JP2006221744A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることが可能な薄膜磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】 相対的に小さな飽和磁束密度S1を有すると共に露出面領域10AMを有する下部主磁極層がリーディング側に位置し、相対的に大きな飽和磁束密度S2(S2>S1)を有すると共に露出面領域10BMを有する上部主磁極層がトレーリング側に位置する積層構造を有すると共に、露出面10Mが、上端縁E2の幅W2が下端縁E1の幅W1よりも大きく(W2>W1)、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上である(W2≧WD)左右対象の逆台形状の平面形状を有し、特に、露出面領域10BMの中央位置における高さT2がその中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなるように、主磁極層を構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、少なくとも記録用の誘導型磁気変換素子を備えた薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法、ならびに薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置に関する。
近年、例えばハードディスクなどの磁気記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)の面記録密度の向上に伴い、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載される薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められている。この薄膜磁気ヘッドの記録方式としては、例えば、信号磁界の向きを記録媒体の面内方向(長手方向)に設定する長手記録方式や、信号磁界の向きを記録媒体の面と直交する方向に設定する垂直記録方式が知られている。現在のところは長手記録方式が広く利用されているが、記録媒体の面記録密度の向上に伴う市場動向を考慮すれば、今後は長手記録方式に代わり垂直記録方式が有望視されるものと想定される。なぜなら、垂直記録方式では、高い線記録密度を確保可能な上、記録済みの記録媒体が熱揺らぎの影響を受けにくいという利点が得られるからである。
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドは、主に、記録用の磁束を発生させる薄膜コイルと、エアベアリング面から後方に向かって延在し、薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて記録媒体を磁化させるための磁界(垂直磁界)を発生させる磁極層とを備えている。この垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、磁極層において発生した垂直磁界により記録媒体が磁化されるため、その記録媒体に情報が磁気的に記録される。
この垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの構造としては、既にいくつかの態様が提案されている。具体的には、例えば、記録動作直後に残留磁界が発生することを抑制することにより記録後消去を防止するために、高飽和磁束密度層と低飽和磁束密度層とが交互に積層された積層構造を有するように主磁極(磁性多層膜)を構成したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この種の主磁極を備えた垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、主磁極が環流磁区構造を有するため、残留磁化の発生が抑制される。これにより、記録動作直後に残留磁界が発生しにくくなるため、記録後消去が生じにくくなる。
特開2004−281023号公報
ところで、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの普及を図るためには、例えば、記録性能を向上させる上で、垂直磁界強度を可能な限り高めると共に、記録トラック幅を可能な限り狭める必要がある。しかしながら、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることが困難なため、記録性能を向上させることが困難であるという問題があった。
具体的には、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドにおいて、記録性能を向上させる上で垂直磁界強度を高めるためには、例えば、高飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して磁極層を構成すればよい。ところが、高飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して磁極層を構成した場合には、要望通りに垂直磁界強度が高まるものの、磁極層から記録用の磁束が放出される際にフリンジ現象(磁束の広がり現象)が顕著になるため、その磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しやすくなる。
一方、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドにおいて、記録性能を向上させる上で記録トラック幅を狭めるためには、例えば、所望の記録トラック幅(実効トラック幅)に応じて磁極層の先端幅(光学トラック幅)を狭めればよい。ところが、磁極層の先端幅を狭めた場合には、要望通りに記録トラック幅が狭まるものの、磁極層の先端部分が狭小化することにより磁気ボリューム(磁束の収容量)が減少するため、その磁気ボリュームの減少に起因して垂直磁界強度が減少しやすくなる。
これらのことから、従来の垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とが互いにトレードオフの関係にあるため、それらの垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることが困難であった。したがって、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの記録性能を向上させるためには、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることが可能な技術の確立が望まれるところである。この場合には、特に、垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドの量産性を考慮して、その垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドを可能な限り容易に製造することが可能な技術を併せて確立することも重要である。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることが可能な薄膜磁気ヘッドおよび磁気記録装置を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とが両立されることにより記録性能が向上した薄膜磁気ヘッドを容易に製造することが可能な薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッドは、磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層とを備え、磁極層のうちの磁極が、媒体進行方向側の反対側に位置して相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有すると共に露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有する第1の磁極部分と、媒体進行方向側に位置して相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有すると共に露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有する第2の磁極部分とが互いに隣接することにより積層された積層構造を有し、露出面のうちの第2の端縁の幅が、第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上であり、第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなっているものである。
本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する第1の磁極部分が媒体進行方向側の反対側に位置し、相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する第2の磁極部分が媒体進行方向側に位置する積層構造を有すると共に、露出面が、第2の端縁の幅が第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上である平面形状を有し、特に、第2の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなるように、磁極層のうちの磁極が構成されている。この場合には、第2の磁極部分が相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有していることに基づき、磁極のうちの主要な磁束放出部分である媒体進行方向側部分(第2の磁極部分)において磁気ボリューム(磁束収容量)が増加するため、第1の磁極部分が相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有している場合においても、磁極から放出される磁束量が増加する。特に、第2の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなっており、すなわち第2の露出面領域のうちの中央近傍領域が媒体進行方向側の反対側に部分的に突出していることに基づき、その突出分だけ磁極中における第2の磁極部分の占有範囲が局所的に増加する(第2の磁極部分の磁気ボリュームが局所的に増加する)ため、磁極から放出される磁束量が著しく増加する。これにより、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保される。しかも、上記したように、第2の露出面領域のうちの中央近傍領域が媒体進行方向側の反対方向側に部分的に突出しており、すなわち第2の露出面領域のうちの中央近傍領域の周辺領域がその中央近傍領域よりも媒体進行方向側に部分的に後退していることに基づき、その後退箇所において磁極中における第2の磁極部分の占有範囲が局所的に減少する(第2の磁極部分の磁気ボリュームが局所的に減少する)ため、磁極から磁束が放出される際にフリンジ現象が生じにくくなる。これにより、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しにくくなるため、その記録トラック幅が狭小化される。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層とを備えた薄膜磁気ヘッドを製造する方法であり、磁極層のうちの磁極を形成する工程が、相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して磁極に対応する形状を有するように第1の前駆磁極部分を形成する第1の工程と、第1の前駆磁極部分を媒体進行方向側から部分的にエッチングすることにより、磁極のうちの一部を構成する第1の磁極部分を形成する第2の工程と、相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して第1の磁極部分上に磁極のうちの他の一部を構成する第2の磁極部分を形成することにより、媒体進行方向側の反対側に位置する第1の磁極部分と媒体進行方向側に位置する第2の磁極部分とが互いに隣接することにより積層された積層構造を有するように磁極を形成する第3の工程とを含み、第2の端縁の幅が第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上となり、第1の磁極部分が露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有すると共に、第2の磁極部分が露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有し、その第2の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなるようにするものである。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して第1の前駆磁極部分が形成され、引き続き第1の前駆磁極部分が媒体進行方向側から部分的にエッチングされることにより第1の磁極部分が形成されたのち、相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して第1の磁極部分上に第2の磁極部分が形成されることにより、媒体進行方向側の反対側に位置する第1の磁極部分と媒体進行方向側に位置する第2の磁極部分とが互いに隣接することにより積層された積層構造を有すると共に、露出面が、第2の端縁の幅が第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上である平面形状を有し、特に、第2の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなるように、磁極層のうちの磁極が形成される。この場合には、磁極を形成するために、成膜技術、パターニング技術およびエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。
本発明に係る磁気記録装置は、記録媒体と、その記録媒体に磁気的処理を施す薄膜磁気ヘッドとを搭載し、薄膜磁気ヘッドが、磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層とを備え、磁極層のうちの磁極が、媒体進行方向側の反対側に位置して相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有すると共に露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有する第1の磁極部分と、媒体進行方向側に位置して相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有すると共に露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有する第2の磁極部分とが互いに隣接することにより積層された積層構造を有し、露出面のうちの第2の端縁の幅が、第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上であり、第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなっているものである。
本発明に係る磁気記録装置では、上記した薄膜磁気ヘッドを搭載しているため、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保されると共に記録トラック幅が狭小化される。
本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッドは、記録媒体進行方向側の反対側に配置されて相対的に小さな飽和磁束密度を有する第1の磁極部分と、記録媒体進行方向側に配置されて相対的に大きな飽和磁束密度を有する第2の磁極部分とが積層されると共に、記録媒体対向面に露出した露出面を有するように構成され、記録媒体を垂直方向に磁化させるための記録磁界を発生させる磁極を備え、露出面において、第2の磁極部分の幅方向中央部の高さが幅方向において最大になっているものである。
本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、相対的に小さな飽和磁束密度を有する第1の磁極部分が記録媒体進行方向側の反対側に位置し、相対的に大きな飽和磁束密度を有する第2の磁極部分が記録媒体進行方向側に位置する積層構造を有すると共に、露出面が、第2の磁極部分の幅方向中央部の高さが幅方向において最大になるように、磁極が構成されている。この場合には、上記したように、磁極から放出される磁束量が増加するため、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保されると共に、磁極から磁束が放出される際にフリンジ現象が生じにくくなることにより、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しにくくなるため、その記録トラック幅が狭小化される。
特に、本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の露出面領域の中央位置における高さが、第1の露出面領域の中央位置における高さよりも小さくなっているのが好ましい。
また、本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置において最大であり、かつ中央位置から周辺に離れるにしたがって次第に小さくなっていてもよい。この場合には、第2の露出面領域の高さが、第1の露出面領域と第2の露出面領域とが互いに隣接する箇所に設けられた境界線が媒体進行方向側の反対側を向いて凸型に湾曲するように変化していてもよい。なお、境界線が第2の端縁に接しておらず、第2の露出面領域の最小高さがゼロよりも大きくなっていてもよいし、あるいは境界線が第2の端縁に接しており、第2の露出面領域の高さがゼロであってもよい。また、第2の露出面領域の最小高さが、第2の端縁の幅に等しくなっていてもよいし、あるいは第2の端縁の幅よりも小さくなっていてもよい。
なお、本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、第1の飽和磁束密度が1.80T(テスラ)以上2.30T以下の範囲内であり、第2の飽和磁束密度が2.20T以上2.45T以下の範囲内であるのが好ましい。
特に、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、さらに、少なくとも磁極を加工して記録媒体対向面を形成することにより、第1の露出面領域および第2の露出面領域を含むように露出面を形成する第4の工程を含むようにしてもよい。
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、第1の工程が、磁極部分の形状に対応する開口を有するようにフォトレジストパターンを形成する工程と、フォトレジストパターンに設けられた開口に第1の前駆磁極部分を形成する工程と、フォトレジストパターンを除去して第1の前駆磁極部分を残存させる工程とを含み、さらに、第1の工程と第2の工程との間に、第1の前駆磁極部分およびその周辺領域を覆うように前駆絶縁層を形成したのち、第1の前駆磁極部分が露出するまで少なくとも前駆絶縁層を研磨して平坦化することにより、第1の前駆磁極部分の周囲を埋め込むように絶縁層を形成する第5の工程を含み、第2の工程において、第1の磁極部分および絶縁層により囲まれるように第2の磁極部分を形成するための磁極形成領域を画定し、第3の工程が、少なくとも磁極形成領域を埋め込むように第2の前駆磁極部分を形成する工程と、絶縁層が露出するまで少なくとも第2の前駆磁極部分を研磨して平坦化することにより、磁極形成領域に第2の磁極部分を形成する工程とを含むようにしてもよい。
特に、本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッドでは、露出面において、第2の磁極部分のうちの記録媒体進行方向側の端縁が磁極の最大幅を有しているのが好ましい。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドおよび磁気記録装置によれば、相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する第1の磁極部分が媒体進行方向側の反対側に位置し、相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する第2の磁極部分が媒体進行方向側に位置する積層構造を有すると共に、露出面が、第2の端縁の幅が第1の端縁の幅よりも大きく、かつ第1の端縁と第2の端縁との間の任意の中間位置における露出面の幅以上である平面形状を有し、特に、第2の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における第2の露出面領域の高さよりも大きくなるように、磁極層のうちの磁極を構成した構造的特徴に基づき、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保されると共に記録トラック幅が狭小化される。したがって、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることができる。
また、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して第1の前駆磁極部分を形成し、引き続き第1の前駆磁極部分を媒体進行方向側から部分的にエッチングして第1の磁極部分を形成したのち、相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して第1の磁極部分上に第2の磁極部分を形成することにより、上記した磁極層のうちの磁極を形成する製法的特徴に基づき、既存の薄膜プロセスのみを使用して磁極を形成可能である。したがって、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とが両立されることにより記録性能が向上した薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成について説明する。図1〜図4は薄膜磁気ヘッドの構成を表しており、図1は全体の断面構成を示し、図2は主要部の平面構成(Z軸方向から見た平面構成)を示し、図3は主磁極層10の露出面10Mの平面構成(Y軸方向から見た平面構成)を拡大して示し、図4は主磁極層10の斜視構成を拡大して示している。図1のうち、(A)はエアベアリング面40に平行な断面構成(XZ面に沿った断面構成)を示し、(B)はエアベアリング面40に垂直な断面構成(YZ面に沿った断面構成)を示している。なお、図1に示した上向きの矢印Mは、薄膜磁気ヘッドに対して記録媒体(図示せず)が相対的に移動する方向(媒体進行方向または記録媒体進行方向)を示している。
以下の説明では、図1〜図4に示したX軸方向の寸法を「幅」、Y軸方向の寸法を「長さ」、Z軸方向の寸法を「厚さまたは高さ」とそれぞれ表記する。また、Y軸方向のうちのエアベアリング面40に近い側を「前方」、その反対側を「後方」とそれぞれ表記する。これらの表記内容は、後述する図5以降においても同様とする。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドは、媒体進行方向Mに移動する例えばハードディスクなどの記録媒体に磁気的処理を施すために、例えばハードディスクドライブなどの磁気記録装置に搭載されるものである。具体的には、薄膜磁気ヘッドは、例えば、磁気的処理として記録処理および再生処理の双方を実行可能な複合型ヘッドであり、図1に示したように、アルティック(Al2 3 ・TiC)などのセラミック材料により構成された基板1上に、酸化アルミニウム(Al2 3 ;以下、単に「アルミナ」という。)などの非磁性絶縁性材料により構成された絶縁層2と、磁気抵抗効果(MR;magneto-resistive effect)を利用して再生処理を実行する再生ヘッド部100Aと、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成された分離層7と、垂直記録方式の記録処理を実行するシールド型の記録ヘッド部100Bと、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されたオーバーコート層17とがこの順に積層された積層構造を有している。
再生ヘッド部100Aは、例えば、下部リードシールド層3と、シールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5とがこの順に積層された積層構造を有している。このシールドギャップ膜4には、記録媒体に対向する記録媒体対向面(エアベアリング面)40に一端面が露出するように、再生素子としてのMR素子6が埋設されている。
下部リードシールド層3および上部リードシールド層5は、いずれもMR素子6を周辺から磁気的に分離するものであり、エアベアリング面40から後方に向かって延在している。下部リードシールド層3は、例えば、ニッケル鉄合金(NiFe(例えばNi:80重量%,Fe:20重量%);以下、単に「パーマロイ(商品名)」という。)などの磁性材料により構成されている。上部リードシールド層5は、例えば、パーマロイなどの磁性材料により構成された上部リードシールド層部分5A,5Cの間に、ルテニウム(Ru)やアルミニウム(Al)などの非磁性材料により構成された非磁性層5Bが挟まれた積層構造(3層構造)を有している。なお、上部リードシールド層5は、必ずしも積層構造を有している必要はなく、単層構造を有していてもよい。
シールドギャップ膜4は、MR素子6を周辺から電気的に分離するものであり、例えばアルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
MR素子6は、例えば、巨大磁気抵抗効果(GMR;giant magneto-resistive effect)やトンネル磁気抵抗効果(TMR;tunneling magneto-resistive effect)などを利用して再生処理を実行するものである。
記録ヘッド部100Bは、例えば、絶縁層9,11により周辺を埋設された磁極層20と、磁気連結用の開口(バックギャップ12BG)が設けられたギャップ層12と、絶縁層15により埋設された薄膜コイル14と、ライトシールド層30とがこの順に積層された積層構造を有している。なお、図2では、記録ヘッド部100Bのうちの薄膜コイル14、磁極層20およびライトシールド層30を抜粋して示している。
磁極層20は、薄膜コイル14において発生した記録用の磁束を収容し、その磁束を記録媒体に向けて放出することにより記録処理を実行するものであり、より具体的には、垂直記録方式の記録処理として、記録用の磁束に基づいて記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界(垂直磁界)を発生させるものである。この磁極層20は、薄膜コイル14に対してリーディング側に配置されており、エアベアリング面40から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ12BGに対応する位置まで延在している。この「リーディング側」とは、図1に示した媒体進行方向Mに向かって移動する記録媒体の移動状態を1つの流れと見た場合に、その流れの流入する側(媒体進行方向M側の反対側)をいい、ここでは厚さ方向(Z軸方向)における下側をいう。これに対して、流れの流出する側(媒体進行方向M側)は「トレーリング側」と呼ばれ、ここでは厚さ方向における上側をいう。
この磁極層20は、例えば、図1に示したように、絶縁層9により周囲を埋設された補助磁極層8と、絶縁層11により周囲を埋設された主磁極層10とがこの順に積層された積層構造を有しており、すなわちリーディング側に補助磁極層8が位置し、トレーリング側に主磁極層10が位置する2層構造を有している。
補助磁極層8は、主要な磁束の収容部分として機能するものであり、主磁極層10に隣接することにより磁気的に連結されている。この補助磁極層8は、例えば、エアベアリング面40よりも後退した位置から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、例えば、図2に示したように、幅W3を有する矩形型の平面形状を有している。なお、補助磁極層8は、例えば、パーマロイや鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されている。この鉄コバルト系合金としては、例えば、鉄コバルト合金(FeCo)や鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などが挙げられる。
主磁極層10は、主要な磁束の放出部分として機能するものであり、補助磁極層8に隣接することにより磁気的に連結されている。この主磁極層10は、例えば、エアベアリング面40から後方に向かって延在し、具体的にはバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、略羽子板型の平面形状を有している。具体的には、主磁極層10は、例えば、図2に示したように、エアベアリング面40から後方に向かって順に、記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅W2を有する磁極としての先端部10AB1と、その先端部10AB1の後方に連結されると共に先端部10AB1の幅W2よりも大きな幅W3(W3>W2)を有する後端部10AB2とを含んで構成されている。この後端部10AB2の幅は、例えば、後方において一定(幅W3)であると共に、前方において先端部10AB1に近づくにしたがって幅W3から幅W2まで次第に狭まっている。なお、ここで説明した「主磁極層10の平面形状」とは、図2から明らかなように、主磁極層10の投影形状、すなわち主磁極層10の外縁(輪郭)により規定される形状である。この主磁極層10の幅が先端部10AB1(幅W2)から後端部10AB2(幅W3)へ拡がる位置、すなわち主磁極層10の幅が記録媒体の記録トラック幅を規定する一定幅W2から拡がり始める位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つである「フレアポイントFP」である。
この主磁極層10は、図2および図3に示したように、エアベアリング面40に露出した露出面10Mを有しており、その露出面10Mは、高さTを有している。この露出面10Mは、図3に示したように、リーディング側に位置する下端縁E1(第1の端縁)およびトレーリング側に位置する上端縁E2(第2の端縁)により画定されており、より詳細には、幅W1を有する下端縁E1(いわゆるリーディングエッジLE)と、幅W2を有する上端縁E2(いわゆるトレーリングエッジTE)と、幅方向(X軸方向)において左右に位置する2つの側端縁E3とにより画定されている。特に、露出面10Mでは、上端縁E2の幅W2が、下端縁E1の幅W1よりも大きく(W2>W1)、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上となっている(W2≧WD)。ここでは、例えば、(1)下端縁E1と上端縁E2とが互いに平行であり、(2)側端縁E3が直線状に延在し、(3)上端縁E2の幅W2が露出面10Mの幅WDよりも大きく(W2>WD)、(4)2つの側端縁E3の傾斜角度θ(下端縁E1の延長方向と側端縁E3との間の角度)が互いに等しくなることにより、露出面10Mは、下端縁E1を互いに対向する2つの対辺のうちの短い方の対辺(下底)とし、上端縁E2を互いに対向する2つの対辺のうちの長い方の対辺(上底)とする四角形状(いわゆる左右対象の逆台形状)の平面形状を有している。
特に、主磁極層10は、図4に示したように、下部主磁極層10Aと上部主磁極層10Bとが互いに隣接することにより積層された積層構造を有しており、すなわちリーディング側に下部主磁極層10Aが位置し、トレーリング側に上部主磁極層10Bが位置する2層構造を有している。
下部主磁極層10Aは、主磁極層10中において上部主磁極層10Bに磁束を供給する部分として機能するものであり、上部主磁極層10Bに隣接することにより磁気的に連結されている。この下部主磁極層10Aは、例えば、相対的に小さな飽和磁束密度S1(第1の飽和磁束密度=約1.80T(テスラ)〜2.30T)を有しており、すなわち飽和磁束密度S1を有する磁性材料により構成されている。この飽和磁束密度S1を有する磁性材料としては、例えば、鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などが挙げられる。特に、下部主磁極層10Aは、図3に示したように、露出面10Mのうちの一部を構成する露出面領域10AM(第1の露出面領域)を有していると共に、例えば、図4に示したように、先端部10AB1のうちの一部を構成する先端部10A1と、後端部10AB2のうちの一部を構成する後端部10A2とを含んで構成されている。
上部主磁極層10Bは、主磁極層10中において実質的な磁束の放出部分として機能するものであり、下部主磁極層10Aに隣接することにより磁気的に連結されている。この上部主磁極層10Bは、例えば、相対的に大きな飽和磁束密度S2(第2の飽和磁束密度=約2.20T〜2.45T)を有しており、すなわち飽和磁束密度S2を有する磁性材料により構成されている。この飽和磁束密度S2を有する磁性材料としては、例えば、鉄コバルト系合金などが挙げられる。特に、上部主磁極層10Bは、図3に示したように、露出面10Mのうちの他の一部を構成する露出面領域10BM(第2の露出面領域)を有していると共に、例えば、図4に示したように、先端部10AB1のうちの他の一部を構成する先端部10B1と、後端部10AB2のうちの他の一部を構成する後端部10B2とを含んで構成されている。
これらの下部主磁極層10Aおよび上部主磁極層10Bを含んで構成された主磁極層10の露出面10Mは、図3に示したように、下部主磁極層10Aの露出面領域10AMと、上部主磁極層10Bの露出面領域10BMとを含んで構成されている。この露出面10Mでは、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなっている(T2>T2P)。すなわち、露出面10Mでは、上部主磁極層10Bの幅方向中央部の高さT2が、幅方向において最大になっている。また、露出面10Mでは、例えば、露出面領域10AMの中央位置における高さT1が、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10AMの高さT1Pよりも小さくなっている(T1<T1P)。この「中央位置(または中央部)」とは、必ずしも露出面領域10AM、10BMのうちの幅方向(X軸方向)における厳密な中央位置(W1/2またはW2/2に対応する位置)に限らず、その厳密な中央位置から左右にずれている位置まで含む広義の概念である。すなわち、「中央位置(または中央部)」とは、幅方向において露出面10M(露出面領域10AM,10BM)内に位置する特定の位置であり、より具体的には、露出面領域10BMの高さが最大になる位置である。また、「周辺位置」とは、幅方向において中央位置の右側または左側に位置する位置であり、より具体的には、露出面領域10BMの高さが最大高さ(高さT2)よりも小さくなる位置である。露出面10Mの設定寸法としては、例えば、露出面10Mの高さTが、約0.2μm〜0.3μmであり、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が、約0.01μm〜0.1μmである。なお、露出面10Mでは、上記したように四角形状(例えば左右対象の逆台形状)の平面形状を有していることに伴い、上部主磁極層10Bのうちの上端縁E2が主磁極層10の最大幅を有している。
特に、露出面10Mでは、例えば、図3に示したように、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が、露出面領域10AMの中央位置における高さT1よりも小さくなっており(T2<T1)、より具体的には、高さT1の1/2倍以下となっている(T2≦T1/2)。また、露出面領域10BMの高さは、その中央位置において最大(高さT2)であり、かつ中央位置から周辺に離れるにしたがって次第に小さくなっている(高さT2P)。ここでは、例えば、露出面領域10BMの高さが、幅方向(X軸方向)における一端側(例えば左端側)から他端側(例えば右端側)に向かって、中央位置において最大となるように連続的に大きくなったのちに小さくなっており、より具体的には、露出面領域10AMと露出面領域10BMとが互いに隣接する箇所に設けられた境界線BLがリーディング側を向いて凸型に湾曲するように変化している。この境界線BLがリーディング側を向いて凸型に湾曲していることに伴い、例えば、図4に示したように、上部主磁極層10Bの下面(下部主磁極層10Aに隣接する面)がリーディング側を向いて凸型に湾曲していると共に、下部主磁極層10Aの上面(上部主磁極層10Bに隣接する面)がトレーリング側を向いて凹型に湾曲している。
なお、露出面10Mでは、例えば、図3に示したように、境界線BLがリーディング側を向いて凸型に湾曲している場合において、その境界線BLが上端縁E2に接しておらず、すなわち露出面領域10BMの最小高さTMNがゼロよりも大きくなることにより(TMN>0)、その露出面領域10BMの外縁(輪郭)の一部が側端縁E3の一部を構成していると共に、露出面領域10BMの最大幅WMXが上端縁E2の幅W2に等しくなっており(WMX=W2)、すなわち露出面10M中において露出面領域10AMがトレーリング側まで拡張されないように露出面領域10BMが占有している。
絶縁層9は、補助磁極層8を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。また、絶縁層11は、主磁極層10を周囲から電気的に分離するものであり、例えば、絶縁層9と同様にアルミナなどの非磁性絶縁性材料により構成されている。
ギャップ層12は、磁極層20とライトシールド層30との間を磁気的に分離するものであり、例えば、アルミナなどの非磁性絶縁性材料やルテニウム(Ru)などの非磁性導電性材料により構成されている。
薄膜コイル14は、記録用の磁束を発生させるものであり、例えば、銅(Cu)などの高導電性材料により構成されている。この薄膜コイル14は、例えば、図1および図2に示したように、バックギャップ12BGを中心として巻回された巻線構造(スパイラル構造)を有している。なお、図1および図2では、薄膜コイル14を構成している複数の巻線のうちの一部のみを示している。
絶縁層15は、薄膜コイル14を埋設することにより周辺から電気的に分離するものであり、バックギャップ12BGを塞がないようにギャップ層12上に配置されている。この絶縁層15は、例えば、加熱されることにより流動性を示すフォトレジスト(感光性樹脂)やスピンオングラス(SOG;spin on glass )などの非磁性絶縁性材料により構成されており、その絶縁層15の端縁近傍部分は、端縁に向けて落ち込むように丸みを帯びた斜面を構成している。この絶縁層15の最前端(エアベアリング面40に最も近い端縁)の位置は、薄膜磁気ヘッドの記録性能を決定する重要な因子のうちの1つである「スロートハイトゼロ位置TP」であり、そのスロートハイトゼロ位置TPとエアベアリング面40との間の距離は、いわゆる「スロートハイトTH」である。
ライトシールド層30は、磁極層20から放出された記録用の磁束の広がり成分を取り込むことにより、その記録用の磁束の広がりを抑制すると共に、磁極層20から記録媒体に向けて記録用の磁束が放出された際に、その記録媒体を経由した(記録処理に利用された)磁束を回収することにより磁極層20に再供給し、すなわち薄膜磁気ヘッドと記録媒体との間で磁束を循環させるものである。このライトシールド層30は、薄膜コイル14に対してトレーリング側、すなわち磁極層20に対してトレーリング側に配置されており、エアベアリング面40から後方に向かって延在することにより、そのエアベアリング面40に近い側においてギャップ層12により磁極層20から隔てられていると共に遠い側においてバックギャップ12BGを通じて磁極層20に磁気的に連結されている。
特に、ライトシールド層30は、例えば、互いに別体として構成された2つの構成要素、すなわち主要な磁束の取り込み口として機能するTH規定層13と、そのTH規定層13から取り込まれた磁束の流路として機能するヨーク層16とを含んで構成されており、それらのTH規定層13およびヨーク層16が互いに隣接することにより磁気的に連結された構造を有している。
TH規定層13は、ギャップ層12に隣接しながら、エアベアリング面40からそのエアベアリング面40とバックギャップ12BGとの間の位置まで延在し、具体的にはエアベアリング面40と薄膜コイル14との間の位置まで延在している。このTH規定層13は、例えば、パーマロイや鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密を有する磁性材料により構成されており、図2に示したように、磁極層20の幅W3よりも大きな幅W4(W4>W3)を有する矩形型の平面形状を有している。このTH規定層13には、薄膜コイル14を埋設している絶縁層15が隣接しており、すなわちTH規定層13は、絶縁層15の最前端位置(スロートハイトゼロ位置TP)を規定することによりスロートハイトTHを規定する役割を担っている。
ヨーク層16は、絶縁層15を覆うようにエアベアリング面40からバックギャップ12BGに対応する位置まで延在しており、前方においてTH規定層13に乗り上げることにより磁気的に連結されていると共に後方においてバックギャップ12BGを通じて磁極層20に隣接することにより磁気的に連結されている。このヨーク層16は、例えば、TH規定層13と同様に、パーマロイや鉄コバルト系合金などの高飽和磁束密度を有する磁性材料により構成されており、図2に示したように、TH規定層13と同様に幅W4を有する矩形型の平面形状を有している。
次に、図1〜図3を参照して、薄膜磁気ヘッドの動作について説明する。
この薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録時において、図示しない外部回路から記録ヘッド部100Bのうちの薄膜コイル14に電流が流れると、その薄膜コイル14において記録用の磁束が発生する。このとき発生した磁束は、磁極層20(補助磁極層8/主磁極層10)に収容されたのち、主に主磁極層10の内部を後端部10AB2から先端部10AB1に向けて流れる。この際、主磁極層10内を流れる磁束は、その主磁極層10の幅の減少に伴い、フレアポイントFPにおいて絞り込まれながら集束するため、最終的に主磁極層10(下部主磁極層10A/上部主磁極層10B)のうちの先端部10B1に集中することにより、露出面10MのうちのトレーリングエッジTE近傍に集中する。このトレーリングエッジTE近傍に集中した磁束が外部に放出されることにより、記録媒体の表面と直交する方向に記録磁界(垂直磁界)が発生すると、その垂直磁界により記録媒体が磁化されるため、記録媒体に情報が磁気的に記録される。
なお、情報の記録時には、磁極層20から放出された磁束の広がり成分がライトシールド層30に取り込まれるため、その磁束の広がりが抑制される。このライトシールド層30に取り込まれた磁束は、バックギャップ12BGを通じて磁極層20に環流される。
一方、情報の再生時においては、再生ヘッド部100AのMR素子6にセンス電流が流れると、記録媒体に基づく再生用の信号磁界に応じてMR素子6の抵抗値が変化するため、そのMR素子6の抵抗変化がセンス電流の変化として検出されることにより、記録媒体に記録されている情報が磁気的に再生される。
続いて、図1〜図10を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法として、図1〜図4に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。図5〜図10は薄膜磁気ヘッドの製造工程を説明するためのものであり、いずれも図1(A)に示した断面構成を部分的に拡大して示している。
以下では、まず、図1を参照して薄膜磁気ヘッド全体の製造工程の概略について説明したのち、図1〜図10を参照して本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法が適用される薄膜磁気ヘッドのうちの主要部(主磁極層10(下部主磁極層10A/上部主磁極層10B))の形成工程について言及する。なお、薄膜磁気ヘッドの一連の構成要素の材質、寸法および構造的特徴に関しては既に詳述したので、それらの説明を随時省略するものとする。
この薄膜磁気ヘッドは、主に、めっき処理またはスパッタリングに代表される成膜技術、フォトリソグラフィ処理に代表されるパターニング技術およびドライエッチングまたはウェットエッチングに代表されるエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスを使用して、各構成要素を順次形成して積層させることにより製造される。すなわち、薄膜磁気ヘッドを製造する際には、図1に示したように、まず、基板1上に絶縁層2を形成したのち、その絶縁層2上に、下部リードシールド層3と、MR素子6が埋設されたシールドギャップ膜4と、上部リードシールド層5(上部リードシールド層部分5A/非磁性層5B/上部リードシールド層部分5C)とをこの順に積層させることにより、再生ヘッド部100Aを形成する。続いて、再生ヘッド部100A上に分離層7を形成したのち、その分離層7上に、絶縁層9,11により周囲を埋設された磁極層20(補助磁極層8/主磁極層10)と、ギャップ層12と、絶縁層15により埋設された薄膜コイル14と、ライトシールド層30(TH規定層13/ヨーク層16)とをこの順に積層させることにより、記録ヘッド部100Bを形成する。最後に、記録ヘッド部100B上にオーバーコート層17を形成したのち、機械加工や研磨加工を使用してエアベアリング面40を形成することにより、薄膜磁気ヘッドが完成する。
薄膜磁気ヘッドのうちの主磁極層10(下部主磁極層10A/上部主磁極層10B)を形成する際には、図1に示したように、補助磁極層8の周囲を埋設するように絶縁層9を形成したのち、それらの補助磁極層8および絶縁層9上に、まず、図5に示したように、フォトレジストパターン50を形成する。このフォトレジストパターン50を形成する際には、例えば、後工程において形成される主磁極層10の形状(後工程において形成する前駆磁極層10AZの形状;図5参照)に対応する開口50Kを有し、より具体的には、図3に示した露出面10Mの平面形状に対応して開口50Kの開口幅が絶縁層9に近づくにしたがって次第に狭まると共に、その開口50Kの開口幅が下端において下端縁E1の幅W1に等しくなり、かつ上端において上端縁E2の幅W2よりも大きくなるようにする。なお、フォトレジストパターン50の具体的な形成手順としては、例えば、絶縁層9の表面にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜(図示せず)を形成したのち、フォトリソグラフィ処理を使用してフォトレジスト膜をパターニング(露光・現像)して開口50Kを形成することにより、その開口50Kが設けられたフォトレジストパターン50を形成する。
続いて、図5に示したように、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する磁性材料、具体的には鉄コバルトニッケル合金(FeCoNi)などを使用して、フォトレジストパターン50に設けられた開口50Kに、下部主磁極層10Aを形成するための前駆磁極層10AZ(第1の前駆磁極部分)を形成する。この前駆磁極層10AZは、後工程においてエッチングされることにより下部主磁極層10Aとなる前準備層である。この場合には、上記した開口50Kの開口形状に対応して、主磁極層10の形状に対応し、すなわち左右対称の逆台形状の断面形状を有するように前駆磁極層10AZが形成される。この前駆磁極層10AZを形成する際には、例えば、イオンミリングなどのドライエッチングに対するエッチング速度(いわゆるエッチングレート)が後工程において形成される絶縁層11の形成材料(絶縁性材料)よりも大きな形成材料(磁性材料)を使用すると共に、上端の幅が図3に示した上端縁E2の幅W2にほぼ等しくなるようにする。なお、前駆磁極層10AZの形成手順としては、例えば、前駆磁極層10AZの形成材料と同様の材料を使用して、シード層を電極膜としてめっき膜を成長させることにより、開口50K内に前駆磁極層10AZを形成する。上記しためっき膜を成長させる際には、例えば、絶縁層9上にあらかじめシード層を形成しておき、そのシード層上にフォトレジストパターン50を形成することにより、開口50Kに露出したシード層を使用してめっき膜を成長させるようにする。
続いて、フォトレジストパターン50を除去して前駆磁極層10AZを残存させたのち、図6に示したように、前駆磁極層10AZおよびその周辺の絶縁層9を覆うように、前駆絶縁層11Zを形成する。この前駆絶縁層11Zは、後工程において研磨されることにより絶縁層11となる前準備層である。この前駆絶縁層11Zを形成する際には、例えば、最下面が前駆磁極層10AZの最上面よりも高くなり、すなわち前駆磁極層10AZを完全に埋設させるようにする。なお、前駆絶縁層11Zの形成手順としては、例えば、スパッタリングを使用して絶縁層11の形成材料を成膜することにより、前駆絶縁層11Zを形成する。
続いて、前駆磁極層10AZが露出するまで少なくとも前駆絶縁層11Zを研磨して平坦化し、より具体的には前駆絶縁層11Zと共に必要に応じて前駆磁極層10AZを併せて研磨して平坦化することにより、図7に示したように、前駆磁極層10AZの周囲を埋め込むように絶縁層11を形成する。なお、絶縁層11の形成手順としては、例えば、化学機械研磨(CMP;chemical mechanical polishing )法を使用して前駆絶縁層11Zを研磨することにより、絶縁層11を形成する。
続いて、前駆磁極層10AZをトレーリング側から部分的にエッチングすることにより、図8に示したように、主磁極層10のうちの一部を構成する下部主磁極層10Aを形成する。この下部主磁極層10Aを形成する際には、例えば、イオンミリングなどのドライエッチングを使用して、斜め方向(前駆磁極層10AZの延在面(XY面)の垂線(Z軸に平行な線)に対して傾いた方向)からイオンビームを照射しながらエッチング処理を進行させるようにする。この場合には、相対的に大きなエッチング速度を有する前駆磁極層10AZの周囲に相対的に小さなエッチング速度を有する絶縁層11が存在することにより、そのエッチング速度の差異を利用して前駆磁極層10AZのみが選択的にエッチングされるため、下部主磁極層10Aおよび絶縁層11により囲まれるように、後工程において上部主磁極層10Bを形成するための磁極形成領域10Pが画定される。この場合には、特に、前駆磁極層10AZの周囲を囲んでいる絶縁層11が、その前駆磁極層10AZに対するエッチング作用(エッチング処理の進行度)を妨げる障壁として働くことにより、前駆磁極層10AZに対するエッチング量が中央位置において最大になり、かつ中央位置から周辺に離れるにしたがって次第に小さくなるため、図3に示した露出面領域10AMの平面形状に対応する断面形状を有するように下部主磁極層10Aが形成され、すなわち後工程において露出面領域10AMを形成した際に、図3に示したように、露出面領域10AMの中央位置における高さT1が、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10AMの高さT1Pよりも小さくなるように下部主磁極層10Aが形成される(T1<T1P)。ここでは、例えば、前駆磁極層10AZのエッチング面、すなわち下部主磁極層10Aの上面10AEが、トレーリング側を向いて凹型に湾曲する。
続いて、図9に示したように、相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する磁性材料、具体的には鉄コバルト系合金などを使用して、少なくとも下部主磁極層10Aおよび絶縁層11により画定された磁極形成領域10Pを埋め込み、より具体的には磁極形成領域10Pを埋め込むと共にその周辺の絶縁層11を覆うように、上部主磁極層10Bを形成するための前駆磁極層10BZ(第2の前駆磁極部分)を形成する。この前駆磁極層10BZは、後工程において研磨されることにより上部主磁極層10Bとなる前準備層である。この前駆磁極層10BZを形成する際には、例えば、最下面が絶縁層11の最上面よりも高くなるようにする。なお、前駆磁極層10BZの形成手順としては、例えば、スパッタリングを使用して全体に成膜処理を施すことにより前駆磁極層10BZを形成する。
続いて、絶縁層11が露出するまで少なくとも前駆磁極層10BZを研磨し、より具体的には前駆磁極層10BZと共に必要に応じて絶縁層11を併せて研磨して平坦化することにより、図10に示したように、磁極形成領域10Pに、主磁極層10のうちの他の一部を構成する上部主磁極層10Bを形成する。この上部主磁極層10Bを形成する際には、例えば、CMP法を使用して前駆磁極層10BZを研磨するようにする。この場合には、下部主磁極層10Aおよび絶縁層11により画定された磁極形成領域10Pに上部主磁極層10Bが形成されるため、図3に示した露出面領域10BMの平面形状に対応する断面形状を有するように上部主磁極層10Bが形成され、すなわち後工程において露出面領域10BMを形成した際に、図3に示したように、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなるように上部主磁極層10Bが形成される(T2>T2P)。ここでは、例えば、下部主磁極層10Aの上面10AEに沿って上部主磁極層10Bが形成されることに伴い、その下部主磁極層10Aに隣接する上部主磁極層10Bの隣接面、すなわち上部主磁極層10Bの下面10BEが、リーディング側を向いて凸型に湾曲する。
最後に、上記したように、機械加工や研磨加工を使用して少なくとも下部主磁極層10Aおよび上部主磁極層10Bを加工し、より具体的には下部主磁極層10Aおよび上部主磁極層10Bを含む積層構造体(基板1からオーバーコート層17に至る一連の積層構造体)を加工してエアベアリング面40を形成することにより、図1〜図4に示したように、そのエアベアリング面40の一部を構成するように露出面10Mを形成し、すなわち下部主磁極層10Aの露出面領域10AMおよび上部主磁極層10Bの露出面領域10BMを形成する。これにより、リーディング側に位置して露出面領域10AMを有する下部主磁極層10Aと、トレーリング側に位置して露出面領域10BMを有する上部主磁極層10Bとが互いに隣接することにより積層された積層構造を有するように主磁極層10が形成されるため、その主磁極層10の形成工程が完了する。この主磁極層10では、露出面10Mが左右対象の逆台形状の平面形状を有し、すなわち上端縁E2の幅W2が、下端縁E1の幅W1よりも大きく(W2>W1)、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上となると共に(W2≧WD)、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなる(T2>T2P)。なお、上記した上部主磁極層10Bの形成工程では、例えば、上記したように、前駆磁極層10BZと共に必要に応じて絶縁層11を併せて研磨することにより、図3に示したように、露出面10Mが高さTを有し、すなわち露出面領域10AMの中央位置における高さT1と露出面領域10BMの中央位置における高さT2との和が高さTに等しくなるように研磨量を調整する(T=T1+T2)。
本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する下部主磁極層10Aがリーディング側に位置し、相対的に大きな飽和磁束密度S2(S2>S1)を有する上部主磁極層10Bがトレーリング側に位置する積層構造を有すると共に、露出面10Mが、上端縁E2の幅W2が下端縁E1の幅W1よりも大きく(W2>W1)、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上である(W2≧WD)左右対象の逆台形状の平面形状を有し、特に、露出面領域10BMの中央位置における高さT2がその中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなるように主磁極層10を構成したので、以下の理由により、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることができる。
図11および図12は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの構成を表しており、図11は第1の比較例の薄膜磁気ヘッドを示し、図12は第2の比較例の薄膜磁気ヘッドを示している。これらの図11および図12では、いずれも図10に対応する断面構成を示している。図11に示した第1の比較例の薄膜磁気ヘッドは、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する下部主磁極層10Aおよび相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する上部主磁極層10Bを含むことにより積層構造を有する主磁極層10に代えて、全体として相対的に小さな飽和磁束密度S1を有することにより単層構造を有する主磁極層200を備えている点を除き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の構造を有している。また、図12に示した第2の比較例の薄膜磁気ヘッドは、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する下部主磁極層10Aおよび相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する上部主磁極層10Bを含むことにより積層構造を有する主磁極層10に代えて、全体として相対的に大きな飽和磁束密度S2を有することにより単層構造を有する主磁極層300を備えている点を除き、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドと同様の構造を有している。
第1の比較例の薄膜磁気ヘッド(図11参照)では、主磁極層200が全体として相対的に小さな飽和磁束密度S1を有していることに基づき、その主磁極層200の磁気ボリューム(磁束収容量)が全体として大きくなりすぎず、より具体的には主磁極層200のうちのトレーリング側の両端角部分に記録用の磁束が集中しにくくなるため、主磁極層200から記録用の磁束が放出される際にフリンジ現象(磁束の広がり現象)が生じにくくなる。これにより、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しにくくなるため、その記録トラック幅が狭小化される観点において利点が得られる。
しかしながら、第1の比較例の薄膜磁気ヘッドでは、上記したように、主磁極層200が全体として相対的に小さな飽和磁束密度S1を有していることに起因して、主要な磁束の放出部分である主磁極層200のうちの先端部分(上部主磁極層10Bのうちの先端部10B1に対応する部分)の磁気ボリュームが十分に得られず、より具体的には記録トラック幅を狭めるために主磁極層200のうちの先端部分の幅を狭めた場合に、その先端部分の磁気ボリュームが十分に得られないため、主磁極層200から放出される磁束量が減少する。これにより、情報の記録動作時において垂直磁界強度が不足する観点において問題点が生じる。
これらのことから、第1の比較例の薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において、記録トラック幅が狭小化される観点において利点が得られる一方で、垂直磁界強度が不足する観点において問題点が生じるため、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることが困難である。
また、第2の比較例の薄膜磁気ヘッド(図12参照)では、主磁極層300が全体として相対的に大きな飽和磁束密度S2を有していることに基づき、主要な磁束の放出部分である主磁極層300のうちの先端部分(上部主磁極層10Bのうちの先端部10B1に対応する部分)の磁気ボリュームが十分に得られ、より具体的には記録トラック幅を狭めるために主磁極層300のうちの先端部分の幅を狭めた場合においても、その先端部分の磁気ボリュームが十分に得られるため、主磁極層300から放出される磁束量が増加する。これにより、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保される観点において利点が得られる。
しかしながら、第2の比較例の薄膜磁気ヘッドでは、上記したように、主磁極層300が全体として相対的に大きな飽和磁束密度S2を有していることに起因して、その主磁極層300の磁気ボリュームが全体として大きくなりすぎ、より具体的には主磁極層300のうちのトレーリング側の両端角部分に記録用の磁束が集中しやすくなるため、主磁極層300から記録用の磁束が放出される際にフリンジ現象が生じやすくなる。これにより、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しやすい観点において問題点が生じる。
これらのことから、第2の比較例の薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において、垂直磁界強度が確保される観点において利点が得られる一方で、記録トラック幅が拡大しやすい観点において問題点が生じるため、やはり垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることが困難である。
これに対して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド(図3および図10参照)では、主磁極層10が、リーディング側に位置して相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する下部主磁極層10Aと、トレーリング側に位置して相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する上部主磁極層10Bとを含む積層構造を有しており、すなわち上部主磁極層10Bが相対的に大きな飽和磁束密度S2を有していることに基づき、主要な磁束の放出部分である主磁極層10のうちの先端部分(上部主磁極層10のうちの先端部10B1)において磁気ボリュームが十分に得られ、より具体的には記録トラック幅を狭めるために主磁極層10のうちの先端部分の幅を狭めた場合においても、その先端部分の磁気ボリュームが十分に得られるため、下部主磁極層10Aが相対的に小さな飽和磁束密度S1を有しているにもかかわらず、主磁極層10から放出される磁束量が増加する。この場合には、特に、上部主磁極層10Bの露出面領域10BMの中央位置における高さT2がその中央位置の周辺の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きくなっており(T2>T2P)、すなわち露出面領域10BMのうちの中央近傍領域がリーディング側に部分的に突出していることに基づき、その突出分だけ主磁極層10中における上部主磁極層10Bの占有範囲が局所的に増加する(上部主磁極層10Bの磁気ボリュームが局所的に増加する)ため、主磁極層10から放出される磁束量が著しく増加する。これにより、情報の記録動作時において垂直磁界強度が確保される観点において利点が得られる。
しかも、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、上記したように、上部主磁極層10Bの露出面領域10BMのうちの中央近傍領域がリーディング側に部分的に突出しており、すなわち露出面領域10BMのうちの中央近傍領域の周辺領域がその中央近傍領域よりもトレーリング側に部分的に後退していることに基づき、その後退箇所において主磁極層10中における上部主磁極層10Bの占有範囲が局所的に減少する(上部主磁極層10Bの磁気ボリュームが局所的に減少する)。この場合には、上部主磁極層10Bの磁気ボリュームが大きくなりすぎず、より具体的には主磁極層10のうちのトレーリング側の両端角部分に記録用の磁束が集中しにくくなるため、主磁極層10から記録用の磁束が放出される際にフリンジ現象が生じにくくなる。これにより、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大しにくくなるため、その記録トラック幅が狭小化される観点においても利点が得られる。
したがって、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、情報の記録動作時において、垂直磁界強度が確保される観点において利点が得られると共に、記録トラック幅が拡大しにくい観点においても利点が得られるため、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることができるのである。
ここで、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの技術的意義に関して説明しておく。すなわち、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構造的特徴は、上記したように、露出面10Mが左右対象の逆台形状の平面形状を有するように主磁極層10が構成されている場合に、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する下部主磁極層10Aがリーディング側に位置すると共に相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する上部主磁極層10Bがトレーリング側に位置する積層構造を有するように主磁極層10が構成されており、特に、露出面領域10BMの中央位置における高さT2がその中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きい(T2>T2P)点にあり、より具体的には図3に示したように、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が露出面領域10AMの中央位置における高さT1よりも小さい(T2<T1)点にある。
この主磁極層10の構造的特徴に関して、第1に、露出面領域10BMの中央位置における高さT2がその中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域10BMの高さT2Pよりも大きいこと(T2>T2P)が好ましい理由は、上記したように、上部主磁極層10Bの磁気ボリュームを制御することにより、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化との両立を図るためである。より詳細には、相対的に大きな飽和磁束密度S2を有し、すなわち主磁極層10全体の磁気ボリュームに大きく寄与する上部主磁極層10Bの磁気ボリュームに着目した場合に、磁束のフリンジ現象が顕著化することを抑制しつつ垂直磁界強度を増加させるためには、露出面領域10BMの中央位置における高さT2を相対的に大きくして上部主磁極層10Bの磁気ボリュームを稼ぎつつ(増加させつつ)、その露出面領域10BMの周辺位置における高さT2Pを相対的に小さくして上部主磁極層1Bの磁気ボリュームを絞り込む(減少させる)ことにより、上部主磁極層10Bの磁気ボリュームを制御する必要があるからである。
また、第2に、露出面領域10BMの中央位置における高さT2が露出面領域10AMの中央位置における高さT1よりも小さいこと(T2<T1)が好ましい理由は、高さT2が高さT1以上になると(T2≧T1)、主磁極層10中における上部主磁極層10Bの占有割合、すなわち相対的に大きな飽和磁束密度S2を有する上部主磁極層10Bの占有割合が大きくなりすぎるため、上記した第2の比較例の薄膜磁気ヘッドに関して説明した場合と同様に、垂直磁界強度が確保される一方で記録トラック幅が拡大しやすくなるからである。
さらに、第3に、露出面10Mが左右対象の逆台形状の平面形状を有しており、すなわち露出面10Mのうちの上端縁E2の幅W2が、下端縁E1の幅W1よりも大きく、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上であること(W2>W1,W2≧WD)が好ましい理由は、主磁極層10の露出面10Mが左右対象の逆台形状の平面形状を有していると、薄膜磁気ヘッドの記録動作時にスキューが発生し、すなわち記録媒体に湾曲線状に設けられた記録対象トラック(情報の記録対象である特定のトラック)の接線方向に対して主磁極層10が傾いた場合においても、その主磁極層10の露出面10Mが記録対象トラックから隣接トラック(記録対象トラックに隣接する他のトラック)にはみ出さなくなるため、情報の記録動作時において垂直磁界により記録対象トラックだけでなく隣接トラックまで併せて磁化される(記録媒体に記録済みの情報がスキューに起因して意図せずに消去される)ことが抑制されるからである。
これらのことから、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、上部主磁極層10Bの磁気ボリュームを制御することにより垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立しつつ、記録媒体に記録済みの情報がスキューに起因して意図せずに消去されることを抑制する観点において、技術的意義を有するのである。
また、上記した他、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法では、相対的に小さな飽和磁束密度S1を有する磁性材料を使用して前駆磁極層10AZを形成し、引き続き前駆磁極層10AZをトレーリング側から部分的にエッチングして下部主磁極層10Aを形成したのち、相対的に大きな飽和磁束密度S2(S2>S1)を有する磁性材料を使用して下部主磁極層10A上に上部主磁極層10Bを形成することにより、上記した主磁極層10(下部主磁極層10A/上部主磁極層10B)を形成したので、その主磁極層10を形成するために成膜技術、パターニング技術およびエッチング技術などを含む既存の薄膜プロセスのみを使用し、新規かつ煩雑な製造プロセスを使用しない。したがって、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とが両立されることにより記録性能が向上した薄膜磁気ヘッドを容易に製造することができる。
なお、本実施の形態では、図3に示したように、露出面10M(露出面領域10AM,10BM)の構成に関して、境界線BLがリーディング側を向いて凸型に湾曲している場合において、その境界線BLが上端縁E2に接しておらず、露出面領域10BMの最小高さTMNがゼロよりも大きくなると共に(TMN>0)、露出面領域10BMの最大幅WMXが上端縁E2の幅W2に等しくなるようにしたが(WMX=W2)、必ずしもこれに限られるものではなく、それらの最小高さTMNや最大幅WMXは自由に変更可能である。
具体的には、例えば、図13に示したように、境界線BLが上端縁E2に接し、すなわち露出面領域10BMの最小高さTMNがゼロとなることにより(TMN=0)、その露出面領域10BMの外縁(輪郭)の一部が側端縁E3の一部を構成しないようにしてもよい。なお、図13に示した場合において、露出面領域10BMの最大幅WMXは、図3に示した場合と同様に、上端縁E2の幅W2に等しくなっている(WMX=W2)。この場合においても、図3に示した上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。特に、露出面領域10BMの最小高さTMNをゼロとした場合(TMN=0)には、最小高さTMNをゼロとしない場合(TMN>0;図3参照)と比較して、主磁極層10のうちのトレーリング側の両端角部分に記録用の磁束がより集中しにくくなるため、情報の記録動作時において磁束のフリンジ現象に起因して記録トラック幅が拡大することをより抑制することができる。なお、図13に示した露出面10Mに関する上記以外の構造的特徴は、図3に示した場合と同様である。
また、例えば、図13に示したように、境界線BLが上端縁E2に接する場合には、さらに、図14に示したように、露出面領域10BMの最大幅WMXが上端縁E2の幅W2よりも小さくなるようにしてもよい(WMX<W2)。この場合においても、図3に示した上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。なお、図14に示した露出面10Mに関する上記以外の構造的特徴は、図13に示した場合と同様である。
さらに、例えば、図15に示したように、境界線BLが湾曲せず、折れ曲がりながら直線状に延在してもよい。なお、図15に示した場合には、1つの折れ曲がり点を経由することにより境界線BLが1回だけ折れ曲がるようにしているが、その境界線BLの折れ曲がり回数(折れ曲がり点の数)は自由に設定可能である。この場合においても、図3に示した上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。なお、図15に示した露出面10Mに関する上記以外の構造的特徴は、図3に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図3に示したように、主磁極層10の露出面10Mが左右対象の逆台形状の平面形状を有するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、上記した露出面10Mの構成条件、すなわち上端縁E2の幅W2が、下端縁E1の幅W1よりも大きく、かつ下端縁E1と上端縁E2との間の任意の中間位置における露出面10Mの幅WD以上である条件(W2>W1,W2≧WD)を満たす限り、その露出面10Mの平面形状は自由に変更可能である。一例を挙げれば、図16に示したように、左右対象の逆台形状に代えて、左右対象の六角形状、より具体的にはトレーリング側に位置する略四角形とリーディング側に位置する略逆台形とが合成された六角形状の平面形状を有するように露出面10Mを構成してもよい。この場合には、例えば、上端縁E2の幅W2が、幅WD以上となる(W2≧WD)。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図16に示した露出面10Mに関する上記以外の構成は、図3に示した場合と同様である。
また、本実施の形態では、図2に示したように、主磁極層10のうちの後端部10AB2の平面形状に関して、その後端部10AB2の幅が、後方において一定(幅W3)であると共に、前方において先端部10AB1に近づくにしたがって幅W3から幅W2まで次第に狭まるようにしたが、必ずしもこれに限られるものではなく、その後端部10AB2の平面形状は自由に変更可能である。一例を挙げれば、図17に示したように、後端部10AB2の幅が、後方において一定(幅W3)であると共に、前方において先端部10AB1に近づくにしたがって、幅W3よりも小さく、かつ幅W2よりも大きな幅W5(W2<W5<W3)から幅W2まで次第に狭まるようにしてもよい。この場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図17に示した薄膜磁気ヘッドに関する上記以外の構成は、図2に示した場合と同様である。
以上をもって、本発明の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法についての説明を終了する。
次に、図18および図19を参照して、本発明の薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の構成について説明する。図18は磁気記録装置の斜視構成を表しており、図19は磁気記録装置のうちの主要部の斜視構成を拡大して表している。この磁気記録装置は、上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッドを搭載したものであり、例えばハードディスクドライブである。
この磁気記録装置は、図18に示したように、例えば、筐体400の内部に、情報が磁気的に記録される記録媒体としての複数の磁気ディスク(例えばハードディスク)401と、各磁気ディスク401に対応して配設され、磁気ヘッドスライダ402を一端部において支持する複数のサスペンション403と、そのサスペンション403の他端部を支持する複数のアーム404とを備えている。磁気ディスク401は、筐体400に固定されたスピンドルモータ405を中心として回転可能になっている。アーム404は、動力源としての駆動部406に接続されており、筐体400に固定された固定軸407を中心として、ベアリング408を介して旋回可能になっている。駆動部406は、例えば、ボイスコイルモータなどの駆動源を含んで構成されている。この磁気記録装置は、例えば、固定軸407を中心として複数のアーム404が一体的に旋回可能なモデルである。なお、図18では、磁気記録装置の内部構造を見やすくするために、筐体400を部分的に切り欠いて示している。
磁気ヘッドスライダ402は、図19に示したように、例えばアルティックなどの非磁性絶縁性材料により構成された略直方体構造を有する基体411の一面に、磁気的処理として記録処理および再生処理の双方を実行可能な薄膜磁気ヘッド412が取り付けられた構造を有している。この基体411は、例えば、アーム404の旋回時に生じる空気抵抗を減少させるための凹凸構造が設けられた一面(エアベアリング面420)を有しており、そのエアベアリング面420と直交する他の面(図19中、右手前側の面)に、薄膜磁気ヘッド412が取り付けられている。この薄膜磁気ヘッド412は、上記実施の形態において説明した構造を有するものである。この磁気ヘッドスライダ402は、情報の記録時または再生時において磁気ディスク401が回転すると、その磁気ディスク401の記録面(磁気ヘッドスライダ402と対向する面)とエアベアリング面420との間に生じる空気流を利用して、磁気ディスク401の記録面から浮上するようになっている。なお、図19では、磁気ヘッドスライダ402のうちのエアベアリング面420側の表面構造を見やすくするために、図18に示した状態とは上下を反転させた状態を示している。
この磁気記録装置では、情報の記録時または再生時においてアーム404が旋回することにより、磁気ディスク401のうちの所定の領域(記録領域)まで磁気ヘッドスライダ402が移動する。そして、磁気ディスク401と対向した状態において薄膜磁気ヘッド412が通電されると、上記実施の形態において説明した動作原理に基づいて薄膜磁気ヘッド412が動作することにより、その薄膜磁気ヘッド412が磁気ディスク401に記録処理または再生処理を施す。
この磁気記録装置では、上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド412を搭載したので、上記したように、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることができる。
なお、この磁気記録装置に搭載されている薄膜磁気ヘッド412に関する上記以外の構成、動作、作用、効果および変形例は上記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本発明に関する実施例について説明する。
上記実施の形態において説明した薄膜磁気ヘッド(図1〜図4参照;以下、単に「本発明の薄膜磁気ヘッド」という。)を磁気記録装置(図18および図19参照)に搭載させることにより、その磁気記録装置を使用して記録処理を実行しながら薄膜磁気ヘッドの記録性能を調べたところ、表1に示した結果が得られた。
表1は、垂直磁界強度の位置依存性を表している。この表1では、主磁極層の先端幅(光学トラック幅)を基準として、その光学トラック幅の「センタ位置(トレーリングエッジの中央位置)」および「両端位置(トレーリングエッジの両端位置)」における規格化垂直磁界強度HS(−)を示している。特に、「本発明」の薄膜磁気ヘッド(図10参照)の記録性能として垂直磁界強度の位置依存性を調べる際には、その記録性能を比較評価するために、「第1の比較例」の薄膜磁気ヘッド(図11参照)および「第2の比較例」の薄膜磁気ヘッド(図12参照)に関する垂直磁界強度の位置依存性も同様に調べることにより、その結果を表1に併せて示した。上記した「規格化垂直磁界強度HS」とは、「第1の比較例」、「第2の比較例」および「本発明」の間において垂直磁界強度を比較評価するために、その「第1の比較例」の薄膜磁気ヘッドに関して得られた「センタ位置」の垂直磁界強度および「両端位置」の垂直磁界強度をそれぞれ1.000として換算した値を示している。なお、「本発明」の薄膜磁気ヘッドに関する垂直磁界強度の位置依存性を調べる際には、主磁極層の露出面の設定寸法(図3参照)として、露出面の高さT=0.25μm,下部主磁極層の露出面領域の中央位置における高さT1=0.17μm,上部主磁極層の露出面領域の中央位置における高さT2=0.08μm,上部主磁極層の露出面領域の最小高さTMN=0.015μmとした。もちろん、「第1の比較例」および「第2の比較例」においても、主磁極層の露出面の構成寸法を「本発明」の構成寸法と同様に設定した。
Figure 2006221744
垂直記録方式の薄膜磁気ヘッドでは、一般に、垂直磁界強度が「センタ位置」において最大となると共に、その垂直磁界強度が「センタ位置」から「両端位置」へ向かって離れるにしたがって次第に減少することが知られている。このことから、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させるためには、垂直磁界の磁界勾配を急峻化させると共に磁束のフリンジ現象を抑制させるために、垂直磁界強度を「センタ位置」において可能な限り相対的に大きくすると共に、その垂直磁界強度を「両端位置」において可能な限り相対的に小さくする必要がある。
これらの観点を考慮しながら表1を見ると、その表1に示した結果から判るように、「第1の比較例」の薄膜磁気ヘッドに関する規格化垂直磁界強度HSが「センタ位置」において1.000,「両端位置」において1.000である場合に、「第2の比較例」の薄膜磁気ヘッドに関する規格化垂直磁界強度HSは「センタ位置」において1.103,「両端位置」において1.199であり、「本発明」の薄膜磁気ヘッドに関する規格化垂直磁界強度HSは「センタ位置」において1.054,「両端位置」において1.025であった。すなわち、「本発明」の薄膜磁気ヘッドでは、「第1の比較例」および「第2の比較例」の薄膜磁気ヘッドと比較して、「センタ位置」の規格化垂直磁界強度HSが大きくなったと共に、「第1の比較例」および「第2の比較例」の薄膜磁気ヘッドとは異なり、「両端位置」の規格化垂直磁界強度HSが「センタ位置」における規格化垂直磁界強度HSよりも小さくなった。この結果は、「本発明」の薄膜磁気ヘッドでは、相対的に小さな飽和磁束密度を有する下部主磁極層がリーディング側に位置し、相対的に大きな飽和磁束密度を有する上部主磁極層がトレーリング側に位置する積層構造を有すると共に、露出面が左右対象の逆台形状の平面形状を有し、特に、上部主磁極層の露出面領域の中央位置における高さがその中央位置の周辺の任意の周辺位置における露出面領域の高さよりも大きくなるように主磁極層が構成されている構造的特徴に基づき、垂直磁界強度を確保するために「センタ位置」において垂直磁界強度を増加させつつ、磁束のフリンジ減少を抑制させるために「両端位置」において垂直磁界強度を減少させるように、主磁極層の磁気ボリュームが制御されていることを証明している。このことから、本発明の薄膜磁気ヘッドでは、垂直磁界強度の確保と記録トラック幅の狭小化とを両立させることにより記録性能を向上させることが可能であることが確認された。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態および実施例では、本発明の薄膜磁気ヘッドを複合型薄膜磁気ヘッドに適用する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや、記録・再生兼用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用可能である。もちろん、本発明を、書き込み用の素子および読み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘッドについても適用可能である。これらのいずれの場合においても、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法は、例えば、ハードディスクに磁気的に情報を記録するハードディスクドライブなどの磁気記録装置に適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 図1に示した薄膜磁気ヘッドのうちの主要部の平面構成を表す平面図である。 主磁極層の露出面の平面構成を拡大して表す平面図である。 主磁極層の斜視構成を拡大して表す斜視図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に関する一工程を説明するための断面図である。 図5に続く工程を説明するための断面図である。 図6に続く工程を説明するための断面図である。 図7に続く工程を説明するための断面図である。 図8に続く工程を説明するための断面図である。 図9に続く工程を説明するための断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する第1の比較例としての薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドに対する第2の比較例としての薄膜磁気ヘッドの断面構成を表す断面図である。 主磁極層の露出面の構成に関する変形例を表す断面図である。 主磁極層の露出面の構成に関する他の変形例を表す断面図である。 主磁極層の露出面の構成に関するさらに他の変形例を表す断面図である。 主磁極層の露出面の構成に関するさらに他の変形例を表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構成に関する変形例を表す平面図である。 本発明の一実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の斜視構成を表す斜視図である。 図18に示した磁気記録装置のうちの主要部の斜視構成を拡大して表す斜視図である。
符号の説明
1…基板、2,9,11,15…絶縁層、3…下部リードシールド層、4…シールドギャップ膜、5…上部リードシールド層、5A,5C…上部リードシールド層部分、5B…非磁性層、6…MR素子、7…分離層、8…補助時極層、10…主磁極層、10A…下部主磁極層、10A1,10AB1,10B1…先端部、10A2,10AB2,10B2…後端部、10AE…上面、10AM,10BM…露出面領域、10AZ,10BZ…前駆磁極層、10B…上部主磁極層、10BE…下面、10M…露出面、10P…磁極形成領域、12…ギャップ層、12BG…バックギャップ、13…TH規定層、14…薄膜コイル、16…ヨーク層、17…オーバーコート層、20…磁極層、30…ライトシールド層、40…エアベアリング面、50…フォトレジストパターン、50K…開口、100A…再生ヘッド部、100B…記録ヘッド部、400…筐体、401…磁気ディスク、402…磁気ヘッドスライダ、403…サスペンション、404…アーム、405…スピンドルモータ、406…駆動部、407…固定軸、408…ベアリング、411…基体、412…薄膜磁気ヘッド、BL…境界線、E1…下端縁、E2…上端縁、E3…側端縁、FP…フレアポイント、LE…リーディングエッジ、M…媒体進行方向、T,T1,T1P,T2,T2P…高さ、TE…トレーリングエッジ、TMN…最小高さ、TH…スロートハイト、TP…スロートハイトゼロ位置、W1〜W5,WD…幅、WMX…最大幅、θ…傾斜角度。

Claims (15)

  1. 磁束を発生させる薄膜コイルと、
    媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて前記記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、前記媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および前記媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、前記記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層と、を備え、
    前記磁極層のうちの前記磁極が、前記媒体進行方向側の反対側に位置して相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有すると共に前記露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有する第1の磁極部分と、前記媒体進行方向側に位置して相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有すると共に前記露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有する第2の磁極部分と、が互いに隣接することにより積層された積層構造を有し、
    前記露出面のうちの前記第2の端縁の幅が、前記第1の端縁の幅よりも大きく、かつ前記第1の端縁と前記第2の端縁との間の任意の中間位置における前記露出面の幅以上であり、
    前記第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における前記第2の露出面領域の高さよりも大きくなっている
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記第2の露出面領域の中央位置における高さが、前記第1の露出面領域の中央位置における高さよりも小さくなっている
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置において最大であり、かつ前記中央位置から周辺に離れるにしたがって次第に小さくなっている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記第2の露出面領域の高さが、前記第1の露出面領域と前記第2の露出面領域とが互いに隣接する箇所に設けられた境界線が前記媒体進行方向側の反対側を向いて凸型に湾曲するように、変化している
    ことを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記境界線が、前記第2の端縁に接しておらず、
    前記第2の露出面領域の最小高さが、ゼロよりも大きくなっている
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記境界線が、前記第2の端縁に接しており、
    前記第2の露出面領域の最小高さが、ゼロである
    ことを特徴とする請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記第2の露出面領域の最大幅が、前記第2の端縁の幅に等しくなっている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記第2の露出面領域の最大幅が、前記第2の端縁の幅よりも小さくなっている
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記第1の飽和磁束密度が、1.80T(テスラ)以上2.30T以下の範囲内であり、
    前記第2の飽和磁束密度が、2.20T以上2.45T以下の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 磁束を発生させる薄膜コイルと、媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて前記記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、前記媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および前記媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、前記記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層と、を備えた薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    前記磁極層のうちの前記磁極を形成する工程が、
    相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して、前記磁極に対応する形状を有するように、第1の前駆磁極部分を形成する第1の工程と、
    前記第1の前駆磁極部分を前記媒体進行方向側から部分的にエッチングすることにより、前記磁極のうちの一部を構成する第1の磁極部分を形成する第2の工程と、
    相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有する磁性材料を使用して、前記第1の磁極部分上に、前記磁極のうちの他の一部を構成する第2の磁極部分を形成することにより、前記媒体進行方向側の反対側に位置する前記第1の磁極部分と前記媒体進行方向側に位置する前記第2の磁極部分とが互いに隣接することにより積層された積層構造を有するように、前記磁極を形成する第3の工程と、を含み、
    前記第2の端縁の幅が、前記第1の端縁の幅よりも大きく、かつ前記第1の端縁と前記第2の端縁との間の任意の中間位置における前記露出面の幅以上となり、
    前記第1の磁極部分が、前記露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有すると共に、前記第2の磁極部分が、前記露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有し、その第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における前記第2の露出面領域の高さよりも大きくなるようにする
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. さらに、少なくとも前記磁極を加工して前記記録媒体対向面を形成することにより、前記第1の露出面領域および前記第2の露出面領域を含むように、前記露出面を形成する第4の工程を含む
    ことを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  12. 前記第1の工程が、
    前記磁極の形状に対応する開口を有するように、フォトレジストパターンを形成する工程と、
    前記フォトレジストパターンに設けられた前記開口に、前記第1の前駆磁極部分を形成する工程と、
    前記フォトレジストパターンを除去して前記第1の前駆磁極部分を残存させる工程と、を含み、
    さらに、前記第1の工程と前記第2の工程との間に、
    前記第1の前駆磁極部分およびその周辺領域を覆うように前駆絶縁層を形成したのち、前記第1の前駆磁極部分が露出するまで少なくとも前記前駆絶縁層を研磨して平坦化することにより、前記第1の前駆磁極部分の周囲を埋め込むように絶縁層を形成する第5の工程を含み、
    前記第2の工程において、前記第1の磁極部分および前記絶縁層により囲まれるように、前記第2の磁極部分を形成するための磁極形成領域を画定し、
    前記第3の工程が、
    少なくとも前記磁極形成領域を埋め込むように、第2の前駆磁極部分を形成する工程と、
    前記絶縁層が露出するまで少なくとも前記第2の前駆磁極部分を研磨して平坦化することにより、前記磁極形成領域に前記第2の磁極部分を形成する工程と、を含む
    ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  13. 記録媒体と、その記録媒体に磁気的処理を施す薄膜磁気ヘッドと、を搭載し、
    前記薄膜磁気ヘッドが、
    磁束を発生させる薄膜コイルと、
    媒体進行方向に移動する記録媒体に対向する記録媒体対向面から後方に向かって延在し、前記薄膜コイルにおいて発生した磁束に基づいて前記記録媒体をその表面と直交する方向に磁化させるための磁界を発生させると共に、前記媒体進行方向側の反対側に位置する第1の端縁および前記媒体進行方向側に位置する第2の端縁により画定され、前記記録媒体対向面に露出した露出面を有する磁極を含む磁極層と、を備え、
    前記磁極層のうちの前記磁極が、前記媒体進行方向側の反対側に位置して相対的に小さな第1の飽和磁束密度を有すると共に前記露出面のうちの一部を構成する第1の露出面領域を有する第1の磁極部分と、前記媒体進行方向側に位置して相対的に大きな第2の飽和磁束密度を有すると共に前記露出面のうちの他の一部を構成する第2の露出面領域を有する第2の磁極部分と、が互いに隣接することにより積層された積層構造を有し、
    前記露出面のうちの前記第2の端縁の幅が、前記第1の端縁の幅よりも大きく、かつ前記第1の端縁と前記第2の端縁との間の任意の中間位置における前記露出面の幅以上であり、
    前記第2の露出面領域の中央位置における高さが、その中央位置の周辺の任意の周辺位置における前記第2の露出面領域の高さよりも大きくなっている
    ことを特徴とする磁気記録装置。
  14. 記録媒体進行方向側の反対側に配置されて相対的に小さな飽和磁束密度を有する第1の磁極部分と、前記記録媒体進行方向側に配置されて相対的に大きな飽和磁束密度を有する第2の磁極部分とが積層されると共に、記録媒体対向面に露出した露出面を有するように構成され、記録媒体を垂直方向に磁化させるための記録磁界を発生させる磁極を備え、
    前記露出面において、前記第2の磁極部分の幅方向中央部の高さが、幅方向において最大になっている
    ことを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  15. 前記露出面において、前記第2の磁極部分のうちの前記記録媒体進行方向側の端縁が、前記磁極の最大幅を有している
    ことを特徴とする請求項14記載の薄膜磁気ヘッド。
















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