等の他に、図19においてθで示したようなエイペックスアングル(Apex Angle)がある。このエイペックスアングルは、フォトレジスト層113,115で覆われて山状に盛り上がったコイル部分(以下、エイペックス部と言う。)における磁極側の側面の角部を結ぶ直線と絶縁層111の上面とのなす角度をいう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜磁気ヘッドの性能を向上させるには、図19に示したようなスロートハイトTH、MRハイトMR−H、エイペックスアングルθおよび記録トラック幅P2Wを正確に形成することが重要である。
【0019】
特に、近年は、高面密度記録を可能とするため、すなわち、狭トラック構造の記録ヘッドを形成するために、トラック幅P2Wには1.0μm以下のサブミクロン寸法が要求されている。そのために半導体加工技術を利用して上部磁極をサブミクロン寸法に加工する技術が必要となる。また、狭トラック構造となるに伴って、磁極にはより高い飽和磁束密度を持った磁性材料の使用が望まれている。
【0020】
例えば、特開平7−262519号公報や、米国特許第5,606,478号には、上部磁極層や下部磁極層の一部を高飽和磁束密度材料で形成した例が示されている。
【0021】
ここで、問題となるのは、エイペックス部の上に形成される上部磁極層を微細に形成することが困難なことである。
【0022】
ところで、上部磁極層を形成する方法としては、例えば、特開平7−262519号公報に示されるように、フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用いて上部磁極層を形成する場合は、まず、エイペックス部の上に全体的に、例えばパーマロイよりなる薄い電極膜を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム(外枠)を形成する。そして、先に形成した電極膜をシード層として、めっき法によって上部磁極層を形成する。
【0023】
ところが、エイペックス部と他の部分とでは、例えば7〜10μm以上の高低差がある。このエイペックス部上に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで塗布する。エイペックス部上のフォトレジストの膜厚が最低3μm以上必要であるとすると、流動性のあるフォトレジストは低い方に集まることから、エイペックス部の下方では、例えば8〜10μm以上の厚みのフォトレジスト膜が形成される。
【0024】
上述のようにサブミクロン寸法の記録トラック幅を実現するには、フォトレジスト膜によってサブミクロン寸法の幅のフレームパターンを形成する必要がある。従って、エイペックス部上で、8〜10μm以上の厚みのあるフォトレジスト膜によって、サブミクロン寸法の微細なパターンを形成しなければならない。ところが、このような厚い膜厚のフォトレジストパターンを狭パターン幅で形成することは製造工程上極めて困難であった。
【0025】
しかも、フォトリソグラフィの露光時に、露光用の光が、シード層としての下地電極膜で反射し、この反射光によってもフォトレジストが感光して、フォトレジストパターンのくずれ等が生じ、シャープかつ正確なフォトレジストパターンが得られなくなる。
【0026】
このように、従来は、磁極幅がサブミクロン寸法になると、上部磁性層を精度よく形成することが困難になるという問題点があった。
【0027】
このようなことから、上述の従来例の図16ないし図19の工程でも示したように、記録ヘッドの狭トラックの形成に有効な上部磁極チップ110によって、1.0μm以下のトラック幅を形成した後、この上部磁極チップ110と接続されるヨーク部分となる上部磁極層116を形成する方法も採用されている(特開昭62−245509号公報、特開昭60−10409号公報参照)。このように、通常の上部磁極層を、上部磁極チップ110とヨーク部分となる上部磁極層116とに分割することにより、トラック幅を決定する上部磁極チップ110を、記録ギャップ層109の上の平坦な面の上に、サブミクロン幅で微細に形成することが可能になる。
【0028】
しかしながら、このような薄膜磁気ヘッドにおいても、依然として、以下のような問題点があった。
【0029】
(1)まず、図19に示した従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110によって記録ヘッドのトラック幅が規定されるため、上部磁極層116は、上部磁極チップ110ほどには微細に加工する必要はないと言える。それでも、記録ヘッドのトラック幅が極微細、特に0.5μm以下になってくると、上部磁極層116においてもサブミクロン幅の加工精度が要求される。しかしながら、従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116はエイペックス部の上に形成されることから、前述の理由により、上部磁極層116を微細に形成することが困難であった。また、上部磁極層116は、幅の狭い上部磁極チップ110に対して磁気的に接続する必要があることから、上部磁極チップ110よりも広い幅に形成する必要があった。これらの理由から、従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116は上部磁極チップ110よりも広い幅に形成される。そのため、従来の薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116側で書き込みが行われ、記録媒体に対して、本来、記録すべき領域以外の領域にもデータを書き込んでしまう、いわゆるサイドライトが発生するという不具合があった。このような不具合は、記録ヘッドの性能を向上させるためにコイルを2層や3層に形成した場合に、コイルを1層に形成する場合に比べてエイペックス部の高さが高くなり、より顕著になる。
【0030】
(2)また、従来の磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110のエアベアリング面118から遠い側の端部においてスロートハイトを決定している。しかし、この上部磁極チップ110の幅が狭くなると、フォトリソグラフィーにおいて、パターンエッジが丸みを帯びて形成される。そのため、高精度な寸法を要求されるスロートハイトが不均一となり、エアベアリング面118の加工、研磨工程において、MR素子のトラック幅との間のバランスに欠ける事態が発生していた。例えば、トラック幅として、0.5〜0.6μm必要なときに、上部磁極チップ110のエアベアリング面118から遠い側の端部がスロートハイトゼロ位置(スロートハイトを決定する絶縁層のエアベアリング面側の端部の位置)からエアベアリング面118側にずれ、大きく記録ギャップが開き、記録データの書き込みができなくなるという問題がしばしば発生していた。
【0031】
上記(1)、(2)の問題点から、従来は、記録ヘッドのトラック幅の縮小が難しかった。
【0032】
(3)更に、従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁路長(Yoke Length)を短くすることが困難であるという問題点があった。すなわち、コイルピッチが小さいほど、磁路長の短いヘッドを実現することができ、特に高周波特性に優れた記録ヘッドを形成することができるが、コイルピッチを限りなく小さくしていった場合、スロートハイトゼロ位置からコイルの外周端までの距離が、磁路長を短くすることを妨げる大きな要因となっていた。磁路長は、1層のコイルよりは2層のコイルの方が短くできることから、多くの高周波用の記録ヘッドでは2層コイルを採用している。しかしながら、従来の磁気ヘッドでは、1層目のコイルを形成した後、コイル間の絶縁膜を形成するために、フォトレジスト膜を約2μmの厚みで形成している。そのため、1層目のコイルの外周端には丸みを帯びた小さなエイペックス部が形成される。次に、その上に2層目のコイルを形成するが、その際に、エイペックス部の傾斜部では、コイルのシード層のエッチングができず、コイルがショートするため、2層目のコイルは平坦部に形成する必要がある。
【0033】
従って、例えば、コイルの厚みを2〜3μmとし、コイル間絶縁膜の厚みを2μmとし、エイペックスアングルを45°〜55°とすると、磁路長としては、コイルに対応する部分の長さに加え、コイルの外周端からスロートハイトゼロ位置の近傍までの距離である4〜5μmの距離の2倍(上部磁極層と下部磁極層とのコンタクト部からコイル内周端までの距離も4〜5μm必要。)の8〜10μmが必要である。このコイルに対応する部分以外の長さが、磁路長の縮小を妨げる要因となっていた。
【0034】
ここで、例えば、コイルの線幅が1.0μm、スペースが1.0μmの11巻コイルを2層で形成する場合を考える。この場合、図19に示したように、1層目を6巻、2層目を5巻とすると、磁路長のうち、1層目のコイル112に対応する部分の長さは11μmである。磁路長には、これに加え、1層目のコイル112の外周端および内周端より、1層目のコイル112を絶縁するためのフォトレジスト層113の端部までの距離として、合計8〜10μmの長さが必要になる。なお、本出願では、磁路長を、図19において符号L0で示したように、磁極層のうちの磁極部分およびコンタクト部分を除いた部分の長さで表す。このように、従来は、磁路長の縮小が困難であり、これが高周波特性の改善を妨げていた。
【0035】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、記録ヘッドのトラック幅の縮小および磁路長の縮小を可能にした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部が記録ギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備えた薄膜磁気ヘッドであって、
第1の磁性層は、再生ヘッド側に配置されており、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分と、高飽和磁束密度材料からなり、少なくとも第1の部分と薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置され、磁路の一部を形成する補助層とを有し、
第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分のトラック幅方向両側に配置され、記録媒体に対向する面側の端部から反対側の端部までの長さが、中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
第2の磁性層が記録トラック幅を規定し、
薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されているものである。
【0037】
本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部が記録ギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備え、
第1の磁性層と第2の磁性層のうちの第1の磁性層が再生ヘッド側に配置された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
再生ヘッドを形成する工程と、
第1の磁性層を形成する工程と、
第1の磁性層の上に、記録ギャップ層を形成する工程と、
記録ギャップ層の上に、第2の磁性層を形成する工程と、
第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設されるように薄膜コイルを形成する工程とを含み、
第1の磁性層を形成する工程は、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置される第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分と、高飽和磁束密度材料からなり、少なくとも第1の部分と薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置され、磁路の一部を形成する補助層とを形成し、
第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分のトラック幅方向両側に配置され、記録媒体に対向する面側の端部から反対側の端部までの長さが、中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
第2の磁性層を形成する工程は、第2の磁性層が記録トラック幅を規定するように、第2の磁性層を形成し、
薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部を、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されるように、補助層の上に形成するものである。
【0038】
本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを有する第1の磁性層が設けられ、薄膜コイルの少なくとも一部が、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置される。これにより、記録ヘッドの第2の磁性層を平坦な面の上に形成することが可能となり、その結果、記録ヘッドのトラック幅の縮小が可能になる。更に、本発明では、高飽和磁束密度材料からなり、磁路の一部を形成する補助層が、少なくとも第1の磁性層の第1の部分と薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置される。これにより、第1の磁性層の第1の部分と補助層とを合わせた厚みを小さくすることが可能となり、その分、薄膜コイルの厚みを大きくすることが可能となる。その結果、薄膜コイルの線幅を小さくすることができ、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になる。
【0039】
なお、本出願において、高飽和磁束密度材料とは、飽和磁束密度が1.4T以上の磁性材料を言う。
【0040】
本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層の第2の部分がスロートハイトを規定し、第2の磁性層が記録トラック幅を規定する。
【0041】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第2の磁性層が、磁極部分を形成する磁極部分層と、この磁極部分層に接続され、ヨーク部分を形成するヨーク部分層とを有していてもよい。この場合、薄膜コイルが、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有するようにしてもよい。この場合、第2の磁性層の磁極部分層の長さを、第1の磁性層の第2の部分の長さ以上としてもよい。また、第2の磁性層のヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置してもよい。
【0042】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、補助層を、第1の磁性層の第1の部分と第2の部分を覆うように形成してもよい。
【0043】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層の第2の部分を、高飽和磁束密度材料によって形成してもよい。
【0044】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、更に、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、記録ギャップ層側の面が平坦化された絶縁層を設けてもよい。この場合、第1の磁性層の第2の部分を、薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成してもよい。
【0045】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、例えば、第1の磁性層は、第2のシールド層を兼ねている。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1ないし図8を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。なお、図1ないし図7において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0047】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al2O3・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al2O3)よりなる絶縁層2を、約5μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層20を、例えば4〜6μmの厚みに形成し、例えばCMP(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0048】
次に、図2に示したように、下部シールド層3の上に、例えばアルミナまたはチッ化アルミニウムをスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜4を形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を、数十nmの厚みに形成する。MR素子5は、例えば、スパッタによって形成したMR膜を選択的にエッチングすることによって形成する。なお、MR素子5には、AMR素子、GMR素子、あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜7を形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。
【0049】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)の第1の部分8aを、約0.5〜1.0μmの厚みで、選択的に形成する。下部磁極層の第1の部分8aは、下部磁極層のうち、後述する薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置される部分である。
【0050】
次に、図3に示したように、下部磁極層の第1の部分8aの上に、下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cを、約1.5〜2.0μmの厚みに形成する。第2の部分8bは、下部磁極層の磁極部分を形成し、第1の部分8aの薄膜コイル側の面に接続される。第3の部分8cは、第1の部分8aと上部磁極層とを接続するための部分である。本実施の形態において、第2の部分8bのエアベアリング面とは反対側(図において右側)の端部の位置は、スロートハイトを規定する。なお、後で説明するが、スロートハイトゼロ位置は、第2の部分8bのエアベアリング面とは反対側の端部に形成される補助層の端部の位置となる。
【0051】
下部磁極層の第2の部分8bおよび第3の部分8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0052】
次に、例えばスパッタにより、下部磁極層の第1の部分8a、第2の部分8bおよび第3の部分8cを覆うように、高飽和磁束密度材料からなる補助層8dを、約0.5〜1.5μmの厚みに形成する。補助層8dに用いる高飽和磁束密度材料としては、FeNXまたはFeN,FeZrN,CoFe,Co系アモルファス材等がある。補助層8dは、第1の磁性層の第1の部分8aと後述する薄膜コイルの第1層部分との間に配置され、下部磁極層の一部となり、磁路の一部を形成する。また、図3に示したように、補助層8dは、MR素子5の上方において、第1の磁性層の第2の部分8bの側部に形成される部分のエアベアリング面30とは反対側(図において右側)の端部8Dの位置が、MR素子5のエアベアリング面30から遠い側の端部の近傍に配置されるように形成される。また、補助層8dの端部8Dの位置が、スロートハイトゼロ位置となる。
【0053】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜9を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0054】
次に、図4に示したように、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第1層部分10を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みに形成する。なお、図中、符号10aは、薄膜コイルの第1層部分10を、後述する薄膜コイルの第2層部分と接続するための接続部を示している。
【0055】
次に、図5に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層11を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、補助層8dのうち下部磁極層の第2の部分8bの上および第3の部分8cの上に位置する部分が露出するまで、絶縁層11を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図5では、薄膜コイルの第1層部分10は露出していないが、第1層部分10が露出するようにしてもよい。第1層部分10が露出するようにした場合には、第1層部分10および絶縁層11の上に他の絶縁層を形成する。
【0056】
次に、図6に示したように、露出した補助層8dおよび絶縁層11の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層12を、例えば0.2〜0.3μmの厚みに形成する。記録ギャップ層12に使用する絶縁材料としては、一般的に、アルミナ、窒化アルミニウム、シリコン酸化物系材料、シリコン窒化物系材料、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。
【0057】
次に、磁路形成のために、補助層8dのうち下部磁極層の第3の部分8cの上に位置する部分の上において、記録ギャップ層12を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。また、薄膜コイルの第1層部分10における接続部10aと薄膜コイルの第2層部分とを接続するために、接続部10aの上の部分において、記録ギャップ層12および絶縁層11を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0058】
次に、記録ギャップ層12の上に、上部磁極層の磁極部分を形成する磁極部分層13aを1.0〜3.0μmの厚みに形成すると共に、補助層8dのうち下部磁極層の第3の部分8cの上に位置する部分の上に形成されたコンタクトホールの位置に、磁性層13bを1.0〜3.0μmの厚みに形成する。磁性層13bは、後述する上部磁極層のヨーク部分層と下部磁極層とを接続するための部分である。なお、磁性層13bは、下部磁極層の第3の部分8cよりも大きくなっている。本実施の形態では、上部磁極層の磁極部分層13aの長さは、下部磁極層の第2の部分8bの長さ以上に形成される。
【0059】
上部磁極層の磁極部分層13aおよび磁性層13bは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0060】
次に、上部磁極層の磁極部分層13aをマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的にエッチングする。このときのドライエッチングには、例えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、CF4,SF6等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図6(b)に示したようなトリム構造とする。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効トラック幅の増加を防止することができる。
【0061】
次に、記録ギャップ層12の上のコイル形成領域に、例えばアルミナよりなる絶縁膜14を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0062】
次に、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイルの第2層部分15を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みに形成する。なお、図中、符号15aは、薄膜コイルの第1層部分10の接続部10aと接続される接続部を示している。
【0063】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層16を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部磁極層の磁極部分層13aおよび磁性層13bが露出するまで、絶縁層16を研磨して、表面を平坦化処理する。
【0064】
次に、図7に示したように、平坦化された上部磁極層の磁極部分層13aおよび磁性層13b、絶縁層16の上に、記録ヘッド用の磁性材料からなる上部磁極層のヨーク部分を形成するヨーク部分層13cを、例えば約2〜4μmの厚みに形成する。このヨーク部分層13cは、磁性層13bを介して、補助層8dのうち下部磁極層の第3の部分8cの上に位置する部分と接触し、磁気的に連結している。上部磁極層のヨーク部分層13cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、上部磁極層のヨーク部分層13cを、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0065】
本実施の形態では、上部磁極層のヨーク部分層13cの記録媒体に対向する側(エアベアリング面30側)の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置(図において右側)に配置されている。
【0066】
次に、全体に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0067】
本実施の形態では、第1の部分8a、第2の部分8b、第3の部分8cおよび補助層8dよりなる下部磁極層が、本発明における第1の磁性層に対応し、磁極部分層13a、磁性層13bおよびヨーク部分層13cよりなる上部磁極層が、本発明における第2の磁性層に対応する。また、下部磁極層は、上部シールド層を兼ねているので、本発明における第2のシールド層にも対応する。
【0068】
図8は、上述のようにして製造された本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。この図では、オーバーコート層17は省略している。なお、図8において、図中、符号8Bは、トリム構造とするために下部磁極層の第2の部分8bがエッチングされている部分を表している。
【0069】
図9は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの変形例を説明するための平面図である。この変形例では、下部磁極層の第1の部分8aおよび第3の部分8cの上には、補助層8dが形成されていない。
【0070】
図10は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの他の変形例を説明するための平面図である。この変形例では、下部磁極層の第1の部分8aの上および側壁と、第3の部分8cの上および側壁には、補助層8dが形成されていない。
【0071】
以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドは、MR素子5と、記録媒体に対向する側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置され、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層(下部磁極層)とを有している。記録ヘッドは、磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部が記録ギャップ層12を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる下部磁極層および上部磁極層と、この下部磁極層および上部磁極層の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10,15とを有している。
【0072】
本実施の形態では、下部磁極層は、薄膜コイルの第1層部分10に対向する領域を含む領域に配置された第1の部分8aと、この第1の部分8aにおける薄膜コイルの第1層部分10側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分8bとを有し、薄膜コイルの第1層部分10は、下部磁極層の第2の部分8bの側方に配置されている。本実施の形態では、下部磁極層は、更に、高飽和磁束密度材料からなり、少なくとも下部磁極層の第1の部分8aと薄膜コイルの第1層部分10との間に配置され、磁路の一部を形成する補助層8dを有している。
【0073】
本実施の形態によれば、薄膜コイルの第1層部分10を、下部磁極層の第1の部分8aの上であって、第2の部分8bの側方に配置し、薄膜コイルの第1層部分10を覆う絶縁層11の上面を平坦化したので、記録ヘッドのトラック幅を規定する上部磁極層の磁極部分層13aを平坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、磁極部分層13aを、例えばハーフミクロン寸法やクォータミクロン寸法にも微細に形成可能となり、記録ヘッドのトラック幅の縮小が可能となる。
【0074】
また、本実施の形態によれば、薄膜コイルの第2層部分15を、上部磁極層の磁極部分層13aの側方に配置したので、記録ヘッドのヨーク部分層13cも、平坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、ヨーク部分層13cも微細に形成可能となり、その結果、いわゆるサイドライトの発生を防止することが可能となる。
【0075】
また、本実施の形態では、記録ヘッドのトラック幅を規定する上部磁極層の磁極部分層13aがスロートハイトを規定するのではなく、下部磁極層の第2の部分8bがスロートハイトを規定する。従って、本実施の形態によれば、トラック幅が小さくなっても、スロートハイトを精度よく、均一に規定することが可能となる。
【0076】
ところで、ハードディスク装置に用いられる複合型薄膜磁気ヘッドの場合、再生ヘッドと記録ヘッドとの間は、装置の仕様から、ある範囲内に制限される。従って、下部磁極層の厚みもある範囲内、例えば3.0〜3.5μmに制限される。そのため、本実施の形態のように、狭トラックを実現するために、薄膜コイル10を、下部磁極層の第1の部分8aの上であって、第2の部分8bの側方に配置する場合には、下部磁極層の第1の部分8aの厚みと薄膜コイル10の厚みを十分に確保することができない場合が生じる。下部磁極層の第1の部分8aの厚みが小さすぎると、下部磁極層における磁束密度を十分に確保できなくなるという不具合がある。一方、薄膜コイル10の厚みが小さすぎると、薄膜コイル10の抵抗が大きくなってしまうという不具合がある。
【0077】
そこで、本実施の形態では、下部磁極層の第1の部分8aの上に、高飽和磁束密度材料からなる補助層8dを設けている。そのため、本実施の形態によれば、下部磁極層において十分な磁束密度を確保しながら、下部磁極層の第1の部分8aの厚みと補助層8dの厚みとを合わせた厚みを、ある程度小さくすることができる。また、本実施の形態によれば、薄膜コイル10の厚みを十分確保できるので、薄膜コイル10の抵抗をあまり大きくすることなく、薄膜コイル10の線幅を小さくすることができる。その結果、本実施の形態によれば、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になる。
【0078】
更に、本実施の形態によれば、薄膜コイルの第1層部分10と第2層部分15の双方を、平坦な面の上に形成することができる。これにより、薄膜コイル10,15を微細に形成することが可能になると共に、エイペックス部の傾斜部の存在による余分な長さが不要となる。このことからも、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になる。
【0079】
本実施の形態によれば、例えば従来に比べて50%以下程度に、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になる。そのため、本実施の形態によれば、記録ヘッドの高周波特性や、非線形トランジションシフト(Non-linear Transition Shift;以下、NLTSと記す。)や、重ね書きする場合の特性であるオーバーライト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを提供することが可能となる。
【0080】
また、本実施の形態によれば、高飽和磁束密度材料よりなる補助層8dを設けることにより、オーバーライト特性を向上させることができる。また、下部磁極層の第2の部分8bや上部磁極層の磁極部分層13aを高飽和磁束密度材料によって形成すれば、更にオーバーライト特性を向上させることができる。
【0081】
また、本実施の形態では、高飽和磁束密度材料よりなる補助層8dを設けることにより、NLTSを劣化させることなく下部磁極層の第1の部分8aを高飽和磁束密度材料ではない磁性材料で形成することができ、例えば、下部磁極層の第1の部分8aを、ノーマルパーマロイ、すなわちNiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)で形成するような場合に効果的である。
【0082】
また、本実施の形態では、上部磁極層のヨーク部分層13cのエアベアリング面側の端面を、薄膜磁気ヘッドのエアベアリング面から離れた位置に配置している。そのため、スロートハイトが小さい場合でも、上部磁極層のヨーク部分層13cがエアベアリング面に露出することがなく、その結果、いわゆるサイドライトの発生を防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態では、下部磁極層の第2の部分8bの側方に配置された薄膜コイルの第1層部分10を覆う絶縁層11を設け、この絶縁層11の上面を平坦化したので、その後に形成される記録ギャップ層12、上部磁極層、薄膜コイルの第2層部分15等の形成が容易になる。
【0084】
また、本実施の形態では、下部磁極層と、薄膜コイルの第1層部分10の間に、薄く且つ十分な絶縁耐圧が得られる無機材料よりなる絶縁膜9が設けられるので、下部磁極層と第1層部分10との間に大きな絶縁耐圧を得ることができる。また、薄膜コイルの第1層部分10と第2層部分15との間には、記録ギャップ層12の他に、無機材料よりなる絶縁膜14が設けられるので、薄膜コイルの第1層部分10と第2層部分15との間に大きな絶縁耐圧を得ることができると共に、薄膜コイル10,15からの磁束の漏れを低減することができる。
【0085】
また、本実施の形態では、図8に示したように、上部磁極層の磁極部分層13aは、スロートハイトゼロ位置またはその近傍の位置よりもエアベアリング面とは反対側の部分では、例えば3μm以上の一定の幅を有し、スロートハイトゼロ位置またはその近傍の位置よりもエアベアリング面側の部分では、ハーフミクロン寸法やクォータミクロン寸法の一定の幅を有している。そのため、上部磁極層を通過する磁束は、スロートハイトゼロ位置またはその近傍の位置よりもエアベアリング面とは反対側の部分では飽和せず、スロートハイトゼロ位置またはその近傍の位置よりもエアベアリング面側の部分で飽和する。これにより、非線形トランジションシフトやオーバーライト特性を向上させることができる。
【0086】
[第2の実施の形態]
次に、図11および図12を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。なお、図11において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。図12は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。この図では、オーバーコート層は省略している。
【0087】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、薄膜コイルとして、1層の薄膜コイル10のみを設けたものである。また、この薄膜磁気ヘッドでは、記録ギャップ層12の上に、1層の上部磁極層13が形成されている。この上部磁極層13は、下部磁極層の第3の部分8cの上に形成されたコンタクトホールを介して、下部磁極層の第3の部分8cの上に位置する補助層8dに接続されている。また、本実施の形態では、薄膜コイル10の接続部10aには、この接続部10aと電極用パッドとを接続するための電極層21が接続されている。
【0088】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、記録ギャップ層12を形成する工程までは、第1の実施の形態と同様である。その後、本実施の形態では、記録ギャップ層12の上に、上部磁極層13および電極層21を、例えば約2〜4μmの厚みに形成する。図12に示したように、上部磁極層13を上から見た形状は、第1の実施の形態における上部磁極層の磁極部分層13aとヨーク部分層13cとを合わせた部分を上から見た形状と同様である。
【0089】
上部磁極層13は、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0090】
次に、上部磁極層13をマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的にエッチングし、更に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図11(b)に示したようなトリム構造とする。
【0091】
次に、全体に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0092】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0093】
[第3の実施の形態]
次に、図13を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図13は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。この図では、オーバーコート層は省略している。
【0094】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、下部磁極層の第2の部分8bを、薄膜コイルの第1層部分10の周囲を囲うように形成したものである。下部磁極層の第2の部分8bをこのような形状とすることにより、絶縁層11の平坦化処理が容易になる。
【0095】
また、本実施の形態では、上部磁極層の磁極部分層13aとヨーク部分層13cの形状が、第1の実施の形態とは異なっている。すなわち、磁極部分層13aのうち、スロートハイトゼロ位置またはその近傍の位置よりもエアベアリング面とは反対側の部分は、エアベアリング面から遠ざかるにつれて幅が大きくなっている。また、ヨーク部分層13cのうち、磁極部分層13aと重なる部分は、磁極部分層13aに対応した形状になっている。
【0096】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。なお、第2の実施の形態における下部磁極層の第2の部分8bを、本実施の形態のような形状に形成してもよい。
【0097】
本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、上記各実施の形態では、下部磁極層によってスロートハイトを規定するようにしたが、上部磁極層によってスロートハイトを規定するようにしてもよい。
【0098】
また、上記各実施の形態では、基体側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0099】
つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介して、それに対向するように上記実施の形態に示した下部磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成することにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子の上部磁極層とMR素子の下部シールド層を兼用させることが好ましい。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項11ないし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを有する第1の磁性層を設け、薄膜コイルの少なくとも一部を、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置したので、記録ヘッドの第2の磁性層を平坦な面の上に形成することが可能となり、その結果、記録ヘッドのトラック幅の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0101】
更に、この薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法によれば、高飽和磁束密度材料からなり、磁路の一部を形成する補助層を、少なくとも第1の磁性層の第1の部分と薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置したので、第1の磁性層の第1の部分と補助層とを合わせた厚みを小さくすることが可能となり、その分、薄膜コイルの厚みを大きくすることが可能となり、その結果、薄膜コイルの線幅を小さくすることができ、記録ヘッドの磁路長の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明によれば、第1の磁性層の第2の部分がスロートハイトを規定し、第2の磁性層が記録トラック幅を規定するようにしたので、更に、トラック幅が小さくなっても、スロートハイトを精度よく、均一に規定することが可能になるという効果を奏する。
【0103】
また、請求項5記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層が、磁極部分を形成する磁極部分層と、この磁極部分層に接続され、ヨーク部分を形成するヨーク部分層とを有し、第2の磁性層のヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置したので、更に、記録すべき領域以外の領域にもデータを書き込んでしまうことを防止することができるという効果を奏する。
【0104】
また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分を高飽和磁束密度材料によって形成するようにしたので、更に、記録ヘッドの特性を向上させることができるという効果を奏する。
【0105】
また、請求項8または9記載の薄膜磁気ヘッドもしくは請求項18または19記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、記録ギャップ層側の面が平坦化された絶縁層を設けたので、更に、記録ギャップ層や第2の磁性層等の形成が容易になるという効果を奏する。
【0106】
また、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項19記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分を、薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成したので、更に、薄膜コイルの少なくとも一部を覆う絶縁層の平坦化処理が容易になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図である。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの変形例を説明するための平面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの他の変形例を説明するための平面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図14】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図である。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図である。
【図20】従来の薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR素子、8a…下部磁極層の第1の部分、8b…下部磁極層の第2の部分、8d…補助層、9…絶縁膜、10…薄膜コイルの第1層部分、11…絶縁層、12…記録ギャップ層、13a…上部磁極層の磁極部分層、13c…上部磁極層のヨーク部分層、14…絶縁膜、15…薄膜コイルの第2層部分、17…オーバーコート層。
Claims (20)
- 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部が記録ギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備えた薄膜磁気ヘッドであって、
前記第1の磁性層は、前記再生ヘッド側に配置されており、前記薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置された第1の部分と、前記第1の部分における前記薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分と、高飽和磁束密度材料からなり、少なくとも前記第1の部分と前記薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置され、磁路の一部を形成する補助層とを有し、
前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分のトラック幅方向両側に配置され、記録媒体に対向する面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
前記第2の磁性層が記録トラック幅を規定し、
前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 前記第2の磁性層は、磁極部分を形成する磁極部分層と、この磁極部分層に接続され、ヨーク部分を形成するヨーク部分層とを有することを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記薄膜コイルは、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有することを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第2の磁性層の磁極部分層の長さは、前記第1の磁性層の第2の部分の長さ以上であることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第2の磁性層のヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面は、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記補助層は、前記第1の磁性層の第1の部分と第2の部分を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の磁性層の第2の部分は、高飽和磁束密度材料によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 更に、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、前記記録ギャップ層側の面が平坦化された絶縁層を備えたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の磁性層の第2の部分は、前記薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成されていることを特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッド。
- 前記第1の磁性層は、前記第2のシールド層を兼ねていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
- 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置され、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
磁気的に連結され、且つ記録媒体に対向する側の一部が記録ギャップ層を介して互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、この第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設された薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備え、
前記第1の磁性層と第2の磁性層のうちの第1の磁性層が前記再生ヘッド側に配置された薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
前記再生ヘッドを形成する工程と、
前記第1の磁性層を形成する工程と、
前記第1の磁性層の上に、前記記録ギャップ層を形成する工程と、
前記記録ギャップ層の上に、前記第2の磁性層を形成する工程と、
前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配設されるように前記薄膜コイルを形成する工程とを含み、
前記第1の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルに対向する領域を含む領域に配置される第1の部分と、前記第1の部分における前記薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分と、高飽和磁束密度材料からなり、少なくとも前記第1の部分と前記薄膜コイルの少なくとも一部との間に配置され、磁路の一部を形成する補助層とを形成し、
前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分のトラック幅方向両側に配置され、記録媒体に対向する面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
前記第2の磁性層を形成する工程は、前記第2の磁性層が記録トラック幅を規定するように、第2の磁性層を形成し、
前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部を、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されるように、前記補助層の上に形成することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。 - 前記第2の磁性層を形成する工程は、磁極部分を形成する磁極部分層と、この磁極部分層に接続され、ヨーク部分を形成するヨーク部分層とを形成することを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを形成することを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第2の磁性層の磁極部分層の長さを、前記第1の磁性層の第2の部分の長さ以上とすることを特徴とする請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第2の磁性層のヨーク部分層の記録媒体に対向する側の端面を、薄膜磁気ヘッドの記録媒体に対向する面から離れた位置に配置することを特徴とする請求項13記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記第1の磁性層の第1の部分と第2の部分を覆うように、前記補助層を形成することを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記第2の部分を、高飽和磁束密度材料によって形成することを特徴とする請求項11ないし16のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 更に、前記第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、前記記録ギャップ層側の面が平坦化された絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項11ないし17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記第2の部分を、前記薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成することを特徴とする請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
- 前記第1の磁性層は、前記第2のシールド層を兼ねていることを特徴とする請求項11ないし19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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