JPH11175916A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH11175916A
JPH11175916A JP34291797A JP34291797A JPH11175916A JP H11175916 A JPH11175916 A JP H11175916A JP 34291797 A JP34291797 A JP 34291797A JP 34291797 A JP34291797 A JP 34291797A JP H11175916 A JPH11175916 A JP H11175916A
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thin
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JP34291797A
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Yoshitaka Sasaki
芳高 佐々木
Atsushi Iijima
淳 飯島
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スロートハイト、アペックスアングルおよび
MRハイトを正確に形成でき、磁束の飽和を解消して実効
トラック幅の拡大や歩留りの低下を防止する。 【解決手段】 基体に凹部を形成し、その中に第1の磁
性層および薄膜コイルを形成し、表面を平坦化した後、
ギャップ層を形成するとともにポールチップを構成する
第2の磁性層を磁極部分を越えて内方に延在するように
形成する。ポールチップをマスクとして第1の磁性層を
エッチングしてトリム構造を形成する。さらにその上に
第3の磁性層を形成した後、絶縁層に埋設した磁気抵抗
素子および磁気シールド層並びにオーバーコート層を形
成して複合型薄膜磁気ヘッドを完成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法に関し、特に書込用の誘導型磁気変換
素子と読取用の磁気抵抗再生素子とを積層して構成され
る複合型薄膜磁気ヘッドのうち、書込用の薄膜磁気ヘッ
ドの性能向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドについてもその性能向上
が求められている。薄膜磁気ヘッドは、書き込みを目的
とする記録ヘッドと読み出しを目的とする再生ヘッドを
積層した構造になっているが、再生ヘッドの性能向上に
関しては、磁気抵抗素子が広く用いられている。このよ
うな磁気抵抗素子としては、通常の異方性磁気抵抗(AM
R:Anisotropic Magneto Resistive)効果を用いたもの
が従来一般に使用されてきたが、これよりも抵抗変化率
が数倍も大きな巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resi
stive)効果を用いたものも開発されている。本明細書で
は、これら AMR素子および GMR素子を総称して磁気抵抗
再生素子またはMR再生素子と称することにする。
【0003】AMR素子を使用することにより、数ギガビ
ット/インチ2 の面記録密度を実現することができ、ま
た GMR素子を使用することにより、さらに面記録密度を
上げることができる。このように面記録密度を高くする
ことによって、10Gバイト以上の大容量のハードディス
ク装置の実現が可能となってきている。このような磁気
抵抗再生素子よりなる再生ヘッドの性能を決定する要因
の一つとして、磁気抵抗再生素子の高さ(MR Height:MR
ハイト) がある。このMRハイトは、端面がエアベアリン
グ面に露出する磁気抵抗再生素子の、エアベアリング面
から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製造過程にお
いては、エアベアリング面を研磨して形成する際の研磨
量を制御することによって所望のMRハイトを得るように
している。
【0004】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。面記録密度を上
げるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる
必要がある。このためには、エアベアリング面における
ライトギャップ(write gap)の幅を数ミクロンからサブ
ミクロンオーダーまで狭くする必要があり、これを達成
するために半導体加工技術が利用されている。
【0005】書込用薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要
因の一つとして、スロートハイト(Throat Height : T
H) がある。このスロートハイトは、エアベアリング面
から薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまで
の磁極部分の距離であり、この距離をできるだけ短くす
ることが望まれている。このスロートハイトの縮小化も
また、エアベアリング面からの研磨量で決定される。し
たがって、薄膜磁気記録・再生複合ヘッドの性能を向上
させるためには、記録ヘッドおよび再生ヘッドをバラン
ス良く形成することが重要である。
【0006】図1〜9に、従来の標準的な薄膜磁気ヘッ
ドの製造要領を工程順に示し、各図においてAは薄膜磁
気ヘッド全体の断面図、Bは磁極部分の断面図である。
また図10〜12はそれぞれ、完成した従来の薄膜磁気ヘッ
ド全体の断面図、磁極部分の断面図および薄膜磁気ヘッ
ド全体の平面図である。なおこの例で、薄膜磁気ヘッド
は、誘導型の書込用薄膜磁気ヘッドおよび読取用のMR再
生素子を積層した複合型のものである。
【0007】まず、図1に示すように、例えばアルティ
ック(AlTiC) からなる基体1の上に例えばアルミナ(Al2
O3) からなる絶縁層2を約5〜10μm の厚みに堆積す
る。次いで、図2に示すように、再生ヘッドのMR再生素
子を外部磁界の影響から保護する磁気シールドを構成す
る下部シールド層3を3μm の厚みで形成する。その
後、図3に示すように、絶縁層4として、アルミナを 1
00〜150 nmの厚みでスパッタ堆積させたのち、MR再生素
子を構成する磁気抵抗効果を有する材料よりなる磁気抵
抗層5を数十nmの厚みに形成し、高精度のマスクアライ
メントで所望の形状とする。続いて、図4に示すよう
に、再度、絶縁層6を形成して、磁気抵抗層5を絶縁層
4,6内に埋設する。
【0008】次に、図5に示すように、パーマロイより
なる磁性層7を3μm の膜厚に形成する。この磁性層7
は、上述した下部シールド層3と共にMR再生素子を磁気
遮蔽する上部シールド層の機能を有するだけでなく、書
込用薄膜磁気ヘッドの下部磁性層としての機能をも有す
るものである。ここでは説明の便宜上、この磁性層7を
書込用磁気ヘッドを構成する一方の磁性層であることに
注目して第1の磁性層と称することにする。
【0009】ついで、第1の磁性層7の上に、非磁性材
料、例えばアルミナよりなるライトギャップ層8を約20
0 nmの膜厚に形成したのち、例えばパーマロイ(Ni:50
wt%、Fe:50wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁束
密度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度のマ
スクアライメントで所望の形状とする。所定の形状に成
形された第2の磁性層は、ポールチップと呼ばれ、この
幅Wでトラック幅が規定される。したがって、このポー
ルチップの幅Wを狭くすることが高い面記録密度を実現
するためには必要である。この際、下部ポール(第1の
磁性層)と上部ポール(第3の磁性層)を接続するため
のダミーパターン9′を同時に形成すると、機械的研磨
または化学機械的研磨(Chemical Mechanical Polishin
g :CMP)後のスルーホールの開口を容易にできる。
【0010】そして、実効書込トラック幅の広がりを防
止するため、すなわちデータの書込時に、下部ポールに
おいて磁束が広がるのを防止するために、ポールチップ
9の周囲のギャップ層8と下部ポール(第1の磁性層)
7をイオンミリング等のイオンビームエッチングにてエ
ッチングする。その状態を図5に示したが、この構造を
トリム(Trim)といい、この部分が第1の磁性層の磁極
部分となる。
【0011】次に、図6に示すように、絶縁層である例
えばアルミナ膜10をおよそ3μm の厚みに形成後、全体
を例えばCMPにて平坦化する。その後、電気絶縁性の
フォトレジスト層11を高精度のマスクアライメントで所
定のパターンに形成した後、このフォトレジスト層11の
上に、例えば銅よりなる第1層目の薄膜コイル12を形成
する。
【0012】続いて、図7に示すように、薄膜コイル12
上に再度、高精度のマスクアライメントにより、絶縁性
のフォトレジスト層13を形成後、表面を平坦にするた
め、例えば 250〜300 ℃の温度で焼成する。
【0013】さらに、図8に示すように、このフォトレ
ジスト層13の平坦化された表面の上に、第2層目の薄膜
コイル14を形成する。ついで、この第2層目の薄膜コイ
ル14の上に高精度マスクアライメントでフォトレジスト
層15を形成した後、再度表面を平坦化するために、例え
ば 250°Cで焼成する。上述したように、フォトレジス
ト層11, 13および15を高精度のマスクアライメントで形
成する理由は、フォトレジスト層の磁極部分側の端縁を
基準位置としてスロートハイトやMRハイトを規定してい
るためである。
【0014】次に、図9に示すように、第2の磁性層
(ポールチップ)9およびフォトレジスト層11, 13およ
び15の上に、例えばパーマロイよりなる第3の磁性層16
を3μm の厚みで所望のパターンに従って選択的に形成
する。この第3の磁性層16は、磁極部分から離れた後方
位置において、ダミーパターン9′を介して第1の磁性
層7と接触し、第1および第2,3の磁性層によって構
成される閉磁路を薄膜コイル12, 14が通り抜ける構造に
なっている。さらに、第3の磁性層16の露出表面の上に
アルミナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
【0015】最後に、磁気抵抗層5やギャップ層8を形
成した側面を研磨して、磁気記録媒体と対向するエアベ
アリング面(Air Bearing Surface:ABS)18を形成する。
このエアベアリング面18の形成過程において磁気抵抗層
5も研磨され、MR再生素子19が得られる。このようにし
て上述したスロートハイトTHおよびMRハイトが決定され
る。その様子を図10に示す。実際の薄膜磁気ヘッドにお
いては、薄膜コイル12, 14およびMR再生素子19に対する
電気的接続を行なうためのパッドが形成されているが、
図示では省略してある。
【0016】図10に示したように、薄膜コイル12, 14を
絶縁分離するフォトレジスト層11,13, 15の側面の角部
を結ぶ線分Sと第3の磁性層16の上面とのなす角度θ
(ApexAngle :アペックスアングル) も、上述したスロ
ートハイトTHおよびMRハイトと共に、薄膜磁気ヘッドの
性能を決定する重要なファクタとなっている。
【0017】また、図12に平面で示すように、第2の磁
性層9および第3の磁性層16の磁極部分20の幅Wは狭く
なっており、この幅によって磁気記録媒体に記録される
トラックの幅が規定されるので、高い面記録密度を実現
するためには、この幅Wをできるだけ狭くする必要があ
る。なお、この図では、図面を簡単にするため、薄膜コ
イル12, 14は同心円状に示してある。
【0018】さて、従来、薄膜磁気ヘッドの形成におい
て、とくに問題となっていたのは、コイル形成後、フォ
トレジスト絶縁層でカバーされたコイル凸部、特にその
傾斜部(Apex)に沿って形成される上部ポール(ヨーク
ポール)の微細形成の難しさである。すなわち、従来
は、上部ポールを形成する際、約7〜10μm の高さのコ
イル凸部の上にパーマロイ等の上部ポール用材料をめっ
きしたのち、フォトレジストを3〜4μm の厚みで塗布
し、その後フォトリソグラフィー技術を利用して所定の
パターン形成を行っていた。
【0019】ここに、山状コイル凸部の上のレジストで
パターニングされるレジスト膜厚として、最低3μm が
必要であるとすると、傾斜部の下方では8〜10μm 程度
の厚みのフォトレジストが塗布されることになる。一
方、このような10μm 程度の高低差があるコイル凸部の
表面および平坦上に形成されたライトギャップ層の上に
形成される上部ポールは、フォトレジスト絶縁層(例え
ば図7の11, 13) のエッジ近傍に記録ヘッドの狭トラッ
クを形成する必要があるため、上部ポールをおよそ1μ
m 幅にパターニングする必要がある。したがって、8〜
10μm の厚みのフォトレジスト膜を使用して1μm 幅の
パターンを形成する必要が生じる。
【0020】しかしながら、8〜10μm のように厚いフ
ォトレジスト膜で、1μm 幅程度の幅の狭いパターンを
形成しようとしても、フォトリソグラフィの露光時に光
の反射光によるパターンくずれ等が発生したり、レジス
ト膜厚が厚いことに起因して解像度の低下が起こるた
め、幅の狭いトラックを形成するための幅の狭いトップ
ポールを正確にパターニング形成することはきわめて難
しいものである。
【0021】そこで、前掲した従来例にも示したとお
り、記録ヘッドの狭トラック幅形成が可能なポールチッ
プでデーターの書き込みを行うものとして、かかるポー
ルチップを形成後、このポールチップに上部ポールを接
続する方式とすることにより、換言すると、トラック幅
を決めるポールチップと磁束を誘導する上部ポールとに
2分割した構造とすることにより、上記の問題が有利に
改善されたのである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして形成された薄膜磁気ヘッド、特に記録ヘッド
には、依然として、以下に述べるような問題が残されて
いた。 (1) ポールチップと上部ポールとの接触面積が小さく、
しかも接触部が垂直に接していることもあって、この部
分で磁束が飽和し易く、そのため、十分に満足いくほど
の書き込み特性が得られない。 (2) スロートハイトTHやMRハイトは、薄膜コイルを絶縁
分離する絶縁層の磁極部分側の端縁を基準として決定さ
れるが、この絶縁層は通常、フォトレジスト有機絶縁層
で形成されることから、熱により変形し易い。このた
め、薄膜コイルの形成時に付加される 250℃程度の熱処
理によって溶融し、絶縁層のパターン寸法が変動して、
スロートハイトTHやMRハイトの寸法が所望の設計値から
ずれる恐れがある。 (3) ポールチップと上部ポールとの位置関係が、フォト
リソグラフィー時のアライメントで決定されるため、エ
アベアリング面から見て片側に大きく位置ずれする場合
があるが、この場合には上部ポールでもデーターの書き
込みを行うケースが生じ、実効トラック幅が広くなるた
め、ハードディスク板で本来データー記録すべきところ
以外のところにも書き込んでしまうという不具合が発生
する。
【0023】本発明の目的は、上記の問題を有利に解決
するもので、エアベアリング面に対する位置の基準とな
る絶縁層のパターン寸法が、薄膜コイル形成時の熱処理
によってもパターン変形せず、したがって所望の設計値
どおりのスロートハイトTHおよびMRハイトを安定して得
ることができるとともにポールチップと上部ポールの接
触面積を効果的に拡大して、従来懸念された磁極部分で
の磁束の飽和を完全に解消した薄膜磁気ヘッドを、その
有利な製造方法と共に提案することである。さらに、本
発明の他の目的は、実効トラック幅の拡大や歩留りの低
下等も併せて解消した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方
法を提案することである。
【0024】
【課題を解説するための手段】本発明は、磁極部分を有
する第1の磁性層と、磁気記録媒体と対向し、記録トラ
ックの幅を規定する幅を有する磁極部分を有し、この磁
極部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と共
にエアベアリング面を構成する第2の磁性層と、この第
2の磁性層に、前記第1の磁性層側とは反対側で接触
し、エアベアリング面から離れた後方位置において第1
の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、少なく
とも前記エアベアリング面において第1の磁性層の磁極
部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿された非磁
性材料よりなるギャップ層と、前記エアベアリング面に
おいて磁気記録媒体に対する書込用の磁束を発生させる
ように第1の磁性層と第2および第3の磁性層との間に
絶縁層を介して配設された部分を有する薄膜コイルと、
前記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
層および薄膜コイルを支持する基体とを具える薄膜磁気
ヘッドであって、前記第2の磁性層を磁極部分よりも後
方の領域まで延在させるとともにこの延在させた部分も
前記第3の磁性層と接触させ、前記第1の磁性層の少な
くとも磁極部分を除いた一部分および前記絶縁層によっ
て絶縁分離された薄膜コイルを前記基板に形成した凹部
に埋設したことを特徴とするものである。
【0025】本発明による薄膜磁気ヘッドの好適実施例
においては、ポールチップを構成する前記第2の磁性層
の幅を、磁極部分よりも後方の領域で次第に広がるよう
に構成する。この第2の磁性層の広がり角度は 120°以
内とするのが好適である。
【0026】さらに、本発明による薄膜磁気ヘッドの好
適実施例においては、前記第2の磁性層を高飽和磁束密
度材料、例えばパーマロイで形成する。また、前記第1
の磁性層の磁極部分の、前記ギャップ層を介して第2の
磁性層の磁極部分と対向する部分を第2の磁性層側に凸
状とし、その幅を前記第2の磁性層の磁極部分の幅にほ
ぼ等しくするのが好適である。この第1磁性層の凸状構
造は、前記第2の磁性層の磁極部分をマスクとするエッ
チングにより形成するのが好適である。
【0027】本発明による薄膜磁気ヘッドの他の好適な
実施例においては、第3の磁性層の、前記第2の磁性層
と接触する表面とは反対側の表面に、電気的並びに磁気
的に遮蔽された読取用の磁気抵抗再生素子を、その端面
が上記エアベアリング面に露出するように配設して複合
型薄膜磁気ヘッドとして構成する。
【0028】本発明はさらに、薄膜磁気ヘッドを製造す
る方法であって、基体の表面に凹部を形成する工程と、
この凹部の表面を含めた基体表面に第1の絶縁層を形成
する工程と、少なくとも一部に前記第1の絶縁層を有す
る基体の表面に磁極部分を有する第1の磁性層を形成す
る工程と、前記凹部内に第2の絶縁層によって絶縁分離
された薄膜コイルを形成する工程と、前記第1の磁性層
および第2の絶縁層の表面を同一面とした後、少なくと
も前記第1の磁性層の磁極部分の上および前記第2の絶
縁層の上に非磁性材料より成るギャップ層を形成する工
程と、前記ギャップ層の上に、前記第1の磁性層の磁極
部分およびそれよりも後方の領域に亘って延在する第2
の磁性層を形成する工程と、この第2の磁性層と接触す
るとともに前記第1の磁性層と、前記エアベアリング面
から離れた後方位置において接触する第3の磁性層を形
成する工程と、前記基体、第1および第2の磁性層の磁
極部分およびこれらによって挟まれたギャップ層を、前
記基体に形成された凹部の端縁を位置の基準として研磨
して磁気記録媒体と対向するエアベアリング面を形成す
る工程とを含むことを特徴とするものである。
【0029】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の
好適な実施例においては、前記第2の磁性層を形成する
に際し、磁極部分よりも後方領域の磁性層の幅を次第に
拡大させる。
【0030】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の
他の好適な実施例においては、前記第2の磁性層を形成
した後、この第2の磁性層の磁極部分をマスクとして前
記第1の磁性層の磁極部分をエッチングする。このエッ
チングは第1の磁性層の膜厚の一部分を除去するように
行っても良いし、第1の磁性層の膜厚全体に亘って行っ
ても良い。
【0031】さらに、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法の好適な実施例において、前記第3の磁性層の上
に、電気的に絶縁されるとともに磁気的に遮蔽された読
取用の磁気抵抗再生素子を形成して複合型薄膜磁気ヘッ
ドを構成する。
【0032】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法の
さらに他の実施例においては、前記第1の磁性層を形成
する前に、基体上に磁気遮蔽を行う第1のシールド層を
形成し、その上に絶縁層中に埋設させて磁気抵抗材料膜
を形成する。その後、第2のシールド層を兼ねた前記第
1の磁性層を形成し、前記エアベアリング面を形成する
ための研磨工程において、前記第1のシールド層を研磨
すると共に上記磁気抵抗材料膜をも研磨して端面がエア
ベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子を形成する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき具体
的に説明する。図13〜27は本発明による薄膜磁気ヘッド
の製造方法の一実施例の順次の製造工程を示し、また図
28, 29には、製造途中の薄膜磁気ヘッドを示す平面図で
ある。なお、図13〜27の各工程図において、Aは薄膜磁
気ヘッド断面図、Bはエアベアリング面側から見た正面
図である。また、この薄膜磁気ヘッドは、誘導型の書込
用薄膜磁気ヘッドおよび読取用のMR再生素子を積層した
複合型である。
【0034】まず、図13に示すように、アルティック(A
lTiC) より成る基体21上に例えばアルミナ(Al2O3) から
なる絶縁層22を約0.3 〜0.5 μm の厚みにスパッタリン
グにて堆積する。この絶縁層22はアルミナの代わりにシ
リコン酸化膜とすることもでき、また堆積方法としては
スパッタリングの代わりにCVD 法でも良い。次いで、図
14に示すように、アルミナ絶縁層22の上にフォトレジス
ト膜23を選択的に形成しさらに図15に示すように、後に
基体21に対してエッチング処理を施して凹部を形成する
際に凹部のエッチングプロファイルを決定するマスクと
しての作用を有する金属膜24、本例ではパーマロイ膜を
鍍金法により約5μm の厚みで選択的に形成する。この
金属膜24としては、パーマロイの他に銅、ニッケル、ニ
ッケルボロンなどの金属化合物を使用することができ
る。この金属膜24は、基体に凹部を形成する際のマスク
として作用するものであるから、パーマロイは任意の組
成のもので良い。
【0035】次に、図16に示すように、金属膜24をマス
クとしてエッチング処理を施し、基体21の表面に所定の
プロファイルを有する凹部25を形成する。このエッチン
グ処理として、本例ではドライエッチングの一つである
リアクティブイオンエッチングを使用するが、イオンミ
リングなどのイオンビームエッチング、湿式エッチング
などを採用することもできる。本発明では、この凹部25
のプロファイルによって薄膜磁気ヘッドのTHハイト、MR
ハイト、アペックスアングルなどの特性が決まるので、
深さや側面の形状を 0.1μm オーダで正確に制御するこ
とができること、凹部の形成速度が速いことなどの観点
からドライエッチングを使用するのが好適である。この
ドライエッチングにおいて使用するガスとしては、CF4,
SF6, BCl3, Cl2 などの塩素系ガスおよびこれらのガス
をO2やN2, Ar, Heなどの不活性ガスで希釈したガスを使
用することができる。本発明においては、上述した凹部
25の側面の角度によって薄膜磁気ヘッドのアペックスア
ングルθが決まるので、側面の角度はアペックスルアン
グルに合わせて45〜70°、好ましくは55〜65°に形成す
るのが好適である。
【0036】上述したようにドライエッチングによって
基体21に凹部25を形成すると、凹部表面には0.1 〜0.5
μm 程度の鋭い凹凸が形成される。この凹凸は、凹部25
内に形成する薄膜磁気ヘッドの第1の磁性層や薄膜コイ
ルの絶縁不良の原因となるので、アルゴンスパッタを施
して凹凸を除去し、さらに金属膜24を除去した様子を図
17に示す。本発明によれば、このようなスパッタリング
は必ずしも必要ではない。次に、基板21と薄膜磁気ヘッ
ド素子とを絶縁分離するための素子分離用のアルミナ絶
縁膜26を0.3 〜5.0 μm の膜厚にスパッタリング法によ
って形成した様子を図18に示す。なお、本実施例では、
バッファ層として作用するアルミナ絶縁層22は残した
が、この層は必ずしも残す必要はなく、鍍金材と一緒に
除去しても良い。また、アルミナ絶縁層22を積極的に厚
く残しておいて、凹部25を画成する部材の一部分として
使用しても良い。
【0037】上述したようにして基体21の表面に凹部25
を形成し、この凹部の側面によってアペックスアングル
が決まるので、後に薄膜コイルを形成する際の250 ℃程
度の熱処理によってもアペックスアングルは変化しな
い。凹部25の側面の角度は、通常使用するエッチング条
件とマスク材やバッファ材等を適宜選択することによっ
て任意に形成することができるが、本発明においては、
この角度は45°〜75°、特に55°〜65°とするのが好適
である。本例においては、この凹部25の側面の傾斜角度
は60°とする。また、上述した素子分離用のアルミナ絶
縁層26の上に、例えばフォトレジスト膜やSOG(Spin On
Glass)膜を形成することによって、上述したドライエッ
チングの際に発生する鋭い凹凸を埋没させ、平滑な表面
を有する凹部25を得ることもできる。
【0038】次に、薄膜磁気ヘッドの一方のポールを構
成する第1の磁性層27を3〜4μmの膜厚に形成した状
態を図19に示す。本例では、この第1の磁性層27をパー
マロイ(Ni:80wt%、Fe:20wt%)とするが、高い保磁
力を有する窒化鉄やFe-Co-Zrなどのアモルファス磁性材
料を用いることもできる。また、本例では、フォトレジ
スト技術を使用したパターン膜を用いる鍍金法で所定の
形状に形成したが、スパッタ法でパーマロイ膜を形成し
た後、フォトレジストパターンとアルミナ膜をマスクと
して、例えばイオンミリングなどのドライエッチングに
よって形成することもできる。
【0039】さらに、図20に示すように、凹部25の内部
に絶縁層28によって絶縁分離された銅より成る薄膜コイ
ル29を形成する。本例では、この絶縁層28はフォトレジ
ストで形成されているが、例えば半導体装置を製造する
際の平坦化技術で一般に使用されているSOG 膜やプラズ
マCVD 法で形成されるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜
としても良い。いずれにしても絶縁層28の表面を平坦化
するために250 ℃程度の熱処理が加わることになるが、
上述したように本発明においてはこのような熱処理を行
っても凹部25の形状が変化することはない。続いて、第
1磁性層27の露出表面および絶縁層28の表面にアルミナ
絶縁膜30を、4 〜5 μm の膜厚に堆積した様子を図21に
示す。このアルミナ絶縁膜30の代わりにシリコン酸化膜
やシリコン窒化膜を用いることもできる。次に、このア
ルミナ絶縁膜30を化学機械的研磨処理(CMP) によって平
坦化した様子を図22に示す。この研磨処理は、第1の磁
性層27の表面が露出するまで行なう。
【0040】次に、図23に示すように、書き込みトラッ
ク幅Wを決定する第2の磁性層32(ポールチップとも称
する)を約1〜4μm の厚さで所定のパターンにしたが
って選択的に形成する。この第2の磁性層32はパーマロ
イ(Ni:50wt%、Fe:50wt%)で形成する。その後、ポ
ールチップ32をマスクとするリアクティブイオンエッチ
ングまたはイオンビームエッチングによってポールチッ
プの周辺のギャップ層31を選択的に除去した後、露出し
た第1の磁性層27を、例えばイオンミリングで100 〜20
0nm の深さまでエッチングして、第1の磁性層にトリム
状の磁極部分を形成した様子を図24に示す。なお、本発
明において、磁極部分とは、凹部25の端縁から積層体の
端面までの、第1の磁性層27とギャップ31と第2の磁性
層(ポールチップ)32とが接合している領域をいう。し
たがって、製品段階において、この端面を研磨してエア
ベアリング面を形成した場合には、磁極部分は、凹部25
の端縁からエアベアリング面までの領域となり、これは
スロートハイトTHに一致する。
【0041】本発明では、第2の磁性層32を、磁極部分
のみならず、それよりも後方の領域にわたって広範囲に
形成することが重要である。その理由は、従来、ポール
チップ上に上部ポールを接触させて形成する際、ポール
チップと上部ポールの接触面積が小さく、しかも接触部
が垂直に接していることから、この部分で磁束が飽和し
易く、そのため、十分に満足すべき書き込み特性が得ら
れなかったのであるが、本発明では、ポールチップと上
部ポールとの接触領域を、磁極部分だけでなく、それよ
りも後方の領域まで延在させることによって、このよう
な磁束の飽和の恐れを効果的に解消することができ、そ
の結果、十分に満足すべき書き込み特性を得ることがで
きるようになるからである。なお、接触面積が十分に確
保されている場合には、ポールチップと上部ポールの接
触領域は、磁極部分よりも後方の領域のみとしても良
い。
【0042】ここに、磁極部分よりも後方の領域におけ
るポールチップ32の形状については、特に制限はなく、
図28に示したように、後方に真っ直ぐ延びるような形状
であっても、また図29に示すように、後方に行くに従っ
て次第に広がっていくような形状であっても良く、要
は、磁極部分よりも後方の領域においてポールチップと
第3の磁性層とが接触していれば良いのである。また、
図29では、磁極部分よりも後方の領域におけるポールチ
ップの幅広がり角度をほぼ90°とした場合について示し
たが、この幅広がり角度はこれだけに限るものではな
く、120 °以内であれば何ら問題はない。特に好ましい
角度範囲は45〜120 °である。なお、図28および29にお
いて、後に形成される第3の磁性層34を仮想線で示し
た。
【0043】上述のようにして、第2の磁性層32を形成
した後、アルミナ絶縁層33を3〜4μm の膜厚に形成し
た後、CMP によって研磨して第2の磁性層32を露出さ
せ、らにその上に第1の磁性層27と同じパーマロイより
成る第3の磁性層34を3〜4μm の膜厚に形成した状態
を図25に示す。上述した図28および29に示すように、こ
の第3の磁性層34の平面形状は磁極部分を有するほぼ正
五角形の形状を有している。このように、第3の磁性層
34の形状を後方に行くにしたがって幅が広がる形状とし
て、第2の磁性層32を覆うようにすると、ポールチップ
と第3の磁性層との位置合わせに若干の誤差が生じたと
しても、全体として接触面積の変動は少ないので、磁束
の飽和が生じることはない。なお、この第3の磁性層34
は、磁極部分から離れた後方位置において、第2の磁性
層32を介して第1の磁性層27と接触し、第1および第
2,3の磁性層によって構成される閉磁路を薄膜コイル
29が通り抜ける構造になっている。
【0044】ついで、図26に示すように、第3の磁性層
34の上に非磁性かつ電気絶縁性のシールドギャップ層35
に埋設するように、後にMR素子を構成するMR層36を形成
し、続いてMR素子に対する磁気シールド層37を3 〜4 μ
m の厚さに形成し、さらにその上にMR再生素子を保護す
るためのアルミナより成るオーバーコート層38を形成す
る。最後に、ギャップ層31やMR層36を形成した側面を研
磨して、磁気記録媒体と対向するエアベアリング面39を
形成するとともに所望のMRハイトを有するMR素子40を形
成した様子を図27に示す。本発明においては、基体21に
形成した凹部25の端縁をエアベアリング面39に対する基
準位置としているが、この凹部の端縁の位置はプロセス
中に変動しないので、所望の設計値通りに正確にスロー
トハイトTHやMRハイト、さらにはアペックスアングルθ
を決定することができる。
【0045】本発明において、第2の磁性層32、すなわ
ちポールチップ用の材料としては、前述したパーマロイ
(Ni:50wt%、Fe:50wt%)の他に窒化鉄(FeN)や、Fe
−Cr−Zr系アモルファス合金やFe−C系アモルファス合
金などの飽和磁束密度が高い材料を有利に使用すること
ができる。また、これらの材料は、2種類以上重ねて使
用しても何ら差し支えない。また、第1および第3の磁
性層27および34の材料としては、前述したパーマロイ
(Ni:80wt%、Fe:20wt%)の他、従来公知の各種高飽
和磁束密度材料を好適に使用することができる。さら
に、ギャップ層31の材料としては、Al2O3, SiO2 等の酸
化物や AlN, BN,SiN 等の窒化物、さらには Au, Cu, Ni
P等の導電性非磁性材料などを使用することができる。
【0046】図30は本発明による薄膜磁気ヘッドの他の
実施例の構成を示すものである。上述した実施例におい
ては、図24に示すように、磁極部分のポールチップ32を
マスクとしてギャップ層31および第1の磁性層27をエッ
チングしてトリム構造を形成する際、第1の磁性層の膜
厚の一部分に亘ってエッチングを行ったが、本例ではポ
ールチップ32をマスクとして第1の磁性層27をその膜厚
全体に亘ってエッチングするものである。上述した実施
例のように第1の磁性層27の膜厚の一部分に亘ってエッ
チングを行なう場合には、第1の磁性層のポールチップ
32と重ならないエッジ部分において磁束が洩れて書込が
行われることによってトラック幅が広がる恐れがある
が、本例のように、第1の磁性層27の膜厚全体に亘って
エッチングを施すことにより、第1の磁性層のポールチ
ップ32と重ならないエッジ部分はなくなるので、実効ト
ラック幅の広がりを防止することができる。
【0047】図31および32は素子分離用絶縁膜26の膜厚
をt1とした実施例を示し、図33および34は素子分離用絶
縁膜26の膜厚t2を図31および32の実施例の膜厚t1よりも
厚くした実施例を示すものである。このように素子分離
用絶縁膜26を相違させた場合には、基体21に形成した凹
部25の端縁からMR再生素子40のエアベアリング面39に露
出する端面とは反対側の端面までの距離d1は両実施例と
も同一であるが、凹部の端縁から第1の磁性層27の磁極
部分の後端までの距離は図31および32の実施例ではd2
なり、図33および34の実施例ではこれよりも長いd3とな
る。すなわち、素子分離用絶縁膜26の膜厚を変えること
により凹部25の端縁からMR再生素子40の後端までの距離
d1を一定としたままで凹部の端縁から第1の磁性層27の
後端までの距離d2, d3を制御することができる。したが
って、素子分離用の絶縁膜26の膜厚を制御することによ
ってスロートハイトTHとMRハイトとのバランスを調整す
ることができので、複合型薄膜磁気ヘッドの製造の歩留
りを改善することができる。
【0048】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、幾多の変更や変形が可能である。例え
ば、上述した実施例においては、MR再生素子としてAMR
素子を使用したが、スピンバルブ膜、超格子GMR 膜、グ
ラニュラGMR 膜などを使用するGMR 素子とすることもで
きる。これらのGMR 素子は、例えば250 ℃程度の高温ア
ニールで薄膜記録ヘッドの薄膜コイルを形成する際に、
再生出力特性が大幅に低下してしまうという欠点があ
る。例えば、磁性層にNi-Fe を使用し、非磁性層にCuを
使用するスピンバルブ膜では、250 ℃以上に加熱すると
NiとCuとが混合してスピンバルブ膜の多層構造が崩れて
しまう欠点がある。しかし、本発明によれば、基体の凹
部内に薄膜コイルを形成する工程は、GMR 膜を形成する
時点では既に終了しているので、GMR 膜に何ら悪影響を
及ぼすことはない。
【0049】また、上述した実施例においては、第2の
磁性層によって構成されるポールチップ32をマスクとし
てエッチングを施して第1の磁性層27にトリム構造を形
成したが、このようなトリム構造は必ずしも必要ではな
い。さらに、上述した実施例では薄膜記録ヘッドとMR再
生素子とを積層した複合型の薄膜磁気ヘッドとしたが、
MR再生素子を必ず設ける必要はない。
【0050】
【発明の効果】上述したように本発明による薄膜磁気ヘ
ッドによれば、基体に形成した凹部内に第1の磁性層を
設けるとともに薄膜コイルを配置し、ギャップ層を介し
てポールチップを構成する第2の磁性層を設け、さらに
この第2の磁性層と接合するように第3の磁性層を設け
たため、スロートハイトTHやアペックスアングルθを所
望の設計値通りに正確に形成することができ、薄膜磁気
ヘッドの特性を改善できる。さらに、磁気抵抗素子より
成る再生ヘッドを積層した複合型薄膜磁気ヘッドにおい
ては、MRハイトも正確に所望の値とすることができると
ともに記録ヘッドと再生ヘッドとのバランスを良好とす
ることができる。また、このような複合型薄膜磁気ヘッ
ドにおいては、磁気抵抗素子を形成する以前に薄膜コイ
ルの形成は終了しているので、薄膜コイルを製造する際
の熱処理によって磁気抵抗素子が悪影響を受けることは
なく、特に熱処理に弱いが感度の高いGMR 素子を利用す
ることができるようになった。
【0051】また、本発明において、第2の磁性層によ
って構成されるポールチップをマスクとして第1の磁性
層をエッチングしてトリム構造を形成する場合には、書
込時に磁束が広がって実効トラック幅が広がることがな
くなり、サブミクロンオーダーのトラック幅を実現する
ことができ、面記録密度を著しく向上することができ
る。また、このトリム構造はポールチップをマスクして
行なうので、セルファアラインメントで正確に形成する
ことができる。さらに、第2の磁性層を磁極部分を越え
て内方まで延在させているので、第2の磁性層と第3の
磁性層との接合面積を十分大きくとることができ、書込
磁束が磁極部分に至るまでに飽和してしまうことはな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の標準的な薄膜磁気ヘッドの製造
方法における最初の工程を示す断面図である。
【図2】図2は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図3】図3は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図4】図4は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図5】図5は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図6】図6は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図7】図7は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図8】図8は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図9】図9は、同じく、その次の工程を示す断面図で
ある。
【図10】図10は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
断面図である。
【図11】図11は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
磁極部分の断面図である。
【図12】図12は、完成した従来の薄膜磁気ヘッドの
平面図である。
【図13】図13Aおよび13Bは、本発明による薄膜
磁気ヘッドの製造方法の一実施例の最初の工程を示す断
面図および正面図である。
【図14】図14Aおよび14Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図15】図15Aおよび15Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図16】図16Aおよび16Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図17】図17Aおよび17Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図18】図18Aおよび18Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図19】図19Aおよび19Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図20】図20Aおよび20Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図21】図21Aおよび21Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図22】図22Aおよび22Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図23】図23Aおよび23Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図24】図24Aおよび24Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図25】図25Aおよび25Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図26】図26Aおよび26Bは、同じく、その次の
工程を示す断面図および正面図である。
【図27】図27は、完成した薄膜磁気ヘッドを示す断
面図および正面図である。
【図28】図28は、上述した実施例における第2の磁
性層の形状を示す平面図である。
【図29】図29は、本発明による薄膜磁気ヘッドの他
の実施例における第2磁性層の形状を示す平面図であ
る。
【図30】図30は、本発明による薄膜磁気ヘッドの他
の実施例における第1磁性層のトリム構造を示す断面図
である。
【図31】図31は、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法において、膜厚がt1の素子分離用絶縁膜を形成し
た状態を示す断面図である。
【図32】図32は、同じくそれによって完成した薄膜
磁気ヘッドを示す断面図である。
【図33】図33は、本発明による薄膜磁気ヘッドの製
造方法において、膜厚がt2の素子分離用絶縁膜を形成し
た状態を示す断面図である。
【図34】図34は、同じくその後に完成した薄膜磁気
ヘッドを示す断面図である。
【符号の説明】
21 基体、 22 アルミナ絶縁層、 23 フォトレジス
ト層、 24 金属層、25 凹部、 26 素子分離用絶縁
層、 27 第1磁性層、 28 絶縁層、 29薄膜コイ
ル、 30 絶縁層、 31 ギャップ層、 32 第2磁性
層(ポールチップ)、 33 絶縁層、 34 第3磁性
層、 35 シールドギャップ層、 36 磁気抵抗層、
37 磁気シールド層、 38 オーバーコート層、 39
エアベアリング面、 40 MR再生素子

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有するポールチップを構成する磁極部分を有し、この
    磁極部分の端面が前記第1の磁性層の磁極部分の端面と
    共にエアベアリング面を構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、前記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも前記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 前記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように第1の磁性層と第2およ
    び第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分
    を有する薄膜コイルと、 前記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とを具える薄膜磁気
    ヘッドであって、 前記第2の磁性層を磁極部分よりも後方の領域まで延在
    させるとともにこの延在させた部分も前記第3の磁性層
    と接触させ、 前記第1の磁性層の少なくとも磁極部分を除いた一部分
    および前記絶縁層によって絶縁分離された薄膜コイルを
    前記基板に形成した凹部に埋設したことを特徴とする薄
    膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記薄膜コイルを絶縁分離する絶縁層お
    よび第2の磁性層と、第3の磁性層との界面を平坦とし
    たことを特徴とする請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記基体に形成した凹部の側面の傾斜角
    度を45°〜75°の角度としたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記基体に形成した凹部の側面の傾斜角
    度を55°〜65°の角度としたことを特徴とする請求項3
    に記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記第2の磁性層が、高飽和磁束密度材
    料からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第1の磁性層の磁極部分の、前記ギ
    ャップ層を介して第2の磁性層の磁極部分と対向する部
    分に第1の磁性層の膜厚の一部または全部を高さとする
    トリム構造とし、その幅を前記第2の磁性層の磁極部分
    の幅にほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1〜5の
    何れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第1の磁性層のトリム構造を、前記
    第2の磁性層の磁極部分をマスクとするエッチングによ
    り形成されたトリム構造としたことを特徴とする請求項
    6に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第3の磁性層の、前記第2の磁性層
    との接触面とは反対側の面に、電気的並びに磁気的に遮
    蔽された読取用の磁気抵抗再生素子を、その端面が上記
    エアベアリング面に露出するように配設して複合型薄膜
    磁気ヘッドとして構成したことを特徴とする請求項1〜
    7の何れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記第2の磁性層の幅が、磁極部分より
    も後方の領域で次第に広がっていることを特徴とする請
    求項1〜8の何れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記磁極部分よりも後方の領域におけ
    る第2の磁性層の幅広がり角度が 120°以内であること
    を特徴とする請求項9に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 基体の表面に凹部を形成する工程と、 この凹部の表面を含めた基体表面に第1の絶縁層を形成
    する工程と、 少なくとも一部に前記第1の絶縁層を有する基体の表面
    に第1の磁性層を形成する工程と、 前記凹部内に第2の絶縁層によって絶縁分離された薄膜
    コイルを形成する工程と、 前記第1の磁性層および第2の絶縁層の表面を同一面と
    した後、少なくとも前記第1の磁性層の磁極部分の上お
    よび前記第2の絶縁層の上に非磁性材料より成るギャッ
    プ層を形成する工程と、 前記ギャップ層の上に、前記第1の磁性層の磁極部分お
    よびそれよりも後方の領域に亘って延在する第2の磁性
    層を形成する工程と、 この第2の磁性層と接触するとともに前記第1の磁性層
    と、前記エアベアリング面から離れた後方位置において
    接触する第3の磁性層を形成する工程と、 前記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を、前記基体に形成さ
    れた凹部の端縁を位置の基準として研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の磁性層を形成するに際し、
    磁極部分よりも後方領域の磁性層の幅を次第に拡大させ
    ることを特徴とする請求項11に記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記第2の磁性層を形成した後、この
    第2の磁性層の磁極部分をマスクとして前記第1の磁性
    層の磁極部分をエッチングすることを特徴とする請求項
    11または12に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第2の磁性層の磁極部分をマスク
    とする第1の磁性層の磁極部分のエッチングを、第1の
    磁性層の膜厚の一部分を除去するように行なうことを特
    徴とする請求項13に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  15. 【請求項15】 前記第2の磁性層の磁極部分をマスク
    とする第1の磁性層の磁極部分のエッチングを、第1の
    磁性層の膜厚の全部を除去するように行なうことを特徴
    とする請求項13に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第3の磁性層の上に、電気的に絶
    縁されるとともに磁気的に遮蔽された読取用の磁気抵抗
    再生素子を形成して複合型薄膜磁気ヘッドを構成するこ
    とを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記基体上に磁気遮蔽を行う第1のシ
    ールド層を形成し、その上に絶縁層中に埋設させて磁気
    抵抗材料膜を形成した後、第2のシールド層を兼ねた前
    記第1の磁性層を形成し、前記エアベアリング面を形成
    するための研磨工程において、前記第1のシールド層を
    研磨すると共に上記磁気抵抗材料膜をも研磨して端面が
    エアベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子を形成す
    ることを特徴とする請求項11〜15の何れかに記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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