JP3593497B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3593497B2
JP3593497B2 JP2000340279A JP2000340279A JP3593497B2 JP 3593497 B2 JP3593497 B2 JP 3593497B2 JP 2000340279 A JP2000340279 A JP 2000340279A JP 2000340279 A JP2000340279 A JP 2000340279A JP 3593497 B2 JP3593497 B2 JP 3593497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
coil
contact portion
plating
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000340279A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002150509A (ja
Inventor
亨 高橋
久幸 矢澤
潔 小林
英紀 牛膓
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2000340279A priority Critical patent/JP3593497B2/ja
Priority to US10/008,019 priority patent/US6894870B2/en
Publication of JP2002150509A publication Critical patent/JP2002150509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3593497B2 publication Critical patent/JP3593497B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/313Disposition of layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • G11B5/3967Composite structural arrangements of transducers, e.g. inductive write and magnetoresistive read
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • Y10T29/49021Magnetic recording reproducing transducer [e.g., tape head, core, etc.]
    • Y10T29/49032Fabricating head structure or component thereof
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • Y10T29/49021Magnetic recording reproducing transducer [e.g., tape head, core, etc.]
    • Y10T29/49032Fabricating head structure or component thereof
    • Y10T29/49036Fabricating head structure or component thereof including measuring or testing
    • Y10T29/49043Depositing magnetic layer or coating
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • Y10T29/49021Magnetic recording reproducing transducer [e.g., tape head, core, etc.]
    • Y10T29/49032Fabricating head structure or component thereof
    • Y10T29/4906Providing winding

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア層間に2層のコイル層が形成された薄膜磁気ヘッドに係わり、特に前記コイル層の直流抵抗値の安定性を向上させることができ、また前記2層のコイル層間の導通性を良好に保つことが可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスク装置などに搭載される磁気ヘッド装置には、スライダのトレーリング側端面に、例えば再生用のMRヘッドと記録用のインダクティブヘッドとを有する薄膜磁気ヘッドが形成されている。
【0003】
前記インダクティブヘッドは、磁性材料で形成された下部コア層と上部コア層と、両コア層に記録磁界を誘導するコイル層が設けられて成り、記録媒体との対向面では、ギャップ層を介して両コア層からの漏れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0004】
ところで今後の高記録密度化に伴い、狭トラック化に対応すべく薄膜磁気ヘッドの構造は幾度となく改良が施されている。図24に示す薄膜磁気ヘッドは、その一例であり、図24では、薄膜磁気ヘッドを縦断面図で示している。
【0005】
符号1は、パーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であり、記録媒体との対向面には、下から下部磁極層2、ギャップ層4及び上部磁極層5の3層膜で構成される磁極部6が形成されている。なお図24に示すように、前記下部コア層1と磁極部6との間には、記録媒体との対向面からハイト方向へ後退した位置にGd決め絶縁層10が形成されている。
【0006】
図24に示すように前記下部コア層1上にはコイル絶縁下地層11が形成され、その上に第1のコイル層12が形成されている。前記第1のコイル層12の上面は、前記上部磁極層5の上面を基準平面Aとしたときに、前記基準平面Aよりも図示下側に位置し、さらに前記第1のコイル層12の上面にはコイル絶縁層15が形成され、前記コイル絶縁層15の上面が前記基準平面Aと同一面となっている。
【0007】
図24に示すように、前記第1のコイル層12の巻き中心部12aは、前記下部コア層1上に形成された磁性材料製のバックギャップ層13よりもハイト方向(図示Y方向)後方に形成されている。
【0008】
また前記巻き中心部12aの下には、コイル絶縁下地層11を介して持上げ層14が形成されている。前記持上げ層14の存在により前記巻き中心部12aの上面12bは、前記第1のコイル層12の各導体部の上面よりも高い位置に形成される。そして図24に示すように前記巻き中心部12aの上面12bは、前記基準平面Aと同一面上に形成され、コイル絶縁層15の上面から露出している。
【0009】
この薄膜磁気ヘッドでは、前記コイル絶縁層15上に第2のコイル層16が巻回形成されている。図24に示すように前記第2のコイル層16の巻き中心部16aは、コイル絶縁層15上面に露出した第1のコイル層12の巻き中心部12a上に直接、導通接続される。
【0010】
また図24に示すように、前記第2のコイル層16上は有機絶縁材料で形成された絶縁層17によって覆われている。さらに前記上部磁極層5の上面から前記絶縁層17上面及びバックギャップ層13上面にかけて上部コア層18が例えばフレームメッキ法などによって形成されている。
【0011】
上記したように図24に示す薄膜磁気ヘッドは、狭トラック化に対応可能な構造となっているが、さらにコイル層が2層構造とされることで、磁極部6からバックギャップ層13間に形成される前記第1のコイル層12の幅寸法を、前記コイル層を1層構造とする場合に比べて短くできる。このため前記上部コア層18の先端部18aから基端部18bまでの長さを短く形成でき、上部コア層18から下部コア層1を経る磁路長の短磁路化によりインダクティブヘッドのインダクタンスを低減させることが可能になっている。
【0012】
図25から図27は、下部コア層1上に形成される持上げ層14及び前記持上げ層14上に形成される第1のコイル層12の巻き中心部12aの形成方法を示す一工程図である。
【0013】
図25では、下部コア層1上にレジスト材料を塗布し、熱処理を施し硬化させて持上げ層14を形成する。また下部コア層1上から前記持上げ層14上にかけてコイル絶縁下地層11を形成する。さらに前記コイル絶縁層下地層11上にメッキ下地層21を形成する。
【0014】
次に図26では、前記コイル絶縁下地層11上にレジスト層19を形成し、露光現像によって前記持上げ層14上の前記レジスト層19に、第1のコイル層12の巻き中心部12a形成のための抜きパターン20を形成する。
【0015】
そして前記抜きパターン20内に第1のコイル層12の巻き中心部12aをメッキ形成する。
【0016】
図27では、前記レジスト層19を除去した後、前記巻き中心部12aの下に形成されたメッキ下地層21以外の前記メッキ下地層21を除去し、その後、前記コイル絶縁下地層11上から前記巻き中心部12a上にかけてアルミナなどのコイル絶縁層15を形成し、CMP技術などを用いて前記コイル絶縁層15の上面を研磨する。このとき図24に示す基準平面Aと同一面となる例えばB−B線まで前記コイル絶縁層15を研磨し、前記コイル絶縁層15の上面から前記第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面を露出させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記持上げ層14上に第1のコイル層12の巻き中心部12aを形成し、前記巻き中心部12aと第2のコイル層16の巻き中心部16aとを導通接続させる構造では、次のような課題があった。
【0018】
まず図27に示す研磨工程において、前記第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面12bの露出面積は一定の大きさで形成され難い。
【0019】
図26の工程に示すように前記持上げ層14の上面14aは、硬化のための熱処理の影響を受けてだれて丸みを帯びる。このため前記持上げ層14上にメッキ形成される前記第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面12bも前記持上げ層14の上面14aの形状に追従して丸みを帯びて形成されてしまう。
【0020】
このように前記巻き中心部12aの上面12bが平坦化面とされず曲面状で形成されると、図27の工程時に、前記巻き中心部12aの上面12bをどこまで研磨するかによって、前記コイル絶縁層15の上面から露出する前記巻き中心部12aの上面12bの露出面積は変動してしまう。ここで前記研磨量は、図24に示す基準平面Aとコイル絶縁層15の上面とが同一平面となる位置で決定される。
【0021】
このため図27に示す工程において、例えばB−B線までコイル絶縁層15を削って前記基準平面Aとの同一面化を図る場合と、C−C線までコイル絶縁層15を削って前記基準平面Aとの同一面化を図る場合とでは、前記コイル絶縁層15の上面から露出する前記巻き中心部12aの上面12bの露出面積は異なってしまう。よって持上げ層14上に第1のコイル層12の巻き中心部12aを形成する構造では、第2のコイル層16の巻き中心部16aと第1のコイル層12の巻き中心部12aとの接触面積が製品毎で異なりやすく、このため直流抵抗値が変動し、品質を一定に保つことができない。
【0022】
さらに図27に示すC−C線で切断した場合のように、前記第1のコイル層12の巻き中心部12aと前記第2のコイル層16の巻き中心部16aとの接触面積が極端に小さくなる場合には、前記巻き中心部間の導通性が低下する。
【0023】
また上記の製造方法では、図27に示す工程において、前記巻き中心部12aの高さは研磨量によって変化し、これによって直流抵抗値は変動する。このため研磨された後に全製品の巻き中心部12aの高さが一定となるように、持上げ層14の膜厚を一定の大きさに設定する必要性がある。しかし前記持上げ層14の膜厚は、硬化のための熱処理条件などによって変化しやすく、前記持上げ層14の膜厚を一定値に設定することは難しい。このため前記持上げ層14の膜厚の変動により、その上に形成される巻き中心部12aの高さ寸法も変動し、製品毎に巻き中心部12aの高さ寸法がばらつきやすく、一定の直流抵抗値を有する製品を製造しにくい。
【0024】
また図28に示すように、レジスト層19の露光現像の際に、抜きパターン20の形成位置が、持上げ層14の真上ではなくずれて形成された場合、前記抜きパターン20内に形成される第1のコイル層12の巻き中心部12aの形状は前記抜きパターン20の形成位置によって変わってしまう。このため製品毎に、前記第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面12bの露出面積や前記巻き中心部12aの高さ寸法が変動し、直流抵抗値の安定化を図ることができない。
【0025】
このように持上げ層14上に第1のコイル層12の巻き中心部12aを形成し、前記巻き中心部12a上に第2のコイル層16の巻き中心部16aを導通接続させる構造では、安定した直流抵抗値を得ることはできず、また良好な導通性も図りにくいといった課題があった。
【0026】
なお上記した直流抵抗値の変動や導通不良の問題は、外部接続用端子の下に形成されるバンプとリード層間でも起こりやすい。
【0027】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に第1のコイル層の巻き中心部と第2のコイル層の巻き中心部間にコンタクト部をメッキ形成することで、直流抵抗値を安定化でき、しかも導通性を良好にできる薄膜磁気ヘッドを提供することを目的としている。
【0028】
さらに本発明は、前記コンタクト部の形成を容易にしかも少ない製造工程数でメッキ形成できるとともに、例えばMRヘッドの電極リード層とバンプ間の導通接続なども前記コイル層間の導通接続と同じ工程時に行うことができ、製造工程を簡略化できる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的としている。
【0054】
【課題を解決するための手段】
発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a)下部コア層上に、少なくとも非磁性のギャップ層と上部磁極層とを有する磁極部を記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法で形成する工程と、
(b)前記磁極部のハイト方向後方に、前記下部コア層上にコイル絶縁下地層を形成し、前記コイル絶縁下地層上に前記磁極部の上面よりも低い高さで第1のコイル層をメッキ形成すると同時に、前記第1のコイル層とは離れた位置に第1のコイルリード層をメッキ形成する工程と、
(c)前記第1のコイル層上及び前記第1のコイルリード層上をレジスト層で覆い、このとき前記第1のコイル層の巻き中心部上に露光現像によって第1のコンタクト部を形成するための抜きパターンを形成すると同時に、前記第1のコイルリード層のコイル接続端部上に露光現像によって第2のコンタクト部をメッキ形成するための抜きパターンを形成する工程と、
(d)前記第1のコンタクト部を形成するための抜きパターン内に前記第1のコンタクト部をメッキ形成すると同時に、前記第2のコンタクト部をメッキ形成するための抜きパターン内に前記第2のコンタクト部をメッキ形成する工程と、
(e)前記レジスト層を除去し、前記第1のコイル層上及び前記第1のコンタクト部上、さらには前記第1のコイルリード層上及び第2のコンタクト部上にコイル絶縁層を形成する工程と、
(f)前記コイル絶縁層の上面を前記磁極部の上面と同一面となるように平坦化し、このとき前記絶縁層の上面に前記第1のコンタクト部及び第2のコンタクト部の上面を露出させる工程と、
(g)前記コイル絶縁層上に第2のコイル層をメッキ形成し、このとき前記第2のコイル層の巻き中心部を前記第1のコンタクト部上に導通接続させると同時に、第2のコイル層の巻き終端部を、前記第2のコンタクト部の上面と導通接続させる工程と、
(h)前記上部磁極層上から前記第2のコイル層上に形成された絶縁層上にかけて上部コア層を形成する工程。
本発明では、上記のようにレジストを用いることで容易に第1のコイル層の巻き中心部上に第1のコンタクト部をメッキ形成できる。また本発明では、前記第1のコンタクト部を第1のコイル層上に直接メッキ形成するから、前記第1のコンタクト部の形成時にメッキ下地層は必要ないなど少ない製造工程数で前記第1のコンタクト部をメッキ形成することができる。
【0055】
また本発明では、前記(b)工程のときに、前記第1のコイル層とは離れた位置に第1のコイルリード層をメッキ形成し、前記(c)ないし(f)工程と同一工程によって、前記第1のコイルリード層のコイル接続端部上に第2のコンタクト部をメッキ形成し、前記(g)工程のときに第2のコイル層の巻き終端部を、前記第2のコンタクト部の上面と導通接続させることが好ましい。
【0056】
本発明によれば、第1のコンタクト部の形成工程と同じ工程時に、第1のコイルリード層と第2のコイル層間を導通接続するための第2のコンタクト部をメッキ形成できるため、製造工程の容易化・製造工程数の簡略化を実現することが可能である。また前記第1のコイルリード層と第2のコイル層間の導通接続を適切に行うことが可能である。
【0057】
また本発明では、記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上に第3のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第3のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成することが好ましい。
あるいは、前記(b)工程と同時に、前記第1のコイル層の巻き終端部から前記第1のコイル層と一体で第2のコイルリード層をメッキ形成し、前記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上及び前記第2のコイルリード層の外部接続端部上に第3のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第3のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成することが好ましい。
【0058】
本発明によれば、前記第1のコイルリード層の外部接続端部及び/あるいは第2のコイルリード層の外部接続端部とバンプ間を導通接続するための第3のコンタクト部を、第1のコンタクト部と同じ工程時に形成できるため、製造工程の容易化・製造工程数の簡略化を実現することが可能である。また本発明では前記第1のコイルリード層の外部接続端部及び/あるいは第2のコイルリード層の外部接続端部とバンプ間の導通接続を適切に行うことが可能である。
【0059】
また本発明では、前記(a)工程の前に、前記下部コア層の下側に再生用の磁気抵抗効果素子を形成し、
前記(b)工程と同時に、前記第1のコイル層とは離れた位置に、前記磁気抵抗効果素子に検出電流を供給するための電極リード層を形成し、前記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記電極リード層上に第4のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第4のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成することが好ましい。
【0060】
このように本発明によれば、磁気抵抗効果素子にセンス電流を供給するための電極リード層とバンプ間を導通接続するための第4のコンタクト部を、第1のコンタクト部と同じ工程で形成できるので、製造工程の容易化・製造工程数の簡略化を図ることが可能である。
【0061】
また本発明では、前記(d)工程における第1のコンタクト部ないし第4のコンタクト部のいずれかのコンタクト部の形成時において、導電性材料層をメッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造を前記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層を形成し、前記(f)工程のとき、あるいは前記(f)工程と(g)工程の間に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化層を除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保護層を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去して、前記コイル絶縁層の上面から導電性材料層を露出させることが好ましい。
【0062】
さらには本発明では、前記(b)工程時における前記第1のコイル層、第1のコイルリード層、第2のコイルリード層及び電極リード層の形成時、あるいは前記(g)工程時における第2のコイル層の形成時において、導電性材料層をメッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造を、前記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層を形成し、次の工程に移行する前に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化層を除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保護層を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去して、前記コイル絶縁層の上面から前記導電性材料層を露出させることが好ましい。
【0063】
また本発明では、前記導電性材料層を、Cu,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は多層構造でメッキ形成することが好ましい。
【0064】
上記のように本発明では、コンタクト部やコイル層などが導電性材料層と導電性保護層との積層構造でメッキ形成されている。前記導電性材料層は、例えばCuなどの電気抵抗の低い導電性材料により形成されるが、前記導電性材料単体で前記コンタクト部をメッキ形成した場合、(f)工程時に例えばCMP技術などを用いて前記コンタクト部表面を研磨加工したとき、前記導電性材料層は、軟らかい金属で形成されているために、前記導電性材料層が前記研磨加工によってだれやすく、これによって前記コンタクト部上に形成される導電層(第2のコイル層など)との密着性が悪化したり、あるいは直流抵抗値が変動したりする。
【0065】
このため本発明では、導電性材料層に比べて硬い金属、例えばNiなどで形成される導電性保護層を設け、前記導電性保護層が研磨加工されるようにする。これによって前記導電性材料層が研磨される心配は無く、研磨加工によるだれの問題は生じにくくなる。
【0066】
また導電性材料層は、空気中に曝されると酸化しやすいために、前記導電性材料層上に導電性保護層を設けることで、前記導電性材料層の酸化を防止することができる。なお前記導電性保護層は、常温または加熱雰囲気中での表面の酸化層が、この導電性保護層の厚さ以上に進行しない材料で形成されることが好ましい。上記したNiなどの導電性材料がそれに該当する。なお本発明では、前記導電性保護層に形成された酸化層は、次の製造工程に移行する前にエッチングによって除去される。
【0067】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明におけるスライダ30のトレーリング側端面31の構造を示す部分平面図である。なお前記スライダ30の図示上面が記録媒体との対向面である。
【0068】
図1に示すスライダ30は、アルミナ−チタンカーバイト(Al−TiC)などのセラミック材料で形成されており、そのトレーリング側端面31上には、記録媒体との対向面側に薄膜磁気ヘッド32が積層形成されている。
【0069】
前記薄膜磁気ヘッド32は、再生用のMRヘッドと記録用のインダクティブヘッドとが積層されたいわゆる複合型薄膜磁気ヘッドである。ただし本発明では、前記薄膜磁気ヘッド32はインダクティブヘッドのみで構成されていてもよい。
【0070】
図1に示すように、前記スライダ30のトレーリング側端面31上には、4つのリード層33ないし36がメッキ形成されている。このうちリード層33及び34は、前記インダクティブヘッドを構成するコイル層と導通接続されたコイルリード層である。図1に示すように前記第2のコイルリード層34は、その終端部(外部接続端部)において、前記第2のコイルリード層34上に直接あるいは間接的にメッキ形成されたバンプ37を介して外部接続用端子38に導通接続されている。なお前記第1のコイルリード層33の終端部(外部接続端部)の構造については図示されていないが、前記第2のコイルリード層34と同様に外部接続用端子にバンプを介して導通接続されている。
【0071】
図1に示すリード層35及び36は、MRヘッドの磁気抵抗効果素子にセンス電流を供給するための電極リード層であり、電極リード層36の終端部(外部接続端部)は、その上に直接にあるいは間接的にメッキ形成されたバンプ39を介して外部接続用端子40に導通接続されている。なお前記電極リード層35の終端部(外部接続端部)の構造については図示されていないが、前記電極リード層36と同様に外部接続用端子にバンプを介して導通接続されている。
【0072】
図2は、インダクティブヘッドを構成する2層コイル間の導通接続構造や、図1に示した各リード層33ないし36の終端部(外部接続端部)での構造を示す部分模式図、図3は図1に示す薄膜磁気ヘッド32を3−3線から切断したときの部分縦断面図である。
【0073】
まず本発明の薄膜磁気ヘッド32を構成する各層について説明する。図3に示すように、スライダ30上には、アルミナアンダーコート膜41が形成され、さらにその上に、パーマロイ(NiFe合金)などの磁性材料で形成された下部シールド層42が形成されている。
【0074】
図3に示すように前記下シールド層42上には、アルミナなどの下部ギャップ層43を介して記録媒体との対向面に露出する磁気抵抗効果素子44が形成されている。前記磁気抵抗効果素子44は、スピンバルブ膜に代表されるGMR素子やAMR素子であり、前記磁気抵抗効果素子44が外部磁界の影響を受けることによる電気抵抗値の変化を用いて記録媒体に記録された磁気信号が再生される。
【0075】
前記磁気抵抗効果素子44には、トラック幅方向(図示X方向)の両側からハイト方向後方(図示Y方向)に向けて広がる電極層45が接続されている。
【0076】
図3に示すように前記電極層45及び磁気抵抗効果素子44の上にはアルミナなどで形成された上部ギャップ層46を介して上部シールド層(下部コア層)47が形成されている。前記上部シールド層47は例えばパーマロイ(NiFe合金)などの磁性材料で形成されている。なお前記下部シールド層42から上部シールド層(下部コア層)47までが再生用のMRヘッドである。
【0077】
この実施形態では前記上部シールド層47が、インダクティブヘッドの下部コア層としても機能している。なお前記上部シールド層と下部コア層とを別々に形成してもよい。かかる場合、前記上部シールド層と下部コア層間に絶縁層を介在させる。
【0078】
図3に示すように前記下部コア層47上には、記録媒体との対向面からハイト方向後方に向けて所定の長さ寸法で磁極部48が形成されている。前記磁極部48はトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がトラック幅Twで形成されている。前記トラック幅Twは、例えば0.5μm以下で形成される。
【0079】
図1に示す実施形態では、前記磁極部48は、下部磁極層49、ギャップ層50、および上部磁極層51の3層膜の積層構造で構成されている。以下、前記磁極層49、51およびギャップ層50について説明する。
【0080】
図3に示すように、前記下部コア層47上には磁極部48の最下層となる下部磁極層49がメッキ形成されている。前記下部磁極層49は、下部コア層47と磁気的に接続されており、前記下部磁極層49は、前記下部コア層47と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
【0081】
また図3に示すように前記下部磁極層49上には、非磁性のギャップ層50が積層されている。
【0082】
本発明では、前記ギャップ層50は非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層49上にメッキ形成されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、前記ギャップ層50は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。
【0083】
次に前記ギャップ層50上には、後述する上部コア層60と磁気的に接続する上部磁極層51がメッキ形成されている。なお前記上部磁極層51は、上部コア層60と同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。
【0084】
上記したようにギャップ層50が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層49、ギャップ層50および上部磁極層51を連続してメッキ形成することが可能になる。
【0085】
なお本発明では前記磁極部48は、少なくも非磁性のギャップ層50と上部磁極層51とで構成されていれば良い。
【0086】
また図3に示すように下部コア層47上には記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に離れた位置にGd決め絶縁層52が形成されている。前記Gd決め絶縁層52は例えばレジスト材料などで形成される。そしてギャップデプス(Gd)は、前記Gd決め絶縁層52の先端部から記録媒体との対向面間の距離によって規制される。
【0087】
図3に示す実施形態では、記録媒体との対向面で下部コア層47と上部コア層60との間にトラック幅Twで露出する磁極部48をメッキ形成することで、狭トラック化に対応可能な構成となっている。
【0088】
次に図3に示すように前記磁極部48よりもハイト側における前記下部コア層47上には、コイル絶縁下地層53が形成されている。前記コイル絶縁下地層53は、例えば、AlO、Al、SiO、Ta、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si、NiO、WO、WO、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種からなる絶縁材料で形成されていることが好ましい。
【0089】
図3に示すように前記コイル絶縁下地層53上には、例えばCuなどの電気抵抗の低い導電性材料で形成された第1のコイル層54がメッキ形成されている。
【0090】
図3に示すように、前記第1のコイル層54は、その巻き中心部54aが、下部コア層47上に磁気的に接続されたバックギャップ層55よりもハイト方向(図示Y方向)後方に位置し、前記巻き中心部54aを中心として螺旋状にパターン形成されている。
【0091】
図3に示すように、前記第1のコイル層54の上面は、前記上部磁極層51と上部コア層60との接合面を基準平面Dとしたときに、前記基準平面Dよりも低い位置に形成されている。
【0092】
また前記第1のコイル層54は、平坦化されたコイル絶縁下地層53上に形成できるため前記第1のコイル層54の各導体部を狭ピッチで形成することができる。
【0093】
またこの実施形態では前記第1のコイル層54の各導体部のピッチ間は、レジスト材料などの有機絶縁材料による絶縁層56によって塞がれている。有機絶縁材料製の絶縁層56を使用する理由は、第1のコイル層54の各導体部のピッチ間を、確実に埋めることができるからである。
【0094】
そして図3に示すように前記第1のコイル層54上は、例えば無機絶縁材料製のコイル絶縁層57によって覆われている。前記無機絶縁材料には、Al、SiN、SiOから1種または2種以上が選択されることが好ましい。
【0095】
図3に示すように前記コイル絶縁層57の上面57aは、前記基準平面Dと同一面となって平坦化されている。
【0096】
さらに図3に示すように前記コイル絶縁層57の上面57aには、螺旋状にパターン形成された第2のコイル層58がメッキ形成されている。前記第2のコイル層58も第1のコイル層54と同じようにCuなどの低い電気抵抗を有する導電材料によって形成されている。なお前記第2のコイル層58は図2を見てもわかるように、その巻き方向が第1のコイル層54のそれとは逆にされている。
【0097】
上記したように前記第2のコイル層58のコイル形成面であるコイル絶縁層57の上面57aは平坦化面であるので、前記第2のコイル層58はパターン精度良く形成される。このため前記第2のコイル層58の各導体部を狭ピッチで形成できる。
【0098】
前記第2のコイル層58上は、レジスト材料などの有機絶縁材料で形成された絶縁層59によって覆われている。さらに前記絶縁層59上には例えばフレームメッキ法などで形成された上部コア層60がパターン形成されている。図3に示すように前記上部コア層60の先端部60aは上部磁極層51上に磁気的に接続され、前記上部コア層60の基端部60bはバックギャップ層55上に磁気的に接続されている。
【0099】
さらに前記上部コア層60上は、アルミナなどによる保護層61によって覆われている。
【0100】
次に上記した第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通接続構造について説明する。
【0101】
図2及び図3に示すように本発明では、前記第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58a間は、第1のコンタクト部62を介して導通接続される。
【0102】
図4は、図3に示す符号Eで囲ったコイル間の導通接続構造の部分拡大図である。図4に示すように、第1のコイル層54の巻き中心部54aは、平坦化されたコイル絶縁下地層53上に形成されている。このため前記巻き中心部54aの上面54bも平坦化面として形成することができる。
【0103】
図4に示すように前記巻き中心部54a上にはコイル絶縁層57内を貫通して第1のコンタクト部62がメッキ形成されている。
【0104】
なお図4に示す実施形態では、前記第1のコンタクト部62の上面62aが前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上に形成されている。
【0105】
また図4に示すように、前記第1のコンタクト部62の幅寸法は、第1のコイル層54の巻き中心部54aの幅寸法より小さい方が好ましい。これによって前記第1のコンタクト部62を、平坦化された第1のコイル層54の巻き中心部54a上に適切に形成することが可能である。
【0106】
そして図4に示すように前記第1のコンタクト部62の上には第2のコイル層58の巻き中心部58aが導通接続されている。
【0107】
本発明では、後述する製造方法によって前記第1のコンタクト部62をレジスト層を用いてパターン形成できる。上記したように、前記巻き中心部54aの上面は平坦化面とされているから、この上に前記第1のコンタクト部62を、矩形状や円柱状などの水平断面(下部コア層の上面と平行な方向の断面)が一定の面積である形状で形成できる。
【0108】
ところで後述する製造方法で説明するように、図4に示す第1のコンタクト部62の上面62a及びコイル絶縁層57の上面57aは、共に研磨加工面であるが、本発明では、前記第1のコンタクト部62をその水平断面が一定の面積を有する形状で形成できるため、前記第1のコンタクト部62を研磨加工したとき、前記コイル絶縁層57の上面57aから露出する前記第1のコンタクト部62の上面62aの露出面積をほぼ常に一定にすることができる。従って第2のコイル層58の巻き中心部58aと第1のコンタクト部62との接触面積を一定にできるから、安定した直流抵抗値を得ることができるとともに、第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通性を良好に保つことができる。
【0109】
また本発明では、前記第1のコイル層54の巻き中心部54aを所定の高さ寸法で形成することができるため、その上に形成される前記第1のコンタクト部62に対する研磨位置を考慮することで、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法を所定の大きさに設定でき、前記直流抵抗値の安定化を図ることができる。
【0110】
また上記したように、前記第1のコンタクト部62の幅寸法は、第1のコイル層54の巻き中心部54aの幅寸法よりも小さく形成されるため、前記第1のコンタクト部62が前記巻き中心部54aの真上でなく多少ずれて形成されても、前記第1のコンタクト部62が前記巻き中心部54a上に乗って形成されれば、安定した直流抵抗値を図ることができる。
【0111】
また図4に示す実施形態では、第1のコンタクト部62の上面62aがコイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成されているため、前記第1のコンタクト部62と第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通性をより適切に図ることができる。
【0112】
次に図4に示す実施形態では、第1のコイル層54と第2のコイル層58、及び第1のコンタクト部62は、Cuなどの低電気抵抗の導電性材料のみで形成されておらず、導電性材料層の上に所定厚さの導電性保護層がメッキ形成された積層構造となっている。
【0113】
図4に示すように第1のコイル層54とコイル絶縁下地層53との間には、Cuなどの導電性材料で形成されたメッキ下地層63が形成されている。前記メッキ下地層63の上には、前記第1のコイル層54を構成する導電性材料層64がメッキ形成されている。
【0114】
本発明では前記導電性材料層64は、Cu,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は多層構造から成ることが好ましい。
【0115】
そして図4に示すように前記導電性材料層64の上には導電性保護層65がメッキ形成されている。前記導電性保護層65は、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造から成ることが好ましい。
【0116】
前記導電性保護層65は前記導電性材料層64が空気中に曝されたときに、酸化されるのを防止する役割を有する。
【0117】
前記導電性保護層65をNiで形成すると、前記導電性保護層65は、常温または加熱雰囲気中での表面の酸化層が、3.0nm以上に進行しないことがわかっている。したがってイオンミリングなどのドライエッチング法によって、前記導電性保護層65から3.0nm以上削り取ることにより、前記導電性保護層65から酸化層を確実に除去することが可能になっている。なお図4に示す前記導電性保護層65は前記酸化層が除去されており、前記導電性保護層65の表面に酸化層が存在しない状態となっている。
【0118】
なお本発明における実施形態では、前記導電性保護層65の膜厚は、200〜600nmに設定されている。上記したようにNiで形成された導電性保護層65の酸化層は3.0nm以上進行しないから、酸洗浄やイオンミリング等によって前記導電性保護層65の酸化層を除去する場合に、前記導電性保護層65のみを削り取り、導電性材料層64を削り取らないようにすることができる。すなわち導電性保護層65の体積変化を防ぐことができる。前記導電性材料層64は、コイル層の許容電流や直流抵抗値を決定する要素であるので、前記導電性材料層64の体積変化を防止できると、コイル層の許容電流や直流抵抗値が一定であるインダクティブヘッドを形成することができ、インダクティブヘッドの品質を一定に保つことが可能である。
【0119】
またCuで形成された導電性材料層64の上にNiで形成された導電性保護層65を積層することによって前記第1のコイル層54とコイル絶縁層57との密着性や、前記第1のコイル層54の巻き中心部54a上にメッキ形成される第1のコンタクト部62との密着性を良好にすることができ、インダクティブヘッドの直流抵抗値の安定化を図ることができる。
【0120】
なお本発明では、空気に曝されて前記導電性保護層65に酸化層が形成された後、酸洗浄やイオンミリング等によって前記導電性保護層65を全て除去し、導電性材料層64のみで第1のコイル層54を構成してもよい。この場合、前記導電性材料層64には酸化層が存在せず、第1のコンタクト部62などとの密着性や直流抵抗値の安定化を適切に図ることができる。
【0121】
次に前記第1のコンタクト部62もまた導電性材料層64と表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層構造でメッキ形成される。なお材質や膜厚について上記した通りである。また前記第1のコンタクト部62は表面に酸化層が存在しない前記導電性材料層64のみでメッキ形成されていてもよい。
【0122】
また前記第1のコンタクト部62の形成面は、第1のコイル層54の表面であるため前記第1のコンタクト部62をメッキ形成するときに、メッキ下地層63を必要としない。
【0123】
また図4に示すように、前記第1のコンタクト部62上にメッキ形成される第2のコイル層58の巻き中心部58aは、第1のコイル層54と同様に下からメッキ下地層63、導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65の順に積層形成される。なお前記第2のコイル層58はメッキ下地層63上に、表面に酸化層が存在しない導電性材料層64のみでメッキ形成されていてもよい。
【0124】
前記第2のコイル層58の巻き中心部58aをメッキ形成する際にまずメッキ下地層63を形成するのは、図4に示すように前記巻き中心部58aの幅寸法が第1のコンタクト部62の幅寸法よりも大きいからである。前記メッキ下地層63が形成されていない場合は、第1のコンタクト部62上にのみ導電性材料層64がメッキ成長しやすく、図4に示すような矩形状の巻き中心部58aを形成しづらくなる。なお前記第2のコイル層58の巻き中心部58aの幅寸法が、第1のコンタクト部62の幅寸法と同程度、あるいはそれよりも小さく形成される場合には、前記巻き中心部58aの形成の際にメッキ下地層63の形成は必要ない。
【0125】
図5は本発明の第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通接続構造を示す別の実施形態を示す拡大断面図である。
【0126】
この実施形態では図4と同様に第1のコイル層54及び第2のコイル層58がメッキ下地層63、導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65の3層メッキ構造で形成されている。また第1のコンタクト部62は、導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65の2層メッキ構造で形成されている。
【0127】
図4に示す実施形態との相違は、第1のコンタクト部62の上面62aが、コイル絶縁層57の上面57aと同一面ではなく、前記コイル絶縁層57の上面57aよりも低い位置に形成されていることである。なお、前記第1のコンタクト部62の上面62aは前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成されていてもかまわない。
【0128】
また前記第1のコンタクト部62は下面から上面62aに向かうにしたがって幅寸法が徐々に広がって形成されている。
【0129】
このように図4と図5とでは第1のコンタクト部62の形状に相違点が見られるが、これは後述するように製造方法に起因するものである。
【0130】
この実施形態では、コイル絶縁層57にまず第1のコンタクト部62の形成のための溝部を形成した後、前記溝部内に前記第1のコンタクト部62をメッキ成長させるため、前記第1のコンタクト部62をCMP技術などを用いて研磨加工することが無い。
【0131】
このためメッキ時間などを適切に調整することにより、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法を調整でき、また平坦化面で形成された第1のコンタクト部62の上面62aの露出面積を一定の大きさに保ちやすい。
【0132】
また図5に示す実施形態では、前記コイル絶縁層57に前記溝部を形成する際の前記コイル絶縁層57上に形成されるレジストの形状やイオンミリングの照射角度などを適切に調整することで、前記第1のコンタクト部62の両側に形成される傾斜面をより垂直面に近い向きに形成できる。このため前記傾斜面は極端に傾斜する面になることはなく、従って第1のコンタクト部62の上面62aの露出面積を所定値内に収めやすい。
【0133】
よって図5に示す実施形態においても、コイル層の直流抵抗値の安定化を図りやすいと同時に、第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通接続を良好に行うことが可能である。
【0134】
次に本発明では上記した図4及び図5に示す第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通接続構造は図3に示す形態の薄膜磁気ヘッド以外に使用可能である。
【0135】
例えば本発明では図6に示す薄膜磁気ヘッドの実施形態を提示することができる。なお図6に示す薄膜磁気ヘッドは縦断面図で示されている。
【0136】
図6に示す薄膜磁気ヘッドは図3に示す薄膜磁気ヘッドと同様に再生用のMRヘッドと記録用のインダクティブヘッドとが積層されたいわゆる複合型薄膜磁気ヘッドであり、相違点は記録媒体との対向面における下部コア層47と上部コア層60間に形成された磁極部の構成にある。
【0137】
図6に示すように下部コア層47上には記録媒体との対向面に磁性材料製の下部磁極層66が形成されている。図6に示すように前記下部磁極層66の上面66aは前記下部磁極層66のハイト方向(図示Y方向)の後方に形成されるコイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成される。
【0138】
前記下部磁極層66の上には非磁性のギャップ層67が形成される。前記ギャップ層67の後端部は、第1のコイル層54の最も先端側に位置する導体部よりも記録媒体との対向面側に位置することが好ましい。これにより第2のコイル層58を平坦化されたコイル絶縁層57上に形成することができ、前記第2のコイル層58の巻き中心部58aと第1のコンタクト部62との導通接続を適切に図ることが可能である。
【0139】
なお前記ギャップ層67はハイト方向後方に延ばされて形成されてもよい。かかる構成の場合、第1のコイル層54と第2のコイル層58間にはコイル絶縁層57とギャップ層67とが介在することになる。ただし前記ギャップ層67は、第1のコンタクト部62上に形成されないようにし、前記第1のコンタクト部62と第2のコイル層58の巻き中心部58aとが導通接続されるようにしておく必要がある。
【0140】
また図6に示す実施形態の場合は、図3に示す薄膜磁気ヘッドと同様に前記ギャップ層67はNiP等の非磁性の導電性材料で形成されてもよいが、従来からギャップ層として一般的に使用されているAlやSiOなどの非磁性・非導電性材料を用いることもできる。
【0141】
また図6に示す実施形態では前記第1のコイル層54の各導体層のピッチ間はコイル絶縁層57によって埋められているが、図3と同様にレジストなどの有機絶縁材料による絶縁層56によって埋められていてもよい。
【0142】
以上のように本発明では、第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58aとを第1のコンタクト部62を用いて導通接続するものであるが、前記コンタクト部による導通接続構造は他の部分においても使用することができる。
【0143】
図7は図1に示す7−7線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図であり、まず図7に現れる各層について図2を用いて説明する。
【0144】
図2に示すように、第1のコイル層54には、その巻き終端部54cから一体となって長く引き延ばされた第2のコイルリード層34がメッキ形成されている。
【0145】
また図2に示すように第1のコイルリード層33が前記第1のコイル層54とは離れた位置にメッキ形成されている。前記第1のコイルリード層33は第1のコイル層54と同じ形成面にしかも同じ工程時にメッキ形成されることが好ましい。
【0146】
図2に示すように前記第1のコイルリード層33のコイル接続端部33aは、第2のコイル層58の巻き終端部58bと対向する位置に形成され、前記第1のコイルリード層33のコイル接続端部33aと前記第2のコイル層58の巻き終端部58b間が第2のコンタクト部68によって導通接続されている。
【0147】
また図2に示すように、2つの電極リード層35及び36が第1のコイル層54とは離れた位置にメッキ形成されている。前記電極リード層35及び36の下面は、MRヘッドの磁気抵抗効果素子44にセンス電流を供給するための電極層45と導通接続されている。前記電極リード層35及び36は、第1のコイル層54と同じ形成面にしかも同じ工程時にメッキ形成されることが好ましい。
【0148】
図7には上記した第1のコイルリード層33と第2のコイル層58との導通接続構造、第2のコイルリード層34、及び電極リード層36の電極層45との導通接続構造が断面図として現れている。
【0149】
図7に示すように、第1のコイルリード層33のコイル接続端部33aは、図3に示す下部コア層47の周囲に形成された絶縁層70上にメッキ形成されている。
【0150】
また前記絶縁層70上には前記第1のコイルリード層33の他に第2のコイルリード層34及び電極リード層36がメッキ形成され、図7では、これらの層間はレジストなどの有機絶縁材料による絶縁層56によって埋められている。さらに前記絶縁層56上には無機絶縁材料によるコイル絶縁層57が形成されている。
【0151】
図7に示すように前記第1のコイルリード層33のコイル接続端部33a上には、前記コイル絶縁層57を貫通する第2のコンタクト部68がメッキ形成されている。前記第2のコンタクト部68の上面68aは、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一平面となっていることが好ましい。
【0152】
そして図7に示すように前記第2のコンタクト部68上には第2のコイル層58の巻き終端部58bが導通接続されている。
【0153】
かかる構成によってコイル層の直流抵抗値の安定化を図ることができると共に、第2のコンタクト部68と第2のコイル層58の巻き終端部58bとの導通性を良好に保つことが可能である。
【0154】
また前記第2のコンタクト部68は、図4に示す第1のコンタクト部62と同様に導電性材料層64と表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在しない前記導電性材料層64であることが好ましい。またコイルリード層33、34及び電極リード層35、36は、図4に示すコイル層と同様に、メッキ下地層63、導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65の3層メッキ構造、あるいはメッキ下地層63上に表面に酸化層が存在しない導電性材料層64で形成されることが好ましい。
【0155】
なお図7に示すように第2の電極リード層36と電極層45との間には、上部ギャップ層46及び図3に示す下部コア層47の周囲に形成された絶縁層70を貫通するコンタクト部69が形成されている。前記コンタクト部69の上面69aは、前記絶縁層70の上面70aと同一面上に形成されていることが好ましい。
【0156】
前記電極層45上に形成されたコンタクト部69は、例えば下部コア層47の形成と同じ工程時にレジスト層を用いてパターン形成する。前記コンタクト部69は前記下部コア層47と同じ材質で形成されることが製造工程を容易化できて好ましいが異なる材質で形成されていてもかまわない。その後、前記レジスト層を除去した後、前記下部コア層47の周囲に絶縁層70を形成する。そして例えばCMP技術などを用いて前記下部コア層47及び前記絶縁層70の上面70aを研磨加工することにより、前記絶縁層70の上面70aと前記コンタクト部69の上面69aとを同一面に形成することができる。
【0157】
図8は図1に示す8−8線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図である。図8に現れる部分は図2で説明すると、第1のコイル層54と一体にメッキ形成された第2のコイルリード層34の外部接続端部34a上における導通接続構造である。
【0158】
図8に示すように前記第2のコイルリード層34の外部接続端部34aは、下部コア層47の周囲に形成された絶縁層70上に形成され、その上にコイル絶縁層57を貫通する第3のコンタクト部71がメッキ形成されている。前記第3のコンタクト部71の上面71aは、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成されることが好ましい。
【0159】
前記第3のコンタクト部71上には図3に示す上部コア層60と同じ形成時に形成された持上げ層72が形成されている。前記持上げ層72は上部コア層60と同じ材質で形成される方が製造工程を簡略化できて好ましいが、異なる材質で形成されていてもかまわない。また前記持上げ層72は形成されていなくても良く、この場合、次に説明するバンプ37が前記第3のコンタクト部71上に直接導通接続される。
【0160】
前記持上げ層72上には薄膜磁気ヘッド上を覆う保護層61を貫通するバンプ37がメッキ形成されている。前記バンプ37は前記保護層61の上面61aから露出して形成されており、前記保護層61上に形成された外部接続用端子38と導通接続されている。
【0161】
なお図8では、第2のコイルリード層34の外部接続端部34aにおける導通接続構造について説明したが、図2に示す第1のコイルリード層33の外部接続端部33bにおける導通接続構造も図8と同じである。
【0162】
すなわち前記第1のコイルリード層33の上には第3のコンタクト部71がコイル絶縁層57を貫通してメッキ形成され、さらに前記第3のコンタクト部71上には、持上げ層72、バンプ37及び外部接続用端子38がそれぞれ形成されている。
【0163】
なお前記第3のコンタクト部71は第1のコンタクト部62と同様に導電性材料層64と表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在しない導電性材料層64で構成されていることが好ましい。
【0164】
図8に示す構成によって、コイル層の直流抵抗値の安定化を図ることができると共に、第3のコンタクト部71とバンプ37との導通性を良好に保つことが可能である。
【0165】
図9は、図1に示す9−9線から切断した薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。図9に現れる部分は図2で説明すると、電極リード層36の外部接続端部36a上における導通接続構造である。
【0166】
図9に示すように、前記電極リード層36の外部接続端部36aは、下部コア層47の周囲に形成された絶縁層70上に形成され、その上にコイル絶縁層57を貫通する第4のコンタクト部73がメッキ形成されている。前記第4のコンタクト部73の上面73aは、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成されることが好ましい。
【0167】
前記第4のコンタクト部73上には図3に示す上部コア層60と同じ形成時に形成された持上げ層72が形成されている。前記持上げ層72は上部コア層60と同じ材質で形成される方が製造工程を簡略化できて好ましいが、異なる材質で形成されていてもかまわない。また前記持上げ層72は形成されていなくても良く、この場合、次に説明するバンプ39が前記第4のコンタクト部73上に直接導通接続される。
【0168】
前記持上げ層72上には図3に示す上部コア層60上を覆う保護層61を貫通するバンプ39がメッキ形成されている。前記バンプ39は前記保護層61の上面61aから露出して形成されており、前記保護層61上に形成された外部接続用端子40と導通接続されている。
【0169】
なお図9では、電極リード層36の外部接続端部36aにおける導通接続構造について説明したが、図2に示す電極リード層35の外部接続端部35aにおける導通接続構造も図9と同じである。
【0170】
すなわち前記電極リード層35の上には第4のコンタクト部73がコイル絶縁層57を貫通してメッキ形成され、さらに前記第4のコンタクト部73上には、持上げ層72、バンプ39及び外部接続用端子40がそれぞれ形成されている。
【0171】
なお前記第4のコンタクト部73は第1のコンタクト部62と同様に導電性材料層64と表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在しない導電性材料層64で構成されていることが好ましい。
【0172】
図9に示す構成によって、MRヘッドの直流抵抗値の安定化を図ることができると共に、第4のコンタクト部73とバンプ39との導通性を良好に保つことが可能である。
【0173】
次に図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法について以下に説明する。図10ないし図20は薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図である。
【0174】
図10に示すように、下部コア層47上にGd決め絶縁層52を形成した後、前記下部コア層47上にレジスト層74を形成する。前記レジスト層74には記録媒体との対向面側にトラック幅方向(図示X方向)の幅寸法がトラック幅Twで形成された磁極部形成溝74aを露光現像によりパターン形成する。
【0175】
次に前記磁極部形成溝74a内に下から下部磁極層49、ギャップ層50及び上部磁極層51から成る磁極部48を形成する。前記ギャップ層50にはメッキ形成可能な非磁性金属材料を選択することが好ましく、具体的には、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択することが好ましい。
【0176】
これによって下部磁極層49、ギャップ層50及び上部磁極層51を連続してメッキ形成することが可能である。また本発明では、前記磁極部48をギャップ層50と上部磁極層51の2層構造で形成してもよい。
【0177】
そして本発明では、前記レジスト層74を除去した後、前記バックギャップ層55形成のための抜きパターンを有するレジスト層を新たに形成して、前記バックギャップ層55を形成する。
【0178】
あるいは図10に示すように前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に離れた位置に、前記下部コア層47上にバックギャップ層55を形成するための抜きパターン74bを露光現像によって形成し、前記抜きパターン74b内にバックギャップ層55を形成してもよい。
【0179】
図11は下部コア層47上に磁極部48とバックギャップ層55とが形成された状態を示している。
【0180】
次に図12に示す工程では、磁極部48上から下部コア層47及びバックギャップ層55上にかけてコイル絶縁下地層53を形成する。
【0181】
さらに前記コイル絶縁下地層53上に第1のコイル層54をパターン形成する。図12に示すように前記第1のコイル層54の巻き中心部54aをバックギャップ層55よりもハイト方向(図示Y方向)に位置させ、前記巻き中心部54aから螺旋状に第1のコイル層54をメッキ形成する。
【0182】
また図12に示すように前記第1のコイル層54の上面を前記磁極部48の上面48aよりも低い位置で形成する。
【0183】
このように本発明では、前記第1のコイル層54の各導体部及び巻き中心部54aを平坦化されたコイル絶縁下地層53の上に形成することができる。よって前記第1のコイル層54を所定の形状で、しかも各導体部のピッチ間を狭く形成することが可能である。
【0184】
次に図13ないし図16に示すように前記第1のコイル層54の巻き中心部54a上に第1のコンタクト部62をメッキ形成する。
【0185】
図13は、前記コイル絶縁下地層53の全面にメッキ下地層63を形成し、その上に導電性材料層64及び導電性保護層65が連続メッキ形成された第1のコイル層54の断面が表されている。
【0186】
なお本発明では前記導電性材料層64を、Cu,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は多層構造でメッキ形成し、また前記導電性保護層65を、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造でメッキ形成することが好ましい。
【0187】
前記導電性保護層65に酸化層が形成されても、前記酸化層の厚さは前記導電性保護層65の厚さ以上に進行せず、したがってイオンミリングなどによって、前記酸化層を確実に除去でき、この際前記導電性材料層64を傷つける心配が無い。なお前記酸化層をエッチングにより除去するときには、前記導電性保護層65の酸化層が形成された部分のみを除去するか、あるいは前記導電性保護層65の全てを除去する。これによって前記第1のコイル層64の上面には酸化層が存在しない前記導電性保護層65が残され、あるいは酸化層が存在しない導電性材料層64が露出する。これにより直流抵抗値を安定させることができ、また密着性を良好にできる。
【0188】
次に図14に示すように前記第1のコイル層54上をレジスト層75によって覆う。図14に示すように前記レジスト層75は膜厚H1で形成されるが、前記膜厚H1は、図12に示す磁極部48の高さ寸法と同程度かあるいは大きいことが好ましい。これは前記第1のコイル層54の巻き中心部54a上にメッキ形成される第1のコンタクト部62の上面をコイル絶縁層57の上面と同一面上に形成しやすくするためである。
【0189】
図14に示すように前記第1のコイル層54上にレジスト層75を形成した後、前記第1のコイル層54の巻き中心部54a上に形成された前記レジスト層75の部分に露光現像によって抜きパターン75aを形成する。
【0190】
前記レジスト層75への露光現像によって形成された抜きパターン75aは、矩形状や円柱状などの下部コア層47の上面と平行な方向の断面が一定の大きさとなるように形成される。
【0191】
次に前記レジスト層75の抜きパターン75a内に第1のコンタクト部62をメッキ形成する。前述したように第1のコイル層54の上面に形成された酸化層は除去されているので、前記第1のコイル層54の巻き中心部54a上に前記第1のコンタクト部62を密着性良くメッキ形成することができる。
【0192】
また図14に示すように前記第1のコンタクト部62は、導電性材料層64と導電性保護層65との積層構造で形成することが好ましい。前記導電性材料層64及び導電性保護層65の材質については上述した通りである。
【0193】
なお本発明では前記第1のコンタクト部62の形成のときに、メッキ下地層63を形成する必要が無い。前記第1のコンタクト部62を第1のコイル層54の巻き中心部54a上に直接メッキ成長させるからである。このため前記第1のコンタクト部62の形成工程を容易化できる。
【0194】
また前記第1のコンタクト部62の上面は、レジスト層75の上面とほぼ同一面上で形成されるか、あるいは図14に示すように若干低く形成される。そして前記レジスト層75を除去すると図15に示すような構造となる。
【0195】
本発明では、図14に示す工程において前記第1のコンタクト部62を形成するための抜きパターン75aを矩形状や円柱状などの下部コア層47の上面と平行な方向の断面が一定の大きさになる形状で形成できるから、前記第1のコンタクト部も下部コア層47の上面と平行な方向の断面が一定の大きさになる形状で形成できる。
【0196】
次に図16の工程時に、第1のコイル層54の導電材料層64下に形成されたメッキ下地層63以外のメッキ下地層63をエッチングにて除去する。
【0197】
次に図17に示すように、第1のコイル層54の各導体部のピッチ間にレジスト等の有機材料製の絶縁層56を埋めた後、前記第1のコイル層54上にコイル絶縁層57をスパッタ形成する。前記コイル絶縁層57は無機絶縁材料で形成されることが好ましい。前記コイル絶縁層57の上面は、CMP技術などによって研磨されるからである。なお前記無機絶縁材料には、Al、SiN、SiOから1種または2種以上を選択することが好ましい。
【0198】
また図17に示すように前記コイル絶縁層57は磁極部48及びバックギャップ層55上にもスパッタ形成される。
【0199】
次に図17に示すように前記コイル絶縁層57の上面をF−F線まで例えばCMP技術などを用いて研磨加工する。この研磨加工によって、磁極部48、バックギャップ層55及び第1のコイル層54の巻き中心部54a上にメッキ形成された第1のコンタクト部62の上面が前記コイル絶縁層57の上面57aと同一平面となって露出する(図18を参照のこと)。
【0200】
本発明では前述した図16に示す工程において、前記第1のコンタクト部62を矩形状や円柱状など下部コア層47の上面と平行な方向に対する断面が一定の大きさとなる形状で形成できるから、前記第1のコンタクト部62の上面の露出面積を一定の大きさで形成できる。
【0201】
なお前記研磨加工によって、前記第1のコンタクト部62の導電性保護層65に形成された酸化層が研磨除去され、前記導電性保護層65の一部が残されて、前記導電性保護層65が前記コイル絶縁層57の上面から露出することが好ましい。あるいは前記導電性保護層65をすべて除去し、酸化層が存在しない導電性材料層64の上面を露出させてもよい。
【0202】
第1のコンタクト部62にNiなどで形成された導電性保護層65が設けられていないと、Cuなどで形成された導電性材料層64は、軟らかい金属なので、前記導電性材料層64の上面を研磨加工した場合、前記導電性材料層64にだれが発生し、直流抵抗値の不安定化や密着性の低下を招きやすくなる。このため本発明では、前記導電性材料層64よりも硬い金属である導電性保護層65を設け、この導電性保護層65が研磨加工されるようにすることにより、上面にだれなどが発生しない第1のコンタクト部62を形成することができる。
【0203】
なお前記研磨工程と次に説明する第2のコイル層58の形成工程との間に、薄膜磁気ヘッドが空気に曝される場合があるときは、前記第2のコイル層58の形成前にエッチングを施し、新たに前記導電性保護層65に形成された酸化層を除去することが好ましい。
【0204】
これによって前記第1のコンタクト部62の上面には酸化層が存在せず、第2のコイル層58の巻き中心部58aとの密着性を向上させることができる。
【0205】
次に図19に示すように、前記コイル絶縁層57の上面57aに第2のコイル層58をパターン形成する。このとき前記第2のコイル層58の巻き中心部58aをコイル絶縁層57から露出する第1のコンタクト部62上に導通接続させる。そして前記巻き中心部58aを中心として螺旋状に各導体部をメッキ形成する。なお前記第2のコイル層58は下からメッキ下地層63、導電性材料層64及び導電性保護層65の3層メッキ構造で形成することが好ましい。前記第2のコイル層58を形成した後、エッチングにより前記導電性保護層65に形成された酸化層、あるいは前記導電性保護層65全体及び第2のコイル層58の下以外の前記メッキ下地層を除去する。さらに前記第2のコイル層58上を有機絶縁材料で形成された絶縁層59によって覆う。
【0206】
図20に示す工程では、前記磁極部48上から前記絶縁層59上、さらには前記バックギャップ層55上にかけて上部コア層60をフレームメッキ法などによりパターン形成する。これによって図3に示す薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0207】
上記のように本発明では、第1のコンタクト部62をレジスト層を用いたパターン形成のみで形成することができ、容易にしかも少ない工程数で前記第1のコンタクト部62をメッキ形成できる。
【0208】
また本発明では、前記第1のコイル層54の巻き中心部54aを平坦化されたコイル絶縁下地層54上に形成することができ、前記巻き中心部54aの上面を平坦化面として形成でき、さらに前記巻き中心部54a上にメッキ形成される前記第1のコンタクト部62の上面も平坦化面として形成できる。特に本発明では前記第1のコンタクト部62を下部コア層47の上面と平行な方向への断面が一定の大きさとなる形状で形成できる。したがって前記第1のコンタクト部62の上面の面積を一定に保ち、安定した直流抵抗値を得ることができるとともに、第2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通性を良好にすることができる。
【0209】
図21ないし図23に示す工程図は図5に示す導通接続構造の製造方法を示す一工程図である。
【0210】
図21に示す工程では、まずコイル絶縁下地層53上に形成された第1のコイル層54の各導体部間をレジストなどの有機絶縁材料による絶縁層56で埋めた後、前記絶縁層56及び第1のコイル層54上にコイル絶縁層57をスパッタ形成する。なお図21に示すように前記第1のコイル層54は、例えば下からメッキ下地層63、導電性材料層64及び導電性保護層65の3層メッキ構造で形成される。
【0211】
なお前記コイル絶縁層57の上面57aは、図17に示す工程におけるCMP技術などによる研磨工程により平坦化されている。
【0212】
図22に示す工程では、前記コイル絶縁層57の上面57aにレジスト層76を形成した後、前記第1のコイル層54の巻き中心部54aと対向する位置に形成されたレジスト層76に露光現像により抜きパターン76aを形成する。このとき前記レジスト層76に熱処理を施すことにより前記抜きパターン76aの両側端面76bは若干傾斜する。
【0213】
そして前記抜きパターン76a内に露出した絶縁層57bの部分をエッチングにより除去する。このエッチング工程によって第1のコイル層54の巻き中心部54aを露出させる。このとき前記巻き中心部54aの表面に形成された導電性保護層65の一部を残し前記導電性保護層65下に形成された導電性材料層64までエッチングされないことが好ましい。
【0214】
次に図23に示す工程では、前記巻き中心部54a上に第1のコンタクト部62をメッキ形成する。前記第1のコンタクト部62は導電性材料層64と導電性保護層65との積層メッキ構造であることが好ましい。
【0215】
次に前記第1のコンタクト部62の導電性保護層65に形成された酸化層を除去した後、図19に示す工程においてコイル絶縁層57上に第2のコイル層58をメッキ形成する。このとき前記第2のコイル層58の巻き中心部58aを第1のコンタクト部62上に形成して導通接続させる。
【0216】
その後、図19に示すように前記第2のコイル層58上を絶縁層59で覆い、さらに図20工程で上部コア層60を形成する。
【0217】
この製造方法によっても、前記第1のコンタクト部62を平坦化された第1のコイル層54の巻き中心部54a上に形成できるから、前記第1のコンタクト部62の上面を平坦化面として形成できる。
【0218】
なお図22に示す工程において、レジスト層76に形成された抜きパターン76aの両側端面76bには傾斜面が形成されるが、これによって前記第1のコンタクト部62の両側端面にも傾斜が付きやすくなり(図23を参照のこと)、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法によって前記第1のコンタクト部62の上面の面積が変動しやすくなる。このため前記第1のコンタクト部62の両側端面にはできる限り傾斜が付かないようにすることが好ましいが、それは、図22に示す工程においてコイル絶縁層57をエッチングするとき、異方性エッチングを使用したり、あるいは図22に示すレジスト層76の硬化温度などを調整しながら、抜きパターン76aの両側端面76bに傾斜ができる限り付かないようにすることによって改善することができる。
【0219】
また第1のコンタクト部62の両側端面が傾斜面とされていても、メッキ時間などを適切に調整することで、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法を所定値に設定でき、また前記第1のコンタクト部62の上面62aの露出面積を所定値内に収めることができる。
【0220】
次に本発明では、図12に示す工程のときに、第1のコイル層54とは離れた位置に図2あるいは図7に示す第1のコイルリード層33をメッキ形成し、図13ないし図16、あるいは図21ないし図23と同一工程によって、前記第1のコイルリード層33のコイル接続端部33a上に第2のコンタクト部68を形成することができる。
【0221】
そして図19に示す第2のコイル層58形成時に、前記第2のコイル層58の巻き終端部58bを、前記第2のコンタクト部68に導通接続させることができる。
【0222】
また本発明では、図2に示す第1のコイル層54の巻き終端部から一体にして形成された第2のコイルリード層34の外部接続端部34a及び/または前記第1のコイルリード層33の外部接続端部33b上に、図13ないし図16、あるいは図21ないし図23と同一工程によって、第3のコンタクト部71をメッキ形成することができる。
【0223】
その後、図20に示す上部コア層60の製造工程と同一工程時に、図8に示す前記第3のコンタクト部71上に持上げ層72を形成し、前記持上げ層72上にバンプ37を形成し、さらに保護層61の上面から露出する前記バンプ37の表面に外部接続用端子38を形成する。
【0224】
さらには本発明では、図12に示す第1のコイル層54の形成時に、前記第1のコイル層54とは離れた位置に、図2あるいは図9に示す電極リード層35及び36をメッキ形成し、図13ないし図16、あるいは図21ないし図23と同一工程によって、第4のコンタクト部73を前記電極リード層35及び36の外部接続端部35a及び36a上にメッキ形成することができる。
【0225】
その後、図20に示す上部コア層60の製造工程と同一工程時に、図9に示す前記第4のコンタクト部73上に持上げ層72を形成し、前記持上げ層72上にバンプ39を形成し、さらに保護層61の上面から露出する前記バンプ39の表面に外部接続用端子40を形成する。
【0226】
なお上記した第2のコンタクト部68、第3のコンタクト部71及び第4のコンタクト部73を、第1のコンタクト部62と同様に、導電性材料層64及び導電性保護層65の積層メッキ構造で形成することが好ましい。
【0227】
また本発明では、第1のコイルリード層33、電極リード層35及ぶ36を、第1のコイル層54と同様に下からメッキ下地層63、導電性材料層64及び導電性保護層65の3層メッキ構造で形成することが好ましい。
【0228】
以上のように本発明では、第1のコンタクト部62と同じ製造工程時に、第2のコンタクト部68、第3のコンタクト部71及び第4のコンタクト部73をメッキ形成することができるため、製造工程数を少なくでき、製造効率を向上させることができる。
【0229】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、第1のコイル層の巻き中心部と第2のコイル層の巻き中心部間を第1のコンタクト部によって導通接続させるものである。
【0230】
本発明では、前記第1のコイル層の巻き中心部を平坦化された面上に形成するため、前記巻き中心部の上面を平坦化面として形成できる。
【0231】
よって前記巻き中心部上に第1のコンタクト部を矩形状や円柱状などの水平断面が一定の面積を有する形状で形成しやすく、したがってコイル絶縁層の上面から研磨加工によって露出する前記第1のコンタクト部の上面の露出面積をほぼ常に一定に保つことができる。
【0232】
従って本発明では、前記第1のコンタクト部上に導通接続される第2のコイル層の巻き中心部との導通性を良好にできるとともに、安定した直流抵抗を得ることができる。
【0233】
また本発明における製造方法によれば、前記コイル層間の第1のコンタクト部による導通接続を容易にしかも少ない製造工程で形成できるとともに、例えばMRヘッドの電極リード層とバンプ間の導通接続も、前記コイル層間の導通接続工程と同じ工程時に行うことができ、製造工程の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスライダのトレーリング側端面の部分正面図、
【図2】2層コイル間の導通接続構造や、各リード層の導通接続構造を示す模式図、
【図3】図1に示す3−3線から切断した本発明における薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図4】図3に示す符号E内のコイル層間の導通接続構造を示す部分拡大断面図、
【図5】本発明における他の実施形態のコイル層間の導通接続構造を示す部分拡大断面図、
【図6】本発明における他の実施形態の薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図7】図1に示す7−7線から切断した本発明における薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図8】図1に示す8−8線から切断した本発明における薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図9】図1に示す9−9線から切断した本発明における薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図10】本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図11】図10の工程の次に行なわれる一工程図、
【図12】図11の工程の次に行なわれる一工程図、
【図13】第1のコイル層の巻き中心部上にメッキ形成される第1のコンタクト部の製造方法を示す図12の工程の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13の工程の次に行なわれる一工程図、
【図15】図14の工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15の工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16の工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】図17の工程の次に行なわれる一工程図、
【図19】図18の工程の次に行なわれる一工程図、
【図20】図19の工程の次に行なわれる一工程図、
【図21】第1のコイル層の巻き中心部上にメッキ形成される第1のコンタクト部の他の製造方法を示す一工程図、
【図22】図21の工程の次に行なわれる一工程図、
【図23】図22の工程の次に行なわれる一工程図、
【図24】従来の薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図25】図24に示すコイル層間の導通接続構造の製造方法を示す一工程図、
【図26】図25の工程の次に行なわれる一工程図、
【図27】図26の工程の次に行なわれる一工程図、
【図28】図24に示すコイル層間の導通接続構造の製造方法の問題点を示す一工程図、
【符号の説明】
33 第1のコイルリード層
34 第2のコイルリード層
35、36 電極リード層
37、39 バンプ
38、40 外部接続用端子
47 下部コア層
48 磁極部
54 第1のコイル層
54a (第1のコイル層の)巻き中心部
57 コイル絶縁層
58 第2のコイル層
58a (第2のコイル層の)巻き中心部
60 上部コア層
62 第1のコンタクト部
63 メッキ下地層
64 導電性材料層
65 導電性保護層
68 第2のコンタクト部
69 コンタクト部
70 絶縁層
71 第3のコンタクト部
72 持上げ層
75、76 レジスト層

Claims (7)

  1. 以下の工程を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
    (a)下部コア層上に、少なくとも非磁性のギャップ層と上部磁極層とを有する磁極部を記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法で形成する工程と、
    (b)前記磁極部のハイト方向後方に、前記下部コア層上にコイル絶縁下地層を形成し、前記コイル絶縁下地層上に前記磁極部の上面よりも低い高さで第1のコイル層をメッキ形成すると同時に、前記第1のコイル層とは離れた位置に第1のコイルリード層をメッキ形成する工程と、
    (c)前記第1のコイル層上及び前記第1のコイルリード層上をレジスト層で覆い、このとき前記第1のコイル層の巻き中心部上に露光現像によって第1のコンタクト部を形成するための抜きパターンを形成すると同時に、前記第1のコイルリード層のコイル接続端部上に露光現像によって第2のコンタクト部をメッキ形成するための抜きパターンを形成する工程と、
    (d)前記第1のコンタクト部を形成するための抜きパターン内に前記第1のコンタクト部をメッキ形成すると同時に、前記第2のコンタクト部をメッキ形成するための抜きパターン内に前記第2のコンタクト部をメッキ形成する工程と、
    (e)前記レジスト層を除去し、前記第1のコイル層上及び前記第1のコンタクト部上、さらには前記第1のコイルリード層上及び第2のコンタクト部上にコイル絶縁層を形成する工程と、
    (f)前記コイル絶縁層の上面を前記磁極部の上面と同一面となるように平坦化し、このとき前記絶縁層の上面に前記第1のコンタクト部及び第2のコンタクト部の上面を露出させる工程と、
    (g)前記コイル絶縁層上に第2のコイル層をメッキ形成し、このとき前記第2のコイル層の巻き中心部を前記第1のコンタクト部上に導通接続させると同時に、第2のコイル層の巻き終端部を、前記第2のコンタクト部の上面と導通接続させる工程と、
    (h)前記上部磁極層上から前記第2のコイル層上に形成された絶縁層上にかけて上部コア層を形成する工程。
  2. 記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上に第3のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第3のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成する請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  3. 前記(b)工程と同時に、前記第1のコイル層の巻き終端部から前記第1のコイル層と一体で第2のコイルリード層をメッキ形成し、前記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上及び前記第2のコイルリード層の外部接続端部上に第3のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第3のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成する請求項1記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 前記(a)工程の前に、前記下部コア層の下側に再生用の磁気抵抗効果素子を形成し、
    前記(b)工程と同時に、前記第1のコイル層とは離れた位置に、前記磁気抵抗効果素子に検出電流を供給するための電極リード層を形成し、前記(c)ないし(f)工程と同時処理によって、前記電極リード層上に第4のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第4のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプを形成する請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 前記(d)工程における第1のコンタクト部ないし第4のコンタクト部のいずれかのコンタクト部の形成時において、導電性材料層をメッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造を前記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層を形成し、前記(f)工程のとき、あるいは前記(f)工程と(g)工程の間に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化層を除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保護層を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去して、前記コイル絶縁層の上面から導電性材料層を露出させる請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 前記(b)工程時における前記第1のコイル層、第1のコイルリード層、第2のコイルリード層及び電極リード層の形成時、あるいは前記(g)工程時における第2のコイル層の形成時において、導電性材料層をメッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造を、前記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層を形成し、次の工程に移行する前に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化層を除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保護層を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去して、前記コイル絶縁層の上面から前記導電性材料層を露出させる請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 前記導電性材料層を、Cu,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は多層構造でメッキ形成する請求項またはに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
JP2000340279A 2000-11-08 2000-11-08 薄膜磁気ヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP3593497B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340279A JP3593497B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US10/008,019 US6894870B2 (en) 2000-11-08 2001-11-05 Thin film magnetic head comprising at least two coil layers and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000340279A JP3593497B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002150509A JP2002150509A (ja) 2002-05-24
JP3593497B2 true JP3593497B2 (ja) 2004-11-24

Family

ID=18815220

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000340279A Expired - Fee Related JP3593497B2 (ja) 2000-11-08 2000-11-08 薄膜磁気ヘッドの製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6894870B2 (ja)
JP (1) JP3593497B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3950789B2 (ja) * 2002-07-17 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3857624B2 (ja) * 2002-07-19 2006-12-13 Tdk株式会社 導電薄膜パターンの形成方法、薄膜磁気ヘッドの製造方法、薄膜インダクタの製造方法、およびマイクロデバイスの製造方法
JP2004087023A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Shinka Jitsugyo Kk 薄膜磁気ヘッド
JP2005122831A (ja) * 2003-10-17 2005-05-12 Alps Electric Co Ltd 磁気ヘッド
US7310202B2 (en) * 2004-03-25 2007-12-18 Seagate Technology Llc Magnetic recording head with clad coil
US7362542B2 (en) 2004-06-29 2008-04-22 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Slider with underpass lead configured as a cooling plate
JP2007141394A (ja) * 2005-11-21 2007-06-07 Alps Electric Co Ltd 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2008165923A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Tdk Corp 薄膜磁気ヘッド
US9583125B1 (en) 2009-12-16 2017-02-28 Magnecomp Corporation Low resistance interface metal for disk drive suspension component grounding
US9025285B1 (en) 2009-12-16 2015-05-05 Magnecomp Corporation Low resistance interface metal for disk drive suspension component grounding
JP6169960B2 (ja) * 2013-12-04 2017-07-26 日東電工株式会社 回路付サスペンション基板の製造方法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2677415B2 (ja) * 1989-05-17 1997-11-17 ティーディーケイ株式会社 薄膜磁気ヘッド
US5155646A (en) * 1989-07-26 1992-10-13 Victor Company Of Japan, Ltd. Multiple layered thin-film magnetic head for magnetic recording and reproducing apparatus
JPH04356710A (ja) * 1991-01-30 1992-12-10 Yamaha Corp 薄膜磁気ヘッドの製造法
US6166880A (en) 1991-08-13 2000-12-26 Tdk Corporation Thin film magnetic head which prevents errors due to electric discharge
US6032353A (en) 1997-05-15 2000-03-07 Read-Rite Corporation Magnetic head with low stack height and self-aligned pole tips
US5966800A (en) 1997-07-28 1999-10-19 Read-Rite Corporation Method of making a magnetic head with aligned pole tips and pole layers formed of high magnetic moment material
US6008969A (en) * 1997-12-18 1999-12-28 Read-Rite Corporation Planar recording head having formed yokes
JP3781399B2 (ja) * 1998-12-08 2006-05-31 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3499458B2 (ja) * 1998-12-09 2004-02-23 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに薄膜コイルの形成方法
JP3421635B2 (ja) * 1999-06-04 2003-06-30 ティーディーケイ株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3527138B2 (ja) * 1999-06-17 2004-05-17 Tdk株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法ならびに薄膜コイル素子およびその製造方法
JP3747135B2 (ja) * 1999-08-06 2006-02-22 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2001060307A (ja) * 1999-08-24 2001-03-06 Tdk Corp 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3373181B2 (ja) * 1999-09-17 2003-02-04 ティーディーケイ株式会社 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20020054460A1 (en) 2002-05-09
US6894870B2 (en) 2005-05-17
JP2002150509A (ja) 2002-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3593497B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3747135B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US7209322B2 (en) Thin film magnetic head having toroidally wound coil
JP3517208B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3522620B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP4047252B2 (ja) 薄膜構造体の製造方法
US6987644B2 (en) Thin film magnetic head including coil wound in toroidal shape and method for manufacturing the same
US20020060879A1 (en) Thin film magnetic head having a plurality of coil layers
JP2001052309A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US6320726B1 (en) Thin film magnetic head and method of manufacturing the same, and method of forming thin film coil
US6901651B2 (en) Method of manufacturing thin-film magnetic head
JP3349975B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6704162B2 (en) Thin-film head for reducing track width, preventing write fringing and reducing saturation
US20020071209A1 (en) Thin-film magnetic head reliably producing fringing flux at gap layer and method for fabricating the same
JP2004296061A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3842724B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP3854035B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH07114717A (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP4015135B2 (ja) Cpp型薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2008077786A (ja) 磁気ヘッド構造体及びその製造方法
JP3569513B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3410032B2 (ja) 複合型薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP2002353538A (ja) 磁気検出素子、磁気検出素子の製造方法及び磁気ヘッド
JPH1083520A (ja) 磁気ヘッド及びその製造方法
JP2003036509A (ja) 記録再生分離型ヘッド及びそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040729

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070903

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080903

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090903

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees