JP3854031B2 - 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば浮上式磁気ヘッドなどに使用される記録用の薄膜磁気ヘッドに係り、特にサイドフリンジングを適切に低減させることができ、また高い再現性で製造可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図24は、従来における薄膜磁気ヘッド(インダクティブヘッド)の構造を示す部分正面図、図25は、図24の薄膜磁気ヘッドの部分断面図である。
【0003】
図24及び図25に示す符号1は、パーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層であり、この下部コア層1の両側には絶縁層3が形成されている。
【0004】
図24に示すように、前記下部コア層1上には、ギャップ層4と上部磁極層5とがトラック幅Twで形成され、しかも記録媒体との対向面に露出形成されている。前記ギャップ層4は図25に示すように、下部コア層1上を後述する上部コア層10の基端部10bと前記下部コア層1とが接触する位置まで長く延ばされて形成され、一方前記上部磁極層5は、前記ギャップ層4上に形成されたGd決め絶縁層6上にまで延ばされて形成されている。なお前記ギャップ層4は例えばSiO2等の非金属絶縁材料で形成されている。
【0005】
図24及び図25に示すように、前記上部磁極層5のトラック幅方向(図示X方向)の両側及びハイト側(図示Y方向)には、絶縁層7が形成されている。
【0006】
そして前記絶縁層7上にはコイル層13が螺旋状にパターン形成されており、前記コイル層13上は、有機絶縁材料で形成された絶縁層9によって埋められている。
【0007】
前記絶縁層9上には、例えばフレームメッキ法で形成された上部コア層10が形成されており、前記上部コア層10の先端部10aは、上部磁極層5と磁気的に接続され、しかも記録媒体との対向面に露出形成される。また前記上部コア層10の基端部10bは下部コア層1上に磁気的に接続されている。
【0008】
図24に示すように、前記上部コア層10の先端面10cは、その全面が記録媒体との対向面に露出形成される。
【0009】
次に図24及び図25に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法について図26ないし図32を用いて以下に説明する。
【0010】
図26に示すように、下部コア層1上の全面に例えばSiO2等の絶縁材料で形成されたギャップ層4を形成し、前記ギャップ層4上にトラック幅Twの溝11aを有するレジスト層11を形成する。前記溝11aは記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で形成されている。そして前記溝11a内に例えばNiFe系合金で形成された上部磁極層5をメッキ形成し、前記レジスト層11を除去する。
【0011】
図27に示すように、前記上部磁極層5の幅寸法、すなわちトラック幅Twは例えば0.45μm、高さ寸法h1は3.5〜3.8μm程度で形成される。
【0012】
図27では、前記上部磁極層5のトラック幅方向(図示X方向)の両側を、イオンミリングにてエッチングする(トリミング工程)。前記イオンミリングにより、図28に示すように前記上部磁極層5の幅寸法からトラック幅方向にはみ出すギャップ層4の部分は削り取られ、さらに下部コア層1の両側上面が削られ、前記下部コア層1の上面に突起部1bと傾斜面1aが形成される。
【0013】
図29では、前記下部コア層1上であって上部磁極層5の両側及び前記上部磁極層5上をAl23等の絶縁層7で埋め、さらに前記絶縁層7をA−A線からCMP技術等を用いて研磨加工する。その状態を示したのが図30である。
【0014】
次に前記絶縁層7上に、図25に示すコイル層13及び絶縁層9を形成した後、図31(部分平面図)に示すように、前記絶縁層7,9、及び上部磁極層5上にレジスト層12を形成する。そして前記レジスト層12のパターン12aの部分を露光し、さらに現像して前記パターン12aの部分を除去する。
【0015】
そして前記パターン12a内に磁性材料をメッキし、前記レジスト層12を除去すると上部コア層10が完成し、薄膜磁気ヘッドの先端付近の形状は図32に示す構造になる。
【0016】
なお上記したトリミング工程は、通常2回行なわれ、一回目のトリミング工程では、下部コア層1の膜面方向に対し、より垂直に近い傾きをもってイオン照射が行なわれる。この工程により、上部磁極層5の下面の両側に延びるギャップ層4が削られ、さらに、前記ギャップ層4下の下部コア層1の一部も削られ、前記下部コア層1に突起部1bが形成される。なおこの工程の際、削られたギャップ層4及び下部コア層1の磁粉が上部磁極層5の側面に再付着する不具合が発生するため、二回目のトリミング工程では、一回目のトリミング工程に比べてより斜め方向からイオン照射が行なわれ、前記磁粉を取り除くと同時に、前記下部コア層1の両側上面に傾斜面1a,1aが形成されることになる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら図24及び図25に示す薄膜磁気ヘッドの構造では、トラック幅Twよりも大きい幅寸法を有する上部コア層10の先端面10cが記録媒体との対向面に露出形成されているので、前記上部コア層10と上部磁極層5との間での磁気漏れによりサイドフリンジングが発生し、前記サイドフリンジングが発生すると面記録密度が低下するといった問題が生じる。
【0018】
従って今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造するには、トラック幅Twの狭小化と同時にサイドフリンジングの発生を低減させる必要がある。
【0019】
また図24及び図25に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法では、トリミング工程を行っているが、このトリミング工程により、トラック幅Twや形状のバラツキの発生、さらには上部磁極層5の高さの減少が激しい等の問題が生じる。
【0020】
前記トリミング工程を行う理由は、図27に示す状態では、上部磁極層5の下面の両側にギャップ層4及び下部コア層1が延びて形成されているので、前記上部磁極層5と下部コア層1間でサイドフリンジングが発生し易いからであり、図28に示すように前記トリミング工程により、前記上部磁極層5の下面の両側に広がるギャップ層4を削り、さらに下部コア層1に、突起部1bと傾斜面1aを形成することにより、前記上部磁極層5と下部コア層1間の距離を離すことができ、サイドフリンジングの発生を適切に低減できるものと考えられていた。
【0021】
しかしながらトミリング工程を行なった場合、上部磁極層5の両側に付着する磁粉量のバラツキや前記磁粉除去の際のバラツキ、さらには上記したように一回目のトリミング工程が下部コア層1の膜面方向に対し、より垂直に近い方向からイオン照射が行なわれることにより、上部磁極層5の高さの著しい減少等が生じ、この結果、トラック幅Twや上部磁極層5の形状にバラツキが発生しやすく、さらに上部磁極層5の高さ寸法の著しい減少や前記高さ寸法のバラツキが発生する。
【0022】
このためトリミング工程を行うと薄膜磁気ヘッドの製造の際における再現性が悪化し、また上部磁極層5の高さ寸法の減少により、前記上部磁極層5のボリュームが小さくなり、前記上部磁極層5が磁気飽和に達し易く、記録特性の悪化を招く。
【0023】
本発明は、上記従来の問題を解決するためのものであり、特にサイドフリンジングを適切に防止することができると同時に、再現性良く製造可能な薄膜磁気ヘッド及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0024】
【課題を解決するための手段】
下部コア層と、
前記下部コア層上に下部磁極層、ギャップ層、及び上部磁極層の順に積層され、あるいはギャップ層及び上部磁極層の順に積層されて、記録媒体との対向面に露出する記録コアと、
前記記録コアの前記上部磁極層の上に磁気的に接合される上部コア層と、
前記下部コア層、記録コア及び上部コア層に記録用の磁界を誘導するコイルとを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
前記記録コアは、記録媒体との対向面からハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有し、
前記上部コア層の記録媒体との対向側に向く先端面は、記録媒体との対向面からハイト方向へ後退した位置にあり、且つ前記先端面の全体は、下部コア層側から上部コア層側に向けてハイト方向へ徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面であるとともに、トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に深くなる曲面形状で形成され、
前記記録媒体との対向面から前記上部コア層の先端面までの最短の後退距離L3は、前記記録コアの前記対向面からハイト方向への最長長さ寸法以下であるとともに、前記記録コアの前記先端領域の長さ寸法よりも短く形成され、
前記上部磁極層上に接合されている端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法は、前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法よりも大きく、前記上部コア層は、前記記録コアの前記後端領域の全面に接合されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
【0025】
このように本発明では、前記上部コア層の先端面が、記録媒体との対向面からハイト方向に後退して形成され、しかも下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面で形成されているので、従来のように上部コア層の先端面が露出形成されることはなく、従って本発明によれば、サイドフリンジングの発生を適切に防止することができると同時に、上部コア層からの磁束を、上部磁極層に効率良く流すことができ、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
また本発明では、前記上部コア層の記録媒体との対向側に向く先端面は、トラック幅方向の両側に向かうにしたがって、ハイト方向へ徐々に後退する曲面形状であることが好ましい。この構成により、よりサイドフリンジングの発生を抑制することができる。
また前記上部コア層の先端面が曲面形状で形成されていることにより、前記上部磁極層上に上部コア層をパターン形成する際に、前記上部コア層の形成位置が前記上部磁極層に対し、所定位置から多少ずれて形成されたとしてもサイドフリンジングの発生を従来に比べて低減させることが可能である。
【0026】
本発明では、前記後退距離L3は、0μm<L3≦0.8μmであることが好ましい。
【0027】
また本発明では、前記上部コア層には、前記先端面よりもハイト側に位置するする背面が形成されており、前記背面は、下部コア層側から上部コア層側に向けて、ハイト方向へ徐々に深くなる曲面あるいは傾斜面であり、
前記背面に形成されている前記傾斜面のハイト方向に対する傾き角度、あるいは前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度をθ1、
前記上部コア層の前記先端面に形成されている前記傾斜面のハイト方向に対する傾き角度、あるいは前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度をθ2としたときに、
前記θ2が前記θ1よりも大きいことが好ましい。
【0028】
この構成により、上部コア層からの磁束を効率良く上部磁極層に流すことができ、記録特性の向上を図ることができる。
【0029】
なお前記傾き角度θ2は、60°≦θ2<90であることが好ましい。
【0031】
上記構成の場場合、前記曲面形状のトラック幅方向での終端部に接する接線を仮想線としたときに、前記トラック幅方向に対する前記仮想線の傾きが、30°以上60°以下であることが好ましい。
【0032】
また本発明では、前記上部コア層は、前記先端面の曲面形状の終端部からハイト方向へ延び且つトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有することが好ましい。
【0033】
本発明では、前記上部磁極層上に接合されている端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法よりも大きいこの構成により、上部コア層からの磁束を、上部磁極層に効率良く流すことができ、記録特性の向上を図ることが可能である。
【0034】
また本発明では、前記記録コアは、記録媒体との対向面からハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有しているこのようにトラック幅Twの広い後端領域が形成されていると、前記記録コアと上部コア層との接触面積を大きくすることができる。なお前記上部コア層は、前記記録コアの前記後端部に重ねられて形成されている。
【0035】
なお上記構成の場合、前記上部コア層は、前記記録コアの少なくとも前記後端部に重ねられて形成されていることが好ましい。
【0036】
なお本発明では、前記ギャップ層は、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されていることが好ましく、前記非磁性金属材料は、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものであることが好ましい。
【0037】
また本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法は、
(a)下部コア層上の上に、下部磁極層、ギャップ層及び上部磁極層の順に積層され且つ記録媒体との対向面で前記下部磁極層と上部磁極層のトラック幅方向の寸法を決め、またはギャップ層及び上部磁極層が順に積層され且つ記録媒体との対向面で前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法を決めるとともに、記録媒体との対向面からハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有する記録コアを形成する工程と、
(b)前記(a)の工程の前にまたは前記(a)の工程の後に、前記記録コアの周囲に絶縁層を形成し、前記記録コアと前記絶縁層の上面を同一平面にする工程と、
(c)前記記録コアと前記絶縁層の上にレジスト層を形成する工程と、
(d)前記レジスト層に、上部コア層を形成するための抜きパターンを形成し、このとき、前記レジスト層の前記パターン以外の領域を露光し、その後に現像することで、前記パターンの前記上部コア層の先端面となる面の全体を、下部コア層側から上昇するにしたがってハイト方向へ後退する傾斜面または曲面とするとともに、前記トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に後退する曲面形状とし、このとき前記先端面となる面を記録媒体との対向面の形成位置からハイト方向へ後退した位置に形成するとともに、前記記録媒体との対向面から前記上部コア層の先端面となる面までの最短の後退距離L3を、前記記録コアの前記対向面からハイト方向への最長長さ寸法以下に、且つ前記記録コアの前記先端領域の長さ寸法よりも短く形成し、さらに前記上部磁極層上に接合される端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法よりも大きく、前記上部コア層が、前記記録コアの前記後端領域の全面に接合されているように、前記パターンの幅寸法を規定する工程と、
(e)前記パターン内に、磁性材料をメッキ形成し、前記パターンにしたがって、先端面が記録媒体との対向面からハイト方向に後退した位置にあり、且つ前記先端面の全体が下部コア層側から離れるにしたがってハイト方向へ徐々に深くなる傾斜面または曲面となるとともに、前記トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に後退する曲面形状となる上部コア層を形成する工程と、
を有することを特徴とするものである。
【0039】
また本発明では、前記ギャップ層を、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成することが好ましく、具体的には、前記非磁性金属材料を、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択することが好ましい。
【0040】
本発明における製造方法によれば、記録コアのトラック幅Twや高さ寸法のバラツキがなく再現性良く薄膜磁気ヘッドを製造でき、しかもサイドフリンジングの発生を抑制することが可能な薄膜磁気ヘッドを容易に形成することができる。
【0041】
また、上部コア層のパターン形成の際に使用するレジスト層を露光現像する際に、前記パターン以外の領域を露光現像することで、パターン形成された上部コア層の先端面に、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面を形成することが可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明における薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図2は図1に示す薄膜磁気ヘッドを2−2線から切断し矢印方向から見た部分断面図、図3,4は、本発明における薄膜磁気ヘッドの部分平面図の一例である。
【0043】
図1に示す薄膜磁気ヘッドは、記録用のインダクティブヘッドであるが、本発明では、このインダクティブヘッドの下に、磁気抵抗効果を利用した再生用ヘッド(MRヘッド)が積層されていてもよい。
【0044】
図1及び図2に示す符号20は、例えばパーマロイなどの磁性材料で形成された下部コア層である。なお、前記下部コア層20の下側に再生用ヘッドが積層される場合、前記下部コア層20とは別個に、磁気抵抗効果素子をノイズから保護するシールド層を設けてもよいし、あるいは、前記シールド層を設けず、前記下部コア層20を、前記再生用ヘッドの上部シールド層として機能させてもよい。
【0045】
図1に示すように前記下部コア層20の両側には、絶縁層23が形成される。また図1に示すように、後述する下部磁極層21の基端から延びる下部コア層20の上面20aはトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に延びて形成されていてもよく、あるいは、前記上部コア層26から離れる方向に傾斜する傾斜面20b,20bが形成されていてもよい。前記下部コア層20の上面に傾斜面20b,20bが形成されることで、サイドフリンジングの発生をより適切に低減させることができる。
【0046】
図1、2に示すように、前記下部コア層20上には、記録コア24が形成され、前記記録コア24は記録媒体との対向面に露出形成されている。この実施例において前記記録コア24はトラック幅Twで形成された、いわばトラック幅規制部である。前記トラック幅Twは、0.7μm以下で形成されることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
【0047】
図1および図2に示す実施例では、前記記録コア24は、下部磁極層21、ギャップ層22、および上部磁極層35の3層膜の積層構造で構成されている。以下、前記磁極層21、35およびギャップ層22について説明する。
【0048】
図1および図2に示すように、前記下部コア層20上には、記録コア24の最下層となる下部磁極層21がメッキ形成されている。前記下部磁極層21は、下部コア層20と磁気的に接続されており、前記下部磁極層21は、前記下部コア層20と同じ材質でも異なる材質で形成されていてもどちらでもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。なお前記下部磁極層21の高さ寸法は、例えば0.3μm程度で形成される。
【0049】
また図1及び図2に示すように、前記下部磁極層21上には、非磁性のギャップ層22が積層されている。
【0050】
本発明では、前記ギャップ層22は、非磁性金属材料で形成されて、下部磁極層21上にメッキ形成されることが好ましい。なお本発明では、前記非磁性金属材料として、NiP、NiPd、NiW、NiMo、NiRh、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上を選択することが好ましく、前記ギャップ層22は、単層膜で形成されていても多層膜で形成されていてもどちらであってもよい。なお前記ギャップ層22の高さ寸法は、例えば0.2μm程度で形成される。
【0051】
次に前記ギャップ層22上には、後述する上部コア層26と磁気的に接続する上部磁極層35がメッキ形成されている。なお前記上部磁極層35は、上部コア層26と同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材質で形成されていてもよい。また単層膜でも多層膜で形成されていてもどちらでもよい。なお前記上部磁極層35の高さ寸法は、例えば2.4μm〜2.7μm程度で形成されている。
【0052】
上記したようにギャップ層22が、非磁性金属材料で形成されていれば、下部磁極層21、ギャップ層22および上部磁極層35を連続してメッキ形成することが可能になる。
【0053】
なお本発明では前記記録コア24は、上記3層膜の積層構造に限らない。前記記録コア24は、ギャップ層22と上部磁極層35からなる2層膜で形成されていてもよい。
【0054】
また上記したように、記録コア24を構成する下部磁極層21および上部磁極層35は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層と同じ材質でも異なる材質で形成されてもどちらでもよいが、記録密度を向上させるためには、ギャップ層22に対向する下部磁極層21および上部磁極層35は、それぞれの磁極層が磁気的に接続されるコア層の飽和磁束密度よりも高い飽和磁束密度を有していることが好ましい。このように下部磁極層21および上部磁極層35が高い飽和磁束密度を有していることにより、ギャップ近傍に記録磁界を集中させ、記録密度を向上させることが可能になる。
【0055】
なお図2に示すように、下部磁極層21と下部コア層20間には、メッキ下地層25が形成されている。
【0056】
前記記録コア24は、図2に示すように、記録媒体との対向面(ABS面)からハイト方向(図示Y方向)にかけて長さ寸法L1で形成されている。
【0057】
図2に示すように、下部コア層20上には、例えばレジスト等で形成されたGd決め絶縁層27が形成されており、前記Gd決め絶縁層27の表面は、例えば曲面形状で形成されている。そして図2に示すように、前記曲面上に、上部磁極層35が延びて形成されている。
【0058】
図2に示すように、前記Gd決め絶縁層27上における上部磁極層35の高さ寸法h2は、例えば1.4μm〜1.7μm程度で形成される。従来にあっては、前記高さ寸法h2よりも小さく形成されてしまい、前記上部磁極層のボリュームを稼ぐことができなかったが、本発明では、上部磁極層35の高さ寸法h2を高く形成でき、前記上部磁極層35のボリュームを大きくすることができる。
【0059】
その理由は、本発明では、後述する製造方法で説明するように、下部コア層20の膜面に対して垂直方向からのトリミング工程を不要としているからである。
【0060】
またGd決め絶縁層27上に上部磁極層35を形成することで、前記上部磁極層35の長さ寸法L1を長く形成できるから、さらに前記上部磁極層35のボリュームを稼ぐことができ、高記録密度化においても前記上部磁極層35の磁気飽和を低減でき、記録特性の向上を図ることができる。
【0061】
また図2に示すように、前記Gd決め絶縁層27の前面から記録媒体との対向面までの長さ寸法L2は、ギャップデプスGdとして規制されており、前記ギャップデプスGdは、薄膜磁気ヘッドの電気特性に多大な影響を与えることから、予め所定の長さに設定される。
【0062】
図2の実施例では、前記ギャップデプスGdは、下部コア層20上に形成されたGd決め絶縁層27の形成位置によって規制されることになる。
【0063】
図2に示すように、前記記録コア24のハイト方向(図示Y方向)の後方であって下部コア層20上には絶縁下地層28を介してコイル層29が螺旋状に巻回形成されている。前記絶縁下地層28は、例えば、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種からなる絶縁材料で形成されていることが好ましい。
【0064】
さらに前記コイル層29の各導体部のピッチ間は、絶縁層30によって埋められている。前記絶縁層30は、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。
【0065】
前記絶縁層30は、図1に示すように、前記記録コア24のトラック幅方向(図示X方向)の両側に形成され、前記絶縁層30は記録媒体との対向面に露出形成されている。
【0066】
図2に示すように、前記絶縁層30上には、レジストやポリイミド等の有機絶縁料で形成された絶縁層31が形成され、前記絶縁層31上には、第2のコイル層33が螺旋状に巻回形成されている。
【0067】
図2に示すように、前記第2のコイル層33は、レジストやポリイミド等の有機材料で形成された絶縁層32によって覆われ、前記絶縁層32上には、NiFe合金等で形成された上部コア層26が例えばフレームメッキ法等によりパターン形成されている。
【0068】
図2に示すように、前記上部コア層26の先端部26aは、前記上部磁極層35上に磁気的に接続されて形成され、前記上部コア層26の基端部26bは、下部コア層20上にNiFe合金等の磁性材料で形成された持上げ層36上に磁気的に接続されて形成されている。なお前記持上げ層36は形成されていなくても良く、この場合、前記上部コア層26の基端部26bは、下部コア層20上に直接接続されることになる。
【0069】
なお図2に示す薄膜磁気ヘッドでは、コイル層が2層積層されているが、1層で形成されていてもよい。この場合、例えば前記下部コア層20上であって、記録コア24のハイト方向後方は絶縁層30によって埋められ、前記絶縁層30上にコイル層が形成されることになる。あるいは図2に示す第2のコイル層33が形成されず、絶縁層31上に沿って上部コア層26が形成されることになる。
【0070】
ところで本発明では図1及び2に示すように、上部コア層26の先端面26cが、記録媒体との対向面に露出形成されておらず、前記記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成されている。
【0071】
このように本発明では、前記上部コア層26の先端面26cが前記記録媒体との対向面からハイト方向に後退して形成されることにより、サイドフリンジングの発生を適正に低減することが可能となっている。
【0072】
図1に示すように前記上部コア層26の先端面26cのトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法はT1であり、この幅寸法T1はトラック幅Twよりも大きく形成される。このため前記上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面に露出形成されると、前記上部コア層26と上部磁極層35間での漏れ磁束によりサイドフリンジングが発生しやすく、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができない。
【0073】
そこで本発明では、上記したように前記上部コア層26の先端面26cを記録媒体との対向面からハイト方向に後退させて、前記記録媒体との対向面に前記先端面26cが露出しないようにしている。
【0074】
これにより記録媒体との対向面に露出する上部磁極層35と、前記上部コア層26との間で、サイドフリンジングの発生を適切に防止でき、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0075】
なお図2、3に示すように、記録媒体との対向面から上部コア層26の先端面26cまでの最短の後退距離L3は、前記記録コアの前記対向面からハイト方向への最長長さ寸法(=L1)以下であり、さらに0μm<L3≦0.8μmであることが好ましい。
【0076】
前記後退距離L3を、0.8μm以下にすることにより、上部コア層26の磁束を比較的損失なくして、上部磁極層35に流入させることができる。
【0077】
また図2に示すように、前記上部コア層26の先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側(図示Z方向)にかけて、ハイト方向(図示Y方向)に徐々に深くなる傾斜面で形成されている。あるいは前記先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけて、ハイト方向に徐々に深くなる曲面で形成されていてもよい。
【0078】
すなわち前記先端面26cのハイト方向(図示Y方向)に対する傾き角度θ2、あるいは前記先端面26cが曲面で形成されている場合には、前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度θ2が、少なくとも90°より小さく形成されているのである。
【0079】
このように前記傾き角度θ2を90°よりも小さくする利点は、以下の通りである。すなわち図2に示すように前記上部コア層26上は、例えばAl23等の絶縁材料で形成された保護層34によって覆われるが、前記傾き角度θ2を90°よりも小さくすることで、前記上部コア層26の先端部26aと記録媒体との対向面間Bを、空洞が形成されることなく前記保護層34によって完全に埋めることができるからである。
【0080】
このように上部コア層26の先端面26cの傾き角度θ2は90°より小さいことが好ましいが、どれだけ小さく形成されてもよいというわけではなく、本発明では、前記上部コア層26は、前記先端面26cに対する背面26dが、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる曲面あるいは傾斜面で形成され、ハイト方向に対する前記傾斜面の傾き角度、あるいは前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度をθ1としたとき、前記傾き角度θ2は、前記傾き角度θ1よりも大きいことが好ましいとしている。
【0081】
このように、前記先端面26cの傾き角度θ2を、背面26dの傾き角度θ1よりも大きくすることで、前記上部コア層26の先端部26a形状の先細りを防止でき、上部コア層26からの磁束を、上部磁極層35に効率良く流すことが可能になり、記録特性の向上を図ることができる。
【0082】
さらに本発明では、前記先端面26cの傾き角度θ2は、60°≦θ2<90°の範囲内であることが好ましい。前記先端面26cの傾き角度θ2が、60°よりも小さく形成されると、上記した前記上部コア層26の先端部26a形状の先細りが顕著になり、前記先端部26aのボリュームが小さくなり、前記上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束伝達効率が悪化しやすいからである。
【0083】
なお前記先端面26cが、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に徐々に深くなる曲面で形成される場合、前記曲面は凸形状で形成されてもよいし、あるいは凹形状で形成されていてもよい。
【0084】
次に図3に示すように、前記上部コア層26の先端面26cは、トラック幅方向に向かうにしたがって、ハイト方向に徐々に後退する曲面形状で形成されている。
【0085】
このように前記上部コア層26の先端面26cはトラック幅方向に、従来のように平面形状で形成されず、曲面形状で形成されることで、前記先端面26cと側面間に角が無くなり、前記上部コア層26と上部磁極層35間での磁束漏れをさらに低減させることができ、サイドフリンジングの発生をより低減させることが可能である。
【0086】
また前記上部コア層26の先端面26cをトラック幅方向に曲面形状にすることで、上部磁極層35に対する前記上部コア層26の形成位置が、多少トラック幅方向(図示X方向)にずれても、前記先端面26cがトラック幅方向に平面形状で形成されている場合に比べてサイドフリンジングの影響を少なくすることができる。よって上部コア層26の上部磁極層35に対するアライメント精度が、多少低下してもサイドフリンジングの発生を適切に低減させることができる薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0087】
なお本発明では、前記曲面形状のトラック幅方向での終端部26eに接する接線を仮想線Eとしたときに、前記トラック幅方向(図示X方向)に対する前記仮想線Eの傾きθ4が、30°以上60°以下となっていることが好ましい。
【0088】
前記傾きθ4を30°以上60°以下とすることで、上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束伝達効率を落とすことなく、また上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面とほぼ一致しても、前記先端面26cからのサイドフリンジングをほぼゼロに抑えることができる。
【0089】
また図3に示すように前記上部コア層26は、前記先端面26cの曲面形状の終端部26e,26eからハイト方向へ延び、且つトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域Fと、前記先端領域Fのハイト側終端を起点としてハイト方向(図示Y方向)へ向けてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域Gとで構成されるが、この形状に限られない。
【0090】
例えば前記先端領域Fが、上記した仮想線Eによって幅寸法がハイト方向にかけて広がるように形成されていてもよい。
【0091】
以上のように、図1及び2に示す薄膜磁気ヘッドでは、上部コア層26の先端部26aが記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成され、さらに、前記上部コア層26の先端面26cは下部コア層側から上部コア層側(図示Z方向)にかけてハイト方向に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成され、しかも前記先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に徐々に後退する曲面形状で形成されている。
【0092】
次に図3に示すように、前記上部磁極層35上に接合されている端部での上部コア層26の幅寸法は、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法よりも大きくなっていることがわかる。これにより、前記上部コア層26からの磁束を、効率よく前記上部磁極層35に流すことができ、記録特性の向上を図ることができる。
【0093】
本発明では、上部コア層26と記録コア24とが重なる部分において、前記上部コア層26のトラック幅方向における幅寸法は、前記記録コア24のトラック幅方向における幅寸法の2倍〜2.5倍程度であることが好ましい。この範囲内であれば、上部コア層26を記録コア24上に形成する際、前記記録コア24の上面を、上部コア層26の幅寸法内にて確実に重ねやすく、また上部コア層26からの磁束を上部磁極層35に効率良く流すことができる。
【0094】
また図3に示すように、下部磁極層21、ギャップ層22及び上部磁極層35の3層膜で形成された記録コア24、あるいはギャップ層22と上部磁極層35の2層膜で形成された記録コア24は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)へトラック幅Twで形成された先端領域Cと、前記先端領域Cのハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域Dとで構成されている。
【0095】
このように前記記録コア24が、トラック幅Twよりも広い幅寸法で形成された後端領域Dを有することで、上部コア層26との接触面積を大きくすることができ、前記上部コア層26からの磁束を、上部磁極層35へ効率よく流すことが可能になっている。
【0096】
このため記録コア24上に形成される上部コア層26は、前記記録コア24の少なくとも後端領域Dに接合されていることが、上部コア層26と記録コア24との接触面積を大きくすることができて好ましい。
【0097】
なお本発明では、トラック幅Twで形成された先端領域Cの長さ寸法L4は、0.2μm<L4≦3.0μmの範囲内で形成されることが好ましい。
【0098】
上記範囲内よりも小さく形成されると、前記記録コア24の先端領域Cの長さ寸法があまりにも短くなりすぎ、記録媒体との対向面から露出する記録コア24の幅寸法を、所定のトラック幅Twで規制することが困難となる。
【0099】
一方、上記範囲内よりも長く形成されると、前記上部コア層26が、上部磁極層35の後端領域D上で重なりにくく、前記上部磁極層35の先端領域Cでの重なりが多くなることにより、上部コア層26と上部磁極層35との接触面積を大きくするといった利点を生かすことができなくなる。
【0100】
図4は、前記記録コア24の別の形状を示す本発明の薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0101】
図4に示すように、前記記録コア24は、トラック幅Twで記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)へ所定の長さ寸法L5で形成されている。すなわち図4に示す実施例では、図3に示す実施例のように、前記記録コア24にトラック幅Twよりも幅寸法の大きい後端領域Dは形成されていない。
【0102】
図4に示す記録コア24の形状では、図3に示す記録コア24の形状に比べて、上部コア層26との接触面積が小さくなるものの、適切にトラック幅Twを規制できるといった利点がある。
【0103】
なお前記記録コア24の長さ寸法L5は、0.8μm≦L5≦6.0μmの範囲内で形成されることが好ましい。前記長さ寸法L5が0.8μm以上であると、上部コア層26と上部磁極層35との接触面積を十分に取れるために、前記上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束伝達効率を落とすことがない。また前記長さ寸法L5が6.0μmより大きいと、記録コア24をメッキで成長させて形成する際に、均一に各層を形成できず、内側の端部で膜厚が先細り、あるいは曲面となり、磁気ギャップ、ギャップデプスGdのバラツキが大きくなり好ましくない。
【0104】
図4に示す実施例においても図3に示す実施例と同様に、上部磁極層35上に接合される端部での上部コア層26のトラック幅方向の幅寸法は、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法よりも大きくなっており、これにより、前記上部コア層26からの磁束を、効率良く前記上部磁極層35に流すことができる。
【0105】
また図4に示す上部コア層26と記録コア24との重なりの部分の大小比や、前記上部コア層26の形状等については、図3で説明したのと同じである。
【0106】
図5及び図6は、他の実施形態の薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
図5に示す実施例では、図3と同様に、上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成され、前記上部コア層26の先端面26cは、記録媒体との対向面から露出形成されておらず、前記記録媒体との対向面から前記上部コア層26の先端面26c間には、図2に示す保護層34が埋められている。
【0107】
また図5に示す薄膜磁気ヘッドでは、図2に示す薄膜磁気ヘッドと同様に、前記上部コア層26の先端面26cが下部コア層側から上部コア層側にかけて、ハイト方向(図示Y方向)に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されている。
【0108】
このように、上部コア層26を記録媒体との対向面からハイト方向に後退させて形成し、しかも前記先端面26cを、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成することにより、前記上部コア層26と上部磁極層35間でサイドフリンジングの発生を適切に低減することができ、また上部コア層26からの磁束を、上部磁極層35に効率良く流すことができ、さらに前記上部コア層26の先端面26cと記録媒体との対向面間を、空洞が形成されることなく保護層34によって完全に埋めることができる。
【0109】
なお図5に示す実施例では、図3、4に示す実施例のように、前記上部コア層26の先端面26cが、トラック幅方向の両側に向かうにしたがって、ハイト方向に深くなる曲面形状で形成されておらず、前記先端面26cは、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に延びる平面形状で形成されている。
【0110】
このように図5に示す実施例では、前記上部コア層26の先端面26cが、トラック幅方向において平面形状で形成されているが、前記先端面26cが、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成されることで、前記先端面26cが記録媒体との対向面から露出形成されないため、サイドフリンジングの発生を抑制するには、効果的な構造となっている。
【0111】
なお図5に示す実施例では、前記上部コア層26の下側に形成される記録コア24の形状は、図3に示す記録コア24の形状と同じになっている。
【0112】
すなわち前記記録コア24は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)にかけてトラック幅Twで形成された先端領域Cと、前記先端領域Cのハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域Dとで構成される。このように幅寸法がトラック幅Twよりも広がる後端領域Dが形成されることにより、前記上部磁極層35と上部コア層26との接触面積を大きくすることが可能になる。
【0113】
そして図5に示すように、前記上部磁極層35上に接合されている端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法よりも大きくなっており、前記上部コア層26からの磁束を、効率良く前記上部磁極層35に流すことができ、記録特性の向上を図ることが可能になる。
【0114】
図6は、別の実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分平面図である。
図6に示す実施例では、図5に示す実施例と同様に、上部コア層26が記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成され、しかも前記上部コア層26の先端面26cは、前記上部コア層26の下部コア層側から上部コア層側(図示Z方向)にかけてハイト方向に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されている。
【0115】
従ってサイドフリンジングの発生を従来に比べて低減させることができると同時に、記録媒体との対向面から前記上部コア層26の先端面26c間を保護層34によって適切に埋めることができ、さらに前記上部コア層26からの磁束を、効率良く前記上部磁極層35に流すことが可能である。
【0116】
またこの実施例においても図5に示す実施例と同様に、前記上部コア層26の先端面26cは、トラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に平面的に形成されているが、このような形状であっても前記上部コア層26が記録媒体との対向面からハイト方向に後退して形成されることで、サイドフリンジングの発生を従来に比べて低減させることが可能である。
【0117】
図6に示す実施例では、記録コア24が、トラック幅で記録媒体との対向面からハイト方向へ所定の長さ寸法L5で形成されている。このように前記記録コア24の幅寸法がトラック幅Twでのみ形成される場合には、トラック幅Twを所定寸法内に規制しやすい。
【0118】
なおこの実施例においても、図6に示すように、前記上部磁極層35上に接合されている端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層35のトラック幅方向における幅寸法よりも大きくなっており、前記上部コア層26からの磁束を、効率良く前記上部磁極層35に流すことができ、記録特性の向上を図ることが可能になる。
【0119】
また図5及び図6に示すように、上部コア層26は、一定の幅寸法を有する先端領域Fと、前記先端領域Fのハイト側終端を起点としてハイト方向に向けてトラック幅方向の幅寸法が漸次的に広がる後端領域Gとで構成されているが、これ以外の形状であってもかまわない。例えば、前記先端領域Fは、ハイト方向に向けて幅寸法が徐々に広がるように形成されていてもよい。
【0120】
図7は、本発明の別の実施形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、図8は、図7に示す8−8線からの断面を矢印方向から見た部分断面図、図9、10は、薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0121】
図7ないし図10における薄膜磁気ヘッドは、図1ないし図6に示す薄膜磁気ヘッドと上部コア層26の形状が異なるものの、それ以外の部分においては同じである。
【0122】
すなわち図8に示すように、下部コア層20上には、記録媒体との対向面からハイト方向に所定長さ寸法L1で形成された記録コア24が形成されており、前記記録コア24は、下から下部磁極層21、ギャップ層22、及び上部磁極層35の3層膜、あるいはギャップ層22、及び上部磁極層35の2層膜で構成されている。また前記下部コア層20と記録コア24との間には、Gd決め絶縁層27が形成され、記録媒体との対向面から前記Gd決め絶縁層27の前面までの長さ寸法L2がギャップデプス(Gd)として規制される。
【0123】
図8に示すように、下部コア層20上であって、記録コア24のハイト方向後方には、絶縁下地層28を介してコイル層29が螺旋状に巻回形成されている。さらに前記コイル層29の各導体部のピッチ間は無機絶縁材料等で形成された絶縁層30によって覆われ、前記絶縁層30は図1に示すように、記録媒体との対向面に露出形成されている。
【0124】
また前記コイル層29上には、有機絶縁材料等で形成された絶縁層31が形成され、前記絶縁層31の上には第2のコイル層33が螺旋状に巻回形成されている。
【0125】
前記第2のコイル層33上は、有機絶縁材料等で形成された絶縁層32に覆われ、さらに前記絶縁層32上には上部コア層26が、例えばフレームメッキ法等によりパターン形成されている。前記上部コア層26の先端部26aは、上部磁極層35上に重ねられて形成され、前記上部コア層26と上部磁極層35とが磁気的に接続された状態にされる。また前記上部コア層26の基端部26bは、下部コア層20上に形成された磁性材料製の持上げ層36上に磁気的に接続された状態にされている。
【0126】
この実施例においては、図1ないし6に示す実施例のように、前記上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向に後退して形成されていない。前記上部コア層26の先端面26cは記録媒体との対向面まで延ばされて形成され、その一部が前記記録媒体との対向面に位置している。
【0127】
図8に示すように、前記上部コア層26の先端面26cは、前記上部コア層26の下部コア層側から上部コア層側(図示Z方向)にかけてハイト方向(図示Y方向)に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されている。
【0128】
また図8に示すように、前記先端面26cよりもハイト側に位置する背面26dが、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向(図示Y方向)に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されるが、前記背面26dのハイト方向に対する傾きをθ1(前記背面26dが曲面で形成されている場合には、前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度θ1)とし、前記先端面26cのハイト方向に対する傾きをθ2としたときに、前記傾き角度θ2は、前記傾き角度θ1よりも大きいことが好ましい。
【0129】
このように、前記先端面26cの傾き角度θ2を、背面26dの傾き角度θ1よりも大きくすることで、前記上部コア層26の先端部26a形状の先細りを防止でき、前記先端部26aのボリュームを有効に大きくでき、上部コア層26からの磁束を、上部磁極層35に効率良く流すことが可能になり、記録特性の向上を図ることができる。
【0130】
また本発明では、上記条件に加えて、前記先端面26cの傾き角度θ2は、60°≦θ2<90°の範囲内であることが好ましい。前記先端面26cの傾き角度θ2が、60°よりも小さく形成されると、上記した前記上部コア層26の先端部26a形状が先細って形成されやすくなり、よって前記先端部26aのボリュームが小さくなり、前記上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束の効率が悪化しやすいからである。
【0131】
また前記上部コア層26の先端面26cを下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向(図示Y方向)に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成することにより、次に説明する前記先端面26cのトラック幅方向(図示X方向)における曲面形状と相俟って、サイドフリンジングの発生を適切に抑制できるものとなっている。
【0132】
本発明では、図9に示すように、前記上部コア層26の先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがって、ハイト方向(図示Y方向)に徐々に後退する曲面形状で形成されている。
【0133】
このように前記上部コア層26の先端面26cがトラック幅方向(図示X方向)にて、ハイト方向に後退する曲面形状で形成されることで、記録媒体との対向面に露出する上部コア層26の先端面26cは、図7に示すように符号26hの部分だけであり、わずかに上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面に露出する構成となる。
【0134】
すなわち本発明では前記上部コア層26の先端面26cをトラック幅方向の両側に向かうに従ってハイト方向に後退する曲面形状で形成し、しかも前記先端面26cを、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成することで、上部コア層26の先端面26cは記録媒体との対向面にわずかに露出するだけとなり、前記上部コア層26と上部磁極層35間での磁束漏れを低減させることができ、サイドフリンジングの発生をより低減させることが可能である。
【0135】
なお記録媒体との対向面に露出する上部コア層26の先端面26cの符号26hの部分は、その幅寸法がトラック幅Twよりも小さいことが好ましい。これにより、サイドフリンジングの発生をより適切に防止することが可能である。
【0136】
また前記上部コア層26の先端面26cをトラック幅方向(図示X方向)にて曲面形状にすることで、上部磁極層35に対する前記上部コア層26の形成位置が、多少トラック幅方向(図示X方向)にずれても、前記先端面26cがトラック幅方向にて平面形状で形成されている場合に比べてサイドフリンジングの影響を少なくすることができる。よって上部コア層26の上部磁極層35に対するアライメント精度が、多少低下してもサイドフリンジングの発生を適切に低減させることができる薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0137】
なお本発明では、前記先端面26cのトラック幅方向での終端部26e,26eに接する接線を仮想線Eとしたときに、前記トラック幅方向(図示X方向)に対する前記仮想線Eの傾きθ4が、30°以上60°以下となっていることが好ましい。
【0138】
前記傾きθ4を30°以上60°以下とすることで、上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束伝達効率の維持と、上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面とほぼ同じ位置に形成されていてもサイドフリンジングの発生を適切に抑制することができる。
【0139】
図10に示す実施例においても、図9に示す実施例と同様に、上部コア層26の先端面26cは、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向(図示Y方向)に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成され、しかも前記先端面26cは、トラック幅方向の両側に両側に向かうにしたがってハイト方向(図示Y方向)に深くなる曲面形状で形成されている。
【0140】
図9と図10の相違点は、前記上部コア層26の下側に形成される記録コア24の形状にあり、図9では前記記録コア24は、記録媒体との対向面からハイト方向にトラック幅Twで形成された先端領域Cと、前記先端領域Cのハイト側
終端を起点としてハイト方向にかけてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域Dとで構成されているのに対し、図10では前記記録コア24は、トラック幅Twで記録媒体との対向面からハイト方向に所定長さL5で形成され、後端領域Dは形成されていない。
【0141】
図9に示す記録コア24の形状では、トラック幅Twで形成された先端領域Cの長さ寸法L4が短すぎると、薄膜磁気ヘッドの製造時における記録媒体との対向面への加工等によって、前記トラック幅Twが所定寸法よりも広がってしまう可能性があるものの、後端領域Dの存在により、上部コア層26との接触面積を大きくできるという利点があり、一方、図10に示す記録コア24の形状では、上部コア層26との接触面積は、図9に示す実施例に比べて小さくなるものの、トラック幅Twを所定寸法内に規制しやすいといった利点がある。
【0142】
なお図9における記録コア24の先端領域Cの長さ寸法L4は、0μm<L4≦3.0μmの範囲内であることが好ましく、図10に示す記録コア24の長さ寸法L5は、0.8μm≦L5≦6.0μmの範囲内であることが好ましい。理由は上述した通りである。
【0143】
また図9及び図10に示すように、上部磁極層35上に接合されている端部での前記上部コア層26のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法よりも大きくなっており、従って前記上部コア層26からの磁束を効率良く前記上部磁極層35に流すことが可能になっている。なお、重ねられる部分の記録コア24のトラック幅方向の幅寸法に対する上部コア層26のトラック幅方向の幅寸法は、2倍〜2.5倍程度であることが好ましい。理由は上述した通りである。
【0144】
また図9及び図10に示すように、上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に一定の幅寸法で形成された先端領域Fと、前記先端領域Fのハイト側終端を起点としてハイト方向に漸次的にトラック幅方向の幅寸法が広がる後端領域Gとで構成されているが、本発明では、この形状に限られず、他の形状で形成されていてもかまわない。例えば図9に示す仮想線Eに沿って、前記上部コア層26の先端領域Fの幅寸法が徐々に広がるように形成されていてもかまわない。
【0145】
図11は、本発明の薄膜磁気ヘッドの別の実施形態を示す部分正面図、図12は、図11に示す12−12線から切断した薄膜磁気ヘッドを矢印方向から見た部分断面図、図13,14は薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0146】
図11ないし図14における薄膜磁気ヘッドは、図1ないし図6に示す薄膜磁気ヘッドと上部コア層26の形状が異なるものの、それ以外の部分においては同じである。
【0147】
すなわち図12に示すように、下部コア層20上には、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定長さ寸法L1で形成された記録コア24が形成されており、前記記録コア24は、下から下部磁極層21、ギャップ層22、及び上部磁極層35の3層膜、あるいはギャップ層22、及び上部磁極層35の2層膜で構成されている。また前記下部コア層20と記録コア24との間には、Gd決め絶縁層27が形成され、記録媒体との対向面から前記Gd決め絶縁層27の前面までの長さ寸法L2がギャップデプス(Gd)として規制される。
【0148】
図12に示すように、下部コア層20上であって、記録コア24のハイト方向後方には、絶縁下地層28を介してコイル層29が螺旋状に巻回形成されている。さらに前記コイル層29の各導体部のピッチ間は無機絶縁材料等で形成された絶縁層30によって覆われ、前記絶縁層30は図1に示すように、記録媒体との対向面に露出形成されている。なお図1に示すように前記下部コア層20の上面には傾斜面20b,20bが形成されていてもよい。これによりサイドフリンジングの発生をより適正に防止することができる。
【0149】
また前記コイル層29上には、有機絶縁材料等で形成された絶縁層31が形成され、前記絶縁層31の上には第2のコイル層33が螺旋状に巻回形成されている。
【0150】
前記第2のコイル層33上は、有機絶縁材料等で形成された絶縁層32に覆われ、さらに前記絶縁層32上には上部コア層26が、例えばフレームメッキ法等によりパターン形成されている。前記上部コア層26の先端部26aは、上部磁極層35上に重ねられて形成され、前記上部コア層26と上部磁極層35とが磁気的に接続された状態にされる。また前記上部コア層26の基端部26bは、下部コア層20上に形成された磁性材料製の持上げ層36上に磁気的に接続された状態にされている。
【0151】
この実施例においては、図1ないし6に示す実施例のように、前記上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向に後退して形成されていない。前記上部コア層26の先端面26cは記録媒体との対向面まで延ばされて形成され、その一部が前記記録媒体との対向面に位置している。
【0152】
本発明では、図13に示すように、前記上部コア層26の先端面26cが、両側端部に向かうにしたがって、ハイト方向(図示Y方向)に後退する曲面形状で形成されている。
【0153】
なおこの実施例においては、図1ないし6に示す実施例、及び図7ないし10に示す実施例にように、上部コア層26の先端面26cは、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されておらず、前記先端面26cは、記録媒体との対向面に沿って形成されている。
【0154】
このため図11に示すように、前記上部コア層26の先端面26cは、記録媒体との対向面において、その下部コア層側から上部コア層側にかけて一定の幅寸法を有する符号26iの部分が露出する。
【0155】
以上のように、上部コア層26の先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成されているから、前記先端面26cが記録媒体との対向面に位置しても、前記記録媒体との対向面からの露出部分は、図11に示す符号26iの部分だけであり、わずかに上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面に露出する構成となる。
【0156】
したがって、前記上部コア層26と上部磁極層35間での磁束漏れを低減させることができ、サイドフリンジングの発生をより低減させることが可能である。
【0157】
なお記録媒体との対向面に露出する上部コア層26の先端面26cの符号26iの部分は、その幅寸法がトラック幅Twよりも小さいことが好ましい。これにより、サイドフリンジングの発生をより適切に防止することが可能である。
【0158】
また前記上部コア層26の先端面26cをトラック幅方向に曲面形状にすることで、上部磁極層35に対する前記上部コア層26の形成位置が、多少トラック幅方向(図示X方向)にずれても、前記先端面26cがトラック幅方向に平面形状で形成されている場合に比べてサイドフリンジングの影響を少なくすることができる。よって上部コア層26の上部磁極層35に対するアライメント精度が、多少低下してもサイドフリンジングの発生を適切に低減させることができる薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0159】
なお本発明では、前記先端面26cの終端部26eに接する接線を仮想線Eとしたときに、前記トラック幅方向(図示X方向)に対する前記仮想線Eの傾きθ4が、30°以上60°以下となっていることが好ましい。
【0160】
前記傾きθ4を30°以上60°以下とすることで、上部コア層26から上部磁極層35へ流れる磁束伝達効率の維持と、上部コア層26の先端面26cが記録媒体との対向面とほぼ同じ位置に形成されていてもサイドフリンジングの発生を適切に抑制することができる。
【0161】
図14に示す実施例においても、図13に示す実施例と同様に、上部コア層26の先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向(図示Y方向)に後退する曲面形状で形成されているが、図1ないし図6に示す実施例、及び図7ないし図10に示す実施例のように、前記先端面26cには、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面は形成されていない。
【0162】
図13と図14の相違点は、前記上部コア層26の下側に形成される記録コア24の形状にあり、図13では前記記録コア24は、記録媒体との対向面からハイト方向にトラック幅Twで形成された先端領域Cと、前記先端領域Cのハイト側終端からハイト方向にかけてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域Dとで構成されているのに対し、図14では前記記録コア24は、トラック幅Twで記録媒体との対向面からハイト方向に所定長さL5で形成され、後端領域Dは形成されていない。
【0163】
図13に示す記録コア24の形状では、トラック幅Twで形成された先端領域Cの長さ寸法L4が短すぎると、薄膜磁気ヘッドの製造時における記録媒体との対向面への加工等によって、前記トラック幅Twが所定寸法よりも広がってしまう可能性があるものの、後端領域Dの存在により、上部コア層26との接触面積を大きくできるという利点があり、一方、図14に示す記録コア24の形状では、上部コア層26との接触面積は、図9に示す実施例に比べて小さくなるものの、トラック幅Twを所定寸法内に規制しやすいといった利点がある。
【0164】
なお図13に示す記録コア24の先端領域Cの長さ寸法L4は、0.2μm<L4≦3.0μmの範囲内であることが好ましく、また図14に示す記録コア24の長さ寸法L5は、0.8μm≦L5≦6.0μmの範囲内であることが好ましい。理由は上記した通りである。
【0165】
また図13及び図14に示すように、上部磁極層35上に接合される端部での上部コア層26のトラック幅方向の幅寸法は、前記上部磁極層35のトラック幅方向の幅寸法よりも大きくなっており、従って前記上部コア層26からの磁束を効率良く前記上部磁極層35に流すことが可能になっている。前記重ねられる部分の記録コア24のトラック幅方向の幅寸法に対する上部コア層26のトラック幅方向の幅寸法は、2倍〜2.5倍程度であることが好ましい。理由は上記した通りである。
【0166】
また図13及び図14に示すように、上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向に一定の幅寸法で形成された先端領域Fと、前記先端領域Fのハイト側終端からハイト方向に漸次的にトラック幅方向の幅寸法が広がる後端領域Gとで構成されているが、本発明では、この形状に限られず、他の形状で形成されていてもかまわない。
【0167】
例えば図13に示す仮想線Eに沿って、前記上部コア層26の先端領域Fの幅寸法が徐々に広がるように形成されていてもかまわない。
【0168】
以上のように本発明における薄膜磁気ヘッドによれば、上部コア層26を、記録媒体との対向面からハイト方向に後退させ、しかも前記上部コア層26の先端面26cを、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成し、さらに前記先端面26cをトラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成することで、あるいは、前記上部コア層26を、記録媒体との対向面からハイト方向に後退させ、しかも前記上部コア層26の先端面26cを、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成することで、または前記上部コア層26の先端面26cを、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成し、しかも前記先端面26cをトラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成することで、または前記上部コア層26の先端面26cを、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成することで、従来に比べてサイドフリンジングの発生を抑制することができ、さらに上部コア層26からの磁束を、上部磁極層35に効率良く流すことができ、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することが可能である。
【0169】
次に本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0170】
図15ないし図21に示す図は、図1ないし図4に示す薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す工程図である。図15ないし図18では、左側に薄膜磁気ヘッドの部分正面図が、右側にその部分断面図が示されている。
【0171】
図15では、右図に示されているように下部コア層20上にGd決め絶縁層27を形成した後、前記下部コア層20上に高さ寸法h3を有するレジスト層40を形成する。前記高さ寸法h3は、例えば4.0μm程度で形成される。
【0172】
次に前記レジスト層40に露光現像によって、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定長さ寸法L6を有する溝部40aを形成する。前記溝部40aの幅寸法t2は、例えば0.45μm程度で形成される。なお前記幅寸法t2は、トラック幅Twとして規制される幅であるので、できる限り小さく形成されることが好ましく、例えば前記幅寸法は露光の際に使用されるi線の限界値で形成されることが好ましい。
【0173】
次に図15の左図に示すように、前記溝部40a内に、下から下部磁極層21、ギャップ層22、及び上部磁極層35を連続メッキして積層する。このように連続メッキするには、前記ギャップ層22を、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成する必要がある。具体的には、前記非磁性金属材料を、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択することが好ましい。
【0174】
そして前記溝部40a内に形成された3層膜により、記録コア24が構成される。なお前記記録コア24は3層膜に限られない。例えば前記記録コア24はギャップ層22と上部磁極層35とで構成されていてもかまわない。
【0175】
そして前記レジスト層40を除去する。その状態を示したのが図16である。下部コア層20に形成された記録コア24の幅寸法はトラック幅Twとして規制され、前記トラック幅Twは0.7μm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5μm以下である。
【0176】
また前記記録コア24の高さ寸法h4は、1μm≦h4≦4μmの範囲内であることが好ましい。例えば下部磁極層21の高さ寸法は、0.3μm程度で形成され、ギャップ層22の高さ寸法は、0.2μm程度で形成され、また上部磁極層35の高さ寸法は、3.0μm〜3.3μm程度で形成される。
【0177】
次に図17に示すように、下部コア層20上、さらには記録コア24上を絶縁層30によって埋める。前記絶縁層30を形成する絶縁材料としては、無機絶縁材料であることが好ましい。具体的には、AlO、Al23、SiO2、Ta25、TiO、AlN、AlSiN、TiN、SiN、Si34、NiO、WO、WO3、BN、CrN、SiONのうち少なくとも1種から選択されることが好ましい。
【0178】
このように前記絶縁層30を無機絶縁材料で形成する理由は、次に行なわれるCMP技術によって前記絶縁層30の表面を研磨加工し易くするためである。
【0179】
図17に示すように前記絶縁層30をH−H線から、CMP技術を用いて研磨加工する。これによって前記絶縁層30の表面は平坦化され、また前記絶縁層30の表面からは上部磁極層35の表面が露出する。その状態を示したのが図18である。
【0180】
図17工程で、CMP技術によって記録コア24の表面が削られたことにより、図18に示すように、記録コア24の高さ寸法は、h5になり、前記高さ寸法h5は、例えば2.4μm〜2.7μm程度になる。また図18の右図に示すように、Gd決め絶縁層27上での上部磁極層35の高さ寸法はh6であり、前記高さ寸法h6は、1.4μm〜1.7μm程度である。
【0181】
ところで本発明の製造方法によれば、記録コア24の高さ寸法h5、及びGd決め絶縁層27上での上部磁極層35の高さ寸法h6を所定寸法内に形成しやすく、再現性の高い薄膜磁気ヘッドの製造が可能になっている。
【0182】
その理由は、従来のように下部コア層20の膜面に対し垂直に近い方向からのトリミング工程を行っていないからである。従来では、サイドフリンジングの発生を抑制するために前記トリミング工程は欠かせない工程となっており、しかしながら前記トリミング工程によって、上部磁極層35の高さ寸法の著しい減少や、トラック幅Twのバラツキ等が発生し、製造時における再現性は非常に低いものとなっていた。
【0183】
一方、本発明においては、記録コア24を構成するギャップ層22をメッキ可能な非磁性金属材料で形成することによって、図15に示すレジスト層40の溝部40a内に、下から順に下部磁極層21、ギャップ層22、及び上部磁極層35を連続してメッキ形成することができる。
【0184】
このため本発明では、下部コア層20上からトラック幅Twで突出する下部磁極層21と、さらにその上にトラック幅Twのギャップ層22を、下部コア層20の膜面に対し垂直に近い方向からのトリミング工程を行わずとも形成できるので、上部磁極層35と下部コア層20間でのサイドフリンジングが発生しにくい構造の薄膜磁気ヘッドを、トリミング工程を行わず形成することが可能になる。
【0185】
ただし本発明において図16に示す工程の際に、トリミング工程を行っても良い。ただし前記トリミング工程は、下部コア層20の膜面に対し、斜め方向からイオン照射が行なわれ、前記イオン照射角度は、前記膜面の垂直方向に対し45°〜75°、より好ましくは60°〜75°の範囲内であることが好ましい。
【0186】
上記したイオン照射角度を有するトリミング工程では、従来のように、イオン照射によって削られた磁粉が記録コア24の両側に付着することがなく、また本発明では、下部コア層20の膜面に対してより垂直方向に近いイオン照射角度を有するイオンミリングを行わないため、本発明では、上記した下部コア層20の膜面に対し斜め方向からのトリミング工程を行っても、記録コア24の形状にばらつき等が発生しにくく、また記録コア24の高さ寸法が著しく減少するといった問題も発生しない。
【0187】
本発明では、前記トリミング工程により、記録コア24のトラック幅Twを、さらに小さくでき今後の狭トラック化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造でき、しかも前記記録コア24の下面の両側から延びる下部コア層20の両側上面に、傾斜面20b,20b(図1参照)を形成することができ、さらにサイドフリンジングの発生を抑制可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0188】
次に、前記絶縁層30上にコイル層や前記コイル層を覆う絶縁層32を形成する。そして前記上部磁極層35及び絶縁層30、さらに前記絶縁層32の表面に図19に示すレジスト層41を形成する。なお図19は、薄膜磁気ヘッドの部分平面図である。
【0189】
図19に示すように前記レジスト層41に、上部コア層26の抜きパターン41aを形成する。
【0190】
図19に示すように、前記パターン41aの先端面41bは、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成されており、しかも前記先端面41bは、トラック幅方向の両側端部41c,41cに向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成されている。
【0191】
上記パターン41aを形成するには、本発明では、以下のような工夫がなされている。すなわち本発明では、露光の際に光を照射する部分は、レジスト層41のうちパターン41a以外の部分41dであり、光の照射されたレジスト層41dの部分を現像し、前記レジスト層41dを残して、パターン41aのレジスト層41を除去する(イメージリバース)。
【0192】
これは従来とは逆の露光現像のやり方であり、従来では、上部コア層26のパターンとなる41aの部分に光を照射していた。
【0193】
本発明において、パターン41a以外のレジスト層41dに光を照射し現像して、光が照射されていないパターン41aの部分を除去する理由は、残されるレジスト層41dの形状に関係している。
【0194】
図20は、本発明における薄膜磁気ヘッドの部分断面図である。なお図20では、薄膜磁気ヘッドの先端付近の形状のみが示されている。
【0195】
図20に示すように、絶縁層30及び上部磁極層35上には、レジスト層41dが残されている。このうち、記録媒体との対向面からハイト方向に所定の長さ寸法で残されるレジスト層41d1は、その背面41d2が、下部コア層側から上部コア層側にかけて(図示Z方向)、ハイト方向(図示Y方向)に傾く傾斜面あるいは曲面で残される。
【0196】
前記レジスト層41d1が、上記のような形状で残される理由は、露光現像によって残されるレジスト層41dに光りを当てているからであり、逆に、除去されるパターン41aの部分に光りを当てて、前記レジスト層41dの部分に光りを当てないと、残されるレジスト層41d1は、図22に示すように、その背面41d2が、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向(図示Y方向)と逆方向に傾く傾斜面あるいは曲面として残されるのである。
【0197】
図20に示すように、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に所定の長さ寸法で残されるレジスト層41d1の背面41d2に、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に傾く傾斜面あるいは曲面が形成されていると、前記パターン41a内に上部コア層26の材質となる磁性材料をメッキ形成することによって、図21に示すように、前記上部コア層26の先端面26cに、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面を形成することが可能になっている。
【0198】
図22に示すように、残されたレジスト層41d1の背面41d2に、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向(図示Y方向)と逆方向に傾く傾斜面あるいは鏡面が形成されていると、パターン41a内に上部コア層26の材質となる磁性材料をメッキしたとき、図23に示すように、前記上部コア層26の先端面26cには、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向とは逆方向の傾斜面あるいは曲面が形成されることになる。
【0199】
図23に示す薄膜磁気ヘッドの場合では、前記上部コア層26の先端面26cと記録媒体との対向面間Bの部分に、Al23等の保護層34を形成する際、前記Bの部分を完全に前記保護層34によって埋め難く、前記Bの部分に空洞が形成されやくなる。
【0200】
このため、本発明では前記上部コア層26の先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面が形成されるのように、図19に示す工程で、上部コア層26のパターン41a以外の部分のレジスト層41dに光を照射しその後現像し、これによって除去されるパターン41aの先端面を、下部コア層側から上昇するにしたがってハイト方向へ後退する傾斜面または曲面としているのである。
【0201】
なお、図15ないし図21に示す工程図は、上記したように、上部コア層26が、記録媒体との対向面からハイト方向に後退し、前記上部コア層26の先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成され、しかも前記先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成される薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明したが、他の実施形態の薄膜磁気ヘッドの製造工程は以下の通りである。
【0202】
図5及び6に示す実施例では、上部コア層26は、記録媒体との対向面からハイト方向(図示Y方向)に後退して形成され、しかも上部コア層26の先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成されるが、前記先端面26cは、トラック幅方向(図示X方向)にて曲面形状で形成されておらず前記先端面26cは、トラック幅方向に平面形状で形成されている。
【0203】
上記構成の場合、図19に示す工程の際に、図5あるいは6に示す上部コア層26と同じ形状となるパターンをレジスト層41に形成するために、前記パターン以外の部分の領域に光を照射し、その後現像することで、除去されるパターンの部分の先端面を下部コア層側から上昇するにしたがてハイト方向へ後退する傾斜面または曲面とし、このとき前記先端面を記録媒体との対向面の形成位置からハイト方向へ後退した位置に形成する。そして前記パターン内に、上部コア層26の材質となる磁性材料をメッキすると、図5あるいは6に示す形状の上部コア層26を形成することができる。
【0204】
次に図7ないし図10に示す実施例では、上部コア層26の先端面26cは、記録媒体との対向面に位置し、しかも前記先端面26cは、下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面で形成され、さらに前記先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成されている。
【0205】
上記構成の場合、図19に示す工程の際に、図9または図10に示す上部コア層26と同じ形状となるパターンをレジスト層41に形成するために、前記パターン以外の部分の領域に光を照射し、その後現像することで、除去されるパターンの部分の先端面を下部コア層側から上昇するにしたがてハイト方向へ後退する傾斜面または曲面とし、このとき前記先端面を記録媒体との対向面の形成位置と同じ位置に合わせる。そして前記パターン内に、上部コア層26の材質となる磁性材料をメッキすると、図9あるいは10に示す形状の上部コア層26を形成することができる。
【0206】
次に図11ないし図14に示す実施例では、上部コア層26の先端面26cは、記録媒体との対向面に位置し、しかも前記先端面26cは、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成されているが、前記先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面で形成されておらず、記録媒体との対向面に沿って形成されている。
【0207】
上記構成の場合、図19に示す工程の際に、図13または図14に示す上部コア層26と同じ形状となるパターンを露光現像によってレジスト層41に形成する。
【0208】
前記露光現像の際、前記パターンの部分に光りを照射してもよいし、あるいは前記パターン以外の部分に光を照射してもどちらでも良い。上記構成の場合、先端面26cは、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面で形成されないから、露光現像の際における光の照射の箇所は、上部コア層26のパターンの部分でもよいし、前記パターン以外の部分でもどちらでもよいのである。
【0209】
そして露光現像によって上部コア層26のパターンを形成した後、前記パターン内に、上部コア層26の材質となる磁性材料をメッキすると、図13あるいは14に示す形状の上部コア層26を形成することができる。
【0210】
以上のように本発明の製造方法によれば、下部磁極層21、ギャップ層22、及び上部磁極層35の3層膜、あるいはギャップ層22及び上部磁極層35の2層膜で構成されるトラック幅Twを規制する記録コア24を、連続メッキで形成することができ、よって従来のように下部コア層20の膜面に対して垂直方向に近い方向からのイオン照射角度を有するトリミング工程の必要性がなく、再現性が高い薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0211】
また本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、上部コア層26をパターン形成する際に使用するレジスト層を、上部コア層26のパターンとなる部分以外のレジスト層に光を照射しその後現像することによって、前記パターンの先端面を下部コア層側から上昇するにしたがってハイト方向へ後退する傾斜面あるいは曲面とすることができ、よって、上部コア層26の先端面26cに、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面あるいは曲面を形成することが可能である。
【0212】
なお本発明では、図15ないし図18に示すように、下部コア層20上にまず記録コア24を形成し、その後、前記記録コア24の周囲を絶縁層30によって埋めているが、この方法に限るものではない。
【0213】
例えば下部コア層20上にまず絶縁層30を形成し、前記絶縁層30に溝を形成した後、前記溝内に記録コア24を形成する方法であってもよい。
【0214】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明によれば、上部コア層の先端面を、ハイト方向から後退した位置に形成し、しかもその下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面で形成することにより、サイドフリンジングの発生を抑制することができると同時に、上部コア層からの磁束を効率良く上部磁極層に流すことができ、今後の高記録密度化に対応可能な薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0215】
また上部コア層の先端面は、トラック幅方向の両側に向かうにしたがってハイト方向に後退する曲面形状で形成することが最も好ましい形態であり、これによりさらにサイドフリンジングの発生を抑制することができる。
【0216】
また本発明の製造方法によれば、下部コア層に対し垂直方向に近い方向のイオン照射角度を有するトリミング工程を必要としなくても、サイドフリンジングの発生の抑制に適した薄膜磁気ヘッドを製造することができるので、再現性良く薄膜磁気ヘッドを製造することができる。
【0217】
また前記上部コア層を形成するために必要なレジスト層に露光現像する際に、前記上部コア層のパターンとなる部分以外のレジスト層に光を照射することにより、パターン形成される上部コア層の先端面に、その下部コア層側から上部コア層側にかけてハイト方向に深くなる傾斜面または曲面を容易に形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図2】図1に示す2−2線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図3】図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図4】図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドの他の形状を示す部分平面図、
【図5】図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドの他の形状を示す部分平面図、
【図6】図1及び図2に示す薄膜磁気ヘッドの他の形状を示す部分平面図、
【図7】本発明における他の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図8】図7に示す8−8線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図9】図7及び図8に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図10】図7及び図8に示す薄膜磁気ヘッドの他の形状を示す部分平面図、
【図11】本発明における他の実施の形態の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図12】図11に示す12−12線から切断した薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図13】図11及び図12に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図14】図11及び図12に示す薄膜磁気ヘッドの部分平面図、
【図15】本発明における薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す部分平面図と部分断面図、
【図16】図15工程の次に行なわれる工程を示す部分正面図と部分断面図、
【図17】図16工程の次に行なわれる工程を示す部分正面図と部分断面図、
【図18】図17工程の次に行なわれる工程を示す部分正面図と部分断面図、
【図19】図18工程の次に行なわれる工程を示す部分平面図、
【図20】図19工程の次に行なわれる工程を示す部分断面図、
【図21】図20工程の次に行なわれる工程を示す部分断面図、
【図22】図19工程の次に行なわれる他の形態を示す部分断面図、
【図23】図22工程の次に行なわれる工程を示す部分断面図、
【図24】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す部分正面図、
【図25】図24に示す薄膜磁気ヘッドの部分断面図、
【図26】従来における薄膜磁気ヘッドの製造方法を示す部分正面図、
【図27】図26工程の次に行なわれる部分正面図、
【図28】図27工程の次に行なわれる部分正面図、
【図29】図28工程の次に行なわれる部分正面図、
【図30】図29工程の次に行なわれる部分正面図、
【図31】図30工程の次に行なわれる部分平面図、
【図32】図31工程の次に行なわれる部分断面図、
【符号の説明】
20 下部コア層
21 下部磁極層
22 ギャップ層
24 記録コア
26 上部コア層
26a 先端部
26b 基端部
26c 先端面
26d 背面
26e 終端部
27 Gd決め絶縁層
34 保護層

Claims (11)

  1. 下部コア層と、
    前記下部コア層上に下部磁極層、ギャップ層、及び上部磁極層の順に積層され、あるいはギャップ層及び上部磁極層の順に積層されて、記録媒体との対向面に露出する記録コアと、
    前記記録コアの前記上部磁極層の上に磁気的に接合される上部コア層と、
    前記下部コア層、記録コア及び上部コア層に記録用の磁界を誘導するコイルとを有する薄膜磁気ヘッドにおいて、
    前記記録コアは、記録媒体との対向面からハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有し、
    前記上部コア層の記録媒体との対向側に向く先端面は、記録媒体との対向面からハイト方向へ後退した位置にあり、且つ前記先端面の全体は、下部コア層側から上部コア層側に向けてハイト方向へ徐々に深くなる傾斜面あるいは曲面であるとともに、トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に深くなる曲面形状で形成され、
    前記記録媒体との対向面から前記上部コア層の先端面までの最短の後退距離L3は、前記記録コアの前記対向面からハイト方向への最長長さ寸法以下であるとともに、前記記録コアの前記先端領域の長さ寸法よりも短く形成され、
    前記上部磁極層上に接合されている端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法は、前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法よりも大きく、前記上部コア層は、前記記録コアの前記後端領域の全面に接合されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 前記後退距離L3は、0μm<L3≦0.8μmである請求項1記載の薄膜磁気ヘッド。
  3. 前記上部コア層には、前記先端面よりもハイト側に位置するする背面が形成されており、前記背面は、下部コア層側から上部コア層側に向けて、ハイト方向へ徐々に深くなる曲面あるいは傾斜面であり、
    前記背面に形成されている前記傾斜面のハイト方向に対する傾き角度、あるいは前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度をθ1、
    前記上部コア層の前記先端面に形成されている前記傾斜面のハイト方向に対する傾き角度、あるいは前記曲面の下部コア層側の終端と上部コア層側の終端との中点における接線のハイト方向に対する傾き角度をθ2としたときに、
    前記θ2が前記θ1よりも大きい請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 前記傾き角度θ2は、60°≦θ2<90である請求項3記載の薄膜磁気ヘッド。
  5. 前記曲面形状のトラック幅方向での終端部に接する接線を仮想線としたときに、前記トラック幅方向に対する前記仮想線の傾きが、30°以上60°以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 前記上部コア層は、前記先端面の曲面形状の終端部からハイト方向へ延び且つトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有する請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  7. 前記ギャップ層は、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 前記非磁性金属材料は、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択されたものである請求項記載の薄膜磁気ヘッド。
  9. (a)下部コア層上の上に、下部磁極層、ギャップ層及び上部磁極層の順に積層され且つ記録媒体との対向面で前記下部磁極層と上部磁極層のトラック幅方向の寸法を決め、またはギャップ層及び上部磁極層が順に積層され且つ記録媒体との対向面で前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法を決めるとともに、記録媒体との対向面からハイト方向へ向けてトラック幅方向の幅寸法が一定の先端領域と、前記先端領域のハイト側終端を起点としてハイト方向へトラック幅方向の幅寸法が徐々に広がる後端領域とを有する記録コアを形成する工程と、
    (b)前記(a)の工程の前にまたは前記(a)の工程の後に、前記記録コアの周囲に絶縁層を形成し、前記記録コアと前記絶縁層の上面を同一平面にする工程と、
    (c)前記記録コアと前記絶縁層の上にレジスト層を形成する工程と、
    (d)前記レジスト層に、上部コア層を形成するための抜きパターンを形成し、このとき、前記レジスト層の前記パターン以外の領域を露光し、その後に現像することで、前記パターンの前記上部コア層の先端面となる面の全体を、下部コア層側から上昇するにしたがってハイト方向へ後退する傾斜面または曲面とするとともに、前記トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に後退する曲面形状とし、このとき前記先端面となる面を記録媒体との対向面の形成位置からハイト方向へ後退した位置に形成するとともに、前記記録媒体との対向面から前記上部コア層の先端面となる面までの最短の後退距離L3を、前記記録コアの前記対向面からハイト方向への最長長さ寸法以下に、且つ前記記録コアの前記先端領域の長さ寸法よりも短く形成し、さらに前記上部磁極層上に接合される端部での前記上部コア層のトラック幅方向の幅寸法が、前記上部磁極層のトラック幅方向の幅寸法よりも大きく、前記上部コア層が、前記記録コアの前記後端領域の全面に接合されているように、前記パターンの幅寸法を規定する工程と、
    (e)前記パターン内に、磁性材料をメッキ形成し、前記パターンにしたがって、先端面が記録媒体との対向面からハイト方向に後退した位置にあり、且つ前記先端面の全体が下部コア層側から離れるにしたがってハイト方向へ徐々に深くなる傾斜面または曲面となるとともに、前記トラック幅方向の両側に向うにしたがってハイト方向に徐々に後退する曲面形状となる上部コア層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 前記ギャップ層を、メッキ形成可能な非磁性金属材料で形成する請求項記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  11. 前記非磁性金属材料を、NiP、NiPd、NiW、NiMo、Au、Pt、Rh、Pd、Ru、Crのうち1種または2種以上から選択する請求項10記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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