JP3859398B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えた複合型の薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスク装置の面記録密度の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵抗(以下、MR(Magneto-resistive)とも記す。)素子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。
【0003】
ところで、記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必要がある。このためには、記録ギャップ層を挟んでその上下に形成された下部磁極および上部磁極のエアベアリング面での幅、すなわちトラック幅を数ミクロンからサブミクロン寸法まで狭くした狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、これを達成するために半導体加工技術が利用されている。
【0004】
ここで、図23ないし図26を参照して、従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。なお、図23ないし図26において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0005】
この製造方法では、まず、図23に示したように、例えばアルティック(Al23・TiC)よりなる基板101の上に、例えばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで堆積する。次に、絶縁層102の上に、磁性材料よりなる再生ヘッド用の下部シールド層103を形成する。
【0006】
次に、下部シールド層103の上に、例えばアルミナを100〜200nmの厚みにスパッタ堆積し、絶縁層としての下部シールドギャップ膜104を形成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、再生用のMR素子105を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜104の上に、MR素子105に電気的に接続される一対の電極層106を形成する。
【0007】
次に、下部シールドギャップ膜104およびMR素子105の上に、絶縁層としての上部シールドギャップ膜107を形成し、MR素子105をシールドギャップ膜104,107内に埋設する。
【0008】
次に、上部シールドギャップ膜107の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)108を、約3μmの厚みに形成する。
【0009】
次に、図24に示したように、下部磁極層108の上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャップ層109を0.2μmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、記録ギャップ層109を部分的にエッチングして、コンタクトホール109aを形成する。次に、磁極部分における記録ギャップ層109の上に、記録ヘッド用の磁性材料よりなる上部磁極チップ110を、0.5〜1.0μmの厚みに形成する。このとき同時に、磁路形成のためのコンタクトホール109aの上に、磁路形成のための磁性材料からなる磁性層119を形成する。
【0010】
次に、図25に示したように、上部磁極チップ110をマスクとして、イオンミリングによって、記録ギャップ層109と下部磁極層108をエッチングする。図25(b)に示したように、上部磁極部分(上部磁極チップ110)、記録ギャップ層109および下部磁極層108の一部の各側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム(Trim)構造と呼ばれる。
【0011】
次に、全面に、例えばアルミナ膜よりなる絶縁層111を、約3μmの厚みに形成する。次に、この絶縁層111を、上部磁極チップ110および磁性層119の表面に至るまで研磨して平坦化する。
【0012】
次に、平坦化された絶縁層111の上に、例えば銅(Cu)よりなる誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル112を形成する。次に、絶縁層111およびコイル112の上に、フォトレジスト層113を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層113の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。次に、フォトレジスト層113の上に、第2層目の薄膜コイル114を形成する。次に、フォトレジスト層113およびコイル114上に、フォトレジスト層115を、所定のパターンに形成する。次に、フォトレジスト層115の表面を平坦にするために所定の温度で熱処理する。
【0013】
次に、図26に示したように、上部磁極チップ110、フォトレジスト層113,115および磁性層119の上に、記録ヘッド用の磁性材料、例えばパーマロイよりなる上部磁極層116を形成する。次に、上部磁極層116の上に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層117を形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面118を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0014】
図27は、図26に示した薄膜磁気ヘッドの平面図である。なお、この図では、オーバーコート層117や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0015】
図26において、THは、スロートハイトを表し、MR−Hは、MRハイトを表している。なお、スロートハイトとは、2つの磁極層が記録ギャップ層を介して対向する部分すなわち磁極部分の、エアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。また、MRハイトとは、MR素子のエアベアリング面側の端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。また、図26において、P2Wは、磁極幅すなわち記録ヘッドのトラック幅(以下、記録トラック幅という。)を表している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因として、スロートハイトやMRハイト等の他に、図26においてθで示したようなエイペックスアングル(Apex Angle)がある。このエイペックスアングルは、フォトレジスト層113,115で覆われて山状に盛り上がったコイル部分(以下、エイペックス部と言う。)における磁極側の側面の角部を結ぶ直線と絶縁層111の上面とのなす角度をいう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
薄膜磁気ヘッドの性能を向上させるには、図26に示したようなスロートハイトTH、MRハイトMR−H、エイペックスアングルθおよび記録トラック幅P2Wを正確に形成することが重要である。
【0017】
特に、近年は、高面密度記録を可能とするため、すなわち狭トラック構造の記録ヘッドを形成するために、トラック幅P2Wには1.0μm以下のサブミクロン寸法が要求されている。そのために半導体加工技術を利用して上部磁極をサブミクロン寸法に加工する技術が必要となる。
【0018】
ここで、問題となるのは、エイペックス部の上に形成される上部磁極層を微細に形成することが困難なことである。
【0019】
ところで、上部磁極層を形成する方法としては、例えば、特開平7−262519号公報に示されるように、フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用いて上部磁極層を形成する場合は、まず、エイペックス部の上に全体的に、例えばパーマロイよりなる薄い電極膜を、例えばスパッタリングによって形成する。次に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレーム(外枠)を形成する。そして、先に形成した電極膜をシード層として、めっき法によって上部磁極層を形成する。
【0020】
ところが、エイペックス部と他の部分とでは、例えば7〜10μm以上の高低差がある。このエイペックス部上に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで塗布する。エイペックス部上のフォトレジストの膜厚が最低3μm以上必要であるとすると、流動性のあるフォトレジストは低い方に集まることから、エイペックス部の下方では、例えば8〜10μm以上の厚みのフォトレジスト膜が形成される。
【0021】
上述のようにサブミクロン寸法の記録トラック幅を実現するには、フォトレジスト膜によってサブミクロン寸法の幅のフレームパターンを形成する必要がある。従って、エイペックス部上で、8〜10μm以上の厚みのあるフォトレジスト膜によって、サブミクロン寸法の微細なパターンを形成しなければならない。ところが、このような厚い膜厚のフォトレジストパターンを狭パターン幅で形成することは製造工程上極めて困難であった。
【0022】
しかも、フォトリソグラフィの露光時に、露光用の光が、シード層としての下地電極膜で反射し、この反射光によってもフォトレジストが感光して、フォトレジストパターンのくずれ等が生じ、シャープかつ正確なフォトレジストパターンが得られなくなる。
【0023】
特に、エイペックス部の斜面上の領域では、露光用の光が下地電極膜で反射して戻ってくる反射光には、垂直方向の反射光のみならず、エイペックス部の斜面からの斜め方向または横方向の反射光も含まれるため、これらの反射光によってフォトレジストが感光して、フォトレジストパターンのくずれが大きくなる。
【0024】
一方、トラック幅には、スライダの研磨加工時の研磨量によって変化がないことが要求される。
【0025】
そのため、エイペックス部の上に上部磁極層を形成する場合には、フォトリソグラフィの露光時における下地電極膜での反射光によってトラック幅が影響を受けにくくなるような工夫が必要であった。
【0026】
従来の薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極層の形状は、例えば、スロートハイトゼロ位置(磁極部分のエアベアリング面とは反対側の端部の位置)からエイペックス部側に例えば3〜5μmだけ進んだ位置よりエアベアリング面までの部分がトラック幅と等しい幅を有し、この部分からコイル側にかけて幅が30°や45°のようななだらかな角度で広がるような形状になっていた。
【0027】
しかしながら、上部磁極層が上記のような形状であると、スロートハイトゼロ位置の近傍で磁束の飽和が生じ、薄膜コイルで発生した起磁力を効率よく記録に利用することができなくなるという問題点があった。その結果、オーバーライト特性、すなわち、記録媒体上の既にデータを書き込んである領域にデータを重ね書きする場合の特性を示す値が、例えば10〜20dB程度と低い値になり、十分なオーバーライト特性を確保することができないという問題が生じる。
【0028】
また、上部磁極層が上記のような形状であると、エイペックス部の斜面上に、上部磁極層の幅が広がり始める部分が配置される。しかし、このような上部磁極層の形状と配置の場合には、フォトレジストパターンが下地電極膜での反射光の影響を特に受けやすくなり、トラック幅を正確に制御することが困難になる。
【0029】
このように、従来は、トラック幅がサブミクロン寸法になると、トラック幅を正確に制御することが困難になるという問題点と、スロートハイトゼロ位置の近傍において磁束の飽和を生じやすいという問題点があった。
【0030】
今後、例えば10〜40ギガビット/(インチ)2の面記録密度に対応可能な薄膜磁気ヘッドや、例えば300〜600MHzの高周波数帯において良好な記録動作が可能な薄膜磁気ヘッドを実現しようする場合には、特に、微細なトラック幅を均一に形成することや、薄膜コイルで発生した起磁力を効率よく記録に利用できるようにすることが重要になり、上述の問題点の解決が強く求められる。
【0031】
このようなことから、上述の従来例の図24ないし図26の工程でも示したように、記録ヘッドの狭トラックの形成に有効な上部磁極チップ110によって、1.0μm以下のトラック幅を形成した後、この上部磁極チップ110と接続されるヨーク部分となる上部磁極層116を形成する方法も採用されている(特開昭62−245509号公報、特開昭60−10409号公報参照)。このように、通常の上部磁極層を、上部磁極チップ110とヨーク部分となる上部磁極層116とに分割することにより、記録トラック幅を決定する上部磁極チップ110を、記録ギャップ層109の上の平坦な面の上に、ある程度微細に形成することが可能になる。
【0032】
しかしながら、図26に示したような構造の薄膜磁気ヘッドでも、以下のような問題点があった。
【0033】
まず、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110によって記録トラック幅が規定されるため、上部磁極層116は、上部磁極チップ110ほどには微細に加工する必要はないと言える。それでも、記録トラック幅が極微細、特に0.5μm以下になってくると、上部磁極層116においてもサブミクロン幅の加工精度が要求される。しかしながら、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116はエイペックス部の上に形成されることから、前述の理由により、上部磁極層116を微細に形成することが困難であった。また、上部磁極層116は、幅の狭い上部磁極チップ110に対して磁気的に接続する必要があることから、上部磁極チップ110よりも広い幅に形成する必要があった。これらの理由から、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116は上部磁極チップ110よりも広い幅に形成されていた。また、上部磁極層116の先端面はエアベアリング面に露出している。そのため、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116側でも書き込みが行われ、記録媒体に対して、本来、記録すべき領域以外の領域にもデータを書き込んでしまう、いわゆるサイドライトや、記録すべき領域以外の領域におけるデータを消去してしまう、いわゆるサイドイレーズが発生するという問題点があった。このような問題点は、記録ヘッドの性能を向上させるためにコイルを2層や3層に形成した場合に、コイルを1層に形成する場合に比べてエイペックス部の高さが高くなり、より顕著になる。
【0034】
また、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極チップ110によって記録トラック幅とスロートハイトとを規定している。従って、この薄膜磁気ヘッドでは、記録トラック幅が極微細、特に0.5μm以下になってくると、上部磁極チップ110の大きさが極めて小さくなるため、パターン端が丸みを帯びたりして、上部磁極チップ110を精度よく形成するのが困難になる。そのため、図26に示したような構造の薄膜磁気ヘッドでは、記録トラック幅が極微細になってくると、記録トラック幅を正確に制御することが困難になるという問題点があった。
【0035】
更に、図26に示した薄膜磁気ヘッドでは、上部磁極層116と上部磁極チップ110との接触部分で磁路の断面積が急激に減少するため、この部分で磁束の飽和が生じ、薄膜コイル112,114で発生した起磁力を効率よく記録に利用することができなくなるという問題点があった。
【0036】
また、従来の薄膜磁気ヘッドでは、磁路長(Yoke Length)を短くすることが困難であるという問題点があった。すなわち、コイルピッチが小さいほど、磁路長の短いヘッドを実現することができ、特に高周波特性に優れた記録ヘッドを形成することができるが、コイルピッチを限りなく小さくしていった場合、スロートハイトゼロ位置からコイルの外周端までの距離が、磁路長を短くすることを妨げる大きな要因となっていた。磁路長は、1層のコイルよりは2層のコイルの方が短くできることから、多くの高周波用の記録ヘッドでは2層コイルを採用している。しかしながら、従来の磁気ヘッドでは、1層目のコイルを形成した後、コイル間の絶縁膜を形成するために、フォトレジスト膜を約2μmの厚みで形成している。そのため、1層目のコイルの外周端には丸みを帯びた小さなエイペックス部が形成される。次に、その上に2層目のコイルを形成するが、その際に、エイペックス部の傾斜部では、コイルのシード層のエッチングができず、コイルがショートするため、2層目のコイルは平坦部に形成する必要がある。
【0037】
従って、例えば、コイルの厚みを2〜3μmとし、コイル間絶縁膜の厚みを2μmとし、エイペックスアングルを45°〜55°とすると、磁路長としては、コイルに対応する部分の長さに加え、コイルの外周端からスロートハイトゼロ位置の近傍までの距離である3〜4μmの距離の2倍(上部磁極層と下部磁極層とのコンタクト部からコイル内周端までの距離も3〜4μm必要。)の6〜8μmが必要である。このコイルに対応する部分以外の長さが、磁路長の縮小を妨げる要因となっていた。
【0038】
ここで、例えば、コイルの線幅が1.5μm、スペースが0.5μmの11巻コイルを2層で形成する場合を考える。この場合、図26に示したように、1層目を6巻、2層目を5巻とすると、磁路長のうち、1層目のコイル112に対応する部分の長さは11.5μmである。磁路長には、これに加え、1層目のコイル112の外周端および内周端より、1層目のコイル112を絶縁するためのフォトレジスト層113の端部までの距離として、合計6〜8μmの長さが必要になる。従って、磁路長は17.5〜19.5μmとなる。なお、本出願では、磁路長を、図26において符号L0で示したように、磁極層のうちの磁極部分およびコンタクト部分を除いた部分の長さで表す。このように、従来は、磁路長の縮小が困難であり、これが高周波特性の改善を妨げていた。
【0039】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、記録ヘッドのトラック幅を小さくした場合においてもトラック幅を正確に制御できると共に磁路の途中における磁束の飽和を防止できるようにし、更に、磁路長の縮小を可能にした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0040】
本発明の第2の目的は、記録ヘッドのトラック幅を小さくした場合においてもトラック幅を正確に制御できると共に磁路の途中における磁束の飽和を防止できるようにし、更に、記録すべき領域以外の領域へのデータの書き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消去を防止することができるようにした薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドは、
磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドと
を備え、
第1の磁性層は、薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成すると共にスロートハイトを規定する第2の部分とを有し、
第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、
薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置され、
第2の磁性層はトラック幅を規定するものである。
【0042】
本発明の第1および第2の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドと
を備え、第2の磁性層がトラック幅を規定する薄膜磁気ヘッドを製造する方法である。
【0043】
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
再生ヘッドを形成する工程と、
第1の磁性層を形成する工程と、
第1の磁性層の上にギャップ層を形成する工程と、
ギャップ層の上に第2の磁性層を形成する工程と、
少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、薄膜コイルを形成する工程とを含み、
第1の磁性層を形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成すると共にスロートハイトを規定する第2の部分とを形成し、且つ、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、
薄膜コイルを形成する工程は、薄膜コイルの少なくとも一部を、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置する
ものである。
【0044】
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層の第2の部分によってスロートハイトが規定され、第2の磁性層によってトラック幅が規定される。また、本発明では、薄膜コイルの少なくとも一部が、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置される。これにより、第2の磁性層を平坦な面の上に精度よく形成することが可能になり、その結果、第2の磁性層における磁束の飽和を防止しながら、トラック幅を正確に制御することが可能になる。また、本発明では、薄膜コイルの少なくとも一部の端部を、第1の磁性層の第2の部分の端部の近くに配置することが可能になり、これにより、磁路長の縮小が可能になる。また、本発明では、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きい。これにより、第1の磁性層における磁束の飽和を防止することが可能になる。
【0045】
本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面とは反対側の端部に対応する位置における第2の磁性層の幅は、媒体対向面における第2の磁性層の幅よりも大きくなっていてもよい。
【0046】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第2の磁性層は、媒体対向面側に配置された幅がトラック幅と等しい部分と、幅がトラック幅よりも大きい他の部分とを有し、他の部分の幅は、媒体対向面に近づくに従って小さくなっていてもよい。
【0047】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さの150〜600%であることが好ましく、特に、300〜500%であることが好ましい。
【0048】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、更に、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、その第2の磁性層側の面が第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された絶縁層を設けてもよい。
【0049】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第2の磁性層は、1つの層からなっていてもよい。
【0050】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第2の磁性層は、トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有していてもよい。
【0051】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、ヨーク部分層の媒体対向面側の端面は、媒体対向面から離れた位置に配置されていてもよい。この場合、磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離は、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上であってもよい。また、薄膜コイルは、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有していてもよい。この場合には、更に、薄膜コイルの第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が第1の磁性層の第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、薄膜コイルの第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が第2の磁性層の磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを設けてもよい。
【0052】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分における媒体対向面とは反対側の端部は、媒体対向面と平行な直線状に形成されていてもよい。
【0053】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分は、薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成されていてもよい。
【0054】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分における媒体対向面側の一部分の幅は他の部分の幅よりも小さくなっていてもよい。
【0055】
また、本発明の第1の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層の第2の部分は、第2の磁性層と対向し、スロートハイトを規定する中央部分と、中央部分の幅方向の両側に形成された側方部分とを有し、側方部分の少なくとも一部における媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さはスロートハイトよりも大きくなっていてもよい。
【0056】
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドは、
磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドと
を備え、
第2の磁性層は、トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有し、
磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、
ヨーク部分層の媒体対向面側の端面は、媒体対向面から離れた位置に配置され、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離は、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上である。
【0057】
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
再生ヘッドを形成する工程と、
第1の磁性層を形成する工程と、
第1の磁性層の上にギャップ層を形成する工程と、
ギャップ層の上に第2の磁性層を形成する工程と、
少なくとも一部が第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、薄膜コイルを形成する工程とを含み、
第2の磁性層を形成する工程は、
トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを形成し、
磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、
ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を、媒体対向面から離れた位置に配置し、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離を、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上とする
ものである。
【0058】
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第2の磁性層は磁極部分層とヨーク部分層とに分割されるので、トラック幅を正確に制御することが可能となる。また、本発明では、磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくされ、ヨーク部分層の媒体対向面側の端面が、媒体対向面から離れた位置に配置され、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離が、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上とされるので、記録すべき領域以外の領域へのデータの書き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消去を防止しながら、磁路の途中における磁束の飽和を防止することが可能になる。
【0059】
本発明の第2の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、第1の磁性層は、薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成すると共にスロートハイトを規定する第2の部分とを有し、薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されていてもよい。
【0060】
また、本発明の第2の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法において、薄膜コイルは、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有していてもよい。この場合には、更に、薄膜コイルの第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が第1の磁性層の第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、薄膜コイルの第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が第2の磁性層の磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを設けてもよい。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1ないし図9を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。なお、図1ないし図6において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0062】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティック(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を、約5μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、約3μmの厚みに形成する。下部シールド層3は、例えば、フォトレジスト膜をマスクにして、めっき法によって、絶縁層2の上に選択的に形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMP(化学機械研磨)によって、下部シールド層3が露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0063】
次に、図2に示したように、下部シールド層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4を、例えば約20〜40nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を、数十nmの厚みに形成する。MR素子5は、例えば、スパッタによって形成したMR膜を選択的にエッチングすることによって形成する。なお、MR素子5には、AMR素子、GMR素子、あるいはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁膜としての上部シールドギャップ膜7を、例えば約20〜40nmの厚みに形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。シールドギャップ膜4,7に使用する絶縁材料としては、アルミナ、窒化アルミニウム、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。また、シールドギャップ膜4,7は、スパッタ法によって形成してもよいし、例えばトリメチルアルミニウム(Al(CH33)とH2O等を用いた化学的気相成長(CVD)法によって形成してもよい。CVD法を用いると、薄く、且つ緻密でピンホールの少ないシールドギャップ膜4,7を形成することが可能となる。
【0064】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなり、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用いられる上部シールド層兼下部磁極層(以下、下部磁極層と記す。)8の第1の部分8aを、約1.0〜1.5μmの厚みで、選択的に形成する。なお、下部磁極層8は、この第1の部分8aと、後述する第2の部分8b、第3の部分8cとで構成される。下部磁極層8の第1の部分8aは、後述する薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置される。
【0065】
次に、下部磁極層8の第1の部分8aの上に、下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cを、約1.5〜2.5μmの厚みに形成する。第2の部分8bは、下部磁極層8の磁極部分を形成し、第1の部分8aの薄膜コイルが形成される側(図において上側)の面に接続される。第3の部分8cは、第1の部分8aと後述する上部磁極層とを接続するための部分である。第2の部分8bのうち上部磁極層と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部の位置は、スロートハイトを規定する。すなわち、第2の部分8bのうち上部磁極層と対向する部分が、スロートハイトを規定する部分となる。また、第2の部分8bのうち上部磁極層と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部の位置がスロートハイトゼロ位置となる。
【0066】
下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cは、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0067】
次に、図3に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜9を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0068】
次に、フォトレジストをフォトリソグラフィ工程によりパターニングして、薄膜コイルをフレームめっき法によって形成するためのフレーム19を形成する。次に、このフレーム19を用いて、フレームめっき法によって、例えば銅(Cu)よりなる薄膜コイル10を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2〜2.0のコイルピッチで形成する。次に、フレーム19を除去する。なお、図中、符号10aは、薄膜コイル10を、後述する導電層(リード)と接続するための接続部を示している。
【0069】
次に、図4に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層11を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cが露出するまで、絶縁層11を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図4では、薄膜コイル10は露出していないが、薄膜コイル10が露出するようにしてもよい。
【0070】
次に、露出した下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cと絶縁層11の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層12を、例えば0.2〜0.3μmの厚みに形成する。記録ギャップ層12に使用する絶縁材料としては、一般的に、アルミナ、窒化アルミニウム、シリコン酸化物系材料、シリコン窒化物系材料、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)等がある。
【0071】
次に、磁路形成のために、下部磁極層8の第3の部分8cの上において、記録ギャップ層12を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。また、薄膜コイル10の接続部10aの上の部分において、記録ギャップ層12および絶縁層11を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0072】
次に、図5に示したように、記録ギャップ層12の上において、エアベアリング面30から下部磁極層8の第3の部分8cの上の部分にかけて上部磁極層13を約2.0〜3.0μmの厚みに形成すると共に、薄膜コイル10の接続部10aに接続されるように導電層21を約2.0〜3.0μmの厚みに形成する。上部磁極層13は、下部磁極層8の第3の部分8cの上の部分に形成されたコンタクトホールを介して、下部磁極層8の第3の部分8cに接続されている。
【0073】
上部磁極層13は、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、上部磁極層13を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0074】
次に、上部磁極層13をマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的にエッチングする。このときのドライエッチングには、例えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、CF4,SF6等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層8の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図5(b)に示したようなトリム構造とする。このトリム構造によれば、狭トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実効的なトラック幅の増加を防止することができる。
【0075】
次に、全体に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層17を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0076】
本実施の形態では、第1の部分8a、第2の部分8bおよび第3の部分8cよりなる下部磁極層8が、本発明における第1の磁性層に対応し、上部磁極層13が、本発明における第2の磁性層に対応する。また、第2の部分8bのうち上部磁極層13と対向する部分が、本発明における第1の磁性層の第2の部分のうちのスロートハイトを規定する部分に対応する。また、下部磁極層8は、上部シールド層を兼ねているので、本発明における第2のシールド層にも対応する。
【0077】
図7は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分についての平面図(図7において上側に配置された図)と断面図(図7において下側に配置された図)とを対応付けて示す説明図である。なお、図7では、オーバーコート層17や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。図7において、符号THはスロートハイトを表し、TH0はスロートハイトゼロ位置を表し、MR−HはMRハイトを表している。
【0078】
図8は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける下部シールド層3から下部磁極層8の第2の部分8b、絶縁膜9および薄膜コイル10までの部分を、一部切り欠いて示す斜視図である。図8において、符号8Bは、トリム構造とするために下部磁極層8の第2の部分8bがエッチングされている部分を表している。
【0079】
図9は、図8に示した部分に更に記録ギャップ層12および上部磁極層13を加えた部分を、一部切り欠いて示す斜視図である。
【0080】
以上説明したように、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、再生ヘッドと記録ヘッドとを備えている。再生ヘッドは、MR素子5と、記録媒体に対向する側の一部がMR素子5を挟んで対向するように配置された、MR素子5をシールドするための下部シールド層3および上部シールド層(下部磁極層8)とを有している。
【0081】
記録ヘッドは、互いに磁気的に連結され、記録媒体に対向する側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる下部磁極層8(第1の部分8a、第2の部分8bおよび第3の部分8c)および上部磁極層13と、この下部磁極層8の磁極部分と上部磁極層13の磁極部分との間に設けられた記録ギャップ層12と、少なくとも一部が下部磁極層8および上部磁極層13の間に、これらに対して絶縁された状態で配設された薄膜コイル10とを有している。
【0082】
本実施の形態では、下部磁極層8は、薄膜コイル10の少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の部分8aと、この第1の部分8aにおける薄膜コイル10側(図において上側)の面に接続され、磁極部分を形成し、スロートハイトを規定する第2の部分8bとを有し、薄膜コイル10は、下部磁極層8の第2の部分8bの側方(図において右側)に配置されている。
【0083】
また、本実施の形態では、下部磁極層8の第2の部分8bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ(以下、単に第2の部分8bの長さともいう。)すなわちスロートハイトTHは、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわちMRハイトMR−Hよりも大きくなっている。第2の部分8bの長さは、MRハイトMR−Hの150〜600%が好ましく、特に300〜500%が好ましい。言い換えると、MRハイトMR−Hが例えば0.5μmの場合には、第2の部分8bの長さは、0.75〜3.0μmが好ましく、特に1.5〜2.5μmが好ましい。
【0084】
また、本実施の形態では、下部磁極層8の第2の部分8bのうち上部磁極層13に対向する部分では、エアベアリング面30とは反対側の端部がエアベアリング面30と平行な直線状に形成されている。下部磁極層8の第2の部分8bの他の部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部は、薄膜コイル10の外周の形状に近似した円弧状に形成されている。本実施の形態では、上述のように、下部磁極層8の第2の部分8bのうち上部磁極層13に対向する部分のエアベアリング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を正確に制御することができる。
【0085】
また、本実施の形態では、上部磁極層13によってトラック幅を規定する。図7に示したように、上部磁極層13は、エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分13A、第2の部分13Bおよび第3の部分13Cを有している。第1の部分13Aの幅は記録トラック幅に等しく、第2の部分13Bの幅は第1の部分13Aの幅よりも大きく、第3の部分13Cの幅は第2の部分13Bの幅よりも大きくなっている。
【0086】
第3の部分13Cの幅は、エアベアリング面30に近づく従って徐々に小さくなっている。第3の部分13Cの幅が変化する部分における幅方向の端縁は、エアベアリング面30に直交する方向に対して30°〜60°をなすのが好ましい。また、第2の部分13Bの幅も、エアベアリング面30に近づくに従って徐々に小さくなっている。
【0087】
また、上部磁極層13において、第1の部分13Aの幅方向の端縁と第2の部分13Bの幅方向の端縁とを結ぶ端縁は、エアベアリング面30に平行になっている。同様に、上部磁極層13において、第2の部分13Bの幅方向の端縁と第3の部分13Cの幅方向の端縁とを結ぶ端縁も、エアベアリング面30に平行になっている。
【0088】
上部磁極層13において、第1の部分13Aと第2の部分13Bとの境界の位置は、MRハイトゼロ位置(MR素子5のエアベアリング面30とは反対側の端部の位置)の近傍に配置されている。
【0089】
また、上部磁極層13において、第2の部分13Bと第3の部分13Cとの境界の位置(図7における第2の部分13Bと第3の部分13Cとの段差部分の近傍位置)は、下部磁極層8の第2の部分8bのうち上部磁極層13と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側(図7において右側)の端部の位置、すなわちスロートハイトゼロ位置TH0よりもエアベアリング面30側(図7において左側)に配置されている。従って、本実施の形態では、上部磁極層13のスロートハイトゼロ位置TH0における幅W1は、上部磁極層13の第1の部分13Aの幅である記録トラック幅W2よりも大きくなっている。
【0090】
以上説明したように、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bによってスロートハイトを規定するようにし、薄膜コイル10を下部磁極層8の第1の部分8aの上であって第2の部分8bの側方に配置し、薄膜コイル10を覆う絶縁層11の上面を下部磁極層8の第2の部分8bの上面と共に平坦化したので、記録トラック幅を規定する上部磁極層13を平坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録トラック幅を例えばハーフミクロン寸法やクォータミクロン寸法にも小さくしても、上部磁極層13を精度よく形成することができ、記録トラック幅を正確に制御することが可能になる。
【0091】
また、本実施の形態によれば、上部磁極層13のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくしたので、上部磁極層13のスロートハイトゼロ位置の近傍における磁束の飽和を防止することができる。また、本実施の形態によれば、上部磁極層13の幅を、エアベアリング面30に近づくに従って徐々に小さくしているので、磁路の断面積が急激に減少することがなく、磁路の途中における磁束の飽和を防止することができる。従って、本実施の形態によれば、薄膜コイル10で発生した起磁力を効率よく記録に利用することができ、オーバーライト特性を向上させることができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、記録トラック幅を規定する上部磁極層13を平坦な面の上に形成したので、上述のように上部磁極層13のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくした場合に、記録トラック幅を規定する第1の部分13Aの幅が大きくなることを防止できる。なお、エイペックス部の上に上部磁極層を形成する場合には、上部磁極層のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくすると、上部磁極層のうち記録トラック幅を規定する部分の幅まで大きくなりやすい。
【0093】
また、本実施の形態では、上部磁極層13の第2の部分13Bのエアベアリング面30側の端部がエアベアリング面30に平行になっており、この端部に上部磁極層13の第1の部分13Aが連結されている。従って、フォトリソグラフィによって上部磁極層13を形成するために使用されるフォトマスクは、第2の部分13Bのエアベアリング面30側の端部に対応する辺に、第1の部分13Aに対応する凹部または凸部を付加した形状のものとなる。なお、第1の部分13Aに対応する部分が凹部になるか凸部になるかは、ネガ型フォトマスクを使用するかポジ型フォトマスクを使用するかによって決まる。このような形状のフォトマスクを使用して、平坦な面の上に上部磁極層13を形成することにより、第1の部分13Aの幅、すなわち記録トラック幅を正確に制御することが可能になる。
【0094】
また、本実施の形態では、下部磁極層8の第2の部分8bによってスロートハイトを規定するが、第2の部分8bの長さを、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわちMRハイトMR−Hよりも大きくしている。従って、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第1の部分8aと第2の部分8bとの接触面積を大きくすることができ、この部分における磁束の飽和を防止することができる。
【0095】
なお、下部磁極層8の第2の部分8bの長さがMRハイトMR−Hよりも大きいほど、下部磁極層8の第1の部分8aと第2の部分8bとの接触面積が大きくなる。従って、下部磁極層8の第2の部分8bの長さとMRハイトMR−Hとの差が小さいと、磁束の飽和を防止できるという効果が小さくなり、オーバーライト特性の向上の程度が小さくなる。一方、下部磁極層8の第2の部分8bの長さが大きくなりすぎると、磁路長が大きくなることによって逆にオーバーライト特性が低下してしまう。そのため、下部磁極層8の第2の部分8bの長さに関しては好ましい範囲が存在し、具体的には、前述のように、下部磁極層8の第2の部分8bの長さは、MRハイトMR−Hの150〜600%が好ましく、特に300〜500%が好ましい。
【0096】
このように、本実施の形態によれば、記録トラック幅を小さくした場合においても記録トラック幅を正確に制御することができると共に磁路の途中における磁束の飽和を防止することができる。
【0097】
また、本実施の形態では、薄膜コイル10を下部磁極層8の第2の部分8bの側方に配置し、平坦な絶縁膜9の上に形成している。そのため、本実施の形態によれば、薄膜コイル10を微細に精度よく形成することが可能になる。更に、本実施の形態によれば、エイペックス部が存在しないので、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30とは反対側の端部、すなわちスロートハイトゼロ位置の近くに薄膜コイル10の端部を配置することができる。
【0098】
これらのことから、本実施の形態によれば、例えば従来に比べて30〜40%程度、磁路長の縮小が可能となり、その結果、薄膜コイル10で発生した起磁力を効率よく記録に利用することが可能となる。従って、本実施の形態によれば、記録ヘッドの高周波特性や、非線形トランジションシフト(Non-linear Transition Shift;NLTS)や、オーバーライト特性の優れた薄膜磁気ヘッドを提供することが可能となる。
【0099】
また、本実施の形態によれば、磁路長の縮小が可能となることから、巻き数を変えることなく薄膜コイル10の全長を大幅に短くすることができる。これにより、薄膜コイル10の抵抗を小さくすることができるので、その分、薄膜コイル10の厚みを小さくすることが可能となる。
【0100】
また、本実施の形態では、下部磁極層8の第の部分8と薄膜コイル10の間に、薄く且つ十分な絶縁耐圧が得られる無機材料よりなる絶縁膜9が設けられるので、下部磁極層8の第の部分8と薄膜コイル10との間に大きな絶縁耐圧を得ることができる。
【0101】
また、本実施の形態では、薄膜コイル10を無機絶縁材料よりなる絶縁層11で覆ったので、薄膜磁気ヘッドの使用中に、薄膜コイル10の周辺で発生する熱による膨張によって磁極部分が記録媒体側に突出することを防止することができる。
【0102】
[第2の実施の形態]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図10は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図10では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0103】
本実施の形態では、下部磁極層8の第1の部分8aを第1の実施の形態に比べて広い領域、具体的には、薄膜コイル10の全体が配置される領域よりも広い領域に形成している。また、本実施の形態では、下部磁極層8の第2の部分8bを、薄膜コイル10の周囲を囲うように形成している。なお、下部磁極層8の第2の部分8bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ、すなわちスロートハイトTHは、第1の実施の形態と同様に、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわちMRハイトMR−Hよりも大きくなっている。
【0104】
本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bを上述のような形状とすることにより、絶縁層11の平坦化の精度を向上させることができる。
【0105】
また、本実施の形態における上部磁極層13は、エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分13A、第2の部分13Bおよび第3の部分13Cを有している。第1の部分13Aおよび第2の部分13Bの形状は、第1の実施の形態と同様である。第3の部分13Cの幅は、以下のように変化している。すなわち、第3の部分13Cの幅は、エアベアリング面30側の端部から、まずエアベアリング面30に直交する方向に対して例えば30°〜60°をなすように広がり、次に、より大きく角度で広がり、次に一定の幅となる。
【0106】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0107】
[第3の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図11は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図11では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0108】
本実施の形態における下部磁極層8の第2の部分8bは、エアベアリング30側の一部分の幅が他の部分の幅よりも小さいT形をなしている。また、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30とは反対側の端部は、エアベアリング面30と平行な直線状に形成されて、スロートハイトゼロ位置TH0に配置されている。
【0109】
本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bを上述のような形状としたことにより、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30における幅を小さくして、実効的なトラック幅の増加を防止することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bの幅を、エアベアリング面30に向けて段階的に小さくしているので、下部磁極層8における磁束の飽和を防止することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を正確に制御することができる。
【0110】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0111】
[第4の実施の形態]
次に、図12を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図12は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図12では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0112】
本実施の形態における下部磁極層8の第2の部分8bは、上部磁極層13と対向し、スロートハイトを規定する中央部分8b1と、この中央部分8b1の幅方向の両側に形成された側方部分8b2,8b3とを有している。中央部分8b1におけるエアベアリング面30とは反対側の端部は、エアベアリング面30と平行な直線状に形成されて、スロートハイトゼロ位置TH0に配置されている。側方部分8b2,8b3におけるエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さは、中央部分8b1との境界部分ではスロートハイトに等しく、境界部分から外側に向かうほど大きくなるように変化した後、一定の大きさになっている。
【0113】
また、本実施の形態では、上部磁極層13は、エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分13Aと第2の部分13Dを有している。第1の部分13Aの幅は記録トラック幅に等しく、第2の部分13Dの幅は、第1の部分13Aとの境界部分では記録トラック幅に等しく、エアベアリング面30から離れるに従って徐々に大きくなっている。第2の部分13Dの幅が変化する部分における幅方向の端縁は、エアベアリング面30に直交する方向に対して30°〜60°をなすのが好ましい。第1の部分13Aと第2の部分13Dとの境界部分の位置は、スロートハイトゼロ位置TH0よりもエアベアリング面30側に配置されている。従って、上部磁極層13のスロートハイトゼロ位置TH0における幅W1は、上部磁極層13の第1の部分13Aの幅である記録トラック幅W2よりも大きくなっている。なお、第1の部分13Aと第2の部分13Dとの境界部分の位置は、MRハイトゼロ位置よりエアベアリング面30から離れる方向に0〜1.0μmの距離の位置にあるのが好ましい。
【0114】
本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bにおける中央部分8b1のエアベアリング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を正確に制御することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bにおける側方部分8b2,8b3のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さを、中央部分8b1との境界部分を除き、中央部分8b1よりも大きくしたので、第2の部分8bの全体が一定の長さを有する場合に比べて、第2の部分8bの体積および第1の部分8aと第2の部分8bとの接触面積を大きくすることができ、スロートハイトが小さい場合においても、第1の部分8aと第2の部分8bとの接続部分における磁束の飽和を防止することができる。
【0115】
また、本実施の形態によれば、上部磁極層13の第2の部分13Dの幅を、エアベアリング面30側に近づくに従って徐々に小さくしているので、上部磁極層13における磁束の飽和を防止することができる。
【0116】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0117】
[第5の実施の形態]
次に、図13を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図13は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図13では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0118】
本実施の形態における下部磁極層8の第2の部分8bは、上部磁極層13と対向し、スロートハイトを規定する中央部分8b1と、この中央部分8b1の幅方向の両側に形成された側方部分8b2,8b3とを有している。中央部分8b1におけるエアベアリング面30とは反対側の端部は、エアベアリング面30と平行な直線状に形成されて、スロートハイトゼロ位置TH0に配置されている。側方部分8b2,8b3におけるエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さは、中央部分8b1との境界部分ではスロートハイトに等しく、境界部分から外側に向かうほど大きくなるように変化した後、一定の大きさになっている。側方部分8b2,8b3のうち、エアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さが変化する部分におけるエアベアリング面30と反対側の端部は、上部磁極層13の第3の部分13Cの幅方向の端部の位置に沿うように配置されている。
【0119】
本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bにおける中央部分8b1のエアベアリング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を正確に制御することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bにおける側方部分8b2,8b3のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さを、中央部分8b1との境界部分を除き、中央部分8b1よりも大きくしたので、第2の部分8bの全体が一定の長さを有する場合に比べて、第2の部分8bの体積および第1の部分8aと第2の部分8bとの接触面積を大きくすることができ、スロートハイトが小さい場合においても、第1の部分8aと第2の部分8bとの接続部分における磁束の飽和を防止することができる。
【0120】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0121】
[第6の実施の形態]
次に、図14ないし図20を参照して、本発明の第6の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法について説明する。なお、図14ないし図19において、(a)はエアベアリング面に垂直な断面を示し、(b)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面を示している。
【0122】
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、まず、図14に示したように、例えばアルティック(Al23・TiC)よりなる基板1の上に、例えばアルミナ(Al23)よりなる絶縁層2を、約5μmの厚みで堆積する。次に、絶縁層2の上に、磁性材料、例えばパーマロイよりなる再生ヘッド用の下部シールド層3を、約3μmの厚みで選択的に形成する。次に、図示しないが、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層を、例えば4〜5μmの厚みに形成し、例えばCMPによって、下部シールド層3が露出するまで研磨して、表面を平坦化処理する。
【0123】
次に、図15に示したように、下部シールド層3の上に、絶縁膜としての下部シールドギャップ膜4を、例えば約20〜40nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、再生用のMR素子5を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4の上に、MR素子5に電気的に接続される一対の電極層6を、数十nmの厚みに形成する。次に、下部シールドギャップ膜4およびMR素子5の上に、絶縁膜としての上部シールドギャップ膜7を、例えば約20〜40nmの厚みに形成し、MR素子5をシールドギャップ膜4,7内に埋設する。
【0124】
次に、上部シールドギャップ膜7の上に、磁性材料からなる下部磁極層8の第1の部分8aを、約1.0〜2.0μmの厚みで、選択的に形成する。下部磁極層8の第1の部分8aは、後述する薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置される。
【0125】
次に、図16に示したように、下部磁極層8の第1の部分8aの上に、下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cを、約1.5〜2.5μmの厚みに形成する。第2の部分8bは、下部磁極層8の磁極部分を形成し、第1の部分8aの薄膜コイル側の面に接続される。第3の部分8cは、第1の部分8aと後述する上部磁極層とを接続するための部分である。第2の部分8bのうち上部磁極層と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部の位置は、スロートハイトを規定する。すなわち、第2の部分8bのうち上部磁極層と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部の位置がスロートハイトゼロ位置となる。
【0126】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜9を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。
【0127】
次に、フォトレジストをフォトリソグラフィ工程によりパターニングして、薄膜コイルをフレームめっき法によって形成するためのフレーム19を形成する。次に、このフレーム19を用いて、フレームめっき法によって、例えば銅よりなる薄膜コイルの第1層部分31を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2〜2.0μmのコイルピッチで形成する。次に、フレーム19を除去する。なお、図中、符号31aは、薄膜コイルの第1層部分31を後述する第2層部分に接続するための接続部を示している。
【0128】
次に、図17に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層32を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cが露出するまで、絶縁層32を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図17では、薄膜コイルの第1層部分31は露出していないが、薄膜コイルの第1層部分31が露出するようにしてもよい。
【0129】
次に、図18に示したように、露出した下部磁極層8の第2の部分8bおよび第3の部分8cと絶縁層32の上に、絶縁材料よりなる記録ギャップ層12を、例えば0.2〜0.3μmの厚みに形成する。次に、磁路形成のために、下部磁極層8の第3の部分8cの上において、記録ギャップ層12を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。
【0130】
次に、記録ギャップ層12の上に、記録トラック幅を規定する上部磁極層の磁極部分を含む磁極部分層41を例えば2〜3μmの厚みに形成すると共に、下部磁極層8の第3の部分8cの上に位置する部分の上に形成されたコンタクトホールの位置に、磁性層42を2〜3μmの厚みに形成する。磁性層42は、後述する上部磁極層のヨーク部分層と下部磁極層8とを接続するための部分である。本実施の形態では、上部磁極層の磁極部分層41のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さは、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、更に、下部磁極層8の第2の部分8bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ以上に形成される。
【0131】
上部磁極層の磁極部分層41および磁性層42は、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。
【0132】
次に、上部磁極層の磁極部分層41をマスクとして、ドライエッチングにより、記録ギャップ層12を選択的にエッチングする。このときのドライエッチングには、例えば、BCl2,Cl2等の塩素系ガスや、CF4,SF6等のフッ素系ガス等のガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。次に、例えばアルゴンイオンミリングによって、下部磁極層8の第2の部分8bを選択的に約0.3〜0.6μm程度エッチングして、図18(b)に示したようなトリム構造とする。
【0133】
次に、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁膜33を、約0.3〜0.6μmの厚みに形成する。次に、薄膜コイルの第1層部分31の接続部31aの上の部分において、絶縁膜33、記録ギャップ層12および絶縁層32を部分的にエッチングしてコンタクトホールを形成する。次に、フレームめっき法によって、例えば銅よりなる薄膜コイルの第2層部分34を、例えば約1.0〜2.0μmの厚みおよび1.2〜2.0μmのコイルピッチで形成する。なお、図中、符号34aは、上記コンタクトホールを介して、薄膜コイルの第2層部分34を第1層部分31に接続するための接続部を示している。
【0134】
次に、図19に示したように、全体に、例えばアルミナよりなる絶縁層35を、約3〜4μmの厚みで形成する。次に、例えばCMPによって、上部磁極層の磁極部分層41および磁性層42が露出するまで、絶縁層35を研磨して、表面を平坦化処理する。ここで、図19では、薄膜コイルの第2層部分34は露出していないが、薄膜コイルの第2層部分34が露出するようにしてもよい。第2層部分34が露出するようにした場合には、第2層部分34および絶縁層35の上に他の絶縁層を形成する。
【0135】
次に、平坦化された上部磁極層の磁極部分層41および磁性層42、絶縁層35の上に、記録ヘッド用の磁性材料からなる上部磁極層のヨーク部分を形成するヨーク部分層43を、例えば約2〜3μmの厚みに形成する。このヨーク部分層43は、磁性層42を介して、下部磁極層8の第3の部分8cと接触し、磁気的に連結している。上部磁極層のヨーク部分層43は、NiFe(Ni:80重量%,Fe:20重量%)や、高飽和磁束密度材料であるNiFe(Ni:45重量%,Fe:55重量%)等を用い、めっき法によって形成してもよいし、高飽和磁束密度材料であるFeN,FeZrN等の材料を用い、スパッタによって形成してもよい。この他にも、高飽和磁束密度材料であるCoFe,Co系アモルファス材等を用いてもよい。また、高周波特性の改善のため、上部磁極層のヨーク部分層43を、無機系の絶縁膜とパーマロイ等の磁性層とを何層にも重ね合わせた構造としてもよい。
【0136】
本実施の形態では、上部磁極層のヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端面は、エアベアリング面30から離れた位置(図において右側)に配置されている。本実施の形態では、特に、エアベアリング面30からヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部までの距離は、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ以上とする。
【0137】
次に、全体に、例えばアルミナよりなるオーバーコート層37を、20〜40μmの厚みに形成し、その表面を平坦化して、その上に、図示しない電極用パッドを形成する。最後に、スライダの研磨加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面30を形成して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0138】
本実施の形態では、磁極部分層41、磁性層42およびヨーク部分層43よりなる上部磁極層が、本発明の第2の磁性層に対応する。
【0139】
図20は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図20では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。図20において、符号THはスロートハイトを表し、TH0はスロートハイトゼロ位置を表し、MR−HはMRハイトを表している。
【0140】
本実施の形態では、下部磁極層8は、薄膜コイルの第1層部分31に対向する位置に配置された第1の部分8aと、この第1の部分8aにおける薄膜コイルの第1層部分31側の面に接続され、磁極部分を形成し、スロートハイトを規定する第2の部分8bとを有し、薄膜コイルの第1層部分31は、下部磁極層8の第2の部分8bの側方に配置されている。第1の実施の形態と同様に、下部磁極層8の第2の部分8bのうちスロートハイトを規定する部分のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ(以下、単に第2の部分8bの長さともいう。)すなわちスロートハイトTHは、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さすなわちMRハイトMR−Hよりも大きくなっている。第2の部分8bの長さは、MRハイトMR−Hの150〜600%が好ましく、特に300〜500%が好ましい。言い換えると、MRハイトMR−Hが例えば0.5μmの場合には、第2の部分8bの長さは、0.75〜3.0μmが好ましく、特に1.5〜2.5μmが好ましい。
【0141】
また、本実施の形態では、上部磁極層の磁極部分層41によってトラック幅を規定する。図20に示したように、上部磁極層の磁極部分層41は、エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分41A、第2の部分41Bおよび第3の部分41Cを有している。第1の部分41Aの幅は記録トラック幅に等しく、第2の部分41Bの幅は第1の部分41Aの幅よりも大きくなっている。第3の部分41Cの幅は、第2の部分42Bとの境界部分では第2の部分42Bの幅と等しく、境界部分からエアベアリング面30とは反対側に向かうほど大きくなるように変化した後、一定の大きさになっている。
【0142】
また、上部磁極層の磁極部分層41において、第1の部分41Aの幅方向の端縁と第2の部分41Bの幅方向の端縁とを結ぶ端縁は、エアベアリング面30に平行になっている。
【0143】
上部磁極層の磁極部分層41において、第1の部分41Aと第2の部分41Bとの境界の位置は、MRハイトゼロ位置の近傍に配置されている。
【0144】
また、上部磁極層の磁極部分層41において、第2の部分41Bと第3の部分41Cとの境界の位置は、下部磁極層8の第2の部分8bのうち磁極部分層41と対向する部分におけるエアベアリング面30とは反対側の端部の位置、すなわちスロートハイトゼロ位置TH0よりもエアベアリング面30側に配置されている。従って、本実施の形態では、磁極部分層41のスロートハイトゼロ位置TH0における幅W1は、磁極部分層41の第1の部分41Aの幅である記録トラック幅W2よりも大きくなっている。
【0145】
上部磁極層のヨーク部分層43は、エアベアリング面30側から順に配置された第1の部分43Aと第2の部分43Bとを有している。ヨーク部分層43の第1の部分43Aの幅は、磁極部分層41の第3の部分41Cにおける最大の幅とほぼ等しくなっている。ヨーク部分層43の第2の部分43Bの幅は、第1の部分43Aとの境界部分では第1の部分43Aの幅と等しく、境界部分からエアベアリング面30とは反対側に向かうほど大きくなるように変化した後、一定の大きさになっている。また、ヨーク部分層43の第1の部分43Aは、磁極部分層41の第2の部分41Bおよび第3の部分41Cとほぼ重なる位置に配置されている。
【0146】
以上説明したように、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bによってスロートハイトを規定するようにし、薄膜コイルの第1層部分31を下部磁極層8の第1の部分8aの上であって第2の部分8bの側方に配置し、薄膜コイルの第1層部分31を覆う絶縁層32の上面を下部磁極層8の第2の部分8bの上面と共に平坦化すると共に、上部磁極層を磁極部分層41とヨーク部分層43とに分割したので、記録トラック幅を規定する上部磁極層の磁極部分層41を平坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、記録トラック幅を例えばハーフミクロン寸法やクォータミクロン寸法にも小さくしても、磁極部分層41を精度よく形成することができ、記録トラック幅を正確に制御することが可能になる。
【0147】
また、本実施の形態によれば、上部磁極層の磁極部分層41のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくしたので、磁極部分層41のスロートハイトゼロ位置の近傍における磁束の飽和を防止することができる。また、本実施の形態によれば、磁極部分層41の幅を、エアベアリング面30に近づくに従って徐々に小さくしているので、磁路の断面積が急激に減少することがなく、磁路の途中における磁束の飽和を防止することができる。更に、本実施の形態によれば、上部磁極層の磁極部分層41のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくしたので、上部磁極層の磁極部分層41とヨーク部分層43との接触面積を大きくすることができ、磁極部分層41とヨーク部分層43との接続部分における磁束の飽和を防止することができる。従って、本実施の形態によれば、薄膜コイル31,34で発生した起磁力を効率よく記録に利用することができ、オーバーライト特性を向上させることができる。
【0148】
また、本実施の形態によれば、記録トラック幅を規定する上部磁極層の磁極部分層41を平坦な面の上に形成したので、上述のように磁極部分層41のスロートハイトゼロ位置における幅を記録トラック幅よりも大きくした場合に、記録トラック幅を規定する第1の部分41Aの幅が大きくなることを防止することができる。
【0149】
また、本実施の形態では、磁極部分層41の第2の部分41Bのエアベアリング面30側の端部がエアベアリング面30に平行になっており、この端部に磁極部分層41の第1の部分41Aが連結されている。従って、フォトリソグラフィによって磁極部分層41を形成するために使用されるフォトマスクは、第2の部分41Bのエアベアリング面30側の端部に対応する辺に、第1の部分41Aに対応する凹部または凸部を付加した形状のものとなる。このような形状のフォトマスクを使用して、平坦な面の上に磁極部分層41を形成することにより、第1の部分41Aの幅、すなわち記録トラック幅を正確に制御することが可能になる。
【0150】
また、本実施の形態によれば、薄膜コイルの第2層部分34を上部磁極層の磁極部分層41の側方に配置し、薄膜コイルの第2層部分34を覆う絶縁層35の上面を磁極部分層41の上面と共に平坦化したので、記録ヘッドのヨーク部分層43も、平坦な面の上に形成することができる。そのため、本実施の形態によれば、ヨーク部分層43も微細に形成可能となり、その結果、いわゆるサイドライトやサイドイレーズの発生を防止することが可能となる。
【0151】
また、本実施の形態では、上部磁極層のヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端面をエアベアリング面30から離れた位置に配置している。そのため、スロートハイトが小さい場合においても、上部磁極層のヨーク部分層43がエアベアリング面30に露出することがなく、その結果、いわゆるサイドライトやサイドイレーズの発生を防止することができる。
【0152】
また、本実施の形態では、上部磁極層の磁極部分層41のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さを、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ、すなわちMRハイトよりも大きくすると共に、ヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端面をエアベアリング面30から離れた位置に配置している。そのため、本実施の形態では、MRハイトゼロ位置よりもエアベアリング面30から離れた位置においても、上部磁極層の磁極部分層41とヨーク部分層43とを接触させることができる。従って、本実施の形態によれば、ヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端面をエアベアリング面30から離れた位置に配置してサイドライトやサイドイレーズの発生を防止しながら、上部磁極層において磁路の断面積が急激に減少することを防止して、磁路の途中での磁束の飽和を防止することができる。
【0153】
また、本実施の形態では、エアベアリング面30からヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部までの距離を、MR素子5のエアベアリング面30側の端部から反対側の端部までの長さ、すなわちMRハイト以上としている。
【0154】
ここで、図21を参照して、ヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部の位置とサイドイレーズ特性との関係を求めた実験結果について説明する。この実験は、ヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部の位置を、それぞれエアベアリング面(図21ではABSと記す。)30の位置、エアベアリング面30から0.2μm、0.4μm、0.6μm、0.8μm、1.0μm、1.2μmの各位置とした7種類の薄膜磁気ヘッドを用いた。なお、MRハイトは0.6μmとした。
【0155】
この実験では、各薄膜磁気ヘッド毎に、薄膜磁気ヘッドによって記録媒体上のあるトラックにデータを書き込んだ後、隣のトラックに薄膜磁気ヘッドを移動させ、隣のトラックにおいてデータの書き込みを200回行い、次に、最初にデータを書き込んだトラックに薄膜磁気ヘッドを移動させ、最初にデータを書き込んだトラックにおいてデータを読み出し、そのときの再生出力を求めた。なお、書き込み時に記録ヘッドに供給する電流は50mAとした。また、図21では、再生出力を、所望の再生出力に対する百分率(%)で表している。再生出力が100%ということはサイドイレーズが全くないことを意味し、再生出力が小さいほど、サイドイレーズの程度が大きいことを意味する。
【0156】
図21から、エアベアリング面30からヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部までの距離が大きくなるほど、再生出力が大きくなり、サイドイレーズを防止できることが分かる。また、図21から、エアベアリング面30からヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部までの距離が、MRハイトである0.6μm以上になると、ほとんどサイドイレーズが発生しないことが分かる。なお、サイドイレーズとサイドライトは、いずれもヨーク部分層43からの漏洩磁束によって発生し、発生の原理は同じであるので、サイドライトについても、サイドイレーズと同様のことが言える。
【0157】
このように、エアベアリング面30からヨーク部分層43のエアベアリング面30側の端部までの距離をMRハイト以上とすることにより、サイドライトやサイドイレーズの発生をより一層防止することが可能となる。
【0158】
また、本実施の形態では、薄膜コイルの第1層部分31と第2層部分34との間には、記録ギャップ層12の他に、無機材料よりなる絶縁膜33が設けられるので、薄膜コイルの第1層部分31と第2層部分34との間に大きな絶縁耐圧を得ることができると共に、薄膜コイル31,34からの磁束の漏れを低減することができる。
【0159】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
【0160】
[第7の実施の形態]
次に、図22を参照して、本発明の第7の実施の形態に係る薄膜気ヘッドおよびその製造方法について説明する。図22は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分を示す平面図である。なお、図22では、オーバーコート層や、その他の絶縁層および絶縁膜を省略している。
【0161】
本実施の形態における下部磁極層8の第2の部分8bは、エアベアリング30側の一部分の幅が、他の部分の幅よりも小さく且つエアベアリング30側に向かうほど小さくなるような形状をなしている。また、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30とは反対側の端部は、エアベアリング面30と平行な直線状に形成されて、スロートハイトゼロ位置TH0に配置されている。
【0162】
本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bを上述のような形状としたことにより、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30における幅を小さくして、実効的なトラック幅の増加を防止することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bの幅をエアベアリング面30に近づくに従って徐々に小さくしているので、下部磁極層8における磁束の飽和を防止することができる。また、本実施の形態によれば、下部磁極層8の第2の部分8bのエアベアリング面30とは反対側の端部をエアベアリング面30と平行な直線状に形成したので、スロートハイトおよびスロートハイトゼロ位置を正確に制御することができる。
【0163】
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第6の実施の形態と同様である。
【0164】
本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば上記各実施の形態では、基体側に読み取り用のMR素子を形成し、その上に、書き込み用の誘導型磁気変換素子を積層した構造の薄膜磁気ヘッドについて説明したが、この積層順序を逆にしてもよい。
【0165】
つまり、基体側に書き込み用の誘導型磁気変換素子を形成し、その上に、読み取り用のMR素子を形成してもよい。このような構造は、例えば、上記実施の形態に示した上部磁極層の機能を有する磁性膜を下部磁極層として基体側に形成し、記録ギャップ膜を介して、それに対向するように上記実施の形態に示した下部磁極層の機能を有する磁性膜を上部磁極層として形成することにより実現できる。この場合、誘導型磁気変換素子の上部磁極層とMR素子の下部シールド層を兼用させることが好ましい。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1ないし14のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項15ないし28のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分によってスロートハイトを規定し、薄膜コイルの少なくとも一部を第1の磁性層の第2の部分の側方に配置し、第2の磁性層によってトラック幅を規定するようにしたので、第2の磁性層を平坦な面の上に精度よく形成することが可能になり、その結果、第2の磁性層における磁束の飽和を防止しながら、トラック幅を正確に制御することが可能になる。また、本発明では、薄膜コイルの少なくとも一部の端部を、第1の磁性層の第2の部分の端部の近くに配置することが可能になり、これにより、磁路長の縮小が可能になる。また、本発明では、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくしたので、第1の磁性層における磁束の飽和を防止することが可能になる。以上のことから、本発明によれば、記録ヘッドのトラック幅を小さくした場合においても、トラック幅を正確に制御することと磁路の途中における磁束の飽和を防止することが可能になると共に、磁路長の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0167】
また、請求項2または3記載の薄膜磁気ヘッドもしくは請求項16または17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分の媒体対向面とは反対側の端部に対応する位置における第2の磁性層の幅を、媒体対向面における第2の磁性層の幅よりも大きくしたので、特に、第2の磁性層における磁束の飽和を防止することができるという効果を奏する。
【0168】
また、請求項3記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項17記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層は、媒体対向面側に配置された幅がトラック幅と等しい部分と、幅がトラック幅よりも大きい他の部分とを有し、他の部分の幅は、媒体対向面に近づくに従って小さくなるようにしたので、特に、第2の磁性層における磁路の断面積が急激に減少することがなく、磁路の途中における磁束の飽和を防止することができるという効果を奏する。
【0169】
また、請求項6記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、更に、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、その第2の磁性層側の面が第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された絶縁層を設けたので、特に、第2の磁性層を平坦な面の上に精度よく形成することができるという効果を奏する。
【0170】
また、請求項9または10記載の薄膜磁気ヘッドもしくは請求項23または24記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層が、磁極部分層とヨーク部分となるヨーク部分層とを有するようにし、ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を媒体対向面から離れた位置に配置したので、更に、記録すべき領域以外の領域へのデータの書き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消去を防止することができるという効果を奏する。
【0171】
また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項24記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離を、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上としたので、記録すべき領域以外の領域へのデータの書き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消去をより一層防止することができるという効果を奏する。
【0172】
また、請求項12記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項26記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、薄膜コイルが、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有するようにし、更に、薄膜コイルの第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が第1の磁性層の第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、薄膜コイルの第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が第2の磁性層の磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを設けたので、更に、第2の磁性層のヨーク部分層を精度よく形成することができるという効果を奏する。
【0173】
また、請求項13記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項27記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層の第2の部分のうちスロートハイトを規定する部分における媒体対向面とは反対側の端部を、媒体対向面と平行な直線状に形成したので、更に、スロートハイトを正確に規定することができるという効果を奏する。
【0174】
また、本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法では、第1の磁性層の第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分の幅方向両側に配置され、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、中央部分との境界部分を除き中央部分よりも大きい側方部分とを有する。
【0175】
本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方法によれば、側方部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さがスロートハイトよりも大きくなるので、スロートハイトが小さい場合においても、第1の磁性層の第1の部分と第2の部分との接続部分における磁束の飽和を防止することが可能になるという効果を奏する。
【0176】
また、請求項29ないし31のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項32ないし34のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第2の磁性層を磁極部分層とヨーク部分層とに分割したので、記録ヘッドのトラック幅を小さくした場合においてもトラック幅を正確に制御することが可能になるという効果を奏する。また、本発明によれば、磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を、媒体対向面から離れた位置に配置し、媒体対向面からヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離を、磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上としたので、記録すべき領域以外の領域へのデータの書き込みや記録すべき領域以外の領域におけるデータの消去を防止しながら、磁路の途中における磁束の飽和を防止することが可能になるという効果を奏する。
【0177】
また、請求項29ないし31のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項32ないし34のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層は、薄膜コイルの少なくとも一部に対向する位置に配置された第1の部分と、第1の部分における薄膜コイル側の面に接続され、磁極部分を形成すると共にスロートハイトを規定する第2の部分とを有し、薄膜コイルの少なくとも一部は、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置されるようにしたので、更に、薄膜コイルの少なくとも一部の端部を、第1の磁性層の第2の部分の端部の近くに配置することが可能になり、これにより、磁路長の縮小が可能になるという効果を奏する。
【0178】
また、請求項31記載の薄膜磁気ヘッドまたは請求項34記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、薄膜コイルが、第1の磁性層の第2の部分の側方に配置された第1層部分と、第2の磁性層の磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有するようにし、更に、薄膜コイルの第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が第1の磁性層の第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、薄膜コイルの第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が第2の磁性層の磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを設けたので、更に、第2の磁性層のヨーク部分層を精度よく形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図である。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図である。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図である。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部分についての平面図と断面図とを対応付けて示す説明図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの主要部を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図15】図14に続く工程を説明するための断面図である。
【図16】図15に続く工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図である。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図21】図19におけるヨーク部分層のエアベアリング面側の端部の位置とサイドイレーズ特性との関係を示す特性図である。
【図22】本発明の第7の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの平面図である。
【図23】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程を説明するための断面図である。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図である。
【図25】図24に続く工程を説明するための断面図である。
【図26】図25に続く工程を説明するための断面図である。
【図27】従来の磁気ヘッドの平面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、5…MR素子、8…下部磁極層、8a…下部磁極層の第1の部分、8b…下部磁極層の第2の部分、8c…下部磁極層の第3の部分、10…薄膜コイル、11…絶縁層、12…記録ギャップ層、13…上部磁極層、17……オーバーコート層。

Claims (34)

  1. 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
    互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドと、
    基板とを備え、
    前記再生ヘッドおよび記録ヘッドは前記基板に積層され、且つ第1および第2の磁性層のうち、第1の磁性層の方が前記基板に近い位置に配置された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記第1の磁性層は、前記薄膜コイルの少なくとも一部に対向すると共に、平坦な上面を有する第1の部分と、前記第1の部分における前記上面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを有し、
    前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分の幅方向両側に配置され、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分との境界部分を除き前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
    前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、
    前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置され、且つ前記第1の部分の前記上面の上に平坦な絶縁膜を介して配置され、
    前記第2の磁性層はトラック幅を規定する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記中央部分の媒体対向面とは反対側の端部に対応する位置における前記第2の磁性層の幅は、前記媒体対向面における前記第2の磁性層の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記第2の磁性層は、媒体対向面側に配置された幅がトラック幅と等しい部分と、幅がトラック幅よりも大きい他の部分とを有し、前記他の部分の幅は、媒体対向面に近づくに従って小さくなっていることを特徴とする請求項2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さの150〜600%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さの300〜500%であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 更に、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された前記薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された絶縁層を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第2の磁性層は、1つの層からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記第2の磁性層は、トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面は、媒体対向面から離れた位置に配置されていることを特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、媒体対向面から前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離は、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上であることを特徴とする請求項9記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記薄膜コイルは、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の前記磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有することを特徴とする請求項8ないし10のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 更に、前記薄膜コイルの前記第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第1の磁性層の前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、前記薄膜コイルの前記第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が前記第2の磁性層の前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを備えたことを特徴とする請求項11記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 前記中央部分における媒体対向面とは反対側の端部は、媒体対向面と平行な直線状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 前記第1の磁性層の前記第2の部分は、前記薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成されていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
    互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備え、
    前記第2の磁性層がトラック幅を規定する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記再生ヘッドを形成する工程と、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程と、
    少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを含み、
    前記第1の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部に対向すると共に、平坦な上面を有する第1の部分と、前記第1の部分における前記上面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを形成し、
    前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分の幅方向両側に配置され、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分との境界部分を除き前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
    前記第1の磁性層を形成する工程は、前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部を、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置し、且つ前記第1の部分の前記上面の上に平坦な絶縁膜を介して配置する
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記中央部分の媒体対向面とは反対側の端部に対応する位置における前記第2の磁性層の幅を、前記媒体対向面における前記第2の磁性層の幅よりも大きくすることを特徴とする請求項15記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 前記第2の磁性層を形成する工程は、媒体対向面側に配置された幅がトラック幅と等しい部分と、幅がトラック幅よりも大きい他の部分とを形成すると共に、前記他の部分の幅を、媒体対向面に近づくに従って小さくすることを特徴とする請求項16記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さの150〜600%とすることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記中央部分の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さの300〜500%とすることを特徴とする請求項15ないし17のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 更に、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された前記薄膜コイルの少なくとも一部を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された絶縁層を形成する工程を含むことを特徴とする請求項15ないし19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. 前記第2の磁性層は、1つの層からなることを特徴とする請求項15ないし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 前記第2の磁性層を形成する工程は、トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを形成することを特徴とする請求項15ないし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を、媒体対向面から離れた位置に配置することを特徴とする請求項22記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 前記第2の磁性層を形成する工程は、前記磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、媒体対向面から前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離を、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上とすることを特徴とする請求項23記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  25. 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の前記磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを形成することを特徴とする請求項22ないし24のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  26. 更に、前記薄膜コイルの前記第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第1の磁性層の前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層を形成する工程と、前記薄膜コイルの前記第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が前記第2の磁性層の前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項25記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  27. 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記中央部分における媒体対向面とは反対側の端部を、媒体対向面と平行な直線状に形成することを特徴とする請求項15ないし26のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 前記第1の磁性層を形成する工程は、前記第2の部分を、前記薄膜コイルの少なくとも一部の周囲を囲うように形成することを特徴とする請求項15ないし26のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  29. 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
    互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドと、
    基板とを備え、
    前記再生ヘッドおよび記録ヘッドは前記基板に積層され、且つ第1および第2の磁性層のうち、第1の磁性層の方が前記基板に近い位置に配置された薄膜磁気ヘッドであって、
    前記第1の磁性層は、前記薄膜コイルの少なくとも一部に対向すると共に、平坦な上面を有する第1の部分と、前記第1の部分における前記上面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを有し、
    前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分の幅方向両側に配置され、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分との境界部分を除き前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
    前記薄膜コイルの少なくとも一部は、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置され、且つ前記第1の部分の前記上面の上に平坦な絶縁膜を介して配置され、
    前記第2の磁性層は、トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを有し、
    前記磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さは、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きく、
    前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面は、媒体対向面から離れた位置に配置され、媒体対向面から前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離は、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上である
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  30. 前記薄膜コイルは、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の前記磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを有することを特徴とする請求項29記載の薄膜磁気ヘッド。
  31. 更に、前記薄膜コイルの前記第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第1の磁性層の前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層と、前記薄膜コイルの前記第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が前記第2の磁性層の前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層とを備えたことを特徴とする請求項30記載の薄膜磁気ヘッド。
  32. 磁気抵抗素子と、記録媒体に対向する媒体対向面側の一部が前記磁気抵抗素子を挟んで対向するように配置された、前記磁気抵抗素子をシールドするための第1および第2のシールド層とを有する再生ヘッドと、
    互いに磁気的に連結され、媒体対向面側において互いに対向する磁極部分を含み、それぞれ少なくとも1つの層からなる第1および第2の磁性層と、前記第1の磁性層の磁極部分と前記第2の磁性層の磁極部分との間に設けられたギャップ層と、少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、前記第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で設けられた薄膜コイルとを有する記録ヘッドとを備え、
    前記第2の磁性層がトラック幅を規定する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記再生ヘッドを形成する工程と、
    前記第1の磁性層を形成する工程と、
    前記第1の磁性層の上に前記ギャップ層を形成する工程と、
    前記ギャップ層の上に前記第2の磁性層を形成する工程と、
    少なくとも一部が前記第1および第2の磁性層の間に、この第1および第2の磁性層に対して絶縁された状態で配置されるように、前記薄膜コイルを形成する工程とを含み、
    前記第1の磁性層を形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部に対向すると共に、平坦な上面を有する第1の部分と、前記第1の部分における前記上面に接続され、磁極部分を形成する第2の部分とを形成し、
    前記第2の部分は、スロートハイトを規定する中央部分と、この中央部分の幅方向両側に配置され、媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さが、前記中央部分との境界 部分を除き前記中央部分よりも大きい側方部分とを有し、
    前記薄膜コイルを形成する工程は、前記薄膜コイルの少なくとも一部を、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置し、且つ前記第1の部分の前記上面の上に平坦な絶縁膜を介して配置し、
    前記第2の磁性層を形成する工程は、
    トラック幅を規定する磁極部分を含む磁極部分層と、前記磁極部分層に接続され、ヨーク部分となるヨーク部分層とを形成し、
    前記磁極部分層の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さを、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さよりも大きくし、
    前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面を、媒体対向面から離れた位置に配置し、媒体対向面から前記ヨーク部分層の媒体対向面側の端面までの距離を、前記磁気抵抗素子の媒体対向面側の端部から反対側の端部までの長さ以上とする
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  33. 前記薄膜コイルを形成する工程は、前記第1の磁性層の前記第2の部分の側方に配置された第1層部分と、前記第2の磁性層の前記磁極部分層の側方に配置された第2層部分とを形成することを特徴とする請求項32記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  34. 更に、前記薄膜コイルの前記第1層部分を覆い、その第2の磁性層側の面が前記第1の磁性層の前記第2の部分における第2の磁性層側の面と共に平坦化された第1の絶縁層を形成する工程と、前記薄膜コイルの前記第2層部分を覆い、そのヨーク部分層側の面が前記第2の磁性層の前記磁極部分層におけるヨーク部分層側の面と共に平坦化された第2の絶縁層を形成する工程とを含むことを特徴とする請求項33記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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