JP4026743B2 - 磁気ヘッド製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁化の方向により情報が記録される磁気記録媒体に情報を記録する磁気ヘッドを製造する磁気ヘッド製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータの普及に伴って、日常的に多量の情報が取り扱われるようになっている。このような情報は、情報記録再生装置によって、多数の物理的な印によって記録媒体に記録され、その記録された情報は、情報記録再生装置によって、その記録媒体上の印を読み取って電気的な再生信号を生成することにより再生される。
【0003】
ハードディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)は、そのような情報記録再生装置の一種であり、記憶容量が大きく、情報へのアクセス速度が速いという特徴を持つ。このHDDは、一般に、表面が磁性材料からなる記録媒体である磁気ディスクと、磁気ディスクに情報を記録あるいは磁気ディスクに記録された情報を再生する磁気ヘッドとを備えている。
【0004】
磁気ディスクは、表面が微小領域(1ビット領域)ごとに磁化されており、1ビットの情報がこの1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。
【0005】
また、磁気ヘッドは、一般に、薄膜状のコイルを有するものであって、磁気ディスクに近接して配置される。この磁気ヘッドに備えられたコイルに電流を供給することによって磁界が発生し、その磁界が外部に漏れ出す。この外部に漏れ出した磁界によって、磁気ディスクの各微小領域の磁化が反転されることによって、磁気ディスクに情報が記録される。
【0006】
ところで、この磁気ディスクの面記録密度は年々向上し続けており、その面記録密度の向上に伴って、磁気ヘッドの情報を記録する性能の向上も求められており、例えば、磁気ヘッドによる磁気ディスクへの情報の記録における、情報転送速度の一層の高速化を目的とした記録周波数の高周波化が要求されている。こうした高速化を実現するにあたっては、磁気ヘッドに備えられたコイルを構成する導電性物質同士の間隔を狭めて、ヨーク部、すなわち記録ギャップと、上部磁極および下部磁極の結合部(バックギャップ)とに挟まれた部分の長さを短縮化することが好ましい。これによって、そのコイルで磁界が発生してから磁気ディスクへ記録されるまでの時間的ずれが小さくなり高周波記録が可能となる。
【0007】
ところで、この磁気ヘッドに備えられたコイル上には、電流のリークを防ぐために、例えばアルミナ(Al23)などといった金属元素を含んだ絶縁物質からなるオーバーコート層が、スパッタリングや蒸着といった手法により形成されている。
【0008】
以下、図16を参照して、磁気ヘッドを製造する工程のうち、スパッタリングによってAl23からなるオーバーコート層をコイル上に形成する工程を説明する。
【0009】
図16(a)は、磁気ヘッドに備えられたコイルの一部分を示す側断面図であり、図16(b)は、図16(a)に示すコイル上にAl23からなるオーバーコート層が形成された後の側断面図である。
【0010】
図16(a)に示す工程では、鍍金法によって、図示しない絶縁層上に沿った渦巻状のCuからなるコイル70が形成される。
【0011】
図16(b)に示す工程では、図16(a)に示す工程で形成されたコイル70の上に、スパッタリングによって、Al23からなるオーバーコート層81を形成する。
【0012】
ところで、上述したように、磁気ヘッドによる磁気ディスクへの情報の記録における、書き込み速度の高速化を実現することを目的とした磁極ヨーク長短縮のために、コイル70を構成する銅線の間隔を狭めると、銅線同士の隙間をAl23で完全に埋めることが難しく、図16(b)に示すような空隙82が生じるおそれがある。そのような空隙82が生じると、コイル70が腐食(酸化)してコイル70における電気抵抗が増大し、例えば、コイルへの供給電圧の増大や、コイルでの発熱量の増大などといった問題の原因となるおそれがある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、Al23などといった、金属元素を含んだ絶縁物質よりも流動性が高い絶縁物質の一種であるフォトレジストをコイル上に塗布し、このフォトレジストに、例えば、熱処理やUV(ultraviolet:紫外線)処理を施してフォトレジストを硬化させることによって、コイル上にフォトレジスト層を形成する手法が知られている。
【0014】
図17は、コイルを構成する導電性物質同士の隙間をフォトレジストで埋めた従来の磁気ヘッドの側断面図である。
【0015】
図17に示す磁気ヘッドは、再生ヘッド10と記録ヘッド90とから構成された複合型磁気ヘッド32である。
【0016】
複合型磁気ヘッド32のうちの、再生ヘッド10は、素子部11と、この素子部11を膜厚方向の両側から挟むように配置された再生下部シールド12および再生上部シールド13と、これら再生下部シールド12と再生上部シールド13との間を埋めて素子部11を膜厚方向の両側から挟むように配置された再生ギャップ層14とを有する。
【0017】
ここで、再生ヘッド10の再生上部シールド13は、後述する記録ヘッド90の下部磁極を兼ねたものであるため、以下の説明では、この下部磁極に、再生上部シールド13と同じ符号を付し、下部磁極13と称する。
【0018】
また、この複合型磁気ヘッド32のうちの、記録ヘッド90は、下部磁極13と、この下部磁極13の上に形成された下部先端副磁極91aおよびバックギャップ91bと、同じく下部磁極13の上に形成された絶縁層92と、この絶縁層92上に形成された下層コイル93と、この下層コイル93上を覆うように形成された下層フォトレジストコート層94と、この下層フォトレジストコート層94の上に形成された下層オーバーコート層95と、下層オーバーコート層95および下部先端副磁極91aの上に形成された記録ギャップ層96とを有する。さらに、この記録ヘッド90は、2層のコイルを有するものであり、記録ギャップ層96の上に形成された上層コイル97と、この上層コイル97の上に形成された上層フォトレジストコート層98と、上層フォトレジストコート層98および記録ギャップ層96の上に形成された上部磁極99とを有する。
【0019】
下部磁極13と上部磁極99は、下層コイル93および上層コイル97それぞれの中心部分に配置されたバックギャップ91bによって連結されており、これら下層コイル93および上層コイル97の回りを1周する磁気回路を形成している。これら下層コイル93および上層コイル97から発生した磁界は、下部磁極13および上部磁極99の中を通り、下部磁極13上に形成された下部先端副磁極91aおよび上部磁極99から外部に漏れ出す。ここで、下部先端副磁極91aおよび上部磁極99それぞれは、図示しない磁気ディスクに対向しており、この外部に漏れ出した磁界によって、その磁気ディスクの各微小領域の磁化が反転される。
【0020】
図17に示す複合型磁気ヘッド32によれば、上述したように、絶縁物質の一種であるフォトレジストが、金属元素を含んだ絶縁物質よりも流動性の高いものであるため、コイルを形成する導電性物質同士の隙間がフォトレジストで、空隙を生じることなく埋められ、コイルの腐食に起因した、コイルの電気抵抗値が増大するという問題が避けられる。
【0021】
ところが、一般に、フォトレジストおよび、金属元素を含んだ絶縁物質それぞれの熱伝導率を比較すると、フォトレジストの熱伝導率は、金属元素を含んだ絶縁物質の熱伝導率よりも低く、例えば、フォトレジストの熱伝導率は、金属元素を含んだ絶縁物質の一種であるAl23の熱伝導率の10分の1程度である。従って、コイル上を覆うように形成されたフォトレジスト層を有する磁気ヘッドでは、そのコイルに電流を流すと、その際にコイルで発生する熱が放出されにくく、この発熱に起因したコイルの酸化や断線などといったトラブルが発生する可能性が高い。
【0022】
本発明は、上記事情に鑑み、コイルを構成する導電性物質同士の隙間が、絶縁物質で空隙を生じることなく埋められるとともにコイル自体の発熱が抑えられた磁気ヘッドを製造することができる磁気ヘッド製造方法を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の磁気ヘッド製造方法は、
所定平面に沿った渦巻状の導電性物質からなるコイルを形成するコイル形成工程と、
上記コイル形成工程で形成されたコイル全体にフォトレジストを塗布することにより、そのコイルを構成する導電性物質同士の隙間をそのフォトレジストで埋めるレジスト塗布工程と、
上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、上記コイル形成工程で形成されたコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光する露光工程と、
上記露光工程で露光されたフォトレジストに現像処理を施すことにより、上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、上記露光工程で露光された部分を除去する現像工程と、
上記現像工程で現像処理を施された後に残ったフォトレジストを硬化させるレジスト硬化工程と、
上記レジスト硬化工程で硬化されたフォトレジスト、および上記コイル形成工程で形成されたコイルの双方の上に、金属元素を含んだ絶縁物質からなる絶縁金属化合物層を形成する絶縁金属化合物層形成工程とを有することを特徴とする。
【0024】
本発明の磁気ヘッド製造方法は、金属元素を含んだ絶縁物質よりも流動性の高いフォトレジストをコイル上に塗布するものであるため、コイルを形成する導電性物質同士の隙間に絶縁物質の一種であるフォトレジストを空隙が生じることなく埋めることができる。
【0025】
また、本発明の磁気ヘッド製造方法は、このコイル上に塗布されたフォトレジストのうち、そのコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光・現像処理によって除去し、その導電性物質上には、フォトレジストよりも熱伝導率の高い、金属元素を含んだ絶縁物質からなる絶縁金属化合物層を形成するものであるため、コイルで発生する熱がコイルと接する絶縁金属化合物層を通して放出される。従って、コイル自体の発熱が抑えられることも実現される。
【0026】
また、上記本発明の磁気ヘッド製造方法において、上記露光工程が、上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、上記コイル形成工程で形成されたコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光することに替えて、そのレジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、そのコイルを構成する導電性物質同士の隙間を埋めたフォトレジストを露光するものであり、
上記現像工程が、上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、上記露光工程で露光された部分を除去することに替えて、そのレジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、その露光工程で露光されなかった部分を除去するものであってもよい。
【0027】
一般に、フォトレジストには、露光された部分が現像処理によって除去される、いわゆる「ポジ型」フォトレジストと、露光されなかった部分が現像処理によって除去される、いわゆる「ネガ型」フォトレジストとが知られている。本発明の磁気ヘッド製造方法では、「ポジ型」フォトレジストあるいは「ネガ型」フォトレジストのいずれの型のフォトレジストを用いてもよく、このような「ネガ型」フォトレジストを用いた磁気ヘッドの製造方法であっても、上述した「ポジ型」フォトレジストを用いた磁気ヘッドの製造方法と同様に、コイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光・現像処理によって除去することができる。
【0028】
さらに、上記本発明の磁気ヘッド製造方法は、上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストの全体を、上記露光工程で露光する露光量よりも少ない露光量で露光する、その露光工程と相前後した少量露光工程を有することが好ましい。
【0029】
このような少量露光工程を有する磁気ヘッド製造方法によれば、コイルを構成する導電性物質同士の隙間を埋めた、露光工程では露光されないフォトレジストも少量露光され、そのように少量露光されたときの露光量に応じた分だけ、現像工程でフォトレジストの全体の層厚が減少する。このため、少量露光の露光量を調整することによって、そのフォトレジストの層厚をコイルの層厚に近づけることができる。
【0030】
その結果、その後の絶縁金属層形成工程で、金属元素を含んだ絶縁物質からなる絶縁金属化合物層を、より確実にコイル上に空隙を生じることなく形成することができ、コイルで発生する熱が放出されやすく、コイル自体の発熱がより抑えられた磁気ヘッドが実現される。
【0031】
また、上記本発明の磁気ヘッド製造方法は、上記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストの全面にドライエッチング処理を施す、上記レジスト硬化工程と相前後したドライエッチング工程を有することも好ましい形態である。
【0032】
このようなドライエッチング工程を有する磁気ヘッド製造方法によれば、現像処理を施された後に残るフォトレジストをエッチングするエッチング量に応じた分だけ、そのフォトレジストの層厚が減少する。このため、エッチング量を調整することによって、コイルを構成する導電性物質同士の隙間を埋めたフォトレジストの層厚を調整することができ、このフォトレジストの層厚をコイルの層厚に近づけることが可能である。
【0033】
その結果、少量露光工程を有する磁気ヘッド製造方法と同様に、絶縁金属化合物層を、より確実にコイル上に空隙を生じることなく形成することができ、コイル自体の発熱がより抑えられた磁気ヘッドが実現される。
【0034】
さらに、上記本発明の磁気ヘッド製造方法は、上記絶縁金属化合物層形成工程で形成された絶縁金属化合物層を平坦化研磨する研磨工程を有するものであってもよい。
【0035】
このような研磨工程を有する磁気ヘッド製造方法によれば、例えば、化学的機械研磨(CMP:Chemical and Mechanical Polishing)などといった研磨の手法で絶縁金属化合物層を平坦化することができ、例えば、平坦化された絶縁金属化合物層の表面には、微細なパターン形状で精度よく磁極層を形成することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0037】
本発明は、磁気ヘッドの製造方法に関するものであるが、はじめに、本発明の磁気ヘッド製造方法の一実施形態によって製造される磁気ヘッドについて説明し、その後に、本発明の磁気ヘッド製造方法の実施形態について説明する。
【0038】
まず、後述する、本発明の磁気ヘッド製造方法の第1実施形態によって製造された磁気ヘッドが組み込まれたハードディスク装置について説明する。
【0039】
図1は、ハードディスク装置の概略構成図である。
【0040】
図1に示すハードディスク装置(HDD)100のハウジング101には、回転軸102、回転軸102に装着される磁気ディスク103、磁気ディスク103の表面に近接して対向する浮上ヘッドスライダ104、アーム軸105、浮上ヘッドスライダ104を先端に固着してアーム軸105を中心に磁気ディスク103上を水平移動するキャリッジアーム106、およびキャリッジアーム106の水平移動を駆動するアクチュエータ107が収容される。
【0041】
このHDD100では、磁気ディスク103へ情報の記録、および磁気ディスク103に記録された情報の再生が行われる。これらの情報の記録および再生にあたっては、まず、磁気回路で構成されたアクチュエータ107によってキャリッジアーム106が駆動され、浮上ヘッドスライダ104が、回転する磁気ディスク103上の所望のトラックに位置決めされる。浮上ヘッドスライダ104の先端には、図1には図示しない、記録ヘッドと再生ヘッドとから構成された複合型磁気ヘッドが設置されている。この複合型磁気ヘッドは、磁気ディスク103の回転によって、磁気ディスク103の各トラックに並ぶ各1ビット領域に順次近接する。情報の記録時には、このように磁気ディスク103に近接した複合型磁気ヘッドに電気的な記録信号が入力され、この複合型磁気ヘッドのうちの記録ヘッドにより、その記録信号に応じてそれらの各1ビット領域に磁界が印加されて、その記録信号に担持された情報がそれらの各1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。また、情報の再生時には、それらの各1ビット領域の磁化の方向の形で記録された情報が、複合型磁気ヘッドのうちの再生ヘッドによって、それらの磁化それぞれから発生する信号磁界Hsigに応じて生成される電気的な再生信号として取り出される。ハウジング101の内部空間は、図示しないカバーによって閉鎖される。この複合型磁気ヘッドのうちの記録ヘッドは、後述する本発明の磁気ヘッド製造方法の第1実施形態により製造されたものである。
【0042】
図2は、本発明の磁気ヘッド製造方法の第1実施形態によって製造された記録ヘッドを含む、図1に示すHDD100に用いられた複合型磁気ヘッドの上面図であり、図3は、図2に示す複合型磁気ヘッドの側断面図である。
【0043】
図2,図3に示す複合型磁気ヘッド30は、図1に示す磁気ディスク103の表面に近接して位置決めされている。
【0044】
上述したように、図2,図3に示す複合型磁気ヘッド30は、記録ヘッド20と再生ヘッド10とから構成されており、以下、記録ヘッド20と再生ヘッド10それぞれの構成を説明する。
【0045】
複合型磁気ヘッド30のうちの、再生ヘッド10は、磁気抵抗効果膜や電極膜などを含み図1に示す磁気ディスク103からの磁界を受けて、この磁界に応じた再生信号を生成する素子部11と、この素子部11を膜厚方向の両側から挟むように配置された、NiFeからなる再生下部シールド12および再生上部シールド13と、これら再生下部シールド12と再生上部シールド13との間を埋めて素子部11を膜厚方向の両側から挟むように配置された、Al23(アルミナ)からなる再生ギャップ層14とを有する。
【0046】
ここで、再生ヘッド10の再生上部シールド13は、後述する記録ヘッド20の下部磁極を兼ねたものであるため、以下の説明では、この下部磁極に、再生上部シールド13と同じ符号を付し、下部磁極13と称する。
【0047】
また、この複合型磁気ヘッド30のうちの、記録ヘッド20は、下部磁極13と、この下部磁極13の上に形成された、NiFeからなる下部先端副磁極21aおよびバックギャップ21bと、同じく下部磁極13の上に形成された、Al23からなる絶縁層22と、この絶縁層22上に形成された、Cuからなる下層コイル23と、この下層コイル23を構成するCu同士の隙間を埋めた、フォトレジストからなる下層フォトレジストコート層24と、これら下層コイル23および下層フォトレジストコート層24の上に形成された、Al23からなる下層オーバーコート層25と、下層オーバーコート層25および下部先端副磁極21aの上に形成された、Al23からなる記録ギャップ層26とを有する。さらに、この記録ヘッド20は、2層のコイルを有するものであり、記録ギャップ層26の上に形成された、Cuからなる上層コイル27と、この上層コイル27の上に形成された、フォトレジストからなる上層フォトレジストコート層28と、上層フォトレジストコート層28および記録ギャップ層26の上に形成された、NiFeからなる上部磁極29とを有する。
【0048】
下部磁極13と上部磁極29は、図2に示すように下層コイル23および上層コイル27それぞれの中心部分に配置されたバックギャップ21bによって連結されており、これら下層コイル23および上層コイル27の回りを1周する磁気回路を形成している。これら下層コイル23および上層コイル27から発生した磁界は、下部磁極13および上部磁極29の中を通り、下部磁極13上に形成された下部先端副磁極21aおよび上部磁極29から外部に漏れ出す。ここで、下部先端副磁極21aおよび上部磁極29それぞれは、図1に示す磁気ディスク103に対向しており、この外部に漏れ出した磁界によって、磁気ディスク103の各微小領域の磁化が反転される。
【0049】
尚、再生下部シールド12、再生上部シールド13、下部磁極13、下部先端副磁極21a、バックギャップ21b、および上部磁極29それぞれを構成する物質は、上述したNiFeに限られるものではなく、例えばCoNiFeやFeZrNなどといった軟磁性材料からなるものであれば適用することができる。また、下層コイル23および上層コイル27それぞれを構成する物質は、上述したCuに限られるものではなく、Cu以外の導電性物質であっても適用することができる。さらに、下層オーバーコート層25を構成する物質は、上述したAl23に限られるものではなく、Al23以外の絶縁物質であっても適用することができる。
【0050】
次に、上述した複合型磁気ヘッド30のうちの、記録ヘッド20の製造方法について、図4〜図10を参照して説明する。
【0051】
尚、以下説明する記録ヘッド20の製造方法は、本発明の磁気ヘッド製造方法の第1実施形態である。
【0052】
図4は、記録ヘッド20の製造方法における第1の工程を示す図である。
【0053】
この図4に示す第1の工程では、まず、鍍金法によって、図示しない下部磁極13(図3参照)上に、NiFeからなる下部先端副磁極21aおよびバックギャップ21bが形成される。次に、同じく鍍金法によって、図示しない絶縁層22(図3参照)上に沿った渦巻状のCuからなる下層コイル23が形成される。この第1の工程のうちの、下層コイル23を形成する工程は、本発明にいうコイル形成工程の一例に相当する工程である。
【0054】
図5は、記録ヘッド20の製造方法における第2の工程を示す図である。
【0055】
この図5に示す第2の工程では、図4に示す第1の工程で形成された下部先端副磁極21a、バックギャップ21b、および下層コイル23それぞれの上を含む全体にフォトレジスト24_1を塗布することによって、下層コイル23を構成するCu同士の隙間をそのフォトレジスト24_1で埋める。この第2の工程は、本発明にいうレジスト塗布工程の一例に相当する工程である。
【0056】
このような第2の工程によれば、流動性の高いフォトレジスト24_1を下層コイル23上に塗布するものであるため、下層コイル23を形成するCu同士の隙間にフォトレジスト24_1を空隙が生じることなく埋めることができる。
【0057】
図6は、記録ヘッド20の製造方法における第3の工程を示す図である。
【0058】
この図6に示す第3の工程では、図5に示す第2の工程で塗布されたフォトレジスト24_1のうち、図4に示す第1の工程で形成された下層コイル23を構成するCu上を被覆したフォトレジスト24_1を除く部分が遮光されるように構成されたマスク41を介して、その下層コイル23を構成するCu上を被覆したフォトレジスト24_1を紫外線50で露光する。この第3の工程は、本発明にいう露光工程の一例に相当する工程である。
【0059】
図7は、記録ヘッド20の製造方法における第4の工程を示す図である。
【0060】
この図7に示す第4の工程では、図6に示す第3の工程で露光されたフォトレジスト24_1にアルカリ液による現像処理を施すことにより、図5に示す第2の工程で塗布されたフォトレジスト24_1のうち、第3の工程で露光された部分を除去する。この第4の工程は、本発明にいう現像工程の一例に相当する工程である。
【0061】
このような第3の工程および第4の工程における露光・現像処理によれば、下層コイル23上に塗布されたフォトレジスト24_1のうち、下層コイル23を構成するCu上を被覆したフォトレジスト24_1が確実に除去される。
【0062】
図8は、記録ヘッド20の製造方法における第5の工程を示す図である。
【0063】
この図8に示す第5の工程では、図7に示す第4の工程で現像処理を施された後に残る、図4に示す第1の工程で形成された下層コイル23を構成するCu同士の隙間を埋めたフォトレジスト24_1に約250℃の熱処理を施して、このフォトレジスト24_1を硬化させて、フォトレジスト24_1の硬化した下層フォトレジストコート層24を形成する。この第5の工程は、本発明にいうレジスト硬化工程の一例に相当する工程である。
【0064】
図9は、記録ヘッド20の製造方法における第6の工程を示す図である。
【0065】
この図9に示す第6の工程では、図8に示す第5の工程で形成された下層フォトレジストコート層24、および図4に示す第1の工程で形成された下層コイル23の双方の上に、スパッタリングによって、Al23からなる下層オーバーコート層25を形成する。この第6の工程は、本発明にいう絶縁金属化合物層形成工程の一例に相当する工程である。
【0066】
このような第6の工程によれば、下層コイル23を構成するCu上に、フォトレジスト24_1よりも熱伝導率の高いAl23からなる下層オーバーコート層25を形成するので、下層コイル23で発生する熱が、下層コイル23と接する下層オーバーコート層25を通して放出される。従って、下層コイル23自体の発熱が抑えられる。
【0067】
図10は、記録ヘッド20の製造方法における第7の工程を示す図である。
【0068】
この図10に示す第7の工程では、図9に示す第6の工程で形成された下層オーバーコート層25を、化学的機械研磨(CMP:Chemical and Mechanical Polishing)によって研磨し、この下層オーバーコート層25を平坦化する。この第7の工程は、本発明にいう研磨工程の一例に相当する工程である。
【0069】
このような第7の工程によれば、下層オーバーコート層25を平坦化することができるので、その下層オーバーコート層25の表面には、微細なパターン形状で精度よく記録ギャップ層26(図3参照)を形成することができる。
【0070】
次に、本発明の磁気ヘッド製造方法の第2実施形態について説明する。
【0071】
第2実施形態の磁気ヘッド製造方法は、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第3の工程(図6参照)と第4の工程(図7参照)との間に、以下図11を参照して説明する第8の工程が挿入される点を除いて、この第1実施形態と同様の磁気ヘッド製造方法であるので、以下の第2実施形態の説明において、重複説明は省略する。
【0072】
図11は、記録ヘッド20の製造方法における第8の工程を示す図である。
【0073】
この図11に示す第8の工程では、図5に示す第2の工程で塗布されたフォトレジスト24_1の全体を、紫外線50の量を減少させるマスク42を介して露光し、これにより、図6に示す第3の工程で露光する露光量よりも少ない露光量でフォトレジスト24_1を露光する。この第8の工程は、本発明にいう少量露光工程の一例に相当する工程である。
【0074】
このような第8の工程によれば、下層コイル23を構成するCu同士の隙間を埋めた、図6に示す第3の工程では紫外線が露光されないフォトレジスト24_1も少量露光され、そのように少量露光されたときの露光量に応じた分だけ、第4の工程でフォトレジスト24_1の全体の層厚が減少する。このため、少量露光する紫外線の露光量を調整することによって下層フォトレジストコート層24の層厚を下層コイル23の層厚に近づけることができる。その結果、図9に示す第6の工程で、Al23からなる下層オーバーコート層25を、より確実に下層コイル23上に空隙を生じることなく、スパッタリングによって形成することができ、下層コイル23で発生する熱が放出されやすく、下層コイル23自体の発熱がより抑えられた磁気ヘッドが実現される。
【0075】
尚、上述した第2実施形態の説明では、第8の工程が、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第3の工程(図6参照)と第4の工程(図7参照)との間に挿入される例で説明を行ったが、この第8の工程は、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第2の工程(図5参照)と第3の工程(図6参照)との間に挿入されてもよく、同様の効果を得る事ができる。
【0076】
次に、本発明の磁気ヘッド製造方法の第3実施形態について説明する。
【0077】
第3実施形態の磁気ヘッド製造方法は、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第4の工程(図7参照)と第5の工程(図8参照)との間に、以下図12を参照して説明する第9の工程が挿入される点を除いて、この第1実施形態と同様の磁気ヘッド製造方法であるので、以下の第3実施形態の説明において、重複説明は省略する。
【0078】
図12は、記録ヘッド20の製造方法における第9の工程を示す図である。
【0079】
この図12に示す第9の工程では、図5に示す第2の工程で塗布されたフォトレジスト24_1の全面にドライエッチング処理を施す。この第9の工程は、本発明にいうドライエッチング工程の一例に相当する工程である。
【0080】
このような第9の工程を有する磁気ヘッド製造方法によれば、図7に示す第4の工程で現像処理を施された後に残るフォトレジスト24_1をエッチングするエッチング量に応じた分だけ、そのフォトレジスト24_1の層厚が減少する。このため、エッチング量を調整することによって、下層コイル23を構成するCu同士の隙間を埋めたフォトレジスト24_1の層厚を調整することができ、このフォトレジスト24_1の層厚を下層コイル23の層厚に近づけることが可能である。その結果、図11を参照して説明した、第8の工程を有する第2実施形態の磁気ヘッド製造方法と同様に、下層オーバーコート層25を、より確実に下層コイル23上に空隙を生じることなく形成することができ、下層コイル23自体の発熱がより抑えられた磁気ヘッドが実現される。
【0081】
尚、上述した第3実施形態の説明では、第9の工程が、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第4の工程(図7参照)と第5の工程(図8参照)との間に挿入される例で説明を行ったが、この第9の工程は、上述した第1実施形態の磁気ヘッド製造方法の第5の工程(図8参照)と第6の工程(図9参照)との間に挿入されてもよく、同様の効果を得る事ができる。
【0082】
次に、本発明の磁気ヘッド製造方法の第4実施形態について説明する。
【0083】
上述した第1実施形態から第3実施形態の磁気ヘッド製造方法では、フォトレジストとして、露光された部分が現像処理によって除去される、いわゆる「ポジ型」フォトレジストを用いた例で説明を行ったが、本発明の磁気ヘッド製造方法に用いるフォトレジストは「ポジ型」フォトレジストに限られるものではなく、露光されなかった部分が現像処理によって除去される、いわゆる「ネガ型」フォトレジストであってもよい。
【0084】
以下説明する、第4実施形態の磁気ヘッド製造方法では、図5に示す第2の工程で、「ポジ型」フォトレジストに替えて「ネガ型」フォトレジストを塗布する例で説明する。
【0085】
また、この第4実施形態の磁気ヘッド製造方法は、図6に示す第3の工程および図7に示す第4の工程に替えて、以下説明する、図13に示す第10の工程および図14に示す第11の工程を有する点を除いて、上述した第1実施形態と同様の磁気ヘッド製造方法であるので、以下の第4実施形態の説明において、重複説明は省略する。
【0086】
図13は、記録ヘッド20の製造方法における第10の工程を示す図である。
【0087】
この図13に示す第10の工程では、図5に示す第2の工程で塗布された「ネガ型」フォトレジスト24_2のうち、図4に示す第1の工程で形成された下層コイル23を構成するCu上を被覆した「ネガ型」フォトレジスト24_2が遮光されるように構成されたマスク41を介して、その下層コイル23を構成するCu同士の隙間を埋めた「ネガ型」フォトレジスト24_2を紫外線50で露光する。
【0088】
図14は、記録ヘッド20の製造方法における第11の工程を示す図である。
【0089】
この図14に示す第11の工程では、図13に示す第10の工程で露光されなかった「ネガ型」フォトレジスト24_2にアルカリ液による現像処理を施すことにより、図5に示す第2の工程で塗布された「ネガ型」フォトレジスト24_2のうち、第10の工程で露光されなかった部分を除去する。
【0090】
図13,図14を参照して説明したように、「ネガ型」フォトレジストを用いた磁気ヘッドの製造方法であっても、図6,図7を参照して説明した「ポジ型」フォトレジストを用いた磁気ヘッドの製造方法と同様に、下層コイルを構成するCu上を被覆したフォトレジストを確実に除去することができる。従って、本発明の磁気ヘッド製造方法では、「ポジ型」フォトレジストあるいは「ネガ型」フォトレジストのいずれの型のフォトレジストを用いてもよい。
【0091】
尚、図2,図3を参照した説明では、複合型磁気ヘッド31のうちの記録ヘッド20の構成を、上層コイル27の上がフォトレジストからなる上層フォトレジストコート層28によって覆われる構成の例で説明したが、本発明の磁気ヘッド製造方法によって製造される磁気ヘッドは、このように構成された磁気ヘッドに限られるものではなく、例えば、図2,図3に示す複合型磁気ヘッド30のうちの、記録ヘッド20の記録ギャップ層26の上に形成される上層コイルおよび上層フォトレジストコート層が、図4〜図10を参照して説明した記録ヘッド20の製造方法における第1の工程から第7の工程によって製造されるものであってもよい。また、記録ヘッドが3層以上のコイルを有するものである場合、その記録ヘッドの各層を製造するにあたって、上述した第1の工程から第7の工程を各層の製造方法に適用してもよい。
【0092】
以下、2層構造のコイルを有する記録ヘッドと再生ヘッドとから構成された複合型磁気ヘッドであって、記録ヘッドの各層を製造するにあたって、図4〜図10を参照して説明した記録ヘッドの製造方法における第1の工程から第7の工程が適用された複合型磁気ヘッドの構成を説明する。尚、以下の説明では、図2,図3を参照して説明した複合型磁気ヘッド30と同等な部分については同一の符号を付して、重複説明は省略する。
【0093】
図15は、2層構造のコイルを有する記録ヘッドと再生ヘッドとから構成された複合型磁気ヘッドの側断面図である。
【0094】
この図15に示す複合型磁気ヘッド31のうち、記録ヘッド60は、2層のコイルを有するものであり、記録ギャップ層26の上に形成された、NiFeからなる上部先端副磁極61aおよび上部バックギャップ61bと、同じく記録ギャップ層26の上に形成された、Cuからなる上層コイル62と、この上層コイル62を構成するCu同士の隙間を埋めた、フォトレジストからなる上層フォトレジストコート層63と、これら上層コイル62および上層フォトレジストコート層63の上に形成された、Al23からなる上層オーバーコート層64と、上層オーバーコート層64、上部先端副磁極61a、および上部バックギャップ61bの上に形成された、NiFeからなる上部磁極65とを有する。
【0095】
この図15を参照して説明した、複合型磁気ヘッド31によれば、上層コイル62を形成するCu同士の隙間にはフォトレジストが、空隙を生じることなく埋められている。
【0096】
また、上層コイル62に密着した上層オーバーコート層64が形成されるので、上層コイル62で発生する熱が上層オーバーコート層64を通して放出され、上層コイル62自体の発熱が抑えられている。
【0097】
尚、上述した各実施形態では、本発明にいう露光工程で、フォトレジストを紫外線で露光する例を説明したが、本発明の露光工程は、紫外線の露光による工程に限られるものではなく、例えば、可視光線、電子線、X線などといった、フォトレジストの特性にあった露光線を露光する工程であればよい。
【0098】
また、上述した各実施形態では、本発明にいうレジスト硬化工程で、フォトレジストに熱処理を施すことによってこのフォトレジストを硬化する例を説明したが、本発明のレジスト硬化工程は、熱処理によるフォトレジストの硬化に限られるものではなく、フォトレジストの特性にあった処理、例えばUV(ultraviolet:紫外線)処理等をフォトレジストに施すことによってこのフォトレジストを硬化する工程であってもよい。
【0099】
さらに、上述した各実施形態では、本発明にいう絶縁金属化合物層形成工程で、スパッタリングによってオーバーコート層を形成する例を説明したが、本発明の絶縁金属化合物層形成工程は、スパッタリングによるオーバーコート層の形成に限られるものではなく、例えば蒸着などといった手法によってオーバーコート層を形成する工程であってもよい。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、コイルを構成する導電性物質同士の隙間が、絶縁物質で空隙を生じることなく埋められるとともにコイル自体の発熱が抑えられた磁気ヘッドを製造することができる磁気ヘッド製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスク装置の概略構成図である。
【図2】本発明の磁気ヘッド製造方法の第1実施形態によって製造された記録ヘッドを含む、図1に示すHDDに用いられた複合型磁気ヘッドの上面図である。
【図3】図2に示す複合型磁気ヘッドの側断面図である。
【図4】記録ヘッド20の製造方法における第1の工程を示す図である。
【図5】記録ヘッド20の製造方法における第2の工程を示す図である。
【図6】記録ヘッド20の製造方法における第3の工程を示す図である。
【図7】記録ヘッド20の製造方法における第4の工程を示す図である。
【図8】記録ヘッド20の製造方法における第5の工程を示す図である。
【図9】記録ヘッド20の製造方法における第6の工程を示す図である。
【図10】記録ヘッド20の製造方法における第7の工程を示す図である。
【図11】記録ヘッド20の製造方法における第8の工程を示す図である。
【図12】記録ヘッド20の製造方法における第9の工程を示す図である。
【図13】記録ヘッド20の製造方法における第10の工程を示す図である。
【図14】記録ヘッド20の製造方法における第11の工程を示す図である。
【図15】2層構造のコイルを有する記録ヘッドと再生ヘッドとから構成された複合型磁気ヘッドの側断面図である。
【図16】スパッタリングによってAl23からなるオーバーコート層をコイル上に形成する工程を示す図である。
【図17】コイルを構成する導電性物質同士の隙間をフォトレジストで埋めた従来の磁気ヘッドの側断面図である。
【符号の説明】
10 再生ヘッド
11 素子部
12 再生下部シールド
13 再生上部シールド,下部磁極
14 再生ギャップ層
20,60,90 記録ヘッド
21a,91a 下部先端副磁極
61a 上部先端副磁極
21b,91b バックギャップ
61b 上部バックギャップ
22,92 絶縁層
23,93 下層コイル
24,94 下層フォトレジストコート層
24_1 フォトレジスト
24_2 「ネガ型」フォトレジスト
25,95 下層オーバーコート層
26,96 記録ギャップ層
27,62,97 上層コイル
28,63,98 上層フォトレジストコート層
29,65,99 上部磁極
30,31,32 複合型磁気ヘッド
41,42,43 マスク
50 紫外線
64 上層オーバーコート層
70 コイル
81 オーバーコート層
82 空隙
100 HDD
101 ハウジング
102 回転軸
103 磁気ディスク
104 浮上ヘッドスライダ
105 アーム軸
106 キャリッジアーム
107 アクチュエータ

Claims (4)

  1. 所定平面に沿った渦巻状の導電性物質からなるコイルを形成するコイル形成工程と、
    前記コイル形成工程で形成されたコイル全体にフォトレジストを塗布することにより、該コイルを構成する導電性物質同士の隙間を該フォトレジストで埋めるレジスト塗布工程と、
    前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記コイル形成工程で形成されたコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光する露光工程と、
    前記露光工程で露光されたフォトレジストに現像処理を施すことにより、前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記露光工程で露光された部分を除去する現像工程と、
    前記現像工程で現像処理を施された後に残ったフォトレジストを硬化させるレジスト硬化工程と、
    前記レジスト硬化工程で硬化されたフォトレジスト、および前記コイル形成工程で形成されたコイルの双方の上に、金属元素を含んだ絶縁物質からなる絶縁金属化合物層を形成する絶縁金属化合物層形成工程と、
    前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストの全体を、前記露光工程で露光する露光量よりも少ない露光量で露光する、該露光工程と相前後した少量露光工程とを有することを特徴とする磁気ヘッド製造方法。
  2. 所定平面に沿った渦巻状の導電性物質からなるコイルを形成するコイル形成工程と、
    前記コイル形成工程で形成されたコイル全体にフォトレジストを塗布することにより、該コイルを構成する導電性物質同士の隙間を該フォトレジストで埋めるレジスト塗布工程と、
    前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記コイル形成工程で形成されたコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光する露光工程と、
    前記露光工程で露光されたフォトレジストに現像処理を施すことにより、前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記露光工程で露光された部分を除去する現像工程と、
    前記現像工程で現像処理を施された後に残ったフォトレジストを硬化させるレジスト硬化工程と、
    前記レジスト硬化工程で硬化されたフォトレジスト、および前記コイル形成工程で形成されたコイルの双方の上に、金属元素を含んだ絶縁物質からなる絶縁金属化合物層を形成する絶縁金属化合物層形成工程と、
    前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストの全面にドライエッチング処理を施す、前記レジスト硬化工程と相前後したドライエッチング工程とを有することを特徴とする磁気ヘッド製造方法。
  3. 前記露光工程が、前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記コイル形成工程で形成されたコイルを構成する導電性物質上を被覆したフォトレジストを露光することに替えて、該レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、該コイルを構成する導電性物質同士の隙間を埋めたフォトレジストを露光するものであり、
    前記現像工程が、前記レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、前記露光工程で露光された部分を除去することに替えて、該レジスト塗布工程で塗布されたフォトレジストのうち、該露光工程で露光されなかった部分を除去するものであることを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッド製造方法。
  4. 前記絶縁金属化合物層形成工程で形成された絶縁金属化合物層を研磨する研磨工程を有することを特徴とする請求項1又は2記載の磁気ヘッド製造方法。
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