JP2002150509A - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

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JP2002150509A JP2000340279A JP2000340279A JP2002150509A JP 2002150509 A JP2002150509 A JP 2002150509A JP 2000340279 A JP2000340279 A JP 2000340279A JP 2000340279 A JP2000340279 A JP 2000340279A JP 2002150509 A JP2002150509 A JP 2002150509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2層コイル構造において、一層目のコイル層
の巻き中心部を、レジストで形成された持上げ層上に形
成し、前記巻き中心部の上面を研磨加工してコイル絶縁
層上面から露出させ、前記巻き中心部上に2層目のコイ
ル層の巻き中心部を導通接続させる方法では、直流抵抗
値が不安定化し、また良好な導通性を図ることができな
かった。 【解決手段】 第1のコイル層の巻き中心部54aを平
坦化面上に形成し、前記巻き中心部54a上に第1のコ
ンタクト部62をメッキ形成し、前記第1のコンタクト
部62の上面に第2のコイル層の巻き中心部58aを導
通接続させる構造であれば、安定した直流抵抗値を得る
ことができ、また良好な導通性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コア層間に2層の
コイル層が形成された薄膜磁気ヘッドに係わり、特に前
記コイル層の直流抵抗値の安定性を向上させることがで
き、また前記2層のコイル層間の導通性を良好に保つこ
とが可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置などに搭載される磁
気ヘッド装置には、スライダのトレーリング側端面に、
例えば再生用のMRヘッドと記録用のインダクティブヘ
ッドとを有する薄膜磁気ヘッドが形成されている。
【0003】前記インダクティブヘッドは、磁性材料で
形成された下部コア層と上部コア層と、両コア層に記録
磁界を誘導するコイル層が設けられて成り、記録媒体と
の対向面では、ギャップ層を介して両コア層からの漏れ
磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号
が記録される。
【0004】ところで今後の高記録密度化に伴い、狭ト
ラック化に対応すべく薄膜磁気ヘッドの構造は幾度とな
く改良が施されている。図24に示す薄膜磁気ヘッド
は、その一例であり、図24では、薄膜磁気ヘッドを縦
断面図で示している。
【0005】符号1は、パーマロイなどの磁性材料で形
成された下部コア層であり、記録媒体との対向面には、
下から下部磁極層2、ギャップ層4及び上部磁極層5の
3層膜で構成される磁極部6が形成されている。なお図
24に示すように、前記下部コア層1と磁極部6との間
には、記録媒体との対向面からハイト方向へ後退した位
置にGd決め絶縁層10が形成されている。
【0006】図24に示すように前記下部コア層1上に
はコイル絶縁下地層11が形成され、その上に第1のコ
イル層12が形成されている。前記第1のコイル層12
の上面は、前記上部磁極層5の上面を基準平面Aとした
ときに、前記基準平面Aよりも図示下側に位置し、さら
に前記第1のコイル層12の上面にはコイル絶縁層15
が形成され、前記コイル絶縁層15の上面が前記基準平
面Aと同一面となっている。
【0007】図24に示すように、前記第1のコイル層
12の巻き中心部12aは、前記下部コア層1上に形成
された磁性材料製のバックギャップ層13よりもハイト
方向(図示Y方向)後方に形成されている。
【0008】また前記巻き中心部12aの下には、コイ
ル絶縁下地層11を介して持上げ層14が形成されてい
る。前記持上げ層14の存在により前記巻き中心部12
aの上面12bは、前記第1のコイル層12の各導体部
の上面よりも高い位置に形成される。そして図24に示
すように前記巻き中心部12aの上面12bは、前記基
準平面Aと同一面上に形成され、コイル絶縁層15の上
面から露出している。
【0009】この薄膜磁気ヘッドでは、前記コイル絶縁
層15上に第2のコイル層16が巻回形成されている。
図24に示すように前記第2のコイル層16の巻き中心
部16aは、コイル絶縁層15上面に露出した第1のコ
イル層12の巻き中心部12a上に直接、導通接続され
る。
【0010】また図24に示すように、前記第2のコイ
ル層16上は有機絶縁材料で形成された絶縁層17によ
って覆われている。さらに前記上部磁極層5の上面から
前記絶縁層17上面及びバックギャップ層13上面にか
けて上部コア層18が例えばフレームメッキ法などによ
って形成されている。
【0011】上記したように図24に示す薄膜磁気ヘッ
ドは、狭トラック化に対応可能な構造となっているが、
さらにコイル層が2層構造とされることで、磁極部6か
らバックギャップ層13間に形成される前記第1のコイ
ル層12の幅寸法を、前記コイル層を1層構造とする場
合に比べて短くできる。このため前記上部コア層18の
先端部18aから基端部18bまでの長さを短く形成で
き、上部コア層18から下部コア層1を経る磁路長の短
磁路化によりインダクティブヘッドのインダクタンスを
低減させることが可能になっている。
【0012】図25から図27は、下部コア層1上に形
成される持上げ層14及び前記持上げ層14上に形成さ
れる第1のコイル層12の巻き中心部12aの形成方法
を示す一工程図である。
【0013】図25では、下部コア層1上にレジスト材
料を塗布し、熱処理を施し硬化させて持上げ層14を形
成する。また下部コア層1上から前記持上げ層14上に
かけてコイル絶縁下地層11を形成する。さらに前記コ
イル絶縁層下地層11上にメッキ下地層21を形成す
る。
【0014】次に図26では、前記コイル絶縁下地層1
1上にレジスト層19を形成し、露光現像によって前記
持上げ層14上の前記レジスト層19に、第1のコイル
層12の巻き中心部12a形成のための抜きパターン2
0を形成する。
【0015】そして前記抜きパターン20内に第1のコ
イル層12の巻き中心部12aをメッキ形成する。
【0016】図27では、前記レジスト層19を除去し
た後、前記巻き中心部12aの下に形成されたメッキ下
地層21以外の前記メッキ下地層21を除去し、その
後、前記コイル絶縁下地層11上から前記巻き中心部1
2a上にかけてアルミナなどのコイル絶縁層15を形成
し、CMP技術などを用いて前記コイル絶縁層15の上
面を研磨する。このとき図24に示す基準平面Aと同一
面となる例えばB−B線まで前記コイル絶縁層15を研
磨し、前記コイル絶縁層15の上面から前記第1のコイ
ル層12の巻き中心部12aの上面を露出させる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記持上
げ層14上に第1のコイル層12の巻き中心部12aを
形成し、前記巻き中心部12aと第2のコイル層16の
巻き中心部16aとを導通接続させる構造では、次のよ
うな課題があった。
【0018】まず図27に示す研磨工程において、前記
第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面12bの
露出面積は一定の大きさで形成され難い。
【0019】図26の工程に示すように前記持上げ層1
4の上面14aは、硬化のための熱処理の影響を受けて
だれて丸みを帯びる。このため前記持上げ層14上にメ
ッキ形成される前記第1のコイル層12の巻き中心部1
2aの上面12bも前記持上げ層14の上面14aの形
状に追従して丸みを帯びて形成されてしまう。
【0020】このように前記巻き中心部12aの上面1
2bが平坦化面とされず曲面状で形成されると、図27
の工程時に、前記巻き中心部12aの上面12bをどこ
まで研磨するかによって、前記コイル絶縁層15の上面
から露出する前記巻き中心部12aの上面12bの露出
面積は変動してしまう。ここで前記研磨量は、図24に
示す基準平面Aとコイル絶縁層15の上面とが同一平面
となる位置で決定される。
【0021】このため図27に示す工程において、例え
ばB−B線までコイル絶縁層15を削って前記基準平面
Aとの同一面化を図る場合と、C−C線までコイル絶縁
層15を削って前記基準平面Aとの同一面化を図る場合
とでは、前記コイル絶縁層15の上面から露出する前記
巻き中心部12aの上面12bの露出面積は異なってし
まう。よって持上げ層14上に第1のコイル層12の巻
き中心部12aを形成する構造では、第2のコイル層1
6の巻き中心部16aと第1のコイル層12の巻き中心
部12aとの接触面積が製品毎で異なりやすく、このた
め直流抵抗値が変動し、品質を一定に保つことができな
い。
【0022】さらに図27に示すC−C線で切断した場
合のように、前記第1のコイル層12の巻き中心部12
aと前記第2のコイル層16の巻き中心部16aとの接
触面積が極端に小さくなる場合には、前記巻き中心部間
の導通性が低下する。
【0023】また上記の製造方法では、図27に示す工
程において、前記巻き中心部12aの高さは研磨量によ
って変化し、これによって直流抵抗値は変動する。この
ため研磨された後に全製品の巻き中心部12aの高さが
一定となるように、持上げ層14の膜厚を一定の大きさ
に設定する必要性がある。しかし前記持上げ層14の膜
厚は、硬化のための熱処理条件などによって変化しやす
く、前記持上げ層14の膜厚を一定値に設定することは
難しい。このため前記持上げ層14の膜厚の変動によ
り、その上に形成される巻き中心部12aの高さ寸法も
変動し、製品毎に巻き中心部12aの高さ寸法がばらつ
きやすく、一定の直流抵抗値を有する製品を製造しにく
い。
【0024】また図28に示すように、レジスト層19
の露光現像の際に、抜きパターン20の形成位置が、持
上げ層14の真上ではなくずれて形成された場合、前記
抜きパターン20内に形成される第1のコイル層12の
巻き中心部12aの形状は前記抜きパターン20の形成
位置によって変わってしまう。このため製品毎に、前記
第1のコイル層12の巻き中心部12aの上面12bの
露出面積や前記巻き中心部12aの高さ寸法が変動し、
直流抵抗値の安定化を図ることができない。
【0025】このように持上げ層14上に第1のコイル
層12の巻き中心部12aを形成し、前記巻き中心部1
2a上に第2のコイル層16の巻き中心部16aを導通
接続させる構造では、安定した直流抵抗値を得ることは
できず、また良好な導通性も図りにくいといった課題が
あった。
【0026】なお上記した直流抵抗値の変動や導通不良
の問題は、外部接続用端子の下に形成されるバンプとリ
ード層間でも起こりやすい。
【0027】本発明は上記従来の課題を解決するための
ものであり、特に第1のコイル層の巻き中心部と第2の
コイル層の巻き中心部間にコンタクト部をメッキ形成す
ることで、直流抵抗値を安定化でき、しかも導通性を良
好にできる薄膜磁気ヘッドを提供することを目的として
いる。
【0028】さらに本発明は、前記コンタクト部の形成
を容易にしかも少ない製造工程数でメッキ形成できると
ともに、例えばMRヘッドの電極リード層とバンプ間の
導通接続なども前記コイル層間の導通接続と同じ工程時
に行うことができ、製造工程を簡略化できる薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法を提供することを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は、下部コア層と
上部コア層との間に、両コア層に記録磁界を誘導するコ
イル層が設けられてなる薄膜磁気ヘッドにおいて、前記
コイル層は、第1のコイル層とその上にコイル絶縁層を
介して形成される第2のコイル層とで構成され、前記第
1のコイル層の巻き中心部は平坦化された面上に形成さ
れ、前記巻き中心部上には前記コイル絶縁層内を貫通す
る第1のコンタクト部がメッキ形成され、前記コイル絶
縁層の上面から露出する前記第1のコンタクト部の上面
に前記第2のコイル層の巻き中心部が導電接続されてい
ることを特徴とするものである。
【0030】本発明では、第1のコイル層と第2のコイ
ル層とのそれぞれの巻き中心部間をメッキ形成された第
1のコンタクト部によって導通接続するものである。
【0031】上記のように本発明では、前記第1のコイ
ル層の巻き中心部を平坦化された面上に形成している。
このため前記巻き中心部の上面を平坦化面として形成で
きる。
【0032】よって本発明の一実施形態では、前記巻き
中心部上にレジストを用いて第1のコンタクト部を矩形
状や円柱状といった水平断面が一定の面積を有する形状
で形成できる。
【0033】前記の実施形態では、前記コイル絶縁層の
上面と前記巻き中心部の上面とがともに研磨加工面であ
るが、本発明では、第1のコンタクト部の水平断面は一
定の面積を有する形状で形成され得るため、前記研磨加
工によってコイル絶縁層の上面から露出する前記巻き中
心部の上面の露出面積を一定値に保つことができる。
【0034】よって本発明では、安定した直流抵抗を得
ることができ、さらに前記第1のコンタクト部上に導通
接続される第2の巻き中心部との導通性を良好にでき、
品質を一定に保つことが可能である。
【0035】また本発明では、前記第1のコイル層の巻
き中心部をパターン形成によって所定の高さ寸法で形成
できるため、予め前記第1のコンタクト部の上面に対す
る研磨位置を考慮することで、前記第1のコンタクト部
の高さ寸法を所定値内に設定しやすく安定した直流抵抗
値を得ることができる。
【0036】また前記第1のコンタクト部が第1のコイ
ル層の巻き中心部の真上に形成されず多少ずれて形成さ
れた場合でも、前記第1のコンタクト部が適切に前記巻
き中心部上に乗って形成されていれば、前記第1のコン
タクト部の上面の露出面積は一定値に保たれ、安定した
直流抵抗値及び良好な導通性を得ることができる。
【0037】また本発明では、記録媒体との対向面にお
ける前記下部コア層と上部コア層間には、少なくとも非
磁性のギャップ層と前記ギャップ層と上部コア層間に形
成される上部磁極層とを有する磁極部が形成され、前記
磁極部と上部コア層との接合面を基準平面としたとき
に、前記第1のコイル層は、前記磁極部のハイト方向後
方に位置し、且つ前記コイル層の上面が前記基準平面よ
りも下側に位置し、前記第1のコイル層上に形成される
前記コイル絶縁層の上面は、前記基準平面と同一平面と
なっていることが好ましい。
【0038】上記の薄膜磁気ヘッドの構造は、挟トラッ
ク化に対応可能で、さらにコイル層を2層構造で形成し
やすい。なおトラック幅Twは、前記磁極部の上部磁極
層のトラック幅方向の幅寸法で規制される。
【0039】また本発明では、前記第1のコンタクト部
の上面は前記コイル絶縁層の上面と同一面上で形成され
ることが好ましい。これによって前記第1のコンタクト
部と第2のコイル層の巻き中心部との導通接続を適切に
行うことが可能である。
【0040】また本発明では、前記第1のコイル層とは
離れた位置に第1のコイルリード層が形成され、前記第
1のコイルリード層のコイル接続端部上に前記コイル絶
縁層内を貫通する第2のコンタクト部がメッキ形成さ
れ、前記第2のコンタクト部上に第2のコイル層の巻き
終端部が導電接続されることが好ましい。この実施形態
の場合、前記第2のコンタクト部の上面は前記コイル絶
縁層の上面と同一面上に形成されることが好ましい。
【0041】この発明では、第1のコイルリード層のコ
イル接続端部と第2のコイル層の巻き終端部間を第2の
コンタクト部で導通接続している。これによって安定し
た前記コイル層の直流抵抗値を得ることができ、さらに
前記第1のコイルリード層と第2のコイル層間の導通性
を良好にすることが可能である。
【0042】また本発明では、前記第1のコイル層とは
離れた位置に第1のコイルリード層が形成され、前記第
1のコイル層の巻き終端部には第2のコイルリード層が
一体に形成され、前記第1のコイルリード層の外部接続
端部上及び/または前記第2のコイルリード層の外部接
続端部上には、前記コイル絶縁層内を貫通する第3のコ
ンタクト部がメッキ形成され、前記第3のコンタクト部
上に直接あるいは他層を介してバンプが形成されている
ことが好ましい。この実施形態の場合、前記第3のコン
タクト部の上面は前記コイル絶縁層の上面と同一面上に
形成されることが好ましい。
【0043】この発明では、第1のコイルリード層の外
部接続端部及び/または前記第2のコイルリード層の外
部接続端部とバンプ間を第3のコンタクト部で導通接続
している。これによって安定した前記コイル層の直流抵
抗値を得ることができ、さらに前記コイルリード層の外
部接続端部とバンプ間の導通性を良好にすることが可能
である。
【0044】さらに本発明では、前記薄膜磁気ヘッド
は、前記下部コア層の下側に再生用の磁気抵抗効果素子
を備えた複合型の薄膜磁気ヘッドであり、前記磁気抵抗
効果素子にセンス電流を供給するための電極リード層
が、前記第1のコイル層とは離れた位置に形成され、前
記電極リード層の外部接続端部上に前記コイル絶縁層内
を貫通する第4のコンタクト部がメッキ形成され、前記
第4のコンタクト部上に直接あるいは他層を介してバン
プが形成されていることが好ましい。この実施形態の場
合、前記第4のコンタクト部の上面は前記コイル絶縁層
の上面と同一面上に形成されることが好ましい。
【0045】この発明では、磁気抵抗効果素子にセンス
電流を供給するための電極リード層とバンプ間を第4の
コンタクト部で導通接続している。これによって前記磁
気抵抗効果素子を備えたMRヘッドの直流抵抗値の安定
性を向上させることができ、さらに電極リード層とバン
プ間の導通性を良好にすることが可能である。
【0046】また前記第1のコンタクト部ないし第4の
コンタクト部の少なくとも一つのコンタクト部は、下部
コア層の上面と平行な方向に切断した断面積が一定の大
きさであることが好ましい。これによって前記コンタク
ト部の上面をCMP技術などを用いて研磨加工したと
き、前記コンタクト部の上面の露出面積を一定に保つこ
とができ、直流抵抗値の安定性及び良好な導通性を得る
ことができる。
【0047】また本発明では、前記第1のコンタクト部
ないし第4のコンタクト部のうち少なくとも一つのコン
タクト部が導電性材料層とその上に積層された表面に酸
化層が存在しない所定厚さの導電性保護層とでメッキ形
成されているか、あるいは表面に酸化層が存在しない前
記導電性材料層でメッキ形成されていることが好まし
い。
【0048】さらには本発明では、前記第1のコイル
層、第2のコイル層、第1のコイルリード層、第2のコ
イルリード層、及び電極リード層のいずれかが、導電性
材料層とその上に積層された表面に酸化層が存在しない
所定厚さの導電性保護層とでメッキ形成されているか、
あるいは表面に酸化層が存在しない前記導電性材料層で
メッキ形成されていることが好ましい。
【0049】また本発明では、前記導電性材料層は、C
u,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む
単層構造又は多層構造から成り、また前記導電性保護層
は、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種
または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造から
成ることが好ましい。
【0050】上記のようにコンタクト部あるいはコイル
層などを導電性材料層と導電性保護層との積層構造でメ
ッキ形成する理由の一つは、製造過程において、これら
の層が空気に曝され、前記コンタクトン部やコイル層の
上面が酸化される場合があるからである。
【0051】このような酸化層が形成された場合には、
コンタクト部とコイル層間などの密着性が低下し、剥離
が生じやすくなる。また直流抵抗値も不安定になり特性
が低下しやすい。
【0052】このため本発明では、導電性材料層上に例
えばNiなどで形成された導電性保護層を設け、前記導
電性材料層に酸化層が形成されないようにしている。な
お前記導電性保護層は、常温または加熱雰囲気中での表
面の酸化層が、この導電性保護層の厚さ以上に進行しな
い材料で形成される。なお本発明では、前記導電性保護
層に形成された酸化層は、次の製造工程前にエッチング
によって除去される。
【0053】また本発明では前記導電性材料層上に導電
性保護層が設けられることで、イオンミリング時に前記
導電性材料層が削られることなく前記導電性材料層の体
積を所定の大きさに収めることができ、直流抵抗値を一
定に保ちやすい。
【0054】次に本発明における薄膜磁気ヘッドの製造
方法は、以下の工程を有することを特徴とするものであ
る。 (a)下部コア層上に、少なくとも非磁性のギャップ層
と上部磁極層とを有する磁極部を記録媒体との対向面か
らハイト方向に所定の長さ寸法で形成する工程と、
(b)前記磁極部のハイト方向後方に、前記下部コア層
上にコイル絶縁下地層を形成し、前記コイル絶縁下地層
上に前記磁極部の上面よりも低い高さで第1のコイル層
をメッキ形成する工程と、(c)前記第1のコイル層上
をレジスト層で覆い、このとき前記第1のコイル層の巻
き中心部上に露光現像によって第1のコンタクト部を形
成するための抜きパターンを形成する工程と、(d)前
記抜きパターン内に前記第1のコンタクト部をメッキ形
成する工程と、(e)前記レジスト層を除去し、前記第
1のコイル層上及び前記第1のコンタクト部上にコイル
絶縁層を形成する工程と、(f)前記コイル絶縁層の上
面を前記磁極部の上面と同一面となるように平坦化し、
このとき前記絶縁層の上面に前記第1のコンタクト部の
上面を露出させる工程と、(g)前記コイル絶縁層上に
第2のコイル層をメッキ形成し、このとき前記第2のコ
イル層の巻き中心部を前記コンタクト部上に導通接続さ
せる工程と、(h)前記上部磁極層上から前記第2のコ
イル層上に形成された絶縁層上にかけて上部コア層を形
成する工程、本発明では、上記のようにレジストを用い
ることで容易に第1のコイル層の巻き中心部上に第1の
コンタクト部をメッキ形成できる。また本発明では、前
記第1のコンタクト部を第1のコイル層上に直接メッキ
形成するから、前記第1のコンタクト部の形成時にメッ
キ下地層は必要ないなど少ない製造工程数で前記第1の
コンタクト部をメッキ形成することができる。
【0055】また本発明では、前記(b)工程のとき
に、前記第1のコイル層とは離れた位置に第1のコイル
リード層をメッキ形成し、前記(c)ないし(f)工程
と同一工程によって、前記第1のコイルリード層のコイ
ル接続端部上に第2のコンタクト部をメッキ形成し、前
記(g)工程のときに第2のコイル層の巻き終端部を、
前記第2のコンタクト部の上面と導通接続させることが
好ましい。
【0056】本発明によれば、第1のコンタクト部の形
成工程と同じ工程時に、第1のコイルリード層と第2の
コイル層間を導通接続するための第2のコンタクト部を
メッキ形成できるため、製造工程の容易化・製造工程数
の簡略化を実現することが可能である。また前記第1の
コイルリード層と第2のコイル層間の導通接続を適切に
行うことが可能である。
【0057】また本発明では、前記(b)工程時に、前
記第1のコイル層とは離れた位置に第1のコイルリード
層を形成し、また前記第1のコイル層の巻き終端部から
前記第1のコイル層と一体で第2のコイルリード層をメ
ッキ形成し、前記(c)ないし(f)工程と同一工程に
よって、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上及
び/または前記第2のコイルリード層の外部接続端部上
に第3のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程
の後に、前記第3のコンタクト部上に直接にあるいは他
層を介してバンプを形成することが好ましい。
【0058】本発明によれば、前記第1のコイルリード
層の外部接続端部及び/あるいは第2のコイルリード層
の外部接続端部とバンプ間を導通接続するための第3の
コンタクト部を、第1のコンタクト部と同じ工程時に形
成できるため、製造工程の容易化・製造工程数の簡略化
を実現することが可能である。また本発明では前記第1
のコイルリード層の外部接続端部及び/あるいは第2の
コイルリード層の外部接続端部とバンプ間の導通接続を
適切に行うことが可能である。
【0059】また本発明では、前記(a)工程の前に、
前記下部コア層の下側に再生の磁気抵抗効果素子を形成
し、前記(b)工程のときに、前記第1のコイル層とは
離れた位置に、前記磁気抵抗効果素子に検出電流を供給
するための電極リード層を形成し、前記(c)ないし
(f)工程と同一工程によって、前記電極リード層上に
第4のコンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の
後に、前記第4のコンタクト部上に直接にあるいは他層
を介してバンプを形成することが好ましい。
【0060】このように本発明によれば、磁気抵抗効果
素子にセンス電流を供給するための電極リード層とバン
プ間を導通接続するための第4のコンタクト部を、第1
のコンタクト部と同じ工程で形成できるので、製造工程
の容易化・製造工程数の簡略化を図ることが可能であ
る。
【0061】また本発明では、前記(d)工程における
第1のコンタクト部ないし第4のコンタクト部のいずれ
かのコンタクト部の形成時において、導電性材料層をメ
ッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、常温または
加熱雰囲気での表面の酸化層が所定厚さ以上に進行しな
い材料を、前記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層
を形成し、前記(f)工程のとき、あるいは前記(f)
工程と(g)工程の間に、前記導電性保護層の表面に形
成された酸化層を除去して前記コイル絶縁層の上面から
前記導電性保護層を露出させ、あるいは導電性保護層を
全部除去して、前記コイル絶縁層の上面から導電性材料
層を露出させることが好ましい。
【0062】さらには本発明では、前記(b)工程時に
おける前記第1のコイル層、第1のコイルリード層、第
2のコイルリード層及び電極リード層の形成時、あるい
は前記(g)工程時における第2のコイル層の形成時に
おいて、導電性材料層をメッキ形成した後、前記導電性
材料層の上に、常温または加熱雰囲気での表面の酸化層
が所定厚さ以上に進行しない材料を、前記所定厚さでメ
ッキ形成して導電性保護層を形成し、次の工程に移行す
る前に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化層を
除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保護層
を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去して、前
記コイル絶縁層の上面から前記導電性材料層を露出させ
ることが好ましい。
【0063】また本発明では、前記導電性材料層を、C
u,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む
単層構造又は多層構造でメッキ形成し、また前記導電性
保護層を、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのう
ち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は多層構
造でメッキ形成することが好ましい。
【0064】上記のように本発明では、コンタクト部や
コイル層などが導電性材料層と導電性保護層との積層構
造でメッキ形成されている。前記導電性材料層は、例え
ばCuなどの電気抵抗の低い導電性材料により形成され
るが、前記導電性材料単体で前記コンタクト部をメッキ
形成した場合、(f)工程時に例えばCMP技術などを
用いて前記コンタクト部表面を研磨加工したとき、前記
導電性材料層は、軟らかい金属で形成されているため
に、前記導電性材料層が前記研磨加工によってだれやす
く、これによって前記コンタクト部上に形成される導電
層(第2のコイル層など)との密着性が悪化したり、あ
るいは直流抵抗値が変動したりする。
【0065】このため本発明では、導電性材料層に比べ
て硬い金属、例えばNiなどで形成される導電性保護層
を設け、前記導電性保護層が研磨加工されるようにす
る。これによって前記導電性材料層が研磨される心配は
無く、研磨加工によるだれの問題は生じにくくなる。
【0066】また導電性材料層は、空気中に曝されると
酸化しやすいために、前記導電性材料層上に導電性保護
層を設けることで、前記導電性材料層の酸化を防止する
ことができる。なお前記導電性保護層は、常温または加
熱雰囲気中での表面の酸化層が、この導電性保護層の厚
さ以上に進行しない材料で形成されることが好ましい。
上記したNiなどの導電性材料がそれに該当する。なお
本発明では、前記導電性保護層に形成された酸化層は、
次の製造工程に移行する前にエッチングによって除去さ
れる。
【0067】
【発明の実施の形態】図1は、本発明におけるスライダ
30のトレーリング側端面31の構造を示す部分平面図
である。なお前記スライダ30の図示上面が記録媒体と
の対向面である。
【0068】図1に示すスライダ30は、アルミナ−チ
タンカーバイト(Al23−TiC)などのセラミック
材料で形成されており、そのトレーリング側端面31上
には、記録媒体との対向面側に薄膜磁気ヘッド32が積
層形成されている。
【0069】前記薄膜磁気ヘッド32は、再生用のMR
ヘッドと記録用のインダクティブヘッドとが積層された
いわゆる複合型薄膜磁気ヘッドである。ただし本発明で
は、前記薄膜磁気ヘッド32はインダクティブヘッドの
みで構成されていてもよい。
【0070】図1に示すように、前記スライダ30のト
レーリング側端面31上には、4つのリード層33ない
し36がメッキ形成されている。このうちリード層33
及び34は、前記インダクティブヘッドを構成するコイ
ル層と導通接続されたコイルリード層である。図1に示
すように前記第2のコイルリード層34は、その終端部
(外部接続端部)において、前記第2のコイルリード層
34上に直接あるいは間接的にメッキ形成されたバンプ
37を介して外部接続用端子38に導通接続されてい
る。なお前記第1のコイルリード層33の終端部(外部
接続端部)の構造については図示されていないが、前記
第2のコイルリード層34と同様に外部接続用端子にバ
ンプを介して導通接続されている。
【0071】図1に示すリード層35及び36は、MR
ヘッドの磁気抵抗効果素子にセンス電流を供給するため
の電極リード層であり、電極リード層36の終端部(外
部接続端部)は、その上に直接にあるいは間接的にメッ
キ形成されたバンプ39を介して外部接続用端子40に
導通接続されている。なお前記電極リード層35の終端
部(外部接続端部)の構造については図示されていない
が、前記電極リード層36と同様に外部接続用端子にバ
ンプを介して導通接続されている。
【0072】図2は、インダクティブヘッドを構成する
2層コイル間の導通接続構造や、図1に示した各リード
層33ないし36の終端部(外部接続端部)での構造を
示す部分模式図、図3は図1に示す薄膜磁気ヘッド32
を3−3線から切断したときの部分縦断面図である。
【0073】まず本発明の薄膜磁気ヘッド32を構成す
る各層について説明する。図3に示すように、スライダ
30上には、アルミナアンダーコート膜41が形成さ
れ、さらにその上に、パーマロイ(NiFe合金)など
の磁性材料で形成された下部シールド層42が形成され
ている。
【0074】図3に示すように前記下シールド層42上
には、アルミナなどの下部ギャップ層43を介して記録
媒体との対向面に露出する磁気抵抗効果素子44が形成
されている。前記磁気抵抗効果素子44は、スピンバル
ブ膜に代表されるGMR素子やAMR素子であり、前記
磁気抵抗効果素子44が外部磁界の影響を受けることに
よる電気抵抗値の変化を用いて記録媒体に記録された磁
気信号が再生される。
【0075】前記磁気抵抗効果素子44には、トラック
幅方向(図示X方向)の両側からハイト方向後方(図示
Y方向)に向けて広がる電極層45が接続されている。
【0076】図3に示すように前記電極層45及び磁気
抵抗効果素子44の上にはアルミナなどで形成された上
部ギャップ層46を介して上部シールド層(下部コア層)
47が形成されている。前記上部シールド層47は例え
ばパーマロイ(NiFe合金)などの磁性材料で形成さ
れている。なお前記下部シールド層42から上部シール
ド層(下部コア層)47までが再生用のMRヘッドであ
る。
【0077】この実施形態では前記上部シールド層47
が、インダクティブヘッドの下部コア層としても機能し
ている。なお前記上部シールド層と下部コア層とを別々
に形成してもよい。かかる場合、前記上部シールド層と
下部コア層間に絶縁層を介在させる。
【0078】図3に示すように前記下部コア層47上に
は、記録媒体との対向面からハイト方向後方に向けて所
定の長さ寸法で磁極部48が形成されている。前記磁極
部48はトラック幅方向(図示X方向)への幅寸法がト
ラック幅Twで形成されている。前記トラック幅Tw
は、例えば0.5μm以下で形成される。
【0079】図1に示す実施形態では、前記磁極部48
は、下部磁極層49、ギャップ層50、および上部磁極
層51の3層膜の積層構造で構成されている。以下、前
記磁極層49、51およびギャップ層50について説明
する。
【0080】図3に示すように、前記下部コア層47上
には磁極部48の最下層となる下部磁極層49がメッキ
形成されている。前記下部磁極層49は、下部コア層4
7と磁気的に接続されており、前記下部磁極層49は、
前記下部コア層47と同じ材質でも異なる材質で形成さ
れていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形
成されていてもどちらでもよい。
【0081】また図3に示すように前記下部磁極層49
上には、非磁性のギャップ層50が積層されている。
【0082】本発明では、前記ギャップ層50は非磁性
金属材料で形成されて、下部磁極層49上にメッキ形成
されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性金
属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、
NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち
1種または2種以上を選択することが好ましく、前記ギ
ャップ層50は、単層膜で形成されていても多層膜で形
成されていてもどちらであってもよい。
【0083】次に前記ギャップ層50上には、後述する
上部コア層60と磁気的に接続する上部磁極層51がメ
ッキ形成されている。なお前記上部磁極層51は、上部
コア層60と同じ材質で形成されていてもよいし、異な
る材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜
で形成されていてもどちらでもよい。
【0084】上記したようにギャップ層50が、非磁性
金属材料で形成されていれば、下部磁極層49、ギャッ
プ層50および上部磁極層51を連続してメッキ形成す
ることが可能になる。
【0085】なお本発明では前記磁極部48は、少なく
も非磁性のギャップ層50と上部磁極層51とで構成さ
れていれば良い。
【0086】また図3に示すように下部コア層47上に
は記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に
離れた位置にGd決め絶縁層52が形成されている。前
記Gd決め絶縁層52は例えばレジスト材料などで形成
される。そしてギャップデプス(Gd)は、前記Gd決
め絶縁層52の先端部から記録媒体との対向面間の距離
によって規制される。
【0087】図3に示す実施形態では、記録媒体との対
向面で下部コア層47と上部コア層60との間にトラッ
ク幅Twで露出する磁極部48をメッキ形成すること
で、狭トラック化に対応可能な構成となっている。
【0088】次に図3に示すように前記磁極部48より
もハイト側における前記下部コア層47上には、コイル
絶縁下地層53が形成されている。前記コイル絶縁下地
層53は、例えば、AlO、Al23、SiO2、Ta2
5、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、
Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、Si
ONのうち少なくとも1種からなる絶縁材料で形成され
ていることが好ましい。
【0089】図3に示すように前記コイル絶縁下地層5
3上には、例えばCuなどの電気抵抗の低い導電性材料
で形成された第1のコイル層54がメッキ形成されてい
る。
【0090】図3に示すように、前記第1のコイル層5
4は、その巻き中心部54aが、下部コア層47上に磁
気的に接続されたバックギャップ層55よりもハイト方
向(図示Y方向)後方に位置し、前記巻き中心部54a
を中心として螺旋状にパターン形成されている。
【0091】図3に示すように、前記第1のコイル層5
4の上面は、前記上部磁極層51と上部コア層60との
接合面を基準平面Dとしたときに、前記基準平面Dより
も低い位置に形成されている。
【0092】また前記第1のコイル層54は、平坦化さ
れたコイル絶縁下地層53上に形成できるため前記第1
のコイル層54の各導体部を狭ピッチで形成することが
できる。
【0093】またこの実施形態では前記第1のコイル層
54の各導体部のピッチ間は、レジスト材料などの有機
絶縁材料による絶縁層56によって塞がれている。有機
絶縁材料製の絶縁層56を使用する理由は、第1のコイ
ル層54の各導体部のピッチ間を、確実に埋めることが
できるからである。
【0094】そして図3に示すように前記第1のコイル
層54上は、例えば無機絶縁材料製のコイル絶縁層57
によって覆われている。前記無機絶縁材料には、Al2
3、SiN、SiO2から1種または2種以上が選択さ
れることが好ましい。
【0095】図3に示すように前記コイル絶縁層57の
上面57aは、前記基準平面Dと同一面となって平坦化
されている。
【0096】さらに図3に示すように前記コイル絶縁層
57の上面57aには、螺旋状にパターン形成された第
2のコイル層58がメッキ形成されている。前記第2の
コイル層58も第1のコイル層54と同じようにCuな
どの低い電気抵抗を有する導電材料によって形成されて
いる。なお前記第2のコイル層58は図2を見てもわか
るように、その巻き方向が第1のコイル層54のそれと
は逆にされている。
【0097】上記したように前記第2のコイル層58の
コイル形成面であるコイル絶縁層57の上面57aは平
坦化面であるので、前記第2のコイル層58はパターン
精度良く形成される。このため前記第2のコイル層58
の各導体部を狭ピッチで形成できる。
【0098】前記第2のコイル層58上は、レジスト材
料などの有機絶縁材料で形成された絶縁層59によって
覆われている。さらに前記絶縁層59上には例えばフレ
ームメッキ法などで形成された上部コア層60がパター
ン形成されている。図3に示すように前記上部コア層6
0の先端部60aは上部磁極層51上に磁気的に接続さ
れ、前記上部コア層60の基端部60bはバックギャッ
プ層55上に磁気的に接続されている。
【0099】さらに前記上部コア層60上は、アルミナ
などによる保護層61によって覆われている。
【0100】次に上記した第1のコイル層54の巻き中
心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58aと
の導通接続構造について説明する。
【0101】図2及び図3に示すように本発明では、前
記第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイ
ル層58の巻き中心部58a間は、第1のコンタクト部
62を介して導通接続される。
【0102】図4は、図3に示す符号Eで囲ったコイル
間の導通接続構造の部分拡大図である。図4に示すよう
に、第1のコイル層54の巻き中心部54aは、平坦化
されたコイル絶縁下地層53上に形成されている。この
ため前記巻き中心部54aの上面54bも平坦化面とし
て形成することができる。
【0103】図4に示すように前記巻き中心部54a上
にはコイル絶縁層57内を貫通して第1のコンタクト部
62がメッキ形成されている。
【0104】なお図4に示す実施形態では、前記第1の
コンタクト部62の上面62aが前記コイル絶縁層57
の上面57aと同一面上に形成されている。
【0105】また図4に示すように、前記第1のコンタ
クト部62の幅寸法は、第1のコイル層54の巻き中心
部54aの幅寸法より小さい方が好ましい。これによっ
て前記第1のコンタクト部62を、平坦化された第1の
コイル層54の巻き中心部54a上に適切に形成するこ
とが可能である。
【0106】そして図4に示すように前記第1のコンタ
クト部62の上には第2のコイル層58の巻き中心部5
8aが導通接続されている。
【0107】本発明では、後述する製造方法によって前
記第1のコンタクト部62をレジスト層を用いてパター
ン形成できる。上記したように、前記巻き中心部54a
の上面は平坦化面とされているから、この上に前記第1
のコンタクト部62を、矩形状や円柱状などの水平断面
(下部コア層の上面と平行な方向の断面)が一定の面積
である形状で形成できる。
【0108】ところで後述する製造方法で説明するよう
に、図4に示す第1のコンタクト部62の上面62a及
びコイル絶縁層57の上面57aは、共に研磨加工面で
あるが、本発明では、前記第1のコンタクト部62をそ
の水平断面が一定の面積を有する形状で形成できるた
め、前記第1のコンタクト部62を研磨加工したとき、
前記コイル絶縁層57の上面57aから露出する前記第
1のコンタクト部62の上面62aの露出面積をほぼ常
に一定にすることができる。従って第2のコイル層58
の巻き中心部58aと第1のコンタクト部62との接触
面積を一定にできるから、安定した直流抵抗値を得るこ
とができるとともに、第2のコイル層58の巻き中心部
58aとの導通性を良好に保つことができる。
【0109】また本発明では、前記第1のコイル層54
の巻き中心部54aを所定の高さ寸法で形成することが
できるため、その上に形成される前記第1のコンタクト
部62に対する研磨位置を考慮することで、前記第1の
コンタクト部62の高さ寸法を所定の大きさに設定で
き、前記直流抵抗値の安定化を図ることができる。
【0110】また上記したように、前記第1のコンタク
ト部62の幅寸法は、第1のコイル層54の巻き中心部
54aの幅寸法よりも小さく形成されるため、前記第1
のコンタクト部62が前記巻き中心部54aの真上でな
く多少ずれて形成されても、前記第1のコンタクト部6
2が前記巻き中心部54a上に乗って形成されれば、安
定した直流抵抗値を図ることができる。
【0111】また図4に示す実施形態では、第1のコン
タクト部62の上面62aがコイル絶縁層57の上面5
7aと同一面上で形成されているため、前記第1のコン
タクト部62と第2のコイル層58の巻き中心部58a
との導通性をより適切に図ることができる。
【0112】次に図4に示す実施形態では、第1のコイ
ル層54と第2のコイル層58、及び第1のコンタクト
部62は、Cuなどの低電気抵抗の導電性材料のみで形
成されておらず、導電性材料層の上に所定厚さの導電性
保護層がメッキ形成された積層構造となっている。
【0113】図4に示すように第1のコイル層54とコ
イル絶縁下地層53との間には、Cuなどの導電性材料
で形成されたメッキ下地層63が形成されている。前記
メッキ下地層63の上には、前記第1のコイル層54を
構成する導電性材料層64がメッキ形成されている。
【0114】本発明では前記導電性材料層64は、C
u,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含む
単層構造又は多層構造から成ることが好ましい。
【0115】そして図4に示すように前記導電性材料層
64の上には導電性保護層65がメッキ形成されてい
る。前記導電性保護層65は、Ni,Cr,P,Pd,
Pt,B又はWのうち1種または2種以上の元素を含む
単層構造又は多層構造から成ることが好ましい。
【0116】前記導電性保護層65は前記導電性材料層
64が空気中に曝されたときに、酸化されるのを防止す
る役割を有する。
【0117】前記導電性保護層65をNiで形成する
と、前記導電性保護層65は、常温または加熱雰囲気中
での表面の酸化層が、3.0nm以上に進行しないこと
がわかっている。したがってイオンミリングなどのドラ
イエッチング法によって、前記導電性保護層65から
3.0nm以上削り取ることにより、前記導電性保護層
65から酸化層を確実に除去することが可能になってい
る。なお図4に示す前記導電性保護層65は前記酸化層
が除去されており、前記導電性保護層65の表面に酸化
層が存在しない状態となっている。
【0118】なお本発明における実施形態では、前記導
電性保護層65の膜厚は、200〜600nmに設定さ
れている。上記したようにNiで形成された導電性保護
層65の酸化層は3.0nm以上進行しないから、酸洗
浄やイオンミリング等によって前記導電性保護層65の
酸化層を除去する場合に、前記導電性保護層65のみを
削り取り、導電性材料層64を削り取らないようにする
ことができる。すなわち導電性保護層65の体積変化を
防ぐことができる。前記導電性材料層64は、コイル層
の許容電流や直流抵抗値を決定する要素であるので、前
記導電性材料層64の体積変化を防止できると、コイル
層の許容電流や直流抵抗値が一定であるインダクティブ
ヘッドを形成することができ、インダクティブヘッドの
品質を一定に保つことが可能である。
【0119】またCuで形成された導電性材料層64の
上にNiで形成された導電性保護層65を積層すること
によって前記第1のコイル層54とコイル絶縁層57と
の密着性や、前記第1のコイル層54の巻き中心部54
a上にメッキ形成される第1のコンタクト部62との密
着性を良好にすることができ、インダクティブヘッドの
直流抵抗値の安定化を図ることができる。
【0120】なお本発明では、空気に曝されて前記導電
性保護層65に酸化層が形成された後、酸洗浄やイオン
ミリング等によって前記導電性保護層65を全て除去
し、導電性材料層64のみで第1のコイル層54を構成
してもよい。この場合、前記導電性材料層64には酸化
層が存在せず、第1のコンタクト部62などとの密着性
や直流抵抗値の安定化を適切に図ることができる。
【0121】次に前記第1のコンタクト部62もまた導
電性材料層64と表面に酸化層が存在しない所定厚さの
導電性保護層65との積層構造でメッキ形成される。な
お材質や膜厚について上記した通りである。また前記第
1のコンタクト部62は表面に酸化層が存在しない前記
導電性材料層64のみでメッキ形成されていてもよい。
【0122】また前記第1のコンタクト部62の形成面
は、第1のコイル層54の表面であるため前記第1のコ
ンタクト部62をメッキ形成するときに、メッキ下地層
63を必要としない。
【0123】また図4に示すように、前記第1のコンタ
クト部62上にメッキ形成される第2のコイル層58の
巻き中心部58aは、第1のコイル層54と同様に下か
らメッキ下地層63、導電性材料層64及び表面に酸化
層が存在しない所定厚さの導電性保護層65の順に積層
形成される。なお前記第2のコイル層58はメッキ下地
層63上に、表面に酸化層が存在しない導電性材料層6
4のみでメッキ形成されていてもよい。
【0124】前記第2のコイル層58の巻き中心部58
aをメッキ形成する際にまずメッキ下地層63を形成す
るのは、図4に示すように前記巻き中心部58aの幅寸
法が第1のコンタクト部62の幅寸法よりも大きいから
である。前記メッキ下地層63が形成されていない場合
は、第1のコンタクト部62上にのみ導電性材料層64
がメッキ成長しやすく、図4に示すような矩形状の巻き
中心部58aを形成しづらくなる。なお前記第2のコイ
ル層58の巻き中心部58aの幅寸法が、第1のコンタ
クト部62の幅寸法と同程度、あるいはそれよりも小さ
く形成される場合には、前記巻き中心部58aの形成の
際にメッキ下地層63の形成は必要ない。
【0125】図5は本発明の第1のコイル層54の巻き
中心部54aと第2のコイル層58の巻き中心部58a
との導通接続構造を示す別の実施形態を示す拡大断面図
である。
【0126】この実施形態では図4と同様に第1のコイ
ル層54及び第2のコイル層58がメッキ下地層63、
導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所定厚
さの導電性保護層65の3層メッキ構造で形成されてい
る。また第1のコンタクト部62は、導電性材料層64
及び表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層
65の2層メッキ構造で形成されている。
【0127】図4に示す実施形態との相違は、第1のコ
ンタクト部62の上面62aが、コイル絶縁層57の上
面57aと同一面ではなく、前記コイル絶縁層57の上
面57aよりも低い位置に形成されていることである。
なお、前記第1のコンタクト部62の上面62aは前記
コイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形成されて
いてもかまわない。
【0128】また前記第1のコンタクト部62は下面か
ら上面62aに向かうにしたがって幅寸法が徐々に広が
って形成されている。
【0129】このように図4と図5とでは第1のコンタ
クト部62の形状に相違点が見られるが、これは後述す
るように製造方法に起因するものである。
【0130】この実施形態では、コイル絶縁層57にま
ず第1のコンタクト部62の形成のための溝部を形成し
た後、前記溝部内に前記第1のコンタクト部62をメッ
キ成長させるため、前記第1のコンタクト部62をCM
P技術などを用いて研磨加工することが無い。
【0131】このためメッキ時間などを適切に調整する
ことにより、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法を
調整でき、また平坦化面で形成された第1のコンタクト
部62の上面62aの露出面積を一定の大きさに保ちや
すい。
【0132】また図5に示す実施形態では、前記コイル
絶縁層57に前記溝部を形成する際の前記コイル絶縁層
57上に形成されるレジストの形状やイオンミリングの
照射角度などを適切に調整することで、前記第1のコン
タクト部62の両側に形成される傾斜面をより垂直面に
近い向きに形成できる。このため前記傾斜面は極端に傾
斜する面になることはなく、従って第1のコンタクト部
62の上面62aの露出面積を所定値内に収めやすい。
【0133】よって図5に示す実施形態においても、コ
イル層の直流抵抗値の安定化を図りやすいと同時に、第
2のコイル層58の巻き中心部58aとの導通接続を良
好に行うことが可能である。
【0134】次に本発明では上記した図4及び図5に示
す第1のコイル層54の巻き中心部54aと第2のコイ
ル層58の巻き中心部58aとの導通接続構造は図3に
示す形態の薄膜磁気ヘッド以外に使用可能である。
【0135】例えば本発明では図6に示す薄膜磁気ヘッ
ドの実施形態を提示することができる。なお図6に示す
薄膜磁気ヘッドは縦断面図で示されている。
【0136】図6に示す薄膜磁気ヘッドは図3に示す薄
膜磁気ヘッドと同様に再生用のMRヘッドと記録用のイ
ンダクティブヘッドとが積層されたいわゆる複合型薄膜
磁気ヘッドであり、相違点は記録媒体との対向面におけ
る下部コア層47と上部コア層60間に形成された磁極
部の構成にある。
【0137】図6に示すように下部コア層47上には記
録媒体との対向面に磁性材料製の下部磁極層66が形成
されている。図6に示すように前記下部磁極層66の上
面66aは前記下部磁極層66のハイト方向(図示Y方
向)の後方に形成されるコイル絶縁層57の上面57a
と同一面上で形成される。
【0138】前記下部磁極層66の上には非磁性のギャ
ップ層67が形成される。前記ギャップ層67の後端部
は、第1のコイル層54の最も先端側に位置する導体部
よりも記録媒体との対向面側に位置することが好まし
い。これにより第2のコイル層58を平坦化されたコイ
ル絶縁層57上に形成することができ、前記第2のコイ
ル層58の巻き中心部58aと第1のコンタクト部62
との導通接続を適切に図ることが可能である。
【0139】なお前記ギャップ層67はハイト方向後方
に延ばされて形成されてもよい。かかる構成の場合、第
1のコイル層54と第2のコイル層58間にはコイル絶
縁層57とギャップ層67とが介在することになる。た
だし前記ギャップ層67は、第1のコンタクト部62上
に形成されないようにし、前記第1のコンタクト部62
と第2のコイル層58の巻き中心部58aとが導通接続
されるようにしておく必要がある。
【0140】また図6に示す実施形態の場合は、図3に
示す薄膜磁気ヘッドと同様に前記ギャップ層67はNi
P等の非磁性の導電性材料で形成されてもよいが、従来
からギャップ層として一般的に使用されているAl23
やSiO2などの非磁性・非導電性材料を用いることも
できる。
【0141】また図6に示す実施形態では前記第1のコ
イル層54の各導体層のピッチ間はコイル絶縁層57に
よって埋められているが、図3と同様にレジストなどの
有機絶縁材料による絶縁層56によって埋められていて
もよい。
【0142】以上のように本発明では、第1のコイル層
54の巻き中心部54aと第2のコイル層58の巻き中
心部58aとを第1のコンタクト部62を用いて導通接
続するものであるが、前記コンタクト部による導通接続
構造は他の部分においても使用することができる。
【0143】図7は図1に示す7−7線から切断した薄
膜磁気ヘッドの部分断面図であり、まず図7に現れる各
層について図2を用いて説明する。
【0144】図2に示すように、第1のコイル層54に
は、その巻き終端部54cから一体となって長く引き延
ばされた第2のコイルリード層34がメッキ形成されて
いる。
【0145】また図2に示すように第1のコイルリード
層33が前記第1のコイル層54とは離れた位置にメッ
キ形成されている。前記第1のコイルリード層33は第
1のコイル層54と同じ形成面にしかも同じ工程時にメ
ッキ形成されることが好ましい。
【0146】図2に示すように前記第1のコイルリード
層33のコイル接続端部33aは、第2のコイル層58
の巻き終端部58bと対向する位置に形成され、前記第
1のコイルリード層33のコイル接続端部33aと前記
第2のコイル層58の巻き終端部58b間が第2のコン
タクト部68によって導通接続されている。
【0147】また図2に示すように、2つの電極リード
層35及び36が第1のコイル層54とは離れた位置に
メッキ形成されている。前記電極リード層35及び36
の下面は、MRヘッドの磁気抵抗効果素子44にセンス
電流を供給するための電極層45と導通接続されてい
る。前記電極リード層35及び36は、第1のコイル層
54と同じ形成面にしかも同じ工程時にメッキ形成され
ることが好ましい。
【0148】図7には上記した第1のコイルリード層3
3と第2のコイル層58との導通接続構造、第2のコイ
ルリード層34、及び電極リード層36の電極層45と
の導通接続構造が断面図として現れている。
【0149】図7に示すように、第1のコイルリード層
33のコイル接続端部33aは、図3に示す下部コア層
47の周囲に形成された絶縁層70上にメッキ形成され
ている。
【0150】また前記絶縁層70上には前記第1のコイ
ルリード層33の他に第2のコイルリード層34及び電
極リード層36がメッキ形成され、図7では、これらの
層間はレジストなどの有機絶縁材料による絶縁層56に
よって埋められている。さらに前記絶縁層56上には無
機絶縁材料によるコイル絶縁層57が形成されている。
【0151】図7に示すように前記第1のコイルリード
層33のコイル接続端部33a上には、前記コイル絶縁
層57を貫通する第2のコンタクト部68がメッキ形成
されている。前記第2のコンタクト部68の上面68a
は、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一平面とな
っていることが好ましい。
【0152】そして図7に示すように前記第2のコンタ
クト部68上には第2のコイル層58の巻き終端部58
bが導通接続されている。
【0153】かかる構成によってコイル層の直流抵抗値
の安定化を図ることができると共に、第2のコンタクト
部68と第2のコイル層58の巻き終端部58bとの導
通性を良好に保つことが可能である。
【0154】また前記第2のコンタクト部68は、図4
に示す第1のコンタクト部62と同様に導電性材料層6
4と表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性保護層
65との積層メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在
しない前記導電性材料層64であることが好ましい。ま
たコイルリード層33、34及び電極リード層35、3
6は、図4に示すコイル層と同様に、メッキ下地層6
3、導電性材料層64及び表面に酸化層が存在しない所
定厚さの導電性保護層65の3層メッキ構造、あるいは
メッキ下地層63上に表面に酸化層が存在しない導電性
材料層64で形成されることが好ましい。
【0155】なお図7に示すように第2の電極リード層
36と電極層45との間には、上部ギャップ層46及び
図3に示す下部コア層47の周囲に形成された絶縁層7
0を貫通するコンタクト部69が形成されている。前記
コンタクト部69の上面69aは、前記絶縁層70の上
面70aと同一面上に形成されていることが好ましい。
【0156】前記電極層45上に形成されたコンタクト
部69は、例えば下部コア層47の形成と同じ工程時に
レジスト層を用いてパターン形成する。前記コンタクト
部69は前記下部コア層47と同じ材質で形成されるこ
とが製造工程を容易化できて好ましいが異なる材質で形
成されていてもかまわない。その後、前記レジスト層を
除去した後、前記下部コア層47の周囲に絶縁層70を
形成する。そして例えばCMP技術などを用いて前記下
部コア層47及び前記絶縁層70の上面70aを研磨加
工することにより、前記絶縁層70の上面70aと前記
コンタクト部69の上面69aとを同一面に形成するこ
とができる。
【0157】図8は図1に示す8−8線から切断した薄
膜磁気ヘッドの部分断面図である。図8に現れる部分は
図2で説明すると、第1のコイル層54と一体にメッキ
形成された第2のコイルリード層34の外部接続端部3
4a上における導通接続構造である。
【0158】図8に示すように前記第2のコイルリード
層34の外部接続端部34aは、下部コア層47の周囲
に形成された絶縁層70上に形成され、その上にコイル
絶縁層57を貫通する第3のコンタクト部71がメッキ
形成されている。前記第3のコンタクト部71の上面7
1aは、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上
で形成されることが好ましい。
【0159】前記第3のコンタクト部71上には図3に
示す上部コア層60と同じ形成時に形成された持上げ層
72が形成されている。前記持上げ層72は上部コア層
60と同じ材質で形成される方が製造工程を簡略化でき
て好ましいが、異なる材質で形成されていてもかまわな
い。また前記持上げ層72は形成されていなくても良
く、この場合、次に説明するバンプ37が前記第3のコ
ンタクト部71上に直接導通接続される。
【0160】前記持上げ層72上には薄膜磁気ヘッド上
を覆う保護層61を貫通するバンプ37がメッキ形成さ
れている。前記バンプ37は前記保護層61の上面61
aから露出して形成されており、前記保護層61上に形
成された外部接続用端子38と導通接続されている。
【0161】なお図8では、第2のコイルリード層34
の外部接続端部34aにおける導通接続構造について説
明したが、図2に示す第1のコイルリード層33の外部
接続端部33bにおける導通接続構造も図8と同じであ
る。
【0162】すなわち前記第1のコイルリード層33の
上には第3のコンタクト部71がコイル絶縁層57を貫
通してメッキ形成され、さらに前記第3のコンタクト部
71上には、持上げ層72、バンプ37及び外部接続用
端子38がそれぞれ形成されている。
【0163】なお前記第3のコンタクト部71は第1の
コンタクト部62と同様に導電性材料層64と表面に酸
化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層
メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在しない導電性
材料層64で構成されていることが好ましい。
【0164】図8に示す構成によって、コイル層の直流
抵抗値の安定化を図ることができると共に、第3のコン
タクト部71とバンプ37との導通性を良好に保つこと
が可能である。
【0165】図9は、図1に示す9−9線から切断した
薄膜磁気ヘッドの縦断面図である。図9に現れる部分は
図2で説明すると、電極リード層36の外部接続端部3
6a上における導通接続構造である。
【0166】図9に示すように、前記電極リード層36
の外部接続端部36aは、下部コア層47の周囲に形成
された絶縁層70上に形成され、その上にコイル絶縁層
57を貫通する第4のコンタクト部73がメッキ形成さ
れている。前記第4のコンタクト部73の上面73a
は、前記コイル絶縁層57の上面57aと同一面上で形
成されることが好ましい。
【0167】前記第4のコンタクト部73上には図3に
示す上部コア層60と同じ形成時に形成された持上げ層
72が形成されている。前記持上げ層72は上部コア層
60と同じ材質で形成される方が製造工程を簡略化でき
て好ましいが、異なる材質で形成されていてもかまわな
い。また前記持上げ層72は形成されていなくても良
く、この場合、次に説明するバンプ39が前記第4のコ
ンタクト部73上に直接導通接続される。
【0168】前記持上げ層72上には図3に示す上部コ
ア層60上を覆う保護層61を貫通するバンプ39がメ
ッキ形成されている。前記バンプ39は前記保護層61
の上面61aから露出して形成されており、前記保護層
61上に形成された外部接続用端子40と導通接続され
ている。
【0169】なお図9では、電極リード層36の外部接
続端部36aにおける導通接続構造について説明した
が、図2に示す電極リード層35の外部接続端部35a
における導通接続構造も図9と同じである。
【0170】すなわち前記電極リード層35の上には第
4のコンタクト部73がコイル絶縁層57を貫通してメ
ッキ形成され、さらに前記第4のコンタクト部73上に
は、持上げ層72、バンプ39及び外部接続用端子40
がそれぞれ形成されている。
【0171】なお前記第4のコンタクト部73は第1の
コンタクト部62と同様に導電性材料層64と表面に酸
化層が存在しない所定厚さの導電性保護層65との積層
メッキ構造、あるいは表面に酸化層が存在しない導電性
材料層64で構成されていることが好ましい。
【0172】図9に示す構成によって、MRヘッドの直
流抵抗値の安定化を図ることができると共に、第4のコ
ンタクト部73とバンプ39との導通性を良好に保つこ
とが可能である。
【0173】次に図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法
について以下に説明する。図10ないし図20は薄膜磁
気ヘッドの部分縦断面図である。
【0174】図10に示すように、下部コア層47上に
Gd決め絶縁層52を形成した後、前記下部コア層47
上にレジスト層74を形成する。前記レジスト層74に
は記録媒体との対向面側にトラック幅方向(図示X方
向)の幅寸法がトラック幅Twで形成された磁極部形成
溝74aを露光現像によりパターン形成する。
【0175】次に前記磁極部形成溝74a内に下から下
部磁極層49、ギャップ層50及び上部磁極層51から
成る磁極部48を形成する。前記ギャップ層50にはメ
ッキ形成可能な非磁性金属材料を選択することが好まし
く、具体的には、NiP、NiPd、NiW、NiM
o、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種ま
たは2種以上から選択することが好ましい。
【0176】これによって下部磁極層49、ギャップ層
50及び上部磁極層51を連続してメッキ形成すること
が可能である。また本発明では、前記磁極部48をギャ
ップ層50と上部磁極層51の2層構造で形成してもよ
い。
【0177】そして本発明では、前記レジスト層74を
除去した後、前記バックギャップ層55形成のための抜
きパターンを有するレジスト層を新たに形成して、前記
バックギャップ層55を形成する。
【0178】あるいは図10に示すように前記記録媒体
との対向面からハイト方向(図示Y方向)に離れた位置
に、前記下部コア層47上にバックギャップ層55を形
成するための抜きパターン74bを露光現像によって形
成し、前記抜きパターン74b内にバックギャップ層5
5を形成してもよい。
【0179】図11は下部コア層47上に磁極部48と
バックギャップ層55とが形成された状態を示してい
る。
【0180】次に図12に示す工程では、磁極部48上
から下部コア層47及びバックギャップ層55上にかけ
てコイル絶縁下地層53を形成する。
【0181】さらに前記コイル絶縁下地層53上に第1
のコイル層54をパターン形成する。図12に示すよう
に前記第1のコイル層54の巻き中心部54aをバック
ギャップ層55よりもハイト方向(図示Y方向)に位置
させ、前記巻き中心部54aから螺旋状に第1のコイル
層54をメッキ形成する。
【0182】また図12に示すように前記第1のコイル
層54の上面を前記磁極部48の上面48aよりも低い
位置で形成する。
【0183】このように本発明では、前記第1のコイル
層54の各導体部及び巻き中心部54aを平坦化された
コイル絶縁下地層53の上に形成することができる。よ
って前記第1のコイル層54を所定の形状で、しかも各
導体部のピッチ間を狭く形成することが可能である。
【0184】次に図13ないし図16に示すように前記
第1のコイル層54の巻き中心部54a上に第1のコン
タクト部62をメッキ形成する。
【0185】図13は、前記コイル絶縁下地層53の全
面にメッキ下地層63を形成し、その上に導電性材料層
64及び導電性保護層65が連続メッキ形成された第1
のコイル層54の断面が表されている。
【0186】なお本発明では前記導電性材料層64を、
Cu,Au,Agのいずれか一方または両方の元素を含
む単層構造又は多層構造でメッキ形成し、また前記導電
性保護層65を、Ni,Cr,P,Pd,Pt,B又は
Wのうち1種または2種以上の元素を含む単層構造又は
多層構造でメッキ形成することが好ましい。
【0187】前記導電性保護層65に酸化層が形成され
ても、前記酸化層の厚さは前記導電性保護層65の厚さ
以上に進行せず、したがってイオンミリングなどによっ
て、前記酸化層を確実に除去でき、この際前記導電性材
料層64を傷つける心配が無い。なお前記酸化層をエッ
チングにより除去するときには、前記導電性保護層65
の酸化層が形成された部分のみを除去するか、あるいは
前記導電性保護層65の全てを除去する。これによって
前記第1のコイル層64の上面には酸化層が存在しない
前記導電性保護層65が残され、あるいは酸化層が存在
しない導電性材料層64が露出する。これにより直流抵
抗値を安定させることができ、また密着性を良好にでき
る。
【0188】次に図14に示すように前記第1のコイル
層54上をレジスト層75によって覆う。図14に示す
ように前記レジスト層75は膜厚H1で形成されるが、
前記膜厚H1は、図12に示す磁極部48の高さ寸法と
同程度かあるいは大きいことが好ましい。これは前記第
1のコイル層54の巻き中心部54a上にメッキ形成さ
れる第1のコンタクト部62の上面をコイル絶縁層57
の上面と同一面上に形成しやすくするためである。
【0189】図14に示すように前記第1のコイル層5
4上にレジスト層75を形成した後、前記第1のコイル
層54の巻き中心部54a上に形成された前記レジスト
層75の部分に露光現像によって抜きパターン75aを
形成する。
【0190】前記レジスト層75への露光現像によって
形成された抜きパターン75aは、矩形状や円柱状など
の下部コア層47の上面と平行な方向の断面が一定の大
きさとなるように形成される。
【0191】次に前記レジスト層75の抜きパターン7
5a内に第1のコンタクト部62をメッキ形成する。前
述したように第1のコイル層54の上面に形成された酸
化層は除去されているので、前記第1のコイル層54の
巻き中心部54a上に前記第1のコンタクト部62を密
着性良くメッキ形成することができる。
【0192】また図14に示すように前記第1のコンタ
クト部62は、導電性材料層64と導電性保護層65と
の積層構造で形成することが好ましい。前記導電性材料
層64及び導電性保護層65の材質については上述した
通りである。
【0193】なお本発明では前記第1のコンタクト部6
2の形成のときに、メッキ下地層63を形成する必要が
無い。前記第1のコンタクト部62を第1のコイル層5
4の巻き中心部54a上に直接メッキ成長させるからで
ある。このため前記第1のコンタクト部62の形成工程
を容易化できる。
【0194】また前記第1のコンタクト部62の上面
は、レジスト層75の上面とほぼ同一面上で形成される
か、あるいは図14に示すように若干低く形成される。
そして前記レジスト層75を除去すると図15に示すよ
うな構造となる。
【0195】本発明では、図14に示す工程において前
記第1のコンタクト部62を形成するための抜きパター
ン75aを矩形状や円柱状などの下部コア層47の上面
と平行な方向の断面が一定の大きさになる形状で形成で
きるから、前記第1のコンタクト部も下部コア層47の
上面と平行な方向の断面が一定の大きさになる形状で形
成できる。
【0196】次に図16の工程時に、第1のコイル層5
4の導電材料層64下に形成されたメッキ下地層63以
外のメッキ下地層63をエッチングにて除去する。
【0197】次に図17に示すように、第1のコイル層
54の各導体部のピッチ間にレジスト等の有機材料製の
絶縁層56を埋めた後、前記第1のコイル層54上にコ
イル絶縁層57をスパッタ形成する。前記コイル絶縁層
57は無機絶縁材料で形成されることが好ましい。前記
コイル絶縁層57の上面は、CMP技術などによって研
磨されるからである。なお前記無機絶縁材料には、Al
23、SiN、SiO 2から1種または2種以上を選択
することが好ましい。
【0198】また図17に示すように前記コイル絶縁層
57は磁極部48及びバックギャップ層55上にもスパ
ッタ形成される。
【0199】次に図17に示すように前記コイル絶縁層
57の上面をF−F線まで例えばCMP技術などを用い
て研磨加工する。この研磨加工によって、磁極部48、
バックギャップ層55及び第1のコイル層54の巻き中
心部54a上にメッキ形成された第1のコンタクト部6
2の上面が前記コイル絶縁層57の上面57aと同一平
面となって露出する(図18を参照のこと)。
【0200】本発明では前述した図16に示す工程にお
いて、前記第1のコンタクト部62を矩形状や円柱状な
ど下部コア層47の上面と平行な方向に対する断面が一
定の大きさとなる形状で形成できるから、前記第1のコ
ンタクト部62の上面の露出面積を一定の大きさで形成
できる。
【0201】なお前記研磨加工によって、前記第1のコ
ンタクト部62の導電性保護層65に形成された酸化層
が研磨除去され、前記導電性保護層65の一部が残され
て、前記導電性保護層65が前記コイル絶縁層57の上
面から露出することが好ましい。あるいは前記導電性保
護層65をすべて除去し、酸化層が存在しない導電性材
料層64の上面を露出させてもよい。
【0202】第1のコンタクト部62にNiなどで形成
された導電性保護層65が設けられていないと、Cuな
どで形成された導電性材料層64は、軟らかい金属なの
で、前記導電性材料層64の上面を研磨加工した場合、
前記導電性材料層64にだれが発生し、直流抵抗値の不
安定化や密着性の低下を招きやすくなる。このため本発
明では、前記導電性材料層64よりも硬い金属である導
電性保護層65を設け、この導電性保護層65が研磨加
工されるようにすることにより、上面にだれなどが発生
しない第1のコンタクト部62を形成することができ
る。
【0203】なお前記研磨工程と次に説明する第2のコ
イル層58の形成工程との間に、薄膜磁気ヘッドが空気
に曝される場合があるときは、前記第2のコイル層58
の形成前にエッチングを施し、新たに前記導電性保護層
65に形成された酸化層を除去することが好ましい。
【0204】これによって前記第1のコンタクト部62
の上面には酸化層が存在せず、第2のコイル層58の巻
き中心部58aとの密着性を向上させることができる。
【0205】次に図19に示すように、前記コイル絶縁
層57の上面57aに第2のコイル層58をパターン形
成する。このとき前記第2のコイル層58の巻き中心部
58aをコイル絶縁層57から露出する第1のコンタク
ト部62上に導通接続させる。そして前記巻き中心部5
8aを中心として螺旋状に各導体部をメッキ形成する。
なお前記第2のコイル層58は下からメッキ下地層6
3、導電性材料層64及び導電性保護層65の3層メッ
キ構造で形成することが好ましい。前記第2のコイル層
58を形成した後、エッチングにより前記導電性保護層
65に形成された酸化層、あるいは前記導電性保護層6
5全体及び第2のコイル層58の下以外の前記メッキ下
地層を除去する。さらに前記第2のコイル層58上を有
機絶縁材料で形成された絶縁層59によって覆う。
【0206】図20に示す工程では、前記磁極部48上
から前記絶縁層59上、さらには前記バックギャップ層
55上にかけて上部コア層60をフレームメッキ法など
によりパターン形成する。これによって図3に示す薄膜
磁気ヘッドが完成する。
【0207】上記のように本発明では、第1のコンタク
ト部62をレジスト層を用いたパターン形成のみで形成
することができ、容易にしかも少ない工程数で前記第1
のコンタクト部62をメッキ形成できる。
【0208】また本発明では、前記第1のコイル層54
の巻き中心部54aを平坦化されたコイル絶縁下地層5
4上に形成することができ、前記巻き中心部54aの上
面を平坦化面として形成でき、さらに前記巻き中心部5
4a上にメッキ形成される前記第1のコンタクト部62
の上面も平坦化面として形成できる。特に本発明では前
記第1のコンタクト部62を下部コア層47の上面と平
行な方向への断面が一定の大きさとなる形状で形成でき
る。したがって前記第1のコンタクト部62の上面の面
積を一定に保ち、安定した直流抵抗値を得ることができ
るとともに、第2のコイル層58の巻き中心部58aと
の導通性を良好にすることができる。
【0209】図21ないし図23に示す工程図は図5に
示す導通接続構造の製造方法を示す一工程図である。
【0210】図21に示す工程では、まずコイル絶縁下
地層53上に形成された第1のコイル層54の各導体部
間をレジストなどの有機絶縁材料による絶縁層56で埋
めた後、前記絶縁層56及び第1のコイル層54上にコ
イル絶縁層57をスパッタ形成する。なお図21に示す
ように前記第1のコイル層54は、例えば下からメッキ
下地層63、導電性材料層64及び導電性保護層65の
3層メッキ構造で形成される。
【0211】なお前記コイル絶縁層57の上面57a
は、図17に示す工程におけるCMP技術などによる研
磨工程により平坦化されている。
【0212】図22に示す工程では、前記コイル絶縁層
57の上面57aにレジスト層76を形成した後、前記
第1のコイル層54の巻き中心部54aと対向する位置
に形成されたレジスト層76に露光現像により抜きパタ
ーン76aを形成する。このとき前記レジスト層76に
熱処理を施すことにより前記抜きパターン76aの両側
端面76bは若干傾斜する。
【0213】そして前記抜きパターン76a内に露出し
た絶縁層57bの部分をエッチングにより除去する。こ
のエッチング工程によって第1のコイル層54の巻き中
心部54aを露出させる。このとき前記巻き中心部54
aの表面に形成された導電性保護層65の一部を残し前
記導電性保護層65下に形成された導電性材料層64ま
でエッチングされないことが好ましい。
【0214】次に図23に示す工程では、前記巻き中心
部54a上に第1のコンタクト部62をメッキ形成す
る。前記第1のコンタクト部62は導電性材料層64と
導電性保護層65との積層メッキ構造であることが好ま
しい。
【0215】次に前記第1のコンタクト部62の導電性
保護層65に形成された酸化層を除去した後、図19に
示す工程においてコイル絶縁層57上に第2のコイル層
58をメッキ形成する。このとき前記第2のコイル層5
8の巻き中心部58aを第1のコンタクト部62上に形
成して導通接続させる。
【0216】その後、図19に示すように前記第2のコ
イル層58上を絶縁層59で覆い、さらに図20工程で
上部コア層60を形成する。
【0217】この製造方法によっても、前記第1のコン
タクト部62を平坦化された第1のコイル層54の巻き
中心部54a上に形成できるから、前記第1のコンタク
ト部62の上面を平坦化面として形成できる。
【0218】なお図22に示す工程において、レジスト
層76に形成された抜きパターン76aの両側端面76
bには傾斜面が形成されるが、これによって前記第1の
コンタクト部62の両側端面にも傾斜が付きやすくなり
(図23を参照のこと)、前記第1のコンタクト部62
の高さ寸法によって前記第1のコンタクト部62の上面
の面積が変動しやすくなる。このため前記第1のコンタ
クト部62の両側端面にはできる限り傾斜が付かないよ
うにすることが好ましいが、それは、図22に示す工程
においてコイル絶縁層57をエッチングするとき、異方
性エッチングを使用したり、あるいは図22に示すレジ
スト層76の硬化温度などを調整しながら、抜きパター
ン76aの両側端面76bに傾斜ができる限り付かない
ようにすることによって改善することができる。
【0219】また第1のコンタクト部62の両側端面が
傾斜面とされていても、メッキ時間などを適切に調整す
ることで、前記第1のコンタクト部62の高さ寸法を所
定値に設定でき、また前記第1のコンタクト部62の上
面62aの露出面積を所定値内に収めることができる。
【0220】次に本発明では、図12に示す工程のとき
に、第1のコイル層54とは離れた位置に図2あるいは
図7に示す第1のコイルリード層33をメッキ形成し、
図13ないし図16、あるいは図21ないし図23と同
一工程によって、前記第1のコイルリード層33のコイ
ル接続端部33a上に第2のコンタクト部68を形成す
ることができる。
【0221】そして図19に示す第2のコイル層58形
成時に、前記第2のコイル層58の巻き終端部58b
を、前記第2のコンタクト部68に導通接続させること
ができる。
【0222】また本発明では、図2に示す第1のコイル
層54の巻き終端部から一体にして形成された第2のコ
イルリード層34の外部接続端部34a及び/または前
記第1のコイルリード層33の外部接続端部33b上
に、図13ないし図16、あるいは図21ないし図23
と同一工程によって、第3のコンタクト部71をメッキ
形成することができる。
【0223】その後、図20に示す上部コア層60の製
造工程と同一工程時に、図8に示す前記第3のコンタク
ト部71上に持上げ層72を形成し、前記持上げ層72
上にバンプ37を形成し、さらに保護層61の上面から
露出する前記バンプ37の表面に外部接続用端子38を
形成する。
【0224】さらには本発明では、図12に示す第1の
コイル層54の形成時に、前記第1のコイル層54とは
離れた位置に、図2あるいは図9に示す電極リード層3
5及び36をメッキ形成し、図13ないし図16、ある
いは図21ないし図23と同一工程によって、第4のコ
ンタクト部73を前記電極リード層35及び36の外部
接続端部35a及び36a上にメッキ形成することがで
きる。
【0225】その後、図20に示す上部コア層60の製
造工程と同一工程時に、図9に示す前記第4のコンタク
ト部73上に持上げ層72を形成し、前記持上げ層72
上にバンプ39を形成し、さらに保護層61の上面から
露出する前記バンプ39の表面に外部接続用端子40を
形成する。
【0226】なお上記した第2のコンタクト部68、第
3のコンタクト部71及び第4のコンタクト部73を、
第1のコンタクト部62と同様に、導電性材料層64及
び導電性保護層65の積層メッキ構造で形成することが
好ましい。
【0227】また本発明では、第1のコイルリード層3
3、電極リード層35及ぶ36を、第1のコイル層54
と同様に下からメッキ下地層63、導電性材料層64及
び導電性保護層65の3層メッキ構造で形成することが
好ましい。
【0228】以上のように本発明では、第1のコンタク
ト部62と同じ製造工程時に、第2のコンタクト部6
8、第3のコンタクト部71及び第4のコンタクト部7
3をメッキ形成することができるため、製造工程数を少
なくでき、製造効率を向上させることができる。
【0229】
【発明の効果】以上詳述したように本発明では、第1の
コイル層の巻き中心部と第2のコイル層の巻き中心部間
を第1のコンタクト部によって導通接続させるものであ
る。
【0230】本発明では、前記第1のコイル層の巻き中
心部を平坦化された面上に形成するため、前記巻き中心
部の上面を平坦化面として形成できる。
【0231】よって前記巻き中心部上に第1のコンタク
ト部を矩形状や円柱状などの水平断面が一定の面積を有
する形状で形成しやすく、したがってコイル絶縁層の上
面から研磨加工によって露出する前記第1のコンタクト
部の上面の露出面積をほぼ常に一定に保つことができ
る。
【0232】従って本発明では、前記第1のコンタクト
部上に導通接続される第2のコイル層の巻き中心部との
導通性を良好にできるとともに、安定した直流抵抗を得
ることができる。
【0233】また本発明における製造方法によれば、前
記コイル層間の第1のコンタクト部による導通接続を容
易にしかも少ない製造工程で形成できるとともに、例え
ばMRヘッドの電極リード層とバンプ間の導通接続も、
前記コイル層間の導通接続工程と同じ工程時に行うこと
ができ、製造工程の容易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるスライダのトレーリング側端面
の部分正面図、
【図2】2層コイル間の導通接続構造や、各リード層の
導通接続構造を示す模式図、
【図3】図1に示す3−3線から切断した本発明におけ
る薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図4】図3に示す符号E内のコイル層間の導通接続構
造を示す部分拡大断面図、
【図5】本発明における他の実施形態のコイル層間の導
通接続構造を示す部分拡大断面図、
【図6】本発明における他の実施形態の薄膜磁気ヘッド
の部分縦断面図、
【図7】図1に示す7−7線から切断した本発明におけ
る薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図8】図1に示す8−8線から切断した本発明におけ
る薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図9】図1に示す9−9線から切断した本発明におけ
る薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図10】本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法を
示す一工程図、
【図11】図10の工程の次に行なわれる一工程図、
【図12】図11の工程の次に行なわれる一工程図、
【図13】第1のコイル層の巻き中心部上にメッキ形成
される第1のコンタクト部の製造方法を示す図12の工
程の次に行なわれる一工程図、
【図14】図13の工程の次に行なわれる一工程図、
【図15】図14の工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15の工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16の工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】図17の工程の次に行なわれる一工程図、
【図19】図18の工程の次に行なわれる一工程図、
【図20】図19の工程の次に行なわれる一工程図、
【図21】第1のコイル層の巻き中心部上にメッキ形成
される第1のコンタクト部の他の製造方法を示す一工程
図、
【図22】図21の工程の次に行なわれる一工程図、
【図23】図22の工程の次に行なわれる一工程図、
【図24】従来の薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図25】図24に示すコイル層間の導通接続構造の製
造方法を示す一工程図、
【図26】図25の工程の次に行なわれる一工程図、
【図27】図26の工程の次に行なわれる一工程図、
【図28】図24に示すコイル層間の導通接続構造の製
造方法の問題点を示す一工程図、
【符号の説明】
33 第1のコイルリード層 34 第2のコイルリード層 35、36 電極リード層 37、39 バンプ 38、40 外部接続用端子 47 下部コア層 48 磁極部 54 第1のコイル層 54a (第1のコイル層の)巻き中心部 57 コイル絶縁層 58 第2のコイル層 58a (第2のコイル層の)巻き中心部 60 上部コア層 62 第1のコンタクト部 63 メッキ下地層 64 導電性材料層 65 導電性保護層 68 第2のコンタクト部 69 コンタクト部 70 絶縁層 71 第3のコンタクト部 72 持上げ層 75、76 レジスト層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 潔 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牛膓 英紀 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 Fターム(参考) 5D033 BA36 BA39 DA04 DA07 DA31

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部コア層と上部コア層との間に、両コ
    ア層に記録磁界を誘導するコイル層が設けられてなる薄
    膜磁気ヘッドにおいて、 前記コイル層は、第1のコイル層とその上にコイル絶縁
    層を介して形成される第2のコイル層とで構成され、 前記第1のコイル層の巻き中心部は平坦化された面上に
    形成され、前記巻き中心部上には、前記コイル絶縁層内
    を貫通する第1のコンタクト部がメッキ形成され、前記
    コイル絶縁層の上面から露出する前記第1のコンタクト
    部の上面に前記第2のコイル層の巻き中心部が導電接続
    されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 記録媒体との対向面における前記下部コ
    ア層と上部コア層間には、少なくとも非磁性のギャップ
    層と前記ギャップ層と上部コア層間に形成される上部磁
    極層とを有する磁極部が形成され、 前記磁極部と上部コア層との接合面を基準平面としたと
    きに、 前記第1のコイル層は、前記磁極部のハイト方向後方に
    位置し、且つ前記コイル層の上面が前記基準平面よりも
    下側に位置し、 前記第1のコイル層上に形成される前記コイル絶縁層の
    上面は、前記基準平面と同一平面となっている請求項1
    記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第1のコンタクト部の上面は前記コ
    イル絶縁層の上面と同一面上で形成される請求項1また
    は2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1のコイル層とは離れた位置に第
    1のコイルリード層が形成され、前記第1のコイルリー
    ド層のコイル接続端部上に前記コイル絶縁層内を貫通す
    る第2のコンタクト部がメッキ形成され、前記第2のコ
    ンタクト部上に第2のコイル層の巻き終端部が導電接続
    される請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記第2のコンタクト部の上面は前記コ
    イル絶縁層の上面と同一面上に形成される請求項4記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記第1のコイル層とは離れた位置に第
    1のコイルリード層が形成され、前記第1のコイル層の
    巻き終端部には第2のコイルリード層が一体に形成さ
    れ、前記第1のコイルリード層の外部接続端部上及び/
    または前記第2のコイルリード層の外部接続端部上に
    は、前記コイル絶縁層内を貫通する第3のコンタクト部
    がメッキ形成され、前記第3のコンタクト部上に直接あ
    るいは他層を介してバンプが形成されている請求項1な
    いし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記第3のコンタクト部の上面は前記コ
    イル絶縁層の上面と同一面上に形成される請求項6記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記薄膜磁気ヘッドは、前記下部コア層
    の下側に再生用の磁気抵抗効果素子を備えた複合型の薄
    膜磁気ヘッドであり、前記磁気抵抗効果素子にセンス電
    流を供給するための電極リード層が、前記第1のコイル
    層とは離れた位置に形成され、前記電極リード層の外部
    接続端部上に前記コイル絶縁層内を貫通する第4のコン
    タクト部がメッキ形成され、前記第4のコンタクト部上
    に直接あるいは他層を介してバンプが形成されている請
    求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記第4のコンタクト部の上面は前記コ
    イル絶縁層の上面と同一面上に形成される請求項8記載
    の薄膜磁気ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記第1のコンタクト部ないし第4の
    コンタクト部の少なくとも一つのコンタクト部は、下部
    コア層の上面と平行な方向に切断した断面積が一定の大
    きさである請求項1ないし9のいずれかに記載の薄膜磁
    気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記第1のコンタクト部ないし第4の
    コンタクト部のうち少なくとも一つのコンタクト部が、
    導電性材料層とその上に積層された表面に酸化層が存在
    しない所定厚さの導電性保護層とでメッキ形成されてい
    るか、あるいは表面に酸化層が存在しない前記導電性材
    料層でメッキ形成されている請求項1ないし10のいず
    れかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第1のコイル層、第2のコイル
    層、第1のコイルリード層、第2のコイルリード層、及
    び電極リード層のいずれかが、導電性材料層とその上に
    積層された表面に酸化層が存在しない所定厚さの導電性
    保護層とでメッキ形成されているか、あるいは表面に酸
    化層が存在しない前記導電性材料層でメッキ形成されて
    いる請求項1ないし11のいずれかに記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  13. 【請求項13】 前記導電性材料層は、Cu,Au,A
    gのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は
    多層構造から成り、また前記導電性保護層は、Ni,C
    r,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または2種以
    上の元素を含む単層構造又は多層構造から成る請求項1
    1または12に記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 【請求項14】 以下の工程を有することを特徴とする
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。 (a)下部コア層上に、少なくとも非磁性のギャップ層
    と上部磁極層とを有する磁極部を記録媒体との対向面か
    らハイト方向に所定の長さ寸法で形成する工程と、
    (b)前記磁極部のハイト方向後方に、前記下部コア層
    上にコイル絶縁下地層を形成し、前記コイル絶縁下地層
    上に前記磁極部の上面よりも低い高さで第1のコイル層
    をメッキ形成する工程と、(c)前記第1のコイル層上
    をレジスト層で覆い、このとき前記第1のコイル層の巻
    き中心部上に露光現像によって第1のコンタクト部を形
    成するための抜きパターンを形成する工程と、(d)前
    記抜きパターン内に前記第1のコンタクト部をメッキ形
    成する工程と、(e)前記レジスト層を除去し、前記第
    1のコイル層上及び前記第1のコンタクト部上にコイル
    絶縁層を形成する工程と、(f)前記コイル絶縁層の上
    面を前記磁極部の上面と同一面となるように平坦化し、
    このとき前記絶縁層の上面に前記第1のコンタクト部の
    上面を露出させる工程と、(g)前記コイル絶縁層上に
    第2のコイル層をメッキ形成し、このとき前記第2のコ
    イル層の巻き中心部を前記コンタクト部上に導通接続さ
    せる工程と、(h)前記上部磁極層上から前記第2のコ
    イル層上に形成された絶縁層上にかけて上部コア層を形
    成する工程、
  15. 【請求項15】 前記(b)工程のときに、前記第1の
    コイル層とは離れた位置に第1のコイルリード層をメッ
    キ形成し、前記(c)ないし(f)工程と同一工程によ
    って、前記第1のコイルリード層のコイル接続端部上に
    第2のコンタクト部をメッキ形成し、前記(g)工程の
    ときに第2のコイル層の巻き終端部を、前記第2のコン
    タクト部の上面と導通接続させる請求項14記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記(b)工程時に、前記第1のコイ
    ル層とは離れた位置に第1のコイルリード層を形成し、
    また前記第1のコイル層の巻き終端部から前記第1のコ
    イル層と一体で第2のコイルリード層をメッキ形成し、
    前記(c)ないし(f)工程と同一工程によって、前記
    第1のコイルリード層の外部接続端部上及び/または第
    2のコイルリード層の外部接続端部上に第3のコンタク
    ト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、前記第3
    のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介してバンプ
    を形成する請求項14または15に記載の薄膜磁気ヘッ
    ドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記(a)工程の前に、前記下部コア
    層の下側に再生用の磁気抵抗効果素子を形成し、 前記(b)工程のときに、前記第1のコイル層とは離れ
    た位置に、前記磁気抵抗効果素子に検出電流を供給する
    ための電極リード層を形成し、前記(c)ないし(f)
    工程と同一工程によって、前記電極リード層上に第4の
    コンタクト部をメッキ形成し、前記(h)工程の後に、
    前記第4のコンタクト部上に直接にあるいは他層を介し
    てバンプを形成する請求項14ないし16のいずれかに
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記(d)工程における第1のコンタ
    クト部ないし第4のコンタクト部のいずれかのコンタク
    ト部の形成時において、導電性材料層をメッキ形成した
    後、前記導電性材料層の上に、常温または加熱雰囲気で
    の表面の酸化層が所定厚さ以上に進行しない材料を、前
    記所定厚さでメッキ形成して導電性保護層を形成し、前
    記(f)工程のとき、あるいは前記(f)工程と(g)
    工程の間に、前記導電性保護層の表面に形成された酸化
    層を除去して前記コイル絶縁層の上面から前記導電性保
    護層を露出させ、あるいは導電性保護層を全部除去し
    て、前記コイル絶縁層の上面から導電性材料層を露出さ
    せる請求項14ないし17のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記(b)工程時における前記第1の
    コイル層、第1のコイルリード層、第2のコイルリード
    層及び電極リード層の形成時、あるいは前記(g)工程
    時における第2のコイル層の形成時において、導電性材
    料層をメッキ形成した後、前記導電性材料層の上に、常
    温または加熱雰囲気での表面の酸化層が所定厚さ以上に
    進行しない材料を、前記所定厚さでメッキ形成して導電
    性保護層を形成し、次の工程に移行する前に、前記導電
    性保護層の表面に形成された酸化層を除去して前記コイ
    ル絶縁層の上面から前記導電性保護層を露出させ、ある
    いは導電性保護層を全部除去して、前記コイル絶縁層の
    上面から前記導電性材料層を露出させる請求項14ない
    し18のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記導電性材料層を、Cu,Au,A
    gのいずれか一方または両方の元素を含む単層構造又は
    多層構造でメッキ形成し、また前記導電性保護層を、N
    i,Cr,P,Pd,Pt,B又はWのうち1種または
    2種以上の元素を含む単層構造又は多層構造でメッキ形
    成する請求項18または19に記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
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