JP3866472B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3866472B2
JP3866472B2 JP2000019927A JP2000019927A JP3866472B2 JP 3866472 B2 JP3866472 B2 JP 3866472B2 JP 2000019927 A JP2000019927 A JP 2000019927A JP 2000019927 A JP2000019927 A JP 2000019927A JP 3866472 B2 JP3866472 B2 JP 3866472B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
coil
core layer
magnetic pole
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000019927A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001216609A (ja
Inventor
久幸 矢澤
徳昭 沖
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Alps Electric Co Ltd filed Critical Alps Electric Co Ltd
Priority to JP2000019927A priority Critical patent/JP3866472B2/ja
Priority to US09/769,208 priority patent/US6650502B2/en
Publication of JP2001216609A publication Critical patent/JP2001216609A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3866472B2 publication Critical patent/JP3866472B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/313Disposition of layers
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3109Details
    • G11B5/3116Shaping of layers, poles or gaps for improving the form of the electrical signal transduced, e.g. for shielding, contour effect, equalizing, side flux fringing, cross talk reduction between heads or between heads and information tracks
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/31Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
    • G11B5/3163Fabrication methods or processes specially adapted for a particular head structure, e.g. using base layers for electroplating, using functional layers for masking, using energy or particle beams for shaping the structure or modifying the properties of the basic layers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T29/00Metal working
    • Y10T29/49Method of mechanical manufacture
    • Y10T29/49002Electrical device making
    • Y10T29/4902Electromagnet, transformer or inductor
    • Y10T29/49021Magnetic recording reproducing transducer [e.g., tape head, core, etc.]
    • Y10T29/49032Fabricating head structure or component thereof
    • Y10T29/49036Fabricating head structure or component thereof including measuring or testing
    • Y10T29/49043Depositing magnetic layer or coating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Magnetic Heads (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コア層間にコイル層が形成された薄膜磁気ヘッドに係わり、特に上部コア層の形成を適正に行うことができ、狭トラック化と共に、オーバーライト特性を向上させることができ、しかもライトフリンジングの発生を抑制できる薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図30は、従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す縦断面図である。
この薄膜磁気ヘッドは、ハードディスクなどの記録媒体に対向する浮上式磁気ヘッドのスライダのトレーリング側端面に設けられており、記録用のインダクティブヘッドである。
【0003】
符号1は、例えばNiFe合金などの磁性材料で形成された下部コア層である。前記下部コア層1の上には、例えばAl23(アルミナ)やSiO2などの非磁性材料で形成されたギャップ層2が設けられている。さらに前記ギャップ層2上には、レジスト材料やその他の有機材料で形成された絶縁層9が形成されている。
【0004】
前記絶縁層9上には、Cuなどの電気抵抗の低い導電性材料によりコイル層4が螺旋状に形成されている。なお前記コイル層4は、後述する上部コア層6の基端部6bの周囲を周回するように形成されているが、図30では前記コイル層4の一部のみが現れている。
【0005】
そして前記コイル層4は、有機材料などの絶縁層5によって覆われており、前記絶縁層5の上に、パーマロイなどの磁性材料によってメッキされて上部コア層6が形成されている。上部コア層6の先端部6aは、記録媒体との対向部において、下部コア層1上に前記ギャップ層2を介して接合され、ギャップ長Glの磁気ギャップが形成されている。また上部コア層6の基端部6bは、ギャップ層2に形成された穴を介して、下部コア層1に磁気的に接続されている。
【0006】
前記上部コア層6の先端部6aのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法はトラック幅Twで形成され、近年の高記録密度化に伴い、前記トラック幅Twはより小さく形成される必要性がある。
【0007】
書込み用のインダクティブヘッドでは、コイル層4に記録電流が与えられると、下部コア層1及び上部コア層6に記録磁界が誘導され、下部コア層1と上部コア層6の先端部6aとの磁気ギャップ部分からの洩れ磁界により、ハードディスクなどの記録媒体に磁気信号が記録される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した薄膜磁気ヘッドの上部コア層6は、フレームメッキ法によって形成される。前記上部コア層6を形成する際の一工程を表したのが、図31である。
【0009】
図31に示すように、コイル層4を形成し、前記コイル層4を絶縁層5で覆った後、先端付近に露出するギャップ層2上から前記絶縁層5上にかけて、NiFe合金などの磁性材料の下地層7を形成する。
【0010】
次に、前記下地層7上にレジスト層8を形成した後、露光現像によって、上部コア層6の形状パターンを前記レジスト層8に形成し、前記パターン内から露出する下地層7上に、磁性材料の層(上部コア層6)をメッキ形成する。そして、残されたレジスト層8を除去すると、図30に示す上部コア層6が完成する。
【0011】
しかしながら従来の薄膜磁気ヘッドでは、構造上、上部コア層6を形成する際に次のような問題点がある。
【0012】
図31に示すように、下部コア層上には、絶縁層9、コイル層4及び絶縁層5の積層により、前記積層膜が下部コア層1表面から厚さH3で盛り上がり、従って前記コイル層4等が形成されていない下部コア層1上、すなわち前記下部コア層1の先端付近上に形成されるレジスト層8の膜厚H1が非常に厚くなり、逆に、前記絶縁層5上に形成されるレジスト層8の膜厚H2は、薄く形成される。
【0013】
このため前記レジスト層8を露光現像する際に、焦点深度を合わせにくく、前記レジスト層8に上部コア層6のパターンを所定形状に形成しづらく、パターン精度を低下させる原因となっている。
【0014】
特に上記したように、上部コア層6の先端部6aは、その幅寸法がトラック幅Twで形成され、今後の高記録密度化に伴い、前記トラック幅Twはより小さく形成されなければならない。
【0015】
上記したように、前記上部コア層6の先端部6aが形成されるべき部分のレジスト層8の膜厚H1は非常に厚いために、この膜厚H1のレジスト層8部分にパターンを形成するには、露光現像の際に、深い焦点深度を必要とするが、前記焦点深度を深くしようとすると、解像度を悪化させ、所定寸法のトラック幅Twより、前記上部コア層6の先端部6aの幅は広がって形成されてしまう。
【0016】
また下部コア層1上に形成される絶縁層5,9及びコイル層4の盛り上がりにより、レジスト層8の膜厚が、均一でないために、露光現像の際に乱反射が起こり易く、これにより前記上部コア層6を所定形状に、特に前記上部コア層6の先端部6aの幅寸法を、所定寸法のトラック幅Twに形成できなくなる。
【0017】
上記した問題を解決するため、例えば前記絶縁層5,9及びコイル層4の形成位置を、ハイト方向(図示Y方向)にずらして形成し、前記コイル層4等が形成されていない下部コア層1上の先端付近の長さ寸法T1を延ばすことにより、前記長さ寸法T1上に形成されるレジスト層8の膜厚を、図31に示す場合に比べ薄く形成でき、これにより上部コア層6の先端部6aの幅寸法を、所定のトラック幅Twで形成しようとする方法がある。
【0018】
しかしながら上記の場合であっても、レジスト層8の膜厚が不均一になることに変わりはなく、依然として露光現像の際における乱反射等の影響で、上部コア層6を所定形状で形成しづらい。
【0019】
また、コイル層4をハイト方向(図示Y方向)にずらして形成すると、上部コア層6の先端部6aは、長く形成されることになるが、前記先端部6aはトラック幅Twの細長形状で形成されるので、前記先端部6aにて磁気的飽和が起こり易くなり、OW(オーバーライト)特性を低下させる原因となる。
【0020】
なおオーバーライトとは重ね書きのことであり、OW特性は、まず低周波で記録をし、さらに高周波で重ね書きをし、その状態で低周波での記録信号の残留出力が、高周波で重ね書きする前の前記低周波での記録信号の出力からどれほど低下したかで評価する。
【0021】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、上部コア層を所定形状に形成することができると共に、OW特性を向上させ、さらにはライトフリンジングの発生を抑制することが可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層にトラック幅Twで形成された非磁性のギャップ層、上部コア層、及び前記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層とが設けられた薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記下部コア層には記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法にて下部磁極層が形成され、前記下部磁極層にはギャップ層と接する部分において前記トラック幅Twと同じ幅寸法を有する隆起部が形成されてこの隆起部上にギャップ層が接しており、
前記下部磁極層と下部コア層との段差内には、コイル層及び前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層が形成され、
下部磁極層とギャップ層との接合面を基準平面としたときに、前記コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル絶縁層の上面及びコイル層の上面が、前記基準平面と同一面上に位置し、前記基準平面のハイト方向後方には平坦化面が広がっており、
前記ギャップ層上には、トラック幅Twで形成され前面が記録媒体との対向面に露出する先端部と、前記先端部の基端からハイト方向に漸次的に幅寸法が広がる後端部とで構成された上部磁極層が形成され、
前記ギャップ層上であって前記上部磁極層のハイト方向後方には、前記コイル層と電気的に接続されて前記下部コア層および上部コア層に記録磁界を誘導する第2のコイル層と、前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層が形成され、
前記上部コア層は前記上部磁極層と重なる部分の前面全体が曲面であって幅寸法がトラック幅Twより大きく形成され、この上部コア層は前記上部磁極層の前記後端部上に記録媒体との対向面からハイト方向後方にずらされて接合されることを特徴とするものである。
【0023】
本発明は、上部コア層を所定形状に形成すべきことを主目的とし、その目的を達成するために、特にコイル層の形成位置を従来と変えている点に大きな特徴がある。
【0024】
すなわち従来では、前記コイル層はギャップ層上に形成されていたが、この構造では、前記ギャップ層上からコイル層等の盛り上がりを小さく抑えることはできず、その結果、上部コア層を適切にパターン精度良く形成することは難しい。
【0025】
これに対し本発明者らは、前記コイル層をギャップ層下に形成することを見出し、その結果、前記上部コア層をパターン精度良く形成できるようにしたのである。
【0026】
本発明における薄膜磁気ヘッドの構造上の特徴は以下の通りである。すなわち本発明では、まず下部コア層上に、下部磁極層が形成されている。そして前記下部磁極層と下部コア層間に形成される段差内に、コイル層及びコイル絶縁層が形成される。
【0027】
さらに本発明では、前記下部磁極層とギャップ層との接合面を基準平面としたときに、前記段差内に形成されたコイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル絶縁層の上面及びコイル層の上面が、前記基準平面と同一面上に形成され、前記基準平面からハイト方向後方には平坦化面が広がって形成されている。
【0028】
ギャップ層は平坦化された下部磁極層上からコイル絶縁層上にかけて、あるいは下部磁極層上からコイル絶縁層上及びコイル層上にかけて形成されるので、前記ギャップ層の上面もまた平坦化面となっている。
【0031】
また本発明では、前記上部コア層と下部磁極層間に挟まれたギャップ層はトラック幅Twで形成され、前記下部磁極層には、ギャップ層と接する部分において、前記トラック幅Twと同じ幅寸法を有する隆起部が形成されていることが好ましい。またこの場合、前記隆起部の基端から延びる下部磁極層の両側上面には、上部コア層から離れるに従って傾斜する傾斜面が形成されていることが好ましい。これによりライトフリンジングの発生を抑制することができる。
【0032】
また本発明では、前記下部磁極層は前記下部コア層と一体形成されていてもよい。
【0033】
また本発明では、前記下部コア層には、後端部上に持上げ層が形成され、前記持上げ層の上面は前記基準平面と同一面上に位置し、前記持上げ層と上部コア層の基端部とが接して形成されていることが好ましい。前記持上げ層の形成により下部コア層と上部コア層間の磁気的な接合を容易に行うことができる。
【0034】
なお本発明では、前記下部コア層と持上げ層とが一体形成されていてもよい。
また本発明では、前記コイル絶縁層は無機絶縁材料で形成されていることが好ましい。
【0035】
また本発明では、前記基準平面と同一面上は削られた面である。これは後述する製造方法で詳述するように、例えばCMP技術を用いて前記基準平面と同一面上を研磨することにより達成される。
【0036】
また本発明では、前記コイル層と下部コア層との間には、絶縁下地層が形成されていることが好ましい。これにより前記コイル層と下部コア層間の絶縁性耐圧を向上させることができる。
【0037】
また本発明では、トラック幅Twで形成され前面が記録媒体との対向面に露出する先端部と、前記先端部の基端からハイト方向に漸次的に幅寸法が広がる後端部とで構成された上部磁極層が形成され、
前記ギャップ層上であって前記上部磁極層のハイト方向後方には、前記コイル層と電気的に接続されて前記下部コア層および上部コア層に記録磁界を誘導する第2のコイル層と、前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層が形成され、
前記上部コア層は、前記上部磁極層上に記録媒体との対向面からハイト方向後方にずらされて接合される形態であ
【0038】
上記の構成は、コイル層が2層積層されたものであり、これにより、コイル層の幅寸法を小さくできるから、下部コア層から上部コア層を経て形成される磁路長を短くでき、インダクタンスの低減を図り、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0039】
また上記の構成では、ギャップ層上に上部磁極層が形成され、この上部磁極層の記録媒体との対向面に露出する部分における幅寸法はトラック幅Twで形成される。前記上部磁極層は、平坦化面のギャップ層上に直接されるので、パターン精度良く前記上部磁極層を所定寸法のトラック幅Twで形成することができる。
【0040】
また前記上部磁極層上に形成される上部コア層を、ハイト方向にずらして形成し、前記上部コア層は、記録媒体との対向面に露出しないようになっている。
【0041】
このため、上部コア層にトラック幅Twの先端部を形成する必要はなく、前記上部コア層は、上部磁極層と下部コア層間の磁路を繋ぐ役割を果すのみとなるから、磁気飽和の抑制の点から、前記上部コア層の幅寸法を、トラック幅Twに比べて大きく形成することが好ましい。
【0042】
よって、前記上部コア層が形成されるべき面に多少の盛り上がりがあっても、幅寸法の大きな上部コア層をパターン精度良く形成でき、前記上部コア層を所定形状で形成することができる。
【0043】
また前記上部磁極層上に形成される上部コア層を、ハイト方向にずらして形成することで、ライトフリンジングの発生を抑制することも可能である。
【0044】
また本発明では、前記上部磁極層は、トラック幅Twで形成された先端部と、前記細長部の基端からハイト方向に漸次的に幅寸法が広がる後端部とで構成され、前記上部コア層は前記後端部上に接合されることが好ましい。
【0045】
さらに本発明では、前記上部磁極層と上部コア層との接合面を第2の基準平面としたときに、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは第2のコイル絶縁層の上面及び第2のコイル層の上面が前記基準平面と同一面上に位置し、前記基準平面からハイト方向後方には平坦化面が広がっている形態であってもよい。
【0046】
この場合、前記第2のコイル絶縁層は無機絶縁材料で形成されていることが好ましい。また、前記基準平面と同一面上は削られた面である。
【0047】
上記の構成により、上部磁極層上から、第2のコイル絶縁層上、あるいは第2のコイル絶縁層上及び第2のコイル絶縁層上にかけて形成される上部コア層を、よりパターン精度良く形成することが可能である。
【0048】
さらに本発明では、前記第2のコイル絶縁層は有機絶縁材料で形成されていてもよい。この場合、前記第2のコイル絶縁層は、前記第2の基準平面上から多少盛り上がるため、前記上部コア層を完全な平坦化面上に形成することはできないが、上記したように、前記上部コア層はパターン精度が多少低くくても、所定形状に形成することができるので、第2の基準平面からの盛り上がりはそれほど問題とはならない。
【0049】
また本発明では、下部コア層上に持上げ層が形成されていない場合には下部コア層上から、前記下部コア層上に持上げ層が形成されている場合には前記持上げ層上に、第2の持上げ層が形成され、前記上部コア層の基端部が前記第2の持上げ層上に接して形成されることが好ましい。これにより下部コア層上部コア層間の磁気的な接続を行いやすくなる。
【0050】
また本発明は、下部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層に非磁性のギャップ層を介して対向する上部コア層と、前記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層とが設けられた薄膜磁気ヘッドの製造方法において、
(a)下部コア層上に、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法で、下部磁極層を形成する工程と、
(b)前記下部コア層上に絶縁下地層を形成する工程と、
(c)前記絶縁下地層上に、コイル層及び前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層を形成する工程と、
(d)前記下部磁極層の上面を基準平面としたときに、前記コイル絶縁層の上面、あるいはコイル層の上面及びコイル絶縁層の上面が前記基準平面と同一面上となるように、前記コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル層の上面及びコイル絶縁層の上面を削り、前記基準平面からハイト方向後方に平坦化面を形成する工程と、
(e)前記下部磁極層の上面、及び平坦化面上にギャップ層を形成する工程と、
(f)前記ギャップ層上に、トラック幅Twで形成され前面が記録媒体との対向面に露出する先端部と前記先端部の基端からハイト方向に幅寸法が漸次的に広がる後端部とで構成される上部磁極層を形成する工程と、
(g)トラック幅Twで形成された上部磁極層の先端部のギャップ層との接合面から両側に延びるギャップ層を除去する工程と、
(h)除去された前記ギャップ層下に露出する下部磁極層の上面を削り、前記下部磁極層のギャップ層との接合面の幅寸法をトラック幅Twと一致させ、前記下部磁極層に上部磁極層方向に延びる隆起部を形成する工程と、
(i)前記隆起部の基端から延びる下部磁極層の両側上面に、上部磁極層から離れるに従って傾斜する傾斜面を形成する工程、
(j)前記ギャップ層上であって上部磁極層のハイト方向後方に、第2のコイル層と前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を形成する工程と、
(k)上部コア層を前記上部磁極層と重なる部分の前面全体が曲面であって幅寸法がトラック幅Twより大きくなるように形成し、この上部コア層を前記上部磁極層の前記後端部上に記録媒体との対向面からハイト方向後方にずらして接合する工程、を有することを特徴とするものである。
上記のように本発明では、(a)工程にて、下部コア層上に下部磁極層を形成し、(c)工程にて、前記下部コア層と下部磁極層間に形成された段差部内に、コイル層及びコイル絶縁層を形成している。
【0051】
本発明では、さらに(d)工程にて、例えばCMP技術等を使用し、コイル絶縁層の上面、あるいはコイル層の上面及びコイル絶縁層の上面を基準平面(下部磁極層の上面)と同一面上で形成し、前記基準平面からハイト方向後方に広がる平坦化面を形成することで、前記基準平面及び平坦化面上にギャップ層を形成でき、従って、上部コア層を平坦化面のギャップ層上に形成することが可能である。よって上部コア層を形成する際に使用されるレジスト層を薄い膜厚で形成でき、しかも露光現像の際に乱反射等が発生せず、前記上部コア層をパターン精度良く形成できる。特に前記上部コア層の先端付近の幅寸法を所定寸法のトラック幅Twで形成することができ、狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0052】
また本発明では、前記(a)工程において、下部コア層のハイト方向後方に磁性材料製の持上げ層を形成し、前記(d)工程において、前記持上げ層の上面を前記基準平面と同一面上となるように削ることが好ましい
【0053】
前記持上げ層の形成により前記上部コア層と下部コア層間の磁気的な接続を行い易くすることができ、製造工程を容易化することが可能である。
【0054】
また本発明では、前記(a)工程において、下部コア層上にフレームメッキ法にて下部磁極層を形成し、また持上げ層をも形成する場合には、前記持上げ層を下部磁極層と同時にフレームメッキ法で形成することが好ましい。
【0055】
また上記の場合、前記下部磁極層、または下部磁極層及び持上げ層を形成する前に、下部コア層の周囲を絶縁層によって埋めた後、前記下部コア層上及び前記絶縁層上を同一平面状に平坦化することが好ましい。
【0056】
あるいは本発明では、前記(a)工程において、下部磁極層が形成されるべき下部コア層表面を保護し、その他の部分の下部コア層表面を削ることにより、下部コア層から下部磁極層を突出形成し、また持上げ層をも形成する場合には、下部磁極層及び持上げ層が形成されるべき下部コア層表面を保護し、その他の部分の下部コア層表面を削ることにより、下部コア層から下部磁極層及び持上げ層を突出形成してもよい。
【0057】
上記構成の場合、前記下部磁極層、または下部磁極層及び持上げ層を形成する前に、下部コア層の周囲を絶縁層によって埋めた後、前記下部コア層上及び前記絶縁層上を同一平面状に平坦化することが好ましい。
【0058】
本発明では、前記(f)、(g)、(h)工程により、狭トラック化とさらには、ライトフリンジングの発生を抑制できる薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0059】
また本発明では、前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層を、無機絶縁材料で形成することが好ましい。これにより前記コイル絶縁層上面をCMP技術等を用いて適切に研磨加工することができる。
【0060】
また本発明では、コイル層を2層構造で形成でき、よってコイル層の幅寸法を小さくでき、下部コア層から上部コア層を経て形成される磁路長の短磁路化を実現することができる。
【0061】
また本発明では、平坦化されたギャップ層上に上部磁極層を形成でき、よって前記上部磁極層に、トラック幅Twで形成される先端部を、所定寸法で高精度に形成することが可能である。
【0062】
また上部コア層を上部磁極層上に、記録媒体との対向面からハイト方向にずらして形成することで、前記上部コア層を、トラック幅Twに比べ大きな幅寸法で形成することが可能であり、従って、前記上部コア層を形成すべき面に、多少の盛り上がりがあっても、前記上部コア層を、所定形状に形成しやすくできる。
【0064】
また本発明では、前記()工程において、前記上部磁極層の上面を第2の基準平面としたときに、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは第2のコイル層及び第2のコイル絶縁層の上面が、前記第2の基準平面と同一面上に位置するように、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは前記第2のコイル層の上面及び前記第2のコイル絶縁層の上面を削り、前記第2の基準平面からハイト方向後方に広がる平坦化面を形成してもよい。この場合、前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を無機絶縁材料で形成することが好ましい。
【0065】
これはCMP技術等を用いることで実現でき、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは前記第2のコイル層の上面及びコイル絶縁層の上面を、第2の基準平面(上部磁極層の上面)と同一面上で形成することで、前記基準平面上に形成される上部コア層を、パターン精度良く所定形状に形成することができる。
【0066】
また本発明では、前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を有機絶縁材料で形成してもよい。
【0067】
また本発明では、前記()工程において、下部コア層上に持上げ層が形成されている場合には前記持上げ層上に、前記下部コア層上に持上げ層が形成されていない場合には前記下部コア層上に、第2の持上げ層を形成し、前記()工程において、上部コア層の基端部を、前記第2の持上げ層上に接合させることが好ましい。
【0068】
上記工程では、下部コア層上に形成された持上げ層上、あるいは下部コア層上に、第2の持上げ層を形成している。これによりコイル層を2層構造にした場合において、下部コア層と上部コア層間の磁気的な製造を行いやすくなり、製造方法を容易化することが可能である。
【0069】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における第1実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を、記録媒体との対向面から見た部分正面図、図2は、本発明における他の実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図3は、図1に示す3−3線を矢印方向から見た薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、図4は、図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、図5は、図2に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0070】
図1ないし図5に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のインダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダクティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用ヘッド(MRヘッド)が積層された、いわゆる複合型薄膜磁気ヘッドであってもよい。
【0071】
図1に示す符号30は、例えばパーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層である。なお前記下部コア層30の下側に再生用ヘッドが積層される場合、前記下部コア層30とは別個に、磁気抵抗効果素子をノイズから保護するシールド層を設けてもよいし、あるいは、前記シールド層を設けず、前記下部コア層30を、前記再生用ヘッドの上部シールド層として機能させてもよい。
【0072】
図1に示すように前記下部コア層30の上には、下部磁極層11が形成されている。前記下部磁極層11は下部コア層30と同様に、記録媒体との対向面に露出形成され、前記下部磁極層11の下面は前記下部コア層30と磁気的に接続された状態になっている。
【0073】
前記下部磁極層11は、下部コア層30と同じ材質で形成されてもよいが、異なる材質で形成されても良い。ただし記録密度を向上させるためには、前記下部磁極層11は下部コア層30に比べて高い飽和磁束密度を有する磁性材料で形成されることが好ましい。
【0074】
図1に示すように前記下部磁極層11は、トラック幅方向(図示X方向)における幅寸法がT2で形成されている。この幅寸法T2は、少なくとも上部コア層13の幅寸法(=トラック幅Tw)に比べて大きく形成される必要がある。
【0075】
また図1に示すように、前記下部磁極層11の高さ寸法はH4で形成されるが、この高さ寸法H4は、あまり小さすぎると、後述するコイル層14の高さ寸法を稼ぐことができなくなり、前記コイル抵抗値の低減を図るために、コイル層14の幅寸法T3(図3参照)を広げなければならず、長磁路長化を招く結果となる。
【0076】
また前記下部磁極層11の高さ寸法H4が、あまり大きくなりすぎても、前記下部磁極層11を形成しづらくなり、また前記下部磁極層11の部分で磁気飽和に達し易くなり、今後の高記録密度化に対応できないという問題がある。
【0077】
前記下部磁極層11の幅寸法T2は、下部コア層30の幅寸法以下であれば良く、具体的には、5μm〜100μmの範囲内、高さ寸法H4は、具体的には、1μm〜5μmの範囲内であることが好ましい。
【0078】
また前記下部磁極層11は図3に示すように、ハイト方向(図示Y方向)に長さ寸法L2で形成され、前記下部磁極層11は、下部コア層30上に矩形状にて形成されることがわかる。この実施例においては前記下部磁極層11の長さ寸法L2がギャップデプスGdとして規制され、前記ギャップデプスGdは、薄膜磁気ヘッドの電磁変換に多大な影響を与えることから、予め所定の長さに設定される。
【0079】
本発明では図3に示すように、前記下部磁極層11と下部コア層30との段差内には、コイル層14が形成されている。
【0080】
また図3に示すように前記下部コア層30とコイル層14との間には、絶縁下地層15が形成されており、前記下部コア層30とコイル層14間の電気的な絶縁が図られている。図3に示す前記絶縁下地層15は、無機絶縁材料で形成されている。
【0081】
前記無機絶縁材料には、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種以上が選択される。
【0082】
前記絶縁下地層15に無機絶縁材料を使用する場合には、後で製造方法で説明するように、スパッタ法等の既存の方法で形成可能である。
【0083】
ただし前記絶縁下地層15が無機絶縁材料で形成される場合には、前記絶縁下地層15にピンホール等の欠陥が発生しやすいために、前記絶縁下地層15を、無機絶縁材料で形成された絶縁下地層と、有機絶縁材料で形成された絶縁下地層の2層構造とするか、あるいは有機絶縁材料の絶縁下地層の一層で形成する方が好ましい。有機絶縁材料を使用することで、絶縁性耐圧を向上させることが可能である。なお前記有機絶縁材料には、例えばレジストやポリイミド等の周知な材質を使用することができる。
【0084】
また図3に示すように、前記コイル層14の各導体部のピッチ間には、コイル絶縁層16が埋められており、前記コイル絶縁層16は、図1に示すように、記録媒体との対向面において、前記下部磁極層11の両側に露出して形成されている。
【0085】
ところで図3に示すように、本発明では、前記コイル層14の上面及びコイル絶縁層16の上面が、前記下部磁極層11とギャップ層12との接合面を基準平面Dとしたときに、前記基準平面Dと同一面上に位置していることがわかる。
【0086】
従って本発明では、前記基準平面Dからハイト方向(図示Y方向)後方には平坦化面が広がって形成されている。
【0087】
このように前記基準平面Dと同じ面上に、コイル層14の上面及びコイル絶縁層16の上面を揃えるには、後述するように、例えばCMP技術等を用い、前記コイル層14の上面及びコイル絶縁層16の上面を、前記基準平面Dに合わせるべく研磨加工すればよく、これにより前記平坦化面は削られた面となっている。
【0088】
なお図3に示す実施例では、前記コイル層14の上面が前記基準平面Dと同一面上に位置しているが、これにより前記下部磁極層11と下部コア層30間に形成される段差内で、前記コイル層14の高さ寸法も最大に大きくすることができ、よって前記コイル層14の幅寸法T3を最小にすることができ、下部コア層30から上部コア層13を経て形成される磁路長の短磁路化を図ることができる。
【0089】
ただし本発明では、前記コイル層14の上面が、前記基準平面Dよりも高さが低く形成されてもよい。この場合、前記コイル層14の上面は、コイル絶縁層16により覆われ、前記コイル絶縁層16の上面のみが前記基準平面Dと同一面上に揃えられることになる。
【0090】
また本発明では、前記コイル絶縁層16は、無機絶縁材料で形成されることが好ましい。上記したCMP技術等を用いて研磨加工する際に、前記コイル絶縁層16が無機絶縁材料で形成されていると、前記コイル絶縁層16の上面を適切にしかも容易に研磨することができるからである。
【0091】
一方、前記コイル絶縁層16が有機絶縁材料で形成されていると、有機絶縁材料独特のねばりにより、前記コイル絶縁層16の上面を適切に削ることができなくなり好ましくない。
【0092】
ただしコイル絶縁層16が無機絶縁材料で形成されると、前記コイル絶縁層16をスパッタ等で形成する際に、コイル層14の各導体部のピッチ間に無機絶縁材料が侵入しにくく、前記コイル絶縁層16に空洞部等の欠陥が形成される虞がある。よって、基準平面Dよりも下側の位置で有機絶縁材料を、前記コイル層14の各導体部のピッチ間に埋めた後、前記有機絶縁材料層の上に、無機絶縁材料製のコイル絶縁層16を形成することが上記欠陥が発生せず好ましい。
【0093】
本発明では、上記したように、基準平面Dと同一面上にコイル絶縁層16の上面及びコイル層14の上面を位置させているので、前記基準平面Dのハイト方向後方には平坦化面が広がっている。
【0094】
そして本発明では図3に示すように、平坦化された下部磁極層11上、コイル層14上、およびコイル絶縁層16上に、ギャップ層12が形成されるので、前記ギャップ層12の表面もまた平坦化された面となっている。
【0095】
なお前記ギャップ層12は、無機絶縁材料で形成され、前記無機絶縁材料は、具体的には、Al23、SiO2、SiON、AlN、AlSiNのうち1種または2種以上から選択されることが好ましい。
【0096】
本発明の薄膜磁気ヘッドの構成によれば、ギャップ層12の下側に、コイル層14が既に形成されているため、図30に示す従来の薄膜磁気ヘッドのように、ギャップ層12の上にコイル層14の形成は行われない。
【0097】
よって本発明では、平坦化されたギャップ層12の上に、上部コア層13を形成することが可能である。
【0098】
前記上部コア層13は、いわゆるフレームメッキ法で形成される。フレームメッキ法では、まず上部コア層13が形成される面上にレジスト層を形成し、前記レジスト層に上部コア層13のパターンを露光現像で形成する。そして前記パターン内に磁性材料の層をメッキ成長させ、前記レジスト層を除去して、上部コア層13を形成する。
【0099】
上記のように本発明では、上部コア層13が形成されるべき面、すなわちギャップ層12上面は、平坦化面となっているので、前記ギャップ層12上にレジスト層を均一な膜厚で形成でき、しかも前記レジスト層を薄い膜厚で形成できるので、露光現像の際に乱反射等が起こりにくく、また解像度良く、上部コア層13のパターンを形成でき、よって高精度に上部コア層13を形成することができる。
【0100】
ただし上部コア層13とコイル層14間の電気的な絶縁を適正に保つために、前記ギャップ層12上あるいは下に膜厚の薄い無機絶縁材料製あるいは有機絶縁材料製の絶縁下地層を形成することができる。ただし前記絶縁下地層は、記録媒体との対向面にまで延びて露出形成されてはいけない。ギャップ長が大きくなるからである。前記絶縁下地層は、コイル層14が形成されている、その上のギャップ層12上にのみ部分的に形成されることが好ましい。
【0101】
ところで本発明では図1に示すように、記録媒体との対向面に露出する部分において、前記上部コア層13の幅寸法はトラック幅Twで形成される。
【0102】
また前記上部コア層13の形状は、上から見ると図4に示すようになっており、前記上部コア層13は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)にかけてトラック幅Twで形成される先端部Eと、この先端部Eからハイト方向にかけて漸次的に幅寸法が広がる後端部Fとで構成される。
【0103】
上部コア層13の後端部Fは、幅寸法が大きく形成されるので、パターン精度がそれほど高くなくても、ほぼ所定形状で前記後端部Fをパターン形成することができるし、仮に所定形状と多少異なった形状で形成されても磁気的な特性に、さほどの影響を与えない。
【0104】
これに対し、トラック幅Twで形成される先端部Eは、非常に幅寸法が狭く形成され、具体的には、0.5μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。なお狙い寸法に対しては、±0.1μmの誤差の範囲内であることが好ましい。
【0105】
上部コア層の形状において、前記先端部Eの形状は、最も高精度に形成されなければならない部分であり、今後の高記録密度化に伴って、前記先端部Eの幅寸法(=トラック幅Tw)はますます小さく形成されるものと予想される。
【0106】
このように非常に小さい幅寸法を有する先端部Eを形成するには、露光現像の際のパターン精度を向上させて、高精度に前記先端部Eをパターン形成する必要がある。
【0107】
本発明では上記したように、上部コア層13を平坦化面となるギャップ層12上に形成することができるから、上部コア層13の形成の際に使用されるレジスト層の膜厚を薄く形成でき、しかもその膜厚は均一であるから、解像度を向上させることができ、さらに露光現像の際に乱反射等が起こらず、従って前記上部コア層13を所定形状に形成でき、特に最も高精度に形成されるべき、トラック幅Twで形成される先端部Eを、所定の寸法値内で形成することが可能である。
【0108】
また本発明では、上記のようにパターン精度良く上部コア層13を形成することができるので、前記先端部Eのハイト方向への長さ寸法L3を短く形成することもできる。前記長さ寸法L3を短く形成できることで、磁束の飽和を緩和でき、OW(オーバーライト)特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造することが可能になる。
【0109】
なお前記長さ寸法L3は、具体的には1.0μm〜5.0μmの範囲内であることが好ましい。
【0110】
なお本発明では、図3に示すように、下部コア層30と上部コア層13間におけるハイト方向後方には持上げ層17が形成されている。前記持上げ層17は下部コア層30及び/または上部コア層13と同じ材質の磁性材料で形成されてもよいし、あるいは異なる材質で形成されてもよい。
【0111】
前記持上げ層17の形成により、前記持上げ層17上に上部コア層13の基端部13aを接合すれば、上部コア層13−持上げ層17−下部コア層30を経る磁路長を形成でき、製造方法を容易化することができる。
【0112】
また図3に示すように前記持上げ層17は、基準平面Dと同一面上で形成されることが好ましく、これは、コイル層14及びコイル絶縁層16を基準平面Dに合わせて研磨加工する際に、前記持上げ層17の上面も同時に削ることで達成することが可能である。
【0113】
なお本発明では、前記持上げ層17が形成されていなくてもよい。この場合は、コイル絶縁層16に下部コア層30上面にまで繋がる穴部を形成し、前記穴部内に上部コア層13の基端部13aを形成して前記基端部13aを下部コア層30上に接合することで、上部コア層13から下部コア層30を経て形成される磁路長を形成することが可能である。
【0114】
次に本発明では、図2に示すような形状の薄膜磁気ヘッドを形成することも可能である。
【0115】
図2に示すように、下部磁極層11と上部コア層13との間に挟まれるギャップ層12は、トラック幅Twで形成され、さらに下部コア層30上に形成された下部磁極層11は、ギャップ層12との接合面では、トラック幅Twで形成される。
【0116】
さらに下部磁極層11には、前記ギャップ層12との接合面から、下部コア層30方向に延びる隆起部11bが形成されている。この構成により、ライトフリンジングの発生を適切に抑制することができる。
【0117】
また本発明では、前記隆起部11bの基端から下部磁極層11の両側上面には、上部コア層13から離れる方向に傾斜する傾斜面11a,11aが形成されており、これにより、さらにライトフリンジングの発生を適切に抑制することができる。
【0118】
また本発明では図1及び図2に示すように、記録媒体との対向面に露出する上部コア層13は、トラック幅Twで、ギャップ層12との接合面から図示Z方向に、ストレート形状で形成されているので、前記上部コア層13の部分においてもライトフリンジングは発生しにくい構造となっている。
【0119】
また図2に示す構造では、図1に示す構造の薄膜磁気ヘッドに比べて、上部コア層13の幅寸法で規制されるトラック幅Twを、より小さく形成することができ、今後の狭ギャップ化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0120】
図5は図2に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図であるが、図5に示すように、上部コア層13の先端部Eの両側には、下部磁極層10及びコイル絶縁層16が露出し、上部コア層13の後端部Fの両側にはギャップ層12が広がっていることがわかる。
【0121】
一方、図1に示す薄膜磁気ヘッドの平面図である図4では、上部コア層13の両側には全面的にギャップ層12が広がっていることがわかる。
【0122】
この違いは、図1及び図2に示す正面図の形状に起因するものであるが、図5に示すように、上部コア層13の先端部Eの両側では、ギャップ層12が削り取られ、前記ギャップ層12は図2に示すように、トラック幅Twで形成された上部コア層13と下部磁極層11の隆起部11b間にのみ残される。このため、図5に示すように、先端部Eの両側にはギャップ層12が形成されていないのである。
【0123】
そしてギャップ層12が除去されたことにより露出する下部磁極層11及びコイル絶縁層16の上面が図2に示すように傾斜面上に削られている。
【0124】
なお図2に示す薄膜磁気ヘッドの縦断面図は、図3と同一である。
図6は、他の薄膜磁気ヘッドの形態を示す部分縦断面図であり、図7は図6に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0125】
この薄膜磁気ヘッドでは、コイルが2層構造となっている。すなわち図6に示す薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層12の下側の構造は図3に示す薄膜磁気ヘッドとほとんど変わりがない。
【0126】
ただ、図6に示す薄膜磁気ヘッドでは、コイル層14と下部コア層30間の絶縁性耐圧を向上させるべく、無機絶縁材料で形成された絶縁下地層15のみならず、前記絶縁下地層15上にレジスト等の有機絶縁材料で形成された絶縁下地層18も形成されている。形成パターンは、絶縁下地層18が下で、その上に絶縁下地層15が形成されていてもよい。
【0127】
図6に示すようにギャップ層12上には、記録媒体との対向面からハイト方向にかけて所定の長さ寸法L4の上部磁極層19が形成されている。前記上部磁極層19は記録媒体との対向面では、トラック幅Twで露出形成されている。
【0128】
前記上部磁極層19は上部コア層13と同じ材質でも異なる材質で形成されてもどちらでもよい。
【0129】
このように記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)にかけて所定の長さ寸法L4にて上部磁極層19を形成する理由は、第2のコイル層20を形成すべき段差を、ギャップ層12との間で形成するためである。
【0130】
図6に示すように、ギャップ層12と上部磁極層19との間で形成される段差内には、第2のコイル層20が形成されている。そして前記第2のコイル層20の各導体部のピッチ間には、第2のコイル絶縁層21が形成されている。
【0131】
ところでこの実施例では、上部磁極層19と上部コア層13との接合面を第2の基準平面Gとしたとき、前記コイル層20の上面及び第2のコイル絶縁層21の上面は前記第2の基準平面Gと同一面上に形成されている。これはCMP技術等を用い、前記コイル層20及び第2のコイル絶縁層21を研磨加工することで達成することができる。
【0132】
これにより、ギャップ層12と上部磁極層19との段差内で、前記第2のコイル層20を最大に高くして形成することができ、よって前記第2のコイル層20の幅寸法T5を短くすることができ、上部コア層13から下部コア層30を経て形成される磁路長を短く形成することが可能になる。
【0133】
なお前記第2のコイル層20は、前記第2の基準平面Gよりも高さが低く形成されていてもよい。この場合、前記第2のコイル層20上面は第2のコイル絶縁層21に覆われ、前記基準平面Gよりもハイト方向(図示Y方向)後方には、第2のコイル絶縁層21による平坦化面が広がって形成される。
【0134】
またこの場合、前記第2のコイル絶縁層21は無機絶縁材料で形成されることが好ましい。これは前記第2のコイル絶縁層21をCMP技術等を用い研磨加工するためで、前記第2のコイル絶縁層21が有機絶縁材料で形成されると、前記有機絶縁材料独特のねばりにより、前記第2のコイル絶縁層21を削りにくくなり、好ましくない。
【0135】
ただしコイルを2層構造とした場合、2層目となる第2のコイル層20を覆う第2のコイル絶縁層21は、必ずしも第2の基準平面Gと同一面上に形成されなければならないわけではない。
【0136】
図8は、図6に示す薄膜磁気ヘッドを変形した部分縦断面図である。
図8に示す薄膜磁気ヘッドでは、ギャップ層12上に、上部磁極層19が形成され、前記上部磁極層19のハイト方向(図示Y方向)後方であってギャップ層12上に第2のコイル層20が形成されている。
【0137】
前記第2のコイル層20の高さは、上部磁極層19と上部コア層13との接合面を第2の基準平面Gとしたときに、前記基準平面Gと同じ高さであってもよいが、前記基準平面Gよりも高く形成されても、低く形成されてもよい。
【0138】
この実施例では前記基準平面Gよりも第2のコイル層20の高さを高く形成できるので、前記第2のコイル層20の幅寸法T6を、図6における第2のコイル層20の幅寸法T5に比べて、より小さく形成でき、上部コア層13から下部コア層30を経て形成される磁路長の短磁路化を促進させることができる。
【0139】
この実施例では、前記第2のコイル層20を覆う第2のコイル絶縁層24は、レジストやポリイミド等の有機絶縁材料で形成されている。
【0140】
図8に示すように、前記第2のコイル絶縁層24は、上部磁極層19と上部コア層13との接合面を第2の基準平面Gとしたときに、前記第2の基準平面Gよりも高さ寸法H5だけ盛り上がっていることがわかる。
【0141】
そして前記第2のコイル絶縁層24上に上部コア層13が形成されるが、このように上部コア層13は盛り上がりのある表面上にパターン形成されることになるために、完全な平坦面上にパターン形成する場合に比べ、パターン精度は低下する。
【0142】
しかしながら、上部コア層13の形成は、図3に示す場合のように、コイル層を一層構造で形成した場合に比べ高精度に行う必要性は低い。その理由は、前記上部コア層13の平面形状にある。
【0143】
図7に示すように、上部磁極層19はその先端部Eが、トラック幅Twで記録媒体との対向面に露出形成され、しかも記録媒体からハイト方向(図示Y方向)後方に、長さ寸法L5で形成されている。さらにトラック幅Twで形成された前記先端部Eの基端からハイト方向(図示Y方向)後方には、漸次的に幅寸法が広がる後端部Fが形成されている。
【0144】
このように上部磁極層19には、トラック幅Twで形成される先端部Eが形成されるので、前記先端部Eはパターン精度良く形成される必要性があることから、図6及び図8の実施例共に、前記上部磁極層19は、平坦化面のギャップ層12上にパターン形成されている。これにより前記上部磁極層19を、高精度にパターン形成することができ、特に先端部Eを所定のトラック幅Tw寸法内で形成することが可能になる。
【0145】
しかしながら、前記上部磁極層19上に形成される上部コア層13は、記録媒体との対向面からハイト方向にずれて形成され、前記上部コア層13は記録媒体との対向面に露出形成されていない。
【0146】
そして前記上部コア層13は、上部磁極層19の基端部付近に接合されて、上部磁極層19と下部コア層30間の磁路を繋げる役割を担うのみであるため、できる限り磁気的ボリュームを確保する方が、高記録密度化に対応できることから、前記上部コア層13は、前端部から後端部にかけて非常に大きい幅寸法で形成されるのである。
【0147】
従って上部コア層13が形成されるべき表面に多少の盛り上がりがあっても、幅寸法の大きい前記上部コア層13のパターン形成にさほどの支障を与えることなく、前記上部コア層13を所定形状に形成することができるのである。
【0148】
また図6に示す実施例の場合では、第2のコイル層20及び第2のコイル絶縁層21が第2の基準平面Gと同一面上で形成されるが、実際には、前記第2のコイル層20と上部コア層13間の電気的な絶縁を保つ必要があるために、前記第2のコイル層20及び第2のコイル絶縁層21上には、絶縁層22を形成する必要がある。前記絶縁層22は、有機絶縁材料で形成されても無機絶縁材料で形成されてもどちらでもよいし、また前記有機絶縁材料と無機絶縁材料の積層構造であってもよいが、図6では、前記絶縁層22は有機絶縁材料で形成されている。
【0149】
このため、図6に示す実施例の場合も、上部コア層13が形成されるべき表面には多少盛り上がりが発生しているが、その高さは非常に小さく、前記上部コア層13のパターン形成にほとんど影響を与えるものではない。
【0150】
上記したように前記上部コア層13は、上部磁極層19上にハイト方向後方にずれて接合されている。
【0151】
さらに図6及び図8に示すように、上部コア層13の基端部13aでは、下部コア層30上に形成された持上げ層17上に、第2の持上げ層23が形成され、この第2の持上げ層23上面に前記上部コア層13の基端部13aが接合された状態になっている。従って磁路長は、図6及び図8共に、上部磁極層19−上部コア層13−第2の持上げ層23−持上げ層17−下部コア層30を経て形成されることになる。
【0152】
ただし前記第2の持上げ層23は形成されていなくてもかまわない。この場合、前記上部コア層13の基端部13aは、下部コア層30上に形成された持上げ層17上に直接接合されることになる。
【0153】
また下部コア層30上に持上げ層17も形成されていない場合には、前記上部コア層13の基端部13aは、下部コア層30上にまで延び前記下部コア層30上に直接接合されることになる。
【0154】
さらに、前記下部コア層30上に持上げ層17が形成されていない場合に、前記下部コア層30上から第2の持上げ層23を形成して、前記第2の持上げ層23上に上部コア層13の基端部13aを接合することも可能である。
【0155】
図6及び図8に示す実施例共に、持上げ層17及び第2の持上げ層23を形成した理由は、下部コア層30と上部コア層13間の磁気的な接合を容易にしかも確実に行うようにするためであり、持上げ層17及び第2の持上げ層23を形成する方が、薄膜磁気ヘッドの製造を容易化できる点からしても好ましい。
【0156】
図9は本発明における他の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図10は、図9に示す10−10線から切断した薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分縦断面図、図11は、他の形態を示す薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図である。
【0157】
この実施例では図9に示すように下部コア層30と下部磁極層11とが一体形成されている。
【0158】
図9に示すように前記下部磁極層11のトラック幅方向(図示X方向)の両側には、記録媒体との対向面にコイル絶縁層16が露出形成され、さらに前記下部磁極層11及びコイル絶縁層16上には、ギャップ層12が形成されている。そして前記ギャップ層12上には上部コア層13が形成されている。
【0159】
図9に示すように記録媒体との対向面に露出する前記上部コア層13の幅寸法はトラック幅Twで形成されている。また下部磁極層11の幅寸法は、前記トラック幅Twよりも大きい幅寸法T2で形成されている。前記下部磁極層11の幅寸法T2が、上部コア層13の幅寸法(=トラック幅Tw)よりも大きく形成されるのは、後述するように薄膜磁気ヘッドの製造を容易化するためである。
【0160】
また図9の点線で示すように、下部磁極層11と上部コア層13間に挟まれるギャップ層12は、トラック幅Twで形成され、さらに下部磁極層11のギャップ層12との接合面の幅寸法は、トラック幅Twで形成され、前記ギャップ層12との接合面から下部コア層30方向にかけて、下部磁極層11には隆起部11bが形成されている。
【0161】
また前記隆起部11bの基端から延びる前記下部磁極層11の両側上面には、上部コア層13から離れる方向に傾斜する傾斜面11a,11aが形成されている。
【0162】
図10に示すように、下部磁極層11と下部コア層30間に形成される段差内にコイル層14及びコイル絶縁層16が形成され、前記下部磁極層11とギャップ層12との接合面を基準平面Dとしたときに、前記コイル層14及びコイル絶縁層16の上面は、前記基準平面Dと同一面上に位置している。
【0163】
また図10に示すように、下部コア層30の後端部上に形成される持上げ層17もまた前記下部コア層30と一体形成されている。
【0164】
図10に示すように、下部磁極層11上から、コイル層14上さらにはコイル絶縁層16上にかけてギャップ層12が形成され、平坦化面の前記ギャップ層12上に直接上部コア層13がパターン形成されている。図10に示すように前記上部コア層13の基端部13aは前記下部コア層30と一体形成された持上げ層17上に接合されている。
【0165】
図11に示す実施例もまた、下部コア層30、下部磁極層11、および持上げ層17が一体形成されている。
【0166】
この実施例では図6に示す薄膜磁気ヘッドと同様のコイル層が二層形成された形態であり、図11に示すように、ギャップ層12上には、記録媒体との対向面からハイト方向にかけて所定の長さ寸法にて上部磁極層19が形成されている。
【0167】
前記上部磁極層19は、記録媒体との対向面付近では、トラック幅方向(図示X方向)における幅寸法がトラック幅Twで形成されている。
【0168】
図11に示すように前記上部磁極層19とギャップ層12間の段差内には第2のコイル層20と第2のコイル絶縁層21が形成されており、前記上部磁極層19と上部コア層13との接合面を基準平面Gとした場合に、前記第2のコイル層20の上面及び第2のコイル絶縁層21の上面は、前記基準平面Gと同一面上に位置している。
【0169】
図11に示すように、下部コア層30と一体形成された持上げ層17上には、第2の持上げ層23が形成されている。
【0170】
そして前記コイル層20上及び第2のコイル絶縁層21上には絶縁層22が形成され、さらに上部磁極層19上から前記絶縁層22上、さらには第2の持上げ層23上にかけて上部コア層13がパターン形成されている。
【0171】
図11に示すように前記上部コア層13は、上部磁極層19上にハイト方向後方にずれて接合されており、前記上部コア層13の前面は、記録媒体との対向面には露出形成されない。そして前記上部コア層13は、図7に示すのと同様、その幅寸法がトラック幅Twよりも大きく形成されている。
【0172】
以上詳述したように本発明では、いずれの実施例においてもギャップ層12下にコイル層14が形成されている。
【0173】
具体的には、下部コア層30上に、下部磁極層11が形成され、前記下部コア層30と下部磁極層11間の段差内にコイル層14及びコイル絶縁層16が形成されている。
【0174】
前記コイル絶縁層16の上面、あるいは前記コイル層14及びコイル絶縁層16の上面は、前記下部磁極層11とギャップ層12との接合面を基準平面Dとしたときに、前記基準平面Dと同一面上で形成されており、前記基準平面Dのハイト方向後方には平坦化面が広がって形成されている。
【0175】
よって本発明では、前記下部磁極層11、コイル層14及びコイル絶縁層16上に形成されるギャップ層12もまた平坦化されて形成されることになる。
【0176】
上記のように本発明ではギャップ層12下に既にコイル層14が形成されているので、前記ギャップ層12上に形成すべき層は、上部コア層13のみであり、よって本発明では、前記上部コア層13をギャップ層12上に直接形成することが可能である。
【0177】
そして本発明では、前記ギャップ層12は平坦化されて形成されているので、前記ギャップ層上に形成される上部コア層13をパターン精度良く形成することが可能になる。
【0178】
特に本発明では、上部コア層13の記録媒体との対向面付近のトラック幅Twで形成される先端部Eを、高精度で形成することができ、今後の高記録密度化に対応可能な狭トラック化を実現することができる。
【0179】
また本発明では、前記トラック幅Twで形成された先端部Eの長さを、従来に比べ短く形成することができ、磁気的ボリュームの大きい後端部をより記録媒体との対向面方向に近づけて形成することができることで、前記先端部Eでの磁気飽和を抑え、従って磁束の減衰を抑えることができ、OW特性を向上させることが可能になっている。
【0180】
また本発明では、上記したように、コイル層を2層構造で形成する場合、トラック幅Twの先端部Eを有する上部磁極層19上に、上部コア層13をハイト方向にずらして形成し、よって、上部コア層13の前面は記録媒体との対向面に露出形成されない。
【0181】
従って前記上部コア層13にトラック幅Twの先端部Eを形成する必要は無くなり、よって磁気的ボリュームを稼ぐために、上部コア層13の前端部から後端部にかけての幅寸法を大きく形成することができ、前記上部コア層が形成されるべき面に、多少の盛り上がりがあっても、前記上部コア層を所定形状にパターン形成することができる。
【0182】
また幅寸法の大きい前記上部コア層13をハイト方向後方にずらして形成することで、ライトフリンジングの発生を適正に抑制できるという利点もある。
【0183】
例えば図7に示す上部磁極層19の先端部E上に、上部コア層13を重ね合わせた場合、先端部E上には、トラック幅Twよりも幅寸法の大きい上部コア層13が存在することから、前記上部コア層13と先端部Eとの間でライトフリンジングが発生し好ましくない。
【0184】
一方本発明では、図7に示すように、上部コア層13を上部磁極層19の先端部E上ではなく、幅寸法がトラック幅Twよりも漸次的に広がる後端部F上に形成し、また前記後端部Fにおける幅寸法と、上部コア層13の幅寸法はほぼ一致しているので、前記上部コア層13から上部磁極層19にかけて磁束が通る際に、磁束の減衰を起さず、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0185】
また本発明では、下部コア層30上に形成される下部磁極層11、あるいは前記下部コア層30と一体形成される下部磁極層11には、ギャップ層12との接合面をトラック幅Twで形成し、前記接合面から下部コア層30方向に延びる隆起部11bを下部磁極層11に形成し、さらに前記隆起部11bの基端から延びる下部磁極層11の両側上面に、上部コア層13から離れる方向に傾斜する傾斜面11a、11aを形成することで、ライトフリンジングの発生を抑制している。またこの実施形態では、さらなる狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0186】
また本発明では、コイル層を2層構造で形成することで、前記コイル層の幅寸法をより小さく形成することができ、前記下部コア層30から上部コア層13を経て形成される磁路長を短くでき、インダクタンスの低下を図り、今後の高記録密度化に対向可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0187】
また本発明では、下部コア層30の後端部上に、持上げ層17、あるいは前記持上げ層17上に第2の持上げ層23を形成することで、上部コア層13と下部コア層30との磁気的な接合を行い易くなり、製造方法を容易化できて好ましい。
【0188】
図12ないし図19は、図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一連の工程図である。なお図12ないし図19に示す工程図は、薄膜磁気ヘッドを部分縦断面図で示している。
【0189】
図12に示す工程では、下部コア層30上にレジスト層51を塗布した後、前記レジスト層51に下部磁極層11及び持上げ層17が形成されるべき領域にパターン51a,51aを形成し、前記パターン51a,51a内に磁性材料をメッキ形成する。これは、いわゆるフレームメッキ法と呼ばれる製法である。これにより前記下部コア層30上に下部磁極層11及び持上げ層17をメッキ形成することができる。その状態は図13に示されている。なお、下部コア層30上にメッキ下地層を形成してもよいし、形成しなくてもよい。
【0190】
また本発明では前記下部コア層30を形成後、前記下部コア層30の周囲に絶縁層を形成し、さらに下部コア層30及び絶縁層表面を、例えばCMP技術を用いて、研磨加工することで、前記下部コア層30及び絶縁層表面を同一平面状に平坦化することができる。これにより前記下部コア層30上にパターン精度良くレジスト層51を形成でき、また後の工程において前記下部コア層30上にコイル層をパターン精度良く形成することができる。
【0191】
なお図13に示すように、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)後方に所定の長さ寸法L2を有する下部磁極層11を形成する。前記長さ寸法L2は、ギャップデプスGdとして規制されるので、前記長さ寸法L2は、ある所定の寸法内に高精度に形成される必要性がある。
【0192】
また前記下部磁極層11のトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法は、T2で形成され(図1参照)、この幅寸法T2は、トラック幅Twよりも大きく形成される。このようにトラック幅Twよりも大きい幅寸法で形成する理由は、上部コア層13を形成する際に、トラック幅Twで形成される上部コア層13の先端部Eを、ギャップ層12を介して下部磁極層11に適切に対向させるためである。
【0193】
なお前記下部磁極層11及び持上げ層17の高さ寸法は、同じ高さ寸法で形成されても、異なる高さ寸法で形成されてもどちらでもよい。
【0194】
また前記下部コア層30上に下部磁極層11及び持上げ層17を形成する方法は図12に示す製造工程に限らず、例えば図14に示す製造工程によっても形成することができる。
【0195】
すなわち、下部コア層30を形成後、下部磁極層11及び持上げ層52が形成されるべき前記下部コア層30の表面に保護層となるレジスト層52,52を形成し、前記レジスト層52が形成されていない前記下部コア層30表面を例えばエッチングで図に示す点線の位置まで削ることにより、下部コア層30表面から突出する下部磁極層11及び持上げ層17を形成することができる。
【0196】
なおこの工程を用いる場合は、最初、下部磁極層11及び持上げ層17の高さ分だけ下部コア層30の膜厚を厚く形成しておく必要性がある。
【0197】
また本発明では前記下部コア層30を形成後、前記下部コア層30の周囲に絶縁層を形成し、さらに下部コア層30及び絶縁層表面を、例えばCMP技術を用いて研磨加工し、前記下部コア層30及び絶縁層表面を同一平面状に平坦化することが好ましい。
【0198】
次に図15に示すように、前記下部磁極層11上から下部コア層30上、さらには持上げ層17上にかけて絶縁下地層15を形成する。この実施例では前記絶縁下地層15は無機絶縁材料で形成される。
【0199】
ただし前記絶縁下地層15が無機絶縁材料で形成された場合には、前記絶縁下地層15にピンホール等の欠陥が発生しやすいので、前記絶縁下地層15上あるいはその下に有機絶縁材料で形成された絶縁下地層を形成しておくことが好ましい。
【0200】
また前記有機絶縁材料で形成された絶縁下地層を一層のみ形成してもかまわない。
【0201】
図15に示すように前記絶縁下地層15上にコイル層14をパターン形成する。このコイル層14の高さ寸法は、前記上部磁極層11の上面を基準平面としたときに前記基準平面とほぼ同じくらいか、あるいは前記基準平面よりも高いことが好ましいが、低くてもかまわない。
【0202】
次に図16に示す工程では、前記絶縁下地層15上に形成されたコイル層14の各導体部のピッチ間をコイル絶縁層16によって埋める。前記コイル絶縁層16はスパッタ法等の既存の方法で形成され、図16に示すように前記コイル絶縁層16は、前記コイル層14の各導体部のピッチ間のみならず、下部磁極層11の上、持上げ層17上にも形成され、前記コイル層14が前記コイル絶縁層16によって完全に覆われた状態にされる。
【0203】
この実施例においては、前記コイル絶縁層16は無機絶縁材料で形成される。前記無機絶縁材料でコイル絶縁層16を形成する理由は、次工程で説明するCMP技術を用いた研磨加工の際に、前記コイル絶縁層16の上面を削りやすいからであるが、前記コイル絶縁層16を無機絶縁材料で形成すると以下に説明する不具合が発生する可能性がある。
【0204】
すなわち、前記コイル絶縁層16はスパッタ法等で形成されるので、前記コイル絶縁層16がコイル層14の各導体部のピッチ間に適切に侵入せず、前記各導体部のピッチ間に前記コイル絶縁層16によって埋められない空洞部が形成される場合がある。
【0205】
磁気ヘッドの駆動時の高温な環境下では、形成された前記空洞部から薄膜磁気ヘッドの内部構造に変形をもたらす危険性があり好ましくない。
【0206】
このような不具合を無くす方法としては、例えば予め前記コイル層14の各導体部のピッチ間を、次工程で説明する研磨工程の際の、研磨ライン(A−A線)より低い位置にまで有機絶縁材料で埋めておき、前記有機絶縁材料層上にコイル絶縁層16を形成する方法がある。
【0207】
これにより前記コイル層14の各導体部のピッチ間には空洞部の形成は無くなり、高温下での磁気ヘッド駆動においても内部構造に変形をもたらすことがなくなる。
【0208】
次に図16に示すように、前記コイル絶縁層16上面をA−A線まで、例えばCMP技術を用いて研磨して削っていく。この研磨作業により、前記コイル絶縁層16のみならず、下部磁極層11の上面及び持上げ層17の上面も一部研磨されていく。
【0209】
また前記コイル層14が図15に示す工程の段階で、前記下部磁極層11と同程度の高さ位置で形成され、あるいは前記下部磁極層11の高さよりも高い位置にまで形成されている場合には、前記コイル層14の上面もA−A線まで削られることになる。
【0210】
上記研磨加工後の状態を示したのが図17である。前工程での研磨加工により、前記下部磁極層11の上面を基準平面とした場合に、前記基準平面と同一面上にコイル絶縁層16の上面が位置し、さらにコイル層14の上面が図15工程において基準平面よりも高い位置にまで形成されている場合には、前記コイル層14上面も前記基準平面と同一面上に揃えられる。
【0211】
次に図18に示す工程で、前記下部磁極層11上面、コイル層14上面、コイル絶縁層16上面、さらには持上げ層17上面にかけて非磁性のギャップ層12を形成する。
【0212】
そして図18に示すように、前記ギャップ層12のうち、持上げ層17上に形成されたギャップ層12をエッチング等の既存の方法により除去する。
【0213】
上記したように、下部磁極層11の上面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上に、コイル層14上面及びコイル絶縁層16上面が位置するので、前記下部磁極層11、コイル層14さらにはコイル絶縁層16上面に形成されるギャップ層12上面もまた平坦化面となっている。
【0214】
そして図19に示す工程で、前記ギャップ層12上面に上部コア層13を形成する。
【0215】
上部コア層13は、例えばフレームメッキ法で形成される。前記フレームメッキ法は、まず前記ギャップ層12上面にレジスト層を形成し、前記レジスト層に上部コア層13と同一形状のパターンを露光現像により形成する。そして前記パターン内に、磁性材料層をメッキ成長させ、最後に前記レジスト層を除去して、上部コア層13を完成させる。
【0216】
上部コア層13は、記録媒体との対向面からハイト方向後方に所定の長さ寸法にかけてトラック幅Twで形成されており、前記トラック幅Twは、今後の高記録密度化に伴い非常に小さく形成される必要性がある。
【0217】
ところで本発明では、上部コア層13の形成に使用されるレジスト層を平坦化面のギャップ層12上に形成できるので、前記レジスト層の膜厚を均一な膜厚で形成でき、しかも前記レジスト層の膜厚を薄く形成できる。よって前記レジスト層に露光現像の際に乱反射等が起こらず、また解像度を向上させることができ、所定形状の上部コア層13のパターン精度良く形成することができる。従って本発明によれば、上部コア層13の形状のうち最も高精度に形成されるべき、トラック幅Twの先端部Eを、適切に所定のトラック幅Tw寸法内で形成することができる。
【0218】
また本発明では、前記トラック幅Twの先端部Eの長さ寸法を短く形成することができるから、今後の高記録密度化においても磁気的飽和を抑制でき、OW(オーバーライト)特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0219】
また上記したように、持上げ層17上のギャップ層12はエッチング等で除去され、前記持上げ層17上面は、露出した状態になっており、図19に示すように上部コア層13の基端部13aは持上げ層17上に接合される。
【0220】
これにより前記上部コア層13から持上げ層17を介して下部コア層30を経る磁路長が形成される。持上げ層17の形成により、前記上部コア層13と下部コア層30間の磁気的な接合を行い易くなり、製造工程を容易化することができる。
【0221】
図20から図22には、本発明の薄膜磁気ヘッドにおける他の製造方法の工程図が図示されている。
【0222】
まず図13に示す工程と同様に、下部コア層30上に、下部磁極層11と持上げ層17を形成した後、図20に示すように、前記下部磁極層11上から下部コア層30上、さらには持上げ層17上にかけて絶縁下地層15を形成する。そして前記下部コア層30上に形成された絶縁下地層15上に、コイル絶縁層16をスパッタ形成する。
【0223】
前記コイル絶縁層16は無機絶縁材料で形成され、また図20に示すように、前記コイル絶縁層16は下部磁極層11上面、および持上げ層17上面にも形成される。
【0224】
次に図20に示すように、前記コイル絶縁層16をB−B線まで、例えばCMP技術を用いて研磨加工する。なお前記B−B線までの研磨加工は行わなくてもよい。
【0225】
この際、前記下部磁極層11上面及び持上げ層17上面も同時に削られていき、前記下部磁極層11上面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上にコイル絶縁層16上面が位置する状態になる。また前記持上げ層17上面も前記基準平面と同一面上に位置する。
【0226】
次に前記コイル絶縁層16上に、レジスト層(図示しない)を形成し、前記レジスト層にコイル層14と同一形状のパターンを露光現像により形成し、前記パターン内から露出するコイル絶縁層16をエッチングで削って、前記パターンと同一形状のコイル形成溝をコイル絶縁層16に形成する。その状態を示したのが図21である。
【0227】
図21に示すように、前記コイル絶縁層16には、コイル層14と同一なパターン形状となるコイル形成溝16aが形成された状態になっている。
【0228】
ところで、前記コイル形成溝16aの下には、絶縁下地層15が残されているが、前記コイル形成溝16aの形成の際に、前記絶縁下地層15まで削って下部コア層30上面が露出した状態にされてはならない。
【0229】
それは前記コイル形成溝16a内には、次工程で、コイル層14が形成されるので、前記コイル層14と下部コア層30間の絶縁性耐圧を良好に保つためである。
【0230】
図22に示すように、前記コイル形成溝16a内に導電性材料を充填し、前記コイル形成溝16a内にコイル層14を形成する。前記コイル層14の形成は、金属メッキ法や、スパッタ法、あるいはCVD法等の既存の方法が使用される。
【0231】
図22に示すように、コイル層14は、コイル形成溝16a内のみならず、下部磁極層11上、持上げ層17上にも形成され、コイル形成溝16a上で、コイル層14の各導体部は繋がった状態にされているので、前記コイル形成溝16a内にのみコイル層14を収めるために、図22に示すように、CMP技術等を用いて前記コイル層14をC−C線まで削っていく。
【0232】
この際、下部磁極層11上面、コイル絶縁層16上面、持上げ層17上面も前記研磨加工により削られていき、前記下部磁極層11上面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上にコイル絶縁層16、およびコイル層14の上面が位置した状態になる。
【0233】
そして図18、19に示す工程と同様に、前記下部磁極層11上面、コイル層14上面及びコイル絶縁層16上面に、ギャップ層12を形成し、さらに前記ギャップ層12上面に上部コア層13をフレームメッキ法等により形成する。
【0234】
この製造方法においても、前記下部磁極層11上面と同一面上に、コイル絶縁層16及びコイル層14の上面が位置し、前記下部磁極層11上面、コイル層14上面、さらにはコイル絶縁層16上に形成されるギャップ層12の上面は、平坦化面となっているので、前記ギャップ層12上に形成される上部コア層13を、パターン精度良く形成でき、特に前記上部コア層13のトラック幅Twで形成される先端部Eを、所定のトラック幅Tw寸法内で形成することが可能である。
【0235】
図23ないし図25は、図6に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法の工程図が図示されている。
【0236】
図23に示す工程図では、既に、下部コア層30と、前記下部コア層30上に、下部磁極層11、持上げ層17、コイル層14、コイル絶縁層16、およびギャップ層12が形成されている。上記各層の製造方法は、図12ないし図19、あるいは図20ないし図22に示す工程で行なわれる。
【0237】
図23では、前記ギャップ層12上であって、記録媒体との対向面からハイト方向後方に所定の長さ寸法で上部磁極層19を形成する。
【0238】
前記上部磁極層19の製造方法は、上部コア層13と同様にフレームメッキ法が使用され、まず前記ギャップ層12上にレジスト層(図示しない)を形成した後、前記レジスト層に上部磁極層19のパターンを露光現像により形成し、前記パターン内に磁性材料をメッキ成長させることで、上部磁極層19を形成する。
【0239】
前記上部磁極層19の平面形状は、図7に示す通り、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法を有するトラック幅Twで形成された先端部Eと前記先端部Eの基端からハイト方向に幅寸法が漸次的に広がる後端部Fとで構成される。
【0240】
図23に示すように、前記上部磁極層19は、平坦化されたギャップ層12上に形成されるから、前記上部磁極層19の形成に使用されるレジスト層を薄い膜厚で形成でき、しかも均一な膜厚で形成できる。よって、露光現像の際に、乱反射等は発生せず、また解像度を向上させることができ、前記上部磁極層19をパターン精度良く形成できる。特にトラック幅Twで形成される先端部Eを、所定のトラック幅Tw寸法内に高精度に形成することができる。
【0241】
前記上部磁極層19の形成により、図23に示すように、前記ギャップ層12と上部磁極層19間には段差が形成される。また図23に示す実施例では、下部コア層30の後端部上に形成された持上げ層17上に、第2の持上げ層23を形成している。
【0242】
次に図24に示す工程では、前記上部磁極層19のハイト方向後方であって、ギャップ層12上に、第2のコイル層20及び第2のコイル絶縁層21を形成する。
【0243】
前記第2のコイル層20及び第2のコイル絶縁層21の形成方法は、第1層目となるコイル層14及び前記コイル層14の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層16の形成方法と同様であり、具体的には図15ないし図17に示す工程と同様に、まずギャップ層12上に第2のコイル層20をパターン形成した後、前記第2のコイル層20の各導体部のピッチ間を第2のコイル絶縁層21によって埋め、次にCMP技術等を用いて、前記第2のコイル絶縁層21の上面及びコイル層20の上面を、上部磁極層19の上面を第2の基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上になるまで削ることで達成することができる。
【0244】
あるいは、図20ないし図22に示すように、ギャップ層12上に第2のコイル絶縁層21を形成し、次に前記第2のコイル絶縁層21にコイル形成溝を形成した後、前記コイル形成溝内に第2のコイル層20を埋め、CMP技術等を用いて、前記上部磁極層19の上面を第2の基準平面としたときに、前記第2の基準平面と同一面上になるまで、前記第2のコイル層20及び第2のコイル絶縁層21の上面を削ることで達成することができる。
【0245】
上記した製法を用いた場合には、第2のコイル絶縁層21は無機絶縁材料で形成され、前記第2のコイル絶縁層21の上面は、上部磁極層19の上面(=第2の基準平面)と同一面上に位置するが、本発明では、前記第2のコイル絶縁層21の上面が前記第2の基準平面よりも多少盛り上がって形成されてもかまわない。それは第2のコイル絶縁層21に有機絶縁材料を使用することで行なわれ、完成した薄膜磁気ヘッドは図8に示す形態になる。
【0246】
まずギャップ層12と上部磁極層19間の段差内に第2のコイル層20をパターン形成する。この際の前記第2のコイル層20の高さ寸法は、前記第2のコイル層20の上面が上部磁極層19の上面と同一高さであってもよいし、あるいは前記上部磁極層19の上面より低く形成されても高く形成されてもかわない。
【0247】
次に前記第2のコイル層20の各導体部のピッチ間を有機絶縁材料で形成された第2のコイル絶縁層で埋める。この際、前記第2のコイル層20上面も前記第2のコイル絶縁層により覆い、上から見た時に前記第2のコイル層20がコイル絶縁層により完全に覆われた状態にされていなくてはならない。
【0248】
完成した薄膜磁気ヘッドの形態が図示されている図8を見ると、有機絶縁材料で形成された前記第2のコイル絶縁層24は、上部磁極層19の上面から高さH5だけ盛り上がって形成されるが、このような盛り上がりがあっても、次工程で形成される上部コア層13のパターン形成に支障をきたさない。
【0249】
なぜなら前記上部コア層13は、図7に示すように、上部磁極層19の後端部F付近に接合されて形成され、前記上部コア層13の幅寸法自体は、前端部から後端部にかけて一律にトラック幅Twに比べて大きな寸法で形成されるからである。
【0250】
このため前記上部コア層13の形成を、トラック幅Twで形成された先端部の形成の時のように、高いパターン精度で形成しなくても、前記上部コア層13を所定形状で形成し易く、従って図8に示すように、上部コア層13が形成されるべき表面に多少の盛り上がりがあってもよいのである。
【0251】
図24示すように、第2のコイル層20が、上部磁極層19上面と同一面上に位置し、前記第2のコイル層20上面が露出した状態にあっては、前記上部コア層13を形成する際には、図25に示すように、第2のコイル絶縁層21及びコイル層20上に絶縁層22を形成する。この際、前記絶縁層22は第2の持上げ層23上に形成されてはならない。前記第2の持上げ層23上には、次工程で形成される上部コア層13の基端部13aが接合されるからである。
【0252】
前記絶縁層22は、第2のコイル層20が、上部コア層13が形成されるべき表面に露出していなければ形成する必要性はないが、仮に露出していなくても第2のコイル層20と上部コア層13間の絶縁性耐圧を向上させるために、前記絶縁層22を形成する方が好ましい。
【0253】
前記絶縁層22は、無機絶縁材料で形成されてもよいし、有機絶縁材料で形成されてもよいが、絶縁性耐圧を適切に向上させるには、有機絶縁材料で形成される方が好ましい。また無機絶縁材料で形成された絶縁層と有機絶縁材料で形成された絶縁層の積層構造で前記絶縁層22を構成してもよい。
【0254】
図25に示すように、前記上部磁極層19上から絶縁層22上、さらには第2の持上げ層23上にかけて上部コア層13をフレームメッキ法等で形成する。
【0255】
図25に示すように、前記上部コア層13は、上部磁極層19上に記録媒体との対向面からハイト方向にずれた位置で接合される。
【0256】
図8に示すように前記上部コア層13は、上部磁極層19のうち、幅寸法がトラック幅Twから漸次的に広がる後端部F上に接合されることが好ましい。
【0257】
このように前記上部コア層13を、上部磁極層19の後端部F上に接合する理由は、前記上部コア層13の幅寸法は前端部から後端部にかけて一律に、トラック幅Twに比して大きな幅寸法で形成されるからであり、このように幅寸法の大きい上部コア層13が、仮に前記上部磁極層19のうち、トラック幅Twで形成された先端部E上に形成された場合には、前記先端部Eと上部コア層13との間で、トラック幅方向に段差が形成されてしまい、この部分でライトフリンジングが発生しやすくなる。
【0258】
このため前記上部コア層13は、上部磁極層19のうちでも、前記上部磁極層19とほぼ同等な幅寸法を有する後端部F上に接合されることが、ライトフリンジングの発生の抑制には好ましい。
【0259】
また上記したように、前記上部コア層13が形成されるべき表面には絶縁層22の存在や、あるいは第2のコイル絶縁層24の盛り上がり等により、前記上部コア層13を完全な平坦化面上に形成することができないが、前記上部コア層13は、その幅寸法が前端部から後端部にかけて非常に大きく形成されるので、完全な平坦化面上に形成されず、多少の盛り上がりがあっても、前記上部コア層13を所定形状で形成することは可能である。
【0260】
なお図23ないし図25に示す製造工程では、下部コア層30上に持上げ層17が形成されているが、前記持上げ層17が形成されていない場合には、前記第2の持上げ層23を下部コア層30上から形成することが好ましい。
【0261】
また前記第2の持上げ層23は形成されていなくてもよいが、この場合、第2のコイル層20を覆うコイル絶縁層に穴を空けて、前記穴内に、上部コア層13の基端部13aを形成して、前記基端部13aを持上げ層17上、あるいは下部コア層30上に接合させなければならない。
【0262】
図26ないし図29は、図2に示すように下部磁極層11に傾斜面11a,11aを形成するための製造方法が示されている。図26ないし図29に示す工程図は、既に上部コア層13までが形成された後の状態が示されている。なお図26に示す工程図は部分平面図であり、図27ないし図29に示す工程図は部分正面図である。
【0263】
図26に示す工程では、上部コア層13上、および前記上部コア層13のトラック幅方向の両側からはみ出るギャップ層12上にレジスト層40を塗布形成する。
【0264】
前記レジスト層40が形成されるべき部分は斜線で描かれているが、図26に示すように、前記上部コア層13のうち、トラック幅Twで形成される先端部E及びそのトラック幅Twの両側に形成されるギャップ層12の部分には、前記レジスト層40が形成されていない。
【0265】
また前記レジスト層40の形成されない領域は、さらに上部コア層13の後端部F上にまで延びていてもよいが、この場合、少なくともコイル層14が形成されている上には、レジスト層40が形成されていなければならない。前記コイル層14を、後述するイオンミリング等から適切に保護するためである。
【0266】
次に図27に示すように、前記レジスト層40が形成されていない部分のギャップ層12を矢印R方向(垂直方向)からのみ行なわれる異方性エッチングにより除去する。異方性エッチングとしては、例えばプラズマエッチングを使用する。
【0267】
この工程により図27に示す点線部分のギャップ層12が除去され、前記ギャップ層12は、幅寸法が上部コア層13の先端部Eの幅寸法と同様に、トラック幅Twとして上部コア層13と下部コア層30との間に残される。
【0268】
なおプラズマエッチングは、化学的作用により材料を選択的に除去するものであるため、このプラズマエッチングにより、下部コア層30および上部コア層13は、ダメージを受けることがない。
【0269】
前記ギャップ層12が除去された部分では、下部磁極層11及びコイル絶縁層16の表面が露出した状態にされる。
【0270】
図28に示す工程では、第1イオンミリングにより、ギャップ層12の除去により露出した下部磁極層11及びコイル絶縁層16の上面を削る。
【0271】
前記第1イオンミリングには、中性イオン化されたAr(アルゴン)ガスが使用される。この第1イオンミリングでは、矢印S方向および矢印T方向からイオン照射が行われるが、このイオン照射の角度θ1は0から30°の範囲内であることが好ましい。つまり、この工程における第1イオンミリングでは、垂直に近い方向から、下部磁極層11の上面に対してイオンが照射される。
【0272】
下部磁極層11に、垂直に近い方向(矢印SおよびT)からイオンが照射されると、物理的作用により、前記下部磁極層11のギャップ層12との対向面の両側部分が、ほぼ矩形状に削られる。これにより、前記下部磁極層11には、ほぼ直角に段差が形成され、前記ギャップ層12の下には、上部コア層13先端の幅寸法(=トラック幅Tw)とほぼ同じ幅寸法よる隆起部11bが形成される。
【0273】
なお図示されていないが、前記第1イオンミリングにより削り取られた下部磁極層11の磁粉が、上部コア層13、ギャップ層12及び隆起部11bの両側に付着する。
【0274】
このような磁粉の付着は、記録特性を劣化させることから適切に除去しなければならず、さらにライトフリンジングの抑制に効果的な傾斜面11a,11aを下部磁極層11に形成すべく、第2次イオンミリングを行う。
【0275】
第2次イオンミリングでは、第1次イオンミリングと同様に中性イオン化されたAr(アルゴン)ガスが使用される。この第2次イオンミリングでは、図29に示すように、矢印U方向および矢印V方向からイオン照射が行われるが、このイオン照射の角度θ2は45°から70°の範囲内であることが好ましい。つまり、第1次イオンミリング(イオン照射角度θ1は0°から30°)に比べて、より斜め方向からイオンが照射される。
【0276】
矢印Uおよび矢印V方向からイオンが照射されると、物理的作用により、隆起部11bの両側の下部磁極層11上面が、斜めに削り取られ、前記下部磁極層11に傾斜面11a,11aが形成される。なおこの際、コイル絶縁層16の上面も削られていき、前記傾斜面11a,11aと連続する傾斜面16b,16bが形成される。
【0277】
また同時に、第2次イオンミリングでは、上部コア層13、ギャップ層12、および隆起部11bの両側面に付着した磁粉が削り取られ、除去される。前記磁粉が除去されることにより、前記上部コア層13と下部磁極層11との間において、磁気的な短絡が発生しない。
【0278】
また本発明では、第1次イオンミリングや第2次イオンミリングにより、上部コア層13の両側も削れ、前記上部コア層13の幅寸法で規制されるトラック幅Twは、より小さくなり今後の高記録密度化における狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0279】
このように、下部磁極層11に隆起部11b及び傾斜面11aの形成は、ライトフリンジングの発生の抑制に役立つ。
【0280】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、下部コア層上に、記録媒体からハイト方向後方に所定の長さ寸法で下部磁極層を形成し、前記下部磁極層と下部コア層間に形成される段差内に、コイル層及びコイル絶縁層を形成する。
【0281】
そして前記下部磁極層とギャップ層との接合面を基準平面としたときに、前記コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル層の上面及びコイル絶縁層の上面を前記基準平面と同一面上に位置させ、前記基準平面のハイト方向後方に平坦化面を形成することで、前記基準平面及び平坦化面上に形成されるギャップ層もまた平坦化して形成することができる。
【0282】
従って本発明では、前記ギャップ層上に形成される上部コア層を、平坦化された面上に形成することができ、よって前記上部コア層を形成する際に使用されるレジスト層の膜厚を薄く形成することができ、しかも均一に形成できるので、露光現像の際に乱反射等が発生せず、しかも解像度を向上させることができ、前記上部コア層をパターン精度良く形成することができる。
【0283】
特にトラック幅Twで形成される先端部を、高精度に形成することができ、また前記先端部の長さ寸法を短く適切に形成できることから、磁気飽和の発生を抑制でき、OW(オーバーライト)特性に優れた薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0284】
さらに本発明では、下部磁極層に、ギャップ層との接合の幅寸法がトラック幅Twで形成された隆起部及び前記隆起部の基端から延びる下部磁極層の両側上面に上部コア層から離れる方向に傾斜する傾斜面を形成することで、ライトフリンジングの発生を適切に抑制することができる。
【0285】
また本発明ではコイル層を2層構造で形成することができ、これによりコイル層の幅寸法を小さくして、下部コア層から上部コア層を経て形成される磁路長を短くでき、インダクタンスの低減を図り、高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを形成することができる。
【0286】
さらにコイル層を2層構造にした場合において、本発明では、ギャップ層上にトラック幅Twで形成された先端部を有する上部磁極層を、パターン精度良く形成することができ、さらに、前記上部磁極層のハイト方向後方であってギャップ層上に第2のコイル層及び第2のコイル絶縁層を形成することができる。
【0287】
そして本発明では、上部コア層を、上部磁極層上にハイト方向後方にずらして接合することで、前記上部コア層にトラック幅Twで形成される先端部を形成する必要は無くなり、従って前記上部コア層の幅寸法を、トラック幅Twに比べて大きな幅寸法で形成することができる。
【0288】
従って前記上部コア層が形成されるべき面に多少の盛り上がりがあっても、前記上部コア層を所定形状にパターン精度良く形成することができ、また上記のように幅寸法の大きい上部コア層を上部磁極層上にハイト方向後方にずらして形成することで、ライトフリンジングの発生を抑制することができる。
【0289】
また本発明の製造方法によれば、CMP技術等を用いれば、下部磁極層とギャップ層との接合面を基準平面としたときに、前記基準平面と同一面上に、コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル絶縁層の上面及びコイル層の上面を容易にしかも確実に位置させることが可能であり、前記基準平面のハイト方向後方に平坦化面を形成することができる。
【0290】
そして本発明における製造方法によれば、上部コア層を所定形状にパターン精度良く形成することが可能である。
【0291】
また本発明では、下部コア層上に持上げ層を形成することで、上部コア層と下部コア層間の磁気的な接合を行い易くなり、製造工程を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図2】本発明における薄膜磁気ヘッドの他の構造を示す部分正面図、
【図3】図1に示す3−3線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図4】図1に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図5】図2に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図6】本発明における薄膜磁気ヘッドの他の構造を示す部分縦断面図、
【図7】図6に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図8】本発明における薄膜磁気ヘッドの他の構造を示す部分縦断面図、
【図9】本発明における薄膜磁気ヘッドの他の構造を示す部分正面図、
【図10】図9に示す10−10線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分縦断面図、
【図11】本発明における薄膜磁気ヘッドの他の構造を示す部分縦断面図、
【図12】図3に示す薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す一工程図、
【図13】図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図14】他の製造工程を示す一工程図、
【図15】図13に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図17】図16に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図18】図17に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図19】図18に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図20】図3に示す薄膜磁気ヘッドの他の製造方法を示す一工程図、
【図21】図20に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図22】図21に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図23】図6に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す一工程図、
【図24】図23に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図25】図24に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図26】図2に示す下部磁極層の製造方法を示す一工程図、
【図27】図26に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図28】図27に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図29】図28に示す工程の次に行なわれる一工程図、
【図30】従来における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分縦断面図、
【図31】従来における薄膜磁気ヘッドの製造工程を示す一工程図、
【符号の説明】
11 下部磁極層
12 ギャップ層
13 上部コア層
14 コイル層
15、18 絶縁下地層
16 コイル絶縁層
17 持上げ層
19 上部磁極層
20 第2のコイル層
21、24 第2のコイル絶縁層
23 第2の持上げ層
30 下部コア層
40 レジスト層

Claims (24)

  1. 下部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層にトラック幅Twで形成された非磁性のギャップ層、上部コア層、及び前記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層とが設けられた薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記下部コア層には記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法にて下部磁極層が形成され、前記下部磁極層にはギャップ層と接する部分においてトラック幅Twと同じ幅寸法を有する隆起部が形成されてこの隆起部上にギャップ層が接しており、
    前記下部磁極層と下部コア層との段差内には、コイル層及び前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層が形成され、
    下部磁極層とギャップ層との接合面を基準平面としたときに、前記コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル絶縁層の上面及びコイル層の上面が、前記基準平面と同一面上に位置し、前記基準平面のハイト方向後方には平坦化面が広がっており、
    前記ギャップ層上には、トラック幅Twで形成され前面が記録媒体との対向面に露出する先端部と、前記先端部の基端からハイト方向に漸次的に幅寸法が広がる後端部とで構成された上部磁極層が形成され、
    前記ギャップ層上であって前記上部磁極層のハイト方向後方には、前記コイル層と電気的に接続されて前記下部コア層および上部コア層に記録磁界を誘導する第2のコイル層と、前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層が形成され、
    前記上部コア層は前記上部磁極層と重なる部分の前面全体が曲面であって幅寸法がトラック幅Twより大きく形成され、この上部コア層は前記上部磁極層の前記後端部上に記録媒体との対向面からハイト方向後方にずらされて接合されることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記隆起部の基端から延びる下部磁極層の両側上面には、上部コア層から離れるに従って傾斜する傾斜面が形成されている請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記下部磁極層は前記下部コア層と一体形成されている請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記下部コア層には、後端部上に持上げ層が形成され、前記持上げ層の上面は前記基準平面と同一面上に位置し、前記持上げ層と上部コア層の基端部とが接して形成されている請求項1ないし3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記下部コア層と持上げ層とが一体形成されている請求項4記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記コイル絶縁層は無機絶縁材料で形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記基準平面と同一面上は削られた面である請求項1ないし6のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記コイル層と下部コア層との間には、絶縁下地層が形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. 前記上部磁極層と上部コア層との接合面を第2の基準平面としたときに、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは第2のコイル絶縁層の上面及び第2のコイル層の上面が前記基準平面と同一面上に位置し、前記基準平面からハイト方向後方には平坦化面が広がっている請求項1ないし8のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  10. 前記第2のコイル絶縁層は無機絶縁材料で形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 前記基準平面と同一面上は削られた面である請求項10記載の薄膜磁気ヘッド。
  12. 前記第2のコイル絶縁層は有機絶縁材料で形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  13. 下部コア層上に持上げ層が形成されていない場合には下部コア層上から、前記下部コア層上に持上げ層が形成されている場合には前記持上げ層上に、第2の持上げ層が形成され、前記上部コア層の基端部が前記第2の持上げ層上に接して形成される請求項1ないし12のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  14. 下部コア層と、記録媒体との対向面で前記下部コア層に非磁性のギャップ層を介して対向する上部コア層と、前記下部コア層と上部コア層に記録磁界を誘導するコイル層とが設けられた薄膜磁気ヘッドの製造方法において、
    (a)下部コア層上に、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法で、下部磁極層を形成する工程と、
    (b)前記下部コア層上に絶縁下地層を形成する工程と、
    (c)前記絶縁下地層上に、コイル層及び前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層を形成する工程と、
    (d)前記下部磁極層の上面を基準平面としたときに、前記コイル絶縁層の上面、あるいはコイル層の上面及びコイル絶縁層の上面が前記基準平面と同一面上となるように、前記コイル絶縁層の上面、あるいは前記コイル層の上面及びコイル絶縁層の上面を削り、前記基準平面からハイト方向後方に平坦化面を形成する工程と、
    (e)前記下部磁極層の上面、及び平坦化面上にギャップ層を形成する工程と、
    (f)前記ギャップ層上に、トラック幅Twで形成され前面が記録媒体との対向面に露出する先端部と前記先端部の基端からハイト方向に幅寸法が漸次的に広がる後端部とで構成される上部磁極層を形成する工程と、
    (g)トラック幅Twで形成された上部磁極層の先端部のギャップ層との接合面から両側に延びるギャップ層を除去する工程と、
    (h)除去された前記ギャップ層下に露出する下部磁極層の上面を削り、前記下部磁極層のギャップ層との接合面の幅寸法をトラック幅Twと一致させ、前記下部磁極層に上部磁極層方向に延びる隆起部を形成する工程と、
    (i)前記隆起部の基端から延びる下部磁極層の両側上面に、上部磁極層から離れるに従って傾斜する傾斜面を形成する工程、
    (j)前記ギャップ層上であって上部磁極層のハイト方向後方に、第2のコイル層と前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を形成する工程と、
    (k)上部コア層を前記上部磁極層と重なる部分の前面全体が曲面であって幅寸法がトラック幅Twより大きくなるように形成し、この上部コア層を前記上部磁極層の前記後端部上に記録媒体との対向面からハイト方向後方にずらして接合する工程、を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  15. 前記(a)工程において、下部コア層のハイト方向後方に磁性材料製の持上げ層を形成し、前記(d)工程において、前記持上げ層の上面を前記基準平面と同一面上となるように削り、さらに前記(k)において、上部コア層の基端部を、前記持上げ層の上面に接合させる請求項14記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 前記(a)工程において、下部コア層上にフレームメッキ法にて下部磁極層を形成し、また持上げ層をも形成する場合には、前記持上げ層を下部磁極層と同時にフレームメッキ法で形成する請求項14または15に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  17. 前記下部磁極層、または下部磁極層及び持上げ層を形成する前に、下部コア層の周囲を絶縁層によって埋めた後、前記下部コア層上及び前記絶縁層上を同一平面状に平坦化する請求項16記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 前記(a)工程において、下部磁極層が形成されるべき下部コア層表面を保護し、その他の部分の下部コア層表面を削ることにより、下部コア層から下部磁極層を突出形成し、また持上げ層をも形成する場合には、下部磁極層及び持上げ層が形成されるべき下部コア層表面を保護し、その他の部分の下部コア層表面を削ることにより、下部コア層から下部磁極層及び持上げ層を突出形成する請求項14または15に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 前記下部磁極層、または下部磁極層及び持上げ層を形成する前に、下部コア層の周囲を絶縁層によって埋めた後、前記下部コア層上及び前記絶縁層上を同一平面状に平坦化する請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 前記コイル層の各導体部のピッチ間を埋めるコイル絶縁層を、無機絶縁材料で形成する請求項14ないし19のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  21. 前記(j)工程において、前記上部磁極層の上面を第2の基準平面としたときに、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは第2のコイル層及び第2のコイル絶縁層の上面が、前記第2の基準平面と同一面上に位置するように、前記第2のコイル絶縁層の上面、あるいは前記第2のコイル層の上面及び前記第2のコイル絶縁層の上面を削り、前記第2の基準平面からハイト方向後方に広がる平坦化面を形成する請求項14ないし20のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を無機絶縁材料で形成する請求項14ないし21のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 前記第2のコイル層の各導体部のピッチ間を埋める第2のコイル絶縁層を有機絶縁材料で形成する請求項14ないし21のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 前記(f)工程において、下部コア層上に持上げ層が形成されている場合には前記持上げ層上に、前記下部コア層上に持上げ層が形成されていない場合には前記下部コア層上に、第2の持上げ層を形成し、前記(k)工程において、上部コア層の基端部を、前記第2の持上げ層上に接合させる請求項14ないし23のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
JP2000019927A 2000-01-28 2000-01-28 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3866472B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019927A JP3866472B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US09/769,208 US6650502B2 (en) 2000-01-28 2001-01-24 Thin-film magnetic head capable of narrowing track width and method of manufacturing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000019927A JP3866472B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001216609A JP2001216609A (ja) 2001-08-10
JP3866472B2 true JP3866472B2 (ja) 2007-01-10

Family

ID=18546559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000019927A Expired - Fee Related JP3866472B2 (ja) 2000-01-28 2000-01-28 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6650502B2 (ja)
JP (1) JP3866472B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6870705B2 (en) * 2002-01-17 2005-03-22 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Magnetic head having short pole yoke length and method for fabrication thereof
JP3950789B2 (ja) * 2002-07-17 2007-08-01 アルプス電気株式会社 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2006236454A (ja) * 2005-02-24 2006-09-07 Fujitsu Ltd 磁気ヘッドおよび磁気ヘッドの製造方法
US7612964B2 (en) * 2005-09-15 2009-11-03 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic write head having a self aligned, steep shoulder pole structure and method of manufacture thereof

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69229906T2 (de) 1991-12-18 1999-12-23 Hewlett Packard Co Induktiver Dünnfilmwandler mit verbesserter Schreibfähigkeit
JPH06259231A (ja) 1993-03-09 1994-09-16 Toshiba Corp 整数型除算器
US5793578A (en) 1996-11-15 1998-08-11 International Business Machines Corporation Thin film induction recording head having an inset first insulation layer that defines zero throat height and pole tip apex angle
JP2000149219A (ja) * 1998-11-12 2000-05-30 Tdk Corp 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US6650502B2 (en) 2003-11-18
US20010010611A1 (en) 2001-08-02
JP2001216609A (ja) 2001-08-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6922316B2 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
JP3503874B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US7124498B2 (en) Method for manufacturing magnetic head
US6728064B2 (en) Thin-film magnetic head having two magnetic layers, one of which includes a pole portion layer and a yoke portion layer, and method of manufacturing same
JP2005149604A (ja) 磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3747135B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US6768611B2 (en) Thin film magnetic head causing appropriately suppressed side fringing and method of manufacturing the same
JP3529678B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3522620B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
US6987644B2 (en) Thin film magnetic head including coil wound in toroidal shape and method for manufacturing the same
US6515825B1 (en) Thin film magnetic head having a bottom pole layer, a gap layer, and a top pole layer which are formed by plating
JP3847068B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JP3866472B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6320726B1 (en) Thin film magnetic head and method of manufacturing the same, and method of forming thin film coil
US6901651B2 (en) Method of manufacturing thin-film magnetic head
JP3854031B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US6731457B2 (en) Thin-film magnetic head suitable for narrow tracks
US20040179296A1 (en) Magnetic head including a gap-depth defining layer on protruding layer and method for manufacturing the same
JP3831652B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
US20010028531A1 (en) Thin-film magnetic head having lower magnetic pole layer and insulator layer behind the lower magnetic pole layer in the direction of height of the pole layer, and method for manufacturing the thin-film magnetic head
JP2008226399A (ja) 垂直磁気記録ヘッド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031216

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040210

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040409

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20040428

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20040528

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091013

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091013

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees