JP3747135B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浮上式磁気ヘッドなどに使用される記録用の薄膜磁気ヘッドに係り、特にインダクタンスの低減を図り、高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来における薄膜磁気ヘッド(インダクティブヘッド)の構造を示す部分正面図、図19は、図18に示す19−19線から切断された薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図である。
【0003】
図18及び図19に示す符号1は、パーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であり、この下部コア層1の上に、絶縁層9が形成されている。
【0004】
前記絶縁層9には、記録媒体との対向面(以下、ABS面と呼ぶ)からハイト方向(図示Y方向)にかけて、内幅寸法がトラック幅Twで形成された溝部9aが形成されている。
【0005】
この溝部9a内には、下から順に、下部コア層1に磁気的に接続する下部磁極層3、ギャップ層4、及び上部コア層6に磁気的に接続する上部磁極層5がメッキ形成されている。
【0006】
また図19に示すように、絶縁層9に形成された溝部9aよりもハイト方向(図示Y方向)における前記絶縁層9の上には、螺旋状にパターン形成されたコイル層7が設けられている。
【0007】
そして前記コイル層7は、レジストなどのコイル絶縁層8により覆われており、前記コイル絶縁層8の上に、上部コア層6が形成されている。前記上部コア層6は、その先端部6aにて上部磁極層5と、また基端部6bにて下部コア層1と磁気的に接続された状態になっている。
【0008】
図18および図19に示すインダクティブヘッドでは、コイル層7に記録電流が与えられると、下部コア層1及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下部コア層1と磁気的に接続する下部磁極層3及び上部コア層6と磁気的に接続する上部磁極層5間からの洩れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0009】
図18および図19に示すインダクティブヘッドでは、ABS面(記録媒体との対向面)付近に、局部的にトラック幅Twで形成された下部磁極層3、ギャップ層4、および上部磁極層5を形成しており、このタイプのインダクティブヘッドは、狭トラック化に対応可能となっている。
【0010】
図18および図19に示すインダクティブヘッドの製造方法について説明すると、まず下部コア層1上に絶縁層9を形成し、前記絶縁層9に、トラック幅Twの溝部9aをABS面からハイト方向に所定の長さで形成する。
【0011】
次に前記溝部9a内に、下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁極層5を連続メッキして形成し、その後、絶縁層9に形成された溝部9aよりも後方(ハイト方向)の絶縁層9上に、コイル層7をパターン形成する。
【0012】
さらに前記コイル層7上を、コイル絶縁層8によって覆い、上部磁極層5上から前記コイル絶縁層8上にかけて上部コア層6を、フレームメッキ法で形成すると、図18および図19に示すインダクティブヘッドが完成する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今後の高記録密度化・高記録周波数化に伴い、狭トラック化とともに、インダクティブヘッドのインダクタンスを低減させる必要性がある。
【0014】
インダクタンスの低減を図るためには、下部コア層1から上部コア層6を経て形成される磁路長を短くしなければならず、そのために、上部コア層6の先端部6aから基端部6bまでの間に形成されるコイル層7の幅寸法T1を小さくする必要性がある。コイル層7の幅寸法T1を小さくすれば、上部コア層6の長さを短くでき、短磁路化を実現できる。
【0015】
前記コイル層7のターン数を変えずに、前記コイル層7の幅寸法T1を小さくするには、前記コイル層7を2層の積層構造にする方法が考えられる。
【0016】
しかしながら、図18および図19に示す薄膜磁気ヘッドの構造では、コイル層7を単純に2層の積層構造にしても、磁路長を今後の高記録周波数化に対応できるほど、磁路長を短くできず、インダクタンスのより適切な低減を図ることは難しい。
【0017】
その理由は、前記コイル層7が、膜厚の厚い絶縁層9の上に形成されるからである。図18に示すように、前記絶縁層9はその膜厚がH5で形成され、前記膜厚H5は下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁極層5の総合膜厚であるH6よりも大きい。このため図19に示すように、前記絶縁層9上に形成されるコイル層7は、上部磁極層5と上部コア層6との接合面を基準平面としたときに、この基準平面よりも上部コア層6側に形成されることになる。
【0018】
従って単純にコイル層7を2層の積層構造にすると、前記コイル層7の幅寸法T1を小さくできても、下部コア層1上からコイル層7を覆うコイル絶縁層8上までの高さは非常に大きくなってしまい、結局磁路長をそれほど短くすることはできず、インダクタンスの適切な低減を図ることはできない。
【0019】
また図19に示す構造のインダクティブヘッドにて、単純にコイル層7を2層の積層構造にしたのでは、前記コイル層7を覆うコイル絶縁層8の厚さ寸法H1は大きくなり、上部磁極層5の表面を基準平面とした場合における前記コイル絶縁層8の盛り上がりは非常に大きくなってしまう。
【0020】
このため、前記上部磁極層5上からコイル絶縁層8上にかけて形成される上部コア層6をフレームメッキ法でパターン形成しずらくなり、前記上部コア層6の、特に先端部6a付近の形状を所定形状に形成できないといった問題が発生する。
【0021】
またコイル層7の各導体部の幅寸法T2を小さくして、各導体部の高さ寸法H2を厚くすれば、コイル層の体積に変化がないことから、コイル抵抗値の増大を招くことはなく、しかもこの場合、前記各導体部の幅寸法T2を小さくできるから、コイル層7全体の幅寸法T1を小さくでき、さらなる短磁路化によりインダクタンスの低減を図ることが可能になる。
【0022】
しかしながら、各導体部の高さH2は高くなるので、益々前記コイル層7を覆うコイル絶縁層8の盛り上がりは大きくなってしまい、上記したパターン精度良く上部コア層6を形成できないという問題が顕著に表れる。
【0023】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に狭トラック化と共に、磁路長を短くしてインダクタンスの低減を図ることが可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明における薄膜磁気ヘッドは、下部コア層と、上部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層と上部コア層との間に位置し且つトラック幅方向の寸法が規制されたトラック幅規制部とを有し、
前記トラック幅規制部は、下部コア層と連続する下部磁極層と、非磁性金属材料からなるギャップ層と、上部コア層と連続する上部磁極層が下から順に連続メッキ形成されたものであって、前記トラック幅規制部のトラック幅方向端部は直線状に形成され、
記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層が、前記トラック幅規制部のハイト方向の後方に位置し、
記コイル層を構成する各導体部のピッチ間が、有機絶縁層の上に無機絶縁層が重ねられた下部コイル絶縁層によって埋められ、
前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平面としたときに、この基準平面と、前記コイル層の上面と、前記無機絶縁層の上面とが同一面上に位置し、さらに前記コイル層上には上部コイル絶縁層が形成され、
前記上部コイル絶縁層上には、第2のコイル層が形成され、前記コイル層の巻き中心部の上面は前記基準平面と同一面上に位置し、前記巻き中心部上に、前記第2のコイル層の巻き中心部が電気的に接続されており、
前記上部コア層は、トラック幅規制部上から前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上にかけて形成され、さらに前記上部コア層の基端部が下部コア層上に磁気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明では、今後の高記録密度化・高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造すべく、特にコイル層の形成位置を従来と異ならしめ、短磁路化を実現できインダクタンスの低減を図ることを本発明の目的としている。
【0026】
上記のように本発明におけるコイル層は、下部コア層および上部コア層間に形成されたトラック幅規制部のハイト側後方であって、前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平面としたときに前記基準平面と同一平面上に、前記コイル層の表面が表れるように形成されている。
【0027】
すなわち本発明では図19に示す薄膜磁気ヘッドに比べ、コイル層の形成位置を、より下部コア層側に位置せしめ、よって本発明では、図19の薄膜磁気ヘッドに比べて、下部コア層上から前記コイル層を覆う絶縁層(上部コイル絶縁層)上までの高さ寸法を小さくできるから、従来に比べ上部コア層の長さを小さくでき、よって、より適切な短磁路化を実現でき、インダクタンスの低減を図ることが可能になっている。
【0028】
特に本発明では前記コイル層をその上面が、前記基準平面と同一面上となるように形成することで、前記コイル層の厚さ寸法を最大限に大きく形成することができる。従って前記コイル層の各導体部の幅寸法を小さくしても、断面積に比例するコイル抵抗値の増大を招くことはなく、従って上部コア層の先端部から基端部までの前記コイル層全体の幅寸法を小さくすることができ、さらなる短磁路長化を実現できてインダクタンスの低下を図ることが可能である。
【0029】
前記ギャップ層を形成する前記非磁性金属材料は、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものであることが好ましい。
また、本発明では前記コイル層は、導電性材料層とその上に積層された導電性保護層とで構成され、前記保護層が、前記基準平面と同一面上に現れていることが好ましい。
【0030】
これにより、前記コイル層を構成する導電性材料層を酸化から保護でき、しかも前記コイル層のコイル抵抗値を所定数値内に設定することが可能になる。
【0031】
また、本発明では、前記導電性材料層は、Cuからなる非磁性導電層であり、前記導電性保護層は、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造の非磁性導電層であることが好ましい。
【0036】
また本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
(a)前記下部コア層の上に、下部磁極層と非磁性金属材料からなるギャップ層と上部磁極層を下から順に連続メッキ形成することによって、トラック幅規制部を所定の幅寸法で且つ記録媒体との対向面からハイト方向へ向けて所定の長さに形成し、前記トラック幅規制部のトラック幅方向端部を直線状にする工程と、
(b)前記トラック幅規制部のハイト側後方で、前記下部コア層上に、絶縁下地層を形成し、この絶縁下地層の上にコイル層を形成する工程と、
(c)前記コイル層を構成する各導体部のピッチ間に有機絶縁層を充填した後、前記トラック幅規制部前記コイル層および前記有機絶縁層を覆うようにして無機絶縁層を形成し、前記有機絶縁層と前記無機絶縁層とからなる下部コイル絶縁層を形成する工程と、
(d)前記無機絶縁層の上面を平坦化するとともに、トラック幅規制部の上面、前記コイル層の上面、前記コイル層の巻き中心部の上面とを互いに同一面とし、且つトラック幅規制部の上面と前記コイル層の上面と前記コイル層の巻き中心部の上面とを、前記下部コイル絶縁層の表面に露出させる工程と、
(e)前記露出したコイル層上に、上部コイル絶縁層を形成する工程と、
(f)前記上部コイル絶縁層の上に、第2のコイル層を形成し、このとき、前記コイル層の前記巻き中心部上に、第2のコイル層の巻き中心部を積層する工程と、
(g)前記トラック幅規制部の上から前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上に、上部コア層を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0037】
このように本発明では、まず最初に下部コア層上に、磁極層およびギャップ層から成るトラック幅規制部を、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法にて形成しているので、前記トラック幅規制部の後方には、図18および図19に示す絶縁層9は存在せず、従ってコイル層を、前記トラック幅規制部の後方の下部コア層上に、膜厚の薄い絶縁下地層を介して形成することができる。
【0038】
よって本発明では、下部コア層上から前記コイル層上を覆う上部コイル絶縁層上までの高さ寸法を小さくすることができ、短磁路化の実現によりインダクタンスの低減を図ることが可能である。
【0039】
また本発明における製造方法では、(d)工程後における前記トラック幅規制部の上面よりも高い位置まで、コイル層を絶縁下地層上にパターン形成し、その後前記トラック幅規制部上からコイル層上にかけて形成された下部コイル絶縁層を、CMP技術などを用いて削り、この際前記トラック幅規制部と前記コイル層の上面を露出させている。
【0040】
すなわち本発明の製造方法のように、下部コア層上に絶縁下地層を介してコイル層を形成する工程と、CMP技術などにより前記コイル層を覆う下部コイル絶縁層を研磨して、前記下部コイル絶縁層の上面を、トラック幅規制部の上面と同一面上に位置せしめる工程と、を含む場合に、本発明によれば、下部コア層上に絶縁下地層を介して形成されるコイル層の膜厚を最大限に大きくして形成することが可能である。このようにコイル層の膜厚を大きくできれば、コイル層の各導体部の幅寸法を小さくしても、コイル抵抗値の増大を招かないから、前記コイル層の幅寸法を小さくしてさらなる短磁路化を図ることが可能である。
【0041】
本発明では、前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましい。
また本発明では、前記コイル層を導電性材料層とその上に積層された導電性保護層とで構成し、
前記(d)工程で、前記導電性保護層を下部コイル絶縁層の表面に露出させることが好ましい。
【0042】
また前記導電性材料層を、Cuで形成し、前記導電性保護層を、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成することが好ましい。
【0047】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図2は図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図である。
【0048】
図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のインダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダクティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用ヘッド(MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0049】
図1及び図2に示す符号10は、例えばパーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層である。なお、前記下部コア層10の下側に再生用ヘッドが積層される場合、前記下部コア層10とは別個に、磁気抵抗効果素子をノイズから保護するシールド層を設けてもよいし、あるいは、前記シールド層を設けず、前記下部コア層10を、前記再生用ヘッドの上部シールド層として機能させてもよい。
【0050】
また図1に示すように、後述する下部磁極層11の基端から延びる下部コア層10の上面10aはトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に延びて形成されていてもよく、あるいは、前記上部コア層16から離れる方向に傾斜する傾斜面10b,10bが形成されていてもよい。前記下部コア層10の上面に傾斜面10b,10bが形成されることで、よりいっそうライトフリンジングを適切に防止することができる。
【0051】
図1に示すように、下部コア層10の上には、トラック幅Twで形成されたトラック幅規制部14が形成されている。前記トラック幅Twは、0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。これにより狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0052】
図1および図2に示す実施例では、前記トラック幅規制部14は、下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13の3層膜の積層構造で構成されている。以下、前記磁極層11、13およびギャップ層12について説明する。
【0053】
図1および図2に示すように、前記下部コア層10上には、トラック幅規制部14の最下層となる下部磁極層11がメッキ形成されている。前記下部磁極層11は、下部コア層10と磁気的に接続されており、前記下部磁極層11は、前記下部コア層10と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
【0054】
また図1及び図2に示すように、前記下部磁極層11上には、非磁性のギャップ層12が積層されている。
【0055】
本発明では、前記ギャップ層12は、非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層11上にメッキ形成されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、前記ギャップ層12は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
【0056】
次に前記ギャップ層12上には、後述する上部コア層16と磁気的に接続する上部磁極層13がメッキ形成されている。なお前記上部磁極層13は、上部コア層16と同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
【0057】
上記したようにギャップ層12が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層11、ギャップ層12および上部磁極層13を連続してメッキ形成することが可能になる。
【0059】
また上記したように、トラック幅規制部14を構成する下部磁極層11および上部磁極層13は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層と同じ材質でも異なる材質で形成されてもどちらでもよいが、記録密度を向上させるためには、ギャップ層12に対向する下部磁極層11および上部磁極層13は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層の飽和磁束密度よりも高い飽和磁束密度を有していることが好ましい。このように下部磁極層11および上部磁極層13が高い飽和磁束密度を有していることにより、ギャップ近傍に記録磁界を集中させ、記録密度を向上させることが可能になる。
【0060】
また図1に示すように、前記トラック幅規制部14の厚さ寸法はH4で形成されている。例えば一例として、下部磁極層11の膜厚は0.4μm程度、ギャップ層12の膜厚は0.2μm程度、上部磁極層13の膜厚は2μm程度である。
【0061】
また前記トラック幅規制部14は、図2に示すように、記録媒体との対向面(ABS面)からハイト方向(図示Y方向)にかけて長さ寸法L1で形成されている。
【0062】
前記長さ寸法L1は、ギャップデプスGdとして規制されており、前記ギャップデプスGdは、薄膜磁気ヘッドの電気特性に多大な影響を与えることから、予め所定の長さに設定される。
【0063】
ところで本発明では、図1に示すように下部コア層10上であって、トラック幅規制部14の両側には、下部コイル絶縁層15が記録媒体との対向面(ABS面)に露出している。この下部コイル絶縁層15は、トラック幅規制部14のハイト方向後方(図示Y方向)に形成されたコイル層17を構成する各導体部のピッチ間を埋めるために用いられるものであり、図18に示す薄膜磁気ヘッドの絶縁層9とは、異なる役割(機能)を有していることに留意すべきである。
【0064】
すなわち図18に示す記録媒体との対向面に露出する絶縁層9は、狭トラック化に対応するために用いられるものであり、前記絶縁層9には、記録媒体との対向面に、内幅寸法をトラック幅Twとして規定する溝部9aが形成されている。そして前記溝部9a内に、下部磁極層3、ギャップ層4および上部磁極層5がメッキ形成され、さらに図19に示すように、前記絶縁層9上にコイル層7がパターン形成されている。
【0065】
本発明では、図2に示すように前記コイル層17は、トラック幅規制部14のハイト側後方(図示Y方向)であって、前記トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記基準平面Aと同一面上に前記コイル層17の上面17bが位置している。
【0066】
本発明では図2に示すように、前記下部コア層10とコイル層17との間には、下部コア層・コイル層間の絶縁確保のための絶縁下地層18が形成されており、この絶縁下地層18は、例えば、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種からなる絶縁材料で形成されていることが好ましい。
【0067】
そして図2に示すように、前記下地絶縁層18上には、巻き中心部17aを中心として螺旋状にパターン形成された、例えばCuなどのコイル層17が形成されている。また図2に示すように前記コイル層17の各導体部のピッチ間は、下部コイル絶縁層15によって埋められ、この下部コイル絶縁層15は、前述したように記録媒体との対向面(ABS面)にまで露出して形成されている(図1参照)。
【0068】
また前記下部コイル絶縁層15の上面もまた、前記コイル層17の上面17bと同様に、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面(基準平面A)と同一面上で形成されており、前記下部コイル絶縁層15上面とコイル層17の上面17bとが連続した平坦化面となっている。
【0069】
また図1および図2に示す実施例の前記下部コイル絶縁層15は、無機材料で形成された無機絶縁層であり、前記無機材料には、Al23、SiO2、SiNから1種または2種以上が選択されることが好ましい。
【0070】
また他の形態としては、前記コイル層17の各導体部のピッチ間に、下部コア層10上から所定の高さまで有機材料で形成された有機絶縁層(図示しない)が充填され、前記有機絶縁層の上から、コイル層17の上面17bと同一面上まで無機材料製の下部コイル絶縁層15が形成されていてもよい。
【0071】
前記のように有機絶縁層を充填する理由は、図2に示すように、前記無機材料製の下部コイル絶縁層15のみで前記コイル層17の各導体部のピッチ間を埋めようとしても、スパッタの際にシャドー効果等により、前記コイル層17のピッチ間を下部コイル絶縁層15で適切に埋めることができず、前記下部コイル絶縁層15に空洞部が形成されやすいからである。
【0072】
このように前記下部コイル絶縁層15に空洞部が形成されると、前記空洞部に溜まったガスが、磁気ヘッド駆動の際の発熱により膨張するなどして、薄膜磁気ヘッドの形状を変形させるなどの悪影響を及ぼす可能性がある。
【0073】
よって、まずレジストなどの有機材料によってコイル層17の各導体部のピッチ間をある程度埋めてから、前記有機絶縁層上にスパッタ等により下部コイル絶縁層15を形成することが好ましい。
【0074】
図2に示すように、前記コイル層17上には、レジストやポリイミドなどの有機材料で形成された上部コイル絶縁層22が形成されており、前記上部コイル絶縁層22上に第2のコイル層23が螺旋状にパターン形成されている。前記第2のコイル層23の巻き中心部23aは、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面(基準平面A)と同一面上に形成されたコイル層17の巻き中心部17a上に直接磁気的に接続された状態になっている。
【0075】
図2に示すように、前記第2のコイル層23は、レジストやポリイミドなどの有機材料で形成された第2コイル絶縁層24によって覆われ、前記第2コイル絶縁層24上には、パーマロイなどの磁性材料で形成された上部コア層16がフレームメッキ法などにより形成されている。
【0076】
図2に示すように前記上部コア層16は、その先端部16aが、トラック幅規制部14上に接して形成されており、また基端部16bは、下部コア層10上に形成された磁性材料製の持ち上げ層(バックギャップ層)25上に磁気的に接続された状態となっている。なお前記持ち上げ層25は形成されていなくてもよく、この場合、前記上部コア層16の基端部16bが、下部コア層10上にまで延びて、下部コア層10上に直接磁気的に接続された状態となる。また図1に示すように前記上部コア層16の先端部16aの幅寸法T3は、トラック幅Twよりも大きく形成される。
【0077】
ところで本発明におけるインダクティブヘッドでは、コイルが2層の積層構造となっているが、コイルを2層の積層構造とした理由は、コイル層17の幅寸法T4を小さくして、上部コア層16の先端部16aから基端部16bまでの長さを短くすることで、下部コア層10から上部コア層16を経て形成される磁路長を短くし、インダクタンスの低減を図り、今後のさらなる高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することにある。例えば図2に示すように第1層目となるコイル層17を5ターンで形成し、第2のコイル層23を4ターンで形成した場合、前記コイル層17の幅寸法T4を20μm程度にまで小さくできることが確認されている。
【0078】
さらに本発明では図2に示すように、第1層目となるコイル層17が、トラック幅規制部14のハイト側後方であって、前記トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記コイル層17の上面17bを、前記基準平面Aと同一面上に位置せしめているので、下部コア層10上から第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24上までの高さを、従来の薄膜磁気ヘッド(図19参照)のコイル層を2層の積層構造にした場合に比べて小さくすることができる。
【0079】
従って本発明では、コイル層の幅寸法を小さくできると同時に、下部コア層10上から図示Z方向における高さ寸法をも小さくできるから、前記上部コア層16の先端部16aから基端部16bまでの長さを適切に小さくできて、さらなる短磁路化を実現でき、インダクタンスは低減され、今後の高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0080】
しかも本発明では、上記のようにコイル層17の上面17bが、前記基準平面Aと同一面上に位置するようにしているが、これにより前記コイル層17を構成する各導体部の厚さ寸法H5を大きくすることができる。
【0081】
図2に示す構造の薄膜磁気ヘッドであれば、前記コイル層17の上面17bを、前記基準平面Aよりも下部コア層10側に位置せしめることも可能であるが、本発明では、あえて前記上部コア層17の上面17bを、前記基準平面Aと同一面上にまで延ばして形成し、前記コイル層17の厚さ寸法H5を大きくしているのである。
【0082】
コイル抵抗値の増大を防止するには、前記コイル層の断面積をある一定値に保つことが必要であるが、本発明では上記のようにコイル層17の厚さ寸法H5を大きくできるから、その分だけ前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さくすることができ、前記上部コア層16の先端部16aから基端部16b間の前記コイル層17の幅寸法T4をさらに小さくすることができ、さらなる短磁路化によりインダクタンスの低減をより適切に図ることが可能である。
【0083】
しかも本発明における薄膜磁気ヘッドは、狭トラック化に対応することもできる。トラック幅規制部14のトラック幅Twの調整方法については、後の製造方法で詳述することとするが、本発明では、前述したように前記トラック幅規制部14のトラック幅Twを0.7μm以下、好ましくは0.5μm以下に形成することができ、この寸法は、レジストを露光現像した際の分解能の限界値以下の数値である。
【0084】
また本発明では、コイル層17の上面17bが、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に位置し、しかも前記コイル層17を構成する各導体部のピッチ間を埋める下部コイル絶縁層15の上面もまた前記基準平面Aと同一面上に形成されるので、前記基準平面Aからハイト方向にかけては、平坦化面が広がっており、従って前記平坦化面上に上部コイル絶縁層22を平坦化して形成しやすい。
【0085】
よって平坦化された前記上部コイル絶縁層22上に第2のコイル層23をパターン精度良く形成することが可能である。
【0086】
しかも図2に示すように基準平面Aからコイル層を覆う絶縁層の盛り上がりは、上部コイル絶縁層22と前記第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24の厚み分しかないので、基準平面Aと第2コイル絶縁層24との間の段差は小さく、よってトラック幅規制部14上から第2コイル絶縁層24上にかけて形成される上部コア層16を、パターン精度良く形成することが可能である。
【0087】
なお図2に示す実施例では、コイルを2層構造で形成しているが前記コイルを1層構造で形成してもよい。すなわち図2では、第1層目となるコイル層17のターン数と第2層目となる第2のコイル層23のターン数を合わせたターン数は9であるが、このターン数をコイル層17の1層で形成してもよい。
【0088】
なお1層のコイル層17のみとする場合には、前記コイル層17を覆う上部コイル絶縁層22上に上部コア層16がパターン形成されることになる。
【0089】
1層のコイル層17のみが形成される場合、上部コア層16の先端部16aから基端部16b間に形成されるコイル層17の幅寸法T4は長くなるので、コイルを2層の積層構造にした場合に比べて、磁路長が長くなり従ってインダクタンスは増大するが、図19に示すコイル層が1層で形成されたインダクティブヘッドの場合に比べれば、インダクタンスは低減される。
【0090】
すなわち本発明では前述したように、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aよりも上部コア層16の先端部16aが前記基準平面Aと同一面上に位置するようにしているのに対し、図19に示すインダクティブヘッドの場合では、コイル層7が、絶縁層9の上に形成され、上部磁極層5と上部コア層6との接合面を基準平面としたときに前記基準平面よりも前記コイル層7は上部コア層6側に形成されている。
【0091】
従って本発明の方が、図19に示すインダクティブヘッドの場合よりも下部コア層10上からコイル層17を覆う上部コイル絶縁層22上までの高さを小さくでき、よって上部コア層16の長さを短くできて短磁路化を実現でき、インダクタンスをより適切に低減させることが可能である。
【0092】
ところで本発明では、図2に示すように、コイル層17は、Cuなどから成る導電性材料層26と、その上に積層されたNiなどから成る導電性保護層27とで構成されることが好ましい。
【0093】
前記導電性材料層26がCuで形成されれば、コイル抵抗値を低くでき、また許容電流を大きくすることができる
【0094】
また前記導電性保護層27は、Niに限らず、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造の耐酸化性に優れた導電層であることが好ましい。
【0095】
そして本発明では図2に示すように、コイル層17を構成する導電性材料層26の上面を、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面(基準平面A)の高さ位置よりも若干低く形成し、前記基準平面Aと同一面上に、導電性保護層27を露出させている。その理由は、前記導電性材料層26を酸化から未然に防止することと、コイル層17の許容電流やコイル抵抗値を一定にすることにある。
【0096】
図2に示すように、前記コイル層17上には上部コイル絶縁層22が形成されるが、この上部コイル絶縁層22が形成されるまでの間に、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面と同一面上に形成されたコイル層17の上面17bは大気中に曝されることがあり、この際、前記コイル層17がCuなどの導電性材料層26単層で形成されていると、前記導電性材料層26の表面は酸化され、例えば図2に示す上部コイル絶縁層22との密着性や、あるいはコイル層17の巻き中心部17aと第2のコイル層23の巻き中心部23aとの密着性が悪化し、膜剥れなどが生じる。
【0097】
また上記した酸化層の形成は、インダクティブヘッドのコイル抵抗値を不安定化させ、記録特性を低下させる原因となる。
【0098】
このため本発明では、Cuなどで形成された導電性材料層26の上に、前記導電性材料層26を酸化から防止する例えばNiから成る導電性保護層27を設け、上部コイル絶縁層22を形成する際に露出するコイル層17を、前記導電性保護層27とすることで、前記導電性材料層26の酸化を適切に防止することが可能になっている。
【0099】
なお前記導電性保護層27の膜厚は0.1〜0.5μm程度であることが好ましい。なおNiなどで形成された導電性保護層27も大気に曝されると、酸化する虞があるが、前記導電性保護層27が、例えばNiで形成されている場合、前記導電性保護層27に形成される酸化層は、3.0nm程度であるので、上記のように導電性保護層27を0.1〜0.5μm程度の膜厚で形成すれば、前記酸化層をイオンミリング等で除去しても、直接前記イオンミリングの影響を導電性材料層26が受けることはなく、よって前記導電性材料層26の断面積の変化を防ぐことが可能である。
【0100】
なおコイル層が、導電性材料層と導電性保護層との積層構造となる構成は、第2のコイル層23にも適用可能である。
【0101】
また前記導電性材料層26と導電性保護層27は、連続してメッキ形成されることが好ましい。
【0102】
次に図3に示す薄膜磁気ヘッドは他の実施形態を示す部分断面図であり、図3に示す薄膜磁気ヘッドでは、Gd決め絶縁層28を設けている点で、図1に示す薄膜磁気ヘッドと異なるだけで、その他の構成は、図1に示す薄膜磁気ヘッドの構成と同じである。
【0103】
図3に示す薄膜磁気ヘッドにおいても、下部コア層10上の記録媒体との対向面(ABS面)からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法にて、トラック幅Twで形成されたトラック幅規制部14が形成されている。
【0104】
前記トラック幅規制部14には、下部コア層10と連続する下部磁極層11と上部コア層16と連続する上部磁極層13との少なくとも一方と、前記各磁性層の間を絶縁しまたはいずれか一方の前記コア層と前記いずれかの磁極層とを絶縁するギャップ層12とを有していれば、どのような膜構成であってもかまわない。また各磁極層11,13及びギャップ層12は、単層で形成されていてもよいし、多層で形成されていてもよい。なお図3に示す実施例では、上部磁極層13が2層構造で形成されている。
【0105】
図3に示すように、トラック幅規制部14の後方には絶縁材料製のGd決め絶縁層28が形成されている。
【0106】
この実施例では前記Gd決め絶縁層28の前端面から記録媒体との対向面(ABS面)までのギャップ層12の長さ寸法L2で、ギャップデプスGdが規制される。
【0107】
図3に示すようにGd決め絶縁層28は、その上面が丸みを帯びて形成され、下部コア層10から図示Z方向に向かうにつれて、前記Gd決め絶縁層28の前端面はハイト方向(図示Y方向)に傾いて形成されている。すなわち図示Z方向に向かうほど、前記Gd決め絶縁層28の前端面からABS面までの長さは長くなっている。
【0108】
本発明では図3に示すように、上部磁極層13が、ちょうど前記Gd決め絶縁層28の中腹付近から上面にかけて形成されており前記上部磁極層13の長さ寸法は、ギャップ層12や下部磁極層11に比べて長く形成されている。
【0109】
このように縦断面における上部磁極層13の長さを長く形成することで、前記上部磁極層13の体積をかせぐことができ磁気飽和を防止でき、磁気効率の向上を図ることが可能になる。
【0110】
また図3に示すように、前記トラック幅規制部14のハイト側後方(図示Y方向)であって、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に、コイル層17の上面17bが位置している。
【0111】
前記コイル層17は、下部コア層10上に、下部コア層・コイル層間の絶縁確保のための絶縁下地層18を介して形成されており、前記コイル層17を構成する各導体部のピッチ間は、下部コイル絶縁層15で埋められている。前記絶縁層15は、無機材料で形成されることが好ましく、前記無機材料には、前述したように、Al23、SiO2、SiNから1種または2種以上が選択される。
【0112】
なお下部コイル絶縁層15を構成する各導体部のピッチ間は、まずレジストなどの有機材料からなる絶縁層によってある程度埋められ、その上に無機材料からなる下部コイル絶縁層15が埋められていてもかまわない。
【0113】
図3に示す実施例においても前記下部コイル絶縁層15上に、上部コイル絶縁層22を介して第2のコイル層23が螺旋状にパターン形成されている。なおトラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記基準平面Aと同一面上に、コイル層17および下部コイル絶縁層15の上面が位置し、前記基準平面Aからハイト方向(図示Y方向)には、平坦化面が広がっているので、前記平坦化面上に、上部コイル絶縁層22を介して第2のコイル層23をパターン精度良く形成することができる。
【0114】
図3に示すように前記第2のコイル層23は、レジストやポリイミドなどの有機材料製の第2コイル絶縁層24で覆われ、前記第2コイル絶縁層24上には、上部コア層16がパターン形成されている。前記上部コア層16の先端部16aは、トラック幅規制部14上に接して形成され、さらに基端部16bは、下部コア層10上に形成された磁性材料製の持ち上げ層25上に接して形成されている。
【0115】
また前記コイル層17の巻き中心部17aの上面もまた、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に位置し、前記巻き中心部17a上に、第2のコイル層23の巻き中心部23aが電気的に接続された状態になっている。
【0116】
この実施例においても、コイルが2層の積層構造で形成され、しかも前記2層のうち第1層目となるコイル層17が、トラック幅規制部14のハイト側後方であって、前記トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一平面上にコイル層17の上面17bが位置するようになっている。
【0117】
このため前記コイル層17の幅寸法T4を小さくできると同時に、下部コア層10上から第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24上までの高さを小さくできる。従って、上部コア層16の先端部16aから基端部16bまでの長さ寸法を小さくでき、短磁路化によってインダクタンスの低減を図ることができる。
【0118】
特にコイル層17の上面17bを、基準平面Aと同一面上で形成することで、前記コイル層17の厚さ寸法を最大限に大きくすることができるから、その分だけ前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法を小さくでき、よって前記コイル層17の全体の幅寸法T4を小さくすることができる。
【0119】
このためさらに、下部コア層10から上部コア層16を経て形成される磁路長を短くすることができ、より適切にインダクタンスの低減を図ることができる。
【0120】
またこの実施例においても図2に示す薄膜磁気ヘッドと同様に狭トラック化に対応可能なものとなっている。
【0121】
さらに、トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面を基準平面Aとしたときに、前記基準平面Aから突出するコイル層を覆う絶縁層は、上部コイル絶縁層22と第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24の厚さ分しかないので、前記基準平面Aと第2コイル絶縁層24上面との間の段差を小さくでき、よって上部コア層16をパターン精度良く形成することができる。
【0122】
また前記コイル層17をCuなどからなる導電性材料層26とその上に積層された導電性保護層27とで構成し、前記導電性保護層27を、前記基準平面Aと同一面上で形成することで、前記導電性材料層26を酸化から防止し、前記コイル層の許容電流やコイル抵抗値を一定値に保つことが可能である。
【0123】
図4から図11は、図2に示す本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一連の製造工程図である。なおこの製造工程は、上部コア層16の先端部16aから基端部16bまでの製造方法を示し、前記基端部16bよりもハイト側における部分の製造方法を示していない。それについては次の図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法の際に説明することとする。
【0124】
まず図4では、下部コア層10上に、パーマロイなどの磁性材料からなる磁性下地膜30を形成し、その上にレジスト層31を塗布形成している。前記レジスト層31の厚さ寸法H7は、少なくとも図1に示す完成した薄膜磁気ヘッドにおけるトラック幅規制部14の厚さ寸法H4よりも厚く形成されていなければならない。
【0125】
次に前記レジスト層31に露光現像によって、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法であって、且つトラック幅方向(図示X方向)に所定の幅寸法で形成される溝31aを形成し、前記溝31a内に、トラック幅規制部14を形成する。
【0126】
図4に示すように前記トラック幅規制部14は、下から下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13で構成され、これら各層は、連続してメッキ形成されている。
【0127】
た各磁極層11,13およびギャップ層12は単層で形成されていてもよいし、多層で形成されていてもよい。
【0128】
また前記ギャップ層12を、前記磁極層11,13と共にメッキ形成することが好ましく、前記ギャップ層12を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0129】
また前記レジスト層31のハイト方向(図示Y方向)後端には、露光現像によって穴部31bを形成し、この穴部31b内に、磁性材料製の持ち上げ層25をメッキ形成する。
【0130】
図5に示す工程では前記レジスト層31を除去した状態を示しており、前記下部コア層10上には、ABS面付近にトラック幅規制部14が形成され、前記トラック幅規制部14からハイト方向に離れた位置に持ち上げ層25が形成されている。
【0131】
なお図5に示すトラック幅規制部14の両側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向(図示X方向)からイオンミリングで削り、前記トラック幅規制部14の幅寸法を小さくすることも可能である。このイオンミリングによって削られたトラック幅規制部14の幅寸法がトラック幅Twとして規定される。
【0132】
なお前記イオンミリングによって、下部磁極層11の基端から延びるトラック幅方向(図示X方向)の下部コア層10の上面も削れていき、図1に示すような傾斜面10b,10bが前記下部コア層10上面に形成される。
【0133】
次に図6に示す工程では、トラック幅規制部14上から下部コア層10上、さらには持ち上げ層25上からハイト方向にかけて、絶縁材料で形成された絶縁下地層18をスパッタ形成する。
【0134】
そして図6に示すように、前記絶縁下地層18上にコイル層17を螺旋状にパターン形成する。
【0135】
なおこのパターン形成の際、予め前記コイル層17の上面17bが、後の図8に示す工程の際におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置に形成しておく必要性がある。
【0136】
また本発明では図6に示すように、前記コイル層17を、Cuで形成された導電性材料層26と前記導電性材料層26の上に積層されたNi、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成される導電性保護層27とで構成することが好ましい。
【0137】
この場合本発明では、前記導電性材料層26を絶縁下地層18上に形成する際に前記導電性材料層26の上面が、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも低い位置となるように形成し、さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上に形成する際に、前記導電性保護層27の上面(上面17b)が、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置となるように形成することが好ましい。
【0138】
次に図7に示す工程では、コイル層17上を下部コイル絶縁層15により覆う。なおこの際、トラック幅規制部14上および持ち上げ層25上も前記下部コイル絶縁層15によって覆われる。
【0139】
なお本発明では前記下部コイル絶縁層15を無機材料によってスパッタ形成する。前記無機材料には、Al23、SiO2、SiNのうちから1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0140】
そして図7に示すように、前記下部コイル絶縁層15の上面をCMP技術などを利用してB−B線上まで削っていく。その状態を示すのが図8である。
【0141】
前記下部コイル絶縁層15がB−B線まで削られることにより、図8に示すように、トラック幅規制部14の上面14aが露出し、しかもこの上面14aと同一面上にコイル層17の上面17bまでもが露出した状態になる。
【0142】
このようにトラック幅規制部14の上面14aと同一面上にコイル層17の上面17bが露出する理由は、図6に示す工程で、コイル層17の上面17bを、図8工程後のトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置で形成しているからである。
【0143】
従って図7に示す工程で、下部コイル絶縁層15の上面を削っていくと、コイル層17の上面17bも削れていき、研磨工程を終了すると、前記トラック幅規制部14の上面14aと同一面上にコイル層17の上面17bを位置させることができる。
【0144】
ところで図6に示す工程で、コイル層17の高さ位置を、図8工程後のトラック幅規制部14の上面14aよりも低い位置で形成すれば、研磨工程後における図8では、前記コイル層17の上面17bは外部に露出せず、前記コイル層17は、下部コイル絶縁層15の内部に完全に埋められた状態になる。このようにコイル層17を下部コイル絶縁層15内に完全に埋めてしまえば、例えば次工程で第2のコイル層23を形成する際に、前記下部コイル絶縁層15上に直接、前記第2のコイル23を形成でき、図9に示すように、コイル層17と第2のコイル層23との電気的な絶縁を確保するために必要な上部コイル絶縁層22の形成が不必要になるという利点がある。
【0145】
しかしながら本発明ではあえて、前記コイル層17の高さを延ばしてコイル層17の上面17bを、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置せしめるように形成した理由は、前記コイル層17の厚さ寸法H5を最大限に大きくしようとしたからである。
【0146】
すなわち前記コイル層17の上面17bを、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上まで延ばして厚さ寸法H5を大きくできれば、その分だけ前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さくしても、前記コイル層17の断面積は大きくならないから前記コイル層の断面積に比例するコイル抵抗値が増大することはない。
【0147】
そして本発明では上記のように、前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さくできることで、トラック幅規制部14から持ち上げ層25間におけるコイル層17全体の幅寸法をより小さくすることが可能になる。コイル層17の幅寸法を小さくできれば、短磁路化を適切に実現することができる。
【0148】
また本発明では前述したように、コイル層17を、導電性材料層26とその上に積層された導電性保護層27とで構成し、図6に示す工程では、前記導電性材料層26を、図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも低い位置まで形成し、さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上に、図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置まで形成している。
【0149】
このためCMP法などにより下部コイル絶縁層15を削った状態における図8では、前記コイル層17のうち導電性保護層27が露出した状態になっている。なお図8の状態における前記導電性保護層27の膜厚は、0.1〜0.5μm程度であることが好ましい。
【0150】
このように前記導電性保護層27を露出させる理由は、前記コイル層17を構成する導電性材料層26を酸化から防止するためである。なお露出した前記導電性保護層27は、大気に曝されることによりその表面は酸化されるが、前記酸化層は3.0nm程度と非常に薄い。このためイオンミリング法などにより前記導電性保護層27の酸化層を削っても、前記導電性保護層27の膜厚は0.1〜0.5μm程度であることから、前記イオンミリングの影響を導電性材料層26が受けることはなく、前記導電性材料層26の体積を変化させることがない。従って前記コイル層17のコイル抵抗値や許容電流を一定値に保つことが可能である。
【0151】
次に図9に示すように、前記コイル層17上および下部コイル絶縁層15上に、上部コイル絶縁層22を形成する。この上部コイル絶縁層22は、例えばレジストやポリイミドなどの有機材料で形成される。
【0152】
本発明では、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に、コイル層17の上面17bおよび下部コイル絶縁層15の上面が位置し、前記トラック幅規制部14の上面14aからハイト方向(図示Y方向)にかけて、平坦化された面が広がっており、前記平坦化面上に上部コイル絶縁層22を形成することができるので、前記上部コイル絶縁層22の上面を平坦化して形成することができ、さらに前記上部コイル絶縁層22上に形成される第2のコイル層23をパターン精度良く形成することができる。
【0153】
なお前記第2のコイル層23をパターン精度良く形成できることで、前記第2のコイル層23を構成する各導体部のピッチ間の距離を小さくすることができるから、実質的に前記第2のコイル層23の幅寸法を小さくすることができる。
【0154】
なお前記第2のコイル層23を、コイル層17と同様に、Cuで形成された導電性材料層26と、前記導電性材料層26上に積層される、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成された導電性保護層27とで構成してもよい。
【0155】
さらに図11に示す工程では、前記第2コイル絶縁層24上に上部コア層16を、フレームメッキ法などの既存の方法でパターン形成する。図10に示すように前記上部コア層16は、その先端部16aにてトラック幅規制部14上に接して形成され、また基端部16bにて下部コア層10上に形成された持ち上げ層25上に磁気的に接して形成される。
【0156】
次に図12ないし図17に示す一連の工程図を用いて、図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法について以下に説明する。
【0157】
まず図12では、下部コア層10上に、パーマロイなどの磁性材料で形成された磁性下地層30を形成し、さらに前記磁性下地層30上の所定部分に、レジストなどで形成されるGd決め絶縁層28を形成する。
【0158】
例えば前記Gd決め絶縁層28は、レジスト層を矩形上に形成した後、ポストベーク(熱処理)することで、前記レジスト層にだれを生じさせ、図12に示すように、前記レジスト層で形成されたGd決め絶縁層28の前端面28aに下部コア層10から図示Z方向に向かうに従って徐々にハイト方向(図示Y方向)に傾斜する面を形成する。なお前記Gd決め絶縁層28の前端面28aから記録媒体との対向面(ABS面)までのギャップ層12が形成されるべき部分の長さ寸法L2で、ギャップデプスGdが決定される。
【0159】
次に図4に示す工程と同様に、前記下部コア層10上にレジスト層31を塗布形成し、さらに前記レジスト層31に、露光現像によって、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法であって、且つトラック幅方向(図示X方向)に所定の幅寸法で形成される溝31aを形成し、前記溝31a内に、トラック幅規制部14を形成する。
【0160】
前記トラック幅規制部14は、下から下部磁極層11、ギャップ層12、および上部磁極層13で構成され、これら各層は、連続してメッキ形成されている。
【0161】
なお前記溝31a内に形成されるトラック幅規制部14の膜構成は、上記3層の構成に限られない。すなわち、前記トラック幅規制部14は、下部コア層10と連続する下部磁極層11及び/または上部コア層と連続する上部磁極層13、ならびに前記一方のコア層とこれに対向する前記一方の磁極層または両磁極層の間に位置するギャップ層12で構成されれば、どのような膜構成であってもかまわない。
【0162】
その状態を示すのが図13である。図13では下部コア層10上には、ABS面付近にトラック幅規制部14が形成され、前記トラック幅規制部14からハイト方向に離れた位置に持ち上げ層25が形成されている。
【0163】
なお図12に示すトラック幅規制部14の両側面(図示X方向における側面)を、トラック幅方向(図示X方向)からイオンミリングで削り、前記トラック幅規制部14の幅寸法を小さくすることも可能である。このイオンミリングによって削られたトラック幅規制部14の幅寸法がトラック幅Twとして規定される。
【0164】
なお前記イオンミリングによって、下部磁極層11の基端から延びるトラック幅方向(図示X方向)の下部コア層10の上面も削れていき、図1に示すような傾斜面10b,10bが前記下部コア層10上面に形成される。
【0165】
次に図14に示す工程では、まずトラック幅規制部14上から下部コア層10上、さらには持ち上げ層25上からハイト方向にかけて、絶縁材料で形成された絶縁下地層18をスパッタ形成する。
【0166】
そして図14に示すように、コイル層17の巻き中心部17aを形成し、前記巻き中心部17aを中心として、コイル層17を螺旋状にパターン形成する。
【0167】
なお本発明では、前記コイル層17をパターン形成する際、前記コイル層17をその上面17bが、後の図15に示す工程の際におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高く位置するように形成する。
【0168】
また本発明では図14に示すように、前記コイル層17を、Cuで形成された導電性材料層26と前記導電性材料層26の上に積層されたNi、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成される導電性保護層27とで構成することが好ましい。
【0169】
この場合本発明では、前記導電性材料層26を絶縁下地層18上に、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも低い位置まで形成し、さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上に、後の図8工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置まで形成することが好ましい。
【0170】
次にコイル層17上を下部コイル絶縁層15により覆う。なおこの際、トラック幅規制部14上および持ち上げ層25上も前記下部コイル絶縁層15によって覆われる。
【0171】
なお本発明では前記下部コイル絶縁層15を無機材料によってスパッタ形成する。前記無機材料には、Al23、Al23、SiNのうちから1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0172】
そして図14に示すように、前記下部コイル絶縁層15の上面をCMP技術などを利用してB−B線上まで削っていく。その状態を示すのが図15である。
【0173】
前記下部コイル絶縁層15がB−B線まで削られることにより(図14参照)、図15に示すように、トラック幅規制部14の上面14aが露出し、しかもこの上面14aと同一面上にコイル層17の上面17bまでもが露出した状態になる。
【0174】
また前記コイル層17の上面17bを、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置するように形成したことで、前記コイル層17の厚さ寸法H5を最大限に大きくすることができる。
【0175】
また前記コイル層17の厚さ寸法H5を大きくできることで、その分前記コイル層17を構成する各導体部の幅寸法T5を小さくしても、コイル抵抗値の増大を招く虞はなく、よって本発明ではトラック幅規制部14から持ち上げ層25間に形成される前記コイル層17全体の幅寸法を小さくすることが可能である。
【0176】
また本発明では前述したように、コイル層17を、導電性材料層26とその上に積層された導電性保護層27とで構成し、図14に示す工程では、前記導電性材料層26を、図15工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも低い位置まで形成し、さらに前記導電性保護層27を導電性材料層26上に、図15工程におけるトラック幅規制部14の上面14aよりも高い位置まで形成している。
【0177】
このためCMP法などにより下部コイル絶縁層15を削った状態における図15では、前記コイル層17のうち導電性保護層27が露出した状態になっている。なお図15の状態における前記導電性保護層27の膜厚は、0.1〜0.5μm程度であることが好ましい。
【0178】
このように前記導電性保護層27を露出させる理由は、前記コイル層17を構成する導電性材料層26を酸化から防止するためである。なお露出した前記導電性保護層27は、大気に曝されることによりその表面は、酸化されるが前記酸化層は3.0nm程度と非常に薄い。このためイオンミリング法などにより前記導電性保護層27の酸化層を削っても、前記導電性保護層27の膜厚は0.1〜0.5μm程度であることから、前記イオンミリングの影響を導電性材料層26が受けることはなく、前記導電性材料層26の体積を変化させることがない。従って前記コイル層17のコイル抵抗値や許容電流を一定値に保つことが可能である。
【0179】
また図15に示すように、コイル層17の巻き中心部17aの上面17bも、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置し、前記巻き中心部17aの上面17bは外部に露出した状態にされる。
【0180】
次に図16に示すように、前記コイル層17上および下部コイル絶縁層15上に、上部コイル絶縁層22を形成する。この上部コイル絶縁層22は、例えばレジストやポリイミドなどの有機材料で形成される。
【0181】
本発明では、トラック幅規制部14の上面14aと同一面上に、コイル層17の上面17bおよび下部コイル絶縁層15の上面が位置し、前記トラック幅規制部14の上面14aからハイト方向(図示Y方向)にかけて、平坦化された面が広がっており、前記平坦化面上に上部コイル絶縁層22を形成することができるので、前記上部コイル絶縁層22の上面を平坦化して形成することができ、さらに前記上部コイル絶縁層22上に形成される第2のコイル層23をパターン精度良く形成することができる。
【0182】
なお前記第2のコイル層23をパターン精度良く形成できることで、前記第2のコイル層23を構成する各導体部のピッチ間の距離を小さくすることができるから、実質的に前記第2のコイル層23の幅寸法を小さくすることができる。
【0183】
なお前記第2のコイル層23を、コイル層17と同様に、Cuで形成された導電性材料層26と、前記導電性材料層26上に積層される、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成された導電性保護層27とで構成してもよい。
【0184】
また本発明では、第2のコイル層23の巻き中心部23aを、コイル層17の巻き中心部17a上に直接、電気的に接続させることが可能である。
【0185】
仮に前記巻き中心部17aが、下部コイル絶縁層15の内部に埋められて形成され、前記巻き中心部17aが外部に露出しない場合には、前記巻き中心部17a上を覆う下部コイル絶縁層15をエッチング等により削って穴部を形成する必要性がある。
【0186】
しかしながら本発明では、前述したようにコイル層17の巻き中心部17aは、その上面17bがトラック幅規制部14の上面14aと同一面上に位置し、前記巻き中心部17aは外部に露出した状態にされるから、前記第2のコイル層23をパターン形成する際に、前記第2のコイル層23の巻き中心部23aを、コイル層17の巻き中心部17a上に直接積層することができ、製造工程を簡略化することが可能になる。
【0187】
次に図17に示す工程では、前記第2のコイル層23を、例えばレジストやポリイミドなどの有機絶縁材料から形成された第2コイル絶縁層24で覆い、さらに前記第2コイル絶縁層24上に上部コア層16を、フレームメッキ法などの既存の方法でパターン形成する。図17に示すように前記上部コア層16は、その先端部16aにてトラック幅規制部14上に接して形成され、また基端部16bにて下部コア層10上に形成された持ち上げ層25上に磁気的に接して形成される。
【0188】
以上、図2および図3に示す本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明したが、本発明では、上記のようにまず下部コア層10上にレジスト層31を用いてトラック幅規制部14を形成しているので、後の工程でコイル層17を形成する際に、前記コイル層17を形成すべき下部コア層10上には何も形成されていない状態になっている。
【0189】
このため本発明では、前記コイル層17を下部コア層10上に、薄い膜厚の絶縁下地層18を介して形成することができ、前記コイル層17の上面17bを、トラック幅規制部14よりもハイト側後方であって、前記トラック幅規制部14の上面14aを基準平面Aとしたときに前記基準平面Aと同一面上に位置せしめることができる。
【0190】
従って本発明のようにコイルを2層の積層構造で形成すれば、前記コイル層の幅寸法を小さくできると同時に、下部コア層10上から第2のコイル層23を覆う第2コイル絶縁層24上までの高さを小さくでき、適切に短磁路化を図ることができる。
【0191】
特に本発明では、コイル層17の上面17bを、トラック幅規制部14の上面14aと同一の高さ位置まで形成している。すなわち、図4ないし図11および図12ないし17に示す製造方法を用いた場合に、本発明では、第1層目となるコイル層17の高さを最大限に大きく形成し、前記コイル層17の高さをかせぐ代わりに前記コイル層17の幅寸法を小さくしているのである。
【0192】
このようにコイル層17の幅寸法をより小さく形成することで、さらに短磁路化を実現でき、より適切にインダクタンスの低減を図ることができる。
【0193】
また本発明では、コイル層17の巻き中心部17aをも、トラック幅規制部14の上面14aと同一の高さ位置まで形成し、前記巻き中心部17aを外部に露出させているから、第2のコイル層23の巻き中心部23aを、前記コイル層17の巻き中心部17a上に直接積層することができ、製造工程を簡略化することができる。
【0194】
またトラック幅規制部14の上面14aを基準平面Aとしたときの、前記コイル層の盛り上がりはそれほど大きくは成らず、従って本発明では、磁路長を短くしてインダクタンスの低減を図ると同時に、上部コア層16をパターン精度良く形成することができる。
【0195】
なお本発明では、コイルを1層構造で形成してもよい。この場合、コイル層17を所定のターン数で形成した後、図9または図17に示す上部コイル絶縁層22を形成した次に、上部コア層16を形成すれば、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0196】
また本発明では、図5および図13に示す工程で、下部コア層10上に形成されたトラック幅規制部14のトラック幅方向の両側端面を、イオンミリング法によって削ることも可能である。従って本発明では、前記トラック幅規制部14の幅寸法(=トラック幅Tw)を小さく形成して、狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。なお前記トラック幅規制部14のトラック幅Twを、具体的には0.7μm以下で形成することが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
【0197】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、コイル層を、トラック幅規制部よりもハイト方向後方であって、前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上にコイル層の上面を形成しているので、下部コア層上から前記コイル層を覆う絶縁層上までの高さ寸法を小さくでき、磁路長を短くしてインダクタンスの低減を図ると同時に、上部コア層をパターン精度良く形成することが可能になる。
【0198】
また本発明では前記コイル層の上面を前記基準平面と同一面上にまで形成することにより、前記コイル層の厚さを大きくできるので、前記コイル層を構成する各導体部の幅寸法を小さくすることができ、よって前記コイル層全体の幅寸法を小さくできる。従って本発明によれば、より単磁路化を実現でき、さらなるインダクタンスの低減を図ることができる。
【0199】
また本発明では、前記コイル層を2層の積層構造とすることが好ましく、2層の積層構造とすることで、さらにコイル層の幅寸法を小さくでき、より磁路長を短くできてインダクタンスを低減させることができる。
【0200】
また2層の積層構造にした場合であっても、1層目のコイル層の上面は、前記のように前記トラック幅規制部の表面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上に形成されるので、下部コア層上から第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上までの高さ寸法を小さくでき、より磁路長を短くできると同時に、前記基準平面からコイル層を覆う絶縁層の盛り上がりはそれほど大きくはならず、上部コア層をパターン精度良く形成することができる。
【0201】
さらに本発明における薄膜磁気ヘッドでは、トラック幅規制部のトラック幅Twを狭トラック化に対応可能に形成でき、このように本発明では、高記録密度化と同時に、インダクタンスの低減によって高記録周波数化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図2】図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図3】本発明における他の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分断面図、
【図4】本発明の図2に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図5】図4に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図6】図5に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図7】図6に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図8】図7に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図9】図8に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図10】図9に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図11】図10に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図12】本発明の図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図13】図12に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図15】図14に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図19】図18に示す19−19線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【符号の説明】
10 下部コア層
11 下部磁極層
12 ギャップ層
13 上部磁極層
14 トラック幅規制部
15 下部コイル絶縁層
16 上部コア層
17 コイル層
18 絶縁下地層
23 第2のコイル層
24 第2コイル絶縁層
26 導電性材料層
27 導電性保護層
31 レジスト層
A 基準平面(トラック幅規制部14と上部コア層16との接合面)

Claims (8)

  1. 下部コア層と、上部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層と上部コア層との間に位置し且つトラック幅方向の寸法が規制されたトラック幅規制部とを有し、
    前記トラック幅規制部は、下部コア層と連続する下部磁極層と、非磁性金属材料からなるギャップ層と、上部コア層と連続する上部磁極層が下から順に連続メッキ形成されたものであって、前記トラック幅規制部のトラック幅方向端部は直線状に形成され、
    記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層が、前記トラック幅規制部のハイト方向の後方に位置し、
    記コイル層を構成する各導体部のピッチ間が、有機絶縁層の上に無機絶縁層が重ねられた下部コイル絶縁層によって埋められ、
    前記トラック幅規制部と上部コア層との接合面を基準平面としたときに、この基準平面と、前記コイル層の上面と、前記無機絶縁層の上面とが同一面上に位置し、さらに前記コイル層上には上部コイル絶縁層が形成され、
    前記上部コイル絶縁層上には、第2のコイル層が形成され、前記コイル層の巻き中心部の上面は前記基準平面と同一面上に位置し、前記巻き中心部上に、前記第2のコイル層の巻き中心部が電気的に接続されており、
    前記上部コア層は、トラック幅規制部上から前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上にかけて形成され、さらに前記上部コア層の基端部が下部コア層上に磁気的に接続されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記ギャップ層を形成する前記非磁性金属材料は、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものである請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記コイル層は、導電性材料層とその上に積層された導電性保護層とで構成され、前記保護層が、前記基準平面と同一面上に現れている請求項1または2記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記導電性材料層は、Cuからなる非磁性導電層であり、前記導電性保護層は、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造の非磁性導電層である請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. (a)前記下部コア層の上に、下部磁極層と非磁性金属材料からなるギャップ層と上部磁極層を下から順に連続メッキ形成することによって、トラック幅規制部を所定の幅寸法で且つ記録媒体との対向面からハイト方向へ向けて所定の長さに形成し、前記トラック幅規制部のトラック幅方向端部を直線状にする工程と、
    (b)前記トラック幅規制部のハイト側後方で、前記下部コア層上に、絶縁下地層を形成し、この絶縁下地層の上にコイル層を形成する工程と、
    (c)前記コイル層を構成する各導体部のピッチ間に有機絶縁層を充填した後、前記トラック幅規制部前記コイル層および前記有機絶縁層を覆うようにして無機絶縁層を形成し、前記有機絶縁層と前記無機絶縁層とからなる下部コイル絶縁層を形成する工程と、
    (d)前記無機絶縁層の上面を平坦化するとともに、トラック幅規制部の上面、前記コイル層の上面、前記コイル層の巻き中心部の上面とを互いに同一面とし、且つトラック幅規制部の上面と前記コイル層の上面と前記コイル層の巻き中心部の上面とを、前記下部コイル絶縁層の表面に露出させる工程と、
    (e)前記露出したコイル層上に、上部コイル絶縁層を形成する工程と、
    (f)前記上部コイル絶縁層の上に、第2のコイル層を形成し、このとき、前記コイル層の前記巻き中心部上に、第2のコイル層の巻き中心部を積層する工程と、
    (g)前記トラック幅規制部の上から前記第2のコイル層を覆う第2コイル絶縁層上に、上部コア層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記ギャップ層を形成するメッキ形成可能な前記非磁性金属材料には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択する請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記コイル層を導電性材料層とその上に積層された導電性保護層とで構成し、
    前記(d)工程で、前記導電性保護層を下部コイル絶縁層の表面に露出させる請求項または記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  8. 前記導電性材料層を、Cuで形成し、前記導電性保護層を、Ni、P、Pd、Pt、B、AuまたはWから選ばれる1種または2種以上の元素を含む単層構造または多層構造で形成する請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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