JP3150301B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP3150301B2 JP31781697A JP31781697A JP3150301B2 JP 3150301 B2 JP3150301 B2 JP 3150301B2 JP 31781697 A JP31781697 A JP 31781697A JP 31781697 A JP31781697 A JP 31781697A JP 3150301 B2 JP3150301 B2 JP 3150301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法に関し、特に書込用の誘導型磁気変換
素子と読取用の磁気抵抗再生素子とを積層して構成され
る複合型薄膜磁気ヘッドのうち、書込用の薄膜磁気ヘッ
ドの性能向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴い、薄膜磁気ヘッドについてもその性能向上
が求められている。薄膜磁気ヘッドは、書き込みを目的
とする記録ヘッドと読み出しを目的とする再生ヘッドを
積層した構造になっているが、再生ヘッドの性能向上に
関しては、磁気抵抗素子が広く用いられている。このよ
うな磁気抵抗素子としては、異方性磁気抵抗(AMR:Anis
otropic Magneto Resistive)効果を用いたものが従来一
般に使用されてきたが、これよりも抵抗変化率が数倍も
大きな巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto Resistive)効
果を用いたものも開発されている。本明細書では、これ
ら AMR素子および GMR素子などの磁気抵抗効果を示す素
子を総称して磁気抵抗再生素子またはMR再生素子と称す
ることにする。
【0003】AMR素子を使用することにより、数ギガビ
ット/インチ2 の面記録密度を実現することができ、ま
た GMR素子を使用することにより、さらに面記録密度を
上げることができる。このように面記録密度を高くする
ことによって、10Gバイト以上の大容量のハードディス
ク装置の実現が可能となってきている。このような磁気
抵抗再生素子よりなる再生ヘッドの性能を決定する要因
の一つとして、磁気抵抗再生素子の高さ(MR Height:MR
ハイト) がある。このMRハイトは、端面がエアベアリン
グ面に露出する磁気抵抗再生素子の、エアベアリング面
から測った距離であり、薄膜磁気ヘッドの製造過程にお
いては、エアベアリング面を研磨して形成する際の研磨
量を制御することによって所望のMRハイトを得るように
している。
【0004】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。面記録密度を上
げるには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる
必要がある。このためには、エアベアリング面における
ライトギャップ(write gap)の幅を数ミクロンからサブ
ミクロンオーダーまで狭くする必要があり、これを達成
するために半導体加工技術が利用されている。
【0005】書込用薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要
因の一つとして、スロートハイト(Throat Height : T
H) がある。このスロートハイトは、エアベアリング面
から薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまで
の磁極部分の距離であり、この距離をできるだけ短くす
ることが望まれている。このスロートハイトの縮小化も
また、エアベアリング面からの研磨量で決定される。従
って、薄膜磁気記録ヘッドの性能を向上させるために
は、記録ヘッドおよび再生ヘッドをバランス良く形成す
ることが重要である。
【0006】図1〜9に、従来の標準的な薄膜磁気ヘッ
ドの製造要領を工程順に示し、各図において (a)は薄膜
磁気ヘッド全体の断面図、 (b)は磁極部分の断面図であ
る。また図10〜12はそれぞれ、完成した従来の薄膜磁気
ヘッド全体の断面図、磁極部分の断面図および薄膜磁気
ヘッド全体の平面図である。なおこの例で、薄膜磁気ヘ
ッドは、誘導型の書込用薄膜磁気ヘッドおよび読取用の
MR再生素子を積層した複合型のものである。
【0007】まず、図1に示すように、例えばアルティ
ック(AlTiC) からなる基体1の上に例えばアルミナ(Al2
O3) からなる絶縁層2を約5〜10μm の厚みに堆積す
る。ついで、図2に示すように、再生ヘッドのMR再生素
子を外部磁界の影響から保護する磁気シールドを構成す
る下部シールド層3を3μm の厚みで形成する。その
後、図3に示すように、絶縁層4として、アルミナを 1
00〜150 nmの厚みでスパッタ堆積させたのち、MR再生素
子を構成する磁気抵抗効果を有する材料よりなる磁気抵
抗層5を数十nmの厚みに形成し、高精度のマスクアライ
メントで所望の形状とする。続いて、図4に示すよう
に、再度、絶縁層6を形成して、磁気抵抗層5を絶縁層
4,6内に埋設する。
【0008】次に、図5に示すように、パーマロイより
なる磁性層7を3μm の膜厚に形成する。この磁性層7
は、上述した下部シールド層3と共にMR再生素子を磁気
遮蔽する上部シールド層の機能を有するだけでなく、書
込用薄膜磁気ヘッドの下部磁性層としての機能をも有す
るものである。ここでは説明の便宜上、この磁性層7を
書込用磁気ヘッドを構成する一方の磁性層であることに
注目して第1の磁性層と称することにする。
【0009】ついで、第1の磁性層7の上に、非磁性材
料、例えばアルミナよりなるライトギャップ層8を約20
0 nmの膜厚に形成したのち、例えばパーマロイ(Ni:50
wt%、Fe:50wt%)や窒化鉄(FeN)のような高飽和磁束
密度材料からなる第2の磁性層9を形成し、高精度のマ
スクアライメントで所望の形状とする。所定の形状に成
形された第2の磁性層9は、ポールチップと呼ばれ、こ
の幅Wでトラック幅が規定される。この際、下部ポール
(第1の磁性層)と上部ポール(第3の磁性層)を接続
するためのダミーパターン9′を同時に形成すると、機
械的研磨または化学機械的研磨(Chemical Mechanical
Polishing:CMP)後のスルーホールの開口を容易にでき
る。
【0010】そして、実効書込トラック幅の広がりを防
止するため、すなわちデータの書込時に、下部ポールに
おいて磁束が広がるのを防止するために、ポールチップ
9の周囲のギャップ層8と下部ポール(第1の磁性層)
7をイオンミリング等のイオンビームエッチングにてエ
ッチングする。その状態を図5(b) に示したが、この構
造をトリム(Trim)といい、この部分が第1の磁性層の
磁極部分となる。
【0011】次に、図6に示すように、絶縁層である例
えばアルミナ膜10をおよそ3μm の厚みに形成後、全体
を例えばCMPにて平坦化する。その後、電気絶縁性の
フォトレジスト層11を高精度のマスクアライメントで所
定のパターンに形成したのち、このフォトレジスト層11
の上に、例えば銅よりなる第1層目の薄膜コイル12を形
成する。
【0012】続いて、図7に示すように、薄膜コイル12
上に再度、高精度のマスクアライメントにより、絶縁性
のフォトレジスト層13を形成後、表面を平坦にするた
め、例えば 250〜300 ℃の温度で焼成する。
【0013】さらに、図8に示すように、このフォトレ
ジスト層13の平坦化表面の上に、第2層目の薄膜コイル
14を形成する。ついで、この第2層目の薄膜コイル14の
上に高精度マスクアライメントでフォトレジスト層15を
形成した後、再度表面を平坦化するために、例えば 250
°Cで焼成する。上述したように、フォトレジスト層1
1, 13および15を高精度のマスクアライメントで形成す
る理由は、フォトレジスト層の磁極部分側の端縁を基準
位置としてスロートハイトやMRハイトを規定しているた
めである。
【0014】次に、図9に示すように、第2の磁性層
(ポールチップ)9およびフォトレジスト層11, 13およ
び15の上に、例えばパーマロイよりなる第3の磁性層16
を3μm の厚みで所望のパターンに従って選択的に形成
する。この第3の磁性層16は、磁極部分から離れた後方
位置において、ダミーパターン9′を介して第1の磁性
層7と接触し、第1および第2,3の磁性層によって構
成される閉磁路を薄膜コイル12, 14が通り抜ける構造に
なっている。さらに、第3の磁性層16の露出表面の上に
アルミナよりなるオーバーコート層17を堆積する。
【0015】最後に、磁気抵抗層5やギャップ層8を形
成した側面を研磨して、磁気記録媒体と対向するエアベ
アリング面(Air Bearing Surface:ABS)18を形成する。
このエアベアリング面18の形成過程において磁気抵抗層
5も研磨され、MR再生素子19が得られる。このようにし
て上述したスロートハイトTHおよびMRハイトが決定され
る。その様子を図10に示す。実際の薄膜磁気ヘッドにお
いては、薄膜コイル12, 14およびMR再生素子19に対する
電気的接続を行なうためのパッドが形成されているが、
図示は省略してある。
【0016】図10に示したように、薄膜コイル12, 14を
絶縁分離するフォトレジスト層11,13, 15の側面の角部
を結ぶ線分Sと第3の磁性層16の上面とのなす角度θ
(ApexAngle :アペックスアングル) も、上述したスロ
ートハイトTHおよびMRハイトと共に、薄膜磁気ヘッドの
性能を決定する重要なファクタとなっている。
【0017】また、図12に平面で示すように、第2の磁
性層9および第3の磁性層16の磁極部分20の幅Wは狭く
なっており、この幅によって磁気記録媒体に記録される
トラックの幅が規定されるので、高い面記録密度を実現
するためには、この幅Wをできるだけ狭くする必要があ
る。なお、この図では、図面を簡単にするため、薄膜コ
イル12, 14は同心円状に示してある。
【0018】さて、従来、薄膜磁気ヘッドの形成におい
て、とくに問題となっていたのは、コイル形成後、フォ
トレジスト絶縁層でカバーされた山状に盛り上がったコ
イル部とくにその傾斜部(Apex)に沿って形成される上
部ポール(ヨークポール)の微細形成の難しさである。
すなわち、従来は、上部ポールを形成する際、約7〜10
μm の高さの山状コイル部の上にパーマロイ等の上部ポ
ール用材料をめっきしたのち、フォトレジストを3〜4
μm の厚みで塗布し、その後フォトリソグラフィー技術
を利用して所定のパターン形成を行っていた。
【0019】ここに、山状コイル部の上のレジストでパ
ターニングされるレジスト膜厚として、最低3μm が必
要であるとすると、傾斜部の下方には8〜10μm 程度の
厚みのフォトレジストが塗布されることになる。一方、
このような10μm 程度の高低差がある山状コイル部の表
面および平坦面上に形成されたライトギャップ層の上に
形成される上部ポールは、フォトレジスト絶縁層(例え
ば図7の11, 13)のエッジ近傍に記録ヘッドの狭トラッ
クを形成する必要があるため、上部ポールをおよそ1μ
m 幅にパターン形成する必要がある。従って、8〜10μ
m の厚みのフォトレジスト膜で、1μm 幅のパターンを
形成する必要が生じる。
【0020】しかしながら、8〜10μm のように厚いフ
ォトレジスト膜で、1μm 幅程度の狭幅パターンを形成
しようとしても、フォトリソグラフィーの露光時に光の
反射によるパターンくずれ等が発生したり、レジスト厚
みが厚いことに起因して解像度の低下が余儀なくされる
ため、正確に狭トラック形成のトップポールをパターニ
ング形成することは極めて難しかったのである。
【0021】そこで、前掲した従来例にも示したとお
り、記録ヘッドの狭トラック幅形成が可能なポールチッ
プでデーターの書き込みを行うものとして、かかるポー
ルチップを形成後、このポールチップに上部ポールを接
続する方式とすることにより、換言すると、トラック幅
を決めるポールチップと磁束を誘導する上部ポールとに
2分割した構造とすることにより、上記の問題が有利に
改善されたのである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして形成された薄膜磁気ヘッド、特に記録ヘッド
には、依然として、以下に述べるような問題が残されて
いた。 (1) スロートハイトTHやMRハイトは、薄膜コイルを絶縁
分離する絶縁層の磁極部分側の端縁を基準として決定さ
れるが、この絶縁層は通常、フォトレジスト有機絶縁層
で形成されることから、熱に弱い。このため、薄膜コイ
ルの形成時に付加される 250℃程度の熱処理によって溶
融し、絶縁層のパターン寸法が変動して、スロートハイ
トTHやMRハイトの寸法が所望の設計値からずれるおそれ
がある。 (2) ポールチップと上部ポールとの接触面積が小さく、
しかも接触部が垂直に接していることもあって、この部
分で磁束が飽和し易く、そのため、十分に満足いくほど
の書き込み特性が得られない。 (3) ポールチップと上部ポールとの位置関係が、フォト
リソグラフィー時のアライメントで決定されるため、エ
アベアリング面から見て片側に大きく位置ずれする場合
があるが、この場合には上部ポールでもデーターの書き
込みを行うケースが生じ、実効トラック幅が広くなるた
め、ハードディスク板で本来データー記録すべきところ
以外のところにも書き込んでしまうという不具合が発生
する。
【0023】本発明は、上記の問題を有利に解決するも
ので、エアベアリング面に対する位置の基準となる絶縁
層のパターン寸法が、薄膜コイル形成時に付加される 2
50℃程度の熱処理によっても溶融せず、従って所望の設
計値どおりのスロートハイトTHおよびMRハイトを安定し
て得ることができる薄膜磁気ヘッドを、その有利な製造
方法と共に提案することを目的とする。また、この発明
の他の目的は、ポールチップと上部ポールの接触面積を
効果的に拡大して、従来懸念された磁極部分での磁束の
飽和を完全に解消した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方
法を提案するものである。さらに、本発明の他の目的
は、実効トラック幅の拡大や歩留りの低下等も併せて解
消した薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提案するこ
とである。またさらに、この発明の他の目的は、薄膜コ
イル高さを有利に低減して記録ヘッドのトラック幅を低
減したり、コイル巻数を効果的に増加することができ
る、薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提案すること
である。
【0024】すなわち、本発明の要旨構成は次のとおり
である。 1.磁極部分を有する第1の磁性層と、磁気記録媒体と
対向し、記録トラックの幅を規定する幅を有する磁極部
分を有し、この磁極部分の端面が上記第1の磁性層の磁
極部分の端面と共にエアベアリング面を構成する第2の
磁性層と、この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側と
は反対側で接触し、エアベアリング面から離れた後方位
置において第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁
性層と、少なくとも上記エアベアリング面において第1
の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に
介挿された非磁性材料よりなるギャップ層と、上記エア
ベアリング面において磁気記録媒体に対する書込用の磁
束を発生させるように上記第1の磁性層と第2および第
3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された部分を有
する薄膜コイルと、上記第1,第2および第3の磁性
層、ギャップ層、絶縁層および薄膜コイルを支持する基
体とをそなえる薄膜磁気ヘッドであって、上記第1の磁
性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベアリング面に対
する基準位置となる部分を少なくとも有するリング状の
絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を上記ギャ
ップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共に、上記
リング状絶縁層の内部領域に絶縁層を介して薄膜コイル
を配設したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
【0025】2.磁極部分を有する第1の磁性層と、磁
気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を
有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第1
の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構
成する第2の磁性層と、この第2の磁性層に、上記第1
の磁性層側とは反対側で接触し、エアベアリング面から
離れた後方位置において第1の磁性層と磁気的に連結さ
れた第3の磁性層と、少なくとも上記エアベアリング面
において第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極
部分との間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層
と、上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対す
る書込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と
第2および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設さ
れた部分を有する薄膜コイルと、上記第1,第2および
第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層および薄膜コイルを
支持する基体とをそなえる薄膜磁気ヘッドであって、上
記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベアリ
ング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有する
帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を上
記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
に、上記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極部
分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させ、かつこ
の延在させた領域については幅広がり形状とし、さらに
上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
範囲内に、上記薄膜コイルの少なくとも一部を配設した
ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
【0026】3.磁極部分を有する第1の磁性層と、磁
気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を
有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第1
の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構
成する第2の磁性層と、この第2の磁性層に、上記第1
の磁性層側とは反対側で接触し、エアベアリング面から
離れた後方位置において第1の磁性層と磁気的に連結さ
れた第3の磁性層と、少なくとも上記エアベアリング面
において第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極
部分との間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層
と、上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対す
る書込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と
第2および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設さ
れた部分を有する薄膜コイルと、上記第1,第2および
第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層および薄膜コイルを
支持する基体とをそなえる薄膜磁気ヘッドであって、上
記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベアリ
ング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有する
帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を上
記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
に、上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の
厚み範囲内に、上記薄膜コイルの第1層目を配設し、さ
らに上記薄膜コイルの第1層目を覆い、かつ上記第2の
磁性層と同一平面に平坦化された絶縁層上に、第2層目
の薄膜コイルを形成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
ド。
【0027】4.磁極部分を有する第1の磁性層と、磁
気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を
有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第1
の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構
成する第2の磁性層と、この第2の磁性層に、上記第1
の磁性層側とは反対側で接触し、エアベアリング面から
離れた後方位置において第1の磁性層と磁気的に連結さ
れた第3の磁性層と、少なくとも上記エアベアリング面
において第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極
部分との間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層
と、上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対す
る書込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と
第2および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設さ
れた部分を有する薄膜コイルと、上記第1,第2および
第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層および薄膜コイルを
支持する基体とをそなえる薄膜磁気ヘッドであって、上
記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベアリ
ング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有する
帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を上
記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
に、上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の
厚み範囲内に、上記薄膜コイルの少なくとも一部を配設
し、さらに上記第3の磁性層の先端部をエアベアリング
面から後退させ、この第3の磁性層と第2の磁性層との
接触部がエアベアリング面に露出しないようにしたこと
を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
【0028】5.磁極部分を有する第1の磁性層と、磁
気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅を
有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第1
の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を構
成する第2の磁性層と、この第2の磁性層に、上記第1
の磁性層側とは反対側で接触し、エアベアリング面から
離れた後方位置において第1の磁性層と磁気的に連結さ
れた第3の磁性層と、少なくとも上記エアベアリング面
において第1の磁性層の磁極部分と第2の磁性層の磁極
部分との間に介挿された非磁性材料よりなるギャップ層
と、上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対す
る書込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と
第2および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設さ
れた部分を有する薄膜コイルと、上記第1,第2および
第3の磁性層、ギャップ層、絶縁層および薄膜コイルを
支持する基体とをそなえる薄膜磁気ヘッドであって、上
記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベアリ
ング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有する
帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を上
記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
に、上記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極部
分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させ、さらに
上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層と上記
非磁性薄膜層および上記第2の磁性層を合わせた厚み範
囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持する絶縁層と一
緒に配設したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
【0029】6.前記帯状絶縁層をリング状とし、この
リング状絶縁層の内部領域に絶縁層を介して薄膜コイル
を配設したことを特徴とする上記2〜5のいずれかに記
載の薄膜磁気ヘッド。 7.前記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極部
分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させて設けた
ことを特徴とする上記1,3または4記載の薄膜磁気ヘ
ッド。 8.前記第2の磁性層の幅が、磁極部分よりも後方の領
域で次第に広がっていることを特徴とする上記5または
7記載の薄膜磁気ヘッド。 9.前記磁極部分よりも後方の領域における第2の磁性
層の幅広がり角度が 120°以内であることを特徴とする
上記8記載の薄膜磁気ヘッド。
【0030】10.前記薄膜コイルの第1層目を覆い、
かつ前記第2の磁性層と同一平面に平坦化された絶縁層
上に、第2層目の薄膜コイルを形成したことを特徴とす
る上記1,2,4または5記載の薄膜磁気ヘッド。 11.前記第3の磁性層の先端部をエアベアリング面か
ら後退させ、この第3の磁性層と第2の磁性層との接触
部がエアベアリング面に露出しないようにしたことを特
徴とする上記1,2,3または5記載の薄膜磁気ヘッ
ド。 12.前記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極
部分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させ、さら
に上記帯状絶縁層の後方領域でかつこの帯状絶縁層と前
記非磁性薄膜層および前記第2の磁性層を合わせた厚み
範囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持する絶縁層と
一緒に配設したことを特徴とする上記1〜4のいずれか
に記載の薄膜磁気ヘッド。
【0031】13.前記第2の磁性層が、高飽和磁束密
度材料からなることを特徴とする上記1〜12のいずれ
かに記載の薄膜磁気ヘッド。 14.前記基体と第1の磁性層との間に、電気的に絶縁
されると共に磁気的に遮蔽された読取用の磁気抵抗再生
素子を、その端面が上記エアベアリング面に露出するよ
うに配設して複合型薄膜磁気ヘッドとして構成したこと
を特徴とする上記1〜13のいずれかに記載の薄膜磁気
ヘッド。
【0032】15.薄膜磁気ヘッドを製造する方法であ
って、磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支
持されるように形成する工程と、上記第1の磁性層の上
に、磁極部分側の端縁がエアベアリング面に対する基準
位置となる部分を少なくとも有するリング状の絶縁層を
形成する工程と、上記第1の磁性層の磁極部分およびリ
ング状絶縁層の上に、非磁性材料よりなるギャップ層を
形成する工程と、上記ギャップ層の少なくとも磁極部分
の上に、第2の磁性層を形成する工程と、上記第2の磁
性層およびリング状絶縁層の表面ならびにこのリング状
絶縁層で囲まれた内部領域を、非磁性非導電性の膜で覆
う工程と、上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶
縁層の厚み範囲内に、絶縁層により互いに電気的に分離
された状態で薄膜コイルの少なくとも一部を形成する工
程と、上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の
磁性層と、上記エアベアリング面から離れた後方位置に
おいて接触する第3の磁性層を形成する工程と、上記基
体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこれらに
よって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒体と対
向するエアベアリング面を形成する工程とを含むことを
特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0033】16.薄膜磁気ヘッドを製造する方法であ
って、磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支
持されるように形成する工程と、上記第1の磁性層の上
に、磁極部分側の端縁がエアベアリング面に対する基準
位置となる部分を少なくとも有する帯状の絶縁層を形成
する工程と、上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶
縁層の上に、非磁性材料よりなるギャップ層を形成する
工程と、上記ギャップ層の上に、第2の磁性層を、磁極
部分だけでなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表面ま
で延在させ、かつこの延在させた領域については幅広が
りとなる形状で形成する工程と、上記帯状絶縁層の後方
領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み範囲内に、絶縁層によ
り互いに電気的に分離された状態で薄膜コイルの少なく
とも一部を形成する工程と、上記第2の磁性層と接触す
ると共に、上記第1の磁性層と、上記エアベアリング面
から離れた後方位置において接触する第3の磁性層を形
成する工程と、上記基体、第1および第2の磁性層の磁
極部分およびこれらによって挟まれたギャップ層を研磨
して磁気記録媒体と対向するエアベアリング面を形成す
る工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造
方法。
【0034】17.薄膜磁気ヘッドを製造する方法であ
って、磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支
持されるように形成する工程と、上記第1の磁性層の上
に、磁極部分側の端縁がエアベアリング面に対する基準
位置となる部分を少なくとも有する帯状の絶縁層を形成
する工程と、上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶
縁層の上に、非磁性材料よりなるギャップ層を形成する
工程と、上記ギャップ層の少なくとも磁極部分の上に、
第2の磁性層を形成する工程と、上記帯状絶縁層の後方
領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み範囲内に、絶縁層によ
り互いに電気的に分離された状態で薄膜コイルの第1層
目を形成する工程と、上記薄膜コイルの第1層目を形成
後、絶縁層を形成してから、エッチバックにより全体を
平滑化し、第1層目の薄膜コイルの表面を上記絶縁層で
覆う一方、第2の磁性層を露出させ、ついで露出した第
2の磁性層と同一平面に平坦化された上記絶縁層上に第
2層目の薄膜コイルを形成する工程と、上記第2の磁性
層と接触すると共に、上記第1の磁性層と、上記エアベ
アリング面から離れた後方位置において接触する第3の
磁性層を形成する工程と、上記基体、第1および第2の
磁性層の磁極部分およびこれらによって挟まれたギャッ
プ層を研磨して磁気記録媒体と対向するエアベアリング
面を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法。
【0035】18.薄膜磁気ヘッドを製造する方法であ
って、磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支
持されるように形成する工程と、上記第1の磁性層の上
に、磁極部分側の端縁がエアベアリング面に対する基準
位置となる部分を少なくとも有する帯状の絶縁層を形成
する工程と、上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶
縁層の上に、非磁性材料よりなるギャップ層を形成する
工程と、上記ギャップ層の少なくとも磁極部分の上に、
第2の磁性層を形成する工程と、上記帯状絶縁層の後方
領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み範囲内に、絶縁層によ
り互いに電気的に分離された状態で薄膜コイルの少なく
とも一部を形成する工程と、上記第2の磁性層との接触
面がエアベアリング面に露出しないように、その先端部
をエアベアリング面から後退させて上記第2の磁性層と
接触すると共に、上記第1の磁性層と、上記エアベアリ
ング面から離れた後方位置において接触する第3の磁性
層を形成する工程と、上記基体、第1および第2の磁性
層の磁極部分およびこれらによって挟まれたギャップ層
を研磨して磁気記録媒体と対向するエアベアリング面を
形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッド
の製造方法。
【0036】19.薄膜磁気ヘッドを製造する方法であ
って、磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支
持されるように形成する工程と、上記第1の磁性層の上
に、磁極部分側の端縁がエアベアリング面に対する基準
位置となる部分を少なくとも有する帯状の絶縁層を形成
する工程と、上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶
縁層の上に、非磁性材料よりなるギャップ層を形成する
工程と、上記ギャップ層の上に、第2の磁性層を、磁極
部分だけでなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表面ま
で延在させて形成する工程と、上記帯状絶縁層の後方領
域でかつ上記帯状絶縁層と上記非磁性薄膜層および上記
第2の磁性層を合わせた厚み範囲内に、一層の薄膜コイ
ルをそれを支持する絶縁層と一緒に配設する工程と、上
記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の磁性層
と、上記エアベアリング面から離れた後方位置において
接触する第3の磁性層を形成する工程と、上記基体、第
1および第2の磁性層の磁極部分およびこれらによって
挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒体と対向する
エアベアリング面を形成する工程とを含むことを特徴と
する薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0037】20.前記第1の磁性層の少なくとも磁極
部分および帯状絶縁層の上にギャップ層を形成するに際
し、前記帯状絶縁層の後方領域についても、ギャップ層
を形成する非磁性薄膜層で覆うことを特徴とする上記1
5〜19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
法。 21.前記帯状絶縁層をリング状とし、前記薄膜コイル
を形成するに先立ち、第2の磁性層およびリング状絶縁
層の表面ならびにこのリング状絶縁層で囲まれた内部領
域を、非磁性非導電性の膜で覆うことを特徴とする上記
16〜19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
法。 22.前記第2の磁性層を形成するに際し、磁極部分だ
けでなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在
させることを特徴とする上記15,17または18記載
の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 23.前記第2の磁性層の形成に際し、磁極部分よりも
後方領域の磁性層の幅を次第に拡大させたことを特徴と
する上記19または22記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
法。
【0038】24.前記第2の磁性層を形成後、絶縁層
を形成してから、エッチバックにより全体を平滑化し、
第1層目の薄膜コイルの表面を上記絶縁層で覆う一方、
第2の磁性層を露出させ、ついで露出した第2の磁性層
と同一平面に平坦化された上記絶縁層上に第2層目の薄
膜コイルを形成することを特徴とする上記15,16,
18または19に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 25.前記第3の磁性層を形成するに際し、その先端部
をエアベアリング面から後退させ、この第3の磁性層と
第2の磁性層との接触部がエアベアリング面に露出しな
いようにしたことを特徴とする上記15,16,17ま
たは19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
法。 26.前記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極
部分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させて設
け、さらに上記帯状絶縁層の後方領域でかつこの帯状絶
縁層と前記非磁性薄膜層および前記第2の磁性層を合わ
せた厚み範囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持する
絶縁層と一緒に配設したことを特徴とする上記15〜1
8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0039】27.前記基体と第1の磁性層との間に、
電気的に絶縁されるとともに磁気的に遮蔽された読取用
の磁気抵抗再生素子を形成して複合型薄膜磁気ヘッドを
構成することを特徴とする上記15〜26のいずれかに
記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。 28.前記基体上に磁気遮蔽を行う第1のシールド層を
形成し、その上に絶縁層中に埋設させて磁気抵抗材料膜
を形成した後、第2のシールド層を兼ねた前記第1の磁
性層を形成し、前記エアベアリング面を形成するための
研磨工程において、前記第1のシールド層を研磨すると
共に上記磁気抵抗材料膜をも研磨して端面がエアベアリ
ング面に露出する磁気抵抗再生素子を形成することを特
徴とする上記27に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき具体
的に説明する。図13〜26に、本発明に従う薄膜磁気ヘッ
ドの製造要領を工程順に示し、また図27, 28には、完成
した本発明の薄膜磁気ヘッドを縦断面および平面でそれ
ぞれ示す。なお、各工程図において、(a) は薄膜磁気ヘ
ッド全体の断面図、 (b)は磁極部分の断面図である。ま
た、この薄膜磁気ヘッドは、誘導型の書込用薄膜磁気ヘ
ッドおよび読取用のMR再生素子を積層した複合型であ
る。
【0041】まず、図13に示すように、基体21上に例え
ばアルミナ(Al2O3) からなる絶縁層22を約3〜5μm の
厚みに堆積する。ついで、図14に示すように、下部シー
ルド層23を形成するために、アルミナ絶縁層22の上にフ
ォトレジスト膜をマスクとしてスパッタリング法により
パーマロイを約3μm の厚みで選択的に形成する。
【0042】次に、図15に示すように、約4〜6μm の
厚さでアルミナの絶縁層24′を形成し、例えばCMPで
平坦化したのち、図16に示すように、絶縁層24として、
アルミナを 100〜200 nmの厚みでスパッタ堆積させ、つ
いでMR再生素子を構成する磁気抵抗層25を数十nmの厚み
に形成し、高精度のマスクアライメントで所望の形状と
した後、再度、絶縁層26を形成して、磁気抵抗層25を絶
縁層24, 26内に埋設する。ついで、約3〜4μm の厚さ
で第1の磁性層27を選択的に形成する。その後、段差を
なくすために、表面全体にアルミナ層を5〜6μm 厚み
に形成した後、CMPにて第1の磁性層27の表面を露出
させると共に、表面全体を平坦化する(図示省略)。
【0043】次に、図17に示すように、磁極部分側の端
縁が、スロートハイトTHやアペックスアングル(Apex A
ngle)を決定する基準位置となる部分を少なくとも有す
る帯状の絶縁層28を、フォトレジストにて厚さ:2〜5
μm 、幅:3〜7μm 程度に形成する。なお、この例で
は、上記のような帯状の絶縁層としてリング状の絶縁層
を形成する場合について説明する。なお、この例では、
リング状の絶縁層28を外壁とし、その内部に内壁として
同じくリング状の絶縁層28′を併せて形成する場合につ
いて示したが、この内壁絶縁層28′は必ずしも必要なわ
けではない。しかし、このような内壁絶縁層28′を外壁
絶縁層28と共に形成しておくと、その後の薄膜コイルの
形成を的確に行えるという利点がある。
【0044】ついで、図18に示すように、アルミナから
なるライトギャップ絶縁層29を、少なくとも第1の磁性
層の磁極部分およびリング状絶縁層28の上に 100〜300
nm厚みに形成する。この時、図示したように、リング状
絶縁層28の内部領域についても、ライトギャップ層29を
形成する非磁性薄膜層で覆うことが、第1の磁性層27と
の間の絶縁性を確保する上で有利である。
【0045】このように、リング状の絶縁層28の表面を
アルミナ絶縁層29で覆うようにすると、以下の利点があ
る。すなわち、スロートハイトTHは、リング状絶縁層28
の磁極部分側の端縁とエアベアリング面との間の距離と
して定義されるが、実際の製造過程においては、絶縁層
28の端縁の位置は見えないので、この端縁が所望の位置
に形成されているものとし、この端縁を基準位置として
所望のスロートハイトTHが得られるようにエアベアリン
グ面を研磨している。一方、その後に薄膜コイルを形成
する際には、 250℃程度の熱処理が施されるが、この加
熱によってリング状絶縁層28を構成するフォトレジスト
層が溶融し、絶縁層のパターンの寸法が変動する。これ
によってフォトレジスト絶縁層28の上述した端縁位置も
変動することになり、その結果としてこの端縁を基準位
置として形成される磁極部分の長さであるスロートハイ
トTHの寸法も所望の設計値からずれてしまうおそれがあ
った。
【0046】また、エアベアリング面からの磁気抵抗再
生素子の高さとして定義されるMRハイトも、上述したス
ロートハイトTHと同様、エアベアリング面を研磨する際
の研磨量によって決められるが、この研磨もリング状絶
縁層28の磁極部分側の端縁を基準位置として行われるの
で、この絶縁層の端縁位置が熱処理によって変動する
と、MRハイトも変動することになり、設計値通りに製造
することができなくなる。さらに、リング状絶縁層28お
よび後述する薄膜コイルを絶縁分離する絶縁層を構成す
るフォトレジスト層33, 36が溶融すると、これらの絶縁
層の側面の傾斜角度によって規定されるアペックスアン
グルθも変動するおそれが生じる。このアペックスアン
グルθも薄膜磁気ヘッドの特性に影響し、その変動によ
って特性が不良となることがしばしばある。
【0047】従って、薄膜コイルを形成する際に付加さ
れる 250℃程度の熱処理によってもリング状絶縁層を構
成するフォトレジスト層の端縁が変動しないようにする
ことが重要なわけであるが、この点、図18に示したよう
に、リング状のフォトレジスト絶縁層28を形成したの
ち、ライトギャップのアルミナ絶縁層29を形成し、この
フォトレジスト絶縁層28をアルミナ絶縁層29で覆うよう
にすると、上記のような熱処理によってもフォトレジス
ト絶縁層28の端縁位置は変動しなくなるので、スロート
ハイトTHは勿論、MRハイトやアペックスアングルθの所
望設計値からのずれを効果的に抑制することができるの
である。
【0048】ついで、図18に示すように、書き込みトラ
ック幅Wを決定する第2の磁性層(ポールチップ)30を
約1〜4μm の厚さで選択的に形成する。その後、ポー
ルチップ周辺のライトギャップを選択的に開口し、露出
した第1の磁性層27を例えばイオンミリングでエッチン
グして、磁極部分を形成する。なお、本発明において、
磁極部分とは、図18にHで示したように、リング状絶縁
層28の外周端縁から積層体の端面までの、第1の磁性層
27とライトギャップ層29と第2の磁性層30とが幅Wで接
合している領域をいう。従って、製品段階において、こ
の端面を研磨してエアベアリング面を形成した場合に
は、磁極部分は、リング状絶縁層28の外周端縁からエア
ベアリング面までの領域となり、これはスロートハイト
THに一致する。
【0049】さて、本発明では、上記したようなポール
チップの形成に際し、図19に示すように、第2の磁性層
30を、磁極部分のみならず、それよりも後方のリング状
絶縁層28の表面まで延在させることが重要である。とい
うのは、従来、ポールチップ上に上部ポールを接触させ
て形成する際、ポールチップと上部ポールの接触面積が
小さく、しかも接触部が垂直に接していることから、こ
の部分で磁束が飽和し易く、そのため、十分に満足いく
ほどの書き込み特性が得られなかったのであるが、本発
明に従い、ポールチップと上部ポールとの接触領域を、
磁極部分だけでなく、それよりも後方の領域まで延在さ
せることによって、このような磁束の飽和のおそれを効
果的に解消することができ、その結果、十分に満足いく
書き込み特性を得ることができるようになるからであ
る。ここに、接触面積が十分に確保されている場合に
は、ポールチップと上部ポールの接触領域は、磁極部分
よりも後方の領域のみとしても良い。なお、この明細書
において、後方とは、エアベアリング面とは反対の方向
を意味する。
【0050】ここに、磁極部分よりも後方の領域におけ
るポールチップの形状については、特に制限はなく、図
19に示したように、後方に真っ直ぐ延びるような形状で
あっても、また図20に示すように、後方に行くに従って
次第に広がっていくような形状であっても良く、要は、
磁極部分よりも後方の領域においてポールチップと上部
ポールとが接触していれば良いのである。なお、ポール
チップの、磁極部分よりも後方への延在長さhは、リン
グ状絶縁層28の幅を超えない2〜5μm 程度、特に好ま
しくはトップポールの厚み程度とするのが望ましい。ま
た、図20では、磁極部分よりも後方の領域におけるポー
ルチップの幅広がり角度を90°(片側45°づつ)とした
場合について示したが、この幅広がり角度はこれだけに
限るものではなく、120 °以内であれば何ら問題はな
い。特に好ましい角度範囲は45〜120 °である。
【0051】このように、ポールチップの後端が、図20
に示したようにロート状に広がっていると、上述したよ
うに磁束の飽和が生じないだけではなく、後端部を大き
くすることによって、フォトリソグラフィーによる正確
なパターンエッジがコントロールできるため、スロート
ハイトTHのより一層正確なコントロールが可能となる利
点もある。
【0052】上述のようにして、第2の磁性層30を形成
したのち、リング状の外壁絶縁層28と同じくリング状の
内壁絶縁層28′との間に第1層目の薄膜コイルを形成す
るのであるが、このような薄膜コイルの形成に先立ち、
図21に示すように、少なくともリング状の外壁絶縁層28
および内壁絶縁層28′で挟まれた領域を 0.5〜1.5 μm
程度の膜厚の例えばアルミナからなる非磁性非導電性の
膜31で覆うことが有利である。というのは、薄膜コイル
の形成領域を予めこのような非磁性非導電性膜31で覆う
ことによって、第1の磁性層27と薄膜コイルとの絶縁性
および磁場の漏れを効果的に防止することができるから
である。なお、特に好適な実施形態は、リング状の外壁
絶縁層28および内壁絶縁層28′で挟まれた領域だけでな
く、外壁絶縁層28および内壁絶縁層28′ならびに第2の
磁性層(ポールチップ)30の表面全体を覆うことであ
る。
【0053】ついで、図22に示すように、リング状の外
壁絶縁層28および内壁絶縁層28′で挟まれた領域に、例
えば銅よりなる第1層目の薄膜コイル32を形成したの
ち、高精度のマスクアライメントにより、絶縁性のフォ
トレジスト層33を形成し、その後、表面を平坦にするた
めに、例えば 250℃程度の温度で焼成する。このよう
に、本発明では、リング状の外壁絶縁層28および内壁絶
縁層28′で挟まれた領域に、リング状絶縁層28の厚み範
囲内で第1層目の薄膜コイル32を形成するので、全体的
な薄膜コイル高さを低くすることができる。すなわち、
従来は、前掲図7にも示したとおり、薄膜コイルは、ポ
ールチップ9と同じレベルに平滑化された絶縁層10の上
に、フォトレジスト層11を介して形成されていたため、
記録ヘッドの性能を上げるべく、薄膜コイルを2層,3
層と多層に形成した場合にはコイル部分の高さが高くな
り、それに伴って記録ヘッドのトラック幅を小さくする
ことが困難になっていたのであるが、本発明では、少な
くとも第1層目の薄膜コイルの一部が、リング状の外壁
絶縁層28の内側でかつリング状絶縁層28の厚みの範囲内
に形成されているので、その分全体的にアペックス高さ
を低くすることができる。他方、アペックス高さを従来
程度とした場合には、その分コイルの巻き数を多くでき
るので、性能の向上が期待できる。
【0054】ついで、全体に4〜5μm 厚のアルミナ絶
縁層34を形成したのち、図23に示すように、例えばCM
Pにて平滑化し、第1層目の薄膜コイル32の表面は絶縁
層34で覆う一方、ポールチップ(第2の磁性層)および
第1層目薄膜コイルの接続面ならびに下部ポールと上部
ポール(第3の磁性層)を接続するためのスルーホール
(図示省略)を露出させる。
【0055】その後、図24に示すように、第2層目の薄
膜コイル35を形成したのち、この薄膜コイル35の上に高
精度マスクアライメントでフォトレジスト層36を形成し
た後、再度表面を平坦化するために、例えば 250°Cで
焼成する。
【0056】次に、図25に示すように、第2の磁性層
(ポールチップ)30およびフォトレジスト層36の上に、
例えばパーマロイよりなる第3の磁性層(上部ポール)
37を3μm の厚みで所望のパターンに従って選択的に形
成する。ここに、第3の磁性層37を形成するに際して
は、図25に示したように、その先端部がエアベアリング
面からスロートハイトTH相当分程度後方(図中に記号L
で示す)に位置するようなパターンで設けることが好ま
しい。
【0057】というのは、前述したとおり、ポールチッ
プと上部ポールの位置関係がエアベアリング面から見て
片側に大きく位置ずれした場合、上部ポールでもデータ
ーの書き込みを行うケースが生じ、実効トラック幅が広
くなる不利が生じるのであるが、第3の磁性層の先端部
をエアベアリング面から後退させて設けておけば、この
ような不具合が生じるおそれがなくなるからである。な
お、従来、上部ポールの先端を、エアベアリング面より
も後方に位置させた場合、ポールチップと上部ポールの
接触面積が減少するため、磁束の飽和を余儀なくされて
いたのであるが、本発明では、磁極部分よりも後方の領
域で両者の接触面積が十分に確保されているので、上部
ポールの先端をエアベアリング面から後退させたとして
も、磁束が飽和するおそれはない。
【0058】また、第3の磁性層37を形成するに際して
は、図20に示したように、第2の磁性層30の形状に沿う
ような形状とすることが望ましい。さらに、図26に示す
ように、第2の磁性層30の幅広がり角度が30〜60°と幾
分小さい場合には、最初は第2の磁性層の形状に沿うよ
うに、第3の磁性層37についても幅広がり角度:30〜60
°で形成し、後半部分については所望の幅広がり角度と
なるように形成するようにしても良い。
【0059】このように、第3の磁性層37の形状を幅広
がり状として、第2の磁性層30を覆うようにすると、ポ
ールチップ30と上部ポール37に位置合わせ誤差が生じた
としても、全体として接触面積の変動は少ないので、磁
束の飽和が生じることはない。なお、この第3の磁性層
37は、磁極部分から離れた後方位置において、スルーホ
ールを介して第1の磁性層27と接触し、第1および第
2,3の磁性層によって構成される閉磁路を薄膜コイル
32, 35が通り抜ける構造になっている。
【0060】ついで、図27に示すように、第3の磁性層
37の露出表面の上にアルミナ等からなるオーバーコート
層38を堆積する。最後に、磁気抵抗層25やギャップ層29
を形成した側面を研磨して、図27, 図28に示すように、
磁気記録媒体と対向するエアベアリング面39を形成す
る。この際、リング状絶縁層28の磁極部分側の端縁を、
エアベアリング面39に対する基準位置とすることによ
り、所望設計値どおりに正確にスロートハイトTHやMRハ
イト、さらにはアペックスアングルθを決定することが
できる。
【0061】なお、図29には、ポールチップ30を厚く形
成した場合の変形例を示したが、このようにポールチッ
プ30を厚くすることによって、上部ポール37のエアベア
リング面39からの後退距離を大きくすることができ、そ
の結果、エアベアリング面での加工のバラツキにより、
上部ポール37がエアベアリング面側に近くなった時に発
生する他のトラックへの書き込み、すなわち実効トラッ
ク幅の拡大を一層効果的に防止することができる。
【0062】以上、実施例では、磁極部分側の端縁が、
エアベアリング面に対する基準位置となる部分を少なく
とも有する帯状の絶縁層として、図30(a) に示すような
リング状の絶縁層を形成する場合について主に説明した
が、本発明における帯状絶縁層とは、このようなリング
状絶縁層をだけに限られるのではなく、同図(b), (c)に
示すような広い意味でリング状絶縁層に該当するものは
勿論、同図(d), (e),(f) に示すようなリング状絶縁層
の前半分のもの、さらには同図(g), (h), (i)に示すよ
うないわゆる堰状の絶縁層をも含むものとする。
【0063】なお、上述した例では、誘導型の書込用磁
気ヘッドとMR再生素子をそなえる読取用磁気ヘッドとを
積層した複合型薄膜磁気ヘッドとして構成したが、誘導
型の書込用薄膜磁気ヘッドとして構成することもでき
る。
【0064】本発明において、第2の磁性層すなわちポ
ールチップ用の材料としては、前述したパーマロイ(N
i:50wt%、Fe:50wt%)や窒化鉄(FeN)の他、Fe−Cr
−Zr系アモルファス合金やFe−C系アモルファス合金等
のとくに飽和磁束密度の高い材料が有利に適合する。な
お、これらの材料は、2種類以上重ねて使用しても何ら
差し支えない。また、第1および第3の磁性層用の材料
としては、前述したパーマロイ(Ni:80wt%、Fe:20wt
%)の他、従来公知の各種高飽和磁束密度材料を好適に
使用することができる。さらに、ライトギャップ層用材
料としては、Al2O3, SiO2 等の酸化物や AlN,BN, SiN
等の窒化物、さらには Au, Cu, NiP等の導電性非磁性材
料などが有利に適合する。なお、上記の図示例では、磁
極部分側の端縁が、エアベアリング面に対する基準位置
となる絶縁層を、フォトレジスト層で形成した場合につ
いて主に説明したが、この絶縁層は、アルミナ層やシリ
コン酸化層、シリコン窒化層等で形成しても良い。
【0065】
【発明の効果】本発明に従い、第1の磁性層上に、磁極
部分側の端縁が、エアベアリング面に対する基準位置と
なるリング状の絶縁層を設け、この絶縁層をライトギャ
ップアルミナ層で覆うようにすれば、薄膜コイル形成時
に付加される熱処理によっても絶縁層は溶融せず、その
端縁位置が変動することはないので、スロートハイトT
H、MRハイト、さらにはアペックスアングルθを所望の
設計値どおりに形成することができる。従って、本発明
によれば、MRハイトとスロートハイトTHとの間に常に所
望の関係が得られるので、記録ヘッドと再生ヘッドのバ
ランスを最良の状態に保つことができ、その結果、高性
能の複合型薄膜磁気ヘッドを得ることができる。
【0066】また、本発明によれば、第2の磁性層(ポ
ールチップ)と第3の磁性層(上部ポール)を、磁極部
分のみならず、それよりも後方の広い領域で接触させて
いるので、コイルで発生させた磁気を途中で飽和させる
ことなく、書き込みポール領域に有効に到達させること
ができ、従って、十分に満足のいく書き込み特性を得る
ことができる。しかも、第2の磁性層の後端部をロート
状に広げることによって、上部ポールとポールチップと
の接触面積を大きくとることができるので、この部分に
おける磁束の飽和を効果的に防止することができる。加
えて、第3の磁性層の形状を幅広がり状として、第2の
磁性層を覆うようにすると、両者の位置合わせに誤差が
生じたとしても全体として接触面積の変動は少ないの
で、磁束の飽和を防止することができる。
【0067】さらに、本発明に従い、第3の磁性層の先
端部をエアベアリング面よりも後退させ、この第3の磁
性層と第2の磁性層との接触部がエアベアリング面に露
出しないようにすることにより、仮にポールチップと上
部ポールの位置関係にエアベアリング面から見て位置ず
れが生じたとしても、上部ポールによって書き込みを行
うような、実効トラック幅の広がりを効果的に防止する
ことができる。
【0068】またさらに、本発明によれば、従来よりも
アペックスの高さを低くすることができるので、記録ヘ
ッドのトラック幅を効果的に小さくすることができ、他
方、アペックス高さを従来程度とした場合には、その分
コイルの巻き数を増大できるので、書き込み性能を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の標準的な薄膜磁気ヘッドの製造方法にお
ける最初の工程を示す断面図である。
【図2】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図3】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図4】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図5】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図6】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図7】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図8】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図9】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図10】完成した従来の薄膜磁気ヘッドの断面図であ
る。
【図11】完成した従来の薄膜磁気ヘッドの磁極部分の
断面図である。
【図12】完成した従来の薄膜磁気ヘッドの平面図であ
る。
【図13】本発明に従う薄膜磁気ヘッドの製造方法にお
ける最初の工程を示す断面図である。
【図14】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図15】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図16】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図17】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図18】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図19】第2の磁性層の形状の一例を示す平面図であ
る。
【図20】第2の磁性層の形状の別例を示す平面図であ
る。
【図21】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図22】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図23】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図24】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図25】同じく、その次の工程を示す断面図である。
【図26】第2の磁性層の形状に対する、好適な第3の
磁性層の形状を示す平面図である。
【図27】完成した本発明に従う薄膜磁気ヘッドの断面
図である。
【図28】完成した本発明に従う薄膜磁気ヘッドの平面
図である。
【図29】完成した本発明に従う薄膜磁気ヘッドの別例
の断面図である。
【図30】帯状絶縁層の好適形状を示す平面図である。
【符号の説明】
1 基体 21 基体 2 絶縁層 22 絶縁層 3 下部シールド層 23 下部シー
ルド層 4,6 絶縁層 24,24′, 26
絶縁層 5 磁気抵抗層 25 磁気抵抗
層 7 第1の磁性層 27 第1の磁
性層 8 ライトギャップ層 28 リング状
絶縁層(外壁) 9 第2の磁性層 28′リング状
絶縁層(内壁) 9′ダミーパターン 29 ライトギ
ャップ層 10 絶縁層 30 第2の磁
性層 11 フォトレジスト層 31 非磁性非
導電性の膜 12,14 薄膜コイル 32,35 薄膜
コイル 13,15 フォトレジスト層 34 アルミナ
絶縁層 16 第3の磁性層 33,36 フォ
トレジスト層 17 オーバーコート層 37 第3の磁
性層 18 エアベアリング面 38 オーバー
コート層 19 MR再生素子 39 エアベア
リング面 20 磁極部分 40 MR再生素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−105919(JP,A) 特開 平8−339508(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31 G11B 5/39

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第
    1の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を
    構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも上記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と第2
    および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された
    部分を有する薄膜コイルと、 上記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とをそなえる薄膜磁
    気ヘッドであって、 上記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    リング状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表
    面を上記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆する
    と共に、上記リング状絶縁層の内部領域に絶縁層を介し
    て薄膜コイルを配設したことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第
    1の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を
    構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも上記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と第2
    および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された
    部分を有する薄膜コイルと、 上記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とをそなえる薄膜磁
    気ヘッドであって、 上記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を
    上記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
    に、上記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極部
    分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させ、かつこ
    の延在させた領域については幅広がり形状とし、さらに
    上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
    範囲内に、上記薄膜コイルの少なくとも一部を配設した
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第
    1の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を
    構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも上記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と第2
    および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された
    部分を有する薄膜コイルと、 上記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とをそなえる薄膜磁
    気ヘッドであって、 上記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を
    上記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
    に、上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の
    厚み範囲内に、上記薄膜コイルの第1層目を配設し、さ
    らに上記薄膜コイルの第1層目を覆い、かつ上記第2の
    磁性層と同一平面に平坦化された絶縁層上に、第2層目
    の薄膜コイルを形成したことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第
    1の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を
    構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも上記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と第2
    および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された
    部分を有する薄膜コイルと、 上記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とをそなえる薄膜磁
    気ヘッドであって、 上記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を
    上記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
    に、上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の
    厚み範囲内に、上記薄膜コイルの少なくとも一部を配設
    、さらに上記第3の磁性層の先端部をエアベアリング
    面から後退させ、この第3の磁性層と第2の磁性層との
    接触部がエアベアリング面に露出しないようにしたこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 磁極部分を有する第1の磁性層と、 磁気記録媒体と対向し、記録トラックの幅を規定する幅
    を有する磁極部分を有し、この磁極部分の端面が上記第
    1の磁性層の磁極部分の端面と共にエアベアリング面を
    構成する第2の磁性層と、 この第2の磁性層に、上記第1の磁性層側とは反対側で
    接触し、エアベアリング面から離れた後方位置において
    第1の磁性層と磁気的に連結された第3の磁性層と、 少なくとも上記エアベアリング面において第1の磁性層
    の磁極部分と第2の磁性層の磁極部分との間に介挿され
    た非磁性材料よりなるギャップ層と、 上記エアベアリング面において磁気記録媒体に対する書
    込用の磁束を発生させるように上記第1の磁性層と第2
    および第3の磁性層との間に絶縁層を介して配設された
    部分を有する薄膜コイルと、 上記第1,第2および第3の磁性層、ギャップ層、絶縁
    層および薄膜コイルを支持する基体とをそなえる薄膜磁
    気ヘッドであって、 上記第1の磁性層上に、磁極部分側の端縁が、エアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を設け、少なくともこの絶縁層の表面を
    上記ギャップ層を形成する非磁性薄膜層で被覆すると共
    に、上記第2の磁性層を、磁極部分だけでなく、磁極部
    分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在させ、さらに
    上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層と上記
    非磁性薄膜層および上記第2の磁性層を合わせた厚み範
    囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持する絶縁層と一
    緒に配設したことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記帯状絶縁層をリング状とし、このリ
    ング状絶縁層の内部領域に絶縁層を介して薄膜コイルを
    配設したことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第2の磁性層を、磁極部分だけでな
    く、磁極部分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在さ
    せて設けたことを特徴とする請求項1,3または4記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記第2の磁性層の幅が、磁極部分より
    も後方の領域で次第に広がっていることを特徴とする請
    求項5または7記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記磁極部分よりも後方の領域における
    第2の磁性層の幅広がり角度が 120°以内であることを
    特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記薄膜コイルの第1層目を覆い、か
    つ前記第2の磁性層と同一平面に平坦化された絶縁層上
    に、第2層目の薄膜コイルを形成したことを特徴とする
    請求項1,2,4または5記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記第3の磁性層の先端部をエアベア
    リング面から後退させ、この第3の磁性層と第2の磁性
    層との接触部がエアベアリング面に露出しないようにし
    たことを特徴とする請求項1,2,3または5記載の薄
    膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第2の磁性層を、磁極部分だけで
    なく、磁極部分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在
    させ、さらに上記帯状絶縁層の後方領域でかつこの帯状
    絶縁層と前記非磁性薄膜層および前記第2の磁性層を合
    わせた厚み範囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持す
    る絶縁層と一緒に配設したことを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記第2の磁性層が、高飽和磁束密度
    材料からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれ
    かに記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記基体と第1の磁性層との間に、電
    気的に絶縁されると共に磁気的に遮蔽された読取用の磁
    気抵抗再生素子を、その端面が上記エアベアリング面に
    露出するように配設して複合型薄膜磁気ヘッドとして構
    成したことを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記
    載の薄膜磁気ヘッド。
  15. 【請求項15】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支持され
    るように形成する工程と、 上記第1の磁性層の上に、磁極部分側の端縁がエアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    リング状の絶縁層を形成する工程と、 上記第1の磁性層の磁極部分およびリング状絶縁層の上
    に、非磁性材料よりなるギャップ層を形成する工程と、 上記ギャップ層の少なくとも磁極部分の上に、第2の磁
    性層を形成する工程と、上記第2の磁性層およびリング状絶縁層の表面ならびに
    このリング状絶縁層で囲まれた内部領域を、非磁性非導
    電性の膜で覆う工程と、 上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
    範囲内に、絶縁層により互いに電気的に分離された状態
    で薄膜コイルの少なくとも一部を形成する工程と、 上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の磁性層
    と、上記エアベアリング面から離れた後方位置において
    接触する第3の磁性層を形成する工程と、 上記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支持され
    るように形成する工程と、 上記第1の磁性層の上に、磁極部分側の端縁がエアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を形成する工程と、 上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶縁層の上に、
    非磁性材料よりなるギャップ層を形成する工程と、 上記ギャップ層の上に、第2の磁性層を、磁極部分だけ
    でなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在さ
    せ、かつこの延在させた領域については幅広がりとなる
    形状で形成する工程と、 上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
    範囲内に、絶縁層により互いに電気的に分離された状態
    で薄膜コイルの少なくとも一部を形成する工程と、 上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の磁性層
    と、上記エアベアリング面から離れた後方位置において
    接触する第3の磁性層を形成する工程と、 上記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支持され
    るように形成する工程と、 上記第1の磁性層の上に、磁極部分側の端縁がエアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を形成する工程と、 上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶縁層の上に、
    非磁性材料よりなるギャップ層を形成する工程と、 上記ギャップ層の少なくとも磁極部分の上に、第2の磁
    性層を形成する工程と、 上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
    範囲内に、絶縁層により互いに電気的に分離された状態
    で薄膜コイルの第1層目を形成する工程と、上記薄膜コイルの第1層目を形成後、絶縁層を形成して
    から、エッチバックにより全体を平滑化し、第1層目の
    薄膜コイルの表面を上記絶縁層で覆う一方、第2の磁性
    層を露出させ、ついで露出した第2の磁性層と同一平面
    に平坦化された上記絶縁層上に第2層目の薄膜コイルを
    形成する工程と、 上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の磁性層
    と、上記エアベアリング面から離れた後方位置において
    接触する第3の磁性層を形成する工程と、 上記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支持され
    るように形成する工程と、 上記第1の磁性層の上に、磁極部分側の端縁がエアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を形成する工程と、 上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶縁層の上に、
    非磁性材料よりなるギャップ層を形成する工程と、 上記ギャップ層の少なくとも磁極部分の上に、第2の磁
    性層を形成する工程と、 上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層の厚み
    範囲内に、絶縁層により互いに電気的に分離された状態
    で薄膜コイルの少なくとも一部を形成する工程と、上記第2の磁性層との接触面がエアベアリング面に露出
    しないように、その先端部をエアベアリング面から後退
    させて 上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の
    磁性層と、上記エアベアリング面から離れた後方位置に
    おいて接触する第3の磁性層を形成する工程と、 上記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 薄膜磁気ヘッドを製造する方法であっ
    て、 磁極部分を有する第1の磁性層を基体によって支持され
    るように形成する工程と、 上記第1の磁性層の上に、磁極部分側の端縁がエアベア
    リング面に対する基準位置となる部分を少なくとも有す
    る帯状の絶縁層を形成する工程と、 上記第1の磁性層の磁極部分および帯状絶縁層の上に、
    非磁性材料よりなるギャップ層を形成する工程と、 上記ギャップ層の上に、第2の磁性層を、磁極部分だけ
    でなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在さ
    せて形成する工程と、 上記帯状絶縁層の後方領域でかつ上記帯状絶縁層と上記
    非磁性薄膜層および上記第2の磁性層を合わせた厚み範
    囲内に、一層の薄膜コイルをそれを支持する絶縁層と一
    緒に配設する工程と、 上記第2の磁性層と接触すると共に、上記第1の磁性層
    と、上記エアベアリング面から離れた後方位置において
    接触する第3の磁性層を形成する工程と、 上記基体、第1および第2の磁性層の磁極部分およびこ
    れらによって挟まれたギャップ層を研磨して磁気記録媒
    体と対向するエアベアリング面を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記第1の磁性層の少なくとも磁極部
    分および帯状絶縁層の上にギャップ層を形成するに際
    し、前記帯状絶縁層の後方領域についても、ギャップ層
    を形成する非磁性薄膜層で覆うことを特徴とする請求項
    15〜19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記帯状絶縁層をリング状とし、前記
    薄膜コイルを形成するに先立ち、第2の磁性層およびリ
    ング状絶縁層の表面ならびにこのリング状絶縁層で囲ま
    れた内部領域を、非磁性非導電性の膜で覆うことを特徴
    とする請求項16〜19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記第2の磁性層を形成するに際し、
    磁極部分だけでなく、それよりも後方の帯状絶縁層の表
    面まで延在させることを特徴とする請求項15,17ま
    たは18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記第2の磁性層の形成に際し、磁極
    部分よりも後方領域の磁性層の幅を次第に拡大させたこ
    とを特徴とする請求項19または22記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第2の磁性層を形成後、絶縁層を
    形成してから、エッチバックにより全体を平滑化し、第
    1層目の薄膜コイルの表面を上記絶縁層で覆う一方、第
    2の磁性層を露出させ、ついで露出した第2の磁性層と
    同一平面に平坦化された上記絶縁層上に第2層目の薄膜
    コイルを形成することを特徴とする請求項15,16,
    18または19に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第3の磁性層を形成するに際し、
    その先端部をエアベアリング面から後退させ、この第3
    の磁性層と第2の磁性層との接触部がエアベアリング面
    に露出しないようにしたことを特徴とする請求項15,
    16,17または19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第2の磁性層を、磁極部分だけで
    なく、磁極部分よりも後方の帯状絶縁層の表面まで延在
    させて設け、さらに上記帯状絶縁層の後方領域でかつこ
    の帯状絶縁層と前記非磁性薄膜層および前記第2の磁性
    層を合わせた厚み範囲内に、一層の薄膜コイルをそれを
    支持する絶縁層と一緒に配設したことを特徴とする請求
    項15〜18のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  27. 【請求項27】 前記基体と第1の磁性層との間に、電
    気的に絶縁されるとともに磁気的に遮蔽された読取用の
    磁気抵抗再生素子を形成して複合型薄膜磁気ヘッドを構
    成することを特徴とする請求項15〜26のいずれかに
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記基体上に磁気遮蔽を行う第1のシ
    ールド層を形成し、その上に絶縁層中に埋設させて磁気
    抵抗材料膜を形成した後、第2のシールド層を兼ねた前
    記第1の磁性層を形成し、前記エアベアリング面を形成
    するための研磨工程において、前記第1のシールド層を
    研磨すると共に上記磁気抵抗材料膜をも研磨して端面が
    エアベアリング面に露出する磁気抵抗再生素子を形成す
    ることを特徴とする請求項27に記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
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