JP3503874B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等の磁気記録再生装置に使用される薄膜磁気ヘッドの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータの記憶装置を構成する磁気
ディスク装置に用いられる薄膜磁気ヘッドとして、誘導
型書き込み素子と、MR読み取り素子とを有する複合型
のものが主に用いられるようになっている。
【0003】この種の薄膜磁気ヘッドを用いて、高記録
密度に対応するためには、磁気ディスクの単位面積当た
りに記憶されるデータ量(面密度)を高めなければなら
ない。面密度は、書き込み素子の能力によって左右され
る。面密度は、書き込み素子において、書き込みポール
間のギャップ長を小さくすることによって高めることが
できる。但し、ギャップ長の短縮は、書き込みポール間
の磁束強度の減少を招くので、おのずと限界がある。
【0004】記録の面密度を高めるもう一つの手段は、
磁気ディスクに記録できるデータトラック数を増やすこ
とである。磁気ディスクに記録できるトラック数は、通
常、TPI(track per inch)として表現される。書き込み
素子のTPI能力は、データ.トラックの幅を決めるヘ
ッド寸法を小さくすることによって高めることができ
る。このヘッド寸法は、通常、ヘッドのトラック幅と称
されている。
【0005】トラック幅を狭小化する試みは、公知文献
に種々見られる。例えば、特開平7ー262519号公
報及び特開平7ー225917号公報は、フォトリソグ
ラフィ工程の適用によって得られた第2のポール部をマ
スクとして用い、イオン.ビーム.ミリングにより、第
1のポール部のトラック幅を、第2のポール部のトラッ
ク幅に合わせる手段を開示している。
【0006】特開平6ー28626号公報は、第1の磁
気ヨーク層(第1のヨーク部)を形成した後、フォトレ
ジスト層を付着させ、フォトレジスト層に、第1のポー
ル部、ギャップ膜及び第2のポール部でなる磁極端アセ
ンブリをパターン形成するための開口部を設け、次に、
開口部に磁極端アセンブリを形成した後、磁極端アセン
ブリの前部に位置するフォトレジスト層を除去し、この
後、従来方法によりコイル構造や絶縁膜等を構成し、更
に第2の磁気ヨーク層(第2のヨーク部)を形成する方
法を開示している。
【0007】上述した先行技術は、基本的には、フォト
リソグラフィ工程によってパターンニングされたマスク
を用いて、トラック幅を画定するものである。ところ
が、書き込みポール部のトラック幅を狭小化すればする
程、書き込みポール部を構成する磁性膜のアスペクト比
(膜厚tと幅wとの比t/w)が高くなる。フォトリソ
グラフィ工程によってパターンニングされたマスクを用
いて、トラック幅を画定する場合、磁性膜のアスペクト
比が高くなると、必然的に、レジストフレームの高さ
と、トラック幅を決めるフレーム間隔との比が大きくな
るため、磁性膜のメッキ形成が円滑に行われにくくな
り、書き込みポール部の磁気特性が不安定になり、記録
能力が低下する。
【0008】また、薄膜磁気ヘッドにおいて、コイル膜
を支持する絶縁膜は高く盛り上がっている。このため、
第2のヨーク部を形成するためのフォトリソグラフィ工
程において、フォトレジストを付着させた場合、フォト
レジストが段差部に厚く付着する。従って、段差部の下
側に形成される第2のポール部のパターンを、膜厚の厚
いフォトレジストを通してパターンニングしなければな
らず、アスペクト比(レジストの高さと幅の比)が著し
く高くなるため、トラック幅の狭小化が困難である。上
述したような理由から、従来は、約0.8μmのトラッ
ク幅を得るのが限界であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、書き
込みポールのトラック幅を、フォトリソグラフィの限界
を越えた高精度の微小値に設定し得る薄膜磁気ヘッドの
製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法は、書き込
みポール部のうち、少なくとも第2のポール部を、フォ
トリソグラフィによるパターンニング工程を含む工程に
よって形成する。次に、第2のポール部に対し、ドライ
エッチングを施して、縮小されたトラック幅を得る工程
を含む。
【0011】上記製造方法によれば、フォトリソグラフ
ィによって画定された書き込みトラック幅を、ドライエ
ッチングによる削減により、更に狭小化することができ
る。具体的には、フォトリソグラフィによっては極めて
困難な1μm以下のトラック幅、例えば0.5μmであ
っても、容易に実現できる。
【0012】しかも、フォトリソグラフィ工程によって
パターンニングされたマスクを用いて、トラック幅を画
定するプロセスでは、最終的に得られるトラック幅より
も広いトラック幅を得るだけでよい。従って、フォトリ
ソグラフィ工程では、レジストフレームの高さと、トラ
ック幅を決めるフレーム間隔との比(アスペクト比)を
小さくできる。このため、磁性膜のメッキ形成が円滑に
行われるようになり、書き込みポール部の磁気特性を安
定化させ、記録能力の低下を阻止することができる。
【0013】ドライエッチング工程は、好ましくは、イ
オン.ビーム.ミリング工程である。イオン.ビーム.
ミリング工程において、好ましくは、少なくとも2種の
異なるイオン入射角度が、それぞれ、時間的に異なるタ
イミングで選定される。例えば、ある一つのイオン入射
角度(第1のイオン入射角度)は、ギャップ膜及び第1
のポール部の削減を考慮し、それに適した値に選定し、
他のイオン入射角度(第2のイオン入射角度)は、第2
のポール部の側壁面を削減してトラック幅を縮小するの
に適した値に選定する。そして、第1のイオン入射角度
でイオン.ビーム.ミリングを行った後、第2のイオン
入射角度でイオン.ビーム.ミリングを行う。従って、
第2のポール部のトラック幅の画定と、このトラック幅
に合わせたギャップ膜及び第1のポール部の削減とを、
効率良く進めることができる。
【0014】イオン入射角度及びその入射時間は、エッ
チングされる材料、及び、膜厚に応じた最適値に選定さ
れる。本発明はそのようなイオン入射角度及び入射時間
についても開示する。
【0015】本発明の他の目的、構成及び利点は、実施
例である添付図面を参照して、更に詳しく説明する。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る製造方法によ
って得られる薄膜磁気ヘッドの斜視図、図2は図1に図
示された薄膜磁気ヘッドの断面図である。これらの図に
おいて、寸法は誇張されている。まず、図1を参照する
と、図示された薄膜磁気ヘッドは、スライダ1と、少な
くとも1つの誘導型薄膜磁気変換素子2とを含む。スラ
イダ1は媒体対向面側にレール部11、12を有し、レ
ール部11、12の基体表面がABS13、14として
用いられる。レール部11、12は2本に限らない。例
えば、1〜3本のレール部を有することがあり、レール
部を持たない平面となることもある。また、浮上特性改
善等のために、媒体対向面に種々の幾何学的形状が付さ
れることもある。何れのタイプであっても、本発明の適
用が可能である。スライダ1は、AlTiC等のセラミック
材料によって構成される。
【0017】図2を参照すると、薄膜磁気変換素子2
は、第1の磁性膜21と、ギャップ膜24と、第2の磁
性膜22と、コイル膜23と、コイル絶縁膜25と、保
護膜26とを含み、スライダ1上に設けられている。第
1の磁性膜21は、第1のポール部210を有する。コ
イル膜23はコイル絶縁膜25によって支持されてい
る。第1の磁性膜21、ギャップ膜24、第2の磁性膜
22、コイル膜23、コイル絶縁膜25及び保護膜26
は、当業者に周知の組成材料、厚み及びパターンを有
し、通常の手段に従って製造することができる。その好
ましい具体例を挙げると次の通りである。
【0018】まず、第1の磁性膜21はNiFe、CoFe、Co
FeNi等の軟磁性材料を用いて、0.5〜4μm程度の膜
厚となるように形成する。形成手段として、メッキ法や
スパッタ法等を用いることができる。
【0019】第2の磁性膜22はNiFe、CoFe、CoFeNi等
の軟磁性材料を用いて、3〜5μm程度の膜厚となるよ
うに形成する。形成手段としては、フレームメッキ法が
用いられる外、トラック幅狭小化のためのドライエッチ
ング法が用いられる。その詳細については、本発明に係
る製造方法において更に具体的に説明する。
【0020】コイル膜23はCu等の導電性材料から構
成される。コイル膜23の膜厚は2〜5μm程度が好ま
しい。コイル膜23の形成には、フレームメッキ法等を
用いることが好ましい。
【0021】ギャップ膜24はAl2O3、SiO2等の非磁性
絶縁材料、または、非磁性金属材料によって構成するこ
とができる。Al2O3、SiO2等の非磁性絶縁材料で構成す
る場合は、スパッタ法等を用いることができる。非磁性
金属材料によって構成する場合は、メッキ法またはスパ
ッタ法を用いることができる。膜厚は0.01〜0.5
μm程度が好ましい。
【0022】コイル絶縁膜25はフォトレジスト材料を
硬化させて形成することが好ましい。コイル絶縁膜25
は、コイル膜23の層数、及び、コイル支持構造に応じ
て、その層数が変化し、膜厚もそれに伴って変化する。
一般には、3〜20μm程度の膜厚を有する。
【0023】保護膜26はAl2O3、SiO2等の絶縁材料に
よって構成することができる。膜厚は5〜50μm程度
が好ましい。保護膜26はスパッタ法等によって形成す
ることが好ましい。
【0024】コイル膜23は、第1の磁性膜21、第2
の磁性膜22及びギャップ膜24とともに薄膜磁気回路
を構成する。コイル膜23は、コイル絶縁膜25によっ
て支持され、ヨーク部の結合部のまわりを渦巻状にまわ
るように形成されている。コイル膜23の両端は、取り
出し電極27、28(図1参照)に導通されている。コ
イル膜23の巻数および層数は任意である。この実施例
では、2層構造を持つコイル膜23を示してある。
【0025】図示された薄膜磁気ヘッドにおいて、スラ
イダ1は、媒体対向面側にABS13、14を有し、薄
膜磁気変換素子2はスライダ1上に設けられているか
ら、磁気ディスク等の磁気記録媒体と組み合わせて用い
られる浮上型の薄膜磁気ヘッドとして用いることができ
る。
【0026】第2の磁性膜22のヨーク部221は、後
方側が第1の磁性膜21と磁気的に結合されているか
ら、コイル膜23に書き込み電流を流すことによって発
生した磁界を、ヨーク部221によって、第1のポール
部210及び第2のポール部220に効率良く伝送する
ことができる。
【0027】図1及び図2に示した薄膜磁気ヘッドは、
誘導型磁気変換素子2を書き込み専用とし、読み出し用
としてMR素子3を有する複合型である。薄膜磁気変換
素子2、3は、レール部11、12の一方または両者の
媒体移動方向a1の端部に設けられている。媒体移動方
向a1は、媒体が高速移動した時の空気の流出方向と一
致する。
【0028】MR素子3は、これまで、種々の膜構造の
ものが提案され、実用に供されている。例えばパーマロ
イ等による異方性磁気抵抗効果素子を用いたもの、巨大
磁気抵抗(GMR)効果膜を用いたもの等がある。本発
明において、何れのタイプであってもよい。MR素子3
は、第1のシールド膜31と、第2のシールド膜を兼ね
ている第1の磁性膜21との間において、絶縁膜32の
内部に配置されている。絶縁膜32はアルミナ等によっ
て構成されている。MR素子3は、リード導体35(図
2参照)により、取り出し電極33、34に接続されて
いる(図1参照)。
【0029】次に、図1、2に示した薄膜磁気ヘッド
に、本発明に係る製造方法を適用した例を説明する。図
3〜図11は本発明に係る製造方法に含まれる工程を示
す図である。図3〜図11において、図1、2に示され
た構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符
号を付してある。本発明に係る製造方法はウエハー上で
実行されるが、図はウエハー上の一素子のみを示してあ
る。
【0030】まず、図3〜5を参照して説明する。図3
は、ある工程における薄膜磁気ヘッドの磁気変換素子部
分の正面断面図、図4は図3の4ー4線に沿った断面
図、図5は図3、図4に示した磁気変換素子部分の平面
図である。図3〜図5は、図示の都合から、寸法は必ず
しも一致していない。また、寸法は誇張されている。
【0031】図3〜図5に示した状態では、スライダと
なる基体1上に第1の磁性膜21、ギャップ膜24、及
び、コイル膜23を支持するコイル絶縁膜25がすでに
形成されている。コイル絶縁膜25を含む全面には、第
2の磁性膜をメッキによって形成するためのメッキ下地
膜(シード膜)が形成されている。これらの構成部分は
当業者に周知のプロセスに従って形成する。
【0032】コイル絶縁膜25の上には既にフォトレジ
スト6が塗布されている。フォトレジスト6はスピンコ
ート法によって塗布することができる。このフォトレジ
スト6に対してフォトマスクPHMを当て、第2の磁性
膜のためのフォトリソグラフィ工程を実行する。
【0033】図6〜図8はフォトリソグラフィ工程によ
って形成されたレジストフレーム60を示している。レ
ジストフレーム60の内側には第2の磁性膜を形成する
ためのパターン61が画定されている。
【0034】次に、図9〜11に示すように、レジスト
フレーム60によって囲まれたパターン61の内部に、
第2の磁性膜22を、電気メッキ等の手段によって形成
する。第2の磁性膜22はレジストフレーム60の外部
領域にも付着するが、外部領域に付着したメッキ膜は、
ミリング等のドライエッチングによって除去する。図は
このドライエッチング後の状態を示している。第2の磁
性膜22は、スロートハイト零点TH0まではギャップ
膜24及び第1の磁性膜21と平行な第2のポール部2
20を構成し、スロートハイト零点TH0からコイル絶
縁膜25の上面に向かって、エイペックス角θで傾斜す
るように形成される。
【0035】第2のポール部220のトラック幅W20
は、フォトレジスト61のパターンによってほぼ定まる
高精度の寸法、形状に設定されている。従来は、このよ
うにして画定されたトラック幅W20を、最終製品にお
けるトラック幅として利用していた。このため、1μm
以下、特に、0.8μm以下のトラック幅W20を得る
ことが、極めて困難であった。本発明では、トラック幅
を、更に狭小化するための工程が続く。
【0036】まず、図12〜図14に示すように、レジ
ストフレームを除去した後、図15に示すように、第2
のポール部220に対し、ドライエッチングを施す。こ
れにより、図16、図17に示すように、縮小されたト
ラック幅W21を得ることができる。図16、17にお
いて、第2のポール部220は、ギャップ膜24を介し
て、第1のポール部210と対向している。
【0037】上記方法によれば、書き込みポールのトラ
ック幅を、フォトリソグラフィによって定まるトラック
幅W20から、ドライエッチングによる削減により、更
に狭小化された幅W21まで、狭小化することができ
る。フォトリソグラフィによっては極めて困難な1μm
以下のトラック幅W21であっても、容易に実現でき
る。具体的には、従来は不可能視されていた0.5μm
以下のトラック幅W21をも実現することができる。
【0038】しかも、フォトリソグラフィ工程によって
パターンニングされたマスクを用いて、トラック幅W2
0を画定する場合(図3〜図14参照)、最終的に得ら
れるトラック幅W21よりも、広いトラック幅でよい。
従って、フォトリソグラフィ工程では、レジストフレー
ム60の高さと、トラック幅W20を決めるフレーム間
隔との比(アスペクト比)を小さくできる。このため、
第2の磁性膜22のメッキ形成が円滑に行われるように
なり、第2のポール部220の磁気特性を安定化させ、
記録能力の低下を阻止することができる。
【0039】ドライエッチングは、例えば、フォトリソ
グラフィによって得られるトラック幅W20=1.5〜
2.5μmから開始され、最終的に1μm以下のトラッ
ク幅W21が得られるように行う。このようなプロセス
によると、前述した本発明によるを確実に得ることがで
きる。
【0040】ドライエッチング工程は、好ましくは、A
rイオンによるイオン.ビーム.ミリング工程である。
イオン.ビーム.ミリングによると、図16、17に示
すように、ギャップ膜24、及び、第1の磁性膜21に
よって構成される第1のポール部210も、エッチング
される。第1のポール部210は、第2のポール部22
0のトラック幅W21と、ほぼ同じトラック幅W11と
なるように削減されるので、サイドフリンジングを抑制
し得るた好ましいポール構造が得られる。
【0041】イオン.ビーム.ミリング工程において、
好ましくは、少なくとも2種の異なるイオン入射角度θ
1、θ2が、それぞれ、時間的に異なるタイミングで選
定される。イオン入射角度θ1、θ2は、第1のポール
部210の膜面に対する法線nを基準値(0度)にした
ときの値である。この構成によれば、ある一つのイオン
入射角度(第1のイオン入射角度)θ1は、ギャップ膜
24及び第1のポール部210の削減を考慮し、それに
適した値に選定し、他のイオン入射角度(第2のイオン
入射角度)θ2は、第2のポール部220の両側壁面を
削減してトラック幅を縮小するのに適した値に選定す
る。従って、第2のポール部220のトラック幅W21
の画定と、このトラック幅W21に合わせたギャップ膜
24及び第1のポール部210の削減とを、効率良く進
めることができる。
【0042】上述した第1のイオン入射角度θ1による
イオン.ビーム.ミリング工程と、第2のイオン入射角
度θ2によるイオン.ビーム.ミリング工程との組み合
わせは、例えば、2回以上繰り返すのが好ましい。これ
により、第2のポール部220の両側面における削減
と、ギャップ膜24及び第1のポール部210の削減と
を、段階的に、微小量づつ進めることができる。これ
は、トラック幅W21、W11の高精度化に極めて有効
である。
【0043】イオン.ビーム.ミリング工程において、
イオン入射角度θ1、θ2及びその入射時間は、エッチ
ングされる材料、及び、膜厚に応じた最適値に選定され
る。通常の薄膜磁気ヘッドでは、第1のイオン入射角度
θ1は、第1のポール部210の膜面に対する法線nを
基準値0度にして、25〜55度の範囲で選定し、第2
のイオン入射角度θ2は、60〜80度の範囲で選定す
るのが好ましい。
【0044】第1のイオン入射角度θ1を、25〜55
度の範囲に選定すると、第2のポール部220の表面の
削減量を押えながら、第1のポール部210を重点的に
削減することができる。
【0045】第1のイオン入射角度θ1が25度よりも
小さくなると、第2のポール部220の表面の削減が顕
著になり、第2のポール部220の膜減りを招くと共
に、ギャップ膜24及び第1のポール部210の削減が
進み、それに伴って発生した粒子が第2のポール部22
0の側面に再付着する等の問題を生じる。第1のイオン
入射角度θ1が55度よりも大きくなると、第1のポー
ル部210の削減速度が低くなる。
【0046】第2のイオン入射角度θ2を60〜80度
の範囲に選定すると、第1のポール部210の側面及び
第2のポール部220の側面を効率よく削減することが
できる。第2のイオン入射角度θ2が60度よりも小さ
くなると、第1のポール部210及び第2のポール部2
20の横削り(膜面と垂直となる方向)の速度が低下す
る。第2のイオン入射角度θ2が80度よりも大きくな
ると、第1のポール部210及び第2のポール部220
の横削りの速度が顕著になる。
【0047】最適な一例としては、第1のイオン入射角
度θ1を45度に選定し、入射時間を18分(総和)に
選定し、第2のイオン入射角度θ2を70度に選定し、
入射時間を5分(総和)に選定する。
【0048】上述した工程はウエハーの状態で実行され
る。前記ウエハーを、面に垂直な軸の周りに回転させ
る。これにより、ウエハー上に形成された薄膜磁気ヘッ
ド要素の全部に対して、第2のポール部220の両側面
にドライエッチングを施すことができる。
【0049】図18は本発明に係る製造方法を適用し得
る薄膜磁気ヘッドの他の例を示す断面図、図19は図1
8の19ー19線に沿った断面図、図20は図18及び
図19に示した薄膜磁気ヘッドの書き込みポール部の拡
大斜視図である。図に示された構成部分のうち、図1、
2に図示された構成部分と同一の構成部分については、
同一の参照符号を付してある。
【0050】書き込み素子2は、誘導型薄膜磁気変換素
子であり、MR読み取り素子3の上に積層されている。
書き込み素子2の第1の磁性膜21は、第1のヨーク部
211と、第1のポール部210とを含み、第1のポー
ル部210が第1のヨーク部211の上に突出して付着
されている。
【0051】第2の磁性膜22は、第2のポール部22
0と、第2のヨーク部221とを含んでいる。第2のポ
ール部220は、第1のポール部210の上に付着され
たギャップ膜24の上に付着され、トラック幅W21が
第1のポール部210のトラック幅W11と実質的に等
しくなっている。
【0052】第1のポール部210、第2のポール部2
20及びギャップ膜24は、周りが非磁性絶縁膜27に
よって埋められている。非磁性絶縁膜27は、上面が平
坦化され、平坦化された上面が第2のポール部220の
表面と実質的に同一平面を形成している。非磁性絶縁膜
27としては、Al2O3、SiO2等が用いられる。参照符号
26は全体を覆う保護膜であり、Al2O3、SiO2等で構成
されている。
【0053】第2のヨーク部221は、先端部が第2の
ポール部220のトラック幅W21よりも広いトラック
幅W22を有して第2のポール部220の上に積層さ
れ、トラック幅方向の両端が非磁性絶縁膜27の上面に
付着されている。コイル膜23を支持した絶縁膜25
は、非磁性絶縁膜27の上面上に形成されている。
【0054】第1の磁性膜21及び第2の磁性膜22
は、そのヨーク部211、221が第1のポール部21
0及び第2のポール部220とは反対側にある後方の結
合部223において、磁気回路を完成するように互いに
結合されている。絶縁膜25の上に、結合部223のま
わりを渦巻状にまわるように、コイル膜23を形成して
ある。コイル膜23の巻数および層数は任意である。
【0055】上述したように、書き込み素子2の第2の
ポール部220は、第1のポール部210と対向し、か
つ、ギャップ膜24によって分離され、トラック幅W2
1が第1のポール部210のトラック幅W11と実質的
に等しくなっている。このため、サイドフリンジング磁
界の発生を抑え、トラック密度を高め、高密度記録を達
成することができる。
【0056】第2のヨーク部221は、先端部が第2の
ポール部220のトラック幅W21よりも広いトラック
幅W22を有して第2のポール部220の上に積層され
ているから、第2のポール部220のトラック幅W21
を狭小化しても、書き込み能力を損なうことがない。
【0057】更に、第2のヨーク部221を、第2のポ
ール部220と同時に形成するのではなく、第2のポー
ル部220の上に積層する構造であるから、第2のポー
ル部220を、第1のポール部210及びギャップ膜2
4と同一のトラック幅(W21=W11)を有するよう
に形成した後、第2のヨーク部221を形成することが
できる。この構造は、後で説明するように、製造工程
上、多くの利点をもたらす。
【0058】第1のポール部210、第2のポール部2
20及びギャップ膜24は、周りが非磁性絶縁膜27に
よって埋められている。非磁性絶縁膜27は、上面が平
坦化され、平坦化された上面が第2のポール部220の
表面と実質的に同一平面を形成している。この構造の利
点の一つは、第2のヨーク部221を、非磁性絶縁膜2
7の上面に凹部等を設けることなく、第2のポール部2
20の表面に、第2のヨーク部221を直接に結合でき
ることである。このため、第2のポール部220のトラ
ック幅が狭小化された場合でも、第2のポール部に対し
て、第2のヨーク部221を確実、かつ、容易に付着さ
せることができる。しかも、第2のヨーク部221は、
先端部が第2のポール部220のトラック幅W21より
も広いトラック幅W22を有しているから、第2のポー
ル部220のトラック幅W21を狭小化しても、書き込
み能力を損なうことがない。また、第2のヨーク部22
1はトラック幅方向の両端が非磁性絶縁膜27の上面に
付着されているから、第2のポール部220のトラック
幅W21を狭小化しても、充分な付着面積及び付着強度
を確保できる。
【0059】もう一つの利点は、非磁性絶縁膜27の平
坦化により、コイル膜23を形成するための平坦なベー
スが得られることである。即ち、平坦化された非磁性絶
縁膜27の上にコイル膜23及びその支持絶縁膜25を
形成することができる。従って、コイル膜形成工程を、
平坦化された非磁性絶縁膜27の上で実行できるから、
段差のある領域にコイル膜23を形成する場合に発生し
易いコイル膜23の断線、短絡等を回避することができ
る。
【0060】書き込み素子2は、MR読み取り素子3の
上に積層される。この場合、書き込み素子2の第1のヨ
ーク部211が、第2シールド膜として兼用される。第
1のポール部210は第1のヨーク部211の上に突出
して設けられているから、第1のヨーク部211によっ
て構成される第2シールド膜の幅を、MR読み取り素子
3を保護するのに必要な寸法に保ったままで、第1のポ
ール部210のトラック幅W11を狭小化することがで
きる。
【0061】次に図21〜図38を参照して、本発明に
係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。製造
工程はウエハ上で実行されるが、図示では、ウエハ上に
形成された多数の磁気ヘッド要素の一つのみを取り出し
て示してある。
【0062】図21は本発明に係る製造方法の一つのス
テップを示す断面図、図22は図21の22−22線に
沿った拡大断面図である。図21及び図22に示す工程
では、基体1の上に、既に、MR読み取り素子3が形成
されている。MR読み取り素子3の第2シールド膜21
は無機絶縁膜34の表面に形成されている。
【0063】次に、図23及び図24に示すように、第
2シールド膜21の上に、レジストフレーム60を形成
する。レジストフレーム60はフォトリソグラフィ工程
によって形成されたもので、書き込みポール部のパター
ンを画定する内側パターン61を有する。内側パターン
61の幅W31は書き込みポール部のトラック幅W1
0、W20を画定する。
【0064】次に、図25及び図26に示すように、レ
ジストフレーム60によって画定された内側パターン6
1及び外側パターンに、第1の磁性膜51、非磁性膜5
2及び第2の磁性膜53の積層膜71、72を付着させ
る。これらは、フレームメッキ法によって形成できる。
【0065】次に、図27及び図28に示すように、内
側パターン61に付着した積層膜71を残して、外側パ
ターンに付着した積層膜72を除去する。内側パターン
61に付着した積層膜71のうち、第2シールド膜21
の上に付着された第1の磁性膜51が第1のポール部2
10となり、その上に積層された非磁性膜52がギャッ
プ膜24となり、その上に積層された第2の磁性膜53
が第2のポール部220となる。この製造工程によれ
ば、レジストフレーム60を、積層過程の低段差の段階
で形成できるため、第1のポール部210及び第2のポ
ール部220のトラック幅W10、W20を、フォトリ
ソグラフィ工程によって定まる微小値に設定することが
できる。
【0066】しかも、第1のポール部210、ギャップ
膜24及び第2のポール部220は、形成されたレジス
トフレーム60により、同時に画定されるため、高精度
で容易に位置合わせすることができる。
【0067】次に、図29及び図30に示すように、レ
ジストフレーム60を除去する。レジストフレーム60
は有機溶剤またはレジストリムーバー液によって除去で
きる。
【0068】ここで、第1のポール部210、第2のポ
ール部220のトラック幅W10、W20は、フォトレ
ジスト61のパターンによってほぼ定まる寸法、形状に
設定されている。従来は、このようにして画定されたト
ラック幅W10、W20を最終製品におけるトラック幅
として利用していた。本発明では、トラック幅を、更に
狭小化するための工程が続く。
【0069】まず、図31に示すように、積層膜71に
対し、ドライエッチングを施す。これにより、図32に
示すように、縮小されたトラック幅W21を得る。
【0070】上記方法によれば、書き込みポールのトラ
ック幅を、フォトリソグラフィによって定まるトラック
幅W10、W20から、ドライエッチングによる削減に
より、更に狭小化された幅W11、W21まで、狭小化
することができる。具体的には、フォトリソグラフィに
よっては極めて困難な1μm以下のトラック幅W11、
W21であっても、容易に実現できる。
【0071】しかも、フォトリソグラフィ工程によって
パターンニングされたマスクを用いて、トラック幅W1
0、W20を画定する場合、最終的に得られるトラック
幅W11、W21よりも、広いトラック幅でよい。従っ
て、図23〜図30のフォトリソグラフィ工程では、レ
ジストフレーム60の高さと、トラック幅W10、W2
0を決めるフレーム間隔との比(アスペクト比)を小さ
くできる。このため、積層膜71のメッキ形成が円滑に
行われるようになり、第1のポール部210、第2のポ
ール部220の磁気特性を安定化させ、記録能力の低下
を阻止することができる。
【0072】ドライエッチングは、例えばフォトリソグ
ラフィによって得られるトラック幅W10、W20=
1.5〜2.5μmから開始され、最終的に1μm以下
のトラック幅W11、W21が得られるように行う。こ
のようなプロセスによると、前述した本発明によるを確
実に得ることができる。
【0073】図31に示すドライエッチング工程は、好
ましくは、Arイオンを用いたイオン.ビーム.ミリン
グ工程である。イオン.ビーム.ミリング工程におい
て、好ましくは、少なくとも2種の異なるイオン入射角
度θ1、θ2が、それぞれ、時間的に異なるタイミング
で選定される。例えば、第1のイオン入射角度θ1でイ
オン.ビーム.ミリングを行った後、第2のイオン入射
角度θ2でイオン.ビーム.ミリングを行う。第1のイ
オン入射角度θ1は、ヨーク部を構成する第1のヨーク
部211の削減に適した値に選定し、第2のイオン入射
角度θ2は、第1のポール部210、ギャップ膜24及
び第2のポール部220で構成される積層膜71の両側
壁面を削減して、トラック幅を縮小するのに適した値に
選定する。従って、積層膜71のトラック幅の画定と、
このトラック幅に合わせた第1のヨーク部211の削減
とを、効率良く進めることができる。
【0074】上述した第1のイオン入射角度θ1による
イオン.ビーム.ミリング工程と、第2のイオン入射角
度θ2によるイオン.ビーム.ミリング工程との組み合
わせを、複数回、例えば2回程度繰り返すのが好まし
い。これにより、積層膜71の両側面における削減と、
第1のヨーク部211の削減とを、段階的に、微小量づ
つ進めることができる。これは、トラック幅の高精度化
に極めて有効である。
【0075】イオン.ビーム.ミリング工程において、
イオン入射角度及びその入射時間は、エッチングされる
材料、及び、膜厚に応じた最適値に選定される。通常の
薄膜磁気ヘッドでは、第1のイオン入射角度θ1は、第
1のヨーク部211の膜面に対する法線を基準値(0
度)にして、25〜55度の範囲で選定し、第2のイオ
ン入射角度θ2は、60〜80度の範囲で選定するのが
好ましい。
【0076】第1のイオン入射角度θ1を、25〜55
度の範囲に選定すると、積層膜71において、表面層を
構成する第2のポール部220の表面の削減量を押えな
がら、第1のヨーク部211を重点的に削減することが
できる。
【0077】第1のイオン入射角度θ1が25度よりも
小さくなると、積層膜71に含まれる第2のポール部2
20の表面の削減が顕著になり、第2のポール部220
の膜減りを招くと共に、第1のヨーク部211の削減が
進み、それに伴って発生した粒子が積層膜71の側面に
再付着する等の問題を生じる。第1のイオン入射角度θ
1が55度よりも大きくなると、第1のヨーク部211
の削減速度が低くなる。
【0078】第2のイオン入射角度θ2を60〜80度
の範囲に選定すると、第1のヨーク部211及び積層膜
71の側面を効率よく削減することができる。第2のイ
オン入射角度θ2が60度よりも小さくなると、横削り
(膜面と垂直となる方向)の速度が低下する。第2のイ
オン入射角度θ2が80度よりも大きくなると、横削り
の速度が顕著となる。
【0079】最適な一例としては、第1のイオン入射角
度θ1を45度に選定し、入射時間を18分(総和)に
選定し、第2のイオン入射角度θ2を70度に選定し、
入射時間を5分(総和)に選定する。
【0080】実施例の場合、既に、積層膜71に第1の
ポール部210が含まれているので、専ら、積層膜71
の両側面を削減するのに適したイオン入射角θ2だけが
選択されてもよい。
【0081】上述した工程がウエハーの状態で実行され
る。前記ウエハーを、面に垂直な軸の周りに回転させ
る。これにより、ウエハー上に形成された薄膜磁気ヘッ
ド要素の全部に対して、積層膜71の両側面にドライエ
ッチングを施すことができる。
【0082】次に、図33、34に示すように、第1の
ヨーク部211及び積層膜71を覆う非磁性絶縁膜27
を成膜する。非磁性絶縁膜27は、スパッタリング等に
よって形成できる。
【0083】次に、図35及び図36に示すように、非
磁性絶縁膜27の表面を平坦化して、積層膜71に含ま
れる第2のポール部220の表面を露出させる。この平
坦化工程は、研磨法またはイオンビームミリング等によ
って実行できる。
【0084】次に、図37及び図38に示すように、平
坦化された非磁性絶縁膜27の上にコイル膜23及びそ
の支持絶縁膜25を形成した後、第2のヨーク部221
を形成する。このとき、非磁性絶縁膜27は、上面が平
坦化され、平坦化された上面が第2のポール部220の
表面と実質的に同一平面を形成しているから、非磁性絶
縁膜27の上面に凹部等を設けることなく、第2のポー
ル部220の表面に、第2のヨーク部221を直接に結
合できる。このため、第2のポール部220のトラック
幅が狭小化された場合でも、第2のポール部220に対
して、第2のヨーク部221を確実、かつ、容易に付着
させることができる。
【0085】第2のヨーク部221は、先端部が第2の
ポール部220のトラック幅W21よりも広いトラック
幅W22を有するように付着される。この構造によれ
ば、第2のポール部220のトラック幅を狭小化して
も、書き込み能力を損なうことがない。また、第2のヨ
ーク部221はトラック幅方向の両端が非磁性絶縁膜2
7の上面に付着されているから、第2のポール部220
のトラック幅W21を狭小化しても、充分な付着面積及
び付着強度を確保できる。しかも、第2のヨーク部22
1を形成する段階では、書き込み特性を決定する書き込
みポール部(210、24、220)は、既に形成され
ているから、第2のヨーク部221の形成工程により、
トラック幅が変動することがない。
【0086】更に、非磁性絶縁膜27の平坦化により、
コイル膜23を形成するための平坦なベースが得られ
る。即ち、平坦化された非磁性絶縁膜27の上にコイル
膜23及びその支持絶縁膜25を形成することができ
る。従って、コイル膜形成工程を、平坦化された非磁性
絶縁膜27の上で実行できるから、段差のある領域にコ
イル膜23を形成する場合に発生し易いコイル膜23の
断線、短絡等を回避することができる。
【0087】以上、好適な具体的実施例を参照して本発
明を詳説したが、本発明の本質及び範囲から離れること
なく、その形態と細部において、種々の変形がなされ得
ることは、当業者にとって明らかである。
【0088】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、書
き込みポールのトラック幅を、フォトリソグラフィの限
界を越えた高精度の微小値に設定し得る薄膜磁気ヘッド
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造方法によって得られる薄膜磁
気ヘッドの斜視図である。
【図2】図1に図示された薄膜磁気ヘッドの断面図であ
【図3】図1及び図2に示した薄膜磁気ヘッドの製造工
程の一つを示す断面図である。
【図4】図3の4ー4線に沿って切断したときの端面図
である。
【図5】図3、4に示した薄膜磁気ヘッド部分の平面図
である。
【図6】図3〜5に示した工程の後の工程を示す断面で
ある。
【図7】図6の7ー7線に沿って切断したときの端面図
である。
【図8】図6、7に示した薄膜磁気ヘッド部分の平面図
である。
【図9】図6〜8に示した工程の後の工程を示す断面で
ある。
【図10】図9の10ー10線に沿って切断したときの
端面図である。
【図11】図9、10に示した薄膜磁気ヘッド部分の平
面図である。
【図12】図9〜11に示した工程の後の工程を示す断
面である。
【図13】図12の13ー13線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図14】図12、13に示した薄膜磁気ヘッド部分の
平面図である。
【図15】図12〜14に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図16】図15の工程によって得られたポール構造を
示す端面図である。
【図17】図3〜図15の工程によって得られた薄膜磁
気ヘッドのポール部分を拡大して示す斜視図である。
【図18】本発明に係る製造方法によって得られる薄膜
磁気ヘッドの別の例を示す断面図である。
【図19】図18の19ー19線に沿った断面図であ
る。
【図20】図18、19に示した薄膜磁気ヘッドのポー
ル部を拡大して示す斜視図である。
【図21】図18〜20に示した薄膜磁気ヘッドの製造
法に含まれる一 工程を示す断面である。
【図22】図21の22ー22線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図23】図21、22に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図24】図23の24ー24線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図25】図23、24に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図26】図25の26ー26線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図27】図25、26に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図28】図27の28ー28線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図29】図27、28に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図30】図29の30ー30線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図31】図29、30に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図32】図31の工程を経て得られたポール構造を示
す端面図である。
【図33】図31に示した工程の後の工程を示す断面で
ある。
【図34】図33の34ー34線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図35】図33、34に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図36】図35の36ー36線に沿って切断したとき
の端面図である。
【図37】図35、36に示した工程の後の工程を示す
断面である。
【図38】図37の38ー38線に沿って切断したとき
の端面図である。
【符号の説明】
1 スライダ 2 誘導型薄膜磁気変換素子 210 第1のポール部 220 第2のポール部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 治 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−262519(JP,A) 特開2000−20915(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/31

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 書き込みポール部と、第1のヨーク部
    と、第2のヨーク部と、コイル膜とを含む薄膜磁気ヘッ
    ドを製造する方法であって、 前記書き込みポール部は、第1のポール部と、ギャップ
    膜と、第2のポール部とを、この順序で積層した積層膜
    であり、 前記第1のヨーク部は、一面上に前記積層膜が突出して
    設けられ、前記積層膜の前記第1のポール部が隣接して
    おり、 前記第2のヨーク部は、先端部が前記第2のポール部の
    トラック幅よりも広い幅を有して前記第2のポール部の
    上に積層され、媒体対向面とは反対側の後方において前
    記第1のヨーク部に接続されており、 前記コイル膜は、前記第1のヨーク部と前記第2のヨー
    ク部との接続部分を渦巻き状に周回しており、 第1のポール部、第2のポール部及びギャップ膜は、周
    りが非磁性絶縁膜によって埋められており、前記非磁性
    絶縁膜は、上面が平坦化され、平坦化された上面が前記
    第2のポール部の表面と実質的に同一平面を形成してお
    り、 前記薄膜磁気ヘッドの製造にあたり、 前記第1のポール部、前記ギャップ膜及び前記第2のポ
    ール部の積層膜を、フォトリソグラフィによるパターン
    ニング工程によって形成し、 次に、前記積層膜の両側面に対し、ドライエッチングを
    施して、前記積層膜について縮小されたトラック幅を得
    る工程を含み、 前記ドライエッチングは、フォトリソグラフィによって
    得られた幅から開始され、最終的に1μm以下のトラッ
    ク幅が得られるように行い、 次に、前記第1のヨーク部及び前記積層膜を覆う非磁性
    絶縁膜を成膜した後、前記非磁性絶縁膜の表面を平坦化
    して、前記積層膜に含まれる前記第2のポール部の表面
    を露出させ、 次に、平坦化された前記非磁性絶縁膜の上に、前記コイ
    ル膜及びその支持絶縁膜を形成した後、前記支持絶縁膜
    の上に前記第2のヨーク部を形成し、前記第2のヨーク
    部は、先端部が、前記第2のポール部のトラック幅より
    も広い幅を有して、前記第2のポール部に付着される工
    程を含む薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された製造方法であっ
    て、前記ドライエッチング工程は、イオン.ビーム.ミ
    リング工程である製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載された製造方法であっ
    て、前記イオン.ビーム.ミリング工程において、少な
    くとも2種の異なるイオン入射角度が、それぞれ、時間
    的に異なるタイミングで選定される製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された製造方法であっ
    て、第1のイオン入射角度によるイオン.ビーム.ミリ
    ング工程と、第2のイオン入射角度によるイオン.ビー
    ム.ミリング工程との組み合わせを、複数回繰り返す製
    造方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載された製造方法
    であって、前記第1のイオン入射角度は、膜面に対する
    法線を基準値0度にして、第25〜55度の範囲で選定
    され、 前記第2のイオン入射角度は、前記法線を基準値0度に
    して、60〜80度の範囲で選定される製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れかに記載された製
    造方法であって、工程がウエハーの状態で実行され、前
    記ウエハーを面に垂直な軸の周りに回転させる製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6の何れかに記載された製
    造方法であって、前記薄膜磁気ヘッドは、磁気抵抗効果
    素子を含む製造方法。
JP27624698A 1998-09-29 1998-09-29 薄膜磁気ヘッドの製造方法 Expired - Fee Related JP3503874B2 (ja)

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