JP3373181B2 - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも書き込
み用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子
を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気
ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方
性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resi
stive )と記す。)効果を有する膜を用いたAMR素子
と、巨大磁気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resi
stive )と記す。)効果を有する膜を用いたGMR素子
とがあり、AMR素子を用いた再生ヘッドはAMRヘッ
ドあるいは単にMRヘッドと呼ばれ、GMR素子を用い
た再生ヘッドはGMRヘッドと呼ばれている。AMRヘ
ッドは面記録密度が1Gbits/in2 を超える再生
ヘッドとして利用され、GMRヘッドは面記録密度が3
Gbits/in2 を超える再生ヘッドとして利用され
ている。
【0003】一般的に、AMR膜は、MR効果を示す磁
性体を膜としたもので、単層構造になっている。これに
対して、多くのGMR膜は、複数の膜を組み合わせた多
層構造になっている。GMR効果が発生するメカニズム
にはいくつかの種類があり、そのメカニズムによってG
MR膜の層構造が変わる。GMR膜としては、超格子G
MR膜、スピンバルブ膜、グラニュラ膜等が提案されて
いるが、比較的構成が単純で、弱い磁界でも大きな抵抗
変化を示し、量産を前提とするGMR膜としては、スピ
ンバルブ膜が有力である。
【0004】再生ヘッドの性能を決定する要因として
は、パターン幅、特に、MRハイトの加工精度がある。
MRハイトはMR素子のエアベアリング面(ABS )側の
端部から反対側の端部までの長さ(高さ)をいう。この
MRハイトは、本来、エアベアリング面の加工の際の研
磨量によって制御されている。なお、ここにいうエアベ
アリング面は、薄膜磁気ヘッドの磁気記録媒体に対向す
る面であり、トラック面ともいう。
【0005】一方、再生ヘッドの性能向上に伴って、記
録ヘッドの性能向上も求められている。記録ヘッドの性
能のうち、記録密度を高めるには、磁気記録媒体におけ
るトラック密度を上げる必要がある。そのためには、記
録ギャップ(write gap)を挟んでその上下に形成された
下部磁極(ボトムポール)および上部磁極(トップポー
ル)のエアベアリング面でのトラック幅を数ミクロンか
らサブミクロンオーダーまで狭くした狭トラック構造の
記録ヘッドを実現する必要があり、この実現には半導体
加工技術が利用されている。
【0006】記録ヘッドの性能を決定するその他の要因
としては、スロートハイト(ThroatHeight:TH) の加工
精度がある。スロートハイトは、エアベアリング面か
ら、薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまで
の部分(磁極部分)の長さ(高さ)をいう。記録ヘッド
の性能向上のためには、スロートハイトの縮小化が望ま
れている。このスロートハイトも、エアベアリング面の
加工の際の研磨量によって制御されていた。
【0007】薄膜磁気ヘッドの性能の向上のためには、
上述のような記録ヘッドと再生ヘッドとをバランスよく
形成することが重要である。
【0008】ここで、図30ないし図35を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの一例として複合型薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法を説明する。図36は従来の複合型薄膜磁
気ヘッドの平面図である。なお、図30ないし図35に
おいて、(A)は図36のXXXVA−XXXVA切断
線で切った工程断面図、(B)は図36のXXXVB−
XXXVB切断線で切った工程断面図である。
【0009】(1)まず、図30に示したように、例え
ばアルティック(Al2 3 ・ TiC)よりなる基板1
01上に、例えばアルミナ(酸化アルミニウム: Al2
3)よりなる絶縁層102を、約5μm〜10μm程
度の厚みで形成する。続いて、絶縁層102上に例えば
パーマロイ(NiFe)からなる再生ヘッド用の下部シ
ールド層103を形成する。
【0010】(2)図31に示したように、下部シール
ド層103上に、例えばアルミナを100nm〜200
nmの厚みで堆積し、シールドギャップ膜104を形成
する。続いて、シールドギャップ膜104上に、再生用
のMR素子を構成するためのMR膜105を数十nmの
厚みで形成し、高精度のフォトリソグラフィで所望の形
状とする。続いて、このMR膜105の両端に一対のリ
ード端子層106をリフトオフ法により形成する。続い
て、シールドギャップ膜104上、MR膜105上およ
びリード端子層106上に、シールドギャップ膜107
を形成し、MR膜105およびリード端子層106をシ
ールドギャップ膜104と107との間に埋設する。続
いて、シールドギャップ膜107上に、再生ヘッドと記
録ヘッドの双方に用いる磁気材料、例えばNiFeから
なる膜厚3μmの上部シールド兼下部磁極(以下、単に
下部磁極と記す。)108を形成する。
【0011】(3)図32に示したように、下部磁極1
08上に、絶縁層例えばアルミナ膜よりなる膜厚200
nmの記録ギャップ層109を形成する。更に、この記
録ギャップ層109をフォトリソグラフィによりパター
ンニングし、下部磁極108とこの上層に後に形成され
る上部磁極(116)との接続用の開口109aを形成
する。続いて、めっき法によりNiFeや窒化鉄(Fe
N)からなる磁気材料により磁極先端部(ポールチッ
プ)110を形成すると共に、上部磁極と下部磁極10
8との間を磁気的に接続する磁極連結部110aを形成
する。この磁極連結部110aを予め形成しておくこと
により、絶縁層111を形成し、その表面をCMP(Ch
emical and Mechanical Polishing : 化学的機械研磨)
工程で平坦化した後に、あえて双方の接続のための開口
(スルーホール)を形成しなくても、下部磁極108と
上部磁極との間を磁気的に簡易に接続することができ
る。
【0012】(4)図33に示したように、磁極先端部
110をマスクとしてイオンミリングによって約0.3
μm〜0.5μm程度のエッチングを行い、記録ギャッ
プ層109および下部磁極108の表面の一部を取り除
く。下部磁極108までエッチングしてトリム構造とす
ることにより、実効書き込みトラック幅の広がりが防止
される(すなわち、データの書き込み時において、下部
磁極108における磁束の広がりが抑制される)。続い
て、基板全面に、膜厚約3μmの例えばアルミナからな
る絶縁層111を形成した後、絶縁層111の全面をC
MPにより平坦化する。
【0013】(5)図34に示したように、絶縁層11
1上に、例えばめっき法により銅(Cu)からなる誘導型
の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル112を選択的
に形成する。続いて、絶縁層111および薄膜コイル1
12上に、フォトレジスト膜113を高精度のフォトリ
ソグラフィで所定のパターンに形成する。続いて、フォ
トレジスト膜113の平坦化および薄膜コイル112間
の絶縁化のために所定の温度の熱処理を行う。更に、第
1層目の薄膜コイル112と同様の条件で、フォトレジ
スト膜113上に第2層目の薄膜コイル114を形成す
る。そして、第2層目の薄膜コイル114上にフォトレ
ジスト膜115を形成し、フォトレジスト膜115の平
坦化および薄膜コイル114間の絶縁化のために所定の
温度の熱処理を行う。
【0014】(6)図35に示したように、磁極先端部
110、フォトレジスト膜113、および115上に、
記録ヘッド用の磁気材料、例えばNiFeからなる上部
ヨーク兼上部磁極(以下、単に上部磁極と記す。)11
6を形成する。この上部磁極116は、図36に示した
ように薄膜コイル112、114のそれぞれの中心部分
において、磁極連結部110aを介在させて下部磁極1
08に接触し、かつ磁気的に連結される。続いて、上部
磁極116上に、例えばアルミナよりなるオーバーコー
ト層117を形成する(図35参照。)。最後に、スラ
イダによる機械加工により、記録ヘッドおよび再生ヘッ
ドのトラック面(エアベアリング面)118を形成し
て、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0015】図35および図36において、符号THは
スロートハイトを表し、MR−HはMRハイトをそれぞ
れ表している。また、符号P2Wはトラック(磁極)幅
を表している。薄膜磁気ヘッドの性能を決定する要因と
して、スロートハイトTHやMRハイトMR−H等の他
に、同図35においてθで示したようなエイペックスア
ングル(Apex Angle)がある。このエイペックスアング
ルは、フォトレジスト膜113、115のそれぞれのト
ラック面側の側面の角部を結ぶ直線と上部磁極116の
上面とのなす角度をいう。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】この種の薄膜磁気ヘッ
ドにおいては、近い将来、面記録密度が10Gbits
/in2 〜20Gbits/in2 の高密度に達し、3
00MHz〜500MHzの高周波帯域での使用が予測
されており、スロートハイトTHが零の近傍における磁
気ボリュームをいかに最適に確保できるかが重要な課題
になっている。
【0017】当然ながら、スロートハイトTHが零の近
傍で大きな磁気ボリュームが得られれば、オーバーライ
ト特性を向上させることができる。特開平10−320
963号公報には、スロートハイトTHが零の近傍にお
いてトラック幅P2Wから90度に広がりを有する上部
磁極が開示されており、このような上部磁極においては
オーバーライト特性を向上させ易いことが明らかにされ
ている。
【0018】しかしながら、スロートハイトTHが零の
近傍で磁束が集中した場合、磁極先端部から磁気記録媒
体に漏れる磁束が多くなってしまう。このため、磁気記
録媒体において、本来、記録データが書き込まれる記録
トラックの隣の記録トラックに記録データが書き込まれ
てしまうサイドライトや、記録データの書き滲み等の不
具合を生じる問題がしばしば見受けられた。
【0019】さらに、薄膜磁気ヘッドにおいて、磁極先
端部から過度に磁束が流れ、エアベアリング面近傍で極
端に磁束の流れが制限された場合には、低周波特性、高
周波特性のそれぞれの磁気的な実効書き込みトラック幅
が極端に異なるトラブルが生じ、またエアベアリング面
近傍に過度の磁束が流れた場合には、記録データを書き
込む記録トラックの隣の記録トラックに既に書き込まれ
た記録データを消去してしまうサイドトラックイレーズ
を起こしてしまうトラブルが生じる問題がしばしば見受
けられた。特に、ハードディスク装置に組み込まれた薄
膜磁気ヘッドにおいては、サイドトラックイレーズは、
磁気ディスク板を左右にスキューさせた時に、磁気ディ
スク板のセンターや外周で発生することが多かった。
【0020】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的は、磁極(磁極先端部)や磁性層
に流れる磁束を最適に制御することが可能な(最適なフ
ラックスコントロールが可能な)薄膜磁気ヘッドおよび
その製造方法を提供することにある。
【0021】本発明の第2の目的は、磁束の飽和を回避
して磁極への十分な磁束の供給を確保することでオーバ
ーライト特性を向上させることができるとともに、磁極
への過剰な磁束の流入を抑制して、サイドライト、記録
データの書き滲み、およびサイドトラックイレーズ等の
不都合を防止することが可能な薄膜磁気ヘッドおよびそ
の製造方法を提供することにある。
【0022】本発明の第3の目的は、本発明の第2の目
的を達成しつつ、周波数特性の違いによる磁気的な実効
書き込みトラック幅の変化量を減少することが可能な薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0023】さらに、本発明の第4の目的は、簡易な構
造または簡単な製造方法で、第1の目的ないし第3の目
的の少なくともいずれか1つを達成することができる薄
膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提供することにあ
る。
【0024】さらに、本発明の第5の目的は、製造工程
数を削減しつつ、第1の目的ないし第4の目的を達成す
ることができる薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法を提
供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜磁気ヘ
ッドは、記録媒体に対向する記録媒体対向面の側の一部
にギャップ層を介して対向する下部磁極先端部および上
部磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互いに連結され
下部磁性層および上部磁性層と、下部磁性層および上
部磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイルと
を有し、上部磁性層が、さらに、上部磁極先端部に磁気
的に連結されると共に薄膜コイルの形成領域まで延在す
る上部磁極を含み、かつ、上部磁極先端部と上部磁極と
が別層として形成されている薄膜磁気ヘッドであって、
上部磁性層の上部磁極先端部に、穴部とこの穴部に埋設
された非磁性体とを含む非磁性体領域を備えたものであ
る。
【0026】本発明による薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、記録媒体に対向する記録媒体対向面の側の一部に、
ギャップ層を介して対向する下部磁極先端部および上部
磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互いに連結された
下部磁性層および上部磁性層と、下部磁性層および上部
磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイルとを
有し、上部磁性層が、さらに、上部磁極先端部に磁気的
に連結されると共に薄膜コイルの形成領域まで延在する
上部磁極を含み、かつ、上部磁極先端部と上部磁極とが
別層として形成されている薄膜磁気ヘッドの製造方法で
あって、上部磁極先端部を形成する工程と、上部磁極先
端部に穴部を形成する工程と、穴部に非磁性体を埋設す
ることにより、上部磁極先端部に、穴部と非磁性体とを
含む非磁性体領域を形成する工程とを含むようにしたも
のである。
【0027】本発明による薄膜磁気ヘッドまたはその製
造方法では、上部磁性層の上部磁極先端部に非磁性体領
域が存在することになるので、磁束は、この非磁性体領
域を通過することができない。すなわち、非磁性体領域
は、磁束の流れに対して一種の障害物として機能する。
【0028】本発明による薄膜磁気ヘッドまたはその製
造方法において、特に、例えば、上部磁極先端部の形成
と同時に穴部を形成し、上部磁極先端部の周辺を埋設す
絶縁体の形成と同時に穴部に同一の絶縁体を埋設して
非磁性体領域を形成するようにした場合には、上部磁極
先端部の形成工程と絶縁体の形成工程とを利用して非磁
性体領域が形成されるので、非磁性体領域を形成するた
めの特別の工程を必要としない
【0029】また、「非磁性体領域」は、絶縁体または
導電体を含むように構成可能である
【0030】また、本発明による薄膜磁気ヘッドまたは
その製造方法では、下部磁極先端部における記録媒体対
向面と反対側の端縁位置が、絶縁層の記録媒体対向面側
の端縁位置と一致することが好ましい。
【0031】
【0032】また、本発明による薄膜磁気ヘッドまたは
その製造方法では、穴部が上部磁極先端部の一部領域
貫通するように配設されているようにしてもよい。
【0033】本発明の他の薄膜磁気ヘッドは、記録媒体
に対向する記録媒体対向面の側の一部に、ギャップ層を
介して対向する下部磁極先端部および上部磁極先端部
それぞれ含む、磁気的に互いに連結された下部磁性層お
よび上部磁性層と、下部磁性層および上部磁性層の間に
絶縁層を介して配設された薄膜コイルとを有し、上部磁
性層が、さらに、上部磁極先端部に磁気的に連結される
と共に薄膜コイルの形成領域まで延在する上部磁極を含
み、かつ、上部磁極先端部と上部磁極とが別層として形
成されている薄膜磁気ヘッドであって、上部磁性層の上
部磁極先端部に、上部磁極先端部内における磁束の流れ
を制御するための磁束制御部を備えたものである。
【0034】本発明の他の薄膜磁気ヘッドの製造方法
は、記録媒体に対向する記録媒体対向面の側の一部に、
ギャップ層を介して対向する下部磁極先端部および上部
磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互いに連結された
下部磁性層および上部磁性層と、下部磁性層および上部
磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイルとを
有し、上部磁性層が、さらに、上部磁極先端部に磁気的
に連結されると共に薄膜コイルの形成領域まで延在する
上部磁極を含み、かつ、上部磁極先端部と上部磁極とが
別層として形成されている薄膜磁気ヘッドの製造方法で
あって、上部磁極先端部を形成する工程と、上部磁極先
端部に、磁束の流れを制御するための磁束制御部を形成
する工程とを含むようにしたものである。
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0037】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施
の形態は、再生ヘッドと、磁束発生用の1層の薄膜コイ
ルを有する記録ヘッドとを同時に備えた複合型薄膜磁気
ヘッド(以下、単に薄膜磁気ヘッドという。)に、本発
明を適用した例を説明するものである。図1は本発明の
第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図、
図2は本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の記録ヘッド部分の平面図である。図1中、(A)は図
2に示すトラック面(またはエアベアリング面)に垂直
なIA−IA切断線で切った要部断面図、(B)は同図
2に示すトラック面に平行なIB−IB切断線で切った
要部断面図である。
【0038】図1および図2に示したように、本発明の
第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、再生用の磁
気抵抗効果読み出しヘッド部(以下、単に再生ヘッド部
という。)1Aと、記録用のインダクティブ記録ヘッド
部(以下、単に記録ヘッド部という。)1Bとを備え、
再生ヘッド部1A上に記録ヘッド部1Bを配設してい
る。
【0039】図1に示したように、再生ヘッド部1A
は、例えばアルティック(Al2 3・ TiC)からな
る基板11上に、例えばアルミナ(酸化アルミニウム:
Al23 )により形成された絶縁層12、例えば珪化
鉄アルミニウム(FeAlSi)により形成された下部
シールド層13、例えばアルミナにより形成されたシー
ルドギャップ層14のそれぞれを順次介して所定パター
ンの磁気抵抗効果膜(以下、単にMR膜という。)15
を備えている。
【0040】さらに、再生ヘッド部1Aにおいては、シ
ールドギャップ層14上に、例えばタンタル(Ta)や
タングステン(W)等のMR膜に拡散しない材料により
形成された一対のリード端子層15aおよび15bが形
成されており、リード端子層15aがMR膜15の一端
に電気的に接続され、リード端子層15bがMR膜15
の他端に電気的に接続されている。MR膜15は、例え
ばパーマロイ(NiFe合金)やニッケル(Ni)−コ
バルト(Co)合金など磁気抵抗効果を有する各種材料
により形成されている。MR膜15上、リード端子層1
5a上および15b上には例えばアルミナよりなるシー
ルドギャップ層17が積層されている。つまり、MR膜
15、リード端子層15aおよび15bはシールドギャ
ップ層14と17との間に埋設されている。なお、MR
膜15は、特に限定されるものではなく、AMR膜や、
自由層(磁性層)と固定層(磁性層)との間に非磁性層
を介在させたGMR膜や、TMR膜等の磁気抵抗効果を
示す磁気抵抗効果膜で形成してもよい。
【0041】記録ヘッド部1Bはこの再生ヘッド部1A
上に積層されて配設されている。記録ヘッド部1Bは、
互いに磁気的に連結された下部磁極(下部ポール)18
および下部磁極先端部(下部ポールチップ)19aを含
む下部磁性層と、互いに磁気的に連結された上部磁極
(上部ポールまたはヨークポール)23および上部磁極
先端部(上部ポールチップ)23aを含む上部磁性層
と、磁束発生用の薄膜コイル21を備えている。下部磁
極先端部(下部ポールチップ)19aと上部磁極先端部
23aとは、記録ギャップ層22を介して対向してい
る。上部磁性層の一部領域には、磁束の流れを制御する
非磁性体領域200が形成されている
【0042】
【0043】下部磁極18はMR膜15に対する上部シ
ールド層を兼ねている。本実施の形態において、下部磁
極先端部19aは、下部磁極18の上にこれと別層とし
て形成されると共に、下部磁極18と磁気的に連結され
ている。上部磁極先端部23aと上部磁極23とは同一
の磁性層として一体的に形成されている。また、下部磁
極18と上部磁極23との間は磁気接続部19bを通し
て磁気的に連結されている。この磁気接続部19bは下
部磁極先端部19aと同一の磁性層で形成されている。
下部磁極18よりも後方(エアベアリング面から遠ざか
る方向の)の領域は、絶縁層8によって、下部磁極18
と同じ高さまで埋め込まれている。
【0044】以上の下部磁極18、下部磁極先端部19
a、磁気接続部19b、上部磁極先端部23aおよび上
部磁極23は、それぞれ、例えば高飽和磁束密度材料
(Hi−Bs材)、具体的にはNiFe(Ni:50重量
%、Fe:50重量%)、NiFe(Ni:80重量
%、Fe:20重量%)、FeN、FeZrNP、Co
FeN等で形成することが実用的である。
【0045】この記録ヘッド部1Bにおいては、上部磁
極先端部23a、記録ギャップ層22、下部磁極先端部
19aの表面の一部のそれぞれを所定のトラック幅に合
わせて重ね切り加工したトリム(Trim)構造となってお
り、実効書き込みトラック幅の広がり、すなわち磁気デ
ータの書き込み時において下部磁極先端部19aにおけ
る磁束の広がりが抑制されている。
【0046】薄膜コイル21は、下部磁極層18上にお
いて下部磁極先端部19aと磁気接続部19bとの間
と、この磁気接続部19bよりも図1(A)中および図
2中右側とに配設されている。すなわち、薄膜コイル2
1は、磁気接続部19bをほぼ中心として、この磁気接
続部19bの周囲に、螺旋状に複数回周回するように配
列されている。薄膜コイル21は、下部磁極層18上の
絶縁層20a上に形成され、下部磁極先端部19aおよ
び磁気接続部19bの上面と一致するように表面が平坦
化された絶縁層20bに埋設されるようになっている。
このように下部磁極先端部19aと磁気接続部19bと
の間に形成された凹部内に薄膜コイル21を埋設するこ
とにより、エイペックス部の段差を減少させることがで
きる。薄膜コイル21は接続孔22aを通してコイル接
続配線23cに電気的に接続されている。コイル接続配
線23cは上部磁極23と同一層で形成されている。な
お、下部磁極先端部19aは絶縁層20aに隣接してお
り、すなわち下部磁極先端部19aの後端縁(エアベア
リング面から遠い側の端縁)位置と絶縁層20aの前端
縁(エアベアリング面に近い側の端縁)位置とは互いに
一致している
【0047】下部磁極先端部19a上および平坦化され
た絶縁層20b上には記録ギャップ層22が形成されて
いる。記録ギャップ層22の下部磁極先端部19aと上
部磁極先端部23aとで挟まれた領域は本来の記録ギャ
ップ層として使用され、それ以外の領域に形成された記
録ギャップ層22は下部磁極18と上部磁極23との間
の磁気的な分離層等として使用されている。下部磁極先
端部19aと上部磁極先端部23aとの間は、磁気接続
部19b上において記録ギャップ層22に形成された開
口22aを通して、磁気接続部19bを介在させて磁気
的に連結されている。
【0048】非磁性体領域200は、上部磁性層のう
ち、上部磁極先端部23aよりも反対側の領域、すなわ
ち上部磁極23に形成された貫通穴23Hと、この貫通
穴23Hに埋設された非磁性体26Nとを備えて構成さ
れている。非磁性体領域200は、具体的には、貫通穴
23Hの前端縁が、上部磁極先端部23aの後端縁から
後方に例えば0.5μm〜2μmの範囲に位置するよう
に、形成されている。但し、これ以外の範囲に位置する
ように形成されてもよい。
【0049】図2中、左側(磁気記録媒体側)の一端か
ら右側の他端(磁気接続部19b側)に向かって、上部
磁極23には、オーバーライト改善部23A、磁束収束
部23Bのそれぞれが配設されている。オーバーライト
改善部23Aは、上部磁極先端部23aのトラック幅P
2Wよりも大きく、上部磁極23の最大幅W2よりも小
さい幅W1を有しており、上部磁極23から上部磁極先
端部23aにかけて十分な磁気ボリュームを確保できる
ようになっている。上部磁極先端部23aのトラック面
からの長さ(高さ)はスロートハイトTHと等しく、上
部磁極先端部23aと上部磁極23との連結部はスロー
トハイトTHが零の位置に等しくなる。磁束収束部23
Bは、上部磁極23の最大幅W2からオーバーライト改
善部23Aの幅W1まで徐々に幅が小さくなるような平
面形状で形成されており、上部磁極23からオーバーラ
イト改善部23Aを通して上部磁極先端部23aに磁束
(マグネティクフラックス)を収束して流すようになっ
ている
【0050】非磁性体領域200の貫通穴23Hはこの
ように構成される上部磁極23のオーバーライト改善部
23Aのほぼ幅方向中央部に配設されており、貫通穴2
3Hの幅W3は、同一方向のトラック幅P2Wよりも大
きく、オーバーライト改善部23Aの幅W1よりも小さ
く設定されている。すなわち、非磁性体領域200は、
磁束収束部23Bで収束されてきた磁束を、直接、上部
磁極先端部23aに流すのではなく、オーバーライト改
善部23Aにおいて非磁性体領域200を迂回するよう
に分流させてから再び合流させるようにして上部磁極先
端部23aに流すようになっている。
【0051】本実施の形態においては、貫通穴23Hは
上部磁極23(および上部磁極先端部23a)のパター
ン形成と同時に形成することができ、貫通穴23Hに埋
設される非磁性体26Nには絶縁体が使用されている。
非磁性体26Nは上部磁極23上を覆い薄膜磁気ヘッド
を保護するためのオーバーコート層26の一部を利用し
て(兼用して)形成されている。
【0052】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
再生ヘッド部1Aにおいて、MR膜15の磁気抵抗効果
を利用して磁気記録媒体から情報の読み出しを行い、記
録ヘッド部1Bにおいて、上部磁極先端部23aと下部
磁極先端部19aとの間の信号磁界を薄膜コイル21に
流す電流により変化させることで磁気記録媒体に情報を
書き込むことができる。
【0053】次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法について説明する。図3ないし図7は製造方
法を説明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面図であ
る。図3ないし図7において、(A)は図2に示すIA
−IA切断線における工程断面図、(B)は同図2に示
すIB−IB切断線における工程断面図である。
【0054】(1)まず、例えばアルティックからなる
基板11を準備し(図3参照)、この基板11上に例え
ばスパッタリング法によりアルミナからなる絶縁層12
を約3μm〜5μm程度の厚みで形成する。次に、絶縁
層12上にフォトレジストマスクを形成し、このフォト
レジストマスクを使用してめっき法によりNiFeを約
3 μmの厚みで選択的に形成する。この後に、フォトレ
ジストマスクを除去し、図3に示したようにNiFeか
ら再生ヘッド用の下部シールド層13を形成する。図3
には示されていないが、引き続き、例えばスパッタリン
グ法またはCVD(Chemical Vapor Deposition )法に
より約4〜6μmの厚さのアルミナ膜を形成し、このア
ルミナ膜の表面を下部シールド層13の表面と一致する
程度にCMP法によって平坦化する。この結果、下部シ
ールド層13の周囲にはアルミナ膜が埋め込まれた状態
になる。
【0055】(2)下部シールド層13上に、例えばア
ルミナ膜を100nm〜200nmの厚みでスパッタリ
ング法により堆積し、シールドギャップ層14を形成す
る(図4参照)。続いて、シールドギャップ層14上に
再生用のMR素子等を構成するMR膜15を数十nmの
厚みに形成し、高精度のフォトリソグラフィでMR膜1
5を所望の形状にパターンニングする。続いて、このM
R膜15に対するリード端子層15aおよび15bを例
えばリフトオフ法により形成する。続いて、シールドギ
ャップ層14上、MR膜15上、リード端子層15a上
および15b上を含む基板全面にシールドギャップ層1
7を形成し、MR膜15、リード端子層15a,15b
をシールドギャップ層14とシールドギャップ層17と
の間に埋設させる。そして、図4に示したように、シー
ルドギャップ層17上に例えばNiFeよりなる下部磁
極18を約1.0μm〜1.5μmの厚みで選択的に形
成する。下部磁極18の後方領域には、下部磁極18と
同じ厚さとなるように絶縁層8を埋め込む。下部磁極1
8は再生ヘッド部1Aの上部シールド層としても兼用さ
れており、この下部磁極18を形成することにより再生
ヘッド部1Aが実質的に完成する。
【0056】(3)下部磁極層18上に下部磁極先端部
19aおよび磁気接続部19bを約2.0μm〜2.5
μmの厚みで形成する(図5参照)。下部磁極先端部1
9aおよび下部接続部19bは、前述のようにNiFe
等のめっき膜により形成してもよく、又FeN、FeZ
rNP、CoFeN等をスパッタリング法で成膜した後
にイオンミリング法等で所定のパターンニングを行うこ
とにより形成してもよい。
【0057】続いて、全体にスパッタリング法またはC
VD法により絶縁材料、例えばアルミナよりなる膜厚
0.3μm〜0.6μmの絶縁層20aを形成する。続
いて、フォトレジストマスク16を形成し、図5に示し
たように、このフォトレジストマスク16を使用して下
部磁極先端部19aと磁気接続部19bとの間の絶縁層
20a上および磁気接続部19bの図2中右側の外周囲
の絶縁層20a上に、例えば電解めっき法により例えば
銅(Cu)よりなる磁束発生用の薄膜コイル21を形成
する。薄膜コイル21は例えば1.0μm〜2.0μm
の厚みで形成され、コイルピッチは1.2μm〜2.0
μmで形成される。
【0058】(5)フォトレジストマスク16を除去し
た後、薄膜コイル21上を含む基板全面にスパッタリン
グ法により絶縁材料、例えばアルミナよりなる膜厚3.
0μm〜4.0μmの絶縁層20bを形成する。続い
て、図6に示したように、下部磁極先端部19aの表
面、磁気接続部19bの表面のそれぞれが露出する程度
に、例えばCMP法により絶縁層20bの表面を平坦化
する。なお、本実施の形態では、薄膜コイル21の表面
は露出させていないが、必要に応じて適宜露出させるよ
うにしてもよい。
【0059】(6)下部磁極先端部19a上を含む基板
全面にスパッタリング法により絶縁材料、例えばアルミ
ナよりなる膜厚0.2μm〜0.3μmの記録ギャップ
層22を形成する(図7参照)。記録ギャップ層22に
は、アルミナの他、窒化アルミニウム(AlN)、シリ
コン酸化物(SiO2 )系、シリコン窒化物(Si3
4 )系のいずれかの非磁性材料を実用的に使用すること
ができる。続いて、磁気接続部19b上、所定の薄膜コ
イル21上のそれぞれにおいて、記録ギャップ層22に
パターンニングを行い、磁気接続部19bと上部磁極2
3との間を磁気的に接続するための開口22a、薄膜コ
イル21とコイル接続配線23cとの間を電気的に接続
するための接続孔22cのそれぞれを形成する。
【0060】続いて、図7に示したように、下部磁極先
端部19a上の記録ギャップ層22上に上部磁極先端部
23aを形成するとともに、上部磁極23、コイル接続
配線23cのそれぞれを形成する。具体的には、例えば
スパッタリング法により高飽和磁束密度材料からなる膜
厚2.0μm〜3.0μmの厚さの磁極層を形成し、フ
ォトレジストマスクを使用して磁極層をアルゴン(A
r)イオンミリングによってパターンニングすることに
より、上部磁極先端部23a、上部磁極23、コイル接
続配線23cのそれぞれを形成することができる。そし
て、さらにこの上部磁極先端部23a、上部磁極23、
コイル接続配線23cのそれぞれの形成工程と同一形成
工程において、上部磁極先端部23aの近傍(スロート
ハイトTHが零の近傍)の上部磁極23に非磁性体領域
200の貫通穴23Hが形成される。つまり、貫通穴2
3Hは上部磁極先端部23a等のパターンニングと同時
に形成することができる。上部磁極23は開口22aを
通してかつ磁気接続部19bを介在させて下部磁極18
と磁気的に連結され、コイル接続配線23cは接続孔2
2cを通して薄膜コイル21に電気的に接続される。な
お、フォトレジストマスクの代わりにアルミナ等の無機
系絶縁膜で形成されたエッチングマスクを使用してもよ
い。また、磁極層の成膜はめっき法で行ってもよい。
【0061】引き続き、上部磁極先端部23aをエッチ
ングマスクとして使用し、その周辺の記録ギャップ層2
2および下部磁極先端部19aの表面の一部分を自己整
合的にエッチングする。記録ギャップ層22は塩素系ガ
ス(Cl2 、CF4 、BCl2 、SF6 等)によるRI
E(Reactive Ion Etching) によりパターンニングされ
る。下部磁極先端部19aは例えばアルゴンイオンミリ
ングによってパターンニングされ、下部磁極先端部19
aの表面の約0.3μm〜0.6μm程度の一部がエッ
チングにより取り除かれる。この工程が終了した時点
で、トリム構造の記録ヘッド部1Bが完成する。
【0062】(7)最後に、前述の図1および図2に示
したように、全体に、例えばスパッタリング法によりア
ルミナよりなる膜厚約30μmのオーバーコート層26
を形成する。このオーバーコート層26の形成により、
オーバーコート層26の一部が貫通穴23H内部に非磁
性体26Nとして埋設され、貫通穴23Hおよび非磁性
体26Nを備えた非磁性体領域200が形成される。こ
の後、スライダ機械加工を行い、記録ヘッド部1Aおよ
び再生ヘッド部1Bのトラック面(エアベアリング面)
を形成することにより、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドを完成させることができる。
【0063】以上説明した本実施の形態では、上部磁極
先端部23aの近傍、つまりスロートハイトTHが零の
近傍の上部磁極23に非磁性体領域200を備えるよう
にしたので、上部磁極先端部23aや上部磁極23に流
れる磁束を最適に制御することができる。
【0064】さらに、本実施の形態においては、非磁性
体領域200が、上部磁極23における最も多くの磁束
が流れる幅方向の中央部に配設されているので、図2に
矢印で磁束の流れを示したように、上部磁極23から上
部磁極先端部23aに流れる磁束を一旦受け止めて、非
磁性体領域200を迂回するように分流させることがで
きる。このため、上部磁極先端部23aへの急激な磁束
の流入を防止することができる。したがって、上部磁極
先端部23aや上部磁極23に流れる磁束が途中で飽和
することのないように非磁性体領域200のサイズを適
切に設定すれば、オーバーライト特性を向上させること
ができると同時に、上部磁極先端部23aからの過剰な
磁束の流れを抑制し、サイドライト、記録データの書き
滲み、およびサイドトラックイレーズ等を防止すること
ができる。
【0065】さらに、本実施の形態では、特に、上部磁
極先端部23aに流れる磁束を最適に制御することがで
きるので、周波数特性の違いによる磁気的な実効書き込
みトラック幅の変化量を減少することも可能である。
【0066】さらに、本実施の形態においては、非磁性
体領域200が、貫通穴23Hと、貫通穴23Hに埋設
された非磁性体26Nとで構成されているので、簡易な
構造で、上部磁極先端部23aや上部磁極23に流れる
磁束の流れを最適に制御することができる。
【0067】さらに、上部磁極先端部23aや上部磁極
23の形成と同時に貫通穴23Hを形成し、上部磁極先
端部23aや上部磁極23を覆うオーバーコート層26
の形成と同時に貫通穴23Hに同一の材料の非磁性体2
6Nを埋設して非磁性体領域200を形成したので、上
部磁極先端部23aや上部磁極23を形成する工程とオ
ーバーコート層26を形成する工程とを利用して非磁性
体領域200を形成することができる。したがって、薄
膜磁気ヘッドの製造方法において、非磁性体領域200
を形成する工程を新たに追加する必要がなく、製造工程
の複雑化を回避できる。
【0068】なお、本実施の形態において、非磁性体領
域200は、貫通穴23Hに代えて止め穴(非貫通穴)
と、この止め穴に埋設された非磁性体26Nとで構成し
てもよい。さらに、非磁性体26Nは、必ずしも絶縁体
に限定されるものではなく、磁束を通過させない導電体
(例えば、銅)を用いて形成してもよい。
【0069】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態は、第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにお
ける、記録ヘッド部1Bの下部磁極先端部19a、上部
磁極23および非磁性体領域200の平面形状を変形さ
せたものである。図8は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの記録ヘッド部分の平面図を表すものである。
【0070】本実施の形態では、記録ヘッド部1Bの下
部磁極先端部19aを薄膜コイル21の周辺の全域まで
配設している。このように構成される薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法においては、薄膜コイル21の形成後
に絶縁層20bを形成し、この絶縁層20bの表面をC
MP法により平坦化しているが、下部磁極先端部19a
が比較的広い面積で形成されているので、絶縁層20b
の表面の広い範囲を均一に平坦化することができる。
【0071】さらに、本実施の形態では、上部磁極先端
部23aに向かって徐々に幅が狭くなるように、オーバ
ーライト改善部23Ab,23Aaのそれぞれが上部磁
極23に配設されている。オーバーライト改善部23A
bは上部磁極23の幅W2よりも小さい幅W4に設定さ
れており、オーバーライト改善部23Aaはオーバーラ
イト改善部23Abの幅W4よりも小さい幅W5に設定
されている。幅W4、幅W5はいずれも上部磁極先端部
23aに向かって徐々に狭くなっている。すなわち、オ
ーバーライト改善部23Aa、23Abのそれぞれの平
面形状はテーパ形状で形成されている。
【0072】そして、本実施の形態においては、上部磁
極先端部23aの近傍の上部磁極23、詳細にはオーバ
ーライト改善部23Aaからオーバーライト改善部23
Abに跨って非磁性体領域200が配設されている。非
磁性体領域200の平面形状、つまり貫通穴23Hの開
口形状は、オーバーライト改善部23Aaまたは23A
bの平面形状のほぼ相似形状で形成され、上部磁極先端
部23aに向かって徐々に開口寸法が小さくなる台形の
ような平面形状で形成されている。
【0073】本実施の形態では、第1の実施の形態と同
様に、上部磁極先端部23aの近傍の上部磁極23に非
磁性体領域200を備えているので、上部磁極先端部2
3aや上部磁極23に流れる磁束を最適に制御すること
ができる。さらに、本実施の形態では、上部磁極23に
二段階に幅が狭くなるオーバーライト改善部23Ab、
23Aaを設けるようにしたので、上部磁極23から上
部磁極先端部23aに流れる磁束を効率よく(スムース
に)収束させることができる。
【0074】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態は、第1の実施の形態において、上部磁極先端部
と上部磁極とを別々の磁性層で形成し、さらに磁束発生
用の薄膜コイルを2層備える構成としたものである。図
9は本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図で
あり、図9中、(A)はトラック面に垂直な切断線で切
った要部断面図、(B)はトラック面に平行な切断線で
切った要部断面図をそれぞれ表すものである。
【0075】本実施の形態において、記録ヘッド部1B
は、互いに磁気的に連結された下部磁極18および下部
磁極先端部19aを含む下部磁性層と、互いに磁気的に
連結された上部磁極25および上部磁極先端部23aを
含む上部磁性層と、磁束発生用の2層の薄膜コイル2
1,24とを備えている。下部磁極先端部19aと上部
磁極先端部23aとは、記録ギャップ層22を介して対
向している。上部磁極先端部23aの一部領域には、磁
束の流れを制御する非磁性体領域200が形成されてい
る。
【0076】下部磁極先端部19aは、下部磁極18の
上に、これとは別層として形成されている。上部磁極2
5は、その一部が上部磁極先端部23aの一部とオーバ
ーラップするようにして、上部磁極先端部23aとは別
層として形成されている。下部磁極18と上部磁極25
との間は、磁気接続部19bおよび磁気接続部23bを
介して磁気的に連結されている。
【0077】1層目の薄膜コイル21は、下部磁極層1
8上において下部磁極先端部19aと磁気接続部19b
との間と、この磁気接続部19bよりも図9(A)中右
側とに配設されている。すなわち、薄膜コイル21は、
磁気接続部19bをほぼ中心として、この磁気接続部1
9bの周囲に、螺旋状に複数回周回するように配列され
ている。薄膜コイル21は、下部磁極層18上の絶縁層
20a上に形成され、下部磁極先端部19aおよび磁気
接続部19bの上面と一致するように表面が平坦化され
た絶縁層20bに埋設されるようになっている。
【0078】2層目の薄膜コイル24は、1層目の薄膜
コイル21上において上部磁極先端部23aと磁気接続
部23bとの間と、この磁気接続部23bよりも図9
(A)中右側とに配設されている。すなわち、薄膜コイ
ル24は、磁気接続部23bをほぼ中心として、この磁
気接続部23bの周囲に、螺旋状に複数回周回するよう
に配列されている。薄膜コイル24は、記録ギャップ層
22上の絶縁層20e上に形成され、上部磁極先端部2
3aおよび磁気接続部23bの上面と一致するように表
面が平坦化された絶縁層20dに埋設されるようになっ
ている。
【0079】1層目の薄膜コイル21と2層目の薄膜コ
イル24との間は記録ギャップ層22、絶縁層20dの
それぞれに形成された接続孔22aを通して電気的に接
続されている。
【0080】本実施の形態において、非磁性体領域20
0は、上部磁極先端部23aのスロートハイトTHが零
の近傍位置に形成された貫通穴23Hと、この貫通穴2
3Hの内壁に沿って形成されたまたは完全に埋設された
非磁性体20Nとを備えて構成されている。
【0081】本実施の形態では、貫通穴23Hは上部磁
極先端部23aのパターン形成と同時に形成することが
できる。貫通穴23Hに埋設される非磁性体20Nには
絶縁体が使用されている。この非磁性体20Nは記録ギ
ャップ層22上の絶縁層20d,20eのそれぞれの一
部を利用して形成されている。
【0082】次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法について説明する。図10ないし図14はこ
の製造方法を説明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面
図である。図10ないし図14において、(A)はトラ
ック面に垂直な切断線における工程断面図、(B)はト
ラック面に平行な切断線における工程断面図をそれぞれ
表している。
【0083】(1)まず、例えばアルティックからなる
基板11を準備し(図10参照)、この基板11上に例
えばスパッタリング法によりアルミナからなる絶縁層1
2を約3μm〜5μm程度の厚みで形成する。次に、絶
縁層12上にフォトレジストマスクを形成し、このフォ
トレジストマスクを使用してめっき法によりNiFeを
約3μmの厚みで選択的に形成する。この後に、フォト
レジストマスクを除去し、図10に示したようにNiF
eから再生ヘッド用の下部シールド層13を形成する。
図10には示されていないが、引き続き、例えばスパッ
タリング法またはCVD法により約4〜6μmの厚さの
アルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面を下部シー
ルド層13の表面と一致する程度にCMP法によって平
坦化する。この結果、下部シールド層13の周囲にはア
ルミナ膜が埋め込まれた状態になる。
【0084】(2)下部シールド層13上に、例えばア
ルミナ膜を100nm〜200nmの厚みでスパッタリ
ング法により堆積し、シールドギャップ層14を形成す
る(図11参照)。続いて、シールドギャップ層14上
に再生用のMR素子等を構成するMR膜15を数十nm
の厚みに形成し、高精度のフォトリソグラフィでMR膜
15を所望の形状にパターンニングする。続いて、この
MR膜15に対するリード端子層15a,15bを例え
ばリフトオフ法により形成する。続いて、シールドギャ
ップ層14、MR膜15およびリード端子層15a,1
5b上を含む基板全面にシールドギャップ層17を形成
し、MR膜15、リード端子層15a,15bをシール
ドギャップ層14とシールドギャップ層17との間に埋
設させる。そして、図11に示したように、シールドギ
ャップ膜17上に例えばNiFeよりなる下部磁極18
を約1.0μm〜1.5μmの厚みで形成する。下部磁
極18は再生ヘッド部1Aの上部シールド層としても兼
用されており、この下部磁極18を形成することにより
再生ヘッド部1Aが実質的に完成する。
【0085】(3)下部磁極層18上に下部磁極先端部
19aおよび磁気接続部19bを約2.0μm〜2.5
μmの厚みで形成する(図12参照)。下部磁極先端部
19aおよび下部接続部19bは、第1の実施の形態と
同様に、NiFe等のめっき膜により形成してもよく、
又FeN、FeZrNP、CoFeN等をスパッタリン
グ法で成膜した後にイオンミリング法等で所定のパター
ンニングを行うことにより形成してもよい。
【0086】続いて、下部磁極先端部19a上および下
部接続部19上bを含む基板全面にスパッタリング法ま
たはCVD法により絶縁材料、例えばアルミナよりなる
膜厚0.3μm〜0.6μmの絶縁層20aを形成す
る。続いて、フォトレジストマスク16を形成し、図1
2に示したように、このフォトレジストマスク16を使
用して下部磁極先端部19aと磁気接続部19bとの間
の絶縁層20a上および磁気接続部19bの外周囲の絶
縁層20a上に、例えば電解めっき法により例えばCuよ
りなる磁束発生用の1層目の薄膜コイル21を形成す
る。薄膜コイル21は例えば1.0μm〜2.0μmの
厚みで形成され、コイルピッチは1.2μm〜2.0μ
mで形成される。
【0087】(5)フォトレジストマスク16を除去し
た後、薄膜コイル21上を含む基板全面にスパッタリン
グ法により絶縁材料、例えばアルミナよりなる膜厚3.
0μm〜4.0μmの絶縁層20bを形成する。続い
て、図13に示したように、下部磁極先端部19aの表
面、磁気接続部19bの表面のそれぞれが露出する程度
に、例えばCMP法により絶縁層20bの表面を平坦化
する。
【0088】(6)下部磁極先端部19a上を含む基板
全面にスパッタリング法により絶縁材料、例えばアルミ
ナよりなる膜厚0.2μm〜0.3μmの記録ギャップ
層22を形成する(図14参照)。記録ギャップ層22
には、第1の実施の形態で説明したように、アルミナの
他の非磁性材料を実用的に使用することができる。続い
て、磁気接続部19b上において、記録ギャップ層22
にパターンニングを行い、磁気接続部19bとその上に
形成される磁気接続部23bとの間を磁気的に接続する
ための開口22aを形成する。
【0089】続いて、下部磁極先端部19a上の記録ギ
ャップ層22上に上部磁極先端部23aを形成するとと
もに、磁気接続部23bを形成する。具体的には、例え
ばスパッタリング法により高飽和磁束密度材料からなる
膜厚2.0μm〜3.0μmの厚さの磁極層を形成し、
フォトレジストマスクを使用して磁極層をアルゴンイオ
ンミリングによってパターンニングすることにより、上
部磁極先端部23a、磁気接続部23bのそれぞれを形
成することができる。また、上部磁極先端部23a、磁
気接続部23bのそれぞれはめっき法で形成してもよ
い。そして、さらにこの上部磁極先端部23a、磁気接
続部23bのそれぞれの形成工程と同一形成工程におい
て、上部磁極先端部23a(スロートハイトTHが零の
近傍)に非磁性体領域200の貫通穴23Hが形成され
る(図14参照)。つまり、貫通穴23Hは上部磁極先
端部23a等のパターンニングと同時に形成することが
できる。磁気接続部23bは開口22aを通してかつ磁
気接続部19bを介在させて下部磁極18と磁気的に連
結される。なお、フォトレジストマスクの代わりにアル
ミナ等の無機系絶縁膜で形成されたエッチングマスクを
使用してもよい。
【0090】引き続き、上部磁極先端部23aをエッチ
ングマスクとして使用し、その周辺の記録ギャップ層2
2および下部磁極先端部19aの表面の一部分を自己整
合的にエッチングする。記録ギャップ層22は塩素系ガ
スによるRIEによりパターンニングされる。下部磁極
先端部19aは例えばアルゴンイオンミリングによって
パターンニングされ、下部磁極先端部19aの表面の約
0.3μm〜0.6μm程度の一部がエッチングにより
取り除かれる。この工程を行うことにより、トリム構造
の記録ヘッド部1Bを形成することができる。
【0091】続いて、上部磁極先端部23a上、磁気接
続部23b上を含む基板全面に、例えばスパッタリング
法またはCVD法により、膜厚約0.3μm〜0.6μ
mの例えばアルミナからなる絶縁層20eを形成する。
この絶縁層20eの形成により、絶縁層20eの一部が
貫通穴23H内部に非磁性体20Nとして埋設され、貫
通穴23Hおよび非磁性体20Nを備えた非磁性体領域
200が形成される(図14参照)。なお、非磁性体領
域200の非磁性体20Nには、後に形成される絶縁層
20dと同一工程で形成され、絶縁層20eを介在させ
て貫通穴23H内に埋設される絶縁層を含めてもよい。
【0092】続いて、絶縁層20e、記録ギャップ層2
2および絶縁層20bを選択的にエッチングし、薄膜コ
イル21のコイル接続部の表面部分を露出させる。図1
4に示したように、絶縁層20e上において上部磁極先
端部23aと磁気接続部23bとの間の凹部領域に、例
えば電解めっき法により例えばCuよりなる2層目の薄
膜コイル24を例えば1.0μm〜2.0μmの厚み、
コイルピッチ1.2μm〜2.0μmで形成する。2層
目の薄膜コイル24は表面部分が露出されたコイル接続
部22cを通して1層目の薄膜コイル21に電気的に接
続される。
【0093】(7)2層目の薄膜コイル24上を含む基
板全面に、例えばスパッタリング法またはCVD法によ
り、膜厚約3μm〜4μmの例えばアルミナからなる絶
縁層20dを形成する。なお、この絶縁層20dや絶縁
層20eは、アルミナに限らず、二酸化珪素(Si
2 )や窒化珪素(Si3 4 )等の他の絶縁材料によ
り形成してもよい。続いて、上部磁極先端部23aおよ
び磁気接続部23bの表面が露出するように、例えばC
MP法により絶縁層20dおよび絶縁層20eを取り除
き、絶縁層20e,20dのそれぞれの表面と上部磁極
先端部23a、磁気接続部23bのそれぞれの表面とが
同一面を構成するように平坦化される。
【0094】続いて、例えば上部磁極先端部23aと同
じ材料を用いて、例えば電解めっき法やスパッタリング
法等により、上部磁極層25を約2μm〜3μmの厚み
に形成する。この上部磁極層25は磁気接続部23b、
磁気接続部19bのそれぞれを通して下部磁性層18に
磁気的に連結される。上部磁極層25を形成することに
より、記録ヘッド部1Aが完成する。
【0095】(8)最後に、前述の図9に示したよう
に、上部磁極25上を含む基板全面に、例えばスパッタ
リング法によりアルミナよりなる膜厚約30μmのオー
バーコート層26を形成する。この後、スライダ機械加
工を行い、記録ヘッド部1Aおよび再生ヘッド部1Bの
トラック面(エアベアリング面)を形成することによ
り、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを完成させるこ
とができる。
【0096】本実施の形態においては、第1の実施の形
態と同様に、上部磁極先端部23aに、つまりスロート
ハイトTHが零の近傍位置に非磁性体領域200を備え
ているので、上部磁極先端部23aや上部磁極25に流
れる磁束を最適に制御することができる。
【0097】さらに、本実施の形態においては、上部磁
極先端部23aの形成と同時に貫通穴23Hを形成し、
絶縁層20e,20dのそれぞれの形成と同時に貫通穴
23Hに同一の材料の非磁性体26Nを埋設して非磁性
体領域200を形成するようにしたので、製造工程数を
減少させることができる。
【0098】なお、本実施の形態においては、従来例の
ようにフォトレジストパターンの傾斜部が存在せず、1
層目の薄膜コイル21および2層目の薄膜コイル24が
いずれも平坦部に形成されているので、傾斜部によるコ
イル外周部端とスロートハイトTHが零の位置までの距
離が磁路長縮小の妨げとはならない。従って、磁路長を
短くすることができ、記録ヘッドの高周波特性を著しく
向上させることができる。ちなみに、本実施の形態に係
る薄膜磁気ヘッドは、フォトリソグラフィの位置合わせ
誤差0.1μm〜0.2μmの範囲で設計できるので、
従来例の30〜40%以下に磁路長を縮小することが可
能になる。また、薄膜コイルの巻数が同じ場合には、そ
の分コイルの厚さを薄くすることができる。図15、図
16のそれぞれに、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の磁路長と従来例の薄膜磁気ヘッドの磁路長との違いを
一例のデザイン寸法を付して示す。ここで、図15は本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図、図16
は磁路長の比較のための従来例の薄膜磁気ヘッドの要部
断面図である。
【0099】なお、本実施の形態では、磁束の流れを制
御する非磁性体領域200を上部磁極先端部23aの一
部領域に形成するようにしたが、これに限られるもので
はない。例えば、非磁性体領域200を上部磁極25の
一部領域に形成するようにしてもよい。この場合には、
本実施の形態における非磁性体領域200の形成領域に
対応する上部磁極25の一部領域に、非磁性体領域20
0を設けるようにするのが好ましい。
【0100】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態は、第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにお
いて、1層目の薄膜コイル21と2層目の薄膜コイル2
4との間にスロートハイトTHを決めるフォトレジスト
絶縁膜を形成したものである。図17は本発明の第4の
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図であり、
図17中、(A)はトラック面に垂直な切断線で切った
要部断面図、(B)はトラック面に平行な切断線で切っ
た要部断面図をそれぞれ表している。
【0101】図17に示したように、本実施の形態にお
いて、記録ヘッド部1Bは、互いに磁気的に連結された
下部磁極18および下部磁極先端部19aを含む下部磁
性層と、互いに磁気的に連結された上部磁極25および
上部磁極先端部23aを含む上部磁性層と、磁束発生用
の2層の薄膜コイル21,24とを備えている。下部磁
極先端部19aと上部磁極先端部23aとは、記録ギャ
ップ層22を介して対向している。上部磁極先端部23
aの一部領域には、磁束の流れを制御する非磁性体領域
200が形成されている
【0102】1層目の薄膜コイル21上には、記録ギャ
ップ層22、フォトレジスト絶縁膜30のそれぞれを介
在させて2層目の薄膜コイル24が配設されている。フ
ォトレジスト絶縁膜30は、その塗布後に適度な熱処理
を行うことで表面の平坦化を行うことができ、しかも記
録ギャップ層22と上部磁極先端部23aとの接触位置
を決定してスロートハイトTHが零の位置を決定できる
ようになっている。
【0103】次に、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法について説明する。図18ないし図23は製
造方法を説明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。図18ないし図23において、(A)はトラック
面に垂直な切断線における工程断面図、(B)はトラッ
ク面に平行な切断線における工程断面図をそれぞれ表し
ている。
【0104】(1)まず、例えばアルティックからなる
基板11を準備し(図18参照)、この基板11上に例
えばスパッタリング法によりアルミナからなる絶縁層1
2を約3μm〜5μm程度の厚みで形成する。次に、絶
縁層12上にフォトレジストマスクを形成し、このフォ
トレジストマスクを使用してめっき法によりNiFeを
約3μmの厚みで選択的に形成する。この後に、フォト
レジストマスクを除去し、図18に示したようにNiF
eから再生ヘッド用の下部シールド層13を形成する。
図18には示されていないが、引き続き、例えばスパッ
タリング法またはCVD法により約4〜6μmの厚さの
アルミナ膜を形成し、このアルミナ膜の表面を下部シー
ルド層13の表面と一致する程度にCMP法によって平
坦化する。この結果、下部シールド層13の周囲にはア
ルミナ膜が埋め込まれた状態になる。
【0105】(2)下部シールド層13上に、例えばア
ルミナ膜を100nm〜200nmの厚みでスパッタリ
ング法により堆積し、シールドギャップ層14を形成す
る(図19参照。)。続いて、シールドギャップ層14
上に再生用のMR素子等を構成するMR膜15を数十n
mの厚みに形成し、高精度のフォトリソグラフィでMR
膜15を所望の形状にパターンニングする。続いて、こ
のMR膜15に対するリード端子層15a,15bを例
えばリフトオフ法により形成する。続いて、シールドギ
ャップ層14、MR膜15およびリード端子層15a,
15b上を含む基板全面にシールドギャップ層17を形
成し、MR膜15、リード端子層15a,15bをシー
ルドギャップ層14とシールドギャップ層17との間に
埋設させる。そして、図19に示したように、シールド
ギャップ膜17上に例えばNiFeよりなる下部磁極1
8を約1.0μm〜1.5μmの厚みで形成する。下部
磁極18は再生ヘッド部1Aの上部シールド層としても
兼用されており、この下部磁極18を形成することによ
り再生ヘッド部1Aが実質的に完成する。
【0106】(3)下部磁極層18上に下部磁極先端部
19aおよび磁気接続部19bを約2.0μm〜2.5
μmの厚みで形成する(図20参照)。下部磁極先端部
19aおよび下部接続部19bは、第1の実施の形態と
同様に、NiFe等のめっき膜により形成してもよく、
または、FeN、FeZrNP、CoFeN等をスパッ
タリング法で成膜した後にイオンミリング法等で所定の
パターンニングを行うことにより形成してもよい。
【0107】(4)続いて、下部磁極先端部19a上お
よび下部接続部19b上を含む基板全面にスパッタリン
グ法またはCVD法により絶縁材料、例えばアルミナよ
りなる膜厚0.3μm〜0.6μmの絶縁層20aを形
成する。続いて、フォトレジストマスク16を形成し、
図20に示したように、このフォトレジストマスク16
を使用して下部磁極先端部19aと磁気接続部19bと
の間の絶縁層20a上および磁気接続部19bの外周囲
の絶縁層20a上に、例えば電解めっき法によりCuより
なる磁束発生用の1層目の薄膜コイル21を形成する。
薄膜コイル21は例えば1.0μm〜2.0μmの厚み
で形成され、コイルピッチは1.2μm〜2.0μmで
形成される。
【0108】(5)フォトレジストマスク16を除去し
た後、薄膜コイル21上を含む基板全面にスパッタリン
グ法により絶縁材料、例えばアルミナよりなる膜厚3.
0μm〜4.0μmの絶縁層20bを形成する。続い
て、図21に示したように、下部磁極先端部19aの表
面、磁気接続部19bの表面のそれぞれが露出する程度
に、例えばCMP法により絶縁層20bの表面を平坦化
する。
【0109】(6)下部磁極先端部19a上を含む基板
全面にスパッタリング法により絶縁材料、例えばアルミ
ナよりなる膜厚0.2μm〜0.3μmの記録ギャップ
層22を形成する(図22参照)。記録ギャップ層22
には、第1の実施の形態で説明したように、アルミナの
他の非磁性材料を実用的に使用することができる。続い
て、磁気接続部19b上において、記録ギャップ層22
にパターンニングを行い、磁気接続部19bとその上に
形成される磁気接続部23bとの間を磁気的に接続する
ための開口22a、1層目の薄膜コイル21と2層目の
薄膜コイル24またはコイル接続配線と電気的に接続す
るための接続孔22c等を形成する。
【0110】続いて、少なくともトラック面からスロー
トハイトTHが零までの領域、開口22aの領域、接続
孔22cの領域のそれぞれを除き、記録ギャップ層22
上にフォトレジスト絶縁膜30を選択的に形成する。フ
ォトレジスト絶縁膜30は、例えば1.0μm〜1.5
μmの厚さで塗布された後、所定の形状になるように露
光し、現像を行うことで形成することができる。必要に
応じて熱処理を行う。このフォトレジスト絶縁膜30は
スロートハイトTHが零の位置を高い精度で決めること
ができる。
【0111】続いて、下部磁極先端部19a上の記録ギ
ャップ層22上に上部磁極先端部23aを形成するとと
もに、磁気接続部19b上に開口22aを通して磁気接
続部23bを形成し、1層目の薄膜コイル21上に接続
孔22cを通してコイル接続配線23cを形成する。具
体的には、例えばスパッタリング法により高飽和磁束密
度材料からなる膜厚2.0μm〜3.0μmの厚さの磁
極層を形成し、フォトレジストマスクを使用して磁極層
をアルゴンイオンミリングによってパターンニングする
ことにより、上部磁極先端部23a、磁気接続部23
b、コイル接続配線23cのそれぞれを形成することが
できる。また、上部磁極先端部23a、磁気接続部23
b、コイル接続配線23cのそれぞれはめっき法で形成
してもよい。そして、さらにこの上部磁極先端部23a
の形成工程と同一形成工程において、上部磁極先端部2
3aのスロートハイトTHが零の近傍位置に非磁性体領
域200の貫通穴23Hが形成される(図22参照)。
つまり、貫通穴23Hは上部磁極先端部23a等のパタ
ーンニングと同時に形成することができる。磁気接続部
23bは開口22aを通してかつ磁気接続部19bを介
在させて下部磁極18と磁気的に連結される。なお、フ
ォトレジストマスクの代わりにアルミナ等の無機系絶縁
膜で形成されたエッチングマスクを使用してもよい。
【0112】引き続き、上部磁極先端部23aをエッチ
ングマスクとして使用し、その周辺の記録ギャップ層2
2および下部磁極先端部19aの表面の一部分を自己整
合的にエッチングする。記録ギャップ層22は塩素系ガ
スによるRIEによりパターンニングされる。下部磁極
先端部19aは例えばアルゴンイオンミリングによって
パターンニングされ、下部磁極先端部19aの表面の約
0.3μm〜0.6μm程度の一部がエッチングにより
取り除かれる。この工程を行うことでトリム構造の記録
ヘッド部1Bを形成することができる。
【0113】続いて、上部磁極先端部23a上、磁気接
続部23b上を含む基板全面に、例えばスパッタリング
法またはCVD法により、膜厚約0.3μm〜0.6μ
mの例えばアルミナからなる絶縁層20eを形成する。
この絶縁層20eの形成により、絶縁層20eの一部が
貫通穴23H内部に非磁性体20Nとして埋設され、貫
通穴23Hおよび非磁性体20Nを備えた非磁性体領域
200が形成される(図22参照。)。なお、非磁性体
領域200の非磁性体20Nには、後に形成される絶縁
層20dと同一工程で形成され、絶縁層20eを介在さ
せて貫通穴23H内に埋設される絶縁層を含めてもよ
い。
【0114】続いて、図22に示したように、絶縁層2
0e上において上部磁極先端部23aと磁気接続部23
bとの間の凹部領域に、例えば電解めっき法により例え
ばCuよりなる2層目の薄膜コイル24を例えば1.0
μm〜2.0μmの厚み、コイルピッチ1.2μm〜
2.0μmで形成する。
【0115】(7)2層目の薄膜コイル24上を含む基
板全面に、例えばスパッタリング法またはCVD法によ
り、膜厚約3μm〜4μmの例えばアルミナからなる絶
縁層20dを形成する。なお、この絶縁層20dや絶縁
層20eは、アルミナに限らず、SiO2 やSi3 4
等の他の絶縁材料により形成してもよい。続いて、上部
磁極先端部23aおよび磁気接続部23bの表面が露出
するように、例えばCMP法により絶縁層20dおよび
絶縁層20eを取り除き、絶縁層20e、20dのそれ
ぞれの表面と上部磁極先端部23a、磁気接続部23b
のそれぞれの表面とが同一面を構成するように平坦化さ
れる。
【0116】続いて、例えば上部磁極先端部23aと同
じ材料を用いて、例えば電解めっき法やスパッタリング
法等により、上部磁極層25を約2μm〜3μmの厚み
に形成する。この上部磁極層25は磁気接続部23b、
磁気接続部19bのそれぞれを通して下部磁性層18に
磁気的に連結される。上部磁極層25を形成することに
より、記録ヘッド部1Aが完成する。
【0117】(8)最後に、前述の図17に示したよう
に、上部磁極25上を含む基板全面に、例えばスパッタ
リング法によりアルミナよりなる膜厚約30μmのオー
バーコート層26を形成する。この後、スライダ機械加
工を行い、記録ヘッド部1Aおよび再生ヘッド部1Bの
トラック面(エアベアリング面)を形成することによ
り、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを完成させるこ
とができる。
【0118】図24には一例のデザイン寸法を付した本
実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを示す。図24中、
(A)は薄膜磁気ヘッドの平面図、(B)は(A)のX
XIVB−XXIVB切断線で切った薄膜磁気ヘッドの
要部断面図である。図24に示す薄膜磁気ヘッドは、前
述のように記録ヘッド部1Aの上部磁極先端部23aで
あってスロートハイトTHが零の近傍に非磁性体領域2
00を備えており、200MHz〜300MHzの高周
波帯域と20MHz〜30MHzの低周波帯域とで磁気
的な実効書き込みトラック幅の違いを極力減少できるよ
うになっている。
【0119】以上説明したように、本実施の形態の薄膜
磁気ヘッドによれば、第3の実施の形態と同様に、上部
磁極先端部23aに、つまりスロートハイトTHが零の
近傍に非磁性体領域200を備えているので、上部磁極
先端部23aや上部磁極25に流れる磁束を最適に制御
することができる。
【0120】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態は、第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(上
部磁極先端部と上部磁極とが同一の1層の磁性層で形成
される場合)において、上部磁極23の平面形状を代え
た構成としたものである。図25(A)は本発明の第5
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド
部の上部磁極の平面図、図25(B)は図25(A)に
示す上部磁極の製造マスクの平面図をそれぞれ表してい
る。
【0121】図25(A)に示したように、本実施の形
態においては、上部磁極先端部23aに向かって徐々に
幅が狭くなるように、オーバーライト改善部23Ab,
23Aaのそれぞれが上部磁極23に配設されている。
オーバーライト改善部23Abは上部磁極23の幅W2
よりも小さい幅W4に設定されている。オーバーライト
改善部23Abのトラック面側には例えば30〜60度
の範囲で面取りが施されており、さらに幅が絞り込まれ
ている(磁束が集束する)。オーバーライト改善部23
Aaはオーバーライト改善部23Abの幅W4よりも小
さい幅W5に設定されている。オーバーライト改善部2
3Aaのトラック面側にはほぼ円弧に近い滑らかな曲率
の面取りが施されており、さらにトラック幅と一致する
まで幅が絞り込まれている。
【0122】本実施の形態では、非磁性体領域200
は、オーバーライト改善部23Abの幅方向中央部に配
設されている。非磁性体領域200の平面形状は、オー
バーライト改善部23Abの平面形状の相似形状に近い
形状で形成されており、トラック面側が面取りされた方
形形状で形成されている。
【0123】このような上部磁極23は、図25(B)
に示す製造マスク(レチクルまたはフォトマスク)40
を使用したフォトリソグラフィにより形成することがで
きる。製造マスク40は、例えばポジティブタイプのフ
ォトレジスト膜を使用する場合、透明ガラス基板41
と、この透明ガラス基板41上の例えばクロム(Cr)
からなる遮蔽膜42とを備えて構成されている。遮蔽膜
42においては、オーバーライト改善部23Aaの滑ら
かな曲率の面取りを形成するために、パターンの転写ぼ
けを考慮してくさび形状のような遮光パターン41Aが
形成されている。なお、遮光パターン41Hは非磁性体
領域200、詳細にはその貫通穴23Hのパターンを転
写するための遮光パターンである。
【0124】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよび
その製造方法においては、第2の実施の形態と同様に、
上部磁極先端部23aの近傍の上部磁極23に非磁性体
領域200を備えるようにしたので、上部磁極先端部2
3aや上部磁極23に流れる磁束を最適に制御すること
ができる。さらに、本実施の形態では、上部磁極23に
二段階に幅が狭くなるオーバーライト改善部23Ab、
23Aaのそれぞれを備えたので、上部磁極23から上
部磁極先端部23aに流れる磁束を徐々に集束させるこ
とができ、磁束の流れをスムースにすることができる。
特に、オーバーライト改善部23Ab,23Aaのそれ
ぞれのトラック面側に面取りが施されているので、上部
磁極23から上部磁極先端部23aに流れる磁束をより
自然に集束させることができ、磁束の流れをより一層ス
ムースにすることができる。
【0125】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態は、第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(上
部磁極先端部と上部磁極とが別々の2層の磁性層で形成
される場合)において、上部磁極先端部23aの平面形
状を代えた構成としたものである。図26(A)、図2
7(A)、図28(A)は本発明の第6の実施の形態に
係る薄膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド部の上部磁極先
端部の平面図、図26(B)、図27(B)、図28
(B)は上部磁極先端部の製造マスクの平面図、図26
(C)、図27(C)、図28(C)は上部磁極先端部
を形成するためのフォトレジスト膜の平面図をそれぞれ
表すものである。
【0126】まず、図26(A)に示す上部磁極先端部
23aには、トラック面に向かって徐々に幅が狭くなる
ように、オーバーライト改善部23Bが配設されてい
る。オーバーライト改善部23Bは、上部磁極先端部2
3aの最大幅W6よりも小さい幅W7に設定されてい
る。オーバーライト改善部23BはスロートハイトTH
が零の位置からほぼ90度に広がり、平面形状が方形形
状で形成されている。さらに、オーバーライト改善部2
3Bは全体的に角部が取れ丸みを帯びた平面形状で形成
されている。この上部磁極先端部23aは図26(B)
に示す製造マスク40で形成することができる。製造マ
スク40は図26(C)に示したようにフォトレジスト
膜50に上部磁極先端部23aのパターンを転写し、こ
のパターンが転写されたフォトレジスト膜50をマスク
として使用して図26(A)に示す上部磁極先端部23
aを形成することができる。
【0127】図27(A)に示す上部磁極先端部23a
には、トラック面に向かって徐々に幅が狭くなるよう
に、オーバーライト改善部23Bが配設されている。オ
ーバーライト改善部23Bのトラック面側には、第5の
実施の形態で説明したような滑らかな曲率の面取りが形
成されている。図27(B)に示す製造マスク40に
は、このような曲率の面取りを形成するために、くさび
形状のような遮光パターン41Aが形成されている。製
造マスク40は図27(C)に示したようにフォトレジ
スト膜50に上部磁極先端部23aのパターンを転写
し、このパターンが転写されたフォトレジスト膜50を
マスクとして使用して図27(A)に示す上部磁極先端
部23aを形成することができる。
【0128】図28(A)に示す上部磁極先端部23a
には、トラック面に向かって徐々に幅が狭くなるよう
に、オーバーライト改善部23Bが配設されている。オ
ーバーライト改善部23Bのトラック面側には、図27
(A)に示す曲率よりも小さい曲率の面取りが形成され
ている。図28(B)に示す製造マスク40には、この
ような曲率の面取りを形成するために、先端が鋭角なく
さび形状のような遮光パターン41Bが形成されてい
る。製造マスク40は図28(C)に示したようにフォ
トレジスト膜50に上部磁極先端部23aのパターンを
転写し、このパターンが転写されたフォトレジスト膜5
0をマスクとして使用して図28(A)に示す上部磁極
先端部23aを形成することができる。
【0129】本実施の形態では、第3の実施の形態と同
様に、上部磁極先端部23aの近傍の上部磁極23に非
磁性体領域200を備えるようにしたので、上部磁極先
端部23aや上部磁極23に流れる磁束を最適に制御す
ることができる。さらに、本実施の形態では、上部磁極
先端部23aにオーバーライト改善部23Bを備えたの
で、そこに十分な磁気ボリュームが確保され、上部磁極
先端部23aに流入する部分での磁束飽和を回避するこ
とができる。特に、図27(A)、図28(A)のそれ
ぞれに示すオーバーライト改善部23Bは、トラック面
側に面取りが施されているので、上部磁極先端部23a
に流れる磁束をより一層スムースに集束させることがで
きる。
【0130】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
の形態は、第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(上
部磁極先端部と上部磁極とが同一の1層の磁性層で形成
される場合)において、上部磁極23の平面形状を代え
た構成としたものである。図29(A)は本発明の第7
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図、図2
9(B)は図29(A)に示す薄膜磁気ヘッドの記録ヘ
ッド部の平面図をそれぞれ表している。
【0131】図29(A),(B)に示したように、本
実施の形態では、上部磁極先端部23aに向かって徐々
に幅が狭くなるように、オーバーライト改善部23A
b,23Aaのそれぞれが上部磁極23に配設されてい
る。オーバーライト改善部23Abと23Abとを合わ
せた平面形状は凸型形状で形成されている。
【0132】非磁性体領域200はオーバーライト改善
部23Abの幅方向中央部に配設されており、非磁性体
領域200の平面形状はオーバーライト改善部23A
b,23Abを合わせた凸型形状の相似形状に近い形状
で形成されている。
【0133】本実施の形態においては、第3の実施の形
態と同様に、上部磁極先端部23aの近傍の上部磁極2
3に非磁性体領域200を備えるようにしたので、上部
磁極先端部23aや上部磁極23に流れる磁束を最適に
制御することができる。
【0134】以上複数の実施の形態を挙げて本発明を説
明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるもので
はなく種々変形可能である。例えば、上記実施の形態に
おいて、上部磁極先端部23a、上部磁極層25等は、
NiFe、FeN、FeCoZr等の高飽和磁束密度材
料を用いる例について説明したが、本発明は、必ずしも
単層である必要はなく、2種類以上の高飽和磁束密度材
料を積層した構造としてもよい。
【0135】また、上記実施の形態では、アルミナ等の
絶縁層をスパッタリング法やCVD法で成膜する場合を
説明したが、本発明は表面の平坦性に優れたスピンオン
グラス法(Spin On Glass)膜を用いて形成するようにし
てもよい。
【0136】さらに、上記実施の形態では、上部磁極2
3または上部磁極先端部23aの一部に非磁性体領域を
形成する場合について説明したが、下部磁極18または
下部磁極先端部19aの一部に非磁性体領域を形成する
ようにしてもよい。
【0137】さらに、上記実施の形態では、再生ヘッド
部と記録ヘッド部とを備えた複合型薄膜磁気ヘッドにつ
いて説明したが、本発明は、記録ヘッド部のみを備えた
薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように本発明の薄膜磁気ヘ
ッドまたはその製造方法によれば、上部磁性層の上部磁
極先端部と上部磁極とが別層として形成されており、上
部磁極先端部の一部に、穴部とこの穴部に埋設された非
磁性体とを含む非磁性体領域を設けるようにしたので、
この非磁性体領域を、磁束の流れに対する一種の障害物
として機能させることができるという効果を奏する。ま
た、磁束の流れを適正に制御するための非磁性体領域
を、穴部とこの穴部に埋設された非磁性体とで形成する
ことにより、高性能の薄膜磁気ヘッドを簡易な構造によ
り実現できるという効果を奏する。
【0139】
【0140】さらに、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方
法によれば、磁束の流れを適正に制御する非磁性体領域
を、上部磁極先端部を形成する工程等と同一工程で形成
するようにした場合には、製造工程数を削減することが
できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の第1の実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの要部断面図(図2のIA−IA切断線で切
った要部断面図)、(B)は本発明の第1の実施の形態
に係る薄膜磁気ヘッドの要部断面図(同図2に示すIB
−IB切断線で切った要部断面図)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの記録ヘッド部の平面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る製造方法を説
明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面図である。
【図4】図3に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図であ
る。
【図5】図4に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図であ
る。
【図6】図5に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図であ
る。
【図7】図6に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの記録ヘッド部の平面図である。
【図9】(A)は本発明の第3の実施の形態に係るトラ
ック面に垂直な切断線で切った薄膜磁気ヘッドの要部断
面図、(B)はトラック面に平行な切断線で切った薄膜
磁気ヘッドの要部断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る製造方法を
説明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面図である。
【図11】図10に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図12】図11に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図13】図12に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図14】図13に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの要部断面図である。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの効果を説明するための比較としての従来例の薄膜
磁気ヘッドの要部断面図である。
【図17】(A)は本発明の第4の実施の形態に係るト
ラック面に垂直な切断線で切った薄膜磁気ヘッドの要部
断面図、(B)はトラック面に平行な切断線で切った薄
膜磁気ヘッドの要部断面図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る製造方法を
説明するための薄膜磁気ヘッドの工程断面図である。
【図19】図18に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図20】図19に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図21】図20に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図22】図21に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図23】図22に続く薄膜磁気ヘッドの工程断面図で
ある。
【図24】(A)は本発明の第4の実施の形態に係る一
例のデザイン寸法を付した薄膜磁気ヘッドの平面図、
(B)は(A)のXXIVA−XXIVA切断線で切っ
た薄膜磁気ヘッドの要部断面図である。
【図25】(A)は本発明の第5の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド部の上部磁極の平面
図、(B)は(A)に示す上部磁極の製造マスクの平面
図である。
【図26】(A)は本発明の第6の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド部の上部磁極先端部の
平面図、(B)は上部磁極先端部の製造マスクの平面
図、(C)は上部磁極先端部を形成するためのフォトレ
ジスト膜の平面図である。
【図27】(A)は本発明の第6の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド部の他の例の上部磁極
先端部の平面図、(B)は上部磁極先端部の製造マスク
の平面図、(C)は上部磁極先端部を形成するためのフ
ォトレジスト膜の平面図である。
【図28】(A)は本発明の第6の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドにおける記録ヘッド部のさらに他の例の上
部磁極先端部の平面図、(B)は上部磁極先端部の製造
マスクの平面図、(C)は上部磁極先端部を形成するた
めのフォトレジスト膜の平面図である。
【図29】(A)は本発明の第7の実施の形態に係る薄
膜磁気ヘッドの要部断面図、(B)は(A)に示す薄膜
磁気ヘッドの記録ヘッド部の平面図である。
【図30】従来例の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明す
るための工程断面図である。
【図31】図30に続く工程断面図である。
【図32】図31に続く工程断面図である。
【図33】図32に続く工程断面図である。
【図34】図33に続く工程断面図である。
【図35】図34に続く工程断面図である。
【図36】従来の複合型薄膜磁気ヘッドの平面図であ
る。
【符号の説明】 11…基板、18…下部磁極、19a…下部磁極先端
部、22…記録ギャップ層、23a…上部磁極先端部、
20a,20b,20e,20d…絶縁層、21、24
…薄膜コイル、23,25…上部磁極、200…非磁性
体領域、23H…貫通穴、20N,26N…非磁性体。

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する記録媒体対向面の
    側の一部に、ギャップ層を介して対向する下部磁極先端
    部および上部磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互い
    に連結された下部磁性層および上部磁性層と、前記下部
    磁性層および上部磁性層の間に絶縁層を介して配設され
    た薄膜コイルとを有し、前記上部磁性層が、さらに、前記上部磁極先端部に磁気
    的に連結されると共に前記薄膜コイルの形成領域まで延
    在する上部磁極を含み、かつ、前記上部磁極先端部と前
    記上部磁極とが別層として形成されている 薄膜磁気ヘッ
    ドであって、前記上部磁性層の前記上部磁極先端部 に、穴部とこの穴
    部に埋設された非磁性体とを含む非磁性体領域を備えた
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記非磁性体領域は、前記上部磁極先
    端部内における磁束の流れを制御するものであることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記非磁性体領域は、絶縁体または導
    電体を含むことを特徴とする請求項1または請求項
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記下部磁極先端部における、前記記
    録媒体対向面と反対側の端縁位置は、前記絶縁層の前記
    記録媒体対向面側の端縁位置と一致することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の薄膜
    磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 記穴部は、前記上部磁極先端部の一
    部領域を貫通して設けられていることを特徴とする請求
    ないし請求項のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 記録媒体に対向する記録媒体対向面の
    側の一部に、ギャップ層を介して対向する下部磁極先端
    部および上部磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互い
    に連結された下部磁性層および上部磁性層と、前記下部
    磁性層および上部磁性層の間に絶縁層を介して配設され
    た薄膜コイルとを有し、前記上部磁性層が、さらに、前記上部磁極先端部に磁気
    的に連結されると共に 前記薄膜コイルの形成領域まで延
    在する上部磁極を含み、かつ、前記上部磁極先端部と前
    記上部磁極とが別層として形成されている 薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法であって、前記上部磁極先端部 を形成する工程と、前記上部磁極先端部 に穴部を形成する工程と、 前記穴部に非磁性体を埋設することにより、前記上部磁
    極先端部に、前記穴部と前記非磁性体とを含む非磁性体
    領域を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記非磁性体領域を、それが前記上部
    磁極先端部内における磁束の流れを制御可能であるよう
    に形成することを特徴とする請求項記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記非磁性体領域を、それが絶縁体ま
    たは導電体を含むように形成することを特徴とする請求
    6または請求項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記下部磁極先端部における、前記記
    録媒体対向面と反対側の端縁位置が、前記絶縁層の前記
    記録媒体対向面側の端縁位置と一致するように、前記下
    部磁極先端部を形成する ことを特徴とする請求項ない
    し請求項のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  10. 【請求項10】 前記上部磁極先端部の一部領域を貫
    通するように前記穴部を形成することを特徴とする請求
    ないし請求項のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 記録媒体に対向する記録媒体対向面
    の側の一部に、ギャップ層を介して対向する下部磁極先
    端部および上部磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互
    いに連結された下部磁性層および上部磁性層と、前記
    部磁性層および上部磁性層の間に絶縁層を介して配設さ
    れた薄膜コイルとを有し、前記上部磁性層が、さらに、前記上部磁極先端部に磁気
    的に連結されると共に 前記薄膜コイルの形成領域まで延
    在する上部磁極を含み、かつ、前記上部磁極先端部と前
    記上部磁極とが別層として形成されている 薄膜磁気ヘッ
    ドであって、前記上部磁性層の前記上部磁極先端部に、前記上部磁極
    先端部 内における磁束の流れを制御するための磁束制御
    部を備えたことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 記録媒体に対向する記録媒体対向面
    の側の一部に、ギャップ層を介して対向する下部磁極先
    端部および上部磁極先端部それぞれ含む、磁気的に互
    いに連結された下部磁性層および上部磁性層と、前記
    部磁性層および上部磁性層の間に絶縁層を介して配設さ
    れた薄膜コイルとを有し、前記上部磁性層が、さらに、前記上部磁極先端部に磁気
    的に連結されると共に前記薄膜コイルの形成領域まで延
    在する上部磁極を含み、かつ、前記上部磁極先端部と前
    記上部磁極とが別層として形成されている 薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法であって、前記上部磁極先端部 を形成する工程と、前記上部磁極先端部 に、磁束の流れを制御するための磁
    束制御部を形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
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